Netflixで配信中のドキュメンタリーが面白かったので紹介したいと思います。
「ミニマリズム・本当に大切なもの」
アメリカのミニマリズムのムーブメントの先駆けとなった2人、
ジョシュア・フィールズ・ミルバーンとライアン・ニコデマスの足跡を追うドキュメンタリーです。
2人の他にもたくさんのミニマリスト、心理学者、社会学者などが登場します。
「より少ない生き方」(この本もミニマリストの古典です)の著者であるジョシュア・ベッカーも登場します。
ジョシュア・ミルバーンとライアン・ニコデマスは幼馴染です。
2人とも育った環境はかなり劣悪で、両親が離婚、母親がアルコール中毒、あるいはドラッグ中毒、ぼろぼろの家に住み、フードスタンプ(食事の配給券)のお世話になっていたといいます。
そこから何としても脱却したいと思い、必死の努力の末、二人ともアメリカンドリームを実現させます。
お金と地位を手にいれ、大きな家を買い、その家をモノであふれさせるのですが、なぜか幸せではなかった。
そんなある日、ライアンはとても幸福そうなジョシュアに出会い、なぜそんなに幸福そうなのか尋ねます。
すると、ジョシュアはモノを手放してミニマリストになったのだと彼に話しました。
ライアンはその日のうちに決意して、自分もミニマリストになることを宣言します。
こうして二人のミニマリストが誕生し、彼らはミニマリズムについてブログで発信し、ミニマリズムの本を執筆し、本の宣伝のためにアメリカじゅうを駆け巡ります。このドキュメンタリーはその記録です。
何しろねえ、この二人の生い立ちが気の毒で思わず泣いてしまいました。
なぜなら、我家も似たような境遇だったから。
二人の幼い子どもを抱えたシングルマザーの私は、決していい母親ではなかったと思います。
アルコール中毒やドラッグ中毒にこそならなかったけれど、一人で何役もこなさねばならず、助けてくれる人もなく、常に疲れていて、その上実家の両親との折り合いが最悪でいつもイライラしていました。そのとばっちりが全部子どもたちに行ったと思うと申し訳ない気持ちでいっぱいです。
まあ、それはともかく、この二人は悲惨な生い立ちから脱却すべくアメリカンドリームを実現させます。
ジョシュアは28歳で会社の中間管理職になり、高級車にブランドものの服、郊外の大きな家には住人の数より多いトイレがあったといいます。そんな中で、ジョシュアの母親が肺がんで亡くなります。同じ頃、離婚することになります。
母の遺品を整理しながら、ジョシュアは、モノと思い出は別物だと気づきます。
「思い出は僕らの中にある・・いつから僕たちはモノを所有することに価値を見出すようになったのか、人生に大事なことは何だろうか・・」
彼は数か月かけて自分の持ち物を減らし始めます。
そして、必要なのはほんのわずかなモノだけだと気づきます。
「ミニマリズムとは、不要なモノを処分して人生で大切なものを取り戻すことだ」
一方、ライアンはジョシュアのように数か月かけたりはしませんでした。
持ち物をすべて段ボール箱に詰め込み、必要なものだけ取り出すということを始めます。
3週間後、80%のモノはまだ箱の中でした。
不思議なことに、モノを手放したことで、彼らは人生で初めて自由を感じられたといいます。人生が戻ってきたと。
こうして、二人はミニマリストへの道を歩み始めたのです。
多くの若い人たちが大量生産大量消費システムやTVなどの洗脳システムに気づき、そこから脱却し始めています。
同じくNetflixで、「こんまり」こと近藤麻理恵さんの片づけドキュメンタリーも配信されていますが、登場するアメリカ人の家の大きさ、持ち物の多さには、度肝を抜かれます。
日本では不要なモノを大量に持っている・・といってもせいぜい六畳ひと間か二間に一杯くらいですが、彼らの家のデカさたるや、ウサギ小屋の日本とは比べ物にならず、そのデカい家にモノがぎっしり詰まっている様子は、見ただけでもうお腹いっぱい、まるでガリバー旅行記の巨人の国に迷いこんだみたいです。
一方で、地球上には飢えた子どもたちが大勢いて、自然は破壊され、環境は年々悪化している。
それらとこの大量生産大量消費は無関係ではありません。
私たち一人ひとりが地球環境の悪化に関わっているのですが、普段は全く気づかずに過ごしていますね。
かといって、ミニマリストは全てのモノを捨てて仙人のような生活をしようと提案しているわけではありません。
とりあえず、自分の持ち物を把握すること、そして世界の現状を認識すること。その上で生きていくのに必要十分な量を知ること・・まずはそこから始めようというわけです。
さ、私も片づけを進めよう!