霧島家日誌

もう何が何だかわからないよろず日誌だ。

ACfA機体構築解説記事改訂のお知らせ3

2011年07月29日 17時58分26秒 | アーマード・コア
ごきげんよう諸君、いかがお過ごしかな。相変わらず調子の良くない霧島である。ただ今日からしばらく一人暮らしなので、大分楽ができそうだ。やっぱり一人だと気が楽でいい。これは友人と遊んだりするのとは又別で、同居人がいるというのは精神的に来る事が多いからな。


今日の更新はまたしてもACfA記事である。三連続ACfA記事となってしまって大変申し訳ないのだが、マナー編は早めに書いて載せておかないと、現状のオンライン対戦を見てるとマズイかなぁと思いやってしまった次第だ。すまないが理解して欲しい。今回の記事はこちらである。

ACfA機体構築解説記事改訂のお知らせ2

2011年07月28日 20時19分22秒 | アーマード・コア
ごきげんよう諸君、いかがお過ごしかな。ここんところ調子の悪い霧島である。どうやらダウンの周期に入ったらしい。本格的にダウンしてしまうと、本気で食事すらしたくなくなる状態になるので、できるだけ調子を落とさない様に、慎重に生活していきたいと思う。よって、更新も難しくなるかもしれん。今のところACfA記事はまだ書けているが、一般記事はちゃんと書き続けられるか不安だな…

んで、今日はフン関連の歴史地図を作っておったらえらい時間になった(まぁ起きたのが午後五時だったからというのもあるが)ので、以前言ってた通り、今書きなおしてるACfA解説記事の過去記事訂正その2をはっつけておわる。

まぁここまでくると新規記事だけどな。コチラ。

ARMORED CORE for ANSWER アセンブル解説記事 メインブースター編2

2011年07月27日 19時52分55秒 | アーマード・コア
ごきげんよう諸君、いかがお過ごしかな。ここんとこ体調が良くないので、身体が求める限り睡眠時間をとる事によって復調しようと画策している霧島である。おかげで一日十二時間以上寝ておる。まるでマリネラの国王だな。最近ずっと読んでるのだ、パタリロ。頭使わずに読めて面白く、長いので何度読んでも飽きない。ただ結構前に買った奴なので、かなり続刊が出ており、それを買おうとすると全巻セットを買った方がたぶん安い。

しかしその全巻セット、二万以上するんだよな…どうしたものか。

ちなみに、この間からミサイルがどうこう言ってるが、実際のところ私が一番嫌いなのはパラボラ地形戦、というかパラボラというMAPそのものだったりする。パラボラが壊せれば話は違ったがな、何で大破壊システムを謳ってるゲームで壊せぬ障害物相手にあくせくせにゃならんのだ、という訳だ。ちなみに次に嫌いなのがKAMAL。あくまで私が個人的に嫌い、って話だが。



CB-RACHEL


一言で言うと、横に強くなったユディト。それがレイチェルである。基本的に軽めの機体に積む事を前提に設計されており、水平推力、垂直推力、QB総推力が全て最低限で纏められている。最低限の推力しかないので、満載したホワイト・グリント脚機に積んだだけでかなり動きが鈍くなる、というか的になって死ぬ。

しかしこの推力でも動かせる程度に軽い機体に積めば、水平消費、垂直消費、QB総消費全てが最低クラスという良燃費ブースターなので、継続して空中戦を行っても息切れとは無縁となる。結果、高速機動型とは又違った意味で機動性に優れた機体を構築できるのだ。特に中距離射撃戦をやるならこの程度の推力でも充分可能だ。

QBはユディトと比べると総消費が291増えているが総推力の低下は70程度だし通常消費関係が省エネ化されてるので使用感は変わらない。つまり最低限のQB総推力があり、かつ連発しても問題ない低燃費さが両立されているという事である。なので、ユディトと同様にジワジワおっかけるのも可能だ。と言うより、そこから一歩踏み込む事もできる。

と言うのも、水平推力が絶望的だったユディトと違ってレイチェルは最低限の推力がある。故に、最低限推力+低燃費なQBという事で最低限の攻め性能もあるのである。ただ、そうは言ってもレイチェルだけで攻めるのは厳しい。ランスタンなど高出力な突撃用OBは必須である。しかし突撃をOBに任せて上手く立ち回れば、近中距離での攻めは元より張り付きもできないという事は無い。

まぁ、流石にこいつを使って張り付くのは初心者向けではないので近中距離戦か中距離射撃戦で使うのが無難である。とにかく低燃費で、軽い機体なら息切れしない継続機動戦が可能というのが特徴のMB。機体を上手く組めば、ミサイル交差戦以外はこなせる万能なMBだ。燃費がいいからEN兵器や高消費ENパーツとの相性も良好。

ただ、本当に推力が最低限しかないので、ちょっとでも重い機体に積むと特に近距離での機動性が死んでしまう。中量機なのに軽量機に張り付かれて抜け出せず死亡とか普通に発生しうるので、余程軽く組んでない限り、中量機ならラトナの方がいいだろう。


MB11-LATONA


何かと選ばれやすいMB第二弾。図面トレードで重量機と張り付き機、交差戦機以外の機体を貰った場合、これを積んでいる確率がやたら高い。それぐらい使いやすく、高性能なブースターという事だ。その秘密は、全MB中最低の垂直消費と高出力のQBを両立しているところにある。

大体のブースターは、空を飛ぶとガンガンENが減っていく。これはしょうがない事で、どのMBも空中のEN効率が良すぎると本格的にARMORED ANUBIS -ZONE OF THE ENDERS-になる。…それは置いといて、MB一覧表を見ていると、水平推力やQB推力が高いブースターほど垂直消費が高く、逆に垂直消費が低いブースターほど水平推力やQB推力が低い傾向にあるのがわかる。

そう、前進性能と滞空性能は反比例するのである。中には、前進性能が高くて垂直推力も高く飛ぶ事も可能、というMBもある。今まで紹介したのだとアルギュロスがそうだ。まぁ前進性能が高いって程ではないが、高出力の水平推力とそこそこのQB性能、なかなかの垂直推力がある。しかし、こういうMBは垂直消費自体は高いのでプカプカ浮いての継続空中戦には向かないのである。

しかしこのラトナは違う。全MB中最低の垂直消費を生かし、継続的な空中戦が可能だ。しかも、QB性能がかなり良好。何とアリーヤよりもQB総推力が高いから驚きである。高いと言っても60前後だが、QB性能重視MBとして有名なアリーヤと同等のQB総推力を持つというだけでも、かなりの突撃性能を持っている事が判る。その上プカプカ受けるというのだから、このMBがいかに優秀か判るだろう。

特にこのゲームに慣れていない初心者は、対人戦では無駄に浮いてしまいがちである。CPUネクストは地上にいる事が多く、空中戦型AIを積んでてもしばらく地上で待ってると確実に降りてくる。しかし対人では延々と浮き続ける人も多いし、上下の動きを生かした霍乱機動を仕掛けてくる人だって多い。

すると自然、自分もある程度は浮く必要が出てくる。なれた人ならEN管理がしっかりしていて、ENゲージに合わせてブーストを絞ったり着地するのだが初心者にそれは酷というもの。気付けば延々と空中にいて、地上戦と同じノリでQBを吹かしまくった結果ENゲージがスッカラカン…誰もが通る道である。

さりとて空中戦特化のユディトは本当に垂直関連のみに特化してしまっているので、重量機や狙撃機など引き特化機ならともかく、軽めの中距離射撃戦機など攻めの必要性がある程度は存在する機体では使いにくい。レイチェルも最低限の前進性能しかなく、OBを使いこなす必要が出てくる。その点、ラトナは浮き続けても何ら問題ない空中戦MBでありながら、充分な前進性能を持つ。故に使いやすく、愛用者が多いのである。実際、霧島家でも軽~中量機使いの初心者にはオススメしたい逸品だ。

しかしながら、注意しなければならない点は勿論ある。と言うのも、このMBは本来近中距離戦用のブースターであり、万能を目指して作られたものではない。近中距離戦用としての性能が高い次元でまとまった名作であるが故にそれ以外の用途にも使えるというだけなので、本当に初心者な内はともかく、慣れてきたら「この機体のMBは本当にラトナが最適なのか?」と疑う事が必要である。

まぁそれは置いといて、まず、近中距離戦用なので張り付き距離を維持するには推力不足である。張り付きに多用されるアリーヤと同等のQB総推力があるのに、と思うかもしれんが、あっちは水平推力も異様に高く実際の突撃性能はもう一段高い。ラトナの様に水平推力がそう高くないMBで突撃したかったら、ライールぐらいのQB総推力がないと無理だ。なので、張り付きには使えない。無論交差にも。

次に、垂直消費は低いが垂直推力も低い事。つまり、プカプカ浮くのはできるが上下に激しく動く事はできない。近中距離で攻めるならば大して問題にならないが、張り付きとかの距離になると上下に激しく動く霍乱戦法は大変有効。それができない訳だ。元々張り付きに使うMBではないのでそこまで大きな欠点ではないが、三次元機動で撹乱してくる敵への対処は鈍くなるので注意しておきたい。

又、水平消費、垂直消費共に低いので気付きにくいがQB総消費は意外と高い事。アリーヤと比べQB総推力プラス60前後で総消費が593も増えている。それでも、突撃性能に優れたアリーヤ、ヴァーチュ、ライールの三兄弟より総合的な燃費で勝っている(QB効率自体はラトナのが悪いが、通常消費が低燃費なので総合的には低燃費)が、それでも延々前QBを吹かしまくると燃費は悪くなる。QBを多用しまくるなら、近中距離戦をやる場合でもアリーヤ等を採用した方がいい時もあるので注意。

それから、水平推力がレイチェルよりも低い。なので、同じ継続空中戦が可能なMBとしては、レイチェルの方が中距離射撃戦向け、と言うか引き機向けである。とは言え向こうは最低限の攻め性能しかなく、AP負けとかで攻める必要が出てきた場合に難しいのが欠点。又、ちょっとでも重い機体に積むと近距離での機動性が死ぬので軽量機にまとわりつかれた時逝けるのも欠点。まぁ元々上級者向けのMBだしな。

と、色々欠点を述べてきたが、継続空中戦が可能な低垂直消費と高出力のQBという二本柱をしっかりと確率しているお陰で、近中距離での一定の攻めには最適なMBだ。ENを節約しやすいのでEN武器との相性も非常に良い。流石にレイテルパラッシュみたいな武装は無茶振りだが、ハイレーザーを積んで近中距離で攻める、なんていう機体には最も向いたMBだ。

又、近中距離戦を視野に入れた中距離射撃戦機にも薦められる。ただ、さっきも言った通りレイチェルよりも水平推力が低いので引き主体の機体への適性は低い。ただ、こちらは多少重めの機体でもQBで無理矢理動かせるのが強みか。ただそれでも通常推力が全般に力不足なので、重量機などには流石にあまり向いていない。


03-AALIYAH/M


ここからはQB性能重視、つまり突撃性能重視の張り付き・ミサイル交差戦向けMB。こちらはアリーヤのMB。

先程アルギュロスを全点豪華主義ブースターとして紹介したが、もう一つの全点豪華主義がこのアリーヤである。このブースターはアルギュロス以上に全点豪華主義を先鋭化させており、水平推力NO2、垂直推力NO2、QB総推力NO4というあらゆる面で高出力を誇るブースターだ。

しかし、QB総推力が四番目とは言うが、実はNO3はラトナ。一覧表で見てみると、NO2のライールとNO1のヴァーチュに結構水をあけられている。なので、全点豪華主義とは言ってもQBは「そこそこ」か、まぁアルギュロスよりは高いけど、と、そう思うかもしれん。

しかしさもありなん、このブースター、水平推力がアルギュロス以上に高い。なので、通常ブーストで加速した状態からQBを吹かせばかなり速度が出る。QB総推力自体はラトナに次ぐ程度でも、充分張り付き戦術が出来るぐらいの速度が出るのだ。アルギュロスもアリーヤと同等の水平推力はあるのだが、いかんせんQB総推力がフルチューンでも4000台超えないから、前進性能はそこまでないのだ。QBに関しては死ぬほど燃費悪いし。

しかし、アルギュロスで述べた通り全点豪華主義には何処か無理が出るのが常だ。アリーヤは重量が軽い分、燃費にモロに響いた。4時代は、ただでさえアリーヤ本体の消費ENが高いと言うのに、このブースターが(まぁサイドもバックもだが)ENをバカスカ食いまくるせいでベルリオーズ含め多数のレイレナード所属リンクスが憤死した。消費ENの高い外装+ENバカ食いブースター+大した性能じゃないジェネレータ、という組み合わせだったので、本来なら高機動機体なのにすぐガス欠になって低機動機体というノリになってしまったのだ。

fAのver1.4でも、MBアリーヤのENバカ食いは変わっていない。ラトナで述べた通り、QB総消費は意外と省エネなのだが水平消費と垂直消費がお馬鹿で、ここまで来るとQBを使わず地上で通常ブースト移動してても明らかにEN回復が遅い。その上ちょっとでも飛ぼうものならゴリゴリENが削れて行く。水平消費が一万越えで、垂直消費も一万超えてるからな。トーラスのブースター作ってるのがレイレナードの盟友アクアビットの連中である事を考えると色々感慨深いものがある。

まぁそれは置いておいて、張り付き・交差戦に使うブースターの特徴はQB性能≒突撃性能が異様に高い代わりに燃費が酷いという事である。三種の特徴をそれぞれ挙げると

アリーヤ
・水平推力、垂直推力共に高い
・水平消費、垂直消費共にお馬鹿
・QB総推力は控えめでこのランクでは低燃費

ヴァーチュ
・水平推力、垂直推力共に残念
・水平消費も垂直消費もお馬鹿とかそういう次元を超越
・QB総推力が頭おかしいレベル
・但しQB総消費も頭おかしいレベル

ライール
・水平推力が完全に死亡
・軽い機体を浮かせるだけの垂直推力はある
・水平消費、垂直消費共にこのクラスとしては抑えられている
・その分QB性能がほぼ完全にヴァーチュの劣化

まぁこんなとこである。要するに、突撃MBとしてのアリーヤの価値は通常ブーストの速さ(縦にも横にも)に求められる訳であり、ここを生かせないのなら他二種を使うべきだ。逆に言えば、この通常ブースト速度を存分に生かせる機体なら積極的に採用していきたい。このブースターを使うなら、サイドブースターも水平推力が高いのにして、通常ブースト速度を更に高めておこう。

又、突撃MBとしては非常に高い垂直推力にも注目したい。これは、飛びたいと思った時に急上昇できるという事である。例えばだな…そう、グレネードという武器がある。これは着弾するとそこで爆発して爆風を起こす。これを利用し、空中から地上にいる敵目掛けて撃ち込むのがグレネードの基本戦法だ。そうすれば高い確率で当たるし、逆に言えばそうでもしないと当たらない武器なのだな。

しかし、ヴァーチュはまるで空を飛べない。ライールは垂直消費が割とマシだが、マシというだけであって良い訳ではない。むしろ、全MB中最低の垂直消費を持つラトナでも攻めている時飛びっぱなしというのは無理だ。常時飛び続けるというのは、常時攻め続けるというのと同じぐらいENを食う行動である。しかし、こちらがグレネードを持っていると判ると、相手はなかなか着地しなくなる。

たまーに着地するが、すぐに飛び立ってしまうから、そのたまの着地を狙ってグレネードを叩き込まなければならない。その為には、「たまーに着地した時」「こっちが空にいる」必要がある。そんなもん常時空を飛んでないと無理に思える。

しかしだ、アリーヤぐらいの強力な垂直推力があれば、普段は地上で戦って「あ、そろそろあいつ着地するな」と思ったら空を飛んで、頭上からグレネードを叩き込む…というのができるのだ。これがヴァーチュなんかだと、推力が足りなくてそんな芸当はとても無理である。ライールでもちょっと厳しい。

斯様に、アリーヤは通常推力に優れている為、瞬間的にトップアタックへ移行できるというのが強みなのだ。無論、瞬間的なもので終わらせないとEN消費がおぞましい事になってすぐガス欠になるが、それを補ってあまりある利点である。常時三次元機動を行って敵を霍乱するのではなく、必要な時に瞬時にそれを行える、それがアリーヤの性格なのだ。

優れた通常ブーストと、突撃MBとしては低燃費なQB。これがアリーヤの特徴である。地上戦を主体にし、瞬間的な三次元機動で敵を攻撃するスタイルに合致するブースターだ。又、強力な水平推力を生かし、四脚の様な高速通常ブーストで動き回る機体などにも合う。重量機に積むと悪い燃費が露呈しやすいのでやめておいた方が無難だが。


S04-VIRTUE


かつてのレイレナードのオリジナル、No3の"鴉殺し"アンジェ専用ブースタ。このブースターはアリーヤとは真逆で、ひたすらQB性能だけを重視して作られている。お陰でQB総推力はNO2のライールに1000前後の大差をつけるほどの鬼の性能を誇る。無論、その分QB総消費は膨大で、何も考えず使っているとすぐガス欠になる。

しかし、ここでQB性能だけを重視した弊害が襲ってくる。水平推力がレイチェルと同等程度しかないのだ。軽い機体を最低限動かす程度しかないと言われるレイチェルと同等という事は、即ち通常ブーストによる回避機動がほぼ期待できないという事である。ヴァーチュはレイチェルと違って(張り付き機としては)多少重めの機体にも積めるので、その場合余計に通常ブーストが遅くなる。

結果として、QBをガンガン吹かして敵の死角に回り込む必要が出てくる。しかしQBをガンガン吹かすと即ENがスッカラカンになる…と、大変扱いが難しいのである。しかも水平消費がアリーヤ以上にヤバいので地上ブーストしてるだけでもEN回復がかなり遅い。空中戦なんてもっての外としか言いようがない。

何せ、垂直推力ワースト3なのに垂直消費NO1である。飛べる道理がない。MBの水平消費+垂直消費という単純計算だけでも四万を超えるのに、実戦ではサイドブースタの消費とかQBの消費とかも関わってくるから、このブースタを使う場合、飛ぶ事は基本的に頭の中から排除した方がいい。ソブレロジェネを積んで全身をほぼラトナで構成した実弾武器のみの機体、とかじゃないと厳しい。

そんな欠点だらけのヴァーチュだが、鬼のQB総推力による突撃性能は素晴らしいの一言。企業は違うが危険な作戦パーツだが、見返りは充分に大きいぞとでも言いたくなるブースターである。何せ、MB中最高のクイック推力を誇るのに噴射時間も最長。総推力は、QB総推力NO2のライールに1000前後の大差をつけるほどである。お陰で、前→横→前と連続でQBするより、前→QBリロード終わるの待つ→前、とやった方が速度が出てしまうほどである。

その突撃性能を生かし、一瞬で敵の懐に潜り込み、更に敵の死角へ入り込むのがこのヴァーチュを装備する機体の基本戦法である。前進速度は間違いなく一番なので、迅速に死角に入る事ができる。後は、敵がこちらを再捕捉しない様霍乱機動で張り付きながらマシンガン等の高火力武装を叩き付け続けるのみだ。

但し、さっきも言った通りQB総消費も通常ブースト消費もどぎついのがこのブースタ。QBの使いどころを絞らないとすぐガス欠。又、QBがあまりに速すぎて機体に振り回され、張り付くも何もなくなってしまう事が多いのも欠点だろう。玄人向けと言える。まぁ張り付き戦術自体が玄人向けだからしょうがないと言えばしょうがないんだが。

尚、このブースターの最大の弱点は垂直関連なので、こっちが突撃した時相手が空中に逃げると少々困った事になる。そういう時は、下へ潜り込んでそこから小突き回してみるといいだろう。

後、これをつけると物凄い速度が出る。そういうブースターだから当たり前である。しかし、前も言ったが過剰な速度特化機はラグいので注意。例えばこれ+ブレードでブレードを振ると、たとえ追加ブースターをつけていなくてもラグがおぞましい事になるし、ソブレロ脚の機体にヴァーチュを積んだだけでも割と頻繁にワープする機体が出来上がる。ワープ機体は対戦相手を一方的に不利にしてイラつかせるだけなので、高速機を組む場合はそこら辺を自覚して、注意しながら構築しよう。


CB-LAHIRE


ライールのMB。オーメルの新型の例に漏れず、これも旧レイレナード製品に影響して作られている。と言うか、オーメルのネクスト開発部は旧レイレナード技術者に乗っ取られてるんじゃなかろうか。かつてのオーメルの標準機、ユディトの面影が殆ど見られない。とは言え、一応ユディトの面影もある。このパーツは、ヴァーチュを元にユディトの技術を応用したもの、つまり縦に強くなったヴァーチュである。

とは言え、縦に強くなったとは言ってもそこまで強い訳ではない。垂直推力はアリーヤと比べて2000以上低いし、垂直消費も張り付き用ブースタの中では最もマシとは言え僅かだがアルギュロスより高い。QB総推力もヴァーチュに比べると1000以上低くなっている癖に、総消費は111しか下がっておらずボロ負けである。水平推力はヴァーチュから更に下がり、未チューン11000台に突入。こうしてみると、産廃の様にも思えてしまう。

しかし、だ。未チューン8000台の垂直推力でも張り付き機≒軽量機を浮かせるには充分な推力であり、それだけの推力を持ちながらアルギュロス程度の垂直消費に押さえ込み、尚且つ燃費は死んでいてもアリーヤ以上の出力を持つQBを装備している…こう考えれば、ライールの使い方というのも自然と見えてくる筈である。

いかにアリーヤ以上の推力があると言ってもヴァーチュに比べれば燃費は鬼の様に悪いので、やはり優れた垂直関連の性能を生かし三次元機動で敵を霍乱するという攻め方に向いている、と言うかそういう戦法に最も合致するブースターと言えるだろう。又、一覧表とパーツ説明文を見比べると誰の噴射時間が長いって? となりがちだが、一応長い方ではあるし出力もあるので、空中で吹かせば慣性が働いて水平推力の低さをある程度補うという効果も生む。

そういう意味では、サイドブースターも推力が高くて噴射時間の長いホロフェルネスとかが合ってそうだが、そこまでやるとENが足りなくなったり接近が難しくなったりするのでその辺は機体及び自分の腕と相談である。

ともあれ、三次元機動で敵を撹乱し、戦うブースターである事に変わりはない。その戦術を生かせないのであればヴァーチュかアリーヤを使うべきである。逆に生かせるなら積極的に使い、上下に激しく動いて敵を惑わそう。又、空に逃げる敵に対して、突撃型ブースタの中では一番耐性の強いブースタでもある。まぁ普通に相手に付き合うとすぐ息切れするがな。



★MB総評

GAN-01-SS-M.CG
・通常ブースト最重視、QB死亡ブースタ
・いくら低燃費とは言え、このQB性能では突撃性能は皆無
・よって前進性能(突撃性能)は絶望的
・しかし通常ブーストは最優秀
・狙撃機、重量機など、前進を重視せず引きを主戦術にする機体に
・AP負けした時、OBが死んでるとどうしようもなくなる。高出力OB必須

GAN01-NSS-M.CG
・クーガーの新型MB
・コジマ系ロケットエンジンの遅れを取り戻したところでこの程度であった
・重量と消費ENを減らした代わりに性能が下がったSS-M.CG
・通常ブースト性能が全般的に悪化
・一方QBは、30ちょい総推力が増えて、総消費EN408増加
・つまりQBもどっしょーもない。取り戻した遅れは何処に生かされたのか
・ブースターとしてSS-M.CGに勝る部分は皆無と言っていい
・無理してでもSS-M.CG積むべきだろう。よくこんなの新型で出したなクーガー
・これでも初期verではアリーヤを食いかねない性能だったんだが

GAN01-SS-ML.CG
・↑より前に開発された、SS-M.CGの軽量化バージョン
・水平消費、垂直消費共に改善されたが、それに見合わないほど出力が落ちてる
・QB性能に至っては完全劣化
・重量は352、SS-M.CGとは198差
・この垂直推力でも飛ぶ事は充分可能。SS-M.CGと比べると軽さと滞空性能だけが利点か
・滞空性能に意義を見出せないなら、無理してでもSS-M.CGを積んだ方がいい
・どうでもいいがNSS-M.CGを微妙に食ってる気がする

ARGYROS/M
・全点豪華主義ブースタ
・通常ブースト重視だがQB性能もそこそこある、というタイプ
・QBの推力が割とあり、AP負けした時OBないと詰む、となりにくい
・QB総推力はあくまで「そこそこ」。積極的に突撃する性能ではない
・ちなみにQBの燃費はめっちゃ悪い。そういう意味でも突撃に使うMBではない
・それでも通常ブースト推力とQB推力を両立してるのは魅力的
・通常とクイック両立の代償はそこらの突撃銃より重い重量と燃費
・水平消費こそ普通だが、垂直消費は結構高め。QBは超のつく悪燃費

DUSKAROR-CORB
・アルギュロスを軽くして性能を下げたブースタ
・重量差490はかなり嬉しい…が、その分性能はかなり劣化
・QB性能はほぼ変わらず。総推力が30前後増えて総消費45増
・水平推力も重量を考えればそこまで劣化していない。消費も同等
・問題は垂直関連。垂直推力が全MB中最低にまで落ち込む
・しかも垂直消費はむしろ増加。くっ、駄目だ、飛べん
・高めの水平推力を生かして地上戦における通常ブーストを加速させ、
 ついでにそこそこのQB性能によりAP負けした時の突撃もある程度こなせる。
 通常推力重視のMBで、かつ軽めでQB性能が死んでない。
 こう書くと使いどころがありそうな気がする
・でもそれだったら、瞬間的にだったら浮けるアリーヤでよくね?
・殆どの場合、軽めで高水平推力でQB性能のあるMBを求めるならアリーヤのがいい
・アリーヤに勝ってると言えるのは水平消費ぐらいか。どうしてこうなった

CB-JUDITH
・垂直性能特化ブースタ
・最高の垂直推力と非常に低い垂直消費。
 三次元機動による逃げ(引き)、霍乱が可能
・最低限のQB総推力と最低の総消費を併せ持つQBを装備
・突撃は無理だが、燃費のいいQBでジワジワ追っかける事が可能
・水平関連の性能は最低クラス
 この為通常ブーストが遅くなり要所でQBしないと的になりやすい
・基本的に中距離射撃戦機、狙撃機、重量機といった引き重視機向けだが、
 三次元機動と低燃費QBを生かせないならやめておいた方がいい

EKHAZAR-CORB
・本日の「何に使うんだコレ」
・垂直性能はユディトに完全敗北だが、それでも高性能
・QB性能も完全敗北
・しかもQB総推力下がった上総消費が激増、低燃費とは言えなくなってる
・唯一の救いはユディトに比べて1000増えた水平推力
・しかしそれでも引き機に使うには遅すぎるのであった
・これを使うぐらいなら、垂直関係に特化したユディトか
 水平関係に強くなったユディトことレイチェルでいい
・さて、何に使ったものか

CB-RACHEL
・横に強くなったユディト。それがレイチェル
・最低限の水平推力、垂直推力、QB総推力を持つ
・軽い機体に組み込めば、継続した機動戦は可能
・高速機動戦には息切れという問題がついて回るが継続機動戦にはそれが無い
・重い機体に積んでも的になるだけ。軽い機体で、速くなくとも軽快な機動を
・QBはユディトに比べて燃費が悪化しているが、使用感に変化はない
・突撃機体に積むなら高出力OBを

CB-HOGIRE
・本日の「何に使うんだコレ」第二弾
・レイチェルを高出力にしたパーツ。…の筈だったんだが…
・QB総推力を350前後増やした代償が総消費1869増加
・どういうこっちゃねん
・通常ブースト関連は推力、消費共に特筆するほどの変化なし
・つまりレイチェルに全てを奪われたブースター
・「お前は…俺の……!!」

MB11-LATONA
・水平消費、垂直消費共に最低レベル。省エネブースター
・水平推力が低レベルなので引き機には向かない
・垂直推力も高くはない。上下に激しく動いて霍乱するのは無理
・とは言え垂直消費が最低なので、プカプカ滞空できる。持続的空中戦が可能
・アリーヤより高出力(燃費は悪いが)なQBを生かし一定の攻めが可能
・張り付きとかには力不足。近中距離戦を挑むのに向いている
・近中距離戦を視野に入れた中距離射撃戦機体にも
・ENを節約しやすいので、レーザーとの相性もいい

MB107-POLARIS
・本日の「何に使うんだコレ」第三弾は旧メリエスの名作(笑)ポラリスです!
・結論から言うと、これ自体の性能はそこまで悪くない
・しかしラトナとの重量差に見合う性能ではない
・ラトナより燃費が良くなったのはいいが推力下がってるってどういう…
・「ラトナ! 貴様さえいなければぁーっ!!」

03-AALIYAH/M
・最高レベルの通常ブーストと高出力良燃費のQBを併せ持つ全点豪華主義ブースタ
・但し通常ブーストのEN消費が最高レベル
・通常ブースト中のEN回復速度はかなり落ちる
・通常ブーストを生かした立ち回りを行い、瞬間的なトップアタックを行う機体に
・QBの燃費が意外といいので、ここぞという時の無理も効く

S04-VIRTUE
・最高のQB総推力と最悪のQB総消費、水平消費、垂直消費を併せ持つ特化型
・QBによる突撃性能が物凄く、QB連弾より前QB連打のが速度が出るほど
・その突撃性能を生かし、一瞬で懐に潜り込みそのまま死角に入って張り付くのが基本
・水平推力が高くないので、QBを使わないと被弾率が上がる
 しかしそのQBは異様にENを食う。死角に入るのが必須な理由である
・垂直関連はどうっしょーもない性能。推力はワースト3だわ消費は最高だわ…
・なので地上戦主体で。相手が飛んだら下に入り込んで小突き回そう
・ちなみに、4に登場したNo3アンジェの専用ブースタ
・他にも彼女を倒すとMOONLIGHT、FLICKER、BLUEXSと様々なパーツが手に入った
・お前はロックマンのボスか
・fAでは他のパーツと共に真改が受け継いで使用している

CB-LAHIRE
・軽量な機体なら充分浮かせられるだけの垂直推力
・加えてアルギュロス程度に抑えられた垂直消費を持つ
・推力は決して高いとは言えないし消費も決して少ないとは言えないが、
 アリーヤ以上のQB総推力を持つ事を考えれば致し方ない数字
・上下に激しく動く三次元機動で敵を撹乱し張り付く為のMB
・QBは燃費が滅茶苦茶悪く、ヴァーチュに完敗かつ大敗
・ただ前に突撃するだけならヴァーチュでいい。
 継続的な三次元機動(≠継続的な滞空)こそこのMBの真髄
・この為、できるだけ軽い張り付き機に積むのが望ましい
・水平推力は最低クラス。通常ブースト性能は期待してはいけない

フン族と西ローマ帝国の滅亡 2:ゲルマン人と末期ローマ帝国

2011年07月26日 17時14分19秒 | 社会、歴史
ごきげんよう諸君、いかがお過ごしかな。最近ACfAで「おっ、ランカー様だ」(上位30位以内の人)とか「おっ、Aランクの人だ」(まぁ要するに上手い人)とか思って対戦すると、大抵テンプレ強機体なので萎え気味の霧島である。言っても判らん人には判らんだろうが判る人もいるだろうから言うと、ライール脚にモタコブR102両背ミサイルBFF分裂連動とか。

テンプレから離れようという気概はないのかと問わざるを得ない。そんな機体使い込めば私だってAランク中位には食い込めるっつーの。絶対嫌だからしないけど。

前にも言ったかもしれんが、私はトキは嫌いだし青リロエディ嫌いだしアイスエイジも大っ嫌いである。要するに「これ使えば勝てるよね」っていうのを使う事自体が嫌いなのである。勝ちにいく事自体は構わないというかそうすべきだし、その過程で強キャラを使うのも構わんと思う。しかし強キャラ通り越してる奴使うのはどうかと思う。

北斗において、トキが今でも大っ嫌いなのはそのせいである。トキは、昔は強キャラ通りこして一択キャラであり、全国大会本選の九割がトキというぐらい強かった。しかし今は、NO2かNO3であり最強ではない。それでも嫌いなのは、トキがお手軽強キャラという意味では最強であり弱キャラと呼ばれる連中に対し絶望的に強いからである。変態レベルに極めた人にとっても、前者はともかく後者はそのまんまだしな。

まぁたまたまガチ機使ってただけかもしれんし、そうでない人もたまにいるんだけどな。WマーヴにW山鹿とかいう神機体使ってるランカーが前にいて思わずGOODACって言った記憶とかもある。

ま、この間「金輪際ミサイル使わない」って宣言したのに今ミサイル搭載機使ってる私が言うこっちゃないかもしれんがな。解説記事に載せる為の、今機体構築例ってのを色々模索していてな、どー考えてもこの機体はミサイルのが合ってる、って奴が無い訳ではないのだ。作例だから私の信条より機体の完成度が優先するし。で、ここんとこの対人戦は全部それの機体テストな訳である。


と、長々と語ってしまったが、本題はフンのお話である。フンについて語ろうとすると、どうしてもそれと対戦したローマの話もせねばならず、こうなるとフンだけの記事じゃないなぁという事で題名を変えた。


さて、一大決戦でフンは敗れてしまった。これに限らず、アッティラすら決戦で敗れた事はある。

と言うのも、当時ローマ帝国の重装歩兵偏重主義が崩れつつあった。と言うのも、378年にハドリアノポリスで西ゴートに大負けしたのである。大負けも大負け、正直言って以前紹介したクレーシー(クレシー)以上の大敗だ。

ローマ帝国軍正規歩兵がボロボロにやられた戦いと言えば、ハンニバルによるトレビアの戦い、トランシメヌスの戦い、カンナエの戦いといった奴が思い浮かぶ。中でもカンナエの戦いは、投入兵力七万で死傷者六万と言われ、当時300人程度だった元老院の内80人が戦死するという大惨事であった。故に、カンナエの会戦、とかカンナエの戦い、ではなく「カンナエの殲滅戦」とすら呼ばれている。

このハドリアノポリスの戦いは、ローマ側の被害の数字だけ見ればカンナエに遠く及ばない。だが見方によってはカンナエ以上の屈辱的な敗北であった。何故なら、ハンニバルの所属するカルタゴは曲がりなりにもローマと覇権を争った暦とした都市国家。一方西ゴートはローマにとっては蛮族以外の何者でもないのだ。

その蛮族相手に、何と、皇帝が敗死したのである。ハドリアヌスの戦いは、ローマ帝国皇帝親征による決戦だったのだ。それで大敗を喫した上、皇帝も又戦死した(逃げ込んだ小屋に火を放たれたらしい)のである。しかもこの敗戦以降、ローマ式重装歩兵、即ちレギオンは二度と再建されなかった。

そして何より、この戦いは、ローマ帝国の戦争で重装歩兵が騎兵に正面切って負けた初めての戦いであった。


それまでローマが体験してきた戦争で、騎兵戦力が劣っていたが故に負けた戦いというのは確かにあった。ハンニバルとの戦争がそうである。しかしそれでも、ハンニバル戦争ではあくまで決戦兵力は重装歩兵という認識が貫かれた。どうみてもこれ騎兵のせいで負けましたよね、という戦いでも、重装歩兵あっての勝利と考えられた。

例えばハンニバル戦争最終戦、ハンニバルの命運が尽きたザマの会戦。まぁ色々途中経過をはしょると、ローマとカルタゴ(ハンニバル)の重装歩兵ががっぷり四つで組み合ってるところに背後からローマの騎兵(ローマ正規騎兵とヌミディア傭兵)が襲ってきてハンニバルが負けた。

言ってみれば、これは騎兵によるローマの勝利である。しかし、考え方としては重装歩兵同士の戦いでカルタゴがローマを圧倒していればハンニバルの勝ちだったというもので、騎兵が決戦兵力であるとは誰も考えなかったのである。しかし今回は違った。重装歩兵が主力の座から滑り落ち、代わって騎兵が台頭してくる事が誰の目にも明らかであった。

これには理由がないではない。元々、当時のローマ帝国では騎兵が増える傾向にあった。と言うのも、既に正面決戦でも重装歩兵の優位性は崩れつつあったのである。帝国の長い間の繁栄で重装歩兵の練度が下がってきていたのもあるが、それが決定的なのではない。問題は、蛮族蛮族と呼ばれていた連中が蛮族でも何でもなくなってきた事だ。

かつて、異民族、蛮族といわれる連中はロクに鎧もつけず、槍一筋、剣一振で挑んできた。まぁケルト人とかまさにそうだな。以前説明した通り、彼らは上半身にペイントを施す事で傷つかなくなるという信仰を持っていた。そういうのが相手であれば、ローマ重装歩兵は圧倒的に有利だ。何せ、胸から腹までを防御する金属製の重鎧に脛当て、更に大型の円盾と槍で武装してるんだから。

しかしこの時期、ローマ帝国に侵入してきたゲルマン人達はこういう連中とは一味違った。ちゃんとした鉄製の防具で身を固め、長剣のみならず戦斧で武装していた。有名なのがフランク族の投げ斧、フランシスカである。フンカスロウが装備してる奴だ。ロマサガとかでもお馴染みだな。

射程は10mほどで命中率も良くなかったが、斧がぐるぐる回転しながら飛んでくるのは相当な威嚇効果があり、又、盾で防御すると盾が使い物にならなくなる為、盾と槍の組み合わせが重要なローマ重装歩兵にとっては脅威だった。他にも、長柄に斧をつけたポールアックス的なものもあり、遠心力を利用して力任せに振り回せば、いかに重装備で身を固めたローマ歩兵でも一撃でもっていかれかねない

その上、ゲルマン人は騎兵も強かった。元々ゲルマン人は騎兵民族でも何でもなかったのだが、ゲルマニアには馬の産地があった。特にウクライナは、古くはスキタイ人騎兵、新しくはコサック騎兵を生み出してきた欧州騎兵の聖地の一つである。そういった馬の産地で育ったゲルマン人達によって編成された騎兵は、元々弱体だったローマ正規騎兵とは比べ物にならない強大な戦力であった。

又、正面決戦だけでなく戦略的な観点から見ても、重装歩兵は弱点を晒していた。連中は戦場でも遅いが、戦略機動、要するに本拠地から戦場への移動とかも遅いのである。この為、各所で侵入してくるゲルマン人を捕捉する事が出来なかった。こうなると、強力な重装歩兵も無用の長物である。軽快な騎兵部隊が必要だ。

そんな訳で、ローマ式重装歩兵の優位性の低下、騎兵の価値の上昇により、騎兵部隊の増強が行われているところだった。ここに来ての、ハドリアノポリスの大敗である。ローマがギリシャに代わって地中海の覇権を握った時から五百年以上に渡り必勝のドクトリンだった重装歩兵戦術が崩れ去ったのである。


379年、新たに東ローマ皇帝に就任したテオドシウス一世は軍事改革に乗り出した。そう、フン族が初めてローマ帝国を襲った年に死んだあの皇帝である。可哀想な紹介の仕方だが、基本的には彼が作り上げた軍隊がフン族を東ローマ帝国から撃退したのであり、その功績は賞賛されてしかるべきである。

彼は騎兵隊増強の路線を継続した。但しそれまでと違ったのはゲルマン人をローマ帝国軍に編入したというところである。ゲルマン人傭兵を雇ったというよりは、フランスの外人部隊みたいに、正規の部隊に外人を入れた、という感じだ。

そう、フンの脅威からローマ帝国を救ったのはゲルマン人なのである。無論ローマ人正規部隊も勇敢に戦ったが、ハドリアノポリスの敗戦以降新規の部隊を編成したりはしていないらしく、ゲルマン人兵士の力がなければ到底フン族の撃退など叶わぬ夢であったろう。ゲルマン人はローマを滅ぼしたが、ゲルマン人はローマを救ったのである。

これには、「これからは騎兵の時代だ!」という意識と「ローマ人を戦力として期待するするのはもう無理だ」という考えがあった。前者は判るな。ローマ式重装歩兵の優位性の低下、騎兵の価値の上昇、そして決定的なハドリアノポリスの敗戦。これを戦訓とし、騎兵を主力とする考えが生まれそのまま中世の騎士の時代へと繋がっていくのである。

私が以前に解説してるからこそ、諸君は「重騎兵の突撃でも堅固な重装歩兵の陣列は崩せない」と知っているが、それは当時常識ではなかった。むしろ、それこそタギネーの戦いで敗れた重騎兵大好き民族東ゴート王国の連中からしてみれば、いかな歩兵の陣列でも重騎兵の突撃で崩す事が出来るという考えこそが常識であった。

この常識が信じられた期間というのは、歴史上かなり長い。この時期から中世にかけての西欧ではこれが常識だったしな。中世の終わりにスイス傭兵隊が密集槍方陣を考え出して衰退する。つうかその後騎兵突撃自体が衰退する。しかしポーランドやスウェーデンの影響によって復活した重騎兵は、しばしば槍衾(と言うか銃剣衾)を展開する歩兵の陣列に、正面から無謀な突撃を何度も敢行している。七年戦争のミンデンの戦いでは、西欧最強の騎兵、フランス近衛騎兵がイギリス戦列歩兵に正面突撃してお亡くなりになられている。

まぁそんな訳で、当時は「騎兵こそ最強!」というのは最先端の軍事常識だった訳である。一時期あった、戦闘機の「ミサイル万能、機関銃イラネ」みたいなもんだと思えば良い。

一方、「ローマ人を戦力として期待するのはもう無理」というのは説明しなければならん。ローマがまだ帝国でも何でもなかった都市国家の頃は、ローマの重装歩兵はローマ市民(と言うか中産階級、大抵は自作農)であった。と言うのも、ローマの軍隊は徴兵制でだったのだが、徴集の際には制限(所得いくついくつ以上、みたいなの)があって、中産階級でない場合は兵役が免除されていたのだ。

金持ち(っていうほどでもないが)だけが徴兵されるのも変な話と思うかもしれんが、さもありなん。当時のローマは兵役をこなした者のみ市民権が与えられるという制度だったのである。しかもこの市民権は本人だけしかもらえず、子供が受け継ぐ事はできない。だからみんな必死に戦ったのだ。

ところが、ハンニバル戦争などを戦う頃になると外征に次ぐ外征で戦争、戦争、また戦争。んでしかも、ローマ軍団兵は大多数が農民。故郷には帰れず農地は荒れ放題。一応出征中は給料が払われるのだが、純粋な日本人への生活保護ぐらいしか出ない(朝鮮人への生活保護みたいには出ない)ので、没落してしまう自作農が続出した。

そこで、ユリウス・カエサルの義理の父親ガイウス・マリウスが改革に着手。志願制に変更した。結果、貧乏人が給料目当てに流入、一方中産階級は農耕に専念できるというので喜んだ。が、兵役をこなしたからと言って無産階級が市民権を得られる訳ではなかった。市民権は、一種の特権となったのである。これでは、以前と比べて戦意も練度も下がって当然だ。

その後、アウグストゥスが非市民に「ローマの兵隊になれば市民権あげますよ~」という制度を制定+宣伝。お陰で再び強力な軍隊が出来上がった。出来上がったが、この市民権、以前と違って世襲、つまり一回兵役をやれば孫子の代は兵隊にならなくても市民になれるというものだった。結果、元の木阿弥になる。

この頃というのは元の木阿弥になった後である。まぁ何が言いたいかは判ってもらえるだろう。

更に、ローマの人間は馬に慣れ親しんでいない。これは、これから騎兵を主力として軍隊を再建しようという時に重大な問題であった。長い時間をかけて訓練すれば、馬に乗った事もない様な人間でも立派な騎兵として育てられる。しかしこれは相当の苦労が必要である。一年中武芸の稽古だけやってりゃいいとまでは言わんが、終生そういうのが仕事の江戸時代の武士ですら、鎌槍で騎馬戦訓練やってたら馬の目を潰してしまったなんて事があったぐらいである。

新帝テオドシウス一世に、ローマ人に時間をかけて騎兵技術を仕込んでいく、なんて悠長な事をやってる時間的余裕は全くなかった。ゲルマン民族の脅威は、現在進行形のものとして目の前に迫っていたのである。


故に、テオドシウス一世は最初っから騎兵として優秀な連中を採用するという手っ取り早い手段に出た。即ち、ゲルマン民族の雇用である。意外に思うかもしれんが、ゲルマンとて戦争したくてローマ帝国に来たのではない。前回話したとおり、ゲルマン民族大移動の発端は、彼らの故郷ゲルマニア(現ドイツ、ポーランド、ウクライナあたり)までやってきたフン族からの避難であり、言ってみれば彼らは難民なのである。

ハドリアノポリスの戦いにしたって、西ゴート族がローマ帝国を切り取ろうと侵略してきた、なんて戦争ではない。フンによって東ゴート難民が西へ移動させられ、西ゴート族は玉突き事故の理論でローマ帝国の領土まで移動しないと話にならない状況に追い込まれた。そこで西ゴート族が、

1:ローマ帝国内への移住
2:代償として一部の男子をローマ帝国兵にする

という事を提案したのである。例の戦死した皇帝ウァレンスはこれに同意。過疎地に送れば農業生産力が上がるし、先述した通り当時のローマ帝国軍は弱体化が著しかったからな。しかし、いざ移住となって問題が発生した。当初10万人が移住すると申告されていたのだが、他の部族が便乗してきたので30万人移住してきたのである。

しかも悪い事に、移住してから最低一年は経たないと自分達で食べ物を作れない。当たり前だな、米の二期作でもしない限り作物を植えてから育つのに一年はかかる。なので、その一年間はローマ帝国がこの30万人を食わせなければならなかったのだがどうみても物資が足りる訳がありません本当に(ryとなって、結果西ゴート+αの皆さんが暴徒化。総勢30万人が、しかも戦争できる武装を持ったまま暴徒化したのである。

で、皇帝親征になった訳だ。この展開から判るとおり、ゲルマン民族は戦争したくて来た訳ではないし侵略者でもなんでもないので、住むところと食べるものを確保できればOKなのである。勿論そうでないゲルマン民族もいたし、ウァレンスと西ゴートの様に提携が結ばれなかった場合は、これはもう略奪したり攻撃して占領し、そのまま居座ったりするしかないがな。

ゲルマンは、基本的に元が農耕民族である。肥料を使わず、三圃制もなし、ついでに言えば欧州ってのは基本的に土地が痩せてると農耕民族としては結構アレなのだが、それでも農耕が基本であった。故に農耕できるなら定住さえできれば良い。そんな訳で、ローマ帝国は、ゲルマン人を臨時のパートタイマーではなく正社員としてゲルマン人を軍隊へ迎え入れたのである。

この成果はすぐに現れた。後に大帝とも称されるテオドシウス一世は、当初ローマ帝国の東を治めていた。この当時、まだローマ帝国は、「東ローマ帝国」「西ローマ帝国」という形では分裂していない。しかし事実上分裂していた。デカすぎるから。テオドシウス一世の前任者、つまりハドリアノポリスで戦死したウァレンスは東側担当の皇帝で、ウァレンスが崩御した頃、西側はグラティアヌス帝が担当していた。

そのグラティアヌスが、テオドシウス一世を次期東側担当皇帝に指名したのだな。この東側担当、西側担当というのは上下関係はなく、どちらも皇帝である。担当地域が違うだけの共同統治者だ。その共同統治者グラティアヌスの皇位を、マグヌス・マクシムスなる者が簒奪。彼は息子を皇帝につけ、西ローマ帝国の正規軍団をもってイタリアに侵攻する。

皇帝就任までは黙認していたテオドシウス一世も、流石にこれは看過できず、出陣。西ローマ帝国はまだローマ式重装歩兵軍団だったので、西の簒奪者のローマ式重装歩兵vs東の正統後継者のゲルマン人騎兵隊という大変熱いカードとなった。まぁ西は西でちゃんと騎兵隊も持っていたし、東も東でちゃんと歩兵隊を持っていたが、それぞれ主力は重装歩兵と騎兵であった。

結果は、大帝テオドシウス一世の圧勝。ハドリアノポリスで崩壊していたローマ伝統の必勝戦術は、ローマ帝国の名の下に完全に粉砕された。これ以降、西ローマ帝国(本当はテオドシウスが死んでから正式に分裂するが、もう事実上分裂してるしめんどくさいのでこう書く)も、軍事力はゲルマン人に頼る様になる。

しかし、これこそが西ローマ帝国の終わりの始まりであった。確かに、ゲルマン人を雇用する事により、東西ローマ帝国の軍事力は飛躍的に強化された。まぁ蛮族相手に苦戦してた訳で、その蛮族を戦力に使ったんだから当たり前だが。しかし、彼らゲルマン人はローマに同化しなかった

例えば軍隊なら、かつてのローマ市民は自分達の市民権の為に戦っていた。しかし、軍隊には忠誠ってもんが必要である。じゃあ彼らは誰に忠誠を誓っていたかと言えば、それはローマという国であった。彼らは、ローマという国の為に戦っていたのだ。愛国心って奴だな。しかしゲルマンはちょっと違う。

彼らが忠誠を誓というのは、国家に対してではない。各部族の首長に対してである。又、ローマというものに対する考え方も違う。高い文化文明を誇るローマに対し憧れとかもあったろうが、ローマ市民が生まれも育ちもローマで「俺が、俺たちがローマだ!」だったのに対し、ゲルマンは余所者である。

まぁ、アレだ。

このローマって国乗っ取れりゃ美味しいだろーなー程度のノリだった訳である。無論そこまで大胆な事を考えていた奴も少なかったろうが、「俺はローマ出身じゃないんだから、ローマの言葉も歴史も文化も勉強して、ローマ人よりローマ人らしい人間になろう」なんて殊勝な奴は、まぁいなかった訳じゃなかろうが大多数ではなかった。彼らの忠誠は、昔と変わらず自分達の部族の族長に向いておった。

そして西ローマ帝国は、そういうゲルマン人達に軍事力を完全に依存してしまった。その悪影響はすぐに現れた。先程、ローマ帝国の西部担当皇帝グラティアヌスが簒奪者マクシムスによって殺害されたと述べたが…あー…えーと、だな。実は、西側はグラティアヌスが生きていた頃から、弟ウァレンティアヌス二世も一緒に統治していた。つまり、テオドシウス一世就任直後で言えば

ローマ帝国全体:グラティアヌスとウァレンティアヌス二世、テオドシウス一世の三人が共同統治
ローマ帝国西側:グラティアヌスとウァレンティアヌス二世が担当
ローマ帝国東側:テオドシウス一世が担当

という状態だった訳である。んでグラティアヌスが死亡。簒奪者マクシムスをテオドシウス大帝が打倒した後、ウァレンティアヌス二世が単独で西側担当皇帝になった。が、彼の治世の後半からして、ゲルマン人の後見を受けてのものだった。

西ローマの軍隊はマクシムスの反乱時に壊滅的な打撃を受けた事もあって、東ローマと同様ゲルマン人主体の軍隊になった。しかし何も考えず取り込んだのがいけなかった。ここにA、B、C、Dという四つのゲルマン人部族がいたとして、こいつらが西ローマの軍隊の主力を構成しているとする。で、Aの兵力が一万五千、B、C、Dの兵力が五千。しかも、B、C、Dの部族の首長はAの首長を支持しているとする。

こういう場合、Aの首長こそ事実上の皇帝。最早西ローマ帝国は、そこまで来てしまっていたのだ。以前イェニチェリとオスマン・トルコの記事(前編後編)で述べた通り、軍隊を動かせる者こそ本当の実力者である。法律上は皇帝にその権力があるが、↑の様な状態だと、実質的な兵権はAの首長にある。つまり、皇帝が皇帝として振舞いたければAの首長の支持が不可欠なのだ。

これは、最早国として末期症状と言える。ウァレンティアヌス二世(例の、簒奪者マクシムス打倒後単独西側担当になった人)が急死した後、当時の西ローマ帝国で「A」にあたる男、フランク族出身のアルボガステスは傀儡皇帝を立て、事実上西ローマを支配した。これを簒奪であるとしてテオドシウス一世が征伐軍を発し、394年、アルボガステスと傀儡帝エウゲニスは敗死する。

そしてこの戦役後の帰還前の冬営中(当時の軍隊は、冬は動けない。彼の本拠はコンスタンティノープルで、戦いが行われたのは九月、場所はイタリアとスロヴェニアの国境あたり。なのでミラノで冬を越そうとしていた)、テオドシウス一世は崩御。それが395年1月。

フン族が東ローマに攻撃を仕掛けてきたのは、こういう状況でであった。

ARMORED CORE for ANSWER アセンブル解説記事 メインブースター編1

2011年07月25日 21時17分24秒 | アーマード・コア
ごきげんよう諸君、いかがお過ごしかな。ここんところ無理をしすぎて体調を崩している霧島である。無理したって何したのかと思うかもしれんが、特に何もしていない。した事と言えば、昼寝とかせずちゃんと一日中活動していた事、結構遅くまで起きていた事、この二つである。逆に言えば、脳障害者というのは一日中活動した上夜更かししただけで体調崩す存在だという事である。

前も言ったかもしれんが、医者からも「午前中活動したら、午後は二、三時間昼寝するなりして休憩してください」と言われてるぐらいである。正直、こんなんでよく大学卒業できたなと今になって思う。まぁ実際、例えば夏休みの間とかは良かったが、それが終わって授業が始まるとどんどん体の調子が悪くなり、期末とかの頃になるともう脳が焼き切れそうな間隔が走ってたからな。

ちなみに、体調が悪いと言っても風邪を引くとかそういうんではない。身体は元気なのだ。当たり前だな、私は身体そのものは健康なんだから。そうではなくて、意欲の減退、頭痛、眩暈、睡眠時間の異様な長期化といったものが発生する。そんな訳で、諸君の周りに脳障害者がいたら理解してやってほしい。彼らはものごとをやりたくないのではない。できないのだ。

そういう訳で私の事も理解してくれ。

さて、そんな訳で、私は本日死んだ様な状態で一日を過ごしておった。当然、日誌なんて書ける訳が無い。ACfA機体構築解説の方はまだ書き溜めがあったので、取り敢えずそっちを貼り付けて終わる。



●メインブースター


ここからはブースターである。基本的に機体構築においてはどの部位も重要だが、特にブースターは非常に重要だ。頭や胴体をちょっとぐらい間違えても機体自体が産業廃棄物になる事はそう無いが、ブースターはちょっと間違えただけでもこんな機体で何するんですかになりかねない。よくよく吟味して機体に乗せる必要がある。

まずはパラメータ…の前に。4系では、四種類のブースターがある。メインブースター(MB)、サイドブースター(SB)、バックブースター(BB)、オーバードブースター(OB)の四つである。メインは前進と上昇を、サイドは左右への移動を、バックは後進を、OBはそのまんまOBを司る。まずはMBから行こう。



↑がMB一覧表。クリックで拡大。是非ともこれを見て他のブースターと比較しながら読んでほしい。よりアセンブルへの洞察が深まる。また、初期配列はそのまんま初期配列だが、MB総評順というのは、MB編の最後に載せる予定の「MB総評」における紹介順である。性能的に関連のあるブースターをなるべく近付けている。

ではパラメータから。まず水平推力と水平消費からいこう。知っての通り、ネクスト用ブースタは、普通に吹かしてネクストを機動させる通常ブーストとコジマ粒子を使って一瞬だが爆発的に加速するクイックブースト(QB)という二種類の利用方法がある。水平推力はこの内前者、通常ブーストの推力であり、水平消費は通常ブーストによって消費されるENの量を表している。

まぁ要するに、水平推力が高いほど前進速度が速くなり、水平消費が高いほどENを大量に消費する、という訳である。一方、垂直推力と垂直消費は、空を飛ぶ時の性能だ。その名の通り垂直方向に上がる力とその消費ENである。

で、だ。さっきから前に進む時どうこうとか、水平推力が高ければ前進が速くなるとか言ったな。そう、メインブースタの性能は後進には反映されないのである。これはバックブースタも同じで、バックブースタの性能は前進には反映されない。一方、斜め前はどうか。このゲームは(つうか3D対戦だったらどんなゲームでもそうだろうけど)真っ直ぐ近づいたらそれこそいい的なので、前進するにしても斜めに進むのが基本である。

結論から言うとだな。

1:MBの水平推力が高ければ斜め前も速くなる。
2:但し、斜め前への移動速度はMBだけでは決まらない。

こういう感じだ。と言うのも、サイドブースタにも「水平推力」というメインブースタの水平推力にあたる数字があるのだが、両方の合計の平均が斜め移動に使える推力となる。なので、メインブースタの通常推力がいくら高くてもSBの通常推力が低いと、自然、通常ブーストによる前進機動は鈍いものとなる。なので、通常ブーストを重視するならサイドも重視しておかなければならない。

この水平推力が重要になるのは、特に重量機である。軽量機などは当然機体自体が軽いので、ぶっちゃけ水平推力が死んでても普通に動くのである。しかしながら重量機は滅茶苦茶重いので、通常ブーストが死んでると通常ブーストでロクな速度が出ない。結果、無駄なQBが多くなりENがなくなって的になり死ぬ訳である。なので、重量機では通常ブースト性能が無視できないのだ。

無論、軽量機、中量機でも無視すべき数値ではない。基本的には、中距離射撃戦機、狙撃機といった連中にとっても通常ブースト性能が重要になる。こいつらは、重量機と同じで「引き」が重要な戦術となり、かつ前進(突撃)性能があまり必要ないのだ。いわゆる「引き機」という奴だ。尤も、中距離射撃戦機は突撃性能を完全に無視すると逝けるが。

又、突撃機でも通常ブーストは速い方がいいのは当然だ。QBだって、通常ブーストで加速したところから吹かした方が速度は出るからな。尚、先程斜め前への速度がMBとSBの通常推力の平均と言ったが、あれはちょっと語弊がある。例えばMBの水平推力がSBの通常推力の二倍あったとして、真っ直ぐ前に進むのを90°、真右に進むのを180度とする。すると、120°に向かって進むの方が150°に向かうより速くなる。

どうも、斜めに進むにしてもその角度によって「MBを使う率」と「SBを使う率」が違い、それに合わせてそれぞれのブースターの吹かし具合が違うらしい。

ちなみに消費ENだが、真っ直ぐ進んでMBだけ吹かしている時はMBの水平消費ENが適用される。一方、斜め前に進んでいてMBもSBも両方吹かしている場合、(MBの水平消費+SBの通常消費)÷1.8ぶんのENが消費されているらしい。空を飛んでいる場合、更に垂直消費ENもプラスされる。空を飛ぶとやたらENが減り、地上でブーストしてるとENゲージが回復していくのはこのせいである。垂直消費部分がなくなるから、使うENが減るのだ。

次にクイック推力である。これはまぁQBの推力なのだが、これが高いからと言ってQBの推力が高いとは限らない。と言うのも、QBには噴射時間というパラメータもあり、これが関係してくるからである。まぁ要するに、このクイック推力というのはQBを一秒間吹かし続けたらどれだけの推力になるかという数字だ。しかしながら、実際のQBでは一秒も吹かさない。ではどれぐらいの間吹かすかというと、噴射時間/60秒である。

なので、実際にQBを吹かした時の総推力はQB推力×(噴射時間/60)で求められる。これがQB総推力だ。QB消費ENも似た様なもので、こちらは一秒間QBを吹かし続けた場合に消費されるENを表している。なので、さっきの計算式のQB推力をQB消費に挿げ替えれば、QB一回につき消費されるENも求める事ができる。それがQB総消費ENだ。

最後に、QBリロードは一回QBしてから次にQBが可能になるまでの時間である。これがあるので、前QB→前QBと連打して物凄い速度を出す事はできない。と言うか、それができたらOBいらない。又、このパラメータはサイドブースターにも(そしてバックブースターにも)ある。なので、後QB→後QB→後QBで物凄い勢いで退がるのも不可能だ。

それから、右スティックを右or左に入れた状態でQBボタンを押すとできるクイックターン(QT)は横QB扱いになっている。なので、その後連続で同じ方向にQBする事はできない。例えば、右向きにQTした直後に右QBはできない。

ただ、このQBリロードは無視する事が可能である。と言うのも、前QB→横QB→前QBといった様に、別の種類のQBを行うとQBリロードがなかった事になる。なので、前、前、前と連続でQBして加速するのは無理だが、前、横、前、と連続でQBする事によって急加速する事は可能だ。こういうのをQB連弾という。

尚、前、横、前で急加速したい場合サイドブースターのQBが強すぎると前QBの推力を殺してしまう。こうなると、MBのQBリロードが終わるのを待ってからもう一度前QBした方がいいという話になる。なので、突撃機などメインブースターの前進性能を重視したい機体を作る場合はそこを気にしておきたい。



GAN-01-SS-M.CG


今回は順番を全力で無視する。なお、今回は性能の数値を画像で示さない。是非とも性能一覧で見てくれ。

で、まずは重ブースターその1のコレから。「俺が遅い!?俺がスロウリィ!?」「はい(笑)」なクーガーのMBである。コジマ系ロケットエンジン技術の遅れを取り戻しつつある筈なのだが、コジマ粒子を使うQBの性能はNANDACORE -forAnswer-であり、驚くほど酷い。確かに総消費EN自体は低めなのだが、前進性能が死んでる死んでると評判のユディトですら総推力4084だというのにこちらの総推力は2937

どちらも未チューン時の数字だが、ここまで低いとQBを使った前進能力、と言うか突撃能力は皆無と考えた方がいい。この為、高出力なOBを装備しておかないとAP負けした時引かれたら本格的に詰むので気をつけておく必要がある。

その一方で、通常推力関係は非常に高水準だ。特に水平関連はNO1の推力でありながら低消費である。垂直関連も、ユディト、アリーヤには劣るものの垂直特化の筈のイクハザール以上の推力を誇り、消費も低くはないが高くもない。水平推力がこれだけの高出力低消費である事を考えれば充分許容範囲内だ。

一般に、こういった通常推力関係が優秀でQB関係が死んでるMBは引き機向けと言われる。APを高めて開幕から引く重量機や、スナイパーキャノンやレールガンを装備して遠距離から狙撃する狙撃機、中距離で散布ミサとかを撃って相手の突撃を誘いつつレーザーとか撃ちながら引く中距離射撃戦機…こういう連中は、前QBを使って自分から近づくという事は基本的にしない。まぁ距離調節で近付きはするが、突撃はしない。

なので、MBに求められるのは前進性能ではなく、通常ブーストの性能、つまり垂直関連の性能(空を飛ぶ為)と水平関連の性能(斜め移動の速度を上げる為)である。前者は判るな。後者は、さっきパラメータ解説で言った通り、MBの水平推力は斜め前への移動速度の上昇に貢献する。そして引き機は、後ろに逃げるだけでなく斜め前への移動も結構行う。例えばミサイルをかわす時や、背後が作戦領域ギリギリの時だな。

故に、引き機にとってはこの二つの性能が重要であり、QB性能は割とどうでもいいのである。そしてQB性能を度外視するなら、このSS-M.CGは極め付けに優秀なメインブースターだ。前進性能、と言うか突撃性能を気にしない機体を作るなら積極的に検討していってほしいパーツである。又、同じく突撃性能を気にしないなら、前後左右に高速で走り回る必要のある四脚にもオススメだ。

欠点としては、重い事と消費ENが高い事がある。まぁ後者は、通常ブーストの消費ENが低いのでそう大きな問題になりにくいが問題は前者。流石に550は軽視できる数字ではない。こんな事もあろうかととクーガーが用意した旧式中量MBのSS-ML.CGか新型のNSS-M.CGでもいいが失うものは結構大きいのでよく考えよう。


ARGYROS/M


変態トーラスの作り上げた、全点豪華主義のブースター。ジェンレータの解説に全点豪華主義と書いてあるが、アルギュロスのパーツは基本、全部全点豪華である。アルギュロス自体がそういう設計思想なんだろうな。細かい事を考えるのがめんどくさいと言うか何と言うか。まぁ外装は防御力のみ全点豪華だったけど。

さて、全点豪華主義というだけあって、推力だけに目を向けると、通常推力重視でありながらQB性能もそこそこ、という具合に仕上がっている。本当に全点豪華にしたら強すぎるからな。なので、SS-M.CGのQB性能を補強した、という感じになっているとも言える。

SS-M.CGは引き機向けとは言え、AP負けして相手が引き始めるとOBなしではどうしようもなくなる。それを考えると、そこそことは言えちゃんとしたQB性能があるのはありがたい。又、四脚の様な高速通常ブーストで動き回る機体で、たまには突撃も織り交ぜてみる、というのならこれは特に有効に作用する特性と言えるだろう。

しかし、全点豪華主義と言うのはどこかしらで無理が出るものである。アルギュロスジェネレータでは、それが5000越えの重量として出た。このブースターの場合、700越えの重量に加え非常に悪い燃費という形でそれが現れている。後者で特に顕著なのがQBで、未チューンQB総推力4522でQB総消費7862。これはかなり悪い数値である。

どれぐらい悪いかと言うと、アリーヤのQB総推力が5155、総消費が6926。ラトナの総推力が5213、総消費が7500。こうして見ると、アルギュロスのQBは大した出力でもないのにえらい消費である事が判る。又、通常ブーストも水平消費こそ低めなものの垂直消費はかなり高い設定。たまーに空を飛びながら突撃する程度ならともかく、常時空を飛んでQB吹かし続けるとあっちゅー間にスッカラカンになる。ENゲージが。

全ての性能(と言うか推力)が一定以上の水準にあるからと言って、扱いやすいブースターになる訳ではないという良い例である。基本的には通常ブーストを重視したいがQB死亡は嫌という機体向けだが、特にQBの吹かしどころはよく考え、突撃の際はOBの使用も頭に入れる様に。


CB-JUDITH


ユディトのメインブースター。何かと選ばれやすいパーツ(byRAVENWOOD)で、前進性能を捨て去って垂直性能に特化したブースターとして有名。一般的にとにかく距離を詰めないといけない軽量機のMBとしてこれを開発したと思うと胸が熱くなる一品である。ミドとか、このブースターでブレードオンリー機体だったんだもんなぁ。そりゃMARCH AU SHUPPLICEですぐ膝折るわ。

とまぁ判らん人には判らん話は置いておいて。

さっき言った通り、ユディトは垂直特化ブースターである。全MB中最高の垂直推力を持ち、それだけの推力を誇りながら垂直消費も極めて低レベルに抑えられている(全MB中NO3)。これはどんな機体にとっても非常に素晴らしい事だ。例えば、引き機が敵に追い詰められてしまった時。基本的に後進より前進の方が速いゲームなので、普通に後QBしても逃げ切れない。さりとて一転前進して交差して逃げるには相手の火力とサイティング技術が高すぎる。

そういう時は、飛ぶのである。無論真っ直ぐ上に飛んだら的になるから、後進や交差、横引き、ケツ振りなどと織り交ぜながら飛ぶ訳だが…攻め機のMBというのは、垂直関連で分けると大体三種類になる。

1:垂直推力は高いが垂直消費も高い奴。アリーヤ、ライールがこれ
2:垂直推力も低けりゃ垂直消費も高い、そもそも飛べない奴。ヴァーチュがこれ
3:垂直消費が低いので飛べるが、推力が低いので一気に上昇できない。ラトナはこれ

2は、とにかく浮いて逃げるだけで相当攻めから逃れやすくなる。そもそも飛ぶ事を考えて作られたものではないからな、空へ逃げるのが一番と言える。1なら推力が高いから空へ逃げても追ってこれるが、消費も高いのでいつまでも追える訳ではない。攻められる時間はごく短くなり、攻めは難しくなる。

最後の3は、空中に逃げてもだんだん浮いて追ってくる。推力が低くても、消費が低ければ空中に居続けられるのでジワジワ高度を上げてくるのだ。こういう時こそ垂直性能特化の力の見せ所で、持ち前の推力の高さを生かして浮いたり落ちたり浮いたり落ちたりと上下に激しく動くのだ。これをやられると、垂直推力の低いラトナなどはユディトの激しい上下機動についていけなくなってしまう。

この様に、垂直性能に優れたMBは三次元機動によって敵を霍乱する事が可能なのである。攻め機においても、垂直性能を生かした霍乱戦法は有効だ。まぁユディトで攻めはきついが。

又、ユディトは垂直性能だけのブースタではない。QB総推力を見ると未チューンで4084。低い数値だが、クーガー三人衆ほど絶望的な数字ではなく、アルギュロスからマイナス440前後。そして、総消費がなんと5076という驚きの低消費。これは全MB中最低数値である。この、最低限のQB推力と低総消費により、突撃は不可能でもジワジワと追っかけるという形での距離の詰め方は可能。

なので、前進性能も滅茶苦茶悪いという事はない。引き機に求められる逃げ性能、AP負けした時の追い性能、どちらも満たしているが故に選択されやすいブースターである。ただし、垂直関連が最優秀でQBも悪くない代わり水平関連の性能は劣悪である。水平推力はMBワーストだし、水平消費も高めだ。

まぁ水平消費はそう気にするパラメータではないからいいが、推力が低いのは、特に中距離射撃戦機体や重量機、狙撃機といった中距離以遠での引きが重要な機体、つまり通常ブースト速度が重要な機体には割と致命的な問題となる。何せ機体構成と角度にもよるが、MBをこれからSS-M.CGに変えると横ブーストがだいたい100km/hぐらい速くなるのだからな。丁寧に横QBで敵弾を回避していかないと、ただ浮いてるだけのいい的にもなりかねない。

結論から言うと、三次元機動と低燃費前QBを生かせないなら、このMBを積むべきではない。プカプカ浮くだけならラトナでいい訳だしな。逆に生かせるならどんどん積んでいきたい。通常ブーストもQBも低燃費だから、EN兵器との相性も良好だ。

尚、これに限らず、低垂直消費MBは機体構成にもよるが無限浮遊が割と簡単であり、延々とプカプカ浮いていられる。しかし、着地せずずっと飛んだままというのはラグ誘発行動なので、たまに着地する事も忘れない様にしよう。相手からしてみるとフワフワラグアーマー重量機とか結構イライラするので、これはマナーの範囲内である。折角垂直性能重視のMB積んだのにとかそういう文句はフロムに言ってくれ。

ACfAアセンブル解説記事大改訂のお知らせ

2011年07月24日 17時22分59秒 | これら以外の何か
ごきげんよう諸君、いかがお過ごしかな。京都での一人暮らしがしばらく続く事になりそうな霧島である。と言っても明日の夜には社長がいっぺん帰ってくるんだが、その後月末から8月1日までは一人だ。よって私のリアル友人は我が家に遊びに来るといいんじゃないかなっ(チラッ

まぁ今現在は頭痛くてぐだっておるが。


さて、今日はACfA機体構築解説記事の更新だが、新作ではない。更新再開した時から、初期に書いた解説記事の書き直しをしたいと思っておったのだが、それに今回踏み切ったのだ。本日は戦術概説&機体構築理論編1である。最初は同じだが、「引き」の途中当たりから大改編している。

これからもたまにこういうのを続けていくと思うので、その時はこうやって通知する。よろしくお願いする。

フン族と西ローマ帝国の滅亡 1:フン族出現

2011年07月23日 22時30分00秒 | 社会、歴史
ごきげんよう諸君。予想通りコメントがつかなかった霧島である。まぁそんな気はしてたんだ、うん。幸い、mixiの方でネタをくれと言ったらそっちでは二つほどコメントがついてな。一つは鯖氏からで「困ったら平成ガンダム1個づつ書いていけば良いじゃない!」、もう一つはりっかさんからで「あれだ、AOCフンの歴史を(ry」であった。

で、考えたのだが、実際のところちゃんと語れるほど私は平成ガンダムに詳しくない事に気付いた。いやまぁダブルオーとか種とか延々と語ってきたが、Wは二週しかしてないし、X、G、ターンエーはもう殆ど覚えてない。ジャミル・NEETとかそれぐらいしか覚えてない。ユニコーンも、原作一応読んだんだがもう殆ど覚えてないしな。なので、これについては再検討する為一旦置いておく。

代わりに、今日はフンの歴史について語る事にしよう。久々の歴史ネタである。AOCネタもちょこちょこ混ざるだろうがな。


フンは、諸君も知っての通りアッティラを大王として東西両ローマ帝国を荒らしまわり、ただでさえゲルマン民族の侵入やら内紛やらで酷い状態だったローマ帝国に大打撃を与えた遊牧民族である。世界史の授業だと忘れられがちだが、アッティラの死後、アッティラの腹心が自分の子供を西ローマ皇帝に即位させている上、その西ローマ皇帝ロムルス・アウグストゥルスが廃位された時を一般的に西ローマ帝国滅亡とするので、西ローマ帝国滅亡の最後の引き金を引いた民族とも言える。

そんなフン族だが、以前AOC攻略のトルコで語った通り、一般的に古いテュルク系遊牧民であると言われている。実際、トルコ人は自分達をフン族の後継者だと思っておる。ただ、これ、実はよくわかってなかったりする。と言うのも、フン族というのは歴史に残る書物、例えば歴史書であるとかそこまでいかなくても日記だとかそういうものを殆ど残さず消えていってしまった民族なのだ。

実際、フン族について語った史料というのはそのほぼ全てがローマ帝国とかの人間によって書かれたものである。よって、どんな言葉を話していたのか、何処から来た何系の民族なのかというのは極端な話証拠となるものが何もないので判らん、というのが正直なところである。

まぁ、証拠、とか言うとアレだが。歴史家が「●●という事実はあった」と証明するのに使う史料って、時代にもよるが大抵「●●って言ってる人がいた」という「個人の日記」だったりするソースは2chレベルの存在なんだけどな。まぁ逆に言うと、そんなんを使わないといけない程度には、歴史の研究は難しいという話ではあるんだが。

それは置いておいて、そんな訳で、実際フン族というのがどういう出自だったのかよく判ってはいない。以前は、匈奴と同じ民族ではないかと言われておった。匈奴と言ってピンと来る人は、歴史オタ、三国志オタ、三国志大戦オタのどれかであろう。



おふらさん。三国志大戦3では大人気の強カードらしい。ちょっとぐぐってそう書いてあっただけなので、verupで弱くなってるかもしれん。出世したもんだな、2時代はアミバ様だったのに。まぁそれは置いといて、この人、三国志時代の匈奴の王(単于)の一人だ。匈奴は古くから中華王朝の北部に存在した異民族であり、戦国時代(つまり秦の始皇帝登場前だな)から中原(歴史的中国の事とでも思ってくれ)への侵入を繰り返しておった。

三国志の時代になると匈奴は弱体化しており、南北分裂後北匈奴は滅亡。南匈奴も後漢に服属しておった。しかし後漢がボロボロになって戦乱の時代に突入、その際、匈奴でも内紛があっておふらさんは追放され、流れ流れて曹操の下で働いたのである。この南匈奴は、その後五胡十六国時代を生き抜き、北朝から隋唐にかけての名門劉家、独孤家の祖先となった。

フン族は、この南匈奴ではなく、滅亡した北匈奴の子孫と言われている。後漢成立直後(三国志でいう漢。漢は一回滅んでおり、それを再興したのが三国志時代まで生き残ってた漢であり、後漢と呼ぶ。劉備の作った蜀漢は後漢を更に復興しようとしたものなので後々漢みたいなもん)は元気元気、元気な子供は股間がてっぽう百合状態だったのだが、西暦46年ごろ破局が襲ってきた。

蝗の群れの襲撃と日照のダブルパンチにより、国民の三分の二が餓死したとまで言われる大打撃を蒙ったのである。この時、匈奴の南部が独立して南匈奴として本国と決別、後漢に服属する。こういう関係があったので、のちの黄巾の乱では匈奴の兵も鎮圧に出陣している。又、南部独立後、本来の匈奴は北匈奴と呼ばれる様になった。

独立された状況が状況だったので、北匈奴はその後も後漢へ侵入を繰り返すがその度に後漢と南匈奴の連合軍に破砕される。その上、むかーしむかしに滅ぼした東胡の生き残りである鮮卑(ちなみにもう一つの生き残りが三国志にも出てくる烏丸。公孫瓉が袁紹と戦った時袁紹に味方した異民族である)に攻撃されて大打撃。ついでにまたしても蝗の襲撃を受けて大打撃。最後は南匈奴と後漢連合軍に攻撃され、ついに滅ぶのである。

この北匈奴が西に逃れ、やがてフン族になった、というのが一般的な説である。但し、基本的にはよう判らんというのが現状だ。例えば、フンの言語はテュルク系、つまりアジア遊牧民が話すタタール語とかカザフ語とかトルコ語とかそういう系統の言語ではなく、フィン・ウゴル語であるとする学者もいる。これはウラル山脈あたりから発生した言語で、ハンガリー語やフィンランド語がこれに近いとされる。

もしそうだとするなら、匈奴=フンは成り立たない事になる。中原の北から来たのではなく、ウラル山脈のあたりから来た事になる訳だ。又、それ以外に、匈奴というのは基本的に中原の北、モンゴルやロシア最東部(シベリアよりかは西、ぐらい)のあたりに住んでいた民族である。こいつらが西の果てである欧州まで移動する間、血統的にも言語的にも完全に匈奴のままだったのかという問題も提起されている。

東アジアの北から、草原を越えて欧州に到達するには相当な時間がかかったろう。事実として、北匈奴が滅んだのは西暦91年。黒海北方(ウクライナ。オデッサとかキエフとかあるとこ)にようやく到達したのが370年ごろとされている。すると250年以上経ってる訳で、その間にアジア諸民族と混血したり、言語も変質して別のものになったりしてしまう可能性もある。

まぁ、そんな訳で結局よーわからんというのが現代の研究における結論である。フンとはまるで関係ない遊牧民が箔をつける為にフン族を名乗った事も予想されるし、フンについて多くの書物を残した欧州人達も、どうもフン=蛮族の総称ぐらいの勢いで書いたんじゃないかコレってものを多数残してくれているので余計にわからん訳である。


そんな訳で、フン族というのは実はどういう連中かようわからんのである。アッティラの死後すぐに分散しちゃった上、数が少なかった(かなり多く見積もってると言われるローマ側の史料でも人口60万程度)から集団として残らなかったしな。ただどうも、フン人は欧州の人間とはかなり異なる外見だったらしい。特にアッティラは、胴長の低身長で毛深くない、かつ色の黒い人物とされており、これが事実なら東方から来た連中の末裔だろう。

ま、それは置いてこう。彼らの軍事技術は主に騎乗したまま繰り出す、複合弓による射撃。つまり騎射である。ただそれだけではなく、ちゃんとした歩兵や弓兵隊も持っておった。軽騎兵だけだと思われがちなモンゴル騎兵も、実際には重装騎兵がちゃんといたというのと同じである。ただどうも、重装騎兵がいたかどうかがわからない。

と言うのも、昨日の今日で書き始めてるので調べが足りんのである。ただどうやら、フンは軽騎兵中心であった様である。尚、欧州に入ってすぐにフンが駆逐したアラン族というのがいるのだが、こいつらはフンと同じ遊牧民族でありながら重騎兵中心だったらしい。フンは逆だったという訳だ。

まぁ、フン族の有利だった点は有力な騎兵戦力を持っていたというのもあるが、本拠地なしでフリーダムに移動するというのが多分一番の利点だったろう。大体、遊牧民とか異民族というものは、農耕民族の帝国に侵入し都市を攻略したりしていく内に王侯貴族としてその土地に定住するのが普通である。これはモンゴルですらそうだった。元という中華王朝を作った。

しかしフンはそうでなかった。彼らは最後まで定住しない遊牧民族であった。まぁ、後半、特にアッティラ登場以後は遊牧しないで主に略奪で稼いでた可能性があるらしいんで、そういう意味では根無し草のヴァイキングみたいなもんかもしれん。それはともかくとして、居住地なしで常に移動してるとなると攻める必要はあっても守る必要はない。

つまりだな、例えば東西ローマ帝国がフン族と戦う場合、討伐の大軍を召集して攻撃に向かう事が必要だ。しかし、東西ローマ帝国は遊牧ではなく農耕で生きており、巨大な領土を持つ。彼らはこれを守る必要があり、極端な話、その長大な国境線全部に兵隊を置かないとフンを防げないし、現実問題としてそんなもん無理である。

しかしフンはその必要がなく、ひたすら攻めて略奪すれば良いのだ。普通、盗賊ですらアジトを持っているものだが、そのアジトが存在しないというから厄介な話なのである。


さて、まぁそんな訳で、軍事的観点から見ればフンが負ける要素は無い、とまでは言わないが、勝てる要素はいっぱいある。。ただ、欧州侵入当時のフン族は、どうも単独の王の下に統率された集団ではなかったらしい。ゲルマン民族の移動みたいなもんだろう。アレも、ゲルマン民族全体が一人の王の指揮の下移動してきた訳ではない。

ゴート人とか、ブルグント人とか、ノルマン人とか、アングル人とか、そういうのが個別に移動したのである。それら個別の●●人ですら、一つの集団として移動した訳ではないんだしな。例えばノルマン人は、デンマークに移動してデンマーク人の祖先になった者、同じくスウェーデン人の祖先になった者と色々いる。

そのゲルマン人だが、実はフン族に圧迫されて大移動を開始したとされておる。元々ゲルマン人はスカンジナビア半島とバルト海沿岸、つまりスウェーデン、フィンランド、エストニア、ラトビア、リトアニア、それとポーランド北部のあたりに住んでおった。それが段々南下して、ドイツの北部やポーランド、ウクライナといったいわゆるゲルマニアと呼ばれる地域に住む様になった。

ここへ、フン族が侵入してきたのである。現代地図の方でいうウクライナから侵入してきたのだな。ゲルマニアで最も東にいた東ゴートはフンに服従、一方西ゴートはドナウ川を越えてローマ帝国に侵入するのである。ちなみに西ゴート族はそのまま移動し続け、何とフランス南西部まで突っ走って建国する。東ゴート族ものちにローマ帝国のお膝元、イタリアへ移動して東ゴート王国を作るし、他の部族もローマ帝国内を通過して各地に王国を立てた。

そりゃローマだって弱まろうという話である。

ゲルマン人をある程度駆逐したフン族は、そのまま東ローマ帝国に雪崩れ込む。395年の事である。これは初めてのフン族によるローマ帝国攻撃であった。トラキアに始まってカッパドキア、アンティオキアと大暴れである。しかも間が悪い事に、この頃皇帝テオドシウス一世は軍を率いてイタリアに出征中であった上、そのまま陣没するのである。

結果、局地戦の連続となる。そうなれば、強力な軽騎兵を持つフン族が圧倒的に有利だ。フン族は3年間に渡って東ローマ帝国内でヒャッハーし続けた暴れ続けた。結局、398年にようやく態勢を立て直した東ローマ帝国はフン族に決戦を挑み、撃退に成功する。




以下、次回(と言うか次々回)に続く。時間が足りないのもあるが、既に草稿が一万字を超えておるでな。

尚、フンについてあんまり語ってない気がするかもしれないが、気のせいに間違いないので私と一緒に精神科にかかるべきである。

ARMORED CORE for ANSWER アセン解説記事その10 ジェネレータ

2011年07月22日 19時29分39秒 | アーマード・コア
ごきげんよう諸君、いかがお過ごしかな。一般向け記事のネタがない霧島である。昨日からずっとネタを絞りだそうと頑張っていたのだが、だめだった。まったくもってダメだ。本当に駄目だ。まるで駄目だ。

理由は分かっておる。

ここんとこACfAと日誌執筆以外の能動的行動をとってないからだ。

ゆえにネタがACfAぐらいしかなく、結果としてACfA攻略記事ははかどるが普通の記事は全くはかどらないという事態に陥るのである。夕方六時に至ってもネタが出てこないので、もう諦めた。そう、ネタがないのならネタを募集すればいいのだ。という訳で、今回は書きためておいたACfA記事を張り付いておいて、次回の一般記事で使うネタを募集する。是非コメントしてくれ!!11!11!1



●ジェネレータ

さて、ジェネレータである。ジェネレータは最もパラメータ種類の少ない部品だが、ACの心臓なだけに非常に重要だ。とは言え、他のカテゴリに比べると明らかにバランスが悪い。その為、○○ならコレ、××ならコレ、というのが割と決まっているので選択は簡単である。

EN出力は、文字通りジェネレータの発電システムが瞬間的に発生させるエネルギーの総量だ。戦闘中は「EN出力-あらゆる装備パーツの消費EN」の差が随時回復する。噛み砕いて言えば、EN出力が高ければ高いほど(同時に消費ENが少なければ少ないほど)機体のEN回復が速くなるのだ。ENが無いとEN兵器が撃てないばかりか、空も飛べないQBもできないと手の打ち様がなくなりただの的になって死ぬので、大変重要である。

一方、EN容量はジェネレータの蓄電機構が蓄電できるENの限界である。ジェネレータは常に全力で発電を行うが、発電された量よりブーストなり何なりで使用された量が少なければ、当然ENが余る。その余りを、後で使う時の為に溜めておく訳である。しかしそれも無限に溜められる訳ではなく上限があり、その上限がEN容量の数値だ。

EN容量の数値が多いとENゲージが長くなる。このENゲージがある内は、行っている動作(ブーストとかEN兵器発射とか)に対してEN出力が赤字でも好き勝手に動き回れる。要するにEN容量が多いとそれだけ無茶できるという事である。勿論、減ったENゲージはEN出力で回復させねばならない。基本的にはEN出力の方が大事だが、こっちを重視したジェネレータの方がよく動けるというアセンもある。

KP出力は、コジマパワー出力…ではなくコジマ粒子出力。コジマバリアことプライマルアーマーが被弾等によって減衰した際、回復する速度に影響する。勿論AAした後の復帰速度にも。PAに特化した機体ほど重要。逆にPAに頼らない機体は重視しなくて良い。

但し、やたらと被弾する事になる重量機は重視しておかないと、PAを剥がされた後延々はがされっぱなしになる可能性がある。PAが剥がれると安定性能が下がって重2でもショットガンあたりで固まる可能性が出てくるし、PAが薄い機体でもPAがあると無いとだと防御力に天と地ほどの差がある。PAが剥がされっぱなしになると重量機といえど簡単に撃破されるので、GA系重パーツを多用した機体を組んだ場合でも疎かにしてはいけない。

又、重量なのだが、ジェネレータはver1.2で軽くなり脚部の積載もその分減った。しかしver1.3でジェネの重量が元に戻ったとき脚部の積載量が据え置きにされてしまい、結果、機体構築の際かなりの問題が出てきてしまった。特に重量級ジェネレータ三種は死ぬほど重いのにEN出力も容量もパッとしないという始末。

この為、重量機は中量ジェネを、軽量機もしくは中量機は軽量ジェネを積むのがスタンダードとなっている。又、最初に言った通りバランスが悪く産廃が多いのもこのパーツカテゴリの特徴だ。


GN-LAHIRE


全ての基本となる、本来は軽量、事実上中量のジェネレータ。中量機まではこれで充分に動かせるし、実弾武器しか持たないのなら重量機だって動かしてみせる!という驚異のパーツである。EN出力重視だが容量もそこそこあり、KP出力もそれなりにあるので万能、どんな機体にも合い、しかも軽いという大変な優良パーツである。

ジェネレータにおいてはEN出力、容量、KPが非常に重要だが、それに劣らず重量も重要である。と言うのも、普通、このゲームの機体速度は「ブースターの出力」と「機体重量」、「空力適性」に「脚部」で決まる。まぁ後者二つは置いておくとしてだな、基本的にはブースター出力が高くて軽ければ速い訳だ。しかし機体重量には二種類あって、効果が明確に違う。

まず第一に、頭とか腕とかの重量。これは最高速度から加速度まで全てに影響する。一方、手に持ったり背負ったりする武装の重量。こっちは加速度には影響するが空中での最高速度には影響しない。そして、ジェネレータの重量は前者に分類される。つまり重いジェネレータを積むと、加速度どころか最高速度にも影響してしまい、結果、機動力が鈍ってしまう。高出力ブースターは大抵燃費が悪いが、高出力ブースターの為に重いジェネを積むと本末転倒になる訳である。

まぁ速度を求める機体でないにしてもだな、どんな機体であろうとも速度は速い方がいいし軽い方がいい。これはガチタンみたいなガチの重量機でも同じである。機動力が高いAというガチタンとまるで動けないBというガチタンがあったとして、もしAもBも同じ火力、同じ防御力なんだったら前者がいいのは自明の理だ。

だからこそ、ガチタンでも不用意に重すぎるジェネを積むべきではないし、機動力が重要な中量機、軽量機は尚更である。その点、このライールは素晴らしい。確かに軽量ジェネの中では最も重い(ライール900、ユディト650、ソブレロ450、ランスタン500)が、中量機までならEN兵器装備でも充分動かせる出力と容量を持ち、その上実用レベルのKP出力がある。

これ以上の性能を持つジェネレータとなると中量ジェネとなるのだが、中量ジェネでまともな性能を持つリゲルの重量が2000。ちなみに中量ジェネ最軽量のイクハザールが1900。事実上の重ジェネみたいな重さであり、重量機でもない限り積むのは難しい。

ならば他の軽量ジェネはどうか。ユディトは一旦置いておいて、ソブレロはKP出力が無に近いPA剥がれたら死ぬまで再展開できないと言われる特化型。ランスタンは発電機なのに発電能力が逝っちゃってるというKP出力特化のこれまた特化型。なので、特化ではないまともな性能の軽量ジェネはライール(とユディト)だけなのだ。

ではライールとユディトがどう違うかと言うと、ライールが出力重視でユディトが容量重視という形になっている。で、普通は出力重視の方がよく動ける機体が出来る。そんな訳で、ライールジェネこそ最も基本的なジェネレータなのである。軽量、もしくは中量機を組む場合はまずこれを載せて組んでみてそれから考えるというのでも問題ない、それぐらい基本だ。

又、さっきも言ったが、重量機でも実弾武器しか積んでない機体ならライールで充分動かせる。EN兵器を積んでいても、純正ヒルベルトみたいな機体だったら結構動かせたりもする。それだけ万能で優秀なジェネレータなのだ。霧島家一押しである。


GN-JUDITH


先程言ったとおり、かの万能秀才ジェネレータ、ライールの容量重視版。基本的には出力重視の方がよく動かせるのだが、稀に容量重視の方が動かせるという場合がある。

例えばラトナ外装で省エネな機体を組んだとしよう。武器は両手にアサルトライフル、背中に一本プラズマキャノンを積んだとする。省エネな上にブースターも低燃費なのを積んでるので、アサルトライフルだけで攻めるならユディトジェネを積んでもENが回復する、そういう機体だ。

で、まずはプラズマを展開してアサルトライフル+プラズマキャノンで攻める。ENゲージが減ってきたらプラズマを畳んで両手のアサルトライフルで攻め、ENが回復するのを待つ。ENゲージが回復したら、又プラズマを展開してクロストリガーで攻める…と、こういう感じで攻めるとする。

この場合、出力重視よりも容量重視のジェネレータのがいい。何故なら、出力重視の場合容量が少ないからプラズマで攻められる時間が短い上、出力が高くて容量が少ないからすぐENゲージが満タンになる。すると頻繁に武器を切り替える事になり、逆に攻撃効率が下がる。それだったら、ENゲージ回復速度が多少遅くても容量が多くて長い時間プラズマで攻められる容量重視ジェネのがいい。

斯様に、容量重視のが向いている機体というのも世の中には存在する。ただそういう機体はあんまりなく、八割がたライールのがよく動ける事は覚えておこう。又、ユディトはライールより250軽く非常に積みやすい。しかしKP出力はライールより下がっており、大抵の機体はこっちだと動かしにくいので安易に積むべきではない事は覚えておこう。


I-RIGEL/G


インテリオルの新標準機ラトナに載ってるジェネだが、名前はラトナじゃなくリゲル。リゲルのがラトナより前に製作されたらしいので、それを流用してるんだろう。一目見ただけで旧アクアビットの技術で作った事が判る形をしておる。

本来なら出力重視中量ジェネという位置づけになるべきジェネレータだが、重量2000が物凄い勢いでのしかかる。これがどれぐらいの重さなのか、中量二脚の定番その1アリーヤ脚(その2がホワイト・グリント、その3がNSS)で考えてみよう。

まずACSISを起動し、DESIGNのCOMPANYからアリーヤの図面を読み込む。流石にこのままだと尖りすぎな機体なので、腕を定番の063に。コアも定番のオーギルに。頭も普通な性能のオーギルにしようか。フレアも忘れずに装備し、ジェネレータはリゲル。ブースターには手をつけずに、そうだな、じゃあWライフルという事で両手に051ANNR(BFF重ライフル)を装備しよう。はい重量過多。

お分かりいただけたろうか。これがライールジェネなら、重量1100が浮くので、更にミサイル一個積むなり何なりできる訳である。リゲルの重量2000というのはそれほどの数字なので、重量機を組んでいる時を除いて、ENが足りないからと言って安易にこれを選ぶべきではない。アセンの幅がかなり狭まる。

まぁ、なので、事実上の出力重視型重ジェネである。重ジェネなので重量機を組む時は積極的に選んでいっていいが、中軽量機はマズイという訳だ。特に軽量機はな。初心者に多い事なのだが、張り付きとかを主戦術にする軽量突撃機を作る時、まず何も考えず高出力ブースターをつける。すると高出力ブースターというのは大抵燃費が悪いので、初心者は動きが悪いのもあいまってすぐガス欠になり、動けなくなって的になり死ぬ。

これではいかんというので、ジェネレータをリゲルとかに交換する訳である。しかしこれはマズイ。何でマズイかって、考えてもみたまえ。重量2000である。もしリゲルジェネに交換する前のジェネレータがライールジェネだったとすると、重量差は1100。これはラトナコアをNSSコアに交換したのと同じぐらいの差である。想像してみてくれたまえ、ライール脚の上にのっかったNSSコアを。

どうみても根本的に間違っておる。

世の中には軽量機に重いジェネレータを積む機体も無いではないが、初心者には全く向かないので無視してよい。取り敢えず、軽量機作成中にENが足りないからと言ってこれに頼るのはやめるべきである。正直中量機でも苦しいからな、この重量は。勿論、重量機ならば選んでいって構わない。重量機もタンク以外は積載が厳しいご時世なので、なんだかんだでこれを積むのに結構苦労したりするんだがな。


GN-HOGIRE


リゲルの容量重視バージョン。つまり事実上の容量重視型重ジェネである。

もうなんか説明しなきゃいけない事はユディトで全部説明した気がする。ただユディトとは違い、出力重視のリゲルより重い事に注意。100の差だけどな。それ以外はユディトとライールの違いと一緒で、KP出力が劣る事も一緒。自分の機体が容量を求めてるのか出力を求めてるのか、それにしたがってどっちを積むか決めよう。まぁ一番いいのはどっちも積んで何度かテスト対戦してみる事だが。

ちなみに重ジェネだが、出力はライールより低い。その辺も考えて載せる事。


03-AALIYAH/G


アリーヤのジェネ。4初期verでは高性能ながらEN消費の高い全身アリーヤ機体にこいつを装備するとまるでENが足りずレイレナード正規リンクスが多数憤死した。しかしfAの現行verである1.4では一転、事実上の最重量ジェネとして、ジェネレータ最高の性能を誇っている。

と言うのも、これより重いものとして重ジェネのマクスウェル、SS-G、アルギュロスがあるのだが、こいつらただでさえ重すぎる(それぞれ4000、4200、5200。足折れるっつーの)上、重い癖に大した性能じゃないのである。一応EN出力やらEN容量やらアリーヤより優秀な数値を示しているのだが4000↑の重量に見合った性能ではない。乗らねーよこんなもんって話もあるし。重さ的に。

まぁそんな訳で、事実上の最重量ジェネがこのアリーヤという事である。2800という鬼重量に見合った性能で、リゲル以上の出力を持ちながら容量は同等、KP出力も更に向上している。これを積んでもENが足りない様であれば、それは根本的にアセンが間違ってるか致命的に腕が足りてないかのどっちかである。なので、これを積んでEN関係で困るなら、アセンを見直すかEN管理のうでを磨こう。

尚、さっきも言ったが重量は2800。リゲルとの差は800、ここまで来ると重2でも積むのが大変な重量だ。本当にここまでのジェネレータ性能が必要かどうか、考える事も必要である。ENを持て余す様ならリゲル等にダウングレードし、武装を強化したり外装をより堅固にするという選択も必要である。


LINSTANT/G


SIMPLE2000シリーズTHE特化。コジマに全てを賭けた変態企業アクアビット渾身のKP以外を無視した軽量特化ジェネである。

その最大の特徴は鬼のKP出力と発電機なのに死亡してる発電性能。「極端に軽く、機動性を損なわない」とか書いてあるが、EN出力とEN容量が底辺レベルなのでEN的な意味で機動性を損なう困ったパーツである。しかしこんな乙な発電能力でも、省エネに徹して機体を組んだりEN管理を練習すれば、機動力を生かした戦闘を行う事は不可能ではない。

しかし不可能ではないというだけであって、ただ機動戦をやるだけってんならライールやユディトでいい。ENに余裕があるからその分よりメリハリのある機動戦が行えるし、アセンにも無茶が効く。ではこのジェネレータは何の為に存在してるかと言えばコジマバリアを最大限に利用する為である。

PAは、フル展開状態(PAゲージ満タン)で最もその能力を発揮する。PA整波性能の高い機体がPAをフル展開させていれば、ライフルなど豆鉄砲も当然だ。例え素の装甲が紙でもな。しかしながら、攻撃を受けるとPAは減衰(PAゲージが減少)する。PAが減衰するとダメージ軽減能力も下がり、ライフルとかでも大きいダメージを受ける様になってしまう。

このPAというのは、PAゲージがちょっとでも減ると満タンに向けて回復していく。なので、散発的な被弾ならばPA重視機体にはさほど問題ではない。最初の被弾と二番目の被弾の間に時間があれば、その間にPAがフル展開状態に戻るからな。これが、一般的なPAの防御力に関する考え方である。

そして、そのPAゲージ回復速度に影響するのがKP出力な訳だ。とは言え、KP出力がいくら高くても連続被弾すればPAは減衰するし剥げる。なので、機動戦ができてかつPAが鬼の分厚さという機体にして、たまーに食らう弾を必ずフル展開PAで受け止める、これはそういうジェネレータである。KP出力が高いので、次に被弾するまでに回復できるPAゲージの量が多いという訳だ。

ただ何せ特化型なので、使いにくいのは事実。正直初心者には向かない。が、夢があるのでそういう意味では初心者向けという事で敢えて載せた。上手くなればガチ機にも使えるぞ。尚、このジェネを使ってENが足りないのは腕の場合もあるが、アセンのせいな場合もあるのでよく考えて機体を組もう。EN消費の多い機体にMBヴァーチュでランスタンジェネとか自殺行為。

ま、PA厚いパーツは大体EN消費もヤバいんだけどな。ただ、ENとKPどっちも足りないという状況だったらEN取った方がダメージは減る。充分回避できるENを確保した上でKPに手を出そう。



★ジェネ総評(使えるパーツ)

GN-LAHIRE
・全ての基本になるジェネレータ。事実上の中量ジェネ
・高めの出力と程よい容量、安定したKP出力を誇る
・中量機までならこれで充分
・重量機も実弾武器のみならこれで動ける
・取り敢えずこれを載せてアセンしてみて、話はそれから。それぐらい基本

GN-JUDITH
・ライールの容量重視バージョン
・機体によっては、ライールよりこっちのがよく動ける。要機体テスト
・さりげなく重量-250。出来る限り重量を減らしたいという目的でも
・KP出力はライールより低いので注意

I-RIGEL/G
・重いライールポジション。事実上の出力重視重ジェネ
・ライールでは流石にきつい、でもアリーヤは重い、ならコレ
・基本的には出力が高い方がいいので、↓よりもこちらのがいい場合が多い
・インテリオル仲介人「軽量ジェネレータと言ったな。あれは嘘だ」

GN-HOGIRE
・事実上の容量重視重ジェネ
・重いユディトポジション
・重量がほぼ一緒なので出力重視のリゲルと選択式
・容量重視ならこちら
・リゲルと比べ僅かだがKP出力に劣る
・カテゴリは中量だが、重量ジェネのつもりで積もう

03-AALIYAH/G
・事実上の最重量ジェネ
・EN重視だが、容量も充分にありKP出力も高い
・これを積んでもENが足りないなら、アセンかEN管理に根本的な欠陥が…
・重さだけが欠点。特に軽量機に積むと動きがかなり鈍くなるので注意

GN-SOBRERO
・ある意味ランスタン以上にぶっとんだEN出力特化ジェネ
・これを装備すれば、全身ライールでもEN兵器が使える。ある意味最終兵器
・攻め続けないといけない機体で、どうしてもENが途中で切れるって時に
・但し、驚きのKP出力の低さ。当たらなければ(ryという機体でないと死ぬ
・こう考えると、PAすら度外視した特化攻め機向けか

LINSTANT/G
・驚きの低出力。誰が機動性を損なわないって?
・一応アセンと腕次第で、機動戦は可能。機動性は損なわれるけど
・いくらKP出力が高くても、連続被弾すればPAは剥げる。
 こんなジェネでも機動戦ができてかつPAが分厚いという機体にして、
 たまーに食らう弾を必ずフル展開PAで受け止める、そういうジェネ



★ジェネ総評(産業廃棄物)

GAN01-SS-G
・えーマジー? 旧式ー? キモーイ!

GAN02-NSS-G
・SS-Gの新型。所詮GAのコジマ技術は低レベルであった
・重くしてKP出力下げた代わりに容量増やしたリゲル
・ここまで重いの積むならアリーヤでいいですよねという話

GN-HECTOR
・何に使うんだコレ
・アリーヤクラスの重量でユディト以下の出力はどうかと
・低出力高容量高KPと言えば聞こえはいい。聞こえだけは

EKHAZAR-GEN
・何に使うんだコレその2
・ライールとユディトのいいとこどりしようとしたら
 リゲルなみの重量になったでござるの巻

GAN01-SS-GL
・え? 重ジェネって実在したの?

ARGYROS/G
・昔、ORCHIDというパーツがあってだな
・ver1.0からずっと重すぎて使い物にならなかった
・ver1.2で超性能になり、トーラスの株は買い注文が殺到、一時取引中止になった
・しかしver1.3で元の木阿弥に
・初代の銀ジェネにちょっと似てる
・ARGYROSは銀の元素記号の元。狙ったか、フロム・ソフトウェア!

S08-MAXWELL
・4時代、これを積ませて貰えなかったせいでレイレナードのリンクスが多数憤死した
・fAでも初期verではハイエンドだった。って言うか他の重ジェネの価値が無かった
・諸行無常を感じる

ARMORED CORE for ANSWER アセン解説記事その9 FCS3

2011年07月20日 19時01分44秒 | アーマード・コア
ごきげんよう諸君、いかがお過ごしかな。昨日まで結構忙しかったのだが、今日になってようやく落ち着いた霧島である。今更ながら、ARMORED CORE @ wikiでアーマードミッションイボルヴVの既出情報を見た。何と言うか嫌な予感しかしない。

鍋島の発言はどんどん痛くなってると言うか稲船化してるし(まぁ元々ACシリーズの癌だったけど)、一回のミッションが20分から60分かかるというのも嫌な予感バリバリ。更に今回はストーリー重視を謳ってたり、全部のパーツを買える様にする為にはネット対戦でランク上げなきゃいけなかったり。パーツカテゴリ11、パーツ総数500超えというのも怖いな。完全新規でこんな数のパーツ、鍋島にちゃんとしたパラメータ割り振りが出来るとは思えん。

さっき言ったミッションも、どうも今までの様に狭い作戦領域で敵を倒すとかではなく、広い世界を移動しながら補給を要請したり機体構築をやり直したりしつつ遂行するらしい。こんな繊細な感覚が要求されるゲーム、今のフロムに作れるとはとても思えんが…クソゲーの悪寒しかしないぞ。短いのもあるらしいが…一応は買うつもりだったのにどうしてくれるんだ。凄い悩むじゃないか。


まぁ、取り敢えずそういうのはほっといてACfA攻略の続きである。その前に、前回ちゃんと書けなかった事なのだが、基本的に霧島家ではミサイル交差戦、軽量ミサイラー、両背ミサイル垂れ流し等ミサイルを主力にするのは非推奨である。理由は前回の記事の一番最後に書いた通りだ。あまりに軽量ミサイラーにばっかり当たり続けると、ミサイル撃たれただけで捨てゲーしたくなるという気持ちは私も判るしな。一個積んでたまに牽制で撃つぐらいに留めておいた方が、互いの精神衛生上よろしい。

ちなみに、他に霧島家非推奨なものは、スラッグガン装備(スラッグ載せれば本当に万事解決する。アセンブルというこのゲームの根幹を破壊する武器)、腕グレ四脚(ガチ杉)、ブレード装備機(例え非MBヴァーチュ非追加Bでも普通にラグワープする)、過剰な速度特化機(ソブレロとか、高出力QB吹かすだけで普通にワープする)、安定性能足りてない機体で反動武器撃つ(ロックが外れない程度の安定は確保しないと結構ラグる)、延々浮き続けて着地しない、一方向延々QBし続ける(どちらもラグ誘発行動)等がある。

又、過剰な鬼ごっこも推奨しない。例えばBIGBOXみたいな異様に広いMAPでの対戦で、APが勝ってるからとネクストを利用したかくれんぼ一発も撃たずに勝つとか、パラボラMAPで延々パラボラに隠れ続けるとかな。まぁ後者は割と私の個人的な感情も入ってるかもしれんが…地形戦と言えば聞こえはいいが、絶対に壊れない物体に隠れ続けるとか相手の寿命がストレスでマッハである。基本引き有利なゲームなのに有利ってレベルじゃなくなるし、大体ハイスピードメカアクションって銘打ってるゲームでかくれんぼとかしたい奴もそうおらんだろうしな。

なお、安定性能足りてない機体で~についてだが、本来なら無反動射撃しないと多少なりともラグる。ただ、無反動射撃じゃなきゃ使っちゃ駄目、という事にすると重量二脚すらキャノンが撃てなくなるので、これはもうフロムに文句を言うしかない。と言うか、霧島家非推奨のものって基本的にプレイヤーよりフロムが悪いんだけどな。

まぁ、そんな訳で、霧島家ではミサイル交差戦を推奨していない。今回紹介するFCSの中にはミサイル交差戦向けのもあるが、あくまで解説するだけで推奨はしていない事に注意。



063AN05


ここからは中距離万能型。OMNIAを無視する場合、これとオーギル、ユディトが万能型に分類される。万能型の特徴と言えば勿論、そこそこのロック速度とミサイルロック速度を持ち、ロック距離は長すぎず短すぎず、ダブルトリガーを主力にしても問題ない並列処理、レーダー更新間隔もそこそこ、というところである。が、この063AN05はロック速度を犠牲にしてミサイル重視に尖らせた性能である。

まぁ低ロック速度の万能型という意味ではOMNIAを中距離用に発展させたタイプとも言えるがな。ともかく、このFCS最大の特長はノーチューンなら黄色石01をも上回るミサイルロック速度(フルチューンだと逆転する)である。これだけ速ければ、チューンと組み合わせ次第で交差戦でもミサイルをガンガン使っていける。敵を見失いやすい交差戦ではレーダー性能も重要な鍵となるが、その点これは未チューン30、フルチューン15と最速クラスの性能を持ち、抜かりは無い。

又並列処理性能が後述の近距離型と肩を並べる高さで、ダブルトリガーを主力にしてもグングン食らいついていく。しかしながら、問題はロック速度の遅さである。いくら並列処理性能が高くても、ここまでロック速度が遅いと武器選択に難儀する。遠距離型FCSならこれでも滅茶苦茶速いから素直に喜べたのだが、中距離射撃戦や近距離戦で使うとなると、リロード時間の遅い武器しか使えないというのは大きな欠点となる。

具体的には、ロック速度フルチューンで250、許容できるリロード時間は25まで。つまりライフルまでしか使えないという事だ。狙撃企業BFFの製品で、063ANは前衛機と言っても狙撃機の前衛だから中距離戦用ですよーという設定には見事に沿っているのだが、せめて063アサルトライフルぐらいは扱える様にしてやって欲しかった。嘘みたいだろ、063AN用に開発されたんだぜ、この銃。

まぁともかく、この高い並列処理性能を生かさないのも勿体無いし、同様に高いミサイル性能を生かさないのも勿体無い。ミサイル交差撃ちと中距離射撃戦を相手によって使い分ける機体に積むも良し、近距離に寄られてもミサイルで応戦できる機体にしてしまうも良し。その一方でレーダー性能とミサイル性能を生かし、ミサイル交差撃ちに特化した機体に積むのもいいだろう。ダブルライフル+引き抑止散布ミサイルなんて組み合わせのWライフル機にも相性が良い。


FS-JUDITH


本来の順番で言えばオーギルが先なのだが、説明のしやすさからこっちが先。063と比べるとやはりロック速度の大幅な向上が最大の特長でフルチューンで500。これを許容できるリロード時間に直すと12で、全ての突撃銃が使用できる事になる。流石にマシンガンを使うには不足だが、中距離万能型としては充分な性能を備えていると言えるだろう。

又、他の性能も万能型と呼ぶにふさわしいレベルで充実している。ロック速度の遅いミサイルでも何とか使えるミサイルロック速度、063AN05や近距離用には劣るが実用レベルの性能を持つ並列処理性能、中距離用と考えれば充分な性能のレーダー更新速度。しかも省エネだ。まさに万能の名に相応しい性能である。中距離射撃戦機にこのFCSを積んだ場合、FCSにアセンを拘束されない。そういう意味でも素晴らしいFCSだという事ができるだろう。

又、中距離射撃戦機でなく、ミサイル交差戦機に積む道もある。ミサイル交差戦用FCSとしてはもう一つ063AN05があるが、ミサイルロック性能とレーダー性能ではこちらが劣る。こちらはその代わりロック速度が高く、クロストリガーでミサイルと併用する武器の幅が広い。交差戦特化なら063、交差戦を主体にしてるがとまではいかないならこちらか。

更に、重量機や狙撃機に積む目もある。047頭と組み合わせればロック距離は1121、狙撃戦をやるにも充分なロック距離を見込める。そうまでしてこのFCSを積むメリットは、勿論ミサイルが使える事、ロック速度が速いので死角に入ってくる軽量機に強い事、そこそこのレーダー性能というのもあるが、最大はMARVEなど連射武器を近接防御火器に出来るというところに尽きるだろう。遠距離型FCSだと近接防御火器は単発系のみなので、これは結構大きかったりする。


FS-HOGIRE


バランス大好きローゼンタール先生のFCSは、ご多分に漏れずバランス感覚に優れている。が、当然の事ながら企業標準機に合わせて設計されており、オーギルにしろランセルにしろブレード装備を前提に作ってあるのでブレード装備のシングルトリガー機向けの中距離万能型に仕上がっている。

しかしオンライン対戦では、ブレードは装備しているだけで蹴られる物体なので、救いはないんですか状態。実際ユディトと比べると、ロック速度に劣りミサイルロックは同等、並列処理性能も敗北、レーダー更新間隔は大敗北。勝っているのはロック距離だけという有様で、どうにもこうにも使い勝手が悪い。

ならロック距離が生かせる機体で…と言いたいところだが、カメラ性能最悪頭部とユディトの組み合わせでもロック距離は688までしか縮まらず、中距離万能型なら割と戦えてしまうロック距離である。しかもカメラ性能最悪頭部ってアリーヤの事だし、アリーヤ頭は近距離戦機に積むものだからな…どうしようもない。

うーん、クロストリガー主体で近接防御火器にアサルトライフル使いたくて、頭のカメラ性能がどーしても足りない狙撃機寄り引き機に積んでみる?


FS-LAHIRE


ここからは近距離戦用FCSだ。こちらは、レイレナードの技術陣を吸収したオーメルが何故かアクアビット製品の後継機を開発という珍品。まぁアリーヤ系機体の為のFCSを作ろうとしたらインブルー風になりますよねーってとこか。前身であり、本物の近距離戦用FCSであるインブルーと比べると中距離万能型と近距離戦専用の中間という性能である事がわかる。

ロック速度と並列処理性能を増加させつつも、最低限のミサイルロック性能を残しロック距離も中距離型のユディトに僅かだが劣るという程度。更に比較的消費ENも低い。このロック速度、並列処理性能、低消費という三つが揃っているのがライールの強みと言える。近距離での高速機動戦をやるには不足だが、レーダー更新間隔もユディトよりは速い。

ただ、増加したとは言え、所詮は万能型との中間。そこまでロック速度が速い訳ではない。フルチューンで600、許容できるリロードは10まで。マシンガンもパルスも使えない。まぁロックバグの事を考えれば速いに越した事はないし、武器選択によってはロック速度チューンを抑制する事も可能。

万能型との中間という特性上、グリント脚とかアリーヤ脚に多い近距離寄りの中距離で戦う機体や、ラトナ脚に多い近中距離で戦う機体に向いている。頭部選択が比較的自由にやれて、尚且つロック速度と並列処理、低消費が確立されており、中距離万能型のユディトよりレーダー性能も高いによって採用されやすいのだ。

但し、同様に中間という特性上、張り付きするにはロック速度が足りず(武装選択的な意味で)、ミサイル交差戦するにはミサイルロック速度が足りず、近距離高速機動戦にはレーダー更新も不足気味である事は覚えておこう。フルチューンで更新間隔30は決して遅くはないのだが、高速機動戦はシビアなのだ。

って言うか、更新間隔に優れているとか書いたオーメル社員出て来い。フロム社員でもいいぞ。


INBLUE


エクハザールをすっ飛ばし、本物の近距離戦用FCSであるこいつを先に。アクアビット香水FCS三人衆の一人にして、最も愛好者が多いFCS。その秘密は鬼のレーダー更新間隔、そして何より驚異のロック速度。ロック速度NO2のライールですらフルチューン600だったのに、こいつは未チューン600フルチューン1000という最早ヤケクソ気味な数値に達している。

しかし実は、ヤケクソでも何でもない。何せロック速度1000でも完璧に扱えるマシンガンは存在しないのだ。インブルーで許容できるリロード時間は6が限界だが、VANDAのリロード時間は2、XMG-A030(アスピナマシンガン)は3、残りが4。取り敢えずロックバグを放置したフロム社員は腹を切って死ぬべきである。

せめてインブルーのロック速度だけはマシンガンを扱えるレベルまで引き上げるか、インブルーでなら扱える様にマシンガンのリロード時間を遅くしたらどうか。それはまぁともかくとして、コイツを使ってもマシンガンはロックバグに巻き込まれるのだ。マシンガンを使うなら必ずインブルーを搭載し、ロック速度をフルチューンする事。更に必ず左手に装備させる。

一方、先程ちょろっと触れた通り圧倒的なレーダー更新間隔も魅力だ。ここまで来ると近距離戦でも戦術や腕前によってはレーダーのチューンが要らないぐらいで、高確率でロック速度とレーダー更新間隔をフルチューンしなければならないFCSの中ではかなり異色と言える。ロック速度も未チューンで600あるから、武装選択によってはチューンしなくていいしな。そうするとFRSメモリにかなりの余裕が出来る。

一方、弱点も明確だ。まずミサイルロック速度がお話にならないレベル。まぁこれは、近距離高速機動戦でミサイル使うのは大抵ミサイル交差戦機だしそういうFCSじゃないから構わない。通常ミサイルなら使える訳だしな。むしろ問題は異様に短いロック距離。650しかなく、カメラ性能が悪い頭と組み合わせると恐怖の500台に突入する。こうなると、相手が引いてちょっとでも距離を離されただけでロックが外れてしまう。

一度張り付いたら絶対に離さない自信があれば別だが、こっちも向こうも人間なので逃げられてしまう事だってあるし、張り付き機以外は戦術的に距離を取る必要がある場合も結構多い。それが近距離機であってもな。なので、ある程度いいカメラを持った頭を選ぶ必要が出てくる。武器の選択の幅が最高に広い分、頭部選択の幅が狭いのだ。ホロフェネスでいいんじゃねって話なんだけどな。最速だし。

又、レーダー範囲が狭いのも問題。ここまで狭いと逃げに回られた時見失う可能性が高いのだ。ただでさえロック距離が短くなりがちなので、パラボラとかでひたすら地形に隠れて逃げまくられると何処にいるんだか全くわからなくなってしまったりもする。又、チーム戦でこのFCSを積み、レーダーを積まないと周囲の戦況が全然わからないという事態にもなりかねない、というか大抵なる。

便利で強力なFCSだが、その辺を考えながら装備したい。尚、047頭でロック距離は923まで伸びる。重量機や狙撃機に積む場合、流石に狙撃戦をメインにするのは辛いしレーダー距離の問題もあるが、鬼火力のマシンガンを近接防御火器に使えるのは魅力的、というところだろう。


EKHAZAR-FCS


先程飛ばしたアルゼブラ初の独自FCS。近距離型と言うと、ん?と思うかもしれない部品でもある。というのもロック距離が860と中距離万能型なみにあるのだ。しかしながら、それでもこのFCSの真価は近距離戦にある。と言うのも、その最大の特長は異様に高い並列処理性能だ。そう、このFCSは、高い並列処理で両手の重火器を無理矢理ブチ当てる為のものなのだ。

ロック速度こそ近距離型としては低いが、フルチューンで230。武器選択の幅が狭いというだけで、近距離戦をやる際に問題になる数値ではない。インブルーほどでないにしてもミサイルが死んでいる事、一方でフルチューンすれば23になる更新間隔と合わせ、近距離高速機動戦でダブルトリガーの重火器を振り回し無理矢理当てていくスタイルが最も適していると言える。近距離型としてはライールと同様、ロック距離がそこそこあるので頭部選択の幅も広い。

又、049狙撃砲+軽狙撃銃で中距離射撃戦、近づかれそうになったら散バズでこっちくんなしたいがあいてる背にはレーダーを載せたい時など、カメラ性能次第ではこの頭が役に立つ。低消費ENで機体に負荷をかけないのも魅力だ。


BLUEXS


ブレオン部屋で使え。以上。



★FCS総評

狙撃機・重量機向け:

YELLOWSTONE01
・ミサイル性能が高い
・レーダー更新が速い
・ロックの遅いミサイルを使う狙撃機、重量機向け

YELLOWSTONE03
・ミサイル性能が高い
・↑を使いたいが頭のカメラ性能の関係でロック距離が足りない?ならコチラ

047AN05
・ロック距離とレーダー距離以外死亡
・↑よりはレーダー更新間隔はマシ
・クロストリガー専門、ミサイル不要で黄色石01ではロック距離の足りない機体向け
・広いレーダー範囲により、チーム戦、バトルロイヤル戦向け

061AN05
・↑に同じくチーム戦、バトルロイヤル向け
・地形戦とかの関係で、長い熱源ロック距離を実現したい人向け
・長距離レーダー&長距離ロックは欲しいけどミサイルも使いたい人向け

LAURA
・黄色石01からミサイルとレーダーを取り上げ、代わりにロック速度パワーアップ
・鬼の低消費
・近距離戦で敵を見失いやすい重量機向け。但しミサイル性能を求めない事が条件
・徹底的に消費ENを減らしたい狙撃機、重量機向け

=====ここまで純遠距離型、頭部カメラ性能をあまり気にせず狙撃戦可能=====
=====ここから頭部カメラを気にすれば狙撃戦も可能な連中===========

OMNIA
・負荷を増やしてロック距離を短くした代わりに高性能化したLAURA
・遠距離型にしてはロック速度高めでミサイル使えてレーダー良好な夢のFCS
・但しロック距離が短くなってるので頭部選択の幅が狭い、という次第
・並列もそれなりにあるので、ダブルトリガーもそこそここなせる

FS-JUDITH
・近接防御火器として突撃銃まで使用可能
・ミサイル性能も高い
・↓と比べるとレーダー機能、並列処理にやや難あり
・047頭と組み合わせれば最大射程1121。狙撃戦にも充分

FS-LAHIRE
・こちらも突撃銃まで使用可能
・ミサイル性能は最低限
・↑よりはレーダー良好、並列処理も高い
・047頭で最大射程1065。充分な長さだが武器次第では狙撃戦がちょっと辛いか?

INBLUE
・近接防御火器にマシンガンを採用可能。やったね!
・レーダー距離は死んでるが、更新間隔は素晴らしい
・047頭で最大射程923。狙撃戦をやるには辛いのが問題

EKHAZAR-FCS
・両背に狙撃武器、両手に近接防御火器とかその逆とかができる
・それだけ
・本当にそれだけ
・いいんだよ、グリーンだよ!
・しかし意外とこれが最適という機体も結構存在する。検討は忘れずに
・ロック速度遅いので武器はそれなりの奴で



中距離射撃戦機体向け:

063AN05
・高い並列処理性能とミサイル性能が魅力
・ロック速度は遅めだがライフルまでなら運用可能
・ライフル+狙撃銃みたいな装備向け
・もしくは、同じライフルを両手に持つみたいな装備向け
・レーダー更新間隔は中距離向けの中で群を抜く優秀ぶり

FS-JUDITH
・特に万能なFCS
・高いロック速度。万能型で唯一突撃銃を運用可能
・063には劣るがミサイルロック、並列処理、更新間隔もそこそこ
・加えて省エネ。取り敢えずで装備しても使える優等生
・但しロック速度や省エネを求めない場合、063の劣化になる可能性がある。注意

FS-LAHIRE
・中距離万能型と近距離型のあいの子
・↑よりロック速度と並列処理、更新間隔上昇
・代わりに消費EN、ロック距離が僅かに低下
・ミサイルロックは暴落。一応最低限の性能はある
・063ではロック速度が、JUDITHでは並列処理や更新間隔が足りない人向け

EKHAZAR-FCS
・異様に高い並列処理性能が最大の強み
・ミサイルは使えない
・ロック速度も速くないから武装選択の幅も狭い
・ライフル以下の連射速度しかない武器のみ使う機体で、なおかつミサイル使わないなら


近中距離機動戦向け:

FS-LAHIRE
・中距離万能型と近距離型のあいの子
・低消費EN、ロック速度、並列処理と三本柱が揃う
・張り付き等には不足気味の更新間隔も近中距離戦なら目立ちにくい
・近距離向けで唯一ミサイル性能がそこそこある

INBLUE
・近距離高速機動戦特化
・未チューンでフルチューンLAHIREと同等のロック速度
・↑+フルチューンLAHIRE以上の更新間隔でFRSメモリに優しい
・並列処理もLAHIREより高い
・但しロック距離が不足気味で頭部選択が狭まり、レーダー距離も不安

EKHAZAR-FCS
・ダブルトリガーで重火器を振り回しブチ当てる為のFCS
・張り付きはきついがこの距離での戦闘ならロック速度はこれで充分
・更新間隔も、張り付きにも耐えられる速度
・カノープスとか手の重火器で敵を殲滅したい人に


張り付き機向け:

INBLUE
・究極の張り付き向けFCS
・張り付き用武器の代名詞、マシンガンを扱える唯一のFCS
・更新間隔も、張り付きでも実用レベルの速度
・問題はやはりロック距離とレーダー距離が不安な事

FS-LAHIRE
・頭部選択の関係で↑が使えない場合、武装にロック速度が足りるなら次善策として
・更新間隔に不安が残る。フルチューンでも張り付きは辛い
・並列処理はほぼ変わらない


ミサイル交差戦機向け:

063AN05
・ミサイルロック速度とレーダー更新間隔に優れる
・クロストリガーでやる場合ロック速度の関係で手に持つ武器が制限されるのが問題
・そうでなくとも、頻繁に敵が視界から消える交差戦では速度が不足気味
・純粋に交差戦でミサイルを正確に運用する事に特化するならこっち

FS-JUDITH
・ロック速度と並列処理に優れる
・武器の選択がかなり自由。交差戦以外の選択を持った機体にも積みやすい
・その一方更新間隔とミサイルロック速度に劣り、ミサイル交差戦性能自体は低い
・交差戦でのミサイル関係以外の、汎用性を重視するならこっち

対戦格闘ゲームにみる、頭使わないでゲームする事で相手を不快にさせる現象

2011年07月19日 18時10分46秒 | アニメ、ゲーム、映画等
ごきげんよう諸君、いかがお過ごしかな。昨日から調子の悪い霧島である。一昨日京都に戻ってきた時点でそんなに体調良くなかったのだが、昨日は家庭教師の上に甥と姪の相手を結構長い時間やったので、一気に調子を崩した。基本的に脳障害者で、午前中活動したら午後は昼寝する事を医者から推奨されてる様な人間なので、疲れると一気に駄目になるのだ。

そう言えば先日の記事でクダが北朝鮮関係団体に金払ってたという話をしたが、菅、鳩山だけじゃない民主党の『“北”との深い繋がり』…鷲尾・拉致委理事や黒岩法務政務官までもが…なんてのも出てきてもりあがってまいりました状態である。しかしコレ、全然話題にならないな。驚くほど大問題なんだが。

つうか、スパイにとって保守政治家というのは絶好の隠れ蓑とか割とスパイ小説の世界である。いや、歴史上でもそういう事いくらでもあったけど、日本人にしてみりゃジェームズ・ボンドとかの世界だからな、スパイなんて。


さて、本題である。ここのところ、貴子さんことかきみーらさんが格ゲーで苦しんでいる様子である。というのも、対戦相手が読み合い拒否のぶっぱなししかしないらしい。私は先日までPC版ギルティギア#リロード青を結構やっていたのだが、こちらでも確かにそういう奴が多かった。そういうのと戦うのは本当に時間の無駄なだけだったしあの人の言いたい事はよく判る。

…と、これだけ言って判る人というのはここの読者には結構いる気もするが、普通の人は判らんだろう。対戦格闘をやってない人にはわからん話題だからな。そこで、格ゲーのシステムを解説しながら、この問題について今日は取り上げようと思う。


格ゲーと言っても、王道のスト2シリーズからカプコンvsシリーズ、SNKのサムライスピリッツやKOFシリーズ、アークのブレイブルーや北斗と色々ある。面白さもそれぞれだ。例えば北斗やブレイブルーみたいなコンボゲーは、難易度の高いコンボを実戦で完璧に決める面白さがある。即死コンボ決めた時の達成感とかな。しかし、格ゲー全体に流れる共通の面白さというものもある。

それが、駆け引き、言い換えれば読み合いである。例えばだな、対戦格闘における攻撃をおおまかに分けると四種類ある。その1が、下段攻撃。これは足払いとかの技で、立ったままガードすると防御できず食らう。と言うのも、格ゲーの防御というのは立ったままガードする「立ちガード」としゃがんで防御する「しゃがみガード」の二種類があり、下段はしゃがみガードでないと防御できないのだ。

逆に、立っていないと防御できない攻撃というのもある。これがその2の中段攻撃で、これは上から殴りかかる攻撃とかに多く、しゃがんでガードしようとしても防御できない。空中攻撃なんかもしゃがみガード不可というゲームが多く。これも中段と言えるだろう。一方その3は立ちでもしゃがみでもガードできるという先の二つに比べると大変頼りない攻撃である。頼りないせいか、特に名前も決まっていない。

つうか、立ってないとガードできないのが上段、しゃがんでないとガードできないのが下段ってのが普通なんじゃないのか。これについて私の格ゲー師匠であるコラセ氏に聞いてみたところ、中段とか言い出したのはバーチャファイターの時代かららしいからバーチャ勢に言ってくれとの事だった。バーチャについては全くの素人だから判らないんだよなぁ…

まぁ、それはさておき。今四種類の内三種類を紹介したが、前者二つ、中段と下段が格ゲー読み合いの基本である。ここで、起き攻めというのについてちょっと講釈をたれねばならない。起き攻めというのは、その名の通り一回倒れた相手が起き上がってくるところを攻撃する戦法で、現在の格ゲーでは基本中の基本になっている。

と言うのもだな、例えばお互い立っている素の状態で、一方が走りこんで攻撃しようとしたとする。しかし攻撃を出そうとしても、相手は自由に動けるので、「防御する」以外にも「バックステップ等で距離をとる」「ジャンプして逃げる」「むしろ迎撃でこちらが攻撃する」といった感じで様々な対応を取る事が可能なのだ。しかしながら、起き上がりはこうもいかない。何故なら一旦ダウンしてから起き上がるまでは操作不能なので、起き上がりに合わせて攻撃すると基本的に防御する以外対処法が無いのである。

ここで、中段と下段の出番となる。中段は立ちガードでないと防御できず、下段はしゃがみガードでないと防御できない。要するに、起き攻めする側は中段か下段を出し、一方起き攻めされる側は中段が来るか下段が来るか読んで防御するという読み合いが発生する訳である。

これだけ聞くと、格ゲーを知らない人はこういう風に考えるだろう。それ、読み合いじゃなくて決め打ちじゃないかと。実際、攻撃側の繰り出す中段と下段が、出の速さから威力から何から何まで同じ攻撃だったら決め打ちである。読むも何も無い。しかしながら、実際にはそうではない。ギルティにおける私の持ちキャラ、緋村剣心女丹下左膳こと梅喧を例にとって説明しよう。バージョンは青リロで。ちなみにギルティ知ってる人は、畳については一旦忘れてほしい。

梅は、低空妖斬扇(中段)と下段の二択が強力なキャラと一般には言われている。実際、低空妖斬扇は出が異様に速く、発生が9フレーム(要するに、梅のプレイヤーがコマンドを入力してから60分の9秒で相手が技を食らう)で人には見えない速度。見てから反応するのは不可能なので、先読みで中段ガードしなければならない。その一方、下段は下段でしゃがみキックが発生5フレーム、それよりは遅い足払いも発生が8フレームなので、やっぱり見てから反応できる速度ではない。

って事はやっぱ決め打ちじゃねーかと思うかもしれんが、さもありなん。低空妖斬扇は、当たったとしても追撃を入れるのに超必殺技ゲージが半分必要な上、もしガードされてしまったら確実に反撃を貰う。一応、追撃を入れる時に使うのと同じ技術を使えば反撃を食らわないで済むのだが、当然ながら超必殺技ゲージ半分が必要である。つまり、超必殺技ゲージがないと低空妖斬扇はハイリスクローリターンなのだ。

一方、下段はガードされても反撃は確定しない。それに、超必殺技ゲージを使わなくても下段技からコンボを始動して追撃を入れられるのでローリスクハイリターンだ。まぁ、超必殺技ゲージ使えばダメージ伸びるけど。こう考えると、起き攻めの二択は単純な決め打ちではない事が判ってくる。例えば、梅が起き攻めをしてくる時、超必殺技ゲージが溜まっていなければ下段ガードが安定な訳だ。

ただ、何も考えず下段ガードばっかり繰り返してると、ハイリスクローリターンでもガードされるよりゃ当たる方がいいってんで中段が飛んでくる可能性もある。低空妖斬扇以上のハイリスクだがハイリターンな中段のダストってのもあるしな。その辺が読み合いの部分である。

ここで、更にもう一つ選択肢がある。先程格ゲーの攻撃には四種類あると言い、中段、下段、立ちでもしゃがみでもガードできる攻撃の三種類まで紹介した。その4をここに紹介しよう。それは投げである。密着している状態でのみ出せる攻撃で、立っていようがしゃがんでいようが防御できない。ゲームによっては、投げ抜けと言って投げ技から抜ける事もできるのだが一般的ではない。少なくともギルティには存在しない。

ガード不能と言うから一見すると滅茶苦茶強い技に見える。実際強い。しかし、格ゲーにおける投げというのは、キャラとかゲームにもよるがキスできるぐらい近づいてないと出ない。手を伸ばせば届く、ぐらいでは駄目なのである。そして、投げるためにはそこまで歩かなければならない。目の前を無防備に歩いてくるのだから、相手にしてみればいい的である。投げの距離に入る前に殴られたら終わりだ。それに、空中の敵は投げられないのでジャンプされても駄目だ。

この投げが加わると、起き上がりの読み合いは更に複雑になる。中段と下段だけなら、立ちにしろしゃがみにしろとにかくガードすればいい。しかし、投げは防御できない。梅の場合、画面端限定だが投げ始動コンボもあるので、何も考えず防御ばかりしてると投げられてボコボコにされる。

さっきも言ったが、投げに対する対処手段は二つ。投げられる前に殴る、ジャンプする、この二つだ。前者を暴れ、後者をジャンプ抜けという。当然の事だが、起き攻めにかかる梅が投げではなく打撃(中段か下段)を出していた場合、どっちであろうが一方的にダメージを受けるのが普通である。

暴れは、梅は起き攻めする為に攻撃を早めに出しているのに対し、起き攻めされる側は起き上がってから技が発動する訳である。当然、技の出が間に合わず殴り負けるのが普通だ。無論、梅使いがちゃんと起き上がりに技を重ねられていなければ、技の出が間に合って殴り勝てる場合もあるが。もう一方のジャンプ抜けはもっと酷く、ただジャンプするだけなのでどう頑張っても殴られて終了である。

中段が来るか下段が来るかを読んでガードするか、投げを読んで暴れるかジャンプするか。起き攻めに至るまで(梅が相手をダウンさせるまで)の立ち回りで投げが多用されていれば、投げが来る可能性は低いだろう。超必殺技ゲージが溜まっていれば、中段の低空妖斬扇が来る可能性も高い。そういう感じで読みあいながらガードし、梅使いも相手が何を考えているかよく考え、裏をかける様技を出すのである。


斯様に、格ゲーというのは読み合いが重要であり、又、そこが楽しいのである。勿論、格ゲーの読み合いというのは起き攻めだけではない。起き攻めが一番説明しやすいから起き攻めを例にしただけだ。

で、だ。ここで、冒頭の「読み合い拒否のぶっぱなし」に戻ってくる。それはギルティだとぶっぱソルが当たるのだが…諸君も、昇龍拳の名前ぐらいは知っているだろう。しょーりゅーけんとか言いながらジャンピングアッパーする技。アレ、実は技の出始めが無敵の技である。どういう事かというとだな、波動拳みたいな飛び道具が飛んできたとする。その飛び道具が着弾する瞬間しょーりゅーけんとやると出始めの無敵時間を使ってすり抜けられるのだ。

システム的な話をするとだな、格ゲーのキャラには「当たり判定」と「食らい判定」というのがある。当たり判定とは、これに当たるとダメージを受ける/与える部分。例えば正拳突き攻撃なら拳の先に存在するし、剣を突き出す攻撃なら剣の部分にある。当然の事だが、攻撃を出した時しか出ない。一方食らい判定はこの部分に当たり判定が重なるとダメージを食らうというもので、基本的に、キャラの身体全体に常時存在する。

だから、正拳突きを食らってダメージを受けた場合、敵キャラの拳にある当たり判定と自キャラの身体(食らい判定)が重なったからダメージを受けた、という事なのだ。昇龍拳の無敵は一時的にこの食らい判定が消滅するという事である。食らい判定が無ければ、飛び道具を食らおうが殴られようが蹴られようが、はたまた斬られようが刺されようが撃たれようがノーダメージ。それが格ゲーの法則なのだ。

さて、又ギルティを例に取ろう。キモ男ソルというキャラがいるのだが、こいつは昇龍拳に良く似たヴォルカニックヴァイパーという技を持っている。モーションは炎をまとったジャンピングアッパーといったところで、技の出がかりに無敵がある。当然ながら敵が出した技とカチ合えばほぼ確実に勝てる(向こうが一方的にダメージを受ける)。が、ジャンピングアッパーという特性上空中に飛び上がる上、着地するまで殆ど操作できないのでガードされてしまうと着地を狙われてえらい事になる。

まぁそういう技なのだが、起き攻めされている時にも使い道がある。こちらが倒れていて、相手が起き攻めしようとしている時だな。起き上がりにヴォルカを出すとどうなるかと言うと、こっちは無敵になるので相手の出そうとしてる技が何だろうが一方的に勝てる、つまり起き攻めを潰せるのである。さっき言った、低空妖斬扇だろうがダストだろうがしゃがみキックだろうが足払いだろうが、はたまた投げだろうが関係ない。確実に潰せる。

読み合い拒否で暴れしかしないというのは、要するに、起き上がりにヴォルカを出す事しかしない様な奴の事である。何があろうがひたすらヴォルカニックヴァイパーヴぉるかにっくヴぁいぱーヴォルカニックヴァイパー。ちなみにこういう奴に対する対処手段は簡単で、防御して着地を狙えばいい。

これの何が問題って、毎回暴れられると読み合いもクソもなくなるのである。格ゲーはゲームスピードが速いので何もかも考え尽くした上でやるというのは無理だが、そこまでいかないにしても「あのキャラはこれが強いからそれ出してくるかな」とか「自分の使うキャラはこれが弱いからそこに漬け込んでくるだろうな」とか、そういう風に考えながらやるのが楽しい訳だ。

しかし、何も考えず毎回毎回暴れられると、その読み合いが何もなくなる。暴れにはちゃんと狩り方というのがある(例えばヴォルカ連発に対しては取り敢えずガードだな。詐欺飛びとか他にもある)から、毎回暴れると判っていればただひたすら暴れを狩る作業を続ければ簡単に勝つ事ができる。

しかしだ。

そんな作業が楽しいか?

どんなゲームだって最終的には作業だと言えばそうかもしれんが、様々な要素を絡めた読み合いを楽しむゲームが、ただひたすら暴れを狩る作業だけで終わってしまうのはつまらん。しかも、これが厄介なのだが、そいつが暴れしかしないかどうかは何度も戦ってみないとわからない。暴れはハイリスクハイリターンな戦法なので普通はそんなに使わないし、ましてや何度も何度も連続して使うものではない。

なので、ある程度上手い人に限ってダウンさせる→暴れられて食らう→何とかもう一回ダウンさせる→また暴れられるという感じで悉く攻めを覆され、負けてしまうのである。つまらん作業を続けないと勝てない上に、その作業に辿り着くまでに負ける事すらあるのだ。確かにイライラするだろうしつまらないだろう。こんな雑魚に、という訳だな。

まぁしかもこういう奴に限って、勝つとドヤ顔負けるとぶつくさ文句なので余計に困る訳だ。


ちなみに、私がやたらツイッターで「軽量ミサイラーは腹を切って死ね」とか「ミサオンはうどんで首吊れ」言ってるのはこれに近い。ACfAのミサイルというのは、大体が一発発射ではなく何発か連続して発射される。問題なのは、一度ロックして発射すると、連続発射中はロックした相手に向かってミサイルが飛んでいくところにある。

つまり、機動性の高い軽量機に16連ミサ(その名の通り、一回引き金を引くと16発連続でミサイルを発射する)とかを積んで、敵をロックオン。後は、適当に速度特化機でなければついていけない様な速度で動き回る。この際、敵をロックし続ける必要はない。一方、そんな軽量ミサイラーを相手にする敵さんは、異様な速度で異様な動きをする軽量機をロックし続けながら追いかけ、尚且つミサイルをかわさなければならない。

強い。強い上腕前が関係ないのである。一度ロックして引き金を引いてしまえば、後は誰もついてこれないような速度で適当に動き回ればそれでいい。正直、それが適当であったとしても、軽量ミサイラーの様な高速機についていける機体はそう多くない。

まぁ、腕前が全く関係ない訳じゃないがな。強いて言えば、軽量ミサイラーに要求される腕前は死ぬ程低いのにそれの相手に要求される腕前が異様に高いのだ。ミサイル回避には一定の技術が必要とされる上、相手がミサイル垂れ流し→離脱→垂れ流し→離脱しかしない相手だった場合、相手のミサイルがなくなるまで回避し続けるのが一番いい。

これ、はっきり言ってかなり苦痛な作業なのだ。やってみるとわかるが、発射される場所が頻繁に変わる、しかも連続で飛んでくるミサイルを延々と回避し続けるのは難しいし凄くダルい。もし回避をミスってAP(HP、体力)が負けてしまったら、ミサイラーが時間切れまでひたすら逃げ続けるだけでもう勝てなくなる。ミサイラーは大体速度特化だから、追いつけないのだ。そして時間切れした時の勝敗は、APが高い方に軍配が上がる仕様だからな。

昨日だったか、ミサイル使いたかったらランクマ行けという部屋が立ってたのも仕方ないところである。ちなみにランクマというのは、まぁ詳細に説明するのでめんどくさいので一言で言うと厨戦法から厨機体まで何でもありの仁義なき戦いをするとこである。私はミサイル使いたかったらランクマ行けとまでは言わんが、軽量ミサイラーとか両背ミサイル垂れ流しとかはやめてほしいな。


ま、最後は話が思いっきりずれたが、頭を使って楽しむゲームで頭を使わずに勝てる方法をやられると死ぬほどつまらなくなる、という話である。頭を使ってない奴に勝つ事はできても、結局作業だからつまらないしな。

ARMORED CORE for ANSWER アセン解説記事その8 距離別戦闘概説、ロックバグ検証結果、FCS2

2011年07月17日 16時18分40秒 | アーマード・コア
ごきげんよう諸君、いかがお過ごしかな。京都に戻ってきた霧島である。暑い。本当に暑い。他人の事舐めてんのかってぐらい暑い。まぁ今日は祇園祭だし、祇園祭と言えば一年で一番暑い時期だから当たり前なんだが暑い。横浜も暑かったが本当、比較にならんぐらいの暑さだ。横浜は風が吹いたり日陰に入ればまだ結構涼しい(と言うとアレだが)だが、京都は風が吹こうが日陰に入ろうが暑い。

百葉箱の中で測定してる機械には表れない暑さである。

そう言えば昨日、ガンスリ祭を寝過ごした。一昨日、病院が凄い長い時間かかった(待合室で計三時間待った)上にそのまま友人と会うなどした為、疲れ果てて昨日はかなり体調が悪かったのである。その為布団に包まってなんとか体力を回復させていたのだが、それが仇となって寝てしまったのだ。

しかし、最近ガンスリ祭サボりすぎな気がする。主催としてあるまじき怠慢だ。もう、主催はトッポさんかバロスさんに譲った方がいいんだろうか…



さて、本日からACfA機体構築解説記事、連載再開である。催促もされてたしな。又、普通の記事を一回やったらACfA記事、ACfA記事をやったら普通の記事、という感じで更新していく予定である。

では、まず、既にある程度説明はしたのだがもう一度、単語の意味をはっきりさせる為距離別の戦闘についてもう一度記しておく。戦術概説・機体構築理論編1で書いたのと同じなので覚えてる人は読み飛ばしてよい。

遠距離狙撃戦:
600~900で行う狙撃戦。ここまで遠いと、狙撃武器でも049ANSR(軽狙撃銃)とかは全然当たらない。061ABSR(重狙撃銃)ぐらいの弾速が必要で、主力はこれに加えてレールキャノン、レールガン。ミサイルは061ANCM(BFF製分裂ミサイル)ぐらいしか当たらない。

中距離射撃戦:
400~600で行う射撃戦。ライフルからレーザーライフル、殆どのミサイルといった多種多様な武器が活躍する。又、狙撃武器としては弾速が遅く有効射程の短い049ANSR(軽狙撃銃)や049ANSC(軽狙撃砲)はこれぐらいの距離の方がむしろ活躍する。

近中距離戦:
250~400ぐらいで行われる戦闘。主にラトナ脚が得意とする、「一歩引いた距離での攻め」、もしくはそれの迎撃戦。グリント脚やアリーヤ脚でもアセン次第で可能。突撃銃、ハイレーザー系、グレネード、チェイン、プラズマ系とこちらも多様な武器が活躍する距離。この距離を維持しての戦闘では、ミサイルは発射直後に撃墜されて自爆ダメージを貰う事が多い。

張り付き:
主に250以下で文字通り敵に張り付き、高火力武器をひたすら叩き込む戦法。軽2、というかライール脚が9割を占める。マシンガンとショットガン、スラッグが主。ライール脚に腕武器マシンガン、左背スラッグ右背ミサイルはver1.4における厨の雛型。

ミサイル交差戦:
文字通り自分と敵が交差する瞬間、ミサイルを叩き込む戦法。やはり軽2が多く、マッセルシェルや散布ミサイルが使われる。本当に交差間際に使うと自爆で酷い目に遭うが、コジマミサイルや大型ミサイルもそういった使い方で当てられる。又、交差間際にクロストリガーで単発の高火力武器、例えばバズーカを叩き込む事も多い。

軽量2脚とかにホイーリング系(WHEELING01か03)を載せて垂れ流しながらQB連打で接近し、近距離から威力の高いミサイルを撃ったり、とかそういう軽量ミサイラーはどんなに下手糞でも一定の戦果をあげられるので自分の腕に絶望してる人はいいかも。ステージにパラボラを選び、障害物に隠れながらやると嫌らしさアップ。相手の寿命もストレスでマッハ。まぁそんなの対戦したら私は対戦後just kiddingとしか言わないがな。


次に、ロックバグについてである。私は以前からロックバグがどういう仕様なのかについて疑問を持っており、それについて先日検証したのでその結果だ。まず確認しておくべきは、ロックバグというのは射撃武器を発射するとロックが外れるというバグである、という事である。当然、外れた後は又ロックしなければならないので、偏差射撃が可能になるまでにはFCSのロック速度に準じた時間がかかる。

ここで出てくる疑問が、ロックが外れるという現象は左右同時に外れているのか、左右別々なのかという事である。例えば、右手に051ANNR(BFF重ライフル)、左手にR100R(ローゼンタール重ライフル)、FCSにロック速度フルチューンのユディトを選んだとする。するとFCSのロック速度は500、ロックが外れてから再度ロックを完了するまでにかかる時間はリロード時間単位で12。051とR100Rのリロード時間(武器の発射間隔)はそれぞれ35と30だ。

すると、両方を同時に発射した場合、それぞれの一発目は当然同時に発射される。しかしそのまま両方のトリガーを引きっぱなしにして発射した二発目は、それぞれリロード時間単位で5の時間差をおいて発射される。もしロックバグによるロック解除が左右の武器に同時に発生している場合、二発目の051ANNRはノーロック撃ちの筈である。

ロックが外れてからリロード時間単位で5しか時間が経ってないのに撃っちゃってるから、再ロックに12かかるFCSではノーロック撃ちになる筈なのだ。一方、左右別々にロックが外れているのであれば、二発目の051ANNRも偏差射撃になる筈である。一発目の051ANNR発射からリロード時間単位で35の時間が経ってるからな、再ロックの時間は充分足りる。

そこでプレイヤーマッチで協力者を募り、ヴァイズさんの協力を得て、検証を行った。ここに場を借りて、感謝の言葉を述べたい。ありがとうございます。

検証方法は次の通りである。まず、腕が063、それ以外の外装はソブレロ、FCSはロック速度をチューンして200にした063AN05、両手にR100Rのみの機体を組む。さっきも言ったがR100Rのリロード時間は30で、ロック速度200のFCSが再ロックにかける時間は30ピッタリ。なので、左右同時に外れていようが左右別々に外れていようが、片手のR100Rをトリガー引きっぱなしで連射するだけなら全て偏差射撃になる。

この機体で、標的機に向かって射撃を行う。一つは同時射撃、初弾を同時に発射し、以降トリガー引きっぱなしで左右のR100Rを同時に発射し続ける。もう一つは時間差射撃、右の銃の初弾を発射した後一呼吸置いてから左の初弾を発射、そのままトリガー引きっぱなし。もしロックバグで左右の武器のロックが同時に外れているのなら、時間差射撃は左のR100Rの弾が延々とノーロック撃ちになる筈である。ロック速度がR100R一丁ギリギリの分しかないんだからな。

標的機を操るヴァイズさんには距離400に立って貰い、実験開始と同時に右に通常ブースト、距離450になったら左に切り返し、又450になったら切り返し、と繰り返して貰う。同時射撃と時間差射撃はマガジン一個撃ち切るまでを1セットとし、それぞれ3セットずつ行う。こういう形で実験を行った。では結果である。


目標機のアセンブル
頭:オーギル
胴:ラトナ
腕:ラトナ
脚:ライール
横B:シェダル
ブーストチューンなし、PAチューンなし
MAXAP:32680

同時発射テスト
1:10833
2:8224
3:8107

時間差射撃テスト
1:4675
2:5590
3:3958

同時発射のつもりがミスって時間差発射になった奴:3537

※テスト結果の数値は目標機体の残AP


まぁ結論から言うと、左右どちらも偏差射撃になっている。時間差射撃の方がダメージが大きいのは、連続被弾によるPA減衰の関係だろうという結論になった。まぁそれはともかくとして、この実験の結果、ロックバグにおけるロック外れは左右の武器によって別々に発生しているという事が判明した。なので、例えばロック速度600のFCSであれば、リロード時間10以上の武器なら両手にどう持っても大丈夫、という事である。

但し、これは仮説段階で未確認なのだが、どうもこのゲームのロックオンというのは右側の武器が基準になっているらしい。右側の武器のリロード時間が短すぎたり反動が大きすぎたりしてロックカーソルがブレると、左側の武器に影響するばかりか右側の武器そのものにも影響する。なのでそういう武器は左側に装備すべきである。

何が言いたいかって、要するにマシンガンは左手に持てという事である。そうでなくても、リロード時間が短くて反動が大きくて近接適性が低い、という武器はできるだけ左側に持っておいた方がいい。



●FCS

さて、FCSの各部品解説である。FCSは全般に遠距離型、中距離万能型、高速機動戦型の三つに分かれると私は思っておる。これに沿って解説していこう。なお、ミサイルロック速度についてだが、たとえミサイル性能最低のインブルーでも通常ミサイルぐらいなら何とか扱える。それを踏まえて読んで欲しい。後、できればFCS性能一覧表を開きながら見てほしい。尚、FCSの各パラメータの意味に関してはFCS1を参照。


YELLOWSTONE01


GA傘下MSACの、ミサイルの性能を最大限に引き出す事を目的としたミサイル重視型兼遠距離狙撃型。ロック距離1000超え、ミサイルロック速度No3という事で、遠距離砲撃型から近距離で交差撃ちするミサイルまであらゆるミサイルを扱える。レーダー距離も1100と長く、更新間隔も近距離型に匹敵する(戦い方によっては無チューンでも使えるぐらい速い)速度だ。

しかしながら、ロック速度が滅茶苦茶遅いのが問題。フルチューンで176しかなく、許容できるリロード時間は35まで。つまりライフルすら扱えない。実弾の手武器で言うと、扱えるのはスナイパーライフル、ショットガン(除軽ショ)、バズーカ、グレネード。EN武器はパルス以外なら扱える。まぁ純遠距離FCSでは二番目にロック速度速いんだけど。

又、近距離で交差撃ちを行う場合右も左もミサイルならいいが、右手銃+左背ミサイルなどの組み合わせの場合微妙にロック速度が足りない。武器のリロード時間にロックバグが追い付かないとかでなく、頻繁にロックしたり外れたりを繰り返す場合は170程度のロック速度では足りないのである。もしそういう戦い方をしたいなら063FCSを使うべきだ。あちらはロック速度もそこそこある。

このFCSは、やはり遠距離型でありながらミサイルの性能も発揮できる点が大きい。ミサイルも扱う遠距離戦機で、近接防御火器を単発系orEN兵器で固めるとかなら検討に値する。尚、並列処理性能700はダブルトリガーがギリギリ実用できるかできないかの瀬戸際。基本的には考えない方がいい。もしダブルトリガーするなら、両手ともに近接適性が高くて重量も軽いものを選び腕の性能も重視しないと狙点移動速度がgdgdでどうにもならない。

幸いレーダー性能は高いので、近距離でも敵を見失う恐れは少ない。さっきもちょろっと言ったが、交差戦さえ想定しないならレーダーは無チューンでも戦える。そしてこのFCSは交差戦には向かない。まぁ、レーダー更新間隔は短いに越した事はないんだけどな。


YELLOWSTONE03


イエローストーン01の方向性を更に先鋭化させた、ミサイル特化FCS。ロック速度が5(フルチューン10)落ちた代わりにロック距離が100増え、ミサイルロック速度も圧倒的No1の地位を得た。しかしながら、イエローストーン01の自慢だったレーダー更新間隔は大幅に劣化している。ロック速度フルチューンで許容できるリロード速度は37まで。基本的に、扱える武器はイエローストーン01と変わらない。

あまり語る事は多くない。01と比べると、よりミサイルと遠距離狙撃戦に特化してるなぁというのが印象。しかし正直、それ以上にレーダー更新間隔の暴落ぶりが酷過ぎるというのが目につく。フルチューンすれば近接防御火器を使った迎撃戦なら十分こなせるが、01はノーチューンでもそれができた訳である。そして、No1になったミサイルロック速度と更新間隔以外、そう劇的に変わった数値というのは無い。

このFCSを選ぶのは、余程ロックの遅いミサイルを遠距離からボラボラするのに特化したい時…と言おうと思ったが、よく考えたら遠距離から撃つんだったらそんなにミサロック速度いらん。ので、このFCSは、ミサイルも使うし遠距離戦もする機体なのだがイエローストーン01では微妙にロック距離とレーダー距離が足りない、もしくは同様の機体だが近距離でミサイルを使った戦闘を行うつもりであり、故に01ではミサイルロック速度が足りない、という時に使うものだろう。

そうでないなら、ロック距離は100の差であり、ミサイルロック速度も十分実用的な速度だ、01でいい。こっちはレーダーをチューンしないと話にならないが、向こうはしなくてもなんとかなるというのも魅力である。ならばこのFCSを使う事などそう無いではないか、と思うかもしれんが、さもありなん。

遠距離戦をする機体と言うと、狙撃機と重量機である。前者は遠距離戦主体だから当然、後者は全距離対応の武装を備え、あらゆる距離で撃ち合えなければいけないからこれも当然である。そしてこの二者はできる限りAPと装甲を高めたいという点でも共通している。狙撃機は引き機でもあるから開幕から引ける様APを高めたいし、軟らかい&AP低い重量機なんて動く的だからやはり堅くしてAPを上げたい。

となると、防御力やAPの高い頭をも装備したくなる。例えば047頭をSS頭に挿げ替えれば、APが1300ぐらい増える。この1300の差は大きいから、是非とも積みたい訳である。しかしながら、SS頭はカメラ性能が469しかない。つまりロック距離が短くなってしまうので、FCS選択の幅が狭まってしまう。

ここで、遠距離武装をレールキャノン+重狙撃銃という形にしていたとする。こいつらは有効射程(命中が望める距離)が一番長い部類で、大体900ぐらいまでなら当たる。とは言えロック距離が900ギリギリだと、ちょっとでも離れすぎただけでロックが外れてしまうので、最大有効射程+200ぐらいは欲しい。で、SS頭を使いたい。ではイエローストーン01とどっちがいいか?

以前の公式に当てはめてみよう。1070×(469÷500)=1003.66=黄色石01の場合の最大射程。1175×(469÷500)=1102.15=黄色石03の場合の最大射程。SS頭ってのは割と適当だったんだが見事ピッタリだな。故に、長距離狙撃戦を重視するなら03を選ぶべきだという話になる訳である。無論、01でもできない事はないし、無チューンでも戦えるあのレーダー更新間隔は魅力。どこを重視するかで変わるだろう。


047AN05


BFFの遠距離狙撃型FCSの雛型。遠距離狙撃型は一般に長いロック距離とレーダー距離を持ちそれ以外死亡という性能である。つまりロック速度、ミサイルロック速度、並列処理性能、レーダー更新間隔全て死亡という事なのだが、雛型だけあってまさにその通りな性能。ロック速度がイエローストーン03に比べ更に10程度下がっておりミサイルロック速度が比べ物にならない低さだが、ロック距離とレーダー距離で大きく引き離した。

ロック速度フルチューンで許容できるリロード速度は40まで。イエローストーン01と比べるとフルチューンロック速度は23下がるが、扱える武器の種類は変わらないというところはチェックしておこう。この23は、扱える武器ではなく純粋なロック速度の差だ。

これは、軽量機の高速機動戦に巻き込まれると困る(敵が視界から消えやすく、その度に再ロックまで時間がかかる)という事なので、接近戦に事にもその分弱い。まぁどんぐりの背比べと言えばそうだが。又、並列処理も完全に死んでいるので、ダブルトリガーも諦めた方がいい。

正直言って、殆どの機体において、ここまでのロック距離は必要ない。よっぽどアリーヤ頭で狙撃戦しようとか考えない限りはな。イエローストーン03で充分である。ただ、03に比べてレーダー更新間隔がある程度改善されている。ので、クロストリガーの専門のミサイルを使わない重量機で、イエローストーン01ではロック距離が足りない場合はタイマンでも出番がある。

しかしこのFCSは、むしろこのレーダー性能を考えるとバトルロイヤルやチームマッチで有用な部品である。まぁバトルロイヤルは私はやらないからアレだが、チームマッチだと広範囲レーダーを持っている事は非常に重要だ。何処で敵と味方が何機と何機で戦っているか、例えば東で味方1機対敵2機、西で味方2機対敵2機が行われてるとして、レーダー範囲が狭いとどっちかの戦闘しか見えない、甚だしくは両方見えない事にもなりかねないのである。

東に加勢して味方を助けるか西に加勢して一気に敵の数を減らすかはその時次第だが、レーダー範囲が狭いとそういった戦術判断がそもそもできないのである。又、特に狙撃機などは機動力が低く、乱戦に巻き込まれて複数の敵機に追いかけられると大抵は即死する。タンクですらよってたかって即死させられる事があるのがチーム戦だからな。

そもそも狙撃機は狙撃する為に作ってあるのであって、味方の後ろから延々と狙撃で援護する事こそ本義であり味方の役に立つ道である。故に、ロックしている敵を追いかけてる内に気付いたら乱戦の中にいた、とか、必死に狙撃してたら気付かない内に他の敵が近づいてきてた、なんてのはマズいのだ。そういう事が無い様に、範囲の広いレーダーを持っておくのは大切なのである。

その点、このFCSは長いロック距離と長い長距離レーダーを両立しており、大変有用なFCSだと言う事ができる訳だな。最後になったが、遠距離FCSでは消費ENが低い方でもあるので、そこも加味して検討しよう。


061AN05


重狙撃用四脚専用に開発されただけあって、ロック距離とレーダー距離が最早ヤケクソとかそういう勢いに達した狙撃特化FCS。全FCS中ロック速度最下位だが、047と比べると誤差程度しか下がっていない。むしろミサイルロック速度が実用レベルになっており、流石に散布ミサイルみたいなおっそいのは無理だが、組み合わせと戦術次第では充分ミサイルも使える機体を組める。

だが最大の特徴はやはり圧倒的なレーダー距離とロック距離。これだけレーダー距離があれば、チーム戦でも困る事は殆どない。又、正直ここまでのロック距離は必要ないとよく言われるが、逆にカメラ性能の高い047頭を組み合わせると熱源ロック664が確保できるのだ。これだけあれば、地形に隠れて接近する敵を完全に捕捉する事が出来、又、地形戦に対処するにも仕掛けるにしてもかなり有利になる。

なので、逆に特化してしまってロック距離を異様に伸ばすのも一つの手である。勿論、レーダー重視とかそっちでこれを選ぶのも全然アリだ。ただレーダー更新間隔は残念なので注意する事。尚、ロック速度フルチューンで150、許容できるリロード時間は40まで。


LAURA


変態アクアビットの香水FCS三人衆その2。本来ならもっと後に紹介すべきFCSだが、どうみても性能が遠距離型なのでここで説明する。

基本的には、イエローストーン01からミサイル性能とレーダー更新間隔を取り上げ、代わりにロック速度をパワーアップさせた性能になっている。未チューンで146、フルチューンで260という速度は遠距離型FCSとしては圧倒的であり、敵が視界から消えやすい重量機には福音となりうるFCSと言える。

又、どいつもこいつも物凄いENを消費する遠距離FCSカテゴリにあって、鬼の低消費。256しかない。遠距離FCS中低消費NO2の047AN05でも500、ワーストの黄色石03は810である事を考えれば、いかに消費ENが少ないかよく判るだろう。狙撃機はレールキャノンだのレールガンだのと燃費の悪い武器を積まなければならない機会が多いので、これも福音となりえると言える。

但し忘れてはならないのは、「ミサイル適性を排除」と書いてある通りミサイルロック速度が死んでいる事、そしてレーダー更新間隔の死にっぷりが半端ではない事。他の遠距離型FCSは何だかんだと言ってもフルチューンすれば30台前半まで更新間隔を短縮できるが、こいつはフルチューンでも43。この差は決して小さくなく、近距離で死角に入り込んでうろちょろする軽量機への対処は確実に遅れる事になる。

そういった欠点を飲めるかどうかが、このFCSを選ぶかどうかにかかってくる。尚、ロック速度フルチューンで許容できるリロード時間は24まで。又、並列処理性能もここまで来るとダブルトリガーは諦めた方がいいのでクロストリガーにしたい。レーダー更新間隔が死んでるのに背レーダーを積みにくいというのもこのFCSを装備しにくい理由のひとつである。

あとどうでもいいが、射撃特化なのになんだこのブレードロックの長さは。


OMNIA


LAURAと同じく、順番違い。こちらは本来中距離万能型なのだが、万能型として中距離射撃機とかに使うと器用貧乏にしかならないが遠距離型として使うと優秀なFCSに化けるのでここに位置してもらった。性能としては、EN消費激増とロック距離短縮の代わりに性能を底上げしたLAURA。

ロック距離が980になってしまっているので、一定以上のカメラ性能がある頭と組み合わせないと、特に狙撃機には使えない。しかしそれを補って余りある高性能が魅力で、遠距離型最速を誇るLAURAと同等のロック速度(僅かだがこっちのが速い)、遠距離型としては充分なミサイルロック速度、実用的なレーダー更新間隔と全ての性能が高い次元でまとまっている。

又、中距離万能型ではなく遠距離型として見た場合唯一実用レベルの並列処理能力を持つFCSであり、ダブルトリガーで戦う事も可能。他の遠距離型FCSはクロストリガーでないとまともに戦えなかったので、アセンの幅が広がる。重くて近接適性の低いのを両手に持って無条件にブンブン振り回せるほど高い並列処理でもないが、遠距離型ではできなかった事が出来る様になるのは大きい。

EN消費と頭部選択の不自由さを飲めるなら、是非とも検討してほしいトーラスの逸品だ。ロック速度フルチューンで272、許容できるリロード時間は23まで。

尚、最初も言ったが中距離万能型として見ると器用貧乏、と言うか063AN05の劣化である。ロック速度はどっこいだがミサイルでボロ負け、並列処理も負け、レーダー更新間隔も負け。ロック距離は勝ってるが中距離万能型としては063の数値があれば充分なので意味なし。よってレーダー距離ぐらいしか勝ってるところが無い。それすら100しか変わらないし。うーん、どうしてもカメラ性能劣悪な頭しか選べなくてかつ狙撃銃みたいな武器積んでる中距離射撃戦機に使ってみる?

新作ガンダム「ガンダムAGE」に対する霧島家公式見解

2011年07月15日 16時16分05秒 | アニメ、ゲーム、映画等
ごきげんよう諸君、いかがお過ごしかな。本日病院の霧島である。昨日早く寝たんだが四時ぐらいに起きてしまったので眠い。さっさと書いて昼寝しようと思っておる。もう四時過ぎてるけどな。

ところで、しょばんあんてなを見てたら菅総理、国民の税金である政党助成金から1億2000万円を北朝鮮の組織に献金していたことが判明という記事があった。これ、ひょっとしなくてもえらい事じゃないのか? ツイッターでも全然話題にしてる人いないから逆に不安になってきたんだが。まぁクダが売国奴なのは今に始まったこっちゃないが、しかしなぁ。

金貰ってたんならまだしも払ってるんだもんなぁ。


とまぁ、つかみとは全く関係なく本題である。本当ならこの間話してたジルオールのレビューとか、同じくこの間ツイッターでよく話題にしてた信長の野望のレビューでもしたいのだが、現在横浜でキャプチャー環境が無い。ので、昨日ごてぃ氏に貰ったお題として新作ガンダムガンダムアゲについての当家の公式見解でも述べておこうと思う。

尚、今日の記事を読む前に、私の以前の記事、劇場版ガンダム00の歴史的意義について 前編後編を読んでない人は読んでおいてほしい。又、今回話題にするガンダムAGEというのはこの間製作が発表された新作のガンダムである。これ。

さて、今回はガンダムイナズマイレブンとか言われておるところから判るとおり、子供向けが前面に押し出された作品になる気配である。これを見た宇宙世紀に魂を引かれた厨房達はいつもどおり叩きまくっておるな。愚かと言わざるを得ない連中である。その中でもガンダムというものを全く理解していない発言が「このアニメがガンダムである必要があるのか」である。

たわけめが。

それを言ったら初代、Z、ZZ、逆シャア以外ガンダムである必要のある作品など無いわ。

初代はともかくとして、その直系の続編であるZ、更にその続編となるZZ、そしてアムロとシャアの因縁に終止符を打つ逆襲のシャア、こいつらはガンダムでやる必要があるし、ガンダム以外の枠ではやれない作品だ。しかしながら、例えば同じ宇宙世紀でも0083とか「おっさんかっこえー」アニメとかガンダムである必要はまるで無いし、MSクソルーIGLOOも戦争映画作ってろと言われてもしょうがない内容だ。

08小隊はただでさえ敵味方のラブロマンスという主題が同じガンダムシリーズ内でかぶってる上に泥臭い戦争やりたいならボトムズでいいし、F91やらVなんか新しいロボットアニメでやっても違和感が無い内容。アナザーガンダムに目を向ければ、それこそ宇宙世紀でもないんだしガンダムである必要は無い。ターンエーは世界名作劇場だし。

こういった作品群は、ガンダムでやる必要は無い。言い換えれば、ガンダムでなければならない理由は無い作品群であると言える。しかしながら、私は今挙げた作品のどれもが、ガンダムに必要な作品群であると考えている。えせミリタリーであろうがおっさんであろうがラブロマンスであろうが、スーパーロボット風(G)であろうが宝塚風(W)であろうが、これらがガンダムである必要は無いが、そういうものをガンダムでやる必要はある

以前言った通り、初代ガンダムというのは非常に多くの要素を内包したアニメであった。少年少女の成長物語であったし、戦争映画風の部分も大いにあったし、かっこいいジオン軍人に憧れるアニメでもあった。ラブロマンスだってあったし、スーパーロボット要素もあった。えせミリタリー要素だって。

しかしながら、Z以降、つまりZ、ZZ、逆襲のシャアというのはいわゆる「リアルロボット路線」特化の内容であった。リアルロボット的アニメというのも確かにガンダムの重要な色合いであったが、それだけがガンダムだった訳ではない。ガンダムとはもっと多様なものだったのだ。だからこそ、えせミリタリーガンダムとかラブロマンスガンダムとかそういうものの需要はあるし、又、そういった様々なガンダムワールドを開拓、発展させるべきなのだ。

無論、母屋を取らない限りという条件はつくがな。初代ガンダムとは全く違う世界観の00とか種はまぁ例外として、宇宙世紀でやるなら既存の作品の枠内でやらなければならん。外伝なんだから、正伝を乗っ取ってはいかんのである。そういう意味では、今OVAやってるユニコーンはぼくのかんがえたさいきょうがんだむ以外の何者でもないし、宇宙世紀の歴史を滅茶苦茶にする暗黒作である。


ま、ユニコーンは置いておこう。論ずるにも値せぬ愚作だからな。

今回のガンダムAGEは、子供向けを大いにアッピルしておる。これは、私が待ち望んでいたガンダムである。と言っても、このガンダムAGEが私の最も好きな作品になるという事は多分無い。それでも、私は子供向けガンダムをずっと待ち望んでいたのだ。ずっとずっと、な。

ガンダムというのは、元々子供達のものだ。確かに初代ガンダムの内容は難解なところがあり、実際、最初のテレビ放映時は視聴率が振るわなかった。その場その場で何とか視聴率を稼ごうとビックリドッキリメカを出したりもした。これはGアーマーが有名だが、実はジオンの量産機も当初の予定では最後までザクだけであった。新型機が出たのは視聴率の関係である。後おもちゃ屋。

しかし劇場版が公開され、普段テレビアニメを見なかった年齢層にブームが起こるとそれは子供達にも伝播。結果、子供達は再放送のガンダムに夢中になり、ガンプラブームに熱狂してバンダイが大企業となるきっかけともなった。そのガンプラ(ガンダムのプラモデル)の値段「300円」が、「小学生のお小遣いでも充分買える値段」として設定されていたのは象徴的な事例である。実に、ガンダムは子供のものであった。

しかしながら、その後のガンダムが子供の方を向いていたとは言い難い。と言うのも、やはり初代ガンダムの内容というのは子供には難解な面が多々あった。なので、子供達が熱狂した側面は、初代の中でも特に限定的な部分に対してであった。それが、「かっこいいおっさん」や「えせミリタリー」である。これは、そういったものに憧れる子供ならではの感情によるものであろう。そしてもう一つ。「ガンダムは他のアニメ(子供向け)とは違うんだ」という早めに発病した厨2病だ。

Z以降のガンダムは、基本的に初代放映時子供だった連中の方を向いていると言える。アナザーなんかは全く向いてないのも多いが、富野の作ったガンダムはターンエーとZZ前半を除けば全て早めの厨2病を満足させるものだ。0083やIGLOOの様な、初代放映時子供でその時の理解力のまま大きくなった連中向けに作られたものは、どんな駄作でも必ず一定の評価が得られる。

アナザーでも、Wなんかは戦隊ガンダムのはしりだの揶揄される事が多いものの内容自体は結構複雑だし台詞も難解なものがみられる。ウィンキースタッフ(昔のスパロボを作ってた連中)ですらトレーズ様を指して「何を言ってるのか判らない」と大変恥ずかしい台詞を吐いちゃうレベルである。00も、特に1期前半は子供には難しい内容だ。

しかしながら、本来ガンダムは子供のものであった。富野以外認めないとか、ガンダムは泥臭いのがいいとか、おっさんだけでいいとかそういう事を言ってる連中こそ当時子供として初代に熱中し、そのまま大きくなった人間なのだからな。当然だが、ガンダムは彼らだけのものではない。時は移ろう。種を見ていた小学生が、いまや大学生になっている時代なのだ。ガンダムは今を生きる子供達のものでもあるのである。

そういう意味で、子供向けを前面に押し出したガンダムが製作される事は大変喜ばしい事と言わねばならない。正直、平成になってから作られたガンダムで子供の方を向いていた奴と言えばGと種ぐらいだからな。無論、以前から言っておる通りこれで子供向けガンダムが量産されても困る。ここらで一度ガチで子供向けのガンダムを一つやっておく必要がある、という事だ。


又、世の中には、「これ以上ガンダムを作る必要があるのか」という方向で攻めてくる論者もいる。初代の直系の続編にあたる作品(Zとか)や宇宙世紀の歴史の裏側を描いた外伝(0080とか)の存在意義は判るとして、世界観も何も全く異なるものをガンダムとして製作する理由はあるのか、という意見である。

これに関しても、私は様々なガンダムワールドを開拓し発展させる為必要と考えているが、同時にガンダムでしかできない仕掛けというものがある。これがなかなか面白いので、私としてはアナザーのガンダムもどんどん作っていってほしいと思っておる。それはどういう仕掛けかというと…そうだな。

アナザーガンダムはどれもそうだが、「ガンダム」というものに特別な意味がある。特に00はそれが強い意義を持っておる。象徴的なのが0ガンダムで、00世界で最初に開発されたガンダム。即ち、世界で最初に誕生した戦争根絶の為の兵器であり人類の革新の為の兵器でありそして主人公の刹那が神と崇めた兵器である。

特に一番最後が重要だ。この0ガンダム、デザインが初代ガンダムそのものである。つまり、刹那が神と崇めたガンダムこそガンダムオタが神と崇めるガンダムなのである。これは非常に面白い図式だと思うのだ。1期で、刹那が「俺がガンダムだ」「俺はガンダムになれない」とか言ってるのは、要するに幼い頃自分を救ってくれて以来神と崇めているガンダムという存在に自分もなりたい、という事だ。

その願望の原点が、ガンダムオタにとっての神である初代ガンダムと同じ形をしておるのだ。しかも刹那の命を救った時搭乗していたリボンズ・アルマークの中の人はアムロ。完全に狙ってやってる。しかもそのリボンズが、2期以降敵の親玉として登場し、最終決戦では0ガンダムに乗ってくる。これに対し、刹那は00の象徴機であるエクシアに乗って戦いを挑む。この戦いにおいて刹那の言った台詞が又面白い。

「ガンダムエクシア、刹那・F・セイエイ、未来を切り開く!」

機動戦士ガンダム00という新時代のガンダム作品の象徴であるエクシアが、初代ガンダムと同じ形をし中の人が同じ人を乗せた0ガンダムに向かって刃を向け、「未来を切り開く」と言ったのだ。しかもそのエクシアの搭乗員刹那は、かつて0ガンダムを崇拝していた男である。ガンダムオタが神と崇めるガンダムを、同じく神と崇めていた男が、未来を切り開く為敢えて戦いを挑むのだ。ガンダムであればこそ出来た図式と言える。

又、00のガンダムはさっきも言った通り人類の革新を促す兵器でもある。00のガンダムは皆GNドライブというのを搭載してるのだが、ガンダムが稼動するとGNドライブからGN粒子というのが振りまかれる。これを浴び続けると、素質のある人間はイノベイターという人類の進化形へと進化するのだ。TV版では刹那が人類初の純粋イノベイターとして覚醒していたな。

イノベイターに覚醒すれば、人間としての基本能力が上がる他テレパシーでの意思疎通が可能になる。これは、00という作品そのものが求めた対話というテーマを実践する為の有効な能力だ。人類を進化させ、人と人とをわかり合わせる為の兵器、ガンダム。

この様に、00世界においてガンダムという存在には様々な意味が込められている。そしてこれはガンダムだったからこそ可能となったのである。例えばだな。ガンダムを所有する組織、ソレスタルビーイング(CELESTIAL BEING)は天の存在ひいては天使という意味であり、各ガンダムには基本的に天使の名前がつけられている。例えばエクシアは能天使(英語だとパワー)の事だし、デュナメスも能天使の別名だ。

では、例えば00がガンダムとは何の関係もないロボットアニメだったとして、「ガンダム」という単語をどういうものにすべきだろうか。「エンジェル」では不足なのは明白である。ヘブライ語で「マルアハ」にしてみたりギリシャ語で「アンゲロス」にしても多分駄目である。ガンダムはガンダムであり、ガンダム以外には代えられないのだ。

AC4世界の歴史6 アナトリア粛清

2011年07月13日 22時45分35秒 | アーマード・コア
ごきげんよう諸君、いかがお過ごしかな。今日は時間がないので、AC4ストーリー解説最後の一回を貼り付けただけで終わりである。



前回のアスピナの考察を経て、ようやくアナトリア粛清に戻ってこれる。まずもう一度、アナトリア粛清が発生した流れを見てみよう。

1:リンクス戦争が終結
2:フィオナ(4主人公のオペレータ)が主人公に休息を求め、エミールが了承する
3:突如としてプロトタイプ・ネクストに乗ったジョシュアがアナトリアを強襲。
4:迎撃が間に合わず、アナトリアは破壊、汚染される
5:迎撃に出た主人公がジョシュアを撃破
6:No06セロが現れ、主人公はこれも撃破する(難易度ハードのみ)
7:二人は汚染されたアナトリアを後にし、アナトリアは滅亡する。

考察開始時に言った通り、誰が何の目的でどうやってアナトリアを滅ぼしたかが今回解き明かしたいところである。この内、動機については資料集にて明言されているし、作中でも示唆されているし、よしんばヒントとかがなかったとしても考えてみればすぐに判る。まぁ考えてみれば判るからと言ってAC4ストーリーモードは全く擁護できないが、それは置いといて。

「かろうじて生き残った企業は、ライフラインと秩序の回復に尽力しながら、コントロール下にないアナトリアの傭兵に恐怖し、今度はそれを排除しようとしたのだ」(61p)

まぁ、何だ。エミールの頭が悪すぎたのである。アナトリアの傭兵は非オーメル陣営の依頼も受けた事のある、金さえ用意すれば誰の味方でもする傭兵。しかもその傭兵が、単独で最精鋭ネクスト部隊から巨大兵器、六大企業まで撃破できる。そうなれば、オーメル陣営にとって当面の敵であるレイレナード陣営が潰れたら、その時一番怖いのはアナトリアの傭兵ってぐらい簡単に理解できる事である。

アナトリアはオーメル陣営に貢献したし、アクアビットの報復攻撃を受けるなど明らかにオーメル陣営として扱われていた。しかし、オーメル陣営に忠誠を誓った家臣ではなかった。むしろ、さっきも言ったとおり非オーメル陣営の依頼を受けたりする信用ならない存在だったのだ。極端な話、そこらの武装勢力が金を用意して「○○社のコロニーを襲って壊滅させてくれ」って言ったら本当にやりかねないのである。

故に、レイレナード陣営壊滅後、不要どころか危険分子となったアナトリアの粛清は当然の流れであった。故に「生き残り企業の総意」という発想も出てくるのである。この場合、まぁ何処か主導した企業があったのかもしれんが、全ての企業がアナトリアを危険分子と考えていた訳である。だから排除しましょうそうしましょうという至極判りやすい流れな訳である。よって、考えるべきは何故オーメルが実行したかのみである。

又、アナトリア粛清についてはもう一つ仮説がある。「オーメルの策謀」だ。何故オーメルの策謀という可能性があるかと言えば、勿論、粛清を実行したのがオーメルだから(アスピナもだがこの当時既にオーメルの手先)だが、私はそれを戦力評価という形で説明したい。どちらにしても、↑で言った何故オーメルが実行したか、についても戦力評価で説明するので、取り敢えず、リンクス戦争終戦時の各企業の戦力評価から。


ローゼンタール=オーメル所属リンクス
生存確実
・No06:セロ
・非オリ:ジョシュア・オブライエン
生死不明
・No13:パルメット
ハード準拠戦死済
・No04:レオハルト
・非オリ:ミド・アウリエル
※レオハルトはfAでアーキテクトとして名が残る
※生死不明は「戦力として残ってるか不明」なのでミヒャエルは除外


GAグループ所属リンクス
生存確実
・非オリ:ローディー
・非オリ:エンリケ・エルカーノ
生死不明
・No24:ワカ
ハード準拠戦死済
・No10:メノ・ルー


イクバールグループ所属リンクス
生存確実
・No17:K.K
生死不明
・No26:ナジェーダ・ドロワ
・非オリ:シブ・アニル・アンバニ
ハード準拠戦死済
・No02:サーダナ
・No25:ボリスビッチ
※fAにてサーダナは既に死んでいる事が示唆されている


インテリオルグループ所属リンクス
生存確実
・No16:霞スミカ
・No18:スティレット
・非オリ:エイ=プール
・非オリ:ヤン
生死不明
・非オリ:セーラ・アンジェリック・スメラギ
ハード準拠戦死済
・No09:サー・マウロスク
・No14:シェリング


基本的には、生存確実と生死不明を戦力として数える事にする。まずは、「企業の総意」で粛清が行われた場合、何故実行部隊がオーメルだったのかについて考えてみたい。取り敢えずざっと見渡してみると、インテリオルが圧倒的な戦力を持っており、早期に戦争から離脱したのがいかに賢かったかというのがよく判る状況である。故におめーがやれよとも思える状況である。

とは言え、インテリオルが元はと言えばレイレナード陣営というのは変わる訳ではない。故に上三企業の輪に入っていくのは難しく、又、この場合入っていく必要もない。何故なら、アナトリアの傭兵は現行最強クラスのネクストであり実行を担当する企業は貧乏籤でもあるのである。又、一見しただけだと確かにインテリオルは圧倒的な戦力を持っているが、よく見ると問題がある。

と言うのもこの時点でのインテリオルは、一企業としてはネクストの数が豊富というだけなのだ。相手は、難易度ハードであればNo01を含むレイレナード陣営最精鋭ネクスト部隊を一人で撃破した化物であり、インテリオルの最上位ナンバーオリジナルの霞スミカですら、例の最精鋭ネクスト部隊で下から二番目のナンバーだったアンシール(No15)より低ランクなのだ。

故に、数で押せば押しつぶせるかもしれないがそれ以上にインテリオルが受ける被害は半端ではないであろう事ぐらい容易に想像がつく。そしてこのアナトリア粛清は、あくまでオーメル陣営内部のものであり内部粛清とみる事もできる。

一応、GAE粛清以来アナトリアはずっとオーメル陣営一本で来てた訳だからな。だから、「あ、うちんとこは部外者なんで、まぁ中立って事で」と逃げておく事が可能なのである。それでアナトリアの傭兵とオーメル陣営の精鋭ネクストが潰しあってくれればインテリオルにとりこれほど嬉しい事はない。よって、企業の総意で粛清が行われたとして、インテリオルが粛清を実行しないのは不自然ではないと言うか、実行したら逆に不自然と言えるのである。

となると、オーメル陣営から戦力を出してアナトリア粛清を行う事になる。そのオーメル陣営を眺める前に、インテリオルについて語った時、アナトリア粛清を実行する事のデメリットを語った。では、アナトリア粛清の実行者になる事によるメリットはあるのだろうか? 結論からいうと、ある。それは、オーメル陣営勝利の原動力になったアナトリアの傭兵をも倒す実力が我が企業にはあるんだぞ、と強さをアッピルする事により、リンクス戦争後の企業間の政治的主導権を握りやすくなる、というものである。

勿論、アナトリアの傭兵を倒すまでにこちらの戦力もズタボロにされてしまったら共倒れという事になってしまい、何の意味もない。故に、実行役は美味しい役目であると同時に貧乏籤でもある訳であり、だからこそ共倒れになる可能性の高いインテリオルは実行役になるメリットが無いのだ。まぁそれはともかくとして、リンクス戦争はアナトリアの傭兵とジョシュアによって勝てたと言っていい戦争だ。その内の片方はオーメルの掌中にあり、もう片方を誰が倒すかによって戦後国際(?)政治の流れは大きく変わるのである。

さて、ではここでざっとオーメル陣営のリンクス戦争直後の戦力を見てみよう。取り敢えず酷い事になってるイクバール、オーメル陣営では一番戦力を残したローゼンタール=オーメル、ローディーが覚醒済でもローゼンタール=オーメルには見劣りするGA、という図式が見えてくる。

まぁイクバールは問題外として、問題はGAとローゼンタール=オーメルである。と言うかローディーだ。彼は4の設定でこそ粗製リンクズ扱いされていたが、フロムお得意の適当難易度調整によりCPU機体としては異様に強かった為ファンの間で「先生」と祭り上げられ、気を良くしたフロムが続編のfAで「かつて粗製と称された男は、低いAMS適性を経験で補い今やGA最高クラスのネクスト戦力となった」とかやってNo4にまで上り詰めるのである。

しかし問題は、ローディーがいつNo4相当の実力を手に入れたかである。リンクス戦争中にそこまでになった可能性も勿論あるが、同時に、終戦後、ゆっくりとランクを上げていった可能性もある。これについては資料が無い為完全に謎であり、両方の可能性を考えながら考察を続ける必要がある。

ローディーが粗製のままであったら、話は簡単である。GAは粗製三人衆生き残り二人と、No24。イクバールはNo17、No26、実力不明非オリジナルの三人。一方、ローゼンタール=オーメルはNo06のセロにジョシュア、更にNo13。そして良く見るとこの三人全員がオーメル所属である。どの企業が実行役をやるべきかは一目瞭然だ。と言うか、やれる企業がオーメルしかない

そしてこれは、仮にローディーが覚醒していたとしても変わらない。オーメルが単独でアナトリア粛清を実行できるというのは、アナトリアの傭兵と同等かそれ以上のリンクスを擁している(ジョシュア)からであり、それに加えて最上位クラスのオリジナル(セロ)で駄目押しができるからである。更に言えば、レイレナードから接収したプロトタイプ・ネクストにジョシュアを乗せる事で、ジョシュアは片道出撃になるが確実な勝利を期待できるのだ。

一方GAは、ローディーが覚醒していたとしてもそのローディーがfAでNo1に設定されてるとかそういう訳ではない。ただの最高クラスのネクストというだけでは、アナトリアの傭兵の対抗馬としては弱いのだ。何せ、相手はNo01を含むレイレナード最精鋭ネクスト部隊を撃滅しているのである。よしんば、覚醒ローディーがアナトリアの傭兵やジョシュアと同レベルだったとして、駄目押しの後詰に出せるネクストがいない。粗製三人衆筆頭やNo24ではいかにも頼りないのだ。

故に、「企業の総意」によってアナトリア粛清が行われる場合、オーメルが実行役となったのは自然な流れであったろうし、これを見事全うする事でリンクス戦争後の国際政治の舞台で優位に立とうと、むしろ積極的に引き受けたと考えるべきだ。オーメルが、本当は引き受けたくなかった(戦力すり減らす事になるし)が無理矢理引き受けさせられた、という事はあるまい。何故なら、オーメルだけが、唯一確実な勝利を期待できる企業だったのだ。当然ながら当時オーメル陣営で一番戦力の充実した企業こそがオーメルだった訳である。

アナトリア粛清実行役の担当を嫌がるオーメルに無理矢理やらせるとしたら、オーメル以上の武力で押さえつける必要がある。そんな企業は存在しないという事である。ならばオーメルが自主的に引き受けたと考えるべきであり、先程言ったメリット、戦争後の政治的主導権を握れる事を視野に入れていたと考えるのが自然だ。

尚、ここまで読んできた読者は、こう考える事もあろう。「オーメルがアナトリアの傭兵に勝てる算段を立てたなら、他の企業も勝ち馬乗りを狙ってネクストの一機ぐらい派遣してくるのでは」と。オーメルが勝ちを確信してアナトリア粛清に名乗りをあげ、そのまま成功した場合、当然オーメルは戦後政治の主導権を握る訳である。GAもイクバールもはたまたインテリオルも、自分らでやろうとするとリスクがリターンに見合わないが、オーメルが成功を確約してくれるなら勝ち馬に乗りたいのが正直なところだろう。

では何故、オーメル以外の部隊がアナトリアに攻めてこなかったのか。まぁこれも簡単な話で、そんな虫のいい話をオーメルが許さなかったというところだろう。先程確認した通り、インテリオルを除けば、オーメルはこの時点で一番強い企業だ。故にオーメル陣営の他の企業に有無を言わさぬ事は可能であるし、インテリオルはなんだかんだで部外者だから、自分の意思を強引に通したかったらオーメル陣営全てを相手取る覚悟が必要だからな。


「企業の総意」によってアナトリア粛清が行われた場合の考察はこんなところだろう。一方、「オーメルの策謀」はどう解釈すべきか考えてみよう。まず第一に考えるべきは、当時の企業の力関係である。結論から言えば、リンクス戦争終戦当時は、オーメルが天下を取ったといってもあながち誇張ではない状況であった。

まず、リンクス戦争を生き残った勢力を大きく二つに分けると、オーメル陣営とインテリオルに分かれる。さっき言った通り、インテリオルは曲がりなりにも元レイレナード陣営であり、リンクス戦争には中立だったので参戦していない。故にリンクス戦争終戦直後のこの時期、独特な存在だった考えるべきだろう。戦力も充実している。

では、オーメル陣営とインテリオルはどちらが強いか。一概には言えないが、インテリオルが勝つとは思えない。先程も言った通り、この時点でのインテリオルは、一企業としてはネクストの数が豊富というだけであり、例えばオーメルとガチンコでやりあうとすると相手は規格外の戦闘力を持つジョシュアとNo一桁最後の生き残りセロ、更にはインテリオル最強の霞スミカ以上のナンバーを持つパルメット。オーメルの数的不利は明らかだが、どう転ぶか判らない勝負ではある。

オーメル単独とのガチンコでこれだから、とてもではないがインテリオルがオーメル陣営全体に対して優勢だったとは言えないのである。では、オーメル陣営内ではどうか。これも先程分析した時出てきた結論、アナトリア粛清を実行できる戦力があるのはオーメルだけという一点だけを見ても、オーメル陣営内でオーメルが最も戦力を充実させているという事がわかる。

勿論、オーメルは基本的に小さい企業である。いやデカいけど、GAとかに比べれば小さい。故に通常戦力の数や兵站、軍需生産工場の数などでは当然劣る。しかしながらそういう時の為のローゼンタールである。資料集にはfA時代のオーメルグループ(オーメル、ローゼンタール、旧イクバール現アルゼブラが所属)の軍事についてのインタビューが載っているが、そこにはこんなんがある。

――スタイルというと? オーメルグループの軍を考えると、まずローゼンタールのノーマルとアルゼブラのアームズフォートのイメージがあり、オーメル自体の戦力はネクスト以外ぱっと思い浮かびません。
ネイサン:適材適所ですよ。GAと違い、我々の本分はテクノロジーです。グループとしてのバランスが取れていれば、オーメルが最強の軍を持つ必要はないでしょう?


これはfAの時のオーメルグループなので完全にあてはまる訳ではないとは思うが、同時に、リンクス戦争後グループのトップに立ったオーメルが急激に小さくなるというのは考えにくいので、当時からこういう関係だったと考えられる。私がこの二社をしてローゼンタール=オーメルと呼ぶ所以である。

まぁ、通常戦力とかに関してはリンクス戦争でボロボロになっていた様ではあるがな。ただ、これは恐らくどの企業も同じだろう。元々オーメル陣営は生活圏とか中枢機構をボコボコにやられたのであり、それでも何とか生き残ったという状態なのである。

エミールもChapter6の回想で「最悪の戦争は終わり、汚染された世界が残った。企業は、崩壊した秩序の回復に追われ、戦争をする余裕など、ないように思えた」と述べておる。こうなると、デカい企業ほどダメージは大きい。しかしそう考えると、ローゼンタールに通常戦力とかを任せている分オーメルの被害はまだ軽微だったと考える事もできるのであり、オーメル有利の傍証となる。

そして傍証ならまだある。それは例えばコジマ技術だ。戦前はコジマ技術の基幹技術をアクアビット、レイレナード、オーメルが独占していたという話をしたと思うが、前者二社が滅んでオーメルが残った、つまりオーメルがコジマ基幹技術を独占という形になったのである。しかもオーメルは、第二次世界大戦後アメリカがドイツの科学者を吸収したのと同様、崩壊したレイレナードの技術者を積極的に取り入れている。当然、技術力にも磨きがかかっておる。

更に、オーメルもうひとつの得意分野、金融分野もオーメルの独壇場となった。ローゼンタールをオーメルが金で操っているところから判るとおり、オーメルは金融に強い。元々BFFとローゼンタール=オーメルの対立には民族主義的なものに加え、オーメルと同様に金融に強いBFFの間にあった利害の対立もあったのである。しかし、BFFが崩壊した今、金融市場におけるオーメルの勢力拡大を止め得る者はいないのだ。

斯様に、当時のオーメルはまさに無敵であった。それを踏まえた上で、アナトリアが各企業の目にどう映っていたか、考えてみよう。リンクス戦争後、オーメルとの同盟を継続してオーメルグループの一員となったイクバールは置いておくとして、ローゼンタール=オーメル、GA、インテリオルはいずれも自分が一番になりたいと考えているのは疑う余地がない。そこまででなくとも、他の企業の後塵を拝したり、支配されたりするのはたまらない筈である。

しかしながらリンクス戦争終戦直後のこの時期、各企業はオーメルに頭が上がらない状態だったのは間違いない。そんなGAやインテリオルの目に、アナトリアの傭兵はどう映ったか。かつてのオーメル陣営の切り札にして、金さえ積めば誰の味方でもする傭兵である彼は巻き返しの切り札として映るという可能性もある訳である。これを皆が皆危険因子とみなして排除しようとした場合が「企業の総意」だな。

では逆にオーメルにしてみればアナトリアの傭兵は何か。それは当然、唯一世界で意のままにならない存在である。アスピナは既にオーメルの掌中にあり、GAやインテリオルは力と外交で押さえつける事が可能だ。しかしながら、レイレナード陣営を壊滅させうる力を持ったアナトリアの傭兵だけがオーメルから自由であり、それだけにオーメルに牙を剥く可能性を持っていたのである。

リンクス戦争で天下を取ったオーメルだが、その天下は割と薄氷のものである。時間が経てば他企業も戦力を回復させるのは必定。アクアビットの技術陣はインテリオル系に流れたし、レイレナードの技術者の全てをオーメルが吸収できた訳でもない。結果、様々な企業にコジマ基幹技術が流出した事になり、時間が経てば流出技術の解析が終わったりトーラスが出来たりして今まで通り技術独占とはいかなくなるのは間違いない。

それに金融にしたって、BFFは中央集権だったから蛇の頭を潰されたのであって、身体は残っている。いつか蘇ってくるのは確実だ。実際、戦後GAはBFF残党を支援し、BFFを復興させている。そしてBFFは管理経済戦争での恨みがある以上、復興後はこれまで以上に激しくオーメルと敵対するだろう。

又、現在インテリオルを押さえつけられる要因になっているオーメル陣営という同盟関係も、レイレナード陣営という敵がいなくなった以上遠からず霧消する筈である。こう考えると、オーメルにはあまり時間がない。ただ、一時的にせよオーメルが天下を取ったこの時期は、オーメルが雄飛する為の貴重な機会である。故に、アナトリアの傭兵に邪魔される訳にはいかないのだ。

まぁ、「オーメルの策謀」の場合のアナトリア粛清というのはこんなところだろう。又、「一部の企業は粛清に賛成で一部の企業は反対」という折衷型であった可能性もある。それでもま、大体今まで述べてきた感じであろうと考えている。そして、fAの時代に繋がっていくのだ。


レイレナード残党は地下に潜り、ORCA旅団としてかつての理想の実現を目指す。

アクアビットとGAEの残党は合流してインテリオルに保護され、トーラスを設立。

インテリオルはトーラスによってコジマ技術力を高め、単独でグループを構成。

BFFはGAの支援で復興。GAはBFFを配下につけ、世界最大のGAグループを作る。

オーメルはネクスト戦力を失ったものの政治力を発揮、企業間政治の主導権を握る。

イクバールはアルゼブラと名を変え、オーメルとの同盟を継続。

アナトリアの傭兵は第二の故郷を去り、非企業勢力の聖地ラインアークの英雄になる。


そして全てはforAnswerへと繋がるのである。


最後に、ツイッターでの私のツイートを廃品利用しよう。DQNは言う事が結構ころころ変わったのだが(まぁ変わるからこそDQNなんだが)、私がここまで色々と記事を書く発端になった発言だけは私が引用しており、残っておった。

オーメルはアナトリアと友好がないので攻撃しても自然ですが、GAは散々役立てて手の平返しましたからね。少なくとも勝戦陣営のトップとして止め得る立場だったのにアナトリアの攻撃に異は唱えなかった。でfAではBRFと建前の良い優良企業アピール。うさんくさいなと。

突っ込みどころ満載である。例えばGAはオーメル陣営(GA陣営)のトップかと言えば、オーメル陣営で一番デカい企業ってだけでそこまで重要な存在ではなかった、というのは既に述べた通りである。大体、GA陣営なんて言葉は4作中には出てこない。設定資料集とかに出てくる言葉である。作中では全部「オーメル陣営」だ。

あと、「オーメルはアナトリアとの友好がない」というのも酷いな。既に見てきた通り、リンクス戦争でアナトリアの傭兵が救ったのはGAという企業ではなくオーメル陣営全体であり、GAもオーメルもはたまたイクバールも、等しく彼に救われたのだ。だから、アナトリア粛清で裏切ったと言うならGAもオーメルもイクバールも裏切ったのであり、同様に糾弾されねばならん。

GAは基本的に、最初アナトリアを支援して傭兵業を開業できる様にしたというのと、お得意様(下請けと元請けの関係)というだけである。それを言うならローゼンタール=オーメルだって、傭兵業開始当初からネクスト戦のシミュレーションデータの収集をアナトリアに依頼していたり(シミュレータ)、BFF攻撃ではアナトリアの傭兵を存分に使ったりと関係は深い。

まぁそれは置いておこう。かのDQNが出してきた意見について、私が論点をまとめたものが残っており、彼は特に「そんな事は言ってない」とか言わなかったので概ね正しくまとめられていたのだと思う。ので、まずそれを紹介しよう。

まず彼が言うには「GAはアナトリアの傭兵から大きな貢献を受けた上でアナトリアの攻撃を看過しました」。何故看過したと言えるかと言うと「GAにはやめようと言うことも出来たのです。身体を張って止めることと諫言するのでは意味も背景も異なります」(身体を張ってまでアナトリア粛清を止めずとも、諫言すれば良い)。にも関わらずアナトリア粛清に文句も言わなかった。ならば「理由に関係なくGAは理論上アナトリア攻撃を支援したサイドになります」こんなところである。

では私の反論。まず、当時オーメルが事実上天下を取っていた事を思い出す必要がある。以前説明した通り、リンクス戦争が終わった頃のオーメルは、トーラス勃興と新しい世代のリンクスが育つまでの僅かな期間とは言え敵なしの最強勢力だった。既にコジマ技術独占企業となっており、各社の戦力がズタボロな中切り札セロとジョシュア・オブライエンを抱えていたのだからな。

次に、「身体を張って止めることと諫言するのでは意味も背景も異なります」を見てみよう。諫言って元々、それで気分を害した主君に遠ざけられたり、酷いと手討ちにされたりするのを覚悟しながらやるもんなんですが、それは置いておいて。

これは、強いて言うなら平和な国の理屈だ。GAは時代遅れの巨人で且つリンクス戦争でズタボロになったとは言えいまだ五大企業の一員。仮にアナトリア粛清がオーメル主導だったとして、粛清しようとしているオーメルにGAが「それはいかん」と言ったらどうなる? 「ちょっと痛い目見てみるか?」とオーメルに言われる可能性は考えられないだろうか?

ましてや「企業の総意」だった場合、生き残り企業の総意としてアナトリアを排除しようとする他四大企業の目の前で、かつての六大企業筆頭が「それはやめるべきだ」とか言ったらどうなるだろうか。名誉毀損とかでない限り何を言っても逮捕されない現代日本とは根本的に違うのである。

それともこのDQNは、GAが「俺はやめた方がいいって言ったからね」ってんで出した反対意見をすぐ引っ込めて、後は知らん振りを決め込むだけで満足なのだろうか。そうではあるまい。ならば、この状況において「諫言する」というのは「身体を張って止める」のとイコールではなくともニアリーイコールである。

実際のところ、この時GAがアナトリア粛清に賛成に回ったか反対に回ったか、それは不明である。何故ならその辺の事が一切発表されていないからだ。ただ確かな事は、GAの意思がどうであれ、GAが反対に回る事は不可能だったという事である。

この時のGAとオーメルのパワーバランス(オーメルが粛清発案ではなくとも実行部隊はオーメル、そして当時のオーメルに無理矢理いう事を聞かせられる企業はないのでオーメルは最低限賛同者と見られる)考えれば、もし万が一GAが身体を張ってオーメルを止めようとしたらどうなるか、判るでだろう。本社や生活圏を残らず破壊される事はなくとも、多くの社員、コロニーの住人が路頭に迷い、死ぬだろう。

それでも止めろとは、私には言えん。GAが出来る事と言えば、実行部隊は出さないとかその程度の消極的な非協力ぐらいだ。それもしないだろうけどな、オーメルを刺激する。実行部隊がオーメルだけだったのは、むしろ前述の通りの政治的配慮からだろう。

無論、オーメルとて自分が無敵なのは短い一定期間のみでやがて他の企業が復活してくるだろう事ぐらい判っているだろう。だから迂闊に無茶な事はしないだろうが、前述の通り、オーメルが雄飛するチャンスでもあるのがこの時期だ。だから、逆に言えば、他の企業も藪を突付いて蛇を出す訳にもいかないのです。何か変な事をしてオーメルを刺激するのは、GAとしては避けたい筈です。

無論これらは全てGAが反対したかったと仮定した話で、最初から賛成だったという話かもしれない。しかしながら、それについては謎としか言えないのである。最後に、「理由に関係なくGAは理論上アナトリア攻撃を支援したサイドになります。だから不信なのです」と述べているが、私には理解できない考え方である。

確かにGAは、最初からアナトリア粛清に賛成でも、心の底で反対と思いながら賛成に回らざるを得なかったとしても、攻撃したサイドだ。しかしながら、アナトリアは、自らが傭兵業をやって生き残る為に、マグリブの希望を潰し、各地の反体制テロリストを潰し、GAEを潰し、BFFを潰し、レイレナードを潰したのである。そして、GAも又、生き残ろうとしているのだ。よっぽど明確であくどい証拠が出てこない限り、この件に関してGAを責めるつもりも、賞賛するつもりも無い。

やはりむしろ、エミールの頭が悪すぎるのが問題だったのではないかと思う。アナトリアの傭兵はあくまで傭兵であって作戦の最終的な責任は企業にあるとは言え、アナトリアは余りにアレな作戦にばかり関わってしまっている。GAの内部粛清を引き受け、BFF本社を破壊し…自業自得と言うかエミール業アナトリア得である。もうちょっとまともな奴がアナトリアの指導者なら、話はまた変わったかもしれん。


以上で、AC4ストーリー解説は終わりである。読者諸兄、お疲れ様でした。




その1:国家解体戦争とネクスト
その2:六大企業とアナトリア
その3:管理経済戦争
その4:リンクス戦争
その5:アスピナの興亡
その6:アナトリア粛清

MonsterX2とアマレコTVでPS3、XBox360、PSP、PS2、wiiを録画したりしなかったりしよう! 後編

2011年07月12日 22時06分46秒 | 雑学
ごきげんよう諸君、いかがお過ごしかな。姉の顔を思い出すだけで怒りが有頂天になる霧島である。有頂天すぎて昨日は更新できなかった。しかしなんだな、ほんとあの家は私の精神衛生上よろしくないな。今日と明日だけ、横浜で一人なのだが開放感が半端ではない。たったの二日だけだというのに、だ。酷い話である。

ああ、あの家から出たい。でも稼ぐ方法がない。障害者手帳もない。どうしたものか。

そう言えば、ノートPCが直って返ってきた。なんでも、冷却ファンが壊れて回ってなかったらしい。なにそのどうでもよさそうで滅茶苦茶重大な故障。ファンが回ってないって事は冷却されないという事で、つまりPCが異常加熱するという事であり、非常に危険だ。そんなPCすぐぶっ壊れる。まぁだから画面が映らなくなったらしいが、困った話である。


さて、今回でこの話題も最後だ。張り切っていこう。



●トラブルシューティング編

前回で映るところまでは行った筈なのだが、映らなかった人もいるだろう。まずはそのトラブルシューティングからである。


★PS3+GameSwitchについて

PS3とGameSwitchについては、前回(と言うか前々回)言った通り、環境によって色々やらないと映らない事が多々ある。その最たるものが、ゲームスイッチと分配器の配置だ。前回の配線図では、

PS3→ゲームスイッチ→分配器→モンスターX2

という関係だった。ところが、これで映らなかった場合

PS3→分配器→ゲームスイッチ→モンスターX2

とやると映る場合が多いのである。理由は全く不明。元々分配器が必要なのは、PS3の信号が弱くてゲームスイッチで変換してからモンスターX2に送ると途中で力尽きて何も映らないという結果になるからだ。そのPS3の映像信号を分配器で増幅させる(分配器には映像信号増幅効果がある)のだが、それの配置によって映ったり映らなかったりするのである。

普通ならこういうのはキャプチャーボードが違うと起こったり、ゲームスイッチの型番が違ったりすると起こる。しかしどうも、その辺が全部一緒でも発生するらしいので、そこがめんどくさいところである。ゲームスイッチを使ったキャプチャには他にもトラブルシューティングがいくつかあるのだが、殆どの場合分配器とゲームスイッチの配置を逆にすると解決する。

それで駄目だったら、まずは↓を試して欲しい。


★一般的なトラブルシューティング:4GB以上のメモリ

モンスターX2は、TM6200というチップを使っておる。このチップは様々なキャプチャーボードで使われている結構一般的なチップなのだが、欠点として4GB以上のメモリを上手く扱えないというのがある。要するに4GB以上のメモリを搭載したPCだと画面が真っ暗になる場合があるのである。無論、ちゃんと画面が映る場合もある。

この事象が発生するのは、64bit版OSを使っていて搭載メモリが4GB以上の時である。その条件に該当するPCを使っているならまず真っ先にこれを疑いたい。対処法は簡単で、4GB以上だと上手く扱えないならメモリを4GB以下にすれば良いのである。とは言っても物理的にメモリを抜く必要は無く、OS側で設定を弄ればいい。やり方はコチラ。

ただ、プレミアーとか重いアプリを動かすためにメモリ8GBとか積んでるPCで、ずっとこの設定で動かすのは勿体無いとも言える。なので、そういうアプリを動かす時はもう一度設定を弄って、最大メモリを上げれば良い。


★一般的なトラブルシューティング:配線とテレビと付属ソフト

↑をやっても駄目、もしくは4GBも積んでないよ!とか64bitじゃないよ!とかだった場合、まずは配線を見直して欲しい。もし万が一、分配器とか使って接続しているなら(PS3+ゲームスイッチ以外)、ゲーム機からモンスターX2へ直で繋ぐのだ。これでも映らなかったらそのまま次である。

次は、モンスターX2についてきた付属のキャプチャーソフトをインストールしてほしい。これはエスケイネットのサイトでもダウンロードできる(ココ)。CDに入ってる奴の問題点を修正した奴がアップされておるから、ダウンロードの方がいいかもしれん。

付属キャプチャーソフトをインストールしたら、起動。左下にボタンがいくつかあるが、左から五番目のを押すとD端子出力の映像を、六番目のを押すとHDMI出力の映像を取り込もうとする。このソフトのいいところはアマレコTVで必要な設定を全て自動でやってくれるところである。特に解像度とかの設定が全自動なところが素晴らしい。

と言うのも、だ。前回、アマレコTVの設定をやったな。



こういうの。

この設定どれもこれも一つ間違えただけで映らなくなるのだが、特にみぎっかわの上、w=720とか書いてある奴、これが厄介でな。前回720pとか1080iとかそういう話をしたが、ゲーム機側のソレとアマレコTV側のコレを合わせないといけない。例えばゲーム機側で1080iにしたなら1920x1080の29.97fps、YUY2のbit16だ。しかし大抵の人はここを間違えるのである。

そんなめんどくさい設定を勝手にやってくれるので、このソフトは非常にありがたいのだな。アマレコTVで映らなかったのにこのソフトで映ったという場合は、アマレコTVの設定を間違えているか、ゲーム機側の映像出力設定を間違えておる。両方をよくチェックして欲しい。尚、wiiはD端子なのに何を間違えたか480pではなく480iで出力している場合がある。その為、w= 720, h= 480, fps=29.97, fcc=YUY2, bit=16にすると上手くいくかもしれない。

一方、このソフトを使って映らなかった場合、PS3+ゲームスイッチ以外はゲーム機が壊れてるかもっと根本的な問題のどっちかである。取り敢えずモンスターX2から端子を外し、テレビに繋いでみて正常に映るか確認しよう。映らなかったらゲーム機が壊れておる。映ったなら、モンスターX2に問題がある。


★ドライバ再インストール

↑をやっても映らなかった場合、取り敢えずやるべきはデバイスドライバの再インストールである。以前言った方法でデバイスマネージャを開き、ドライバタブから削除を選択してドライバをアンインストール。そうしたら再起動して、もう一度ドライバをインストールだ。これで駄目なら、以前ダウンロードした最新版ではなく、付属CDに入っている古いドライバも試してほしい。

それでも駄目だったら、これはもうモンスターX2が壊れてるとかそういうレベルの話になってくる。残念だが、エスケイネットのサポートに電話してほしい。受付時間が13:00~17:00という社会人に積極的に厳しい仕様だが、その分サポートセンターによくある「ただいまおつなぎしております。しばらくお待ちくだしあ><(三十分ぐらい)」というのは無いから安心してくれ。二回お世話になってるが二回とも一発で出た。

尚、PS3+ゲームスイッチの場合はまだ見込みがある。↓を参照だ。


★PS3+ゲームスイッチのその他の対処法

ゲームスイッチはACアダプタがついてきておりそれで動かすのが普通なのだが、実はこれが癌になってしまう場合がある。というのも、ACアダプタが壊れてる事があるからだ。まぁ質の悪いケーブルをつけてくれる製品だからな。付属ケーブル使ったら映らないって事もよくある訳だし。又、ACアダプタだと、送られてくる電気が強すぎてかえって不安定になるという症例もある様だ。

この場合、ACアダプタではなくUSB供給用電源ケーブルをPCに挿してみれば直る。

あと、DTV板の【HDMI→DVI】 Game Switch 6台目 【PS3】に興味深い症例があったので転載しておこう。ちなみにGS-D00201Nというのがゲームスイッチである。


上手くいった構成と手順をまとめておきます。情報いただいた皆さんに重ね重ね感謝。

【構成】
CECH-2500A -> TR-HDMI-402 -> GS-D00201N -> キャプチャ(Intensity Pro)
└-> モニタ(LCD-20MX10)

【手順】
(1) 「PS3 -> スプリッタ -> モニタ」だけの構成で出力解像度を設定
   ※ついでにキャプチャボードの設定も合わせておく
(2) すべての機器を電断(PS3、モニタ、スプリッタ、GS、PC)
(3) 本来の構成通りに配線
(4) 下記の順番で電源投入
   PS3→モニタ→スプリッタ(アダプタ→コンセントの順)→GS→PC

これで映りました。
なお(4)の電源投入時、先にGSに電源を入れてあるとダメでした。



以上、トラブルシューティングでした。


●設定編

次に、PCに映したゲーム画面を、より快適な環境に変える為の設定を行っておきたい。まずはアマレコTVを起動して画面を右クリック→設定で設定画面を。

そうしたらまずはグラフ1(デバイス)タブを。ここで前回、映像も音声も「もんすたぁえっくすつぅせかんだりぃ」を選んだ訳だが、映像のところにデバイス設定というのがある筈である。ここをクリックしよう。そうすると二つタブがあるので画像の調整タブ。ゲーム画面を見ながら、ここのバーを色々弄って自分に最適な設定を見つけ出そう。

私の場合、HDMI出力は標準設定で問題なかったのだが、PSPをD端子で出力したら画面が暗すぎて見れたもんじゃなかったので色々と弄る事になった。ここで注意しておきたいのは画面の明るさは「明るさ」だけでは決まらない事。コントラストとかも弄ろう。頑張って何度も試せば、その内自分に合った設定が見つかる筈である。

次にグラフ2(プレビュー)タブ。まずアスペクト比だが、これは要するに画面の縦横比である。4:3、16:9という言葉なら聞いた事があるだろう。4:3が横に狭い昔の規格、16:9が横に長い新しい規格である。wiiはどうか知らんが、他のゲームハードは今回私が説明した方法だと16:9で出力されている。

なので「16:9」を選ぶべきと思うかもしれんが、ここの設定欄における「16:9」と「4:3」はキャプチャーボードに送られてきた映像がどんなんでも16:9や4:3に強制的に変換するというものである。噛み砕いて言えばだな、「4:3」を選んだ状態で、1280x720等の横に長い(16:9の)映像をキャプチャしようとすると、強制的に横にちっちゃくされたちんちくりんな絵が映るのだ。なので、「指定なし」にしておくのがまぁ無難ではある。

尚、この設定にはショートカットキーがあり設定を開いてなくてもTABキーで切り替え可能である。しかしこれが災いして、ALT+TABでアマレコTVから他のウィンドウに切り替えようとした時アスペクト比が変わってしまう場合がある。要注意だ。アスペクト比の下のスキャンモードは、わからない人はそのままで良い。わかる人だけ変えよう。


デインターレースは、1080iや480iといったインターレース出力を利用している際画質を良くする為のもの、と解釈してくれればそれで良い。細かく説明すると長くなるでな。逆に言えば720pや480pといったプログレッシブ出力だとやる必要は無い。今回私が説明してきた方法だと、Wii以外はプログレッシブ出力なので基本的には「なし」で良い。プログレッシブ設定をしてないWiiの時、もしくはPS3やXBox360で1080i出力を利用する時のみ「自動」にしよう。

処理モードは、その名の通り映像の処理モードを制御する。詳しい事は開発者が書いてるが…えーと、だな。基本的にはアクションかRPGで良い。RPGは動きの少ないゲーム向けで、基本的に高画質。ただ、動きの激しいゲームだと逆に画質が落ちる場合があり、又、PCの性能が低いと逆に酷い目に遭う場合もあるので注意が必要である。

一方アクションは、動きの激しいゲーム向け。動きの少ない場面では上下の揺れや解像度の低下の可能性はあるが、CPU負荷が少ないので低性能PCでも利用可能なのが強みである。PC性能に自信がなければ、動きの少ないゲームをやる時でもこっちにしておくといい。一方レトロは「ファミコンからPS1あたりまで」に特化しているらしい。

又、HWデインターレースはグラフィックボード等環境によって変わるが、多くの場合高画質になると述べられている。しかも低負荷。よっていい事づくめに思えるが、残念な事に2フレーム程度の遅延が発生するのでゲーム向きではない。こう言って判らなければ、このモードを選ぶとコントローラでコマンド入れてから実際反映されるまで2/30秒ほどの誤差が出ると覚えておこう。かなり語弊のある言い方だけど。

まぁ、好きなモードを選ぶと良い。コマンドバトル方式のRPGならHWデインターレースだってかまわぬ訳だしな。


クロッピングは、キャプチャした時画面の外側に黒い額縁みたいなのが出てしまう場合、これをカットしてくれる機能である。特にPSPは重要だ。PSPをD端子(480p)で出力すると、720x480という画面解像度(画面の大きさ)で出力される。しかし、周囲にでっかい黒の額縁が表示され、PSPのゲーム画面がすごいちっちゃい、という場面に出くわす事になる。

これは、元々PSPがこういう仕様だからである。PSPのゲーム画面というのは本来480x272で、しかしそんな規格は一般のテレビとかにはないので、しょうがなく回りに黒ベタを追加して720x480で出力しているのである。しかしこの黒ベタ、画面に大写しにしてゲームをやりたいという場合には著しく邪魔となってしまう。そういう時このクロッピングが役に立つ。

ただ、その人の環境によってどの程度クロッピング(カット)すればいいのかは変わるので、アマレコTV側で自動で設定してくれるという事はない。ので自分で設定しなければならず、同様に「コレ!」という設定は無い。ゲーム画面を見ながら、気長に自分の環境に合ったクロッピング設定を探してほしい。クロップツールというのを使えば、感覚的にわかりやすくクロッピングの数値を変える事ができる。尚、クロッピングのt=とかb=というのは例えばt=??なら「上側の映像を??カットする」という意味だ。tがtop、bがbottom、lがleft、rがrightである。

これで快適な環境ができた筈だ。このままゲームを楽しむだけの人はこれでよし、録画をしたい人は次を見てくれ。



●録画編

さて、PCにゲーム画面を映せたなら録画したいというのが人情だろう。アマレコTVを使って積極的にキャプチャしていきたい。まぁ当然と言えば当然だが、実際に録画する前に設定がいくつか必要になるので、まずはアマレコTVを起動して画面を右クリック→設定で設定画面を開こう。

そうしたら、まず全般タブからファイル設定の中にある保存先というのを選択ボタンをクリックして変更しておく。これは、録画した動画ファイルを何処に保存しておくかというものだ。標準だとアマレコTVと同じフォルダに放り込まれる事になっておる。

保存先は必ず、OSを入れたのとは別のHDDにする事。一方ファイル名欄は変更しておくと入力した内容+録画した日時というファイル名で出力される。

次に録画設定タブ。まずは、折角インストールしたのでAMVコーデックを使って録画してみよう。アマレコTVをインストールした時に落としたアレだな。アレは本来有料なのだが、AMVコーデックで録画したファイルを再生する時、及びアマレコTVで録画する時のみ無料になる。まぁ、AMVっていうロゴが入っちゃうけどな。

さて、ここで動画というものについて少し説明しておこう。諸君は、基本的には絵であるアニメがどういう原理で動いている様に見えるか知っているだろう。要するにパラパラ漫画と同じであり、キャラの手なり足なりの位置がちょっとずつ変わっていっている絵を高速かつ連続で見せる事により、動いているかの様に見せているのだ。

実は動画ファイルもこれと同じである。映画だろうがゲーム動画だろうがだ。一般的に、1秒につき30枚の画像ファイルが用意されており、それをパラパラ漫画方式で連続描写する事により動画ファイルとして見せているのだ。動画ファイルとは、究極、音声付超高速スライドショーなのである。これで疑いもせず動いていると認識している訳だから、結構人間の認識能力なんてものもいい加減である。

尚、今1秒につき30枚といったが60枚だったり24枚だったりもする。こういうのを30fpsとか表現する。fpsはframe/secondの略であり、フレームとは画像の事だ。要するに30fpsというのは「一秒につき画像30枚」、60fpsなら60枚という事である。当然ながら60fpsの方が滑らかだが、最近はむしろ30fpsのゲームが増えてきている。

まぁ30fpsにしてもだ、1秒で画像30枚となれば1分で1800枚、30分で54000枚である。もしこれがビットマップ画像だったらと考えると、ちょっと想像したくない容量になってしまう。実際、動画ファイルというのはPCのファイルの中で一番容量を食う物体で、ニコニコ動画がなかなか黒字にならなかったのも重い動画ファイルを扱うサーバーは管理費も相当かかるからである。

ま、最近のドワンゴは迷走してる気もするがな。ニワンゴはともかく。

それは置いておいて、とにかく動画というのは滅茶苦茶重い。そこで出番となるのがコーデックだ。これは、画像ファイルでいうjpgとかgifとかpngとか、圧縮ファイルで言えばzipとかlzhとかgcaとか7zとかに相当するものである。要するに、重い動画ファイルを軽くしてくれるものだ。

コーデックには、大きく分けて二種類ある。ひとつが「非可逆圧縮」だ。これはjpgとかに近いものだな。ペイントとかを弄った事のある人なら判ると思うが、画像をビットマップ形式で保存すると画質が劣化せず、綺麗に保存できる。しかしjpgにすると軽くはなるのだが汚くなり、何より元の画質に戻せない。これと同じで、非可逆圧縮のコーデックは動画を凄く軽くしてくれるのだが、一度圧縮したら二度と元には戻らない。

一方、「可逆圧縮」はzipとかlzhに近い。要するに元の画質に戻すことができる圧縮方法である。基本的に、動画を録画する時はこっちを使う事が多い。と言うのも、世の中にはエンコーダーとか画像編集ソフトとか呼ばれるものがあってだな。aviutlとかつんでれんことかその辺だが。そいつらを使えば非可逆圧縮で軽くするのは後でもできるのだ。又、同じ非可逆圧縮でもそいつらを使った方が画質は良くなるしな。

では設定。まずはフレームレートの目安を30にし、自分のPCに自信があれば「高画質」を、なければ「高速」にチェックを入れ、設定をクリック。「圧縮」のズラッと並んだところを見てみよう。画質で可逆と書いてあるのはさっき言った可逆圧縮、高とか低とか書いてあるのは非可逆だが高画質とか非可逆でしかも低画質、といった具合である。どれかを選ぶのだが、ここで問題になるのは「圧縮率」と「処理速度」だ。

と言うのもだな。録画したファイルがカクカクになってしまう場合があるのだ。これには二つ可能性があって、一つ目はCPUの性能が追いついてない事、第一のは、特に大して性能の高くないPCで「処理速度」が「遅い」と書かれている奴を選ぶとよく起こる。これは簡単な話で、まぁ要するにいいPC買いなさいという事である。まぁそういう訳にもいかんだろうから、この場合は「処理速度」が「普通」とか「速い」のを選ぼう。それで解決する。

二つ目はHDDの書き込み速度が追いついてない事である。先程述べた様に、動画ファイルというのは非常に重く、大量の情報を有する。録画ではそれをリアルタイムでHDDに書き込んでいく訳だが、実はHDDの書き込み速度ってそんなに速くない。諸君もHDDの中身を外付けHDDに移動しようとした(もしくはその逆をしようとした)らやったら時間がかかったという経験があると思うが、アレは転送速度の問題以外に書き込み速度の問題もあるのだ。

なので、録画で大量に書き込まないといけない情報を全部HDDに書ききれず、結果とびとびになってしまうのである。この場合は、「圧縮率」が高いものを選んで使用するとファイルサイズが小さくなり、HDDに同時に書き込まなくてはならない情報も少なくてすむので問題なくなる。それか、書き込み速度の速いHDDを買う、raid0を組む、SSDを買うといった対応策もある。raidについて語りだすと長くなるのでぐぐってくれ。


さて、ここまで設定したら後は録画するだけである。アマレコTVの画面に戻り、右クリックして録画開始。終わる時は録画終了。これだけだ。



●別コーデック録画編

アマレコTVはAMVコーデックで録画する事を前提に開発されているが、金を払ってないAMVコーデックだと「AMV」のロゴマークが出てしまう。金を払わずどうにかしたいそこの貴方、そういう時はAMV以外のコーデックを使えば良いのである。

有名なところだとhuffyuvがある。これは最もスタンダードな可逆圧縮コーデックで、これを使えばまず間違いないといわれるものだ。他にもXVidとか有名どころは結構ある。ffdshowというのを入れれば、様々なコーデックが同時に手に入るのでこれを試しても良い。適当なコーデックをインストールしたら、アマレコTVの録画設定で「いろいろ」にチェックを入れ、使いたいコーデックを選ぶ。

そうすると、例えばhuffyuvを選んだ場合はhuffyuvで圧縮される為、AMVのロゴはなくなるという訳だ。普通ならここからさらにaviutlを使ってのエンコード作業があるのだが、今回はあくまでモンスターX2とアマレコTVを使ってゲームをしようという話だから、ここまでとしておく。知りたいという人はここの「動画の作り方」「エンコード設定」「aviutl_h264」を見よう。特に動画の作り方から見るのをオススメする。

まぁ要望があれば私も書くかもしれんがな、エンコード方法記事(チラッ




前篇
中編

以上である。それでは諸君、より良いゲームライフを。

AC4世界の歴史5 アスピナの興亡

2011年07月10日 23時01分41秒 | アーマード・コア
ごきげんよう諸君、いかがお過ごしかな。家族会議で大変無駄な時間を過ごした霧島である。ほんとこの家いたくない。私の精神衛生上よろしくない事甚だしい上、こっちには出かける先が無いから外にも出ない、所詮仮住まいだと思ってるから掃除もしない、買物不便だからコンビニ以外全部通販とこの家にいるメリットが全くない。どうせ会社のバイトしても大した金にならん(月一万)だから働く気も起きんしな。

しかしま、久しぶりに社長がマジギレしてたな。俺は地獄を見てきたがそれを他人のせいにはしなかったとかどーとかこーとか。知らんがな。まぁ社長が子供の頃親にいじめられたのは大変だったとして、本当に大変だったのは社会人になってからだ。家を出て会社員になり、結婚して子供と三人で幸せに暮らしていたところ、実家から会社を継いで欲しいと要請が。で、説得されて会社を継ぎ地獄を見た訳である。

おめーが自分で選んだんだろうが。これがまだ、例えば「普通に評判のいい会社に入ってみたら超絶ブラックだった!」とかならまだ話はわかる。又、「ブラック企業でもいいから何処かに就職しない事には生きていけん!」という状況だったならそれもわかる。

しかし、彼は子供の頃から(当時の)現社長たる親や会社の風土をよく知っており、又、会社員として普通の生活を送っていたので生活にも困っていなかった。言ってみれば、自分から地獄に突っ込んだ訳である。勝手に地獄見とりゃええがな。後、彼は一人で突っ込んだのではなく嫁と子供を道連れ(社長の親からいじめられたり仕事手伝わされたりそれはもう色々と大変だったらしい)にした訳である。それで自分は地獄を見てきたとか啖呵切れるんだから大変良いご身分と言わざるを得ない。

まぁ、辛い辛くないというのは本人の主観次第というのが私の持論なので、彼にとっては自分で見てきた地獄の方が辛いんだろう。例えどんなに自業自得でも辛いんだろう。降って湧いた病気で、一度損傷したら二度と再生しない脳細胞(末梢神経なら再結合するが)が傷ついて、二度と常人並みの暮らしはできませんとか言われるよりも辛いのだろう。中長期目標が同じ時間に起きて同じ時間に寝る事と医者に言われる私より大変だったんだろう。

きっと。

多分。

辛いんだろう。

うん。

ま、常識的に考えれば、「あの時実家に戻ると決断しなければ」というのは社長の人生そのものを否定する行為なので本能が拒むんだろうな。どちらかと言えば被害者な子供や嫁(私は殆ど感知しない年頃だった)があれだけ擁護してるのもそうなんだろう。本人達も地獄を見てきた、と言うか見させられてきた訳だし。しかしそこを理性で乗り越えなければならんとも思うんだが、まぁ他人の人生である。私にゃ関係ない。

しかし私は何でこんな家にいるんだろうな。私は、普通に考えれば比較的裕福な家の生まれだし、両親ともにクズ野郎という訳ではないから不幸な方ではない筈である。しかしながら、横浜の我が家という天国が大変近くにありながら、精神衛生上滅茶苦茶悪い京都の家にずっといるので物凄い勢いで不幸感が増幅されるのだ。天国が見えなければそう辛くないんだが。

ちなみに社長をネタにはしているが、ネタにしやすかったというだけで一番イラッときたのはうちの姉である。アレが感情的になると話進まなくなるから困る。気が強い女は嫌いではないが他人の話を聞かんヒステリー女は大っ嫌いだ。


さて、そんな無駄な時間を過ごしていた為、キャプチャ関連の記事を最後まで書けなかった。だまして悪いがAC4解説記事を載せる事にする。ほんと舐めた話である。クズが…空気にもなれんか。



では本題。

リンクス戦争終結後、AC4最後のどんでん返しであり同時に初見にはイミフなイベントである事件が発生する。アナトリア粛清である。国家解体戦争以前からリンクス戦争までの流れを長々と解説したのも、そうしなければこの粛清事件を説明できないからである。元はと言えばDQNと私の論争が発端なんだからな。

まずは、アナトリア粛清で起こった事実だけを言おう。

1:リンクス戦争が終結
2:フィオナ(4主人公のオペレータ)が主人公に休息を求め、エミールが了承する
3:突如としてプロトタイプ・ネクストに乗ったジョシュアがアナトリアを強襲。
4:迎撃が間に合わず、アナトリアは破壊、汚染される
5:迎撃に出た主人公がジョシュアを撃破
6:No06セロが現れ、主人公はこれも撃破する(難易度ハードのみ)
7:二人は汚染されたアナトリアを後にし、アナトリアは滅亡する。

尚、アナトリア滅亡に関しては、粛清でそのまま滅んだのか、それともしばらくしてから滅んだのかは不明。資料集には「アナトリアの傭兵が出撃するも、間に合わず大半を破壊され、重度のコジマ汚染を受けてしまうアナトリア」「アナトリアは滅び」としか書いてないからな。しかしまぁ、アナトリアがいつ滅んだのかなどはどうでもいい。問題は、誰が何の目的でどうやってアナトリアを滅ぼしたかという事である。

一般的に、このアナトリア粛清は「オーメルの策謀」「企業の総意をオーメルらが実行」のどちらかだと言われている。少なくとも私が調べた限りでは、ファンの間ではそういう認識だった様だ。そして設定資料集でも、「背後にいたのは、アスピナと関係の深いオーメルだろうか? ただし、一社の独断ではなく、戦争の勝者であるGA陣営の総意が働いたと見ることもできる」(61p)と述べられており、多分どっちかだろうという事になっている。

取り敢えず実行犯にアスピナのジョシュア・オブライエン、オーメルのセロがいる(後者はハード限定だが)ので、アスピナ、オーメルが関わっているのは間違いない。特にセロは企業専属のリンクスであり、「オーメルの切り札」(4作中セロ説明文)であるから、独断での行動と考えるのは流石に無理があるだろう。

ここでまず、アスピナの立ち位置について検証しておきたい。fA時代のアスピナについての記述は多いのだが、4時代のアスピナについての記述が少ない…と言うか、いつ頃からそうだったのかという記述が無いので、当時のアスピナについてが非常にわかりにくいのである。尚、年代についてだが、資料集によれば国家解体戦争終結から16~19年後頃。fAゲームOPだと国家解体戦争から数十年と言ってるが、一十年だと思えば辻褄が合わない訳でもない。年表が凄く見づらいので、無理矢理な見方をすれば20年後にも見えるし。リンクス戦争は国家解体戦争から4~6年後頃。

まずfA時代のアスピナについて、資料集では「アスピナ機関は、厳密にはオーメルグループではなく独立した研究機関だが、その運営資金のほとんどはオーメルによって提供されており、実質的にオーメルの研究機関として扱われている」(27p)と書かれている。もしこれが4時代でも同様であれば、実行犯は実質オーメル単独という事になる。問題は、いつからオーメルとここまで深くつながっていたか、な訳だ。

これについては、明確に述べられたものはない。よって、作中と資料集から丁寧に読み解いていくしかない。アナトリア粛清の実行が実質オーメル単独によるものなのか、それともオーメルとアスピナの初めてじゃない共同作業によるものなのか、どちらか次第で話は大きく変わってきてしまうからな、ここは深く考えておかなければならない。

まず、元々アスピナはネクスト制御技術AMSの先端研究機関である。ARMORED CORE @ wikiやRAVENWOODなどでは、アナトリアのAMS技術がアスピナに持ち去られたと述べられているが、少なくとも設定資料集では「AMS技術はアスピナ機関で、IRS/FRS技術はアナトリア研究所によって研究、開発された」(79p)と記述されており、これは間違いないと思われる。

そして、続きで「アスピナ機関とアナトリア研究所は、どちらも経済基盤を技術情報取引に依拠しており、AMS/FRS/IRS技術も商品として販売されている」(同)と述べられている。国家解体戦争後もアナトリアが研究所の技術研究で繁栄していた事とあわせて考えるなら、アスピナも相当繁栄していた筈、言い換えればわざわざ傭兵をやる必要がないほど儲けていた筈である。

特にアスピナは、アナトリアの研究者が亡命した事により、ネクスト制御技術の最先端を一手に担う一大研究機関に成長している。傭兵をやらなければならない経済的理由は微塵も無い。確かに、「AMS技術も販売しました。これは機関に利益をもたらしましたが、一度普及するともう売れません」(50p)とも述べられている。だから売る技術がなくて困窮していたとみる事もできなくはない。

が、アナトリア研究所の研究員が技術を持ってきたのである。そして、少なくともアナトリアは、技術盗難までは繁栄していた。ならば、アスピナは充分それでやっていける筈である。だから、アスピナが傭兵をやり始めた件については別の理由を模索しなければならない。

アスピナは、fAでも傭兵を続けている。これについてfA作中のロード画面解説では、

「リンクス戦争では、テスト個体、ジョシュア・オブライエンを実戦投入、高い戦果を上げた。以来アスピナは、テスト個体を正規リンクスとして登録し、機会があれば実戦投入する方針を採っている。これは、主に実戦データ収集の意味合いが強い。

と述べられており、リンクス戦争以後の傭兵業はデータ収集がメインとされている。但し、ジョシュアの投入がデータ収集の為だったかどうかは定かでないのである。確かに、「データ収集の意味~」が「以来アスピナは~」にかかっているのは間違いない。しかし、「リンクス戦争では~」にまでかかっているかどうかは、この文章を読む限りでは判らない。

他の理由でジョシュアを投入する事になり、その結果データ収集が捗って傭兵業を継続したかもしれないのだ。色々調べてみたが、残念な事にアスピナが傭兵業を始めた具体的な理由を記述した作中の台詞や資料集の文章は無かった。故に理由については一旦放り出し、むしろそこで注目すべきは、アスピナが傭兵業を始めた時の記述を注目したい。「コロニー・アスピナがオーメルの秘密裏の支援を受けて、世界で2番目のネクストを駆る傭兵を所有した事だ」(58p)。

ここから判る事は二つ。第一に、この当時からアスピナはオーメルと一定以上の関係にあった事。第二に、アスピナの傭兵業はオーメルの意を受けているという事である。又、fA時代のオーメルについて、「アスピナ機関の存在と、レイレナードの技術者を取り込んだことで、ネクスト製造技術の面でもオーメルは急成長している」(27p)というのもある。技術者を取り込んだというのは、レイレナード崩壊後、オーメルはレイレナードの技術者を積極的に受け入れた(のか拉致ったのかは知らんが)のである。

まぁ正直判りにくい文章だが、「以前からあるアスピナという研究機関の存在と、新規参入した旧レイレナードの技術者の相乗効果で大躍進した」と読むべき文章であろう。もし「アスピナ機関と旧レイレナードの技術者を吸収して大躍進した」と読むのであれば、引用文の「アスピナ機関の存在と」の「存在」の部分が邪魔になるからな。ここから、当時からして既に、アスピナは事実上オーメルの(と言うかローゼンタール=オーメルの)研究機関だった、と結論付けたくもなる。

しかしそれはそれで早計だ。

と言うのも、このアスピナのジョシュア・オブライエン、レイレナード陣営の依頼も受けているのである。ハード限定ではあるものの、彼は管理経済戦争開戦後もレイレナード陣営に回っている。ジョシュアがレイレナード陣営に参加しなくなるのはリンクス戦争開戦後の話で、それまでに敵の刺客としてアナトリアの傭兵に襲い掛かった事は一度や二度ではない。

正確に言うと、ミッションで出てくるジョシュアは、難易度によって陣営がころころ変わる。アマジーグ撃破戦(マグリブ解放戦線と戦ってた頃のアレ)で出てくる時は、ノーマルだと味方(GA側)、ハードだと敵(マグリブ≒BFF、イクバール側)といった具合だ。管理経済戦争開戦後はインテリオルのNo14シェリングと戦う時、ノーマルだと登場せずハードだとインテリオル側で参戦。逆にBFFのNo05メアリー・シェリーと戦う時はノーマルだとオーメル陣営で参戦、ハードだと登場しない。

こうしてみると、金さえ積まれれば誰の依頼でも受けるという実に傭兵らしいスタイルで傭兵業をやっているアスピナとジョシュアの姿が見えてくる。しかしながらその一方で、アスピナはリンクス戦争でオーメル陣営反撃の要となる。エミールも、CHAPTER5の回想で「最初期の奇襲により壊滅的な打撃を被り、一方的な防戦に追い込まれた、オーメル陣営の切り札となったのがアスピナの傭兵、ジュシュア=オブライエンと、あの男だった」と述べている。

又、リンクス戦争後はアナトリア粛清を実行し、fA時代には完全に、オーメルの一研究機関に収まってしまっている。特にアナトリア粛清は不可解で、ジョシュアはプロトタイプ・ネクストに乗って出撃している。これはその名の通り試作型ネクストで、「リンクスの限界を超えた精神負荷と、汚染制御不能高出力コジマ機構」(61p)を備えているとされる。

実際、これで出撃したジョシュアは、アナトリアの傭兵に勝ったとしても吐血ボイスの後「私もすぐ逝く…責めはそこで聞こう」と言ってくる。故にこの出撃は、まぁ神風とまでは言わんが甲標的ぐらいの片道出撃だったのである。アスピナは、自らの最大の戦力を失う事を承知でジョシュアを送り出した事になる。

尚、このプロトタイプ・ネクストはレイレナードが所有していたものである事が資料集に述べられている(61p)。又、fAで登場するジュリアス・エメリーはアスピナ機関出身であり、ジョシュアの再来と呼ばれた逸材だが、何とリンクス戦争末期にレイレナードに合流している。アナトリアとアスピナがオーメル陣営の戦力基盤になっていた時期に、まるで内部分裂である。

このアスピナの動向は、どう説明すべきなのであろうか。

まず第一に判っている事は、アスピナは管理経済戦争以前からオーメルと一定以上の関係があった事である。これはアスピナが傭兵業を始める時オーメルが支援していた事から判る。又、「アスピナ機関の存在と、レイレナードの技術者を取り込んだことで、ネクスト製造技術の面でもオーメルは急成長している」の一文からも、リンクス戦争以前からオーメルとアスピナがある程度の関係にあった(オーメルの為の研究をアスピナがしたりしてた)のは間違いないと読み取れる。

にも関わらず、アスピナが非オーメル陣営からの依頼も受けているのは当時のアスピナがある程度独自性を持っていた、言い換えれば、確かにアスピナはオーメルの強い影響下にあったが決して傀儡政権でも衛星国家でもなかったという事であろう。と言うかそれ以外に解釈の仕様が無い。いくら私がMMRが大好きでユダヤ陰謀論にも一定の浪漫を感じる人間だと言っても、流石に、配下に命じて自陣営を攻撃させるというのはちょっと理解しがたい。

4主人公が邪魔で消そうとしていたならノーマルで援軍に来る道理が無いし、何よりリンクスの質がおいて大きく劣るオーメル陣営が自らのネクスト戦力を磨り潰すのは大変な愚策である。まぁGAはそれっぽい事やってるけど内部分裂とか内部粛清とかやってるアホでもあるからな、あいつら。政治力に優れたオーメルでそれは考え難い。

故に、傭兵業開業からリンクス戦争開幕までのアスピナはオーメルと関係は深いが、ちゃんと独立した勢力と見るべきだろう。傭兵業開業以前から独立性が強かったかどうかは判らない(判断材料がない)ので置いておくが、開業~リンクス戦争開幕までは独立勢力と見るべきだ。で、そのアスピナがリンクス戦争ではオーメル陣営についた。その中で、ジュリアス・エメリーが離脱するという事態が発生した。これをどう解釈するかである。

後者のジュリアス離脱については、二種類の解釈が可能である。第一は、アスピナの内部分裂による離脱。要するにオーメル陣営につくのを良しとしないグループによるものである。この場合、恐らくジュリアス自身もオーメル陣営を嫌っていたろう。一方、第二の見方として生き残り戦略がある。これは、オーメル陣営とレイレナード陣営、どちらにも戦力を提供してどっちが戦争に勝っても戦後アスピナが生き残れる様にするというものだ。

歴史上、こういう例は結構ある。有名なのは関ヶ原の戦いで、真田昌幸と信繁(幸村)は西軍(石田方)に、真田信之は東軍(徳川方)についている。結果、信之は元々持っていた領地に加えて昌幸の領地を獲得、真田家は見事に生き残り、松代藩は明治まで存続したのだ。アスピナも同じ事を考えていたとしても不思議は無い。

ただ、この解釈には無理がある。というのも、もしそういう戦略でいくのならもっと早い段階で両陣営に戦力を提供する必要があるのである。リンクス戦争末期というと、アスピナはもう既にオーメル陣営の一員として立場を明確にしている時期とみて間違いない。

何せ末期だからな、アナトリアの傭兵がエーレンベルク折ったり、アンジェと一騎討ちしたり、最精鋭ネクスト部隊と交戦したり、便器の蓋を閉じる作業レイレナード本社を襲撃したりしてる頃だ。ジョシュアもソルディオス壊したり頑張ってる。こんな時期にもなってレイレナード陣営にジュリアスを渡すというのは、どちらかというと裏切りに属する話である。真田と言うより小早川である。

大体だな、リンクス戦争の流れは、まず最初期にはレイレナード陣営が非常に優勢。それがアナトリアの傭兵とジョシュアのお陰で時間が経つにつれて段々とトントンになっていき、最終的にレイレナード陣営最精鋭ネクスト部隊の壊滅で勝負が決する、という流れである。故に、生き残りの為にレイレナード陣営にも戦力を送る、というのであればレイレナードが開幕の奇襲攻撃をやった直後でなければ意味が無い。

しかし実際には、ジュリアス・エメリーがレイレナードに合流したのはリンクス戦争末期である。ならば、政治的配慮という可能性は極端に薄くなる。又、政治的配慮でレイレナードに合流したのなら戦後アスピナに帰還、あるいはオーメルに吸収されても良い筈である。しかし彼女は、むしろレイレナードの亡霊であるORCA旅団に合流した。

ならば、このジュリアス離脱は内部分裂とみるのが自然である。ならば、何故内部分裂が起こったのか。そもそも内部分裂という事自体私の憶測に過ぎぬから確たる証拠はないのだが、考察を続ける上で次の台詞が役に立った。

「守るべきものの為には全てを捨てる…ジョシュアと貴方、似ているのかもしれない」

これはソルディオス撃破ミッションSOLDIOSの、ミッション成功後のフィオナ(オペレーター、主人公の恋人)の台詞である。このミッションではジョシュアのホワイト・グリントと協働でソルディオスを破壊するのだが、そのジョシュアと主人公が似ているというのである。

主人公の場合、「守るべきもの」はフィオナ、ひいてはアナトリア。「全てを捨てる」というのは、リンクスやって戦うという事である。前にも言ったとおりリンクスやってると精神負荷はかかるわコジマ汚染はされるわ(リンクスは暗闇の中だと緑に光るという設定もある)で身体はガタガタになるからな。

ジョシュアの場合も、いくらAMS適性が高いとは言え最初期のAMS被験体。同じ時期からネクスト開発に携わっていたと思われるNo07テペス=Vの解説文が「最初期リンクスの生き残り(中略)深刻なコジマ汚染が噂されており、恐らく先は短い」とか書かれてるし、やはりネクストに乗り続けるのは危険だろう。だから「全てを捨てる」ってのは判る。

ならば「守るべきもの」とは何か?公式HP(資料集と矛盾する内容もあるのであんまり引用したくないんだが)のキャラ設定には、ジョシュアは「小さな故郷を守るために戦い続けている」と書いてある。まぁこれが無かったとしても、ジョシュアの恋人とか出てこない以上それしか理由はあるまい。要するにアスピナを守る為に戦っている訳である。

しかしだ。ジョシュアがアスピナを守る為に戦っているという事は、逆に言えばジョシュアが戦わないとアスピナが滅ぶという事である。まぁ滅びはしないかもしれないが、酷い事になるのだろう。そうでなければ「守るために戦い続けている」なんて出ない筈だし、「守るべきもののためには全てを捨てる」という事にもならない筈である。

ここで、さっき放り出したアスピナが傭兵業を始めた理由で考察したものが役立つ。あの時、アスピナが傭兵業を始めた理由として経済的理由はありえず、fA時代にはデータ収集の為に傭兵をやっているという事を述べた。ジョシュアがデータとらなきゃアスピナ滅ぶって事はあるまい。

ここで、今まで明らかになっている事実を並べてみよう。

1:アスピナは古くからオーメルと深い関係にある
2:傭兵業を始める時、オーメルの秘密裏の支援があった
3:管理経済戦争まではどちらの陣営の依頼も受けていた
4:リンクス戦争ではオーメル陣営一本に絞り、主戦力となった
5:リンクス戦争末期、内部分裂があった
6:アナトリア粛清を実行し、ジョシュアを捨て駒にした

やはり、3と4の間に大きな隔たりがあるのは否定できない。1、2の頃はわからないが、少なくとも3の頃のアスピナは独立性が強かった。しかし4になるといきなりオーメル陣営べったりになる。そして6ではジョシュアを見殺しにしてしまうのである。アスピナ最高のリンクスであるジョシュアを、アスピナ自身が暗殺したかったとは思えない以上何者かにプロトタイプ・ネクストでの出撃を強制されたとみるのが自然である。

そう考えると、5の内部分裂の原因、4でオーメル陣営一本槍になった原因も見えてくる。要するに、3の頃の独立性が4になって失われた、噛み砕いて言えばオーメル陣営のどれかの企業に、無理矢理オーメル陣営に参加させられたのではなかろうか。ジョシュアの片道出撃もその流れで無理矢理やらされたもの、という次第だ。そうでもなければ「守るべきもののために全てを捨てる」なんて話にならないし。

そして、「オーメル陣営のどれかの企業」はずばりオーメルだろう。fA時代にオーメルグループの事実上の一員としてアスピナが名を連ねているところからして、オーメル以外の選択肢が無い。そしてだからこそ、オーメルの犬に成り下がる事を良しとしない者による内部分裂が起こったのではなかろうか。

尚、オーメル陣営の切り札となったジョシュアを擁するアスピナをオーメルが力でねじ伏せられるかという点については、可能だと考える。なんとなればだな、ネクスト一機送り込めばそれでいいのである。何もジョシュアを倒す必要は無い。ネクストがコジマ粒子撒き散らしながら戦闘するだけで市街は壊滅するからである。

コジマ粒子は「広範かつ長期にわたり生体活動に悪影響をもたらす重度の環境汚染源」であり、しかもネクストはコジマバリアを張るとえらい勢いでコジマ粒子を垂れ流す。と言うのも、コジマバリアはコジマ粒子をバリア状に整えたものなのだが、そのコジマ粒子はネクストのジェネレータから機体外に放出される。で、ネクストの整波装置がコジマバリアにできるコジマ粒子の量は限りがある。つまり、整波装置の機能上限を超えたコジマ粒子は周囲にだだ漏れなのである。

その上OBを使えばプラズマ化したコジマ粒子が機体外に放出され続けるし、QBしてもごく微量ながらコジマ粒子が放出される。こんな物体、市街に放り込まれたらジョシュアが撃破してくれたとしても大惨事である。ましてやジョシュアは、アスピナ市街での戦闘ともなれば汚染を避ける為コジマバリア封印状態で戦闘、なんて事もありえる。

まぁ、アスピナとしては「ネクスト送り込んでやろうか」とか言われたら屈するしかなかっただろう。本当に送り込む必要はない。送り込んでやろうかと脅せばそれでいいのだ。アスピナの研究員ならコジマに触れてる可能性もあるからちょっとぐらい汚染されても平気かもしれんが、アスピナの一般市民はそうはいくまい。コジマ汚染された地域に住めなんてのは今の福島に住めって事であり、そんな事ができるのはアクアビットとトーラスの社員だけである。

リンクス戦争中に何やってるんだという向きもあろうが、無理矢理にでもアスピナを引き込まなければ到底勝てないのはオーメルとて判っていた筈である。まぁそういう訳で、少なくとも傭兵業開業から管理経済戦争まではかなりの独立性を維持していたアスピナは、リンクス戦争開幕と共にオーメルによってその独立を奪われた、と私はみておる。

間も悪かった。管理経済戦争中ならまだ、そんな事言うならあっちの企業に行っちゃうぞ、こっちの陣営に行っちゃうぞ、と色々な企業、陣営の間を立ち回る事もできた筈である。しかしながら、この時期はリンクス戦争。どの企業も生き残りに必死であり、オーメル陣営はオーメルの行動を黙認するだろうし、レイレナード陣営はアスピナに手を出す余裕などない。

そもそもBFFが壊滅してインテリオルが離脱している以上、レイレナード陣営の戦力と言うと各地で散発的に活動するしかないBFF残党と防衛用ノーマル、あとは全部ネクストな訳で、仮にレイレナード陣営がアスピナの救援要請に応じてくれたとして、オーメルとレイレナード陣営のアスピナ争奪戦になったら確実にネクスト戦になる訳で結局アスピナは滅ぶんじゃねーのかという話になるし。

あと、今まで説明してきた「アスピナの独立性をオーメルが奪って内部分裂」説以外のシナリオも色々と考えた。が、ジュリアスがリンクス戦争末期に離脱する理由が見当たらなかった。ジュリアスの離脱時期がアナトリア粛清の後であれば、ジョシュアを捨て駒にされた事で内部分裂があったと見れる。しかしアナトリア粛清はリンクス戦争終結後であって末期ではない為、こういう風に考えない限り内部分裂が発生する理由が無いのである。生き残りの為の政治的配慮という可能性は、随分前に排除してしまったしな。




その1:国家解体戦争とネクスト
その2:六大企業とアナトリア
その3:管理経済戦争
その4:リンクス戦争
その5:アスピナの興亡
その6:アナトリア粛清