おかまのよろめき

現役おかまのお店日記&趣味のはなし

酔っ払いの大晦日

2008-12-30 14:39:39 | Weblog
階下の住人が大掃除を始めている

掃除機で天井をきれいにしているようだ

今日までに終えて明日の大晦日は

のんびりと過ごすのだろう

私は今夜が仕事納めなので

明日の午前中にでも簡単に済ませよう


20代前半にバイトしていた2丁目のホモバーでは

大晦日も営業をしていた

テレビで紅白歌合戦を見ながら

口の悪いオネエ達が歌手の衣装やヘアメイクを

酷評するのだ

ファッションにはうるさいオネエ

天童よしみなんて格好のターゲットだった

「歌は最高なんだけど、どう言う趣味なの」

「いいのよ、彼女はメイクや衣装は評価の対象じゃないんだから」

「だったらシンプルなものにすればイイのに

 やっぱ女が出ちゃうのよね

 中途半端に気合が入っちゃってオブスに拍車よね」

年越しの“どんべえ”をすすりながら言いたい放題だ

恐らく未だに紅白を見ながら営業する店は存在するだろう

カラオケを歌いたい客にしてみれば迷惑な話かもしれないが

大晦日まで仕事している側にとっては

せめてもの慰めなのかもしれない


何年か前の大晦日はツバサとカラオケに行った

仕事が終わり、店の近所のバーミャンで忘年会

5時を回った頃に携帯が鳴った

「こんな時間にどうしたの?」

「店はもう終わり?」

多分どこかで飲んでたのだろうが

その店も閉店になったとみえて私に連絡してきたのだろう

「もっと早く電話くれれば良かったのに…」

ブツブツ言いながらもちょっと嬉しい

「ごめんなさァ~い!ちょっと友達が迎えに来たので

 お先に失礼します」

そう言ってママや他のスタッフに挨拶した後

駅に向かった

「アンタ、この時間はもうどこもやってないよ!」

私は24時間営業のカラオケボックスしか頭に浮かばなかった

「アソコなら一応酒も飲めるし時間も気にしなくて良いじゃない」

ツバサはノンケなので女の子の店が良いに決まってるが

「5時過ぎても開いてる店なんてないわよ」と

強引に“歌広”に連れて行く


部屋に入ると2人っきりだ

ツバサは早速仕事の愚痴を始めた

いつもの事なのでフードをつまみながら聞いてあげる

バーミャンでさんざっぱら食べたのに

胃袋にはまだまだ余裕があるようだ

「そう言えば、ココ日本酒あるんだよね」

ツバサも私も日本酒が大好きだ

明日から正月休みと言う開放感もあって

2人は飲みまくった


2時間ごとにスタッフが延長するか訊きに来る

何度目かの延長を告げた時に

既に時計は11時を回っていた

ツバサのタバコが切れたと言うので

店の外の自販機まで買いに行ってあげる

眩しい!外は買い物客で溢れている

「やだ、私ったら何やってんだろう」

まだまだカラオケボックスでグズグズしたいツバサは

再延長を希望したが、私はもう帰りたくなっていた

「また今度ゆっくり来よう」

そう言って会計を済ませた


その後、何処かでご飯でも食べて別れるつもりだったのだが

またひと悶着あったのだ

続く…