鼠丼

神の言葉を鼠が語る

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2013-12-19 21:39:20 | 日記
 毎度!ねずみだ。

 高校時代の同級生でO君というのがいた。野球部に所属する長身の彼は高校卒業後、W大の野球部に所属していた。
 
 特に親しいわけではなかったが、社会人になって10数年したある日、道でばったり出会ったり、会社の先輩の飲み友達であることが発覚したり、なんとなく不思議な縁でつながっている。

 結婚して子供が出来たが、数年前に離婚してしまった。一年前には妹を亡くし、さらに一ヶ月前に母親を亡くしたばかりの彼だった。その彼の不幸は続き、なんと先日父親をも亡くしてしまった。

 こんな事があるものだろうか。愛する者を次々と失う辛さたるや、想像だに出来ない。

 暗い知らせを聞くたびに私は考える。もし自分が当事者の立場だったらどうだろう。果たして耐えられるか?答えは分かりきっている。「否」だ。
 それならば、愛する者を手に入れなければ良かったではないか、という自分がいる一方、それでも自分勝手な私は、独りでいる寂しさに耐えられず今の奥さんと一緒になったのだ、と自分を納得させている自分もいる。

 ミスターチルドレンの歌詞に「愛したものを失う怖さに縛られるくらいなら勲章など要らない」という一節があったが、まさにこの事である。

 それでも、やはり私は今の奥さんと一緒になって良かったと思う。確かに上記の「怖さ」を感じない日は無い。会社からの帰りなどは、「もし彼女が帰り道に事故に遭っていたらどうしよう?」などと考え、家路を急いでしまう。それでも彼女と結婚したことで自分の人生は大きく変わり、意義深いものになった。かつて想像すらできなかった程の充実した人生を送っている。
 他の人達は一体どうやってこの「怖さ」を乗り切っているのだろうか?もし唐突に愛している者を失った時に、果たして正気を保っていられるのだろうか?
 こんな私を皆は「杞憂だ」と笑うかもしれない。確かにそうだろう。

 だが、敢えて生涯の伴侶と一緒に暮らすという選択をしてしまった以上、この「怖さ」と一生付き合っていかなければいかない。であるならば、せめて今日、この瞬間も愛する者を大切にしていきたい。

 愛すべき人達に囲まれて生きている皆に言いたい。声を大にして言いたい。

 自分と関わる人達をもっと大事にしてほしい。もっと深く関わって欲しい。「もしも」の時に抱える後悔を最小限にするために。「もっと愛せば良かった。」と自分を責めないために。