リッスン・トゥ・ハー

春子の日記はこちら

梅食い地蔵1

2006-12-29 | リッスン・トゥ・ハー
夏。寝苦しいのは暑すぎるからじゃないし、エアーコンディショナーをガンガンに効かせた室内にいると、季節もわからなくなってしまうそれが怖くて、寝苦しいのであって、決して暑すぎるからじゃないし。つうこた暑すぎるから寝苦しい方がいいのかしらん。いいわけなかろうもん。扇風機でかき回しながらエアーコンディショナーは部屋を冷やして、替わりに地球の温度を少し上げる。ああ、今、私、地球に、なんてことしてるんでしょう。オゾン層の濃度をどんどんどんどん薄くして、てオゾン層は関係ないか、温暖化だ、温暖化のほうだ。とにかく地球にとってよろしくないことをしているので、それが回りまわって私に降りかかってくるのです。だから眠れないのです。コンパクトディスクは鳴り止む、再生、リピートで。ランダムリピートで再生。ちきしょ、耳鳴りが止まぬ。コンパクトディスクはロックンロールを叫ぶ、その音が聞こえないほど耳鳴りが止まぬ。耳鳴りと共鳴して脳を壊す。アンドロメダのCPUをジャムセッションに注入し、まだだと思う。私はまだなのだと思う。振動が、コンパクトディスクの音の振動?いや、違う、地蔵の歩いてくる地響きが、床を揺らし、上にあるベッドを揺らし、上にあるシーツを揺らし、上にある尻を揺らし、上にある内臓を、脳を、小指を、意識を揺らしている。地蔵はその頭に傘をかけてやったので、そのお礼にと、色んなもんをかついで歩いてくるわけだ。だんだんだんだん近くなる振動が大きくなる。私は確実に揺れている。跳ね上がる。地を揺らす地蔵の歩行が止む。桂木マンション308号室の私の部屋の前でぴたりと止む。そろえたように立ち止まり、呼び鈴を鳴る。はっ?