リッスン・トゥ・ハー

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全部後回しにちゃいな勇気なんていらないぜ2

2006-12-30 | 東京半熟日記
(沖縄編28)

名前は忘れました。

立派な看板や、案内図なんてどこにもなくて、でもるるぶにはちゃんと書いてあったからきっとあるはずだから、とか誰もがそう思ってて、正直わたしはどっちでもいいと思っていたけど、みんなが妙に真剣だから言い出せなくて、でもそういう感じがわたしは好きだから、あえて言い出さなかったのです。

詰まれた岩が織り成すハート型。ここも城跡。なんとなく、そんな気がする入り口っぽいよここ、とたどり着いた。ワンボックス軽が停まっている。中に人が乗っている。おじいちゃんとおばあちゃん、わたしは草むらをずんずん進む、城に登ろうとする。と何か声をかけられる。「ハブがでるからくさむらあるいたらあかんよ」という意味のことを沖縄の言葉で。「あ、ありがとう」と先へ進む。雨が降ってくる。ずいぶん険しい道だった。城の本丸の入り口がハート型。ほんまや。
中に先ほどのおじいちゃんとおばあちゃんの連れでしょうか、おじいちゃんおばあちゃんらが3人、ござを引いて座っている。お供え物を供えて手を合わしている。地元の人なんだ。ここは、わたしみたいに興味本位で来る場所じゃないのかもしれない。本当に神聖な場所だから。祈りを捧げるために、定期的に登っているという感じ。「こんにちは」と声をかけて見る。本来わたしはそんな気軽に知らない人に声をかけるような陽気な奴じゃないし、でもそういう勇気がでたのはさっき力をもらったから?おじいちゃんが微笑んで、「観光かい?ここは城跡なんだお祈りする場所」と何か説明してくれたけど、風の強いのと、訛りの強いので、半分以上分からなかった。でも、その微笑みが全てを物語っていたような気がする。ここに来てよかったと思った。あなたに、来るな、って言われても。