鼠丼

神の言葉を鼠が語る

<762> 早朝、都内を巡ってきたので

2021-09-02 19:29:06 | 日記

 毎度!ねずみだ。

 自分への誕生日祝いとして50ccの原付を購入したのは良いが、都内は交通量が多く危険が危ない。ではなく危険がいっぱいである、という話を以前書いた。
 3車線の幹線道路は制限速度の2倍くらいの速さで車が行き交い(2倍は言い過ぎ、1.5倍くらい)大型のトラックが大量に走っている。そんな中で原付乗りたての中年がトコトコ30kmくらいで道路の端を走るのは本当に危ない事に買ってから気づく。そもそも自分で車を運転していて原付がトコトコ走って
いる横を追い越しながら「危ねーぞ、ゴルァ!」と思っているのだから、考えるまでもなかったか。

 もともと、原付で田舎の田んぼ脇、田舎道をのんびりトコトコ走るのを夢見て買ったのだが、先般書いたように「田舎道に行くまでの間、都会の幹線道路をトラックや高速で追い抜いていく車におびえながらどれだけ走れば田舎道に辿り着くんじゃ!」という現実を目の当たりにしたので、田舎道はあきらめ早朝の都内を走る事にしている。

 東京駅を過ぎ新橋駅の下を過ぎ、銀座中央通りを走る。休日朝5時の銀座。普段は賑わっている場所に人がいないのは不思議なものだ。
 地下鉄銀座線の真上、中央通りを北上。清掃車が止まっているほかは殆ど人通りがない。キャスター付きバッグをゴロゴロ引いた旅行者がちらほらいるばかりである。高級ブランド店が左右に展開する中、銀座4丁目交差点を過ぎ銀座1丁目も過ぎる。やや左に折れながら京橋、日本橋と進む。
 とても美しいことに気づく。道幅が広い事もあって見上げても空が狭くない。

 都庁前をぐるぐる行ったり来たりするのも良い。区画の整理が行き届いている。新宿中央公園脇のアンダーパスをトコトコ走る。都会の中にあって緑豊かな公園と高層ビルの調和が良い。高層ビルは適度に間隔が開いており、やはり見上げるとそらの面積が広く感じる。銀座とは全く違った趣があり、とても美しく感じる。日本人の都市計画によって整備されたこの場所は一見の価値がある。やはり日本人のセンスに感服する。

 何と言っても美しいのは皇居。早朝の皇居周りは自転車やらマラソンランナーがうじゃうじゃいるのだが、堀に沿ってぐるりと一周するのは楽しい。千鳥ヶ淵から半蔵門、国会前を左に折れ桜田門を過ぎ皇居外苑に入る。大手門を過ぎ九段下まで。
 警察官があちこちで見張っており、日本で一番治安が良い場所だ。適度なアンジュレーションがあり、俯瞰で眺められる場所で堀に目をやると、堀の水に朝日がキラキラと反射する様が本当に美しい。堀の内側に高く積まれた石垣も美しいカーブを伴い立ち上がっている。海外の旅行者に人気があるのも納得。

 田舎道をトコトコ歩くのを夢見て買った原付だったが、こうして美しい都内を再発見できて良かったとしみじみ思う。小さなカメラで撮影しながら走り、家のパソコンで再生してみる。違うなあ、やはり違う。直接自分の目で見たものでなくてはダメだ。そうしてまた次の週、自分の目で美しさを実感する。

 じゃ、また。