鼠丼

神の言葉を鼠が語る

<701>マンホールと言えば

2016-09-10 07:33:16 | 日記

 毎度!ねずみだ。

 めでたく更新700回を超えた。2000年に始めてやっと700回だって。更新ペース遅すぎる。

 みわさん、天国で見てくれていますか?あと300回ですよ。
 
 まあどんだけくだらない内容を更新してきたかは別として、いずれこのブログの偉大さは歴史が証明することになるだろう(遠い目をしながら)。

 さて、子供のころからあることに関して疑問を持っていて、ついつい年を重ねる中でその疑問を解明せずに今に至っている、という案件を誰しも抱えている(ような気がする)のだが、いかがなものか。
 私の場合、その一つにマンホールがあった。マンホールと言えば道路のあちこちに点在している、例のあれだ。もちろん読者のみなさんのようにとんでもない田舎に住んでいても、マンホールの一つや二つ見た事があるだろう。あのマンホールである。

 幼き頃の私は、「あのマンホールにはちゃんとした美しい正式名称があり、無知蒙昧な日本人が勝手にマンホールと呼んでいるに違いない。」と思っていた。(実はつい先週までそう思っていた。)
 たまたまネットで調べた(いや、普通疑問を持った瞬間に調べろよ、と責めるのは大人じゃないぜ。)ところ、元からマンホールはマンホールと名づけられていたとのことである。下水道や地下設備のメンテナンスをする際、地上から降りるために作られた縦孔のことをマンホールと名付けてしまったらしいのだ。

 これを知って、私は少なからずショックを覚えた。

 少年の頃から疑問に思っていた、たぶん人類にとって深淵なる謎のような、ある意味神格化された案件がこんなあっけない結末を迎えてしまったのだ。

 人(MAN)が入る穴(HOLE)でマンホール?軽率の極みだ。

 ええっと、なんかもう少し考えなかったのかなあ、なんて言うかもうちょっとカッコ良いネーミングがあっただろうに。
 少年時代から大事にしていた宝物が、実はただのガラクタだったような、そんな虚脱感に苛まれたよ。私というアイデンティティがガラガラと音を立てて崩壊したよ。なんか、もうどうでもよくなった。虚脱感が全身を襲う。もう二度と通勤電車に揉まれないし会社も明日から行かない。あ、給料だけはちゃんと25日に振り込んでおいてね。食事も摂らない。あ、やっぱり食べる。おやつも欠かさない。そして二度寝する。

 こういう、やってられない感を「身も蓋もない」と言うのだろうか。

 まあ、マンホールだけに蓋だけはあるよ、なんて慰めの言葉は要らないよ。

 上手い事言うねえ。じゃ、またね。二度寝してくる。

<700>空いたカン箱の利用法と言えば

2016-09-07 18:15:39 | 日記

 毎度!ねずみだ。

 以前誰かの通夜に行った際に香典返しでもらった海苔を使い切って、海苔を保存していたカン箱が空いた。

 捨てようかと思ったら、奥さんが中に外装の封を切った煎餅の個装を入れて使い始めた。酸化防止剤を一緒にいれ湿気るのを防いでいる。そんなことをしても湿気てしまうよなんて笑いながら、あれ、なんだかどこかで見た事がある光景だぞ、と思って古い記憶を辿る。

 唐突に、しかも鮮やかな記憶が40数年振りに蘇る。

 まだ、小学生の頃の話だ。

 同級生がすぐ近所に住んでいて、私はしょっちゅう遊びに行っていた。同級生には3歳だか4歳だか年上のお姉さんがいたのだが、そのお姉さんがお菓子をカンの空き箱に入れていて、私が遊びに行った際に彼女が居るとその中からお菓子をくれた。
 伊藤くんというその同級生は親が工場を経営していた事もあって、金持ちのボンボン。そんな事もあってか、彼のお姉さんが開けて見せてくれるカンの箱の中には、私が見た事がない外国製のお菓子が沢山詰め込まれていた。その中から「今日は何をあげましょうか。」と色んなお菓子を摘み上げ、畏まって座っている私にくれたのだった。

 英文字の包装紙に包まれたお菓子が美味しかったのは、その甘さのせいだけではなかったような気がする。

 家に戻った小学生の私は母親にカンの空き箱をねだり、自分専用のお菓子箱を作った。母から手渡されたカンの空き箱はお菓子が入っていたカラフルなモノではなく、のりが入るような地味なデザインだったような記憶がある。
 私の期待に反して家には気の利いたお菓子がなく、カン箱の中に収められたのは父親のビールのツマミであるところの柿の種と、母親が好んで食べていた、オブラートに包まれたぶよぶよのゼリー、それと煎餅だけ。外国製の洒落たチョコやビスケットが箱の中にエントリーしてくる事は無く、同級生のお姉さんが見せてくれたような華やかなお菓子の詰まった箱になる日は終ぞ来なかった。

 その話を奥さんにしたところ、彼女がやおらカンの箱にチョコやら飴やらビスケットを詰め始めた。


<699>オールと言えば

2016-09-03 07:32:00 | 日記

 毎度!ねずみだ。

 会社の若い奴と話していた際のこと。

 ボリュームのある仕事をA.S.A.P.でやらせようとしたら、そんなの徹夜になってしまいますよ、と泣き言を言う。
 その一言が私のS心に火をつけ、何言ってやがるんだ、お前らはついこの前まで学生だったじゃねえか、どうせ女の子達とオールナイトで遊んでいたくせに、そのくらいの体力はあるだろう、と一喝してやった。

そこでハタと気がついた。もしかして今のワカモノは「オールナイト」なんて言わないんじゃないか、と。これって死語かも。まあ口を突いて出てしまったものは仕方がない。気づかないのを期待する。

案の定、その若い奴からあのーねずみさん、今時オールナイトって言わないですよ、徹夜は徹夜はですよ、せいぜいオールですよと逆に突っ込まれた。これを聞いていた周囲も笑っていやがる。
照れくささもあって、何言ってやがる、徹夜といえばオールナイトだ。ラジオはオールナイトニッポンだし、深夜番組ならオールナイトフジだ。オールナイトのどこが悪い、と訳のわからないキレ方をしたら、周りで聞いていた他の奴らまで一斉に「昭和か!」と声を合わせて突っ込んできた。

よく考えてみたら、話していた若い奴の年齢は25歳だ。私のふた回りも下の若造である。そりゃジェネレーションギャップどころの話じゃないね。

 そっかー、オールナイトって言わないのか。

 近くに座っている50代半ばの女性に小声で「オールナイト」って言いますよね?と確認したらにこにこしながら「確かに昔は言いましたが、それって30年くらい前の言い方ですよね。」と諭された。

 なんだよ、みんなして。


<698>お盆といえばお約束の

2016-09-01 12:34:08 | 日記
 毎度!ねずみだ。

 お盆休みをそれぞれの地元で過ごした同僚たちと話している中で、同僚の一人がこんな話をした。

 彼の母親がお盆休み前に近所の眼鏡店へ。新しい眼鏡を作りに行ったのだ。道で会えば挨拶する程度には見知った間柄の眼鏡屋店主がこう提案した。
「明日なら専門医が来ることになっているので、良かったら明日精密検査をしてもらってから眼鏡をつくったらどうか。」
 個人経営の眼鏡店だけあって、チェーン店の対応とは一味違う。彼の母親はそれならば明日また来ましょう、近所だからね。といったん眼鏡店を後にした。

 翌日、改めて眼鏡店に行くと店長がにこにこしながら、「ああ、あの後旦那さん(同僚の父親)も来ましたよ。検眼だけして帰りました。」と言ったという。
 勿論店長は彼の父親の顔も知っている。
 彼の母親は店長がそう言うのを聞いてから、「そうですか、あの人が来ましたか。」と何事も無いように返した。
 そのまま専門医に検眼してもらい、眼鏡を作った後に家に戻った。

 お盆で帰省した折、実家に顔を出した彼に母親が語った話だ。

 ちなみに彼の父親は三年前に亡くなっている。

 同僚にこの話をした彼の母親は「お盆も近かったし帰ってきたのかねえ。」としみじみと言ったそうだ。

 不思議だが毎年お盆の時期になると、この手の話を聞く。他人からすれば「それって幽霊?」という話だが、当事者にとってみれば家族がお盆に帰ってきたのだから当たり前といえば当たり前の話。むしろ、「そうかい、やはり帰ってきたのかい。」という反応。

 この話を聞いて私も「いい話を聞かせてもらったよ、ありがとう。」と同僚にお礼を言った。

 なんとも日本のお盆に似つかわしい話だ。