霧島家日誌

もう何が何だかわからないよろず日誌だ。

デモンズソウル レビューとか

2011年10月24日 20時52分07秒 | アニメ、ゲーム、映画等
ごきげんよう諸君、いかがお過ごしかな。最近更新をサボりっぱなしの霧島である。この三ヶ月ほど、仲間内のマンブル(PCを使った多人数電話)に全然出席しておらなんだので、ここんところ精力的に出席しておった。ただ、何せ私は脳障害者であるから誰かと一緒に遊んだりするだけでも脳が大変疲れるという残念な状態になっており、マンブルに出席した次の日は大抵頭痛い頭痛いと言いながら寝込む。

なので最近出席してなかった訳だが、あまりにも出席しないのもマズイと思い、ここのところほぼ毎日出席しておったのである。まぁ、当然の帰結として更新なんかとてもではないができなかった訳だがな。

しかし出席しておったとは言え、ずっと話ばかりしている訳ではない。大体みんな、何かしら自分の好きな事をやりながら話をしておる。まぁ部室みたいなもんである。私も同様であり、大体ゲームをしながら話をしておる。じゃあ何をしてたかというと、悪魔の魂だ。



要するにデモンズソウルである。諸君も名前ぐらいは聞いた事があるだろう。他人と違う事やる俺カッコイイな2chねらーに大人気のゲームであり、難易度の高い心折設計の死に覚えマゾゲーでありながら、プレイヤーを引き込む名作として知られておる。先日、続編のダークソウルも発売され、フロムソフトウェア第二の看板ソフトとして成長していくかどうかも注目されるシリーズと言える。


さて。私がフロムのゲームを矢鱈と褒めちぎっているという事は裏があるのは確定的に明らかなのであり、要するに別にそこまですごいゲームでもないんじゃねぇ?という評価を下しておるという事である。確かにここんところずっとやっておるが、実際のところ何でやってるかってトロフィーコンプリートの為であり、そうでなかったら、一周やって終わりである。

まぁ何が駄目かはおいおい語るとしてだな、取り敢えず難易度だが、ぶっちゃけそこまで難しくない。このゲーム、アクションではなくあくまでアクションRPGであり、装備とレベルをちゃんと整えれば、ゴリ押しで進める場面は多い。っちゅうか、このゲーム、アクション性はかなり低い。ぶっちゃけモンハン未満である。アマゾンのレビューに

アクションRPGと銘打つからには肝心のアクション部分が肝になるが、
デモンズソウルは間違いなく最高レベルの 完成度を誇っているといっていいだろう。
強敵と対峙した時の、ジリジリと間合いを読み合う焼け付くような緊張感は、
今までのゲームでは経験したことがないほどのもの。


とか書いてあるが、まぁぶっちゃけこいつがゲームあんまりやった事ないだけである。武器は豊富にある(剣だけでも短剣、直剣、大剣、特大剣、曲剣、刀、刺突剣と色々)が、攻撃の種類が僅か二種類という時点で何をかを言わんやである。弱攻撃と強攻撃の二種類な。

まぁ両手持ちか片手持ちかで変わったり、ダッシュ攻撃とかもあったりするが基本は二種類だ。と言うのも、実用性に乏しいモーションとかがとても多いのだな。たとえば私の愛用する竿状武器は、両手持ち弱攻撃以外ほとんど使いどころがない。精々、敵の懐にローリングで潜り込んだ時ローリング攻撃を出して機先を制するのと、雑魚に囲まれた時両手持ち強攻撃で薙ぎ払うだけだ。

しかも、前者は元々ハルバード自体が射程の長さを生かす武器なので飛び込むという選択肢がほぼありえず、後者は雑魚に囲まれた時点で死亡フラグビンビンというゲームバランスなので、結局、ひたすら両手持ち弱攻撃を当てる作業である。

もっと言えば、大概どんな敵でも対処手段が一緒である。敵が来たら、まずはロックオンボタン押してロックオン。で、左スティックをぐるぐる回す感じで操作して(左スティックで移動)近づいたり離れたりを繰り返す。すると、それに釣られた敵が攻撃を出してくるので、攻撃モーションが見えたら左スティックを後ろに倒して後退。後は空振りしたのを確認して反撃を入れれば終了。

一応、槍持ちや、飛び込み攻撃ばっかりやってくる奴(剣奴隷兵士とか)、やたら判定のデカい横薙ぎ使ってくる奴(大腐敗人とか)といったのには一工夫必要になる。例えばローリングで避けたりな。が、あくまで基本はスティックをぐるぐる回して確反取るだけの簡単なお仕事であり、人型の場合ボスですらこれで勝てる。ガル様とか完全に作業だ。

実際のところ、アクション性はモンハン未満である。ローリングの無敵時間だって異様に長いしな。と言うか、難易度自体ソロオンリーのモンハンより簡単だ。まぁ私はMHP3しかちゃんとやった事ないが、少なくともMHP3は上級クエストに一人で挑むと結構難しいからな。私自身、クエスト失敗こそ数は少ないが、なかなか歯応えがある。

無論あのゲームもオートガードガンランスとか使えばかなり難易度は下がるが、それでも防御力低い装備だと一度転がされたが最後死ぬまで起き攻めされたり50分奮闘した結果ボスの体力を削りきれずタイムアップになって心が折れたりするからな。

私の中で、難易度は「デビルメイクライ3=忍者外伝Σ2>(超えられない壁)>ソロオンリーモンハン=デビルメイクライ4>デモンズソウル」といった感じである。難易度を選べる奴は、基本的に最高難易度準拠だ。以前は悪魔は泣くかもしれない4とデモンズソウルは同じぐらいかと思っていたが、先日ちょろっとやったら、思ったより難しかったので格上げした。私が4をやったのは3をガチでやってた時期だったし、実際よりもかなり簡単に感じたらしい。

まぁそんな訳で、デモンズソウルで心が折れてしまうプレイヤーは根本的にアクションに向いてないか、それともちゃんと情報を仕入れてないかのどちらかである。このゲームは「アクションRPG」であって「アクション」ではない。よって、RPG的な要素、例えばこいつには魔法攻撃が効くとか、こいつは物理防御が異様に高いとか、そういう情報をちゃんと知っているか知っていないかで話がまったく変わってくる。

こういう事を言うと、自分でそういうのを発見するのが面白い云々言って来るお馬鹿が涌いてくる事が予想される。実際、デモンズソウルwikiの腐れ谷2の「有志作成のマップ」とやらには、説明に

「宝のちず」的なもので、意図的に”内容が完全にわからない”ように作ってある。
ゲームの楽しみは自分で悩む部分にもあると思うので、あくまで参考程度に。


とか書いてあるからな。じゃあ攻略wikiなんか作るんじゃねーよノータリン。

大体、これを作ったのはフロムソフトウェアである。SCEと組んでるが、基本的にはフロムだ。フロムと言えば、説明書に驚くほど何も書いておらず攻略wikiを読まないとマトモに操作する事すらできないゲームを作るという残念な企業である。そんな企業のゲーム、ある程度情報を入れないでプレイする事自体が間違っておると言わざるを得ない。

まぁデモンズを私に勧めた友人は「是非攻略見ないで最後までプレイしてほしい」と言っていたが、取り敢えずトロフィーコンプした私の感想としてはむしろ攻略見ないと見事にクソゲーであった。この辺の線引きは人によるが、取り敢えずシステム面の説明だけは説明書じゃまるで足りないので、攻略見ない事を信条にしている人でもシステムまわりの解説だけはネットとかで情報を集めるべきである。なに、本来あるべき姿の説明書を読むのだと思えばいい。


さて、話の脱線具合がひどくなり過ぎたので方向を修正する。このゲーム、そこまで言うほど難易度高いゲームではない、というはさっき言ったな。しかしながら、私はこのゲームで何度も死んでおる。心が折れる要素は皆無だったが、普通に何度も何度も死んでいる。

と言うのも、このゲーム、以前私は「ディアブロ風モンハン」と言ったが、これは間違いであった。「シャドウゲイト風モンハン」というのが正しい。シャドウゲイトと言えばアレである。これである。是非ともリンク先のレビューを読んで頂きたいが、読むのめんでぇという多くの読者諸兄の為に要約すると

・すぐ死ぬ、攻略本無いと無理、無駄に長いの三要素を欲しいままにするキングオブクソゲ
・未クリアで売っても惜しくないとまで言われた伝説のクソゲ
・最初の扉を開ける→本が置いてある読む→ゲームオーバー
・もちもの→つるぎ→つかう→セルフ→私は剣の刃を左胸に突いた→ゲームオーバー
・梯子を降りる→はっ、はしごが無い!!→思わず足を踏み外してしまった→ゲー(ry
・松明がなくなる→真っ暗だ!→足を滑らせて頭をぶつけて死ぬ

という、大変素晴らしいゲームである。

ディアブロは、確かにひたすらダンジョンに潜って装備を集めてニヤニヤするだけのゲームであったし、デモンズソウルもぶっちゃけてしまえばそういう事をするだけのゲームである。何せストーリーは皆無に等しいし、キャラも薄い奴ばっかりだし、音楽は殆ど鳴らないし、対人戦の仕様が、対人が好きという奴の存在を信じる事が困難なほど糞、という感じで、武器防具を集めるぐらいしかやる事がない。

しかし、よく考えてみれば、モンハンもひたすらモンスターを狩って装備を集めるだけのゲームと言えばそうである。そういう本質的な部分ではモンハンもディアブロも一緒であり、むしろ、様々な死に様を楽しむゲーム、という観点、もしくは理不尽ゲーという観点からシャドウゲイト風モンハンと評すべきであるという結論に達した。

特に、この理不尽ゲーという要素が重要である。一般に、このゲームは「死に覚えゲー」であるとされる。何度も何度も死にながら、いかにすれば死なない様になるかというのを考え、覚えてクリアするゲーム、という事だ。しかしながら、同じ死に覚えゲーにも二種類ある。

たとえば悪魔は泣くかもしれないことデビルメイクライ。まごう事無き死に覚えゲーである。特に最高難易度は何度も何度も死ぬ。特に最高難易度初体験プレイヤーにとってはミッション2が鬼門で、死にまくりながら覚える事になる。しかしながら、ここで覚えるのは、敵の配置(敵の出てくる順序)だけでなく、それぞれの敵の攻撃モーションとかわし方、有効な攻撃方法、敵に囲まれない様に立ち回る方法、といったもの達である。

一方、デモンズソウルで覚えるのは、ぶっちゃけ道順と敵の配置だけと言っても過言ではない。デビルメイクライは、たとえ敵の配置を覚えていても、回避をミスれば死ぬし敵に囲まれたら死ぬ。もっと言えば、敵の実力にねじ伏せられて死ぬ事がある。

しかしデモンズの死因は、その多くが墜落死と、扉を抜ける→影に隠れてた敵に殴られて死ぬ、という方向性の事故死であり、敵の実力にねじ伏せられる事はほぼ皆無である。梯子を降りたら、降りた先に敵が溜まっててボコられて死んだとか、足元が悪い場所で転落するとか、本当にそんなんぐらいしか死因が無いゲームなのだ。ボスのわからん殺しは置いておいてな。

そう。デビルメイクライは、敵の攻撃パターンとかを覚えていても実力負けしていればボコられる。しかし、デモンズソウルは敵の配置以外の難易度は低いので、実力差でボコられてゲームオーバーになる事はほぼ無いのだ。仮にプレイヤーのゲームセンスが壊滅的だったとしても、ちゃんとした対策装備と十分な数の回復剤を積んでいけば大概何とかなる。

例えば、梯子を降りた先でボコられるなら、前もって火炎瓶を投げたり、梯子を降りる前に完全な防護(被ダメージ70%カット魔法)を使えばいい。それでも重傷を負ってしまったら、回復アイテムで体力を満タンに戻す。転落死しやすい場所は覚えておいて慎重に歩けばいい。それだけだ。まぁ、何度も死んでると段々投げやりになってきて余計死ぬという事もあるが、それはまた別の話である。

まぁ、ともあれ、デビルメイクライの様なゲームにおける死に覚えとデモンズソウルにおける死に覚えは、字面が一緒でも本質はまったく異なるものである。デビルメイクライは単純に「難易度が高い」と言えるが、ぶっちゃけてしまえば、デモンズのそれは理不尽なだけであり、「梯子を降りたら大量の敵がいてボコられた」というのは、「梯子を降りたらはっ、はしごが(ryと似た様なものだ。

そして、このゲーム、そういう理不尽な死に方を要求してくる場所が大量に存在する。と言うか、そういうマップしか無いと言っても過言ではない。故に、私はこのゲームを「シャドウゲイト風モンハン」と評するのである。

じゃあ面白かったんかどうなんか、と問われるとまぁ面白かったが、何せシャドウゲイトなので、一般に薦められるゲームでは決してない。普通に階段を登っていたら謎の鉄球が転がってきて轢かれ、普通に長城を歩いてたら突如龍が現れてブレスで焼き殺され、普通に順路通り進んでたらその先が毒の沼で強制的に毒にされたりする。

逆に、そういうのに無駄にワクワクできる人にはオススメできるゲームと言える。ただ、そういう人であってもコントローラ投げかねない要素がいくつかあるので、要点を挙げて注意しておく。


・起き攻め

対人があるゲームとして致命的であり、オフでも結構アレなのが起き攻めである。このゲーム、アクションRPGである以上敵の攻撃でダウンする事は往々にしてある。んで、普通、ダウンしてから起き上がるまでは大概無敵である。当然だな、この間プレイヤーは操作できん訳だから、ダウン中も食らい判定が存在したままだった場合、いったん転ばせたら後は打ち下ろし技を出し続ける作業である。

ところが、だ。ちゃんと解析した訳ではないから断言はできぬのだが、起き上がって無敵がなくなってから操作が可能になるまでタイムラグがある様である。更に、このゲームにおける回避動作であるローリングには無敵時間が付加されているのだが、どうも出がかりに無敵が無い(ローリングを開始してしばらくしてから無敵になる)様子である。

又、ローリング以外の防御手段として、盾(剣でもできたりするが)で防御する、というのがある。しかし、敵の攻撃には「盾崩し能力」が設定されており、これが高い攻撃を防御すると、よっぽどの盾を持っていない限りガードが割れてダメージを受ける。

この三つが合わさるとどうなるか。

そう。

転ばされる→起き上がりに、ローリングで回避不能なタイミングで、かつガード崩し能力の高い攻撃を合わせられる→成す術なく食らう→再びダウン→起き上がりに同じ攻撃を重ねられる→食らう→ダウン→終わりが無いのが終わり。それがゴールドエk(ry

という風な事態になってしまう場合があるのである。これは、特に腐れ谷の大腐敗人(棍棒持ったデカい奴)と、腐れ谷3のボス、公式でイカ頭と呼ばれる騎士ガル・ヴィンランドがよくやってくる。特に二周目以降になると、敵の攻撃力が一周目の約二倍になってしまう為、大型の敵やボスの攻撃は二発三発食らっただけでも大概死ぬ。よって、より凶悪となる。

こういった起き攻めでハマって死ぬ可能性のある敵と戦う場合は、必ず魔法「完全な防護」をかけておこう。奇跡「一度きりの復活」は、2、3秒寿命が延びただけになる事が稀によくあるのであまりオススメしない。一周目なら一度きりの復活の方が有効だったりするけど。本当は起き攻めで食らい確定の攻撃などなく、最適のタイミングで回避行動を取れば全部かわせるのかもしれんが、非常にシビアなのは間違いない。マンイーターの突進起き攻めとか。


・メリケンに媚びたゲーム作り

本作は、フロムソフトウェアが初期に作っていたRPG、キングスフィールドシリーズの最新作という方向で製作された。デモンズの開発が始まった契機自体が、SCEの人に「キングスの新作ってもう作らないんすか?」って言われたフロムの人が「じゃあ一緒に作りましょう」と言ったからであるとされておるからな。で、キングス自体、メリケン向けのゲームであった。

故に、本作がメリケン向けのゲームであるのは当然である。しかしながら、これどう見てもメリケンに媚びてんだろと言わざるを得ないところが結構多い。例えばPS3にデモンズソウルのディスクを突っ込んで、NEWGAMEを選択する。するとキャラメイク画面に行く訳だが、ここでいきなりフォールアウト3とかでよく見る顔が出てくる。

要するに、デフォルトの顔が思いっきりメリケンポリゴンなのである。明らかにどっかで見たことのある、メリケン好みの顔だ。名前も英語のみである。こういうメリケンに媚びた作りは私は大っ嫌いだが、まぁデモンズは日本市場は捨ててメリケン市場で売ろうとしてるのが明らか(日本市場は捨てたとしてもフロム信者が一定数買うしな)だから、仕方ないと言えば仕方ないし正しいと言えば正しいのだが。

まぁ販売戦略はさておき、他にもある。キングスや近縁作のシャドウタワーはホラー風RPGでグロかった。本作もダークファンタジーと言ってる通りグロいのだが、これがまぁメリケンのゲームでよく見る感じである。確かにキングスもホラーだったしグロかったが、むしろ見事なまでに洋ゲーなのだ。物理演算にハヴォックを採用しているのが、これに拍車をかけておる。

ハヴォックというのは、海外では非常に有名かつ一般的なエンターテイメント向け物理演算エンジンだ。まぁ要するにだな、どんなゲームを作るにしても、基本的には我々の住む世界と同じ物理法則を持つ世界を構築する訳である。例えば、仮に今諸君が腹パンされて吹っ飛んだとして、その場合、身体はくの字に曲がって吹っ飛ぶ筈である。しかし3Dの世界では、ちゃんとプログラミングしてやらないと直立不動のまま吹っ飛ぶという事が往々にして起こる。

故にそういう事にならない様、ちゃんとした計算、即ちプログラミングが必要になる。そしてここからが一番の問題だが、ぶっちゃけゲーム一本作るたびに一からプログラムし直すのは面倒である。そこで、ハヴォックという会社が、自らの会社名を冠した、そういう一連の計算をやってくれる基幹プログラムを発売した。これがハヴォックである。

ハヴォックはその優秀さを買われて洋ゲーでは盛んに使用されており、デッドスペース、オブリビオン、アサシンクリード、スタークラフト、バトルフィールド、バイオショックと有名どころはほぼ使っていると言ってもいいぐらいだ。そしてそれをデモンズは使っている。故にすげぇ洋ゲーっぽい動きをするのである。特に死体の動きがモロにハヴォック。

まぁ、またしても脱線してしまったが、3Dモデリング、及び挙動がモロに洋ゲーのソレだと言いたいのである。明らかに和ゲーの系譜ではなく、又、フロムの昔からの3Dモデル&挙動の系譜でもない。正直、何も知らずに「このゲームは洋ゲーだよ」と言われて渡されたら、気付かないぐらいである。

そして、洋ゲーは大概共通した要素を持ってる。大体メリケンで売れるゲームの要素というのは決まっており、

1:銃のある世界、もしくは剣と魔法の世界が舞台
2:銃でバラバラにしたりされたりする
3:FPSorTPS操作
4:自由度(笑)
5:キャラメイク自由度(笑)もしくは非現実的ムキムキマッチョ主人公
6:敵がとにかくキモくてグロい。それをバラバラにできると尚GOOD
7:ストーリーはあっさり、もしくは皆無

大体この辺をいくつか拾っておかないと売れない。特に上四つは重要だ。例えば某稲船はメリケンに媚びてゲームを作ったが、売れなかった。現代が舞台なのに銃がメインじゃなかったからである。メリケンは、剣と魔法の世界以外が舞台のゲームでは、とにかく銃を撃つゲームでないと絶対に納得しないのだ。

逆に、剣と魔法の世界の場合、なんちゃって中世ファンタジーである必要がある。故に、プレートアーマーとかがガンガン出てきてるのに火縄銃がなくても気にしないし、草原を旅したりするのではなく、暗いじめじめしたダンジョンにひたすら潜るタイプである必要がある。更に言えばグロめの敵がいると良く、(本来なら定番の)異種族はエルフが居れば十分で、ドワーフやホビット、フェアリーあたりは必要なく、出すならばむしろ爬虫類人間とかそういうグロいのの方が望ましい。

デモンズソウルは、基本的に↑で挙げた要素をすべて拾っている。拾っていないのは3ぐらいだ。

まぁそんな訳で、メリケンのゲームは肌に合わん、という人は注意する必要がある。




いつもどおり一万字超えなので、続く様だ。

バイオ4に出てくる銃の解説 ぱーとつー

2011年10月12日 15時13分43秒 | アニメ、ゲーム、映画等
ゾンビ犬に密着してサブマシンガンとか下方攻撃し続けるとちょっと罪悪感を感じる(挨拶)。まぁそんな訳でごきげんよう諸君、いかがお過ごしかな。前回の挨拶では書かなかったが、ここのところ第一次産業に従事している霧島である。何をしてるかって、怪物狩猟人携行版参だ。



要するにこれである。MHP3。MONSTER HUNTER PORTABLE 3rd。私は、モンハンはwindows版(フロンティア)を一週間ほどやっていただけでほぼ新規勢である。当時一週間でやめたのは、基本ソロしかしない人だったので「それモンハンやる意味ねーよ」と言われたからだ。しかしながら、デモンズを先日ちょろっとやった(前回横浜に行った時我が家に遊びに来た鯖さんがデモンズやろうぜーって言って来たんでそれで買った)ところこれディアブロ風モンハンじゃねーかという結論に至り、モンハンがやりたくなって買ったのだ。

いやまぁしかし、神ゲーだ。総統閣下はキングダムアンダーファイア:サークルオブドゥームのレビューにおいてダンジョン(中略)にひたすら潜り続け、日々アイテムを発掘しては、装備したり眺めたりしてニヤニヤするという、Diablo以来の暗い愉悦を完璧に引き継いでおると述べたが、本作も狩猟採集という第一次産業にひたすら従事して装備を作り、後はただただディアブロ以来の暗い愉悦を感じるという大変ストイックなゲームである。

総統閣下がこの金言を書いた記事は南朝鮮製ゲームのレビューなのだが、そのゲームについて閣下は「韓国ゲーだ、と拒否反応を示す向きもあるだろうが、Diabloを愛してやまない韓国ならではの、良ゲー」と述べている。同様に、私もモンハンをディアブロを愛してやまない日本ならではの良ゲーと呼ばせてもらおう。まぁゲームとしての系譜は大分違う気がするけど。

それはともかくとして、本当によくできておる。デモンズソウルは、まぁ作った企業が作った企業なので、楽しく遊ばせるつもりがこれっぽっちもないと言うか、ゲームを起動して一時間と経たずによくこのゲームを買ってくれたな、ありがとう。では死ねというSCEとフロムの殺意が感じられるゲームであり、これはこれでいいのだが、まぁマゾ向けである。私はちゃんとしたゲームの方が好きだからな。

後、一般にモンハンは作業ゲー、倒しなれた敵を倒し続けるだけの簡単なお仕事と考えられがちだが、まぁ確かに多人数戦だと動物虐待アクションになるもののソロオンリーだと普通に難しい。ぶっちゃけダンテは死ななければならないデビルメイクライ4より難しい。流石にDMC3や忍者外伝Σ2よりは簡単だし一応抜け道もあるが、普通にやる分には正直DMC4のが簡単であった。

実際、昨日三時間かけて四回同じクエストに失敗したところである。ドリンククエストのアグナコアトル三連続狩猟。どうやら今の私の装備(太刀の凍刃)ではちょっと無理らしいので後回しにする事にした。


まぁともあれ、前回の続きである。


●ハンドガン(マチルダ):HKVP70


カプコンバイオスタッフが、バイオハザードというゲームを心の底から愛してるというのがよく判るハンドガン。そう、この拳銃はバイオ2でレオンが初登場した時彼が持っていた思い出深い銃、HK社のVP70である。二周目に入ると同時、バイオ2時の彼の衣装(ラクーン市警=RPD制服)と当時の拳銃を持ってくる三上の心意気に乾杯。

ちなみに、THE ANOTHER ORDERでエイダが最初から持ってるショットガン、レミントンM870もバイオ2でレオンが使っていたショットガンであり、よくわかっていると言わざるを得ない。クリア後のスタッフロールはバイオ2の衣装でのレオンとエイダのムービーシーンだからな…バイオ2は完成直前まで行ったけど納得いかなくて一から作り直したといういわくつきのゲームだから、バイオスタッフも思い入れがあるのだろう。

さて、そんなVP70だが、特徴は三点射が出来るところにある。いわゆる3バースト射撃という奴だな。射撃ボタンを上手く使えばマシンピストルの様に扱う事もできる。その利点はハンドガンの威力でマシンピストルの様な連射が出来るというところにある。マシンピストルは限定仕様に改造しても所詮威力1.8だが、こちらは威力フル改造で2.5になる。

この威力で連射できるのだから、これは非常に大きい優位性であるという事ができるだろう。しかしその一方で、使用するのはハンドガンの弾であり、一回拾うと最低でも25発、多いと100発のマシンピストル弾とは違い、一回に10発20発程度しか拾えない。故に、すぐ弾がなくなる。又、威力1.9の弾を貫通させられるパニッシャーことファイヴセヴン、威力6.5の弾を撃ち出すモーゼルレッドナインという強力な対抗馬がいる事も問題である。

特にモーゼルレッドナインが問題で、マチルダことVP70の三点バーストを全部当てたとして威力は2.5×3で7.5。一方、モーゼルは一発で6.5。三倍の弾を消費して威力は1違いな訳である。無論、VP70はマシンピストルに近い武器であり、弾幕を張って相手を寄せ付けない様にしたり、短時間に集中して弾を撃ち込む、といった用途の銃だ。だから単純に比較はできないのだが、現実は非情である。

まぁしかし、こんな性能にされたのも仕方ないと言えば仕方ない。と言うのも、実銃のVP70はHKの失敗作として大変有名なのである。独ヘックラー&コッホ、通称HKと言えばドイツの老舗大手銃器メーカーであり、世界最高の短機関銃と称されるMP5、MGS1でスネークも使った拳銃Mk23SOCOM、冷戦期の傑作突撃銃G3、セミオート式にも関わらず高い命中率を誇る狙撃銃PSG1(フルメタのヘタレ金髪狙撃師が使ってる奴、MGS1及び2でも登場)など、数多の名銃を世に送り出している。

が、やたらと革新的な機構を搭載しようとする傾向がある為どうしてこんなになるまで(ryな銃もよく作るのがこの会社である。例えば、G3の後継として作ってたG11はSFによく登場するケースレス弾というのを使って開発していたが、50発で五万円という高額弾丸の上、連射してると銃内部の熱に反応して火薬が自然発火し暴発する事があるというトンデモ銃に成り果てた。

まぁ弾が高かったのは数を作ってないからという説もあるが、それにしたって一発五千円は高い。ちなみにここの社訓は「妥協しない」であるが、こんなもん作ってるのを見るとたまには妥協すべきではないかと言わざるを得ない。まぁ、妥協しないからこそ狙撃銃に向かない自動小銃で狙撃銃作ったり、水中拳銃作ったり出来たんだが。

さて、そんな変態HKの代表的失敗作がVP70である。元々VP70は、兵器開発・購入資金に乏しい国への輸出を意図して開発された拳銃だ。その為「高くなるし構造も複雑になるが性能は上がる」という機構は使わず、むしろ「安く済むし構造も簡単だが性能は残念」な機構を組み込んでいる。VP70が独特な不細工であるのも、自動拳銃の一般機構であるショートリコイルを使っていないからだ。

ショートリコイルについて説明すると長くなるからしないが、高くつくからってんでこれをやらないで、安く済むストレートブローバックという機構にしている。ところが、拳銃でこれをやると反動で銃がブッ壊れる(特にVP70が使う9mmルガー弾は拳銃弾の中では強力な方である)ので、普通に採用する訳にはいかない。

結果、遊底(銃の上の部分、ガチャッと引いたりできるところ。スライド)を重くし、又、発射時に銃身からガス圧が逃げる仕組みにする必要があった。お陰でデカくて重い上に威力が低いと酷い事になっている。デカくて重いのは当然で、の反動を抑える為に本体を重くしたんだから重すぎな銃になるのは必然だし、ストレートブローバック機構の関係上デカくならざるを得ないし。

全長20cmで、弾18発フル装填で重量約1.1kg。ちょっとこれはどうよという数字である。まぁモーゼルは全長30cmの20発フル装填で1.28kgとこっちよりデカくて重いが、小銃の動作機構採用でありそもそも1896年発売である。1970年発売だぞ、VP70。

又、威力が下がるのも当たり前で、銃ってのはそもそも火薬のガス圧で弾頭を吹っ飛ばす武器なんだから、そのガス圧が逃げたら威力が下がって当然である。

コルトM1911A1の様な大型自動拳銃はメリケンに人気があるものの、アレはデカい分威力があるから人気なのであって、デカい・重い・低威力と三拍子揃ったVP70に隙は無かった。しかもダブルアクション(正確にはグロックと同系統の変則ストライカー式)で引き金が重く、結果命中率もよろしくないもはや売れる要素が無い勢いである。

更に言えば、本銃が採用するストレートブローバックというのは、反動が短時間に一気に来るタイプである。それでも重くしたりガス圧逃がしたりしたお陰で普通に撃つなら問題ないのだが、この銃、目玉機能として専用銃床を装備する事でバースト射撃が可能になる。ゲームと同様な。しかもコイツの連射機能は、連射速度が滅茶苦茶速い。そう、とても扱えたもんじゃない反動なのである。

別に射手が吹っ飛ばされるとかそういう話ではなく、発射の反動で銃口が暴れるのを押さえつけられないのだ。反動がデカ過ぎてな。お陰で、イングラムの様に可能な限りの短時間で可及的速やかに多数の弾丸をプレゼントするという方向で扱う事しかできない。

一応安い拳銃として完成したのだが、こんなんではとてもではないが売れない。米軍の次期主力拳銃競争に提出した時(M1911やめてベレッタM92Fになった時の)、五分の一の確率で給弾不良を起こしたという伝説まである。一応、使った弾が粗悪品だったらしいが、戦場では粗悪品を撃たねばならん事もあるからな。

つうか、何を考えてこんなもん提出したんだHKは。普通にUSPとか出しとけばいいだろうに。

ちなみに、散々な本銃ではあるが、実は名作と名高いグロックのさきがけとなった銃でもある。グロック独特の撃発機構(銃の弾というのは尻を叩くと火薬が燃えて弾が吹っ飛ぶが、その叩くシステムの事)である変則ストライカーはVP70の改良型と言えるものである。又、グロック最大の特徴であるポリマーフレーム、つまり合成樹脂や合成繊維を使った成型も、実はVP70が既にやっていた事であった。

と言うか、VP70こそ世界初のポリマーフレーム銃である(一体成型でなく骨組みの一部に取り入れただけでも良ければHKP9Sのが先だが)。この銃がなければグロックの成功はなかったかもしれない訳であり、そうであれば↑のスプリングフィールドXDも、FNファイヴセヴンも又なかったであろう。であれば、実は銃の歴史において意外と重要な銃であるとも言えるかもしれぬ。

失敗作だが。

ちなみに、そのグロックは合成樹脂の経年劣化により、初期生産型は色々と危ない状態になっているらしい。VP70も同じ合成樹脂仕様拳銃な訳で…レオンがVP70から今のハンドガンに変えたのはその辺なんだろうか。部品交換すればいいとは言え、生産終わってるしこれ。


●ショットガン:ウィンチェスターM1300


西部開拓時代からある老舗、ウィンチェスター社の作った堅実な散弾銃。特に何の変哲もない、本当に普通の銃だが、銃というものが火薬を使う武器である以上信頼性が高く頑丈で且つ安いという本銃は世間の要求に応えるものであり、ベストセラーとなっておる。

その設計はかなり古く、かのジョン・ブローニング設計したM1893が元であった。これはレバーアクション式といって、ターミネーター2でシュワちゃんが使ってた散弾銃と同じ装填形式のものだったんだが、レバーアクションと散弾は合わないという事でM1300と同じポンプクションに変更。これがかの有名なウィンチェスターM1897である。

この銃は三発以上の装弾数を持つ散弾銃の先駆けとされる。それ以前もあるにはあったがいうほど実用的でなく、又、水平二連もしくは上下二連(ダンテが使ってるこういうの)の連射速度の速さには敵わず、主流とはなっていなかった。しかしながら、M1897は5発という大容量とラピッドファイア(引き金引いたままガシャコンガシャコンとやると連続で弾が出る)により、一躍ベストセラー散弾銃となったのである。

軍や警察も本銃を採用し、米西戦争でも大活躍。そしてついにあの第一次世界大戦が始まる。この戦争では、塹壕内での接近戦闘が数多く発生した。その接近戦において、一回の射撃で数個~数百個の鉛球をプレゼントする散弾銃は非常に有効であり、銃剣を装着可能に改修されたM1897はドイツ印の挽肉を製造するマシーンとして大活躍した。

それでついた異名がトレンチガン。即ち塹壕銃であり、塹壕戦を象徴する武器であった。ちなみに、M1897があまりにアレだったので、ドイツは残虐兵器であるとしてハーグ条約違反だと提訴している。まぁ大量の小さい鉛をばら撒かれる訳だからな、食らったら最後、手の施し様はないわ苦しみ抜いて死ぬわ死体は汚いわで散弾銃使いは捕虜にせず殺しても良いとまで言われておった。

実際、欧州では散弾銃を対人用に使う事は、昔から今まで非常に少ない。先進諸国間での戦争に限って言えば戦争に初めて散弾銃を持ち込んだのはメリケンであり、そのメリケンは西部開拓時代から人に向けて散弾銃を撃っておった。この辺が、欧州諸国人が「欧米」とひとくくりにされると全力で嫌な顔をする理由である。ちなみにドイツが提訴した話は、その当のドイツが条約違反武器の毒ガスが大好きだった為散弾銃の使用継続が認められる事になった。

そんなM1897だが、元がレバーアクション銃である為、ポンプアクション銃としては不自然なところがいくつかあった。例えば、普通なら内臓されてる撃鉄が露出してたりな。なので、それらを改善したM12が開発される。そして、更にそれを改良したものが本銃M1300(M1200というのもあるけど)である。

さて、M1300というよりM1897の説明になったが、塹壕戦の英雄に魅力で劣るのはしょうがない。んでゲーム内の性能はと言うと、まぁ普通のショットガンである。実銃に忠実といったところか。弾が拡散して飛び、威力もそこそこある。なので、大量のガナードが群がってきて普通の銃では対処できない時、チェーンソーシリーズや寄生体ガナードに接近されてしまい、一旦吹き飛ばして距離を取りたい時等に重宝する。

ただ、散弾銃はどれもこれも遠距離射撃になると威力が落ちる。具体的には、ガナードを撃って吹っ飛んだら本来の威力、よろけただけだったら威力が落ちておる。この威力減衰がM1300はかなり激しく、改造次第ではモーゼル以下の威力になるのでしっかり引き付けて撃つ必要がある。まぁ、引き付け過ぎると今度は敵がばらけて一発では全ての敵を撃てず、ガシャコンとやってる間に殴られるがその辺は腕前でカバーするしかない。

尚、限定仕様が本気でクズ性能であり、全く使えない。ショットガン(セミオート)が完全上位互換なのもあり、見た目とかにこだわりがなければ、かの銃が売りに出た時点で買い換えるべきであろう、ちなみにバイオ4ではシステム上必須な為下部にレーザー照準機がついているが、これについてバイオ4公式の武器商人は何故かレーザーサイトがついてるぜ!と語っている。パッケージ裏の煽り文句が大統領の娘を救い出せ!?だっただけはあるな。


●ライオットガン:ベネリM3スーパー90


銃作りと歴史だけは一流の国イタリアはベネリ社の傑作散弾銃。同国フランキ社のスパス12と共に、現代の軍用散弾銃の名作として並び称されておる。まぁ、そのベネリもフランキも今はベレッタに吸収合併されてるが、それはさておき。このM3とスパス12は、どちらもセミオート機構を持つ散弾銃としておる。

つまりだな、ポンプアクション式はバイオ4でやっていても判るとおり、一発撃って目の前の敵を挽肉にしてもガシャコンとやってる間に別に敵が出てきてこっちが挽肉にされる事が多々ある。ポンプアクション式は銃自体がブッ壊れない限り弾詰まりが起きないという信頼性の高い機構だが、連射速度が遅いという欠点がある訳である。しかしながらセミオートにすると、今度は弾詰まりの問題が出てくる。

いわゆるジャムという奴だが、セミオート及びフルオートの銃は拳銃に限らず「発射→遊底後退→排莢→次弾装填→遊底前進」という手順を踏むのだが、まぁ判らん人が見てもやたら複雑な手順を踏んでるというところだけは判る通り複雑な機構である。複雑な機構であるが故に、反動のデカい弾を使うとどっかで作動不良が起こり、次の弾が装填されない事がある。

こうなるとどうあっても挽肉にされるしかない訳であり、ガシャコンとやってる間に挽肉にされるリスクを支払ってでもポンプアクションでいい、というので、一般的には、散弾銃はポンプアクション式である。しかしながらセミオートの連射速度はやはり魅力であり、どうにか実用的セミオート散弾銃を作ろうというのは以前から銃業界の課題の一つであった。

それを実現した銃の一つが、このベネリM3なのである。本銃は「ライオットガン」の名のとおり公的機関向けに開発されており、装弾数が多く、且つ軽量である。本体重量は大体3.5kgで、これは同様の機構を持つスパス12よりも1kg、↑のM1300より1.5kg軽い。又、セミオート機構は故障が予想される事からポンプアクション式との切り替えも可能である。バイオ4で出てくる本銃がポンプアクションオンリーなのはこの機構があるからだろう。と言うか、セミオート機構を排除した独自仕様なのかもしれん。

そして、本銃が傑作と呼ばれる理由、それは散弾銃なのに射撃精度が高い事である。散弾をある程度集中させられる、と言った方が近いか。散弾銃の名の通り、バラバラに散る弾を撃つのが散弾銃ではあるものの、特に警察の特殊部隊が人質をとった立てこもり犯のところへ突入する際、弾が散りすぎるのも問題なのである。人質に当たるから。

なので、理想としては散りすぎず、集中しすぎずが求められる訳だが、以前からある散弾銃でも散り過ぎない様にするのは可能であった。まぁ正確に言うとちょっと違うんだが、散弾銃というのは大抵、銃身の内径が一定でない。具体的には、根元の部分と銃口の近辺を比べると、銃口の方が大概狭い。これを絞りとかチョークとかいい、強く絞ってあるとしばらく散弾の塊が飛んでからばらけるのである。

しかしながら、散弾を集中させるとなると非常に困難な問題である。それをイタリアの職人達は解決し、見事精密射撃可能な散弾銃という変態銃の座を勝ち取っておる。バイオ4でも、本銃は遠距離射撃での威力減衰がM1300に比べ抑えられているのが一応の利点になっている。

傑作銃として名高い本銃は、世界各国の軍隊や警察の特殊部隊に採用されておる。海上自衛隊でも採用しておる様だ。ただ、M3はM3でもM3スーパー90ではなくM3Tという銃床が折りたたみ式になっているものの様だがな。

さて、そんなベネリM3だが、ゲーム中では残念な事に素晴らしくどうしようもない性能である。改造していけば最終的にM1300より高性能な銃になるのだが、一周目は改造限界というものがあり、チャプター○では△段階まで改造可能、チャプター×では□段階まで改造可能、という風に制限が設けられている。

これが明らかなM3いじめ設定であり、一周目だと大抵の場合M1300より弱いのである。そしてゲームも終盤に入ると、今度は上位互換のショットガン(セミオート)が登場し、M1300共々存在意義を完全に失ってしまう。結果、ブラックテイル以上に可哀想な銃としてライオットガンはバイオ4の歴史に残る事となってしまったのである。

ちなみにベネリM3、バイオスタッフに気に入られているのか、シリーズ常連だったりする。初登場は3のソウドオフモデルだが、リメイクバイオのジルシナリオでも登場。最新作5でもショットガン(セミオート)と共に連続出場を果たしている。今回不遇だったのは、多分何度も何度も出てるからたまには自重性能しないと他の銃器ファンから何か言われるかもしれないというカプコン三上の深謀遠慮かもしれん。



サクッと一回で終わらせるつもりのネタだったのに全然終わらないんだがこれ。どうしよう。

バイオ4に出てくる銃の解説 ぱーとわん

2011年10月10日 21時06分46秒 | アニメ、ゲーム、映画等
ごきげんよう諸君、いかがお過ごしかな。バイオハザード・リバイバルセレクションの両方をコンプリートした霧島である。あのソフトはバイオ4とコードベロニカがHDリマスターされて入っておるのだが、取り敢えず4の最高難易度+外伝二種をクリア、ベロニカの本編Sランク+バトルモード全キャラSランクを達成した。

ベロニカはとても辛かった。何で辛かったかってクソゲーだからである。私はガンサバイバー2、4とGAIDEN以外全てのバイオシリーズを買っておるしやっておるバイオ儲(攻略本だって必ず買うし、アーカイブスだって買ってる)だが、それ故に断言する。ありゃクソゲーだ。

しかもゲーム形式が旧作バイオ型で、Sランク条件がノーセーブ五時間以内クリア。んで、当然ながら一撃死技を使ってくる奴が沢山いる上、最近旧作バイオやってなかった。お陰でバンダースナッチに頭を潰され、ハンター改に首狩りされ、ノスフェラトゥに崖から落とされと何度も一撃死させられて本当に泣けた。その上クソゲーと来たもんだ、心が折れる一歩手前まで行ったが、何とかSランクを達成した。

一方4は、やはり慣れないと難しいステージも多いが、何度もクリアしたゲームだし、何より第一次大戦以前の銃への愛でごはん何杯でもいけるので楽しんでやれた。モーゼル、M1903、コルトガバメント、S&WのM3、どれもこれも素晴らしい。G36みたいな銃も好きだが、やはり私は古い銃が好きだ。拳銃も中折れリボルバーが一番好きだし。


是非次作のバイオでは、武器はこんな感じでお願いしたい。

ハンドガン1:FNハイパワー
ハンドガン2:モーゼルC96(レッド9仕様)
ハンドガン3:ワルサーP38
ハンドガン4:SACMM1935A
ハンドガン5:エンフィールドNo2Mk1
ライフル1:三八式歩兵銃
ライフル2:マウザーKar98k
ライフル(セミオート)1:M1ガーランド
ライフル(セミオート)2:ドラグノフ
マシンピストル1:エルマベルケMP40(シュマイザー)
マシンピストル2:エンフィールドステンMk1
マグナム1:スタームルガースーパーレッドホーク(454カスール仕様)
マグナム2:タウルスレイジングブル(454カスール仕様)
ハンドキャノン:パイファーツェリスカ

まぁ要するに第二次大戦以前の銃基本でやりたいという事である。エンフィールドNo2Mk1はアレ38S&W弾じゃねーかと思うかもしれんが、バイオ4のパニッシャー(ファイヴセブン)だって本来なら5.7mmx28SS190である。まぁ流石に混ざりすぎてるとマズイからこれだけにしたが、弾気にしなくていいなら出したい拳銃はもっとある。又、ライフル系の弾丸規格を統一するのは全力で諦めた。

バイオ4がいけないのだ。ハンドガンにモーゼル(言わずもがな、第一次大戦以前から広く使われたドイツの拳銃)、ライフルにスプリングフィールドM1903(第一次大戦時の米軍制式歩兵銃)、マグナムはS&WのM3(1870年開発)とコルトM1911A1(いわゆるガバメント。1911年採用)。ほぼ全種類の武器を第一次大戦以前の銃で固められるのである。

ちなみにショットガンはウィンチェスターM1300だが、こいつの原型はM12、更にその原型がM1897で、こいつは第一次大戦の塹壕戦で猛威を振るった銃なので脳内補完が可能なら色々違うゲームになる事請け合いである。

そんな素敵なゲーム、バイオ4に登場する銃について、今回は解説していきたいと思う。尚、このゲームでは、武器商人に話す事で「威力」「装弾数」「連射速度」「装填速度」を改造する事が可能で、全ての項目を限界まで改造すると「特別仕様」にする事が出来る。


●ハンドガン



レオンの初期装備であり、マーセナリーズではウェスカーも持っているハンドガン。ゲームオリジナル銃(体験版ではKP94だったが)なので、実銃は存在しない。設定的には、2冒頭で死んだ後シンなみの勢いで後付設定が追加されたロバート・ケンドさんによるカスタムハンドガンらしい。HKのUSPを基本にガバメントのパーツを組み込み、銃把はメダリオンが入っている。よく見るとケンド銃砲店の刻印もあり、レオンはディジェネレーションでも本銃を愛用しておった。

さて、初期装備だけあって未改造状態では最も貧弱で、パニッシャーの様に貫通する訳でもなく、レッド9の様に威力が高い訳でもなく、ブラックテイルの様に万能な訳でもない。しかし、特別仕様に改造するとクリティカル率五倍というなかなか面白い性能になる。これは、ガナード(今回のゾンビみたいなもん)の頭を撃つと低確率で威力が五倍になるというものだが、普段は十二分の一の確率だ。これが十二分の五になる訳で、プレイヤーの腕次第でかなりの戦力となるだろう。

ただまぁクリティカル率五倍と言っても、それでも50%いかないし、運が悪ければ全然クリティカルが出ない。逆に言えば、運が良ければ物凄い勢いでガナードの頭が吹っ飛ぶ訳で、強い弱いと言うよりは「楽しい」武器と言えるかもしれんな。私はあんまり使わない。


●ハンドガン(パニッシャー):FNファイヴセヴン



青コインを10枚壊すと貰え、15枚壊すと威力が一段階改造された状態で貰える拳銃。単発の威力はハンドガン中最低(マシンピストルよりかは高い)が、弾が敵を貫通するという特徴がある。通常だと二体まで、特別仕様に改造すると五体まで風穴を開けられる。特別仕様にせずとも、ガナードが大量に涌いた時は適当に連射する事で簡易マシンガンとして敵の足止めが可能だし、盾持ちガナードに対しても盾を貫通してダメージを与えられる。

一発一発の威力は低いが、上手く貫通を使って多数の敵に当てる事で、他のハンドガンに負けない威力を発揮する事が出来ると言える。フル改造でも威力は2.2だが、二体に同時に当てれば事実上4.4、三体なら事実上6.6な訳だからな。ただ、二体ならともかく三体、四体ともなるとそうそう同時に当てられる状況は存在しないし、貫通でダメージを当てられる様位置取りしてる間に近付かれてどうしようもなくなったりもする。

なので、扱いの難しい、使い手を選ぶ銃だとも言えるだろう。単発の威力が最低だから積極的に頭を撃ったり、足を撃ってジャーマンスープレックスかましたりしたいが、そうすると大抵貫通ダメージは狙えなくなるし。又、多数の敵に貫通ダメージを狙える状況というのはショットガンとかで吹っ飛ばした方がいい状況である場合も多く、判断が難しい。

まぁ、玄人好みの銃だな。

さて、その正体は、以前P90の話をした時触れたベルギーFN社のファイヴセヴンである。この拳銃は、兄弟武器である短機関銃(サブマシンガン≒マシンピストル)のP90、及び専用弾丸5.7mmSS190弾と共に開発された。と言うか、むしろ、P90とファイヴセブンは、それぞれSS190弾を撃つ為の短機関銃、拳銃である。

一般的に、現代の拳銃は9mmルガー弾、もしくは.45ACP弾を使用する。短機関銃は「拳銃弾を使う機関銃」というのが一般的な定義であるから、やはり一般的に使用するのは9mmルガーと.45ACPである。まぁ.45ACPはアメリカで流行してるだけとも言うが、それは置いといて、この二種の弾は、歴史的に見れば比較的殺傷能力の高い拳銃弾である。

9mmルガー弾などは貧弱、もしくは器用貧乏の代名詞、.45ACPは大口径銃が大好きなメリケン弾丸の代名詞、というイメージがあるが、.38SP弾(ニューナンブとかの弾、第一次大戦以前はよく使われた弾)とかに比べれば9mmルガーとて殺傷能力は充分高い。大体、.45ACP弾からしてクスリキメて突撃してくる奴でも充分殺せる弾として開発された経緯があるのだ。しかしながら、これら二種の弾丸でも、防弾チョッキとか着た奴に対する殺傷力はあまり期待できない。

まぁ、.45ACP弾を9発食らった後綺麗な服に着替えて自分で車運転して帰宅した殺人犯とか、厚手のジャンパーで9mmルガー弾を防ぐ銀行強盗とか、アメリカにはそういう実例があるからな。まぁ後者は、薄手の服を着た連中用に特化した特別仕様弾を厚手の服着た相手に撃ってたからだが。

ま、ともかく。現代は防弾装備が普及してきており、拳銃や短機関銃の威力不足が従来指摘されておった。これを一挙に打破する存在としてベルギーの老舗FN社が送り出したのがSS190弾であり、又、SS190弾を使用するP90とファイヴセヴンである。まぁP90は以前話した通りPDWという全く流行らなかった新しいカテゴリを創出するという銃でもあったが、ファイヴセヴンはSS190を使う拳銃、というのが基本だ。

何せ、SS190を使うファイヴセヴンとP90は、FN社の宣伝によればクラス3の防弾装備を貫通できるという。クラス3というと、.44マグナムどころか7.62mmNATO弾を防げる(バイオ4で言えばマグナムもライフルも貫通できない)レベルのものであるから、それを貫通できる強力な拳銃、となれば銃オタならずともワクワクしてしまう逸品である。SS190が小さいので、装弾数も20と多い(ロングバレルを使えば30)。

銃そのものは人間工学に基づいた丸っこい可愛らしい形で、初期型は用心鉄(トリガーガード、引き金をすっぽり包んでる部分)が何故かピーナツ型でこれも又可愛い。現在生産されてるモデルは普通の直線型用心鉄で、バイオ4に登場したのもこれだ。全体を合成樹脂(強化プラスチック、ナイロン素材等)で覆っており、この柔らかさが又可愛さに拍車をかけている。

尚、その貫通性能のヤバさからか当初は軍、警察等にしか販売せずという方針だったが、P90と同様まったくもって売れなかった。この為か、2004年からは貫通力を落としたSS192弾(現在は更に貫通力を落としたSS196SR弾)を使用する民間仕様を販売しており、こちらはよく売れているという。

ちなみに、SS190系の弾の貫通力、と言うか威力に関しては疑問も呈されておる。と言うのも、この弾、弾頭が滅茶苦茶小さい。何せ拳銃弾の癖に5.7mmだからな、子犬が殺せる程度の能力と言われる.22LRに毛が生えた程度の大きさである。なので、敵さんの身体にプレゼントされる弾丸の重量は非常に軽く、速度×質量=運動量という公式を考えると…という事だ。

もっと判りやすく言えば、高速で飛んでくるドッジボールより多少遅く飛んでくる砲丸投げの砲丸の方が危ないという事である。実際のところ、SS190弾を使用する銃が戦争で大々的に使われた実績というのはまだない(何せどうしようもなく売れてない)ので、よくわからんのである。警察にもあんまり採用されないし。こういうのは結局のところ、生きた人間に撃ってみない事には判らん訳だからな。

ところで、バイオ4に出てくる「ハンドガンの弾」は9mmルガー弾である。「調べる」やると9mmの拳銃弾って出てくるし、レッド9やブラックテイルは9mmルガー弾モデルだからな。しかし、ファイヴセヴンに9mmルガー弾モデルは無い。と言うか、5.7mmSS190を撃てるからファイヴセヴンなのであって、SS190を撃てないファイヴセヴンに存在意義は無い訳である。敵を貫通するというのはSS190弾の再現なんだろうが…うーん。


●ハンドガン(レッド9):モーゼルミリタリー・レッドナイン



私の愛銃。

ブルームハンドル。

モーゼルミリタリー。

モーゼル万歳!モーゼル万歳!モーゼル万歳!

まぁ、という訳で、モーゼルである。Mauser社の作った軍用大型拳銃で、この社名は普通「マウザー」と読む。実際、MG34やらHScやらは「マウザーMG34」「マウザーHSc」といった形で呼ばれておる。まぁMG34は共同開発だから、より正確には「マウザー・ラインメタルMG34」だが。しかしベロニカのルガーP08といい今回のモーゼルといい、バイオスタッフに濃いミリオタがいるのは確定的に明らか。つうかベロニカ、可動状態のティーガーが出てくるとか吹いたぞ。

話が逸れたが、このマウザー、本銃について述べる時だけはモーゼルと読む。これは、まぁ昔そういう風に日本で紹介されたからで大した話ではないのだが、このせいか、本銃はあたかも「モーゼル」という名前の銃であるかの様に扱われている。それも仕方のない話で、一般的にこの銃は「モーゼルC96」と呼ばれるが、これ、正式名称でも何でもない。

と言うのも、この銃、軍用大型拳銃でありながら一度として正式に採用された事が無いのである。C96というのも、最初の民間向けモデルがそう呼ばれていただけだ。しかもその上色んなモデルがある。最初のC96、9mmルガー弾仕様(バイオ4はこれ、通称レッドナイン)、ロシア向け輸出モデル(通称ボロ・モーゼル)弾倉方式を導入したもの(通称M1931)、更にそれを改良したもの(通称M1932)…しかも、M1931をM712、M1932をM713と呼ぶ事もあって更にややこしい。

なので、この銃を何と呼ぶべきかよく判らんというのが実際のところで、故に「モーゼル」と呼ぶのが一番手っ取り早いのである。マウザー社がちゃんとした名前をつけてくれれば良かったのだが、あの会社、正式な形式名をこの銃につけなかったのだな。

そんなモーゼルだが、特徴はやはり美しい独特の形と拳銃の皮を被った歩兵銃という独自のコンセプトである。まず、装弾は引き金より前にある固定弾倉にクリップを使って押し込む。こういう方式にしたのは、当時は脱着式の弾倉方式(いわゆる普通のマガジン方式)の信頼性がまだ低かったという説から普通のマガジン方式の特許料を払いたくなかったという説まで色々ある。

ただ、当時の脱着式弾倉の信頼性が低かったのは確からしい。戦闘中、気付いたらマガジンが落ちてたとか稀によくある話だったらしいからな。他の作動機構にも、まだまだ信頼性の低かった自動拳銃よりも成熟の域にあった歩兵銃の技術を取り入れて作られており信頼性の高い銃であった。

更に、銃床が標準で装備可能な仕様になっていた。ストックな。これをつける事で即席の小銃として運用する事が可能となる。無論、普通の小銃に比べれば威力も低いし射程も短いが、持ち運びに便利で軽量、取り回しもいい本銃は、まぁ流石にポケットには入んが尻ポケットからはみ出る歩兵銃として大変重宝がられた。

第一次大戦時には、9mmルガー弾を使えるモデルが開発、軍に納入される。これがバイオ4に出てくるレッドナインだ。銃把に赤く9の刻印がある。又、第二次大戦前の1932年には脱着式弾倉、全自動射撃(要は引き金引きっぱなしで弾が延々出るフルオート射撃)、20発入りロングマガジンの三機能を追加したシュネルフォイヤー(M1932=M713)が発売。全自動射撃、銃床、拳銃と三種の神器が揃った結果、モーゼルは尻ポケットからはみ出る機関銃にもなった。降下猟兵等が使っている。

さて、そんなモーゼル・レッドナインだが、バイオ4では攻撃力の高い銃、そして尻ポケットからはみ出る歩兵銃としてデザインされている。未改造状態でも攻撃力はブラックテイルと並んでトップタイ。まぁこの状態だと向こうのが連射速度速いから劣化ブラックテイルなんだが、改造していくとどんどん威力に差がついていき、最終的にブラックテイルが劣化レッド9になるレベルの格差社会を形成する。

特に特別仕様に改造すると、そこらのショットガンより高い威力になる。流石にフル改造ショットガン系には負けるが、例えば4段改造ショットガンより高い威力を誇るし、同じく4段改造のライオットガンとの威力差は0.1。ハンドガンとしては異様な高さであり、対雑魚ガナード戦は勿論、対強敵戦、対ボス戦でも使っていける逸品になる。

更に別売りの銃床を装備すれば、手ブレがかなり抑えられて遠距離射撃も可能になる。正に尻ポケットからはみ出る歩兵銃である。残念ながら、ライフル系の「ヘッドショットしたら威力10倍」的な補正は受けられないが、ハンドガンの弾で遠距離射撃が可能というのは魅力的だ。近距離戦でも、手ブレのせいで肝心の一撃を外してしまう事がなくなるのは心強く、積極的に足や頭を狙っていける(そして蹴ったりベリィしたりできる)。

一方欠点もある。しかしそれは性能ではない。正直、銃としての性能は文句のつけ様が無い。問題はサイズで、このゲームではアタッシュケースに武器から回復アイテムから弾から全部詰める訳だが、モーゼルは妙にデカいのである。まぁそれも当然で、歩兵銃の技術を使った大型拳銃だからな、これは。他のハンドガン連中はどちらかと言えば小型拳銃に属するので、仕方ないところだ。

ただ、モーゼル本体はそこまでデカくない(他のハンドガンが2x3、レッド9は2x4)のだが、更に銃床まで買うとちょっとマズイデカさになる。レッド9自体が2x4なのに、銃床が1x3なので合計11マス。他のハンドガンが2x3で6マスなのを考えるとおよそ二倍であり、ついでに言うとスコープなしのライフルより場所を取る。

この為、アタッシュケースを圧迫するという他の銃とは全く別の欠点がある訳である。そこを気にせずいけるなら良いが、そうでないなら少なくとも銃床を買うのはよく考えてから、もしくは一番大きいアタッシュケースを買ってからにするべきであろう。


●ハンドガン(ブラックテイル):スプリングフィールドXD



二周目限定のマチルダを除けば、ショップへの追加が一番遅いハンドガン。遅いだけあって、未改造状態ではあらゆる面でハンドガン最強を誇る。まぁ強いて言えば、パニッシャーの様に貫通弾を撃てない、というだけである。威力はレッド9と同値、装弾数も多く装填、連射速度も速い。しかしながら、改造するとハンドガン中最もどうしようもない銃へと転落する。

特に特別仕様が問題で、効果は威力上昇なのだが…4.5までしか上がらないのである。一方、威力重視ハンドガンのモーゼルは6.5。一応、装弾数が13発多く連射速度も0.13秒速く、装填速度も二倍なのだがだからどうした感は否めない。

正直、装弾数はモーゼルの22で充分であり35も必要なく、連射速度も重要と思えるほど差を感じず(そもそもハンドガンは連射速度にまかせて撒き散らす武器ではない)、装填速度も重要と言えるほどの差ではない。つうか、装填速度が問題になる立ち回りをしてしまってる時点でアウトである。

結果として、登場時レッド9の上位互換だったブラックテイルは、哀れレッド9の下位互換へと身を落としてしまうのである。しかも改造費用が地味に高い。総改造費用はハンドガン中一位だ。いいところが本気で見つからない。強いて言うならば、ハンドガンを殆ど未改造のままにして、他の武器をガンガン改造していきたい、という人が使うぐらいか。とは言え、ちゃんと宝集めていくと三挺特別仕様にしても尚金余るんだけどな、このゲーム。

では、そんな可哀想なこの銃の元は何かと言うと、それはスプリングフィールドXD。日本人ゲーマーにとってはまさに誰得とでも言うしかないぐらい無名の銃だが、メリケンには大人気の拳銃である。

これは元々クロアチアのHSプロダクト社が作ったHS2000という銃である。クロアチア本国でも軍や警察に採用されている銃だ。HSプロダクトは、一大銃市場であるアメリカの民間市場に売り込んで儲けようと頑張っていたのだが、いかんせん無名のクロアチア企業なので上手くいかない。そこで、元スプリングフィールド造兵廠であり現在も一流ブランドであるスプリングフィールド社が販売権を買い取り、スプリングフィールドXDの名で売っているのだ。

まぁ要するに、朝鮮のサムチョンやら台湾の東元電機やらの製品を日本の東芝とかのブランドはっつけて売ってるのと同じだ。もっと言えばOEM品である。

で、現在、非常に売れておる。何も知らない人が見ると、パニッシャーことファイヴセヴンとの違いがよく判らない外見をしているところから判るとおり、合成樹脂を多用したいわゆるポリマーフレーム銃だ。こういった銃の元祖は、一般的にはグロック17と言われておる。これはコードベロニカでクリスが使っていた銃であり、又、私も以前は度々述べた銃だが、グロックの特徴はやはり合成樹脂の多用である。

基本となる骨組み、引き金と周辺の機構等々へ大々的に強化プラスチックが使われており、又、金属製部品でもその上から強化プラスチックでコーティングをしてある。例えば弾倉は金属製で作った上で、合成樹脂で包んでいる。これらのお陰で非常に軽量であり、作りやすい為価格も安い。しかしながら、プラスチックはプラスチックな上にデザインがデザインなのでオモチャっぽいという理由でまるで売れなかった悲劇の銃である。

まぁ当たり前だがな、何せプラスチックだ。しかも、反動吸収の為柔らかい素材を使っており、日本のエアガンのグロックよりヤワい。その上、意外に思うかもしれんが、大抵の銃は日本のエアガンより仕上げが雑である。塗装がはみ出てたりとか普通にする。これは、日本と違ってメリケンにとっての銃というものは日用品であり、感覚としては掃除機とかに近いのであって、決して趣味の品ではない。故に美しい表面仕上げとかに命をかけた日本のエアガンより適当に作られておる。

よって、グロックは非常にオモチャっぽく、全然売れなかった。しかし、金を払って映画に登場させる等の地道な販売戦略が功を奏し、やがて超人気銃へと成長する。スプリングフィールドXDは、このグロックの系譜に属する銃である。まぁ何と言うか、無論銃自体の性能も良いのだが、やはりグロックに似ているというのはセールス上非常に有利なのだ。メリケンはミーハーだからな。比べると、グロックはオモチャっぽく、ファイヴセヴンは可愛く、XDは不細工な形だ。



長くなったので続きはまた今度。