霧島家日誌

もう何が何だかわからないよろず日誌だ。

対戦格闘ゲームにみる、頭使わないでゲームする事で相手を不快にさせる現象

2011年07月19日 18時10分46秒 | アニメ、ゲーム、映画等
ごきげんよう諸君、いかがお過ごしかな。昨日から調子の悪い霧島である。一昨日京都に戻ってきた時点でそんなに体調良くなかったのだが、昨日は家庭教師の上に甥と姪の相手を結構長い時間やったので、一気に調子を崩した。基本的に脳障害者で、午前中活動したら午後は昼寝する事を医者から推奨されてる様な人間なので、疲れると一気に駄目になるのだ。

そう言えば先日の記事でクダが北朝鮮関係団体に金払ってたという話をしたが、菅、鳩山だけじゃない民主党の『“北”との深い繋がり』…鷲尾・拉致委理事や黒岩法務政務官までもが…なんてのも出てきてもりあがってまいりました状態である。しかしコレ、全然話題にならないな。驚くほど大問題なんだが。

つうか、スパイにとって保守政治家というのは絶好の隠れ蓑とか割とスパイ小説の世界である。いや、歴史上でもそういう事いくらでもあったけど、日本人にしてみりゃジェームズ・ボンドとかの世界だからな、スパイなんて。


さて、本題である。ここのところ、貴子さんことかきみーらさんが格ゲーで苦しんでいる様子である。というのも、対戦相手が読み合い拒否のぶっぱなししかしないらしい。私は先日までPC版ギルティギア#リロード青を結構やっていたのだが、こちらでも確かにそういう奴が多かった。そういうのと戦うのは本当に時間の無駄なだけだったしあの人の言いたい事はよく判る。

…と、これだけ言って判る人というのはここの読者には結構いる気もするが、普通の人は判らんだろう。対戦格闘をやってない人にはわからん話題だからな。そこで、格ゲーのシステムを解説しながら、この問題について今日は取り上げようと思う。


格ゲーと言っても、王道のスト2シリーズからカプコンvsシリーズ、SNKのサムライスピリッツやKOFシリーズ、アークのブレイブルーや北斗と色々ある。面白さもそれぞれだ。例えば北斗やブレイブルーみたいなコンボゲーは、難易度の高いコンボを実戦で完璧に決める面白さがある。即死コンボ決めた時の達成感とかな。しかし、格ゲー全体に流れる共通の面白さというものもある。

それが、駆け引き、言い換えれば読み合いである。例えばだな、対戦格闘における攻撃をおおまかに分けると四種類ある。その1が、下段攻撃。これは足払いとかの技で、立ったままガードすると防御できず食らう。と言うのも、格ゲーの防御というのは立ったままガードする「立ちガード」としゃがんで防御する「しゃがみガード」の二種類があり、下段はしゃがみガードでないと防御できないのだ。

逆に、立っていないと防御できない攻撃というのもある。これがその2の中段攻撃で、これは上から殴りかかる攻撃とかに多く、しゃがんでガードしようとしても防御できない。空中攻撃なんかもしゃがみガード不可というゲームが多く。これも中段と言えるだろう。一方その3は立ちでもしゃがみでもガードできるという先の二つに比べると大変頼りない攻撃である。頼りないせいか、特に名前も決まっていない。

つうか、立ってないとガードできないのが上段、しゃがんでないとガードできないのが下段ってのが普通なんじゃないのか。これについて私の格ゲー師匠であるコラセ氏に聞いてみたところ、中段とか言い出したのはバーチャファイターの時代かららしいからバーチャ勢に言ってくれとの事だった。バーチャについては全くの素人だから判らないんだよなぁ…

まぁ、それはさておき。今四種類の内三種類を紹介したが、前者二つ、中段と下段が格ゲー読み合いの基本である。ここで、起き攻めというのについてちょっと講釈をたれねばならない。起き攻めというのは、その名の通り一回倒れた相手が起き上がってくるところを攻撃する戦法で、現在の格ゲーでは基本中の基本になっている。

と言うのもだな、例えばお互い立っている素の状態で、一方が走りこんで攻撃しようとしたとする。しかし攻撃を出そうとしても、相手は自由に動けるので、「防御する」以外にも「バックステップ等で距離をとる」「ジャンプして逃げる」「むしろ迎撃でこちらが攻撃する」といった感じで様々な対応を取る事が可能なのだ。しかしながら、起き上がりはこうもいかない。何故なら一旦ダウンしてから起き上がるまでは操作不能なので、起き上がりに合わせて攻撃すると基本的に防御する以外対処法が無いのである。

ここで、中段と下段の出番となる。中段は立ちガードでないと防御できず、下段はしゃがみガードでないと防御できない。要するに、起き攻めする側は中段か下段を出し、一方起き攻めされる側は中段が来るか下段が来るか読んで防御するという読み合いが発生する訳である。

これだけ聞くと、格ゲーを知らない人はこういう風に考えるだろう。それ、読み合いじゃなくて決め打ちじゃないかと。実際、攻撃側の繰り出す中段と下段が、出の速さから威力から何から何まで同じ攻撃だったら決め打ちである。読むも何も無い。しかしながら、実際にはそうではない。ギルティにおける私の持ちキャラ、緋村剣心女丹下左膳こと梅喧を例にとって説明しよう。バージョンは青リロで。ちなみにギルティ知ってる人は、畳については一旦忘れてほしい。

梅は、低空妖斬扇(中段)と下段の二択が強力なキャラと一般には言われている。実際、低空妖斬扇は出が異様に速く、発生が9フレーム(要するに、梅のプレイヤーがコマンドを入力してから60分の9秒で相手が技を食らう)で人には見えない速度。見てから反応するのは不可能なので、先読みで中段ガードしなければならない。その一方、下段は下段でしゃがみキックが発生5フレーム、それよりは遅い足払いも発生が8フレームなので、やっぱり見てから反応できる速度ではない。

って事はやっぱ決め打ちじゃねーかと思うかもしれんが、さもありなん。低空妖斬扇は、当たったとしても追撃を入れるのに超必殺技ゲージが半分必要な上、もしガードされてしまったら確実に反撃を貰う。一応、追撃を入れる時に使うのと同じ技術を使えば反撃を食らわないで済むのだが、当然ながら超必殺技ゲージ半分が必要である。つまり、超必殺技ゲージがないと低空妖斬扇はハイリスクローリターンなのだ。

一方、下段はガードされても反撃は確定しない。それに、超必殺技ゲージを使わなくても下段技からコンボを始動して追撃を入れられるのでローリスクハイリターンだ。まぁ、超必殺技ゲージ使えばダメージ伸びるけど。こう考えると、起き攻めの二択は単純な決め打ちではない事が判ってくる。例えば、梅が起き攻めをしてくる時、超必殺技ゲージが溜まっていなければ下段ガードが安定な訳だ。

ただ、何も考えず下段ガードばっかり繰り返してると、ハイリスクローリターンでもガードされるよりゃ当たる方がいいってんで中段が飛んでくる可能性もある。低空妖斬扇以上のハイリスクだがハイリターンな中段のダストってのもあるしな。その辺が読み合いの部分である。

ここで、更にもう一つ選択肢がある。先程格ゲーの攻撃には四種類あると言い、中段、下段、立ちでもしゃがみでもガードできる攻撃の三種類まで紹介した。その4をここに紹介しよう。それは投げである。密着している状態でのみ出せる攻撃で、立っていようがしゃがんでいようが防御できない。ゲームによっては、投げ抜けと言って投げ技から抜ける事もできるのだが一般的ではない。少なくともギルティには存在しない。

ガード不能と言うから一見すると滅茶苦茶強い技に見える。実際強い。しかし、格ゲーにおける投げというのは、キャラとかゲームにもよるがキスできるぐらい近づいてないと出ない。手を伸ばせば届く、ぐらいでは駄目なのである。そして、投げるためにはそこまで歩かなければならない。目の前を無防備に歩いてくるのだから、相手にしてみればいい的である。投げの距離に入る前に殴られたら終わりだ。それに、空中の敵は投げられないのでジャンプされても駄目だ。

この投げが加わると、起き上がりの読み合いは更に複雑になる。中段と下段だけなら、立ちにしろしゃがみにしろとにかくガードすればいい。しかし、投げは防御できない。梅の場合、画面端限定だが投げ始動コンボもあるので、何も考えず防御ばかりしてると投げられてボコボコにされる。

さっきも言ったが、投げに対する対処手段は二つ。投げられる前に殴る、ジャンプする、この二つだ。前者を暴れ、後者をジャンプ抜けという。当然の事だが、起き攻めにかかる梅が投げではなく打撃(中段か下段)を出していた場合、どっちであろうが一方的にダメージを受けるのが普通である。

暴れは、梅は起き攻めする為に攻撃を早めに出しているのに対し、起き攻めされる側は起き上がってから技が発動する訳である。当然、技の出が間に合わず殴り負けるのが普通だ。無論、梅使いがちゃんと起き上がりに技を重ねられていなければ、技の出が間に合って殴り勝てる場合もあるが。もう一方のジャンプ抜けはもっと酷く、ただジャンプするだけなのでどう頑張っても殴られて終了である。

中段が来るか下段が来るかを読んでガードするか、投げを読んで暴れるかジャンプするか。起き攻めに至るまで(梅が相手をダウンさせるまで)の立ち回りで投げが多用されていれば、投げが来る可能性は低いだろう。超必殺技ゲージが溜まっていれば、中段の低空妖斬扇が来る可能性も高い。そういう感じで読みあいながらガードし、梅使いも相手が何を考えているかよく考え、裏をかける様技を出すのである。


斯様に、格ゲーというのは読み合いが重要であり、又、そこが楽しいのである。勿論、格ゲーの読み合いというのは起き攻めだけではない。起き攻めが一番説明しやすいから起き攻めを例にしただけだ。

で、だ。ここで、冒頭の「読み合い拒否のぶっぱなし」に戻ってくる。それはギルティだとぶっぱソルが当たるのだが…諸君も、昇龍拳の名前ぐらいは知っているだろう。しょーりゅーけんとか言いながらジャンピングアッパーする技。アレ、実は技の出始めが無敵の技である。どういう事かというとだな、波動拳みたいな飛び道具が飛んできたとする。その飛び道具が着弾する瞬間しょーりゅーけんとやると出始めの無敵時間を使ってすり抜けられるのだ。

システム的な話をするとだな、格ゲーのキャラには「当たり判定」と「食らい判定」というのがある。当たり判定とは、これに当たるとダメージを受ける/与える部分。例えば正拳突き攻撃なら拳の先に存在するし、剣を突き出す攻撃なら剣の部分にある。当然の事だが、攻撃を出した時しか出ない。一方食らい判定はこの部分に当たり判定が重なるとダメージを食らうというもので、基本的に、キャラの身体全体に常時存在する。

だから、正拳突きを食らってダメージを受けた場合、敵キャラの拳にある当たり判定と自キャラの身体(食らい判定)が重なったからダメージを受けた、という事なのだ。昇龍拳の無敵は一時的にこの食らい判定が消滅するという事である。食らい判定が無ければ、飛び道具を食らおうが殴られようが蹴られようが、はたまた斬られようが刺されようが撃たれようがノーダメージ。それが格ゲーの法則なのだ。

さて、又ギルティを例に取ろう。キモ男ソルというキャラがいるのだが、こいつは昇龍拳に良く似たヴォルカニックヴァイパーという技を持っている。モーションは炎をまとったジャンピングアッパーといったところで、技の出がかりに無敵がある。当然ながら敵が出した技とカチ合えばほぼ確実に勝てる(向こうが一方的にダメージを受ける)。が、ジャンピングアッパーという特性上空中に飛び上がる上、着地するまで殆ど操作できないのでガードされてしまうと着地を狙われてえらい事になる。

まぁそういう技なのだが、起き攻めされている時にも使い道がある。こちらが倒れていて、相手が起き攻めしようとしている時だな。起き上がりにヴォルカを出すとどうなるかと言うと、こっちは無敵になるので相手の出そうとしてる技が何だろうが一方的に勝てる、つまり起き攻めを潰せるのである。さっき言った、低空妖斬扇だろうがダストだろうがしゃがみキックだろうが足払いだろうが、はたまた投げだろうが関係ない。確実に潰せる。

読み合い拒否で暴れしかしないというのは、要するに、起き上がりにヴォルカを出す事しかしない様な奴の事である。何があろうがひたすらヴォルカニックヴァイパーヴぉるかにっくヴぁいぱーヴォルカニックヴァイパー。ちなみにこういう奴に対する対処手段は簡単で、防御して着地を狙えばいい。

これの何が問題って、毎回暴れられると読み合いもクソもなくなるのである。格ゲーはゲームスピードが速いので何もかも考え尽くした上でやるというのは無理だが、そこまでいかないにしても「あのキャラはこれが強いからそれ出してくるかな」とか「自分の使うキャラはこれが弱いからそこに漬け込んでくるだろうな」とか、そういう風に考えながらやるのが楽しい訳だ。

しかし、何も考えず毎回毎回暴れられると、その読み合いが何もなくなる。暴れにはちゃんと狩り方というのがある(例えばヴォルカ連発に対しては取り敢えずガードだな。詐欺飛びとか他にもある)から、毎回暴れると判っていればただひたすら暴れを狩る作業を続ければ簡単に勝つ事ができる。

しかしだ。

そんな作業が楽しいか?

どんなゲームだって最終的には作業だと言えばそうかもしれんが、様々な要素を絡めた読み合いを楽しむゲームが、ただひたすら暴れを狩る作業だけで終わってしまうのはつまらん。しかも、これが厄介なのだが、そいつが暴れしかしないかどうかは何度も戦ってみないとわからない。暴れはハイリスクハイリターンな戦法なので普通はそんなに使わないし、ましてや何度も何度も連続して使うものではない。

なので、ある程度上手い人に限ってダウンさせる→暴れられて食らう→何とかもう一回ダウンさせる→また暴れられるという感じで悉く攻めを覆され、負けてしまうのである。つまらん作業を続けないと勝てない上に、その作業に辿り着くまでに負ける事すらあるのだ。確かにイライラするだろうしつまらないだろう。こんな雑魚に、という訳だな。

まぁしかもこういう奴に限って、勝つとドヤ顔負けるとぶつくさ文句なので余計に困る訳だ。


ちなみに、私がやたらツイッターで「軽量ミサイラーは腹を切って死ね」とか「ミサオンはうどんで首吊れ」言ってるのはこれに近い。ACfAのミサイルというのは、大体が一発発射ではなく何発か連続して発射される。問題なのは、一度ロックして発射すると、連続発射中はロックした相手に向かってミサイルが飛んでいくところにある。

つまり、機動性の高い軽量機に16連ミサ(その名の通り、一回引き金を引くと16発連続でミサイルを発射する)とかを積んで、敵をロックオン。後は、適当に速度特化機でなければついていけない様な速度で動き回る。この際、敵をロックし続ける必要はない。一方、そんな軽量ミサイラーを相手にする敵さんは、異様な速度で異様な動きをする軽量機をロックし続けながら追いかけ、尚且つミサイルをかわさなければならない。

強い。強い上腕前が関係ないのである。一度ロックして引き金を引いてしまえば、後は誰もついてこれないような速度で適当に動き回ればそれでいい。正直、それが適当であったとしても、軽量ミサイラーの様な高速機についていける機体はそう多くない。

まぁ、腕前が全く関係ない訳じゃないがな。強いて言えば、軽量ミサイラーに要求される腕前は死ぬ程低いのにそれの相手に要求される腕前が異様に高いのだ。ミサイル回避には一定の技術が必要とされる上、相手がミサイル垂れ流し→離脱→垂れ流し→離脱しかしない相手だった場合、相手のミサイルがなくなるまで回避し続けるのが一番いい。

これ、はっきり言ってかなり苦痛な作業なのだ。やってみるとわかるが、発射される場所が頻繁に変わる、しかも連続で飛んでくるミサイルを延々と回避し続けるのは難しいし凄くダルい。もし回避をミスってAP(HP、体力)が負けてしまったら、ミサイラーが時間切れまでひたすら逃げ続けるだけでもう勝てなくなる。ミサイラーは大体速度特化だから、追いつけないのだ。そして時間切れした時の勝敗は、APが高い方に軍配が上がる仕様だからな。

昨日だったか、ミサイル使いたかったらランクマ行けという部屋が立ってたのも仕方ないところである。ちなみにランクマというのは、まぁ詳細に説明するのでめんどくさいので一言で言うと厨戦法から厨機体まで何でもありの仁義なき戦いをするとこである。私はミサイル使いたかったらランクマ行けとまでは言わんが、軽量ミサイラーとか両背ミサイル垂れ流しとかはやめてほしいな。


ま、最後は話が思いっきりずれたが、頭を使って楽しむゲームで頭を使わずに勝てる方法をやられると死ぬほどつまらなくなる、という話である。頭を使ってない奴に勝つ事はできても、結局作業だからつまらないしな。