ないない島通信

「ポケットに愛と映画を!」改め。

書くこともまた冒険なり

2016-02-06 18:18:49 | 日記
その昔、私がまだ愛媛の片田舎の中学生だったころ、理科の先生がこんな話をしてくれた。

 「先生が子どもの頃、誕生日に日記帳をもらったんだ。
  それがうれしくてね。ぼくは毎日日記をつけることにした。
  でも、毎日書こうと思っても、書くことがない。
  そこで、ぼくは、日記を書くためにいろんなことをした。
  隣の柿の木にのぼって柿を盗んで叱られたり、
  親戚のオジサンにいたずらして叱られたり、
  はたまた立ち入り禁止の場所に潜り込んでみたり・・
  つまり、冒険をしたわけだ。
  そして、夜になるとそれを日記に書く。
  ぼくは日記を書くために、毎日いろんなことをしたよ。
  そうして、気がつくと、ぼくはいっぱしの冒険家になっていた。
  君たちも、毎日日記を書くつもりで、冒険してみるといい。
  日常というのは退屈なように見えて、実はいろんな冒険のチャンスがあるんだ。
  それをぜひ自分で見つけてほしい・・」

 とまあ、こんなふうな話だった。
 理科のことは何一つ覚えていないけれど(残念ながら先生の名前も忘れた)、毎日日記を書くために冒険をした、という話は強烈に私の記憶に刻まれた。

「冒険」と「書くこと」が結びついた瞬間だった。
 
そして、書くことそれ自体もまたある種の冒険なのだ、と後に私は考えるようになった。
先生、ありがとう。
せめてお名前を憶えていればよかったのですが…
 
コメント
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