ないない島通信

「ポケットに愛と映画を!」改め。

すずめの戸締り

2023-01-05 10:13:06 | 映画

正月はけっこう暇だったので、

映画「すずめの戸締り」(新海誠監督)

を見てきました。

あまり期待してなかったのだけど、この映画、とてもよかった。

新海誠監督のアニメ作品を劇場で観たのは「君の名は。」に続いて2作目。

「君の名は。」でも思ったのですが(2016年10月29日の記事参照)
https://blog.goo.ne.jp/neko-pin/preview20?eid=12ba602c083de7175f6a398a41bb5194&t=1672877961405

新海誠が描こうとしているのは、シンプルなボーイミーツガールの物語に見せかけた、

心の奥深くにある癒えることのない「傷」なのではないか。

「君の名は。」ではそれを暗示して見せ、

今回「すずめの戸締り」では、リアルに表現した。

そして、その傷を癒す方法、あるいは癒えないまま生きる術、を示そうとしたのではないか。

そんな気がしました。

そしてその傷は、あの3・11で、多かれ少なかれ、日本中の誰もが負った傷でもあるのだと。

3・11をあのように具体的に描写するからには、批判は覚悟の上。それでもあえて描こうとした新海監督の姿勢に勇気づけられます。

戸締り、というと鍵をかけてその内側に嫌なものを閉じ込める、あるいは仕舞い込んで忘れようとする、

という風にも受け取れますが、

戸を閉め鍵を掛けるということは、そう簡単ではない、ということも描こうとしている。

草太とすずめが必至でドアを閉じようとするけれど、みみずの勢いはすさまじく、ドアはなかなか閉じようとしない。

また、登場人物たちがユニークで、ファンタジーとしても見ごたえがあります。

古事記の神話に由来するストーリーで、災害を鎮めてきた閉じ師の宗像草太、要石の猫のダイジン、すずめの本名の岩戸鈴芽(天岩戸を開いたアメノウズメ)など、様々な神々の物語にオーバーラップしています。

詳しくは以下のサイトを参照してください。

ちなみに劇場では、掌編小説がおまけについてきます。すずめの叔母である環の視点で描かれた短い小説で、映画を見た後では、涙なくして読めません。

ぜひ劇場で観てください。超お勧めです!

今年が災害のない良い年になりますように!!

願いを込めて。

(我家のダイジン)

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