鼠丼

神の言葉を鼠が語る

<711>昔作った曲を聴きたくなったので(その3)

2017-01-30 18:46:27 | 日記

 毎度ねずみだ。

 という訳で約5年ぶりに昔録音した曲を聴いた。

 いんやー天才。360度回ってやはり天才。私には曲作りの神様が微笑んでいてくれたのだ。

 曲作りをする奴には2種類いて、片方は死ぬまでマスターベーションみたいにクソ曲を作って気持ちよくなっている奴で、もう片方は天上にいる神様が曲を与えてくれて、ただそれを譜面に落とし続けて印税でガッポガッポ稼ぐ奴だ。
 当然サラリーマンを細々と続けている私は前者だようるさいよあっち行け。

 ようし、こうなったらこの曲の素晴らしさを世の中の無知蒙昧な奴らに聞かせてやるしかない。ミュージックビデオを作ってメディアに発表してやる。いや、YOUTUBEあたりにこっそり載せて様子を見よう。ピコ太郎みたいにジャスティンビーバーが見てくれるかも。
 どういうわけかそう思ってしまったんだよ。思ってしまったんだよ。(2回繰り返してみました。)

 まずは音源をパソコンに落とそう。
 なに?MDからPCに取り込むにはアダプターとソフトが必要だって?ええい、アマゾンで即購入。ついでにビデオ作成ソフトも即購入。音楽作成打ち込み用編集ソフトもたてつづけに購入。ギター用エフェクターもシールドもアンプだって即購入。中国人もびっくりの爆買いだ。いんやー爆買い気持ち良い!昔の貧乏時代とは違うのだよアムロ君。
 という訳で奥さんには「ええっと、今月のお小遣い要りません。」とあとで伝えよう。

 ミュージックビデオを作るには色んな映像を撮影しなくてはいけないので、iphoneで写真やら動画を取りまくる。勿論それだけでは足りないのでネットから著作権フリーの画像もコピーして。
 iphoneを使ってギターを弾くところを自撮り。友人に事情を話すと二つ返事で「よしやろう」と言ってくれる。さすが30年以上の付き合いだ。多くを語らずとも分かってくれる。

 あとはスタジオ入りして演奏しているトコ(ただし曲はできているので演奏しているフリ)と歌っているトコ(ただし曲はできているので歌っているフリ)を撮影してPCに取り込むのじゃ!

 という訳で私の事をYOUTUBERと呼んでもらえる日は近い。

 じゃ!

<710>昔作った曲を聴きたくなったので(その2)

2017-01-26 18:29:00 | 日記

 毎度!ねずみだ。

 さて前回の続きだ。前回は友人がMDを持ってきてくれて万事解決だ、というところまでだった。今回はテキスト52ページからかな?はいはい静かに。みんなが静かになるまで待っていたら先生こんなに年老いてしまったのじゃよ。

 もう勝ったも同然の気持ちでMDをセット。さああの頃の私と友人の曲が流れてくるぞ、と緊張の一瞬。勿論奥さんがいないタイミングを見計らい、さらに用心のためにイヤホンを使った。

 イントロが流れてくるのを待つが・・・、意表を突いて流れてきたのは英会話だった。ええっと、友人が海外に勉強しに行った折に機内で聞いていたという、アレかな。まあラベルが貼ってないからしょうがないねうん。
 気を取り直して次のMDを。あれれこれも英会話だよ。さらに次のMDも。どうなってんの?
 頼みの綱がぶちっと切れそうに。
 最後のMDをかけるとギターの音が聞こえる。このイントロこそ・・・、えええええこれじゃない。確かにギターの音は友人と私のものだが、これは探していた音源ではなーい!

 やっちまったのか!ついに地上から私たちの音源は消え去ってしまったのか!

 本当に脱力感が全身を襲ったよ。めまいも覚える。人生50年を目の前にして音源を失った私は天に召されるのか?このままリングの隅で真っ白い灰になってしまうのか。お嬢さんにボクシンググローブを渡して天に召されるのか。
 まあ、口を開けて虚空を眺めていても口から魂が抜け出て体重が5g軽くなるだけなので、もう一度だけ家捜しをすることに。

 汗だくになって探すが見つからず放心しきって、何気なく棚に追いた薬箱に目をやる。薬箱のなかにMDなんか入れる奴はいないよ、と思いながら開けてみる。

 何事も無かったように、いや本当に何事もなかったようにMDが2枚、ひっそりと鎮座ましましましましていた。

 ええええええええ、なんで薬箱の中にMDが?薬箱(Medicine Box)の中にMini Disk が入っているのWhy???
 MD in MB !!!! 発見した瞬間、本当に椅子からケツが浮いた。いや本当にケツが
浮いたんだ。驚きのあまり周辺の重力に影響が出たんだなたぶん。
 
 さらに続くのじゃよ!


<709>昔作った曲を聴きたくなったので(その1)

2017-01-25 18:52:12 | 日記
 毎度!ねずみだ。

 年が明けて正月ボーっとしていたら、急に昔友人と一緒に録音した曲が聴きたくなった。なんだろう、本当に急に聴きたくなった。本当に「矢も盾もたまらず」といった感じ。

 まだ20代の頃それなりの機材を購入して、詞と曲は私と友人で作った。カセットテープを四分割したものにそれぞれ録音する機材があって、それを一つにまとめて・・・、などとどうでも良い。とにかく最初はカセットテープに、しばらくしてからはMDに録音したのだ。
青春の大切な思い出だ。

 当時MDに録音しておけば未来永劫聴けるだろうと思っていたら、アニハカランヤ、最近ではMD再生機材だって「昔むかし」の機材になってしまっている。こうなったらパソコンに取り込んで、CDに落として・・・と考えていたら、一気にスイッチが入ってしまったのだ。本当に背中に「やる気スイッチ」があってポチッと押してしまったんだよ。
 確かこのペンシル住宅に引っ越した際一度聴いたはずだ、というところまでは記憶が確かだった。ということは世界中のどこかにMDがあるのだ。

 ところが。

 家中を探すも見つからない。奥さんが「どうしたの?なに探しているの?」と聞くが「昔バンドを組んでてね。録音したMDを探しているんだ。」というのも恥ずかしいので「いや、なに、たいしたものじゃないんだ。」とごまかす。

 まあいい、実家に行けばカセットテープやらMDやらが大量にあったはずだ。そいつからパソコンに落とそう。ついでにHなDVDもね。という訳で実家に出向き探したところ、無い。カセットテープ200本、MD数十枚が、無い。本棚に隠しておいたHなDVDは残っていた良かったいやいやいや良かったじゃないよ、私の音楽人生の全てを残したテープとMDが全て無いないないわー無い!
 ひっさしぶりに脱力感&焦燥感。えええ?マジですか無いんですかどこ行ったんですか?

 母親に訊ねたところ「何年も放ったらかしになってたから捨てたよ。」と眉一つ動かさずに言いやがってゴルァババア!
 まあ老いた母を責めたところでテープとMDと失った青春が戻ってくるわけではないので、なみだをこらえて帰宅。一緒に曲作りをした友人に「音源まだ持っていない?」とメールしたところ、「不明のMDが何枚かあるが再生機が無いので分からない。とりあえず渡すよ。」と返信が。

 いんやー、持つべきものはバンド仲間だね、ということが証明されたよ。

 という事で急遽友達にMDを持ってきてもらったよこれで問題即解決だね。(次回に続く)


<708>年末年始と言えば

2017-01-05 19:04:35 | 日記
 毎度!ねずみだ。

 まずは明けましておめでとうございます。
 皆様におかれましてはますますの(以下略)。

 2001年に始めた「鼠丼」も17年目に突入。そろそろノーベル文学賞にノミネートされる日が近いかも。

 さて、例によって年末、松蔭神社商店街の魚屋、「魚竹」で働いてきた私だが、年々客が減っているのが気になるところだ。まあ働く側としては楽になって良しとしよう。その分一人ひとりに対する接客時間が多くなるのだから結果としてトータルの接客時間は同じである。

 特に近所のばあさん相手の時間が好む好まざるに拠らず長くなるのは必至。なにしろ車輪つきの買い物かごをゆっくりゆっくり押しながら、地面を舐める様にやってくる。買うものを決めてやってくるのではなくじっくり物色しながら、「今日は何にしましょうか?」と聞くと「にいさん、何が良いかねえ。」と逆に聞いてくるのだ。まあこの手のやり取りにはすっかり慣れているので、「今日はブリの良いのがあるよ。醤油とみりんと砂糖で甘く煮締めれば旨いね。どうよ?」「じゃあそうするかねえ。」「何枚持っていく?」「一人暮らしだから1枚か2枚あれば良いよ。」「じゃあこっちの腹のほうを2枚で良いね。460円になります。」「ちょっと待ってね、いま財布出すから。」という具合。
 またそこからが長い。大切な財布をかごの中からゆっくり出すと、財布の中から460円が出てくるまでたっぷり1分はかかる。品物を渡しても受け取ってくれるまでまた30秒。
「ごめんね、歳をとるとなかなかてきぱきできないのよ。」「いいよ、心配しなくて。ゆっくりやろうね。魚はこのかごの中で良いよね。紐縛っちゃっておくよ、落とすといけないから。寒いから風邪ひかないでね。」「ありがとうね、明日はやってるのかい?」「明日は6時までやってるからまた来てね。」

 そうして婆さんはまた買い物かごを押しながら、地面を舐めるようにゆっくりゆっくり去っていく。一切れ230円のブリの切り身を2枚売るのにどれだけ言葉を交わしただろうか?
 そのばあさんを見送ると次のばあさんがまたにこにこしながら「酢だこが欲しいんだけど。」とやってくる。

 近所に大手チェーンのスーパーマーケットがあるのだが、彼女たちにとってそこで次々とカートに商品を放り込み、全ての買い物を一気に終わらせることが出来るだろうか?後ろに並んで「早くしろよ!なにグズグズやってんだよ。」と言わんばかりに睨みつけてくるの客の視線にさらされながら、ゆっくり財布を出すことなど出来るだろうか?
 彼女たちにとって個人商店でゆっくり買い物ができるほうが、楽なのに違いない。一人暮らしで一日ほとんど会話の無い生活の中で、個人商店の魚屋の店先でゆっくり買い物できたほうが、はるかに気楽だろう。だから彼女たちは魚屋にやってくるし、個人商店は存続できる。

 かく言う私も、年に数日接客するだけだが確実にじいさんばあさんに対して優しくなったような気がする。人間歳をとれば動作がゆっくりになって、いっぺんにあれやこれや出来なくなる。昔は頭で分かったような気分になっていたが、最近それを当たり前に受け入れるようになってきた。

 私の祖母は早くして亡くなった為顔を知らずに育ったが、母が今年80歳になる。父も82歳に。りっぱな老人だ。先ほどのばあさんではないが、二人ともゆっくり、しかし確実に年老いた。動作も緩慢になってきた。同じ事をなんども尋ね、何度教えてもなかなか新しいことを憶えられない。
 しかし。思い起こせば自分が幼かったころ、親に何度も同じ事を聞き、親の教えてくれた手順をなかなか理解できなかった。物事をてきぱきとできなかったし、一度に複数のことを処理できなかった。両親はそんな私を叱らず優しく見守ってくれた。 

 つまりは、それだけのことだ。

 皆がそういう事を理解できれば、世界はもう少し優しく回るような気がする。

 最後に、本年が皆様にとって良き年となるように祈念いたします。

 じゃ!