霧島家日誌

もう何が何だかわからないよろず日誌だ。

【ACLRP】フォロワーの昔の愛機を再現して戦ってみた

2011年09月27日 01時38分31秒 | アーマード・コア
動画作ってみた。

ザ・インタビューズで、ツイッターのフォロワーに昔の愛機の構成を質問し、返ってきた答えを元に機体を再現して戦ってみたもの。作品はアーマードコ・コア ラストレイヴンポータブル。知らん人には面白くないかもしれんし、知ってる人も面白くないかもしれん。その逆もあるかもしれん。






もしくは

http://www.nicovideo.jp/watch/sm15723212

ACfA機体構築記事改訂のお知らせ4

2011年09月06日 19時38分22秒 | アーマード・コア
ごきげんよう諸君、いかがお過ごしかな。こんな感じで、二日三日に一回更新するのが健康にいいかなぁとか思ってる霧島である。この間のDWR-PGの記事を二連続で書いた後見事に調子を崩してな。やはり無理は身体に良くない様である。

昨日は久々の歯医者であった。昔の日誌を読んでた人なら知ってるだろうが、私は死ぬほど虫歯が多い人間である。と言うのも、昔呑んでたノリトレンという薬があるのだが、これ、唾液の分泌を阻害する。基本的に虫歯菌というものは唾液で殺すものであり、唾液が出ないという事はどれだけ真面目に歯磨きしようが口内は虫歯菌ワンダーランドという事であり、虫歯が大増殖したのである。

その癖私は歯が頑丈なので、どの虫歯も殆ど進行しなかった。虫歯にはC0~C4の各段階があり、C0、C1は自覚症状がなく歯磨きとか次第で治る虫歯。C2が冷たいものを飲むと沁み、C3は暖かいものを飲むと沁み、C4は常時ズキズキして夜も眠れない。私の場合、虫歯は出来るのだが歯が頑丈なせいでC1ぐらいの虫歯が大量に存在する状態になっておったのである。

しかし、足折って入院したり、薬の副作用と脳障害の相乗効果で精神的に末期だったりした為、歯医者になかなか行けていなかったのだ。最近ようやく歯医者に又行く事が出来る様になり(月一回ぐらいだが)、昨日歯医者に行ってきたのである。で、前からヤバそうと思われてた虫歯(左下の一番奥)の治療を行ってきた。

結論から言うとC4になってた。どうやら私の歯の頑丈ぶりは尋常ではないらしく、普通の歯医者なら抜くしかない状態だったんだが、歯医者がそう言うまで全く自覚症状がなかった。で、結果として神経が露出する一歩手前まで削ってきた訳である。麻酔を五回以上は足した長丁場治療であった。昨日は痛くて寝れなかったぞ。


さて、今日の更新はACfAの講座改訂続きである。と言っても、更新停止前に書いてた奴の流用が殆どだけどな。アドレスはこちら。

ACfA機体構築解説記事改訂のお知らせ3

2011年07月29日 17時58分26秒 | アーマード・コア
ごきげんよう諸君、いかがお過ごしかな。相変わらず調子の良くない霧島である。ただ今日からしばらく一人暮らしなので、大分楽ができそうだ。やっぱり一人だと気が楽でいい。これは友人と遊んだりするのとは又別で、同居人がいるというのは精神的に来る事が多いからな。


今日の更新はまたしてもACfA記事である。三連続ACfA記事となってしまって大変申し訳ないのだが、マナー編は早めに書いて載せておかないと、現状のオンライン対戦を見てるとマズイかなぁと思いやってしまった次第だ。すまないが理解して欲しい。今回の記事はこちらである。

ACfA機体構築解説記事改訂のお知らせ2

2011年07月28日 20時19分22秒 | アーマード・コア
ごきげんよう諸君、いかがお過ごしかな。ここんところ調子の悪い霧島である。どうやらダウンの周期に入ったらしい。本格的にダウンしてしまうと、本気で食事すらしたくなくなる状態になるので、できるだけ調子を落とさない様に、慎重に生活していきたいと思う。よって、更新も難しくなるかもしれん。今のところACfA記事はまだ書けているが、一般記事はちゃんと書き続けられるか不安だな…

んで、今日はフン関連の歴史地図を作っておったらえらい時間になった(まぁ起きたのが午後五時だったからというのもあるが)ので、以前言ってた通り、今書きなおしてるACfA解説記事の過去記事訂正その2をはっつけておわる。

まぁここまでくると新規記事だけどな。コチラ。

ARMORED CORE for ANSWER アセンブル解説記事 メインブースター編2

2011年07月27日 19時52分55秒 | アーマード・コア
ごきげんよう諸君、いかがお過ごしかな。ここんとこ体調が良くないので、身体が求める限り睡眠時間をとる事によって復調しようと画策している霧島である。おかげで一日十二時間以上寝ておる。まるでマリネラの国王だな。最近ずっと読んでるのだ、パタリロ。頭使わずに読めて面白く、長いので何度読んでも飽きない。ただ結構前に買った奴なので、かなり続刊が出ており、それを買おうとすると全巻セットを買った方がたぶん安い。

しかしその全巻セット、二万以上するんだよな…どうしたものか。

ちなみに、この間からミサイルがどうこう言ってるが、実際のところ私が一番嫌いなのはパラボラ地形戦、というかパラボラというMAPそのものだったりする。パラボラが壊せれば話は違ったがな、何で大破壊システムを謳ってるゲームで壊せぬ障害物相手にあくせくせにゃならんのだ、という訳だ。ちなみに次に嫌いなのがKAMAL。あくまで私が個人的に嫌い、って話だが。



CB-RACHEL


一言で言うと、横に強くなったユディト。それがレイチェルである。基本的に軽めの機体に積む事を前提に設計されており、水平推力、垂直推力、QB総推力が全て最低限で纏められている。最低限の推力しかないので、満載したホワイト・グリント脚機に積んだだけでかなり動きが鈍くなる、というか的になって死ぬ。

しかしこの推力でも動かせる程度に軽い機体に積めば、水平消費、垂直消費、QB総消費全てが最低クラスという良燃費ブースターなので、継続して空中戦を行っても息切れとは無縁となる。結果、高速機動型とは又違った意味で機動性に優れた機体を構築できるのだ。特に中距離射撃戦をやるならこの程度の推力でも充分可能だ。

QBはユディトと比べると総消費が291増えているが総推力の低下は70程度だし通常消費関係が省エネ化されてるので使用感は変わらない。つまり最低限のQB総推力があり、かつ連発しても問題ない低燃費さが両立されているという事である。なので、ユディトと同様にジワジワおっかけるのも可能だ。と言うより、そこから一歩踏み込む事もできる。

と言うのも、水平推力が絶望的だったユディトと違ってレイチェルは最低限の推力がある。故に、最低限推力+低燃費なQBという事で最低限の攻め性能もあるのである。ただ、そうは言ってもレイチェルだけで攻めるのは厳しい。ランスタンなど高出力な突撃用OBは必須である。しかし突撃をOBに任せて上手く立ち回れば、近中距離での攻めは元より張り付きもできないという事は無い。

まぁ、流石にこいつを使って張り付くのは初心者向けではないので近中距離戦か中距離射撃戦で使うのが無難である。とにかく低燃費で、軽い機体なら息切れしない継続機動戦が可能というのが特徴のMB。機体を上手く組めば、ミサイル交差戦以外はこなせる万能なMBだ。燃費がいいからEN兵器や高消費ENパーツとの相性も良好。

ただ、本当に推力が最低限しかないので、ちょっとでも重い機体に積むと特に近距離での機動性が死んでしまう。中量機なのに軽量機に張り付かれて抜け出せず死亡とか普通に発生しうるので、余程軽く組んでない限り、中量機ならラトナの方がいいだろう。


MB11-LATONA


何かと選ばれやすいMB第二弾。図面トレードで重量機と張り付き機、交差戦機以外の機体を貰った場合、これを積んでいる確率がやたら高い。それぐらい使いやすく、高性能なブースターという事だ。その秘密は、全MB中最低の垂直消費と高出力のQBを両立しているところにある。

大体のブースターは、空を飛ぶとガンガンENが減っていく。これはしょうがない事で、どのMBも空中のEN効率が良すぎると本格的にARMORED ANUBIS -ZONE OF THE ENDERS-になる。…それは置いといて、MB一覧表を見ていると、水平推力やQB推力が高いブースターほど垂直消費が高く、逆に垂直消費が低いブースターほど水平推力やQB推力が低い傾向にあるのがわかる。

そう、前進性能と滞空性能は反比例するのである。中には、前進性能が高くて垂直推力も高く飛ぶ事も可能、というMBもある。今まで紹介したのだとアルギュロスがそうだ。まぁ前進性能が高いって程ではないが、高出力の水平推力とそこそこのQB性能、なかなかの垂直推力がある。しかし、こういうMBは垂直消費自体は高いのでプカプカ浮いての継続空中戦には向かないのである。

しかしこのラトナは違う。全MB中最低の垂直消費を生かし、継続的な空中戦が可能だ。しかも、QB性能がかなり良好。何とアリーヤよりもQB総推力が高いから驚きである。高いと言っても60前後だが、QB性能重視MBとして有名なアリーヤと同等のQB総推力を持つというだけでも、かなりの突撃性能を持っている事が判る。その上プカプカ受けるというのだから、このMBがいかに優秀か判るだろう。

特にこのゲームに慣れていない初心者は、対人戦では無駄に浮いてしまいがちである。CPUネクストは地上にいる事が多く、空中戦型AIを積んでてもしばらく地上で待ってると確実に降りてくる。しかし対人では延々と浮き続ける人も多いし、上下の動きを生かした霍乱機動を仕掛けてくる人だって多い。

すると自然、自分もある程度は浮く必要が出てくる。なれた人ならEN管理がしっかりしていて、ENゲージに合わせてブーストを絞ったり着地するのだが初心者にそれは酷というもの。気付けば延々と空中にいて、地上戦と同じノリでQBを吹かしまくった結果ENゲージがスッカラカン…誰もが通る道である。

さりとて空中戦特化のユディトは本当に垂直関連のみに特化してしまっているので、重量機や狙撃機など引き特化機ならともかく、軽めの中距離射撃戦機など攻めの必要性がある程度は存在する機体では使いにくい。レイチェルも最低限の前進性能しかなく、OBを使いこなす必要が出てくる。その点、ラトナは浮き続けても何ら問題ない空中戦MBでありながら、充分な前進性能を持つ。故に使いやすく、愛用者が多いのである。実際、霧島家でも軽~中量機使いの初心者にはオススメしたい逸品だ。

しかしながら、注意しなければならない点は勿論ある。と言うのも、このMBは本来近中距離戦用のブースターであり、万能を目指して作られたものではない。近中距離戦用としての性能が高い次元でまとまった名作であるが故にそれ以外の用途にも使えるというだけなので、本当に初心者な内はともかく、慣れてきたら「この機体のMBは本当にラトナが最適なのか?」と疑う事が必要である。

まぁそれは置いといて、まず、近中距離戦用なので張り付き距離を維持するには推力不足である。張り付きに多用されるアリーヤと同等のQB総推力があるのに、と思うかもしれんが、あっちは水平推力も異様に高く実際の突撃性能はもう一段高い。ラトナの様に水平推力がそう高くないMBで突撃したかったら、ライールぐらいのQB総推力がないと無理だ。なので、張り付きには使えない。無論交差にも。

次に、垂直消費は低いが垂直推力も低い事。つまり、プカプカ浮くのはできるが上下に激しく動く事はできない。近中距離で攻めるならば大して問題にならないが、張り付きとかの距離になると上下に激しく動く霍乱戦法は大変有効。それができない訳だ。元々張り付きに使うMBではないのでそこまで大きな欠点ではないが、三次元機動で撹乱してくる敵への対処は鈍くなるので注意しておきたい。

又、水平消費、垂直消費共に低いので気付きにくいがQB総消費は意外と高い事。アリーヤと比べQB総推力プラス60前後で総消費が593も増えている。それでも、突撃性能に優れたアリーヤ、ヴァーチュ、ライールの三兄弟より総合的な燃費で勝っている(QB効率自体はラトナのが悪いが、通常消費が低燃費なので総合的には低燃費)が、それでも延々前QBを吹かしまくると燃費は悪くなる。QBを多用しまくるなら、近中距離戦をやる場合でもアリーヤ等を採用した方がいい時もあるので注意。

それから、水平推力がレイチェルよりも低い。なので、同じ継続空中戦が可能なMBとしては、レイチェルの方が中距離射撃戦向け、と言うか引き機向けである。とは言え向こうは最低限の攻め性能しかなく、AP負けとかで攻める必要が出てきた場合に難しいのが欠点。又、ちょっとでも重い機体に積むと近距離での機動性が死ぬので軽量機にまとわりつかれた時逝けるのも欠点。まぁ元々上級者向けのMBだしな。

と、色々欠点を述べてきたが、継続空中戦が可能な低垂直消費と高出力のQBという二本柱をしっかりと確率しているお陰で、近中距離での一定の攻めには最適なMBだ。ENを節約しやすいのでEN武器との相性も非常に良い。流石にレイテルパラッシュみたいな武装は無茶振りだが、ハイレーザーを積んで近中距離で攻める、なんていう機体には最も向いたMBだ。

又、近中距離戦を視野に入れた中距離射撃戦機にも薦められる。ただ、さっきも言った通りレイチェルよりも水平推力が低いので引き主体の機体への適性は低い。ただ、こちらは多少重めの機体でもQBで無理矢理動かせるのが強みか。ただそれでも通常推力が全般に力不足なので、重量機などには流石にあまり向いていない。


03-AALIYAH/M


ここからはQB性能重視、つまり突撃性能重視の張り付き・ミサイル交差戦向けMB。こちらはアリーヤのMB。

先程アルギュロスを全点豪華主義ブースターとして紹介したが、もう一つの全点豪華主義がこのアリーヤである。このブースターはアルギュロス以上に全点豪華主義を先鋭化させており、水平推力NO2、垂直推力NO2、QB総推力NO4というあらゆる面で高出力を誇るブースターだ。

しかし、QB総推力が四番目とは言うが、実はNO3はラトナ。一覧表で見てみると、NO2のライールとNO1のヴァーチュに結構水をあけられている。なので、全点豪華主義とは言ってもQBは「そこそこ」か、まぁアルギュロスよりは高いけど、と、そう思うかもしれん。

しかしさもありなん、このブースター、水平推力がアルギュロス以上に高い。なので、通常ブーストで加速した状態からQBを吹かせばかなり速度が出る。QB総推力自体はラトナに次ぐ程度でも、充分張り付き戦術が出来るぐらいの速度が出るのだ。アルギュロスもアリーヤと同等の水平推力はあるのだが、いかんせんQB総推力がフルチューンでも4000台超えないから、前進性能はそこまでないのだ。QBに関しては死ぬほど燃費悪いし。

しかし、アルギュロスで述べた通り全点豪華主義には何処か無理が出るのが常だ。アリーヤは重量が軽い分、燃費にモロに響いた。4時代は、ただでさえアリーヤ本体の消費ENが高いと言うのに、このブースターが(まぁサイドもバックもだが)ENをバカスカ食いまくるせいでベルリオーズ含め多数のレイレナード所属リンクスが憤死した。消費ENの高い外装+ENバカ食いブースター+大した性能じゃないジェネレータ、という組み合わせだったので、本来なら高機動機体なのにすぐガス欠になって低機動機体というノリになってしまったのだ。

fAのver1.4でも、MBアリーヤのENバカ食いは変わっていない。ラトナで述べた通り、QB総消費は意外と省エネなのだが水平消費と垂直消費がお馬鹿で、ここまで来るとQBを使わず地上で通常ブースト移動してても明らかにEN回復が遅い。その上ちょっとでも飛ぼうものならゴリゴリENが削れて行く。水平消費が一万越えで、垂直消費も一万超えてるからな。トーラスのブースター作ってるのがレイレナードの盟友アクアビットの連中である事を考えると色々感慨深いものがある。

まぁそれは置いておいて、張り付き・交差戦に使うブースターの特徴はQB性能≒突撃性能が異様に高い代わりに燃費が酷いという事である。三種の特徴をそれぞれ挙げると

アリーヤ
・水平推力、垂直推力共に高い
・水平消費、垂直消費共にお馬鹿
・QB総推力は控えめでこのランクでは低燃費

ヴァーチュ
・水平推力、垂直推力共に残念
・水平消費も垂直消費もお馬鹿とかそういう次元を超越
・QB総推力が頭おかしいレベル
・但しQB総消費も頭おかしいレベル

ライール
・水平推力が完全に死亡
・軽い機体を浮かせるだけの垂直推力はある
・水平消費、垂直消費共にこのクラスとしては抑えられている
・その分QB性能がほぼ完全にヴァーチュの劣化

まぁこんなとこである。要するに、突撃MBとしてのアリーヤの価値は通常ブーストの速さ(縦にも横にも)に求められる訳であり、ここを生かせないのなら他二種を使うべきだ。逆に言えば、この通常ブースト速度を存分に生かせる機体なら積極的に採用していきたい。このブースターを使うなら、サイドブースターも水平推力が高いのにして、通常ブースト速度を更に高めておこう。

又、突撃MBとしては非常に高い垂直推力にも注目したい。これは、飛びたいと思った時に急上昇できるという事である。例えばだな…そう、グレネードという武器がある。これは着弾するとそこで爆発して爆風を起こす。これを利用し、空中から地上にいる敵目掛けて撃ち込むのがグレネードの基本戦法だ。そうすれば高い確率で当たるし、逆に言えばそうでもしないと当たらない武器なのだな。

しかし、ヴァーチュはまるで空を飛べない。ライールは垂直消費が割とマシだが、マシというだけであって良い訳ではない。むしろ、全MB中最低の垂直消費を持つラトナでも攻めている時飛びっぱなしというのは無理だ。常時飛び続けるというのは、常時攻め続けるというのと同じぐらいENを食う行動である。しかし、こちらがグレネードを持っていると判ると、相手はなかなか着地しなくなる。

たまーに着地するが、すぐに飛び立ってしまうから、そのたまの着地を狙ってグレネードを叩き込まなければならない。その為には、「たまーに着地した時」「こっちが空にいる」必要がある。そんなもん常時空を飛んでないと無理に思える。

しかしだ、アリーヤぐらいの強力な垂直推力があれば、普段は地上で戦って「あ、そろそろあいつ着地するな」と思ったら空を飛んで、頭上からグレネードを叩き込む…というのができるのだ。これがヴァーチュなんかだと、推力が足りなくてそんな芸当はとても無理である。ライールでもちょっと厳しい。

斯様に、アリーヤは通常推力に優れている為、瞬間的にトップアタックへ移行できるというのが強みなのだ。無論、瞬間的なもので終わらせないとEN消費がおぞましい事になってすぐガス欠になるが、それを補ってあまりある利点である。常時三次元機動を行って敵を霍乱するのではなく、必要な時に瞬時にそれを行える、それがアリーヤの性格なのだ。

優れた通常ブーストと、突撃MBとしては低燃費なQB。これがアリーヤの特徴である。地上戦を主体にし、瞬間的な三次元機動で敵を攻撃するスタイルに合致するブースターだ。又、強力な水平推力を生かし、四脚の様な高速通常ブーストで動き回る機体などにも合う。重量機に積むと悪い燃費が露呈しやすいのでやめておいた方が無難だが。


S04-VIRTUE


かつてのレイレナードのオリジナル、No3の"鴉殺し"アンジェ専用ブースタ。このブースターはアリーヤとは真逆で、ひたすらQB性能だけを重視して作られている。お陰でQB総推力はNO2のライールに1000前後の大差をつけるほどの鬼の性能を誇る。無論、その分QB総消費は膨大で、何も考えず使っているとすぐガス欠になる。

しかし、ここでQB性能だけを重視した弊害が襲ってくる。水平推力がレイチェルと同等程度しかないのだ。軽い機体を最低限動かす程度しかないと言われるレイチェルと同等という事は、即ち通常ブーストによる回避機動がほぼ期待できないという事である。ヴァーチュはレイチェルと違って(張り付き機としては)多少重めの機体にも積めるので、その場合余計に通常ブーストが遅くなる。

結果として、QBをガンガン吹かして敵の死角に回り込む必要が出てくる。しかしQBをガンガン吹かすと即ENがスッカラカンになる…と、大変扱いが難しいのである。しかも水平消費がアリーヤ以上にヤバいので地上ブーストしてるだけでもEN回復がかなり遅い。空中戦なんてもっての外としか言いようがない。

何せ、垂直推力ワースト3なのに垂直消費NO1である。飛べる道理がない。MBの水平消費+垂直消費という単純計算だけでも四万を超えるのに、実戦ではサイドブースタの消費とかQBの消費とかも関わってくるから、このブースタを使う場合、飛ぶ事は基本的に頭の中から排除した方がいい。ソブレロジェネを積んで全身をほぼラトナで構成した実弾武器のみの機体、とかじゃないと厳しい。

そんな欠点だらけのヴァーチュだが、鬼のQB総推力による突撃性能は素晴らしいの一言。企業は違うが危険な作戦パーツだが、見返りは充分に大きいぞとでも言いたくなるブースターである。何せ、MB中最高のクイック推力を誇るのに噴射時間も最長。総推力は、QB総推力NO2のライールに1000前後の大差をつけるほどである。お陰で、前→横→前と連続でQBするより、前→QBリロード終わるの待つ→前、とやった方が速度が出てしまうほどである。

その突撃性能を生かし、一瞬で敵の懐に潜り込み、更に敵の死角へ入り込むのがこのヴァーチュを装備する機体の基本戦法である。前進速度は間違いなく一番なので、迅速に死角に入る事ができる。後は、敵がこちらを再捕捉しない様霍乱機動で張り付きながらマシンガン等の高火力武装を叩き付け続けるのみだ。

但し、さっきも言った通りQB総消費も通常ブースト消費もどぎついのがこのブースタ。QBの使いどころを絞らないとすぐガス欠。又、QBがあまりに速すぎて機体に振り回され、張り付くも何もなくなってしまう事が多いのも欠点だろう。玄人向けと言える。まぁ張り付き戦術自体が玄人向けだからしょうがないと言えばしょうがないんだが。

尚、このブースターの最大の弱点は垂直関連なので、こっちが突撃した時相手が空中に逃げると少々困った事になる。そういう時は、下へ潜り込んでそこから小突き回してみるといいだろう。

後、これをつけると物凄い速度が出る。そういうブースターだから当たり前である。しかし、前も言ったが過剰な速度特化機はラグいので注意。例えばこれ+ブレードでブレードを振ると、たとえ追加ブースターをつけていなくてもラグがおぞましい事になるし、ソブレロ脚の機体にヴァーチュを積んだだけでも割と頻繁にワープする機体が出来上がる。ワープ機体は対戦相手を一方的に不利にしてイラつかせるだけなので、高速機を組む場合はそこら辺を自覚して、注意しながら構築しよう。


CB-LAHIRE


ライールのMB。オーメルの新型の例に漏れず、これも旧レイレナード製品に影響して作られている。と言うか、オーメルのネクスト開発部は旧レイレナード技術者に乗っ取られてるんじゃなかろうか。かつてのオーメルの標準機、ユディトの面影が殆ど見られない。とは言え、一応ユディトの面影もある。このパーツは、ヴァーチュを元にユディトの技術を応用したもの、つまり縦に強くなったヴァーチュである。

とは言え、縦に強くなったとは言ってもそこまで強い訳ではない。垂直推力はアリーヤと比べて2000以上低いし、垂直消費も張り付き用ブースタの中では最もマシとは言え僅かだがアルギュロスより高い。QB総推力もヴァーチュに比べると1000以上低くなっている癖に、総消費は111しか下がっておらずボロ負けである。水平推力はヴァーチュから更に下がり、未チューン11000台に突入。こうしてみると、産廃の様にも思えてしまう。

しかし、だ。未チューン8000台の垂直推力でも張り付き機≒軽量機を浮かせるには充分な推力であり、それだけの推力を持ちながらアルギュロス程度の垂直消費に押さえ込み、尚且つ燃費は死んでいてもアリーヤ以上の出力を持つQBを装備している…こう考えれば、ライールの使い方というのも自然と見えてくる筈である。

いかにアリーヤ以上の推力があると言ってもヴァーチュに比べれば燃費は鬼の様に悪いので、やはり優れた垂直関連の性能を生かし三次元機動で敵を霍乱するという攻め方に向いている、と言うかそういう戦法に最も合致するブースターと言えるだろう。又、一覧表とパーツ説明文を見比べると誰の噴射時間が長いって? となりがちだが、一応長い方ではあるし出力もあるので、空中で吹かせば慣性が働いて水平推力の低さをある程度補うという効果も生む。

そういう意味では、サイドブースターも推力が高くて噴射時間の長いホロフェルネスとかが合ってそうだが、そこまでやるとENが足りなくなったり接近が難しくなったりするのでその辺は機体及び自分の腕と相談である。

ともあれ、三次元機動で敵を撹乱し、戦うブースターである事に変わりはない。その戦術を生かせないのであればヴァーチュかアリーヤを使うべきである。逆に生かせるなら積極的に使い、上下に激しく動いて敵を惑わそう。又、空に逃げる敵に対して、突撃型ブースタの中では一番耐性の強いブースタでもある。まぁ普通に相手に付き合うとすぐ息切れするがな。



★MB総評

GAN-01-SS-M.CG
・通常ブースト最重視、QB死亡ブースタ
・いくら低燃費とは言え、このQB性能では突撃性能は皆無
・よって前進性能(突撃性能)は絶望的
・しかし通常ブーストは最優秀
・狙撃機、重量機など、前進を重視せず引きを主戦術にする機体に
・AP負けした時、OBが死んでるとどうしようもなくなる。高出力OB必須

GAN01-NSS-M.CG
・クーガーの新型MB
・コジマ系ロケットエンジンの遅れを取り戻したところでこの程度であった
・重量と消費ENを減らした代わりに性能が下がったSS-M.CG
・通常ブースト性能が全般的に悪化
・一方QBは、30ちょい総推力が増えて、総消費EN408増加
・つまりQBもどっしょーもない。取り戻した遅れは何処に生かされたのか
・ブースターとしてSS-M.CGに勝る部分は皆無と言っていい
・無理してでもSS-M.CG積むべきだろう。よくこんなの新型で出したなクーガー
・これでも初期verではアリーヤを食いかねない性能だったんだが

GAN01-SS-ML.CG
・↑より前に開発された、SS-M.CGの軽量化バージョン
・水平消費、垂直消費共に改善されたが、それに見合わないほど出力が落ちてる
・QB性能に至っては完全劣化
・重量は352、SS-M.CGとは198差
・この垂直推力でも飛ぶ事は充分可能。SS-M.CGと比べると軽さと滞空性能だけが利点か
・滞空性能に意義を見出せないなら、無理してでもSS-M.CGを積んだ方がいい
・どうでもいいがNSS-M.CGを微妙に食ってる気がする

ARGYROS/M
・全点豪華主義ブースタ
・通常ブースト重視だがQB性能もそこそこある、というタイプ
・QBの推力が割とあり、AP負けした時OBないと詰む、となりにくい
・QB総推力はあくまで「そこそこ」。積極的に突撃する性能ではない
・ちなみにQBの燃費はめっちゃ悪い。そういう意味でも突撃に使うMBではない
・それでも通常ブースト推力とQB推力を両立してるのは魅力的
・通常とクイック両立の代償はそこらの突撃銃より重い重量と燃費
・水平消費こそ普通だが、垂直消費は結構高め。QBは超のつく悪燃費

DUSKAROR-CORB
・アルギュロスを軽くして性能を下げたブースタ
・重量差490はかなり嬉しい…が、その分性能はかなり劣化
・QB性能はほぼ変わらず。総推力が30前後増えて総消費45増
・水平推力も重量を考えればそこまで劣化していない。消費も同等
・問題は垂直関連。垂直推力が全MB中最低にまで落ち込む
・しかも垂直消費はむしろ増加。くっ、駄目だ、飛べん
・高めの水平推力を生かして地上戦における通常ブーストを加速させ、
 ついでにそこそこのQB性能によりAP負けした時の突撃もある程度こなせる。
 通常推力重視のMBで、かつ軽めでQB性能が死んでない。
 こう書くと使いどころがありそうな気がする
・でもそれだったら、瞬間的にだったら浮けるアリーヤでよくね?
・殆どの場合、軽めで高水平推力でQB性能のあるMBを求めるならアリーヤのがいい
・アリーヤに勝ってると言えるのは水平消費ぐらいか。どうしてこうなった

CB-JUDITH
・垂直性能特化ブースタ
・最高の垂直推力と非常に低い垂直消費。
 三次元機動による逃げ(引き)、霍乱が可能
・最低限のQB総推力と最低の総消費を併せ持つQBを装備
・突撃は無理だが、燃費のいいQBでジワジワ追っかける事が可能
・水平関連の性能は最低クラス
 この為通常ブーストが遅くなり要所でQBしないと的になりやすい
・基本的に中距離射撃戦機、狙撃機、重量機といった引き重視機向けだが、
 三次元機動と低燃費QBを生かせないならやめておいた方がいい

EKHAZAR-CORB
・本日の「何に使うんだコレ」
・垂直性能はユディトに完全敗北だが、それでも高性能
・QB性能も完全敗北
・しかもQB総推力下がった上総消費が激増、低燃費とは言えなくなってる
・唯一の救いはユディトに比べて1000増えた水平推力
・しかしそれでも引き機に使うには遅すぎるのであった
・これを使うぐらいなら、垂直関係に特化したユディトか
 水平関係に強くなったユディトことレイチェルでいい
・さて、何に使ったものか

CB-RACHEL
・横に強くなったユディト。それがレイチェル
・最低限の水平推力、垂直推力、QB総推力を持つ
・軽い機体に組み込めば、継続した機動戦は可能
・高速機動戦には息切れという問題がついて回るが継続機動戦にはそれが無い
・重い機体に積んでも的になるだけ。軽い機体で、速くなくとも軽快な機動を
・QBはユディトに比べて燃費が悪化しているが、使用感に変化はない
・突撃機体に積むなら高出力OBを

CB-HOGIRE
・本日の「何に使うんだコレ」第二弾
・レイチェルを高出力にしたパーツ。…の筈だったんだが…
・QB総推力を350前後増やした代償が総消費1869増加
・どういうこっちゃねん
・通常ブースト関連は推力、消費共に特筆するほどの変化なし
・つまりレイチェルに全てを奪われたブースター
・「お前は…俺の……!!」

MB11-LATONA
・水平消費、垂直消費共に最低レベル。省エネブースター
・水平推力が低レベルなので引き機には向かない
・垂直推力も高くはない。上下に激しく動いて霍乱するのは無理
・とは言え垂直消費が最低なので、プカプカ滞空できる。持続的空中戦が可能
・アリーヤより高出力(燃費は悪いが)なQBを生かし一定の攻めが可能
・張り付きとかには力不足。近中距離戦を挑むのに向いている
・近中距離戦を視野に入れた中距離射撃戦機体にも
・ENを節約しやすいので、レーザーとの相性もいい

MB107-POLARIS
・本日の「何に使うんだコレ」第三弾は旧メリエスの名作(笑)ポラリスです!
・結論から言うと、これ自体の性能はそこまで悪くない
・しかしラトナとの重量差に見合う性能ではない
・ラトナより燃費が良くなったのはいいが推力下がってるってどういう…
・「ラトナ! 貴様さえいなければぁーっ!!」

03-AALIYAH/M
・最高レベルの通常ブーストと高出力良燃費のQBを併せ持つ全点豪華主義ブースタ
・但し通常ブーストのEN消費が最高レベル
・通常ブースト中のEN回復速度はかなり落ちる
・通常ブーストを生かした立ち回りを行い、瞬間的なトップアタックを行う機体に
・QBの燃費が意外といいので、ここぞという時の無理も効く

S04-VIRTUE
・最高のQB総推力と最悪のQB総消費、水平消費、垂直消費を併せ持つ特化型
・QBによる突撃性能が物凄く、QB連弾より前QB連打のが速度が出るほど
・その突撃性能を生かし、一瞬で懐に潜り込みそのまま死角に入って張り付くのが基本
・水平推力が高くないので、QBを使わないと被弾率が上がる
 しかしそのQBは異様にENを食う。死角に入るのが必須な理由である
・垂直関連はどうっしょーもない性能。推力はワースト3だわ消費は最高だわ…
・なので地上戦主体で。相手が飛んだら下に入り込んで小突き回そう
・ちなみに、4に登場したNo3アンジェの専用ブースタ
・他にも彼女を倒すとMOONLIGHT、FLICKER、BLUEXSと様々なパーツが手に入った
・お前はロックマンのボスか
・fAでは他のパーツと共に真改が受け継いで使用している

CB-LAHIRE
・軽量な機体なら充分浮かせられるだけの垂直推力
・加えてアルギュロス程度に抑えられた垂直消費を持つ
・推力は決して高いとは言えないし消費も決して少ないとは言えないが、
 アリーヤ以上のQB総推力を持つ事を考えれば致し方ない数字
・上下に激しく動く三次元機動で敵を撹乱し張り付く為のMB
・QBは燃費が滅茶苦茶悪く、ヴァーチュに完敗かつ大敗
・ただ前に突撃するだけならヴァーチュでいい。
 継続的な三次元機動(≠継続的な滞空)こそこのMBの真髄
・この為、できるだけ軽い張り付き機に積むのが望ましい
・水平推力は最低クラス。通常ブースト性能は期待してはいけない

ARMORED CORE for ANSWER アセンブル解説記事 メインブースター編1

2011年07月25日 21時17分24秒 | アーマード・コア
ごきげんよう諸君、いかがお過ごしかな。ここんところ無理をしすぎて体調を崩している霧島である。無理したって何したのかと思うかもしれんが、特に何もしていない。した事と言えば、昼寝とかせずちゃんと一日中活動していた事、結構遅くまで起きていた事、この二つである。逆に言えば、脳障害者というのは一日中活動した上夜更かししただけで体調崩す存在だという事である。

前も言ったかもしれんが、医者からも「午前中活動したら、午後は二、三時間昼寝するなりして休憩してください」と言われてるぐらいである。正直、こんなんでよく大学卒業できたなと今になって思う。まぁ実際、例えば夏休みの間とかは良かったが、それが終わって授業が始まるとどんどん体の調子が悪くなり、期末とかの頃になるともう脳が焼き切れそうな間隔が走ってたからな。

ちなみに、体調が悪いと言っても風邪を引くとかそういうんではない。身体は元気なのだ。当たり前だな、私は身体そのものは健康なんだから。そうではなくて、意欲の減退、頭痛、眩暈、睡眠時間の異様な長期化といったものが発生する。そんな訳で、諸君の周りに脳障害者がいたら理解してやってほしい。彼らはものごとをやりたくないのではない。できないのだ。

そういう訳で私の事も理解してくれ。

さて、そんな訳で、私は本日死んだ様な状態で一日を過ごしておった。当然、日誌なんて書ける訳が無い。ACfA機体構築解説の方はまだ書き溜めがあったので、取り敢えずそっちを貼り付けて終わる。



●メインブースター


ここからはブースターである。基本的に機体構築においてはどの部位も重要だが、特にブースターは非常に重要だ。頭や胴体をちょっとぐらい間違えても機体自体が産業廃棄物になる事はそう無いが、ブースターはちょっと間違えただけでもこんな機体で何するんですかになりかねない。よくよく吟味して機体に乗せる必要がある。

まずはパラメータ…の前に。4系では、四種類のブースターがある。メインブースター(MB)、サイドブースター(SB)、バックブースター(BB)、オーバードブースター(OB)の四つである。メインは前進と上昇を、サイドは左右への移動を、バックは後進を、OBはそのまんまOBを司る。まずはMBから行こう。



↑がMB一覧表。クリックで拡大。是非ともこれを見て他のブースターと比較しながら読んでほしい。よりアセンブルへの洞察が深まる。また、初期配列はそのまんま初期配列だが、MB総評順というのは、MB編の最後に載せる予定の「MB総評」における紹介順である。性能的に関連のあるブースターをなるべく近付けている。

ではパラメータから。まず水平推力と水平消費からいこう。知っての通り、ネクスト用ブースタは、普通に吹かしてネクストを機動させる通常ブーストとコジマ粒子を使って一瞬だが爆発的に加速するクイックブースト(QB)という二種類の利用方法がある。水平推力はこの内前者、通常ブーストの推力であり、水平消費は通常ブーストによって消費されるENの量を表している。

まぁ要するに、水平推力が高いほど前進速度が速くなり、水平消費が高いほどENを大量に消費する、という訳である。一方、垂直推力と垂直消費は、空を飛ぶ時の性能だ。その名の通り垂直方向に上がる力とその消費ENである。

で、だ。さっきから前に進む時どうこうとか、水平推力が高ければ前進が速くなるとか言ったな。そう、メインブースタの性能は後進には反映されないのである。これはバックブースタも同じで、バックブースタの性能は前進には反映されない。一方、斜め前はどうか。このゲームは(つうか3D対戦だったらどんなゲームでもそうだろうけど)真っ直ぐ近づいたらそれこそいい的なので、前進するにしても斜めに進むのが基本である。

結論から言うとだな。

1:MBの水平推力が高ければ斜め前も速くなる。
2:但し、斜め前への移動速度はMBだけでは決まらない。

こういう感じだ。と言うのも、サイドブースタにも「水平推力」というメインブースタの水平推力にあたる数字があるのだが、両方の合計の平均が斜め移動に使える推力となる。なので、メインブースタの通常推力がいくら高くてもSBの通常推力が低いと、自然、通常ブーストによる前進機動は鈍いものとなる。なので、通常ブーストを重視するならサイドも重視しておかなければならない。

この水平推力が重要になるのは、特に重量機である。軽量機などは当然機体自体が軽いので、ぶっちゃけ水平推力が死んでても普通に動くのである。しかしながら重量機は滅茶苦茶重いので、通常ブーストが死んでると通常ブーストでロクな速度が出ない。結果、無駄なQBが多くなりENがなくなって的になり死ぬ訳である。なので、重量機では通常ブースト性能が無視できないのだ。

無論、軽量機、中量機でも無視すべき数値ではない。基本的には、中距離射撃戦機、狙撃機といった連中にとっても通常ブースト性能が重要になる。こいつらは、重量機と同じで「引き」が重要な戦術となり、かつ前進(突撃)性能があまり必要ないのだ。いわゆる「引き機」という奴だ。尤も、中距離射撃戦機は突撃性能を完全に無視すると逝けるが。

又、突撃機でも通常ブーストは速い方がいいのは当然だ。QBだって、通常ブーストで加速したところから吹かした方が速度は出るからな。尚、先程斜め前への速度がMBとSBの通常推力の平均と言ったが、あれはちょっと語弊がある。例えばMBの水平推力がSBの通常推力の二倍あったとして、真っ直ぐ前に進むのを90°、真右に進むのを180度とする。すると、120°に向かって進むの方が150°に向かうより速くなる。

どうも、斜めに進むにしてもその角度によって「MBを使う率」と「SBを使う率」が違い、それに合わせてそれぞれのブースターの吹かし具合が違うらしい。

ちなみに消費ENだが、真っ直ぐ進んでMBだけ吹かしている時はMBの水平消費ENが適用される。一方、斜め前に進んでいてMBもSBも両方吹かしている場合、(MBの水平消費+SBの通常消費)÷1.8ぶんのENが消費されているらしい。空を飛んでいる場合、更に垂直消費ENもプラスされる。空を飛ぶとやたらENが減り、地上でブーストしてるとENゲージが回復していくのはこのせいである。垂直消費部分がなくなるから、使うENが減るのだ。

次にクイック推力である。これはまぁQBの推力なのだが、これが高いからと言ってQBの推力が高いとは限らない。と言うのも、QBには噴射時間というパラメータもあり、これが関係してくるからである。まぁ要するに、このクイック推力というのはQBを一秒間吹かし続けたらどれだけの推力になるかという数字だ。しかしながら、実際のQBでは一秒も吹かさない。ではどれぐらいの間吹かすかというと、噴射時間/60秒である。

なので、実際にQBを吹かした時の総推力はQB推力×(噴射時間/60)で求められる。これがQB総推力だ。QB消費ENも似た様なもので、こちらは一秒間QBを吹かし続けた場合に消費されるENを表している。なので、さっきの計算式のQB推力をQB消費に挿げ替えれば、QB一回につき消費されるENも求める事ができる。それがQB総消費ENだ。

最後に、QBリロードは一回QBしてから次にQBが可能になるまでの時間である。これがあるので、前QB→前QBと連打して物凄い速度を出す事はできない。と言うか、それができたらOBいらない。又、このパラメータはサイドブースターにも(そしてバックブースターにも)ある。なので、後QB→後QB→後QBで物凄い勢いで退がるのも不可能だ。

それから、右スティックを右or左に入れた状態でQBボタンを押すとできるクイックターン(QT)は横QB扱いになっている。なので、その後連続で同じ方向にQBする事はできない。例えば、右向きにQTした直後に右QBはできない。

ただ、このQBリロードは無視する事が可能である。と言うのも、前QB→横QB→前QBといった様に、別の種類のQBを行うとQBリロードがなかった事になる。なので、前、前、前と連続でQBして加速するのは無理だが、前、横、前、と連続でQBする事によって急加速する事は可能だ。こういうのをQB連弾という。

尚、前、横、前で急加速したい場合サイドブースターのQBが強すぎると前QBの推力を殺してしまう。こうなると、MBのQBリロードが終わるのを待ってからもう一度前QBした方がいいという話になる。なので、突撃機などメインブースターの前進性能を重視したい機体を作る場合はそこを気にしておきたい。



GAN-01-SS-M.CG


今回は順番を全力で無視する。なお、今回は性能の数値を画像で示さない。是非とも性能一覧で見てくれ。

で、まずは重ブースターその1のコレから。「俺が遅い!?俺がスロウリィ!?」「はい(笑)」なクーガーのMBである。コジマ系ロケットエンジン技術の遅れを取り戻しつつある筈なのだが、コジマ粒子を使うQBの性能はNANDACORE -forAnswer-であり、驚くほど酷い。確かに総消費EN自体は低めなのだが、前進性能が死んでる死んでると評判のユディトですら総推力4084だというのにこちらの総推力は2937

どちらも未チューン時の数字だが、ここまで低いとQBを使った前進能力、と言うか突撃能力は皆無と考えた方がいい。この為、高出力なOBを装備しておかないとAP負けした時引かれたら本格的に詰むので気をつけておく必要がある。

その一方で、通常推力関係は非常に高水準だ。特に水平関連はNO1の推力でありながら低消費である。垂直関連も、ユディト、アリーヤには劣るものの垂直特化の筈のイクハザール以上の推力を誇り、消費も低くはないが高くもない。水平推力がこれだけの高出力低消費である事を考えれば充分許容範囲内だ。

一般に、こういった通常推力関係が優秀でQB関係が死んでるMBは引き機向けと言われる。APを高めて開幕から引く重量機や、スナイパーキャノンやレールガンを装備して遠距離から狙撃する狙撃機、中距離で散布ミサとかを撃って相手の突撃を誘いつつレーザーとか撃ちながら引く中距離射撃戦機…こういう連中は、前QBを使って自分から近づくという事は基本的にしない。まぁ距離調節で近付きはするが、突撃はしない。

なので、MBに求められるのは前進性能ではなく、通常ブーストの性能、つまり垂直関連の性能(空を飛ぶ為)と水平関連の性能(斜め移動の速度を上げる為)である。前者は判るな。後者は、さっきパラメータ解説で言った通り、MBの水平推力は斜め前への移動速度の上昇に貢献する。そして引き機は、後ろに逃げるだけでなく斜め前への移動も結構行う。例えばミサイルをかわす時や、背後が作戦領域ギリギリの時だな。

故に、引き機にとってはこの二つの性能が重要であり、QB性能は割とどうでもいいのである。そしてQB性能を度外視するなら、このSS-M.CGは極め付けに優秀なメインブースターだ。前進性能、と言うか突撃性能を気にしない機体を作るなら積極的に検討していってほしいパーツである。又、同じく突撃性能を気にしないなら、前後左右に高速で走り回る必要のある四脚にもオススメだ。

欠点としては、重い事と消費ENが高い事がある。まぁ後者は、通常ブーストの消費ENが低いのでそう大きな問題になりにくいが問題は前者。流石に550は軽視できる数字ではない。こんな事もあろうかととクーガーが用意した旧式中量MBのSS-ML.CGか新型のNSS-M.CGでもいいが失うものは結構大きいのでよく考えよう。


ARGYROS/M


変態トーラスの作り上げた、全点豪華主義のブースター。ジェンレータの解説に全点豪華主義と書いてあるが、アルギュロスのパーツは基本、全部全点豪華である。アルギュロス自体がそういう設計思想なんだろうな。細かい事を考えるのがめんどくさいと言うか何と言うか。まぁ外装は防御力のみ全点豪華だったけど。

さて、全点豪華主義というだけあって、推力だけに目を向けると、通常推力重視でありながらQB性能もそこそこ、という具合に仕上がっている。本当に全点豪華にしたら強すぎるからな。なので、SS-M.CGのQB性能を補強した、という感じになっているとも言える。

SS-M.CGは引き機向けとは言え、AP負けして相手が引き始めるとOBなしではどうしようもなくなる。それを考えると、そこそことは言えちゃんとしたQB性能があるのはありがたい。又、四脚の様な高速通常ブーストで動き回る機体で、たまには突撃も織り交ぜてみる、というのならこれは特に有効に作用する特性と言えるだろう。

しかし、全点豪華主義と言うのはどこかしらで無理が出るものである。アルギュロスジェネレータでは、それが5000越えの重量として出た。このブースターの場合、700越えの重量に加え非常に悪い燃費という形でそれが現れている。後者で特に顕著なのがQBで、未チューンQB総推力4522でQB総消費7862。これはかなり悪い数値である。

どれぐらい悪いかと言うと、アリーヤのQB総推力が5155、総消費が6926。ラトナの総推力が5213、総消費が7500。こうして見ると、アルギュロスのQBは大した出力でもないのにえらい消費である事が判る。又、通常ブーストも水平消費こそ低めなものの垂直消費はかなり高い設定。たまーに空を飛びながら突撃する程度ならともかく、常時空を飛んでQB吹かし続けるとあっちゅー間にスッカラカンになる。ENゲージが。

全ての性能(と言うか推力)が一定以上の水準にあるからと言って、扱いやすいブースターになる訳ではないという良い例である。基本的には通常ブーストを重視したいがQB死亡は嫌という機体向けだが、特にQBの吹かしどころはよく考え、突撃の際はOBの使用も頭に入れる様に。


CB-JUDITH


ユディトのメインブースター。何かと選ばれやすいパーツ(byRAVENWOOD)で、前進性能を捨て去って垂直性能に特化したブースターとして有名。一般的にとにかく距離を詰めないといけない軽量機のMBとしてこれを開発したと思うと胸が熱くなる一品である。ミドとか、このブースターでブレードオンリー機体だったんだもんなぁ。そりゃMARCH AU SHUPPLICEですぐ膝折るわ。

とまぁ判らん人には判らん話は置いておいて。

さっき言った通り、ユディトは垂直特化ブースターである。全MB中最高の垂直推力を持ち、それだけの推力を誇りながら垂直消費も極めて低レベルに抑えられている(全MB中NO3)。これはどんな機体にとっても非常に素晴らしい事だ。例えば、引き機が敵に追い詰められてしまった時。基本的に後進より前進の方が速いゲームなので、普通に後QBしても逃げ切れない。さりとて一転前進して交差して逃げるには相手の火力とサイティング技術が高すぎる。

そういう時は、飛ぶのである。無論真っ直ぐ上に飛んだら的になるから、後進や交差、横引き、ケツ振りなどと織り交ぜながら飛ぶ訳だが…攻め機のMBというのは、垂直関連で分けると大体三種類になる。

1:垂直推力は高いが垂直消費も高い奴。アリーヤ、ライールがこれ
2:垂直推力も低けりゃ垂直消費も高い、そもそも飛べない奴。ヴァーチュがこれ
3:垂直消費が低いので飛べるが、推力が低いので一気に上昇できない。ラトナはこれ

2は、とにかく浮いて逃げるだけで相当攻めから逃れやすくなる。そもそも飛ぶ事を考えて作られたものではないからな、空へ逃げるのが一番と言える。1なら推力が高いから空へ逃げても追ってこれるが、消費も高いのでいつまでも追える訳ではない。攻められる時間はごく短くなり、攻めは難しくなる。

最後の3は、空中に逃げてもだんだん浮いて追ってくる。推力が低くても、消費が低ければ空中に居続けられるのでジワジワ高度を上げてくるのだ。こういう時こそ垂直性能特化の力の見せ所で、持ち前の推力の高さを生かして浮いたり落ちたり浮いたり落ちたりと上下に激しく動くのだ。これをやられると、垂直推力の低いラトナなどはユディトの激しい上下機動についていけなくなってしまう。

この様に、垂直性能に優れたMBは三次元機動によって敵を霍乱する事が可能なのである。攻め機においても、垂直性能を生かした霍乱戦法は有効だ。まぁユディトで攻めはきついが。

又、ユディトは垂直性能だけのブースタではない。QB総推力を見ると未チューンで4084。低い数値だが、クーガー三人衆ほど絶望的な数字ではなく、アルギュロスからマイナス440前後。そして、総消費がなんと5076という驚きの低消費。これは全MB中最低数値である。この、最低限のQB推力と低総消費により、突撃は不可能でもジワジワと追っかけるという形での距離の詰め方は可能。

なので、前進性能も滅茶苦茶悪いという事はない。引き機に求められる逃げ性能、AP負けした時の追い性能、どちらも満たしているが故に選択されやすいブースターである。ただし、垂直関連が最優秀でQBも悪くない代わり水平関連の性能は劣悪である。水平推力はMBワーストだし、水平消費も高めだ。

まぁ水平消費はそう気にするパラメータではないからいいが、推力が低いのは、特に中距離射撃戦機体や重量機、狙撃機といった中距離以遠での引きが重要な機体、つまり通常ブースト速度が重要な機体には割と致命的な問題となる。何せ機体構成と角度にもよるが、MBをこれからSS-M.CGに変えると横ブーストがだいたい100km/hぐらい速くなるのだからな。丁寧に横QBで敵弾を回避していかないと、ただ浮いてるだけのいい的にもなりかねない。

結論から言うと、三次元機動と低燃費前QBを生かせないなら、このMBを積むべきではない。プカプカ浮くだけならラトナでいい訳だしな。逆に生かせるならどんどん積んでいきたい。通常ブーストもQBも低燃費だから、EN兵器との相性も良好だ。

尚、これに限らず、低垂直消費MBは機体構成にもよるが無限浮遊が割と簡単であり、延々とプカプカ浮いていられる。しかし、着地せずずっと飛んだままというのはラグ誘発行動なので、たまに着地する事も忘れない様にしよう。相手からしてみるとフワフワラグアーマー重量機とか結構イライラするので、これはマナーの範囲内である。折角垂直性能重視のMB積んだのにとかそういう文句はフロムに言ってくれ。

ARMORED CORE for ANSWER アセン解説記事その10 ジェネレータ

2011年07月22日 19時29分39秒 | アーマード・コア
ごきげんよう諸君、いかがお過ごしかな。一般向け記事のネタがない霧島である。昨日からずっとネタを絞りだそうと頑張っていたのだが、だめだった。まったくもってダメだ。本当に駄目だ。まるで駄目だ。

理由は分かっておる。

ここんとこACfAと日誌執筆以外の能動的行動をとってないからだ。

ゆえにネタがACfAぐらいしかなく、結果としてACfA攻略記事ははかどるが普通の記事は全くはかどらないという事態に陥るのである。夕方六時に至ってもネタが出てこないので、もう諦めた。そう、ネタがないのならネタを募集すればいいのだ。という訳で、今回は書きためておいたACfA記事を張り付いておいて、次回の一般記事で使うネタを募集する。是非コメントしてくれ!!11!11!1



●ジェネレータ

さて、ジェネレータである。ジェネレータは最もパラメータ種類の少ない部品だが、ACの心臓なだけに非常に重要だ。とは言え、他のカテゴリに比べると明らかにバランスが悪い。その為、○○ならコレ、××ならコレ、というのが割と決まっているので選択は簡単である。

EN出力は、文字通りジェネレータの発電システムが瞬間的に発生させるエネルギーの総量だ。戦闘中は「EN出力-あらゆる装備パーツの消費EN」の差が随時回復する。噛み砕いて言えば、EN出力が高ければ高いほど(同時に消費ENが少なければ少ないほど)機体のEN回復が速くなるのだ。ENが無いとEN兵器が撃てないばかりか、空も飛べないQBもできないと手の打ち様がなくなりただの的になって死ぬので、大変重要である。

一方、EN容量はジェネレータの蓄電機構が蓄電できるENの限界である。ジェネレータは常に全力で発電を行うが、発電された量よりブーストなり何なりで使用された量が少なければ、当然ENが余る。その余りを、後で使う時の為に溜めておく訳である。しかしそれも無限に溜められる訳ではなく上限があり、その上限がEN容量の数値だ。

EN容量の数値が多いとENゲージが長くなる。このENゲージがある内は、行っている動作(ブーストとかEN兵器発射とか)に対してEN出力が赤字でも好き勝手に動き回れる。要するにEN容量が多いとそれだけ無茶できるという事である。勿論、減ったENゲージはEN出力で回復させねばならない。基本的にはEN出力の方が大事だが、こっちを重視したジェネレータの方がよく動けるというアセンもある。

KP出力は、コジマパワー出力…ではなくコジマ粒子出力。コジマバリアことプライマルアーマーが被弾等によって減衰した際、回復する速度に影響する。勿論AAした後の復帰速度にも。PAに特化した機体ほど重要。逆にPAに頼らない機体は重視しなくて良い。

但し、やたらと被弾する事になる重量機は重視しておかないと、PAを剥がされた後延々はがされっぱなしになる可能性がある。PAが剥がれると安定性能が下がって重2でもショットガンあたりで固まる可能性が出てくるし、PAが薄い機体でもPAがあると無いとだと防御力に天と地ほどの差がある。PAが剥がされっぱなしになると重量機といえど簡単に撃破されるので、GA系重パーツを多用した機体を組んだ場合でも疎かにしてはいけない。

又、重量なのだが、ジェネレータはver1.2で軽くなり脚部の積載もその分減った。しかしver1.3でジェネの重量が元に戻ったとき脚部の積載量が据え置きにされてしまい、結果、機体構築の際かなりの問題が出てきてしまった。特に重量級ジェネレータ三種は死ぬほど重いのにEN出力も容量もパッとしないという始末。

この為、重量機は中量ジェネを、軽量機もしくは中量機は軽量ジェネを積むのがスタンダードとなっている。又、最初に言った通りバランスが悪く産廃が多いのもこのパーツカテゴリの特徴だ。


GN-LAHIRE


全ての基本となる、本来は軽量、事実上中量のジェネレータ。中量機まではこれで充分に動かせるし、実弾武器しか持たないのなら重量機だって動かしてみせる!という驚異のパーツである。EN出力重視だが容量もそこそこあり、KP出力もそれなりにあるので万能、どんな機体にも合い、しかも軽いという大変な優良パーツである。

ジェネレータにおいてはEN出力、容量、KPが非常に重要だが、それに劣らず重量も重要である。と言うのも、普通、このゲームの機体速度は「ブースターの出力」と「機体重量」、「空力適性」に「脚部」で決まる。まぁ後者二つは置いておくとしてだな、基本的にはブースター出力が高くて軽ければ速い訳だ。しかし機体重量には二種類あって、効果が明確に違う。

まず第一に、頭とか腕とかの重量。これは最高速度から加速度まで全てに影響する。一方、手に持ったり背負ったりする武装の重量。こっちは加速度には影響するが空中での最高速度には影響しない。そして、ジェネレータの重量は前者に分類される。つまり重いジェネレータを積むと、加速度どころか最高速度にも影響してしまい、結果、機動力が鈍ってしまう。高出力ブースターは大抵燃費が悪いが、高出力ブースターの為に重いジェネを積むと本末転倒になる訳である。

まぁ速度を求める機体でないにしてもだな、どんな機体であろうとも速度は速い方がいいし軽い方がいい。これはガチタンみたいなガチの重量機でも同じである。機動力が高いAというガチタンとまるで動けないBというガチタンがあったとして、もしAもBも同じ火力、同じ防御力なんだったら前者がいいのは自明の理だ。

だからこそ、ガチタンでも不用意に重すぎるジェネを積むべきではないし、機動力が重要な中量機、軽量機は尚更である。その点、このライールは素晴らしい。確かに軽量ジェネの中では最も重い(ライール900、ユディト650、ソブレロ450、ランスタン500)が、中量機までならEN兵器装備でも充分動かせる出力と容量を持ち、その上実用レベルのKP出力がある。

これ以上の性能を持つジェネレータとなると中量ジェネとなるのだが、中量ジェネでまともな性能を持つリゲルの重量が2000。ちなみに中量ジェネ最軽量のイクハザールが1900。事実上の重ジェネみたいな重さであり、重量機でもない限り積むのは難しい。

ならば他の軽量ジェネはどうか。ユディトは一旦置いておいて、ソブレロはKP出力が無に近いPA剥がれたら死ぬまで再展開できないと言われる特化型。ランスタンは発電機なのに発電能力が逝っちゃってるというKP出力特化のこれまた特化型。なので、特化ではないまともな性能の軽量ジェネはライール(とユディト)だけなのだ。

ではライールとユディトがどう違うかと言うと、ライールが出力重視でユディトが容量重視という形になっている。で、普通は出力重視の方がよく動ける機体が出来る。そんな訳で、ライールジェネこそ最も基本的なジェネレータなのである。軽量、もしくは中量機を組む場合はまずこれを載せて組んでみてそれから考えるというのでも問題ない、それぐらい基本だ。

又、さっきも言ったが、重量機でも実弾武器しか積んでない機体ならライールで充分動かせる。EN兵器を積んでいても、純正ヒルベルトみたいな機体だったら結構動かせたりもする。それだけ万能で優秀なジェネレータなのだ。霧島家一押しである。


GN-JUDITH


先程言ったとおり、かの万能秀才ジェネレータ、ライールの容量重視版。基本的には出力重視の方がよく動かせるのだが、稀に容量重視の方が動かせるという場合がある。

例えばラトナ外装で省エネな機体を組んだとしよう。武器は両手にアサルトライフル、背中に一本プラズマキャノンを積んだとする。省エネな上にブースターも低燃費なのを積んでるので、アサルトライフルだけで攻めるならユディトジェネを積んでもENが回復する、そういう機体だ。

で、まずはプラズマを展開してアサルトライフル+プラズマキャノンで攻める。ENゲージが減ってきたらプラズマを畳んで両手のアサルトライフルで攻め、ENが回復するのを待つ。ENゲージが回復したら、又プラズマを展開してクロストリガーで攻める…と、こういう感じで攻めるとする。

この場合、出力重視よりも容量重視のジェネレータのがいい。何故なら、出力重視の場合容量が少ないからプラズマで攻められる時間が短い上、出力が高くて容量が少ないからすぐENゲージが満タンになる。すると頻繁に武器を切り替える事になり、逆に攻撃効率が下がる。それだったら、ENゲージ回復速度が多少遅くても容量が多くて長い時間プラズマで攻められる容量重視ジェネのがいい。

斯様に、容量重視のが向いている機体というのも世の中には存在する。ただそういう機体はあんまりなく、八割がたライールのがよく動ける事は覚えておこう。又、ユディトはライールより250軽く非常に積みやすい。しかしKP出力はライールより下がっており、大抵の機体はこっちだと動かしにくいので安易に積むべきではない事は覚えておこう。


I-RIGEL/G


インテリオルの新標準機ラトナに載ってるジェネだが、名前はラトナじゃなくリゲル。リゲルのがラトナより前に製作されたらしいので、それを流用してるんだろう。一目見ただけで旧アクアビットの技術で作った事が判る形をしておる。

本来なら出力重視中量ジェネという位置づけになるべきジェネレータだが、重量2000が物凄い勢いでのしかかる。これがどれぐらいの重さなのか、中量二脚の定番その1アリーヤ脚(その2がホワイト・グリント、その3がNSS)で考えてみよう。

まずACSISを起動し、DESIGNのCOMPANYからアリーヤの図面を読み込む。流石にこのままだと尖りすぎな機体なので、腕を定番の063に。コアも定番のオーギルに。頭も普通な性能のオーギルにしようか。フレアも忘れずに装備し、ジェネレータはリゲル。ブースターには手をつけずに、そうだな、じゃあWライフルという事で両手に051ANNR(BFF重ライフル)を装備しよう。はい重量過多。

お分かりいただけたろうか。これがライールジェネなら、重量1100が浮くので、更にミサイル一個積むなり何なりできる訳である。リゲルの重量2000というのはそれほどの数字なので、重量機を組んでいる時を除いて、ENが足りないからと言って安易にこれを選ぶべきではない。アセンの幅がかなり狭まる。

まぁ、なので、事実上の出力重視型重ジェネである。重ジェネなので重量機を組む時は積極的に選んでいっていいが、中軽量機はマズイという訳だ。特に軽量機はな。初心者に多い事なのだが、張り付きとかを主戦術にする軽量突撃機を作る時、まず何も考えず高出力ブースターをつける。すると高出力ブースターというのは大抵燃費が悪いので、初心者は動きが悪いのもあいまってすぐガス欠になり、動けなくなって的になり死ぬ。

これではいかんというので、ジェネレータをリゲルとかに交換する訳である。しかしこれはマズイ。何でマズイかって、考えてもみたまえ。重量2000である。もしリゲルジェネに交換する前のジェネレータがライールジェネだったとすると、重量差は1100。これはラトナコアをNSSコアに交換したのと同じぐらいの差である。想像してみてくれたまえ、ライール脚の上にのっかったNSSコアを。

どうみても根本的に間違っておる。

世の中には軽量機に重いジェネレータを積む機体も無いではないが、初心者には全く向かないので無視してよい。取り敢えず、軽量機作成中にENが足りないからと言ってこれに頼るのはやめるべきである。正直中量機でも苦しいからな、この重量は。勿論、重量機ならば選んでいって構わない。重量機もタンク以外は積載が厳しいご時世なので、なんだかんだでこれを積むのに結構苦労したりするんだがな。


GN-HOGIRE


リゲルの容量重視バージョン。つまり事実上の容量重視型重ジェネである。

もうなんか説明しなきゃいけない事はユディトで全部説明した気がする。ただユディトとは違い、出力重視のリゲルより重い事に注意。100の差だけどな。それ以外はユディトとライールの違いと一緒で、KP出力が劣る事も一緒。自分の機体が容量を求めてるのか出力を求めてるのか、それにしたがってどっちを積むか決めよう。まぁ一番いいのはどっちも積んで何度かテスト対戦してみる事だが。

ちなみに重ジェネだが、出力はライールより低い。その辺も考えて載せる事。


03-AALIYAH/G


アリーヤのジェネ。4初期verでは高性能ながらEN消費の高い全身アリーヤ機体にこいつを装備するとまるでENが足りずレイレナード正規リンクスが多数憤死した。しかしfAの現行verである1.4では一転、事実上の最重量ジェネとして、ジェネレータ最高の性能を誇っている。

と言うのも、これより重いものとして重ジェネのマクスウェル、SS-G、アルギュロスがあるのだが、こいつらただでさえ重すぎる(それぞれ4000、4200、5200。足折れるっつーの)上、重い癖に大した性能じゃないのである。一応EN出力やらEN容量やらアリーヤより優秀な数値を示しているのだが4000↑の重量に見合った性能ではない。乗らねーよこんなもんって話もあるし。重さ的に。

まぁそんな訳で、事実上の最重量ジェネがこのアリーヤという事である。2800という鬼重量に見合った性能で、リゲル以上の出力を持ちながら容量は同等、KP出力も更に向上している。これを積んでもENが足りない様であれば、それは根本的にアセンが間違ってるか致命的に腕が足りてないかのどっちかである。なので、これを積んでEN関係で困るなら、アセンを見直すかEN管理のうでを磨こう。

尚、さっきも言ったが重量は2800。リゲルとの差は800、ここまで来ると重2でも積むのが大変な重量だ。本当にここまでのジェネレータ性能が必要かどうか、考える事も必要である。ENを持て余す様ならリゲル等にダウングレードし、武装を強化したり外装をより堅固にするという選択も必要である。


LINSTANT/G


SIMPLE2000シリーズTHE特化。コジマに全てを賭けた変態企業アクアビット渾身のKP以外を無視した軽量特化ジェネである。

その最大の特徴は鬼のKP出力と発電機なのに死亡してる発電性能。「極端に軽く、機動性を損なわない」とか書いてあるが、EN出力とEN容量が底辺レベルなのでEN的な意味で機動性を損なう困ったパーツである。しかしこんな乙な発電能力でも、省エネに徹して機体を組んだりEN管理を練習すれば、機動力を生かした戦闘を行う事は不可能ではない。

しかし不可能ではないというだけであって、ただ機動戦をやるだけってんならライールやユディトでいい。ENに余裕があるからその分よりメリハリのある機動戦が行えるし、アセンにも無茶が効く。ではこのジェネレータは何の為に存在してるかと言えばコジマバリアを最大限に利用する為である。

PAは、フル展開状態(PAゲージ満タン)で最もその能力を発揮する。PA整波性能の高い機体がPAをフル展開させていれば、ライフルなど豆鉄砲も当然だ。例え素の装甲が紙でもな。しかしながら、攻撃を受けるとPAは減衰(PAゲージが減少)する。PAが減衰するとダメージ軽減能力も下がり、ライフルとかでも大きいダメージを受ける様になってしまう。

このPAというのは、PAゲージがちょっとでも減ると満タンに向けて回復していく。なので、散発的な被弾ならばPA重視機体にはさほど問題ではない。最初の被弾と二番目の被弾の間に時間があれば、その間にPAがフル展開状態に戻るからな。これが、一般的なPAの防御力に関する考え方である。

そして、そのPAゲージ回復速度に影響するのがKP出力な訳だ。とは言え、KP出力がいくら高くても連続被弾すればPAは減衰するし剥げる。なので、機動戦ができてかつPAが鬼の分厚さという機体にして、たまーに食らう弾を必ずフル展開PAで受け止める、これはそういうジェネレータである。KP出力が高いので、次に被弾するまでに回復できるPAゲージの量が多いという訳だ。

ただ何せ特化型なので、使いにくいのは事実。正直初心者には向かない。が、夢があるのでそういう意味では初心者向けという事で敢えて載せた。上手くなればガチ機にも使えるぞ。尚、このジェネを使ってENが足りないのは腕の場合もあるが、アセンのせいな場合もあるのでよく考えて機体を組もう。EN消費の多い機体にMBヴァーチュでランスタンジェネとか自殺行為。

ま、PA厚いパーツは大体EN消費もヤバいんだけどな。ただ、ENとKPどっちも足りないという状況だったらEN取った方がダメージは減る。充分回避できるENを確保した上でKPに手を出そう。



★ジェネ総評(使えるパーツ)

GN-LAHIRE
・全ての基本になるジェネレータ。事実上の中量ジェネ
・高めの出力と程よい容量、安定したKP出力を誇る
・中量機までならこれで充分
・重量機も実弾武器のみならこれで動ける
・取り敢えずこれを載せてアセンしてみて、話はそれから。それぐらい基本

GN-JUDITH
・ライールの容量重視バージョン
・機体によっては、ライールよりこっちのがよく動ける。要機体テスト
・さりげなく重量-250。出来る限り重量を減らしたいという目的でも
・KP出力はライールより低いので注意

I-RIGEL/G
・重いライールポジション。事実上の出力重視重ジェネ
・ライールでは流石にきつい、でもアリーヤは重い、ならコレ
・基本的には出力が高い方がいいので、↓よりもこちらのがいい場合が多い
・インテリオル仲介人「軽量ジェネレータと言ったな。あれは嘘だ」

GN-HOGIRE
・事実上の容量重視重ジェネ
・重いユディトポジション
・重量がほぼ一緒なので出力重視のリゲルと選択式
・容量重視ならこちら
・リゲルと比べ僅かだがKP出力に劣る
・カテゴリは中量だが、重量ジェネのつもりで積もう

03-AALIYAH/G
・事実上の最重量ジェネ
・EN重視だが、容量も充分にありKP出力も高い
・これを積んでもENが足りないなら、アセンかEN管理に根本的な欠陥が…
・重さだけが欠点。特に軽量機に積むと動きがかなり鈍くなるので注意

GN-SOBRERO
・ある意味ランスタン以上にぶっとんだEN出力特化ジェネ
・これを装備すれば、全身ライールでもEN兵器が使える。ある意味最終兵器
・攻め続けないといけない機体で、どうしてもENが途中で切れるって時に
・但し、驚きのKP出力の低さ。当たらなければ(ryという機体でないと死ぬ
・こう考えると、PAすら度外視した特化攻め機向けか

LINSTANT/G
・驚きの低出力。誰が機動性を損なわないって?
・一応アセンと腕次第で、機動戦は可能。機動性は損なわれるけど
・いくらKP出力が高くても、連続被弾すればPAは剥げる。
 こんなジェネでも機動戦ができてかつPAが分厚いという機体にして、
 たまーに食らう弾を必ずフル展開PAで受け止める、そういうジェネ



★ジェネ総評(産業廃棄物)

GAN01-SS-G
・えーマジー? 旧式ー? キモーイ!

GAN02-NSS-G
・SS-Gの新型。所詮GAのコジマ技術は低レベルであった
・重くしてKP出力下げた代わりに容量増やしたリゲル
・ここまで重いの積むならアリーヤでいいですよねという話

GN-HECTOR
・何に使うんだコレ
・アリーヤクラスの重量でユディト以下の出力はどうかと
・低出力高容量高KPと言えば聞こえはいい。聞こえだけは

EKHAZAR-GEN
・何に使うんだコレその2
・ライールとユディトのいいとこどりしようとしたら
 リゲルなみの重量になったでござるの巻

GAN01-SS-GL
・え? 重ジェネって実在したの?

ARGYROS/G
・昔、ORCHIDというパーツがあってだな
・ver1.0からずっと重すぎて使い物にならなかった
・ver1.2で超性能になり、トーラスの株は買い注文が殺到、一時取引中止になった
・しかしver1.3で元の木阿弥に
・初代の銀ジェネにちょっと似てる
・ARGYROSは銀の元素記号の元。狙ったか、フロム・ソフトウェア!

S08-MAXWELL
・4時代、これを積ませて貰えなかったせいでレイレナードのリンクスが多数憤死した
・fAでも初期verではハイエンドだった。って言うか他の重ジェネの価値が無かった
・諸行無常を感じる

ARMORED CORE for ANSWER アセン解説記事その9 FCS3

2011年07月20日 19時01分44秒 | アーマード・コア
ごきげんよう諸君、いかがお過ごしかな。昨日まで結構忙しかったのだが、今日になってようやく落ち着いた霧島である。今更ながら、ARMORED CORE @ wikiでアーマードミッションイボルヴVの既出情報を見た。何と言うか嫌な予感しかしない。

鍋島の発言はどんどん痛くなってると言うか稲船化してるし(まぁ元々ACシリーズの癌だったけど)、一回のミッションが20分から60分かかるというのも嫌な予感バリバリ。更に今回はストーリー重視を謳ってたり、全部のパーツを買える様にする為にはネット対戦でランク上げなきゃいけなかったり。パーツカテゴリ11、パーツ総数500超えというのも怖いな。完全新規でこんな数のパーツ、鍋島にちゃんとしたパラメータ割り振りが出来るとは思えん。

さっき言ったミッションも、どうも今までの様に狭い作戦領域で敵を倒すとかではなく、広い世界を移動しながら補給を要請したり機体構築をやり直したりしつつ遂行するらしい。こんな繊細な感覚が要求されるゲーム、今のフロムに作れるとはとても思えんが…クソゲーの悪寒しかしないぞ。短いのもあるらしいが…一応は買うつもりだったのにどうしてくれるんだ。凄い悩むじゃないか。


まぁ、取り敢えずそういうのはほっといてACfA攻略の続きである。その前に、前回ちゃんと書けなかった事なのだが、基本的に霧島家ではミサイル交差戦、軽量ミサイラー、両背ミサイル垂れ流し等ミサイルを主力にするのは非推奨である。理由は前回の記事の一番最後に書いた通りだ。あまりに軽量ミサイラーにばっかり当たり続けると、ミサイル撃たれただけで捨てゲーしたくなるという気持ちは私も判るしな。一個積んでたまに牽制で撃つぐらいに留めておいた方が、互いの精神衛生上よろしい。

ちなみに、他に霧島家非推奨なものは、スラッグガン装備(スラッグ載せれば本当に万事解決する。アセンブルというこのゲームの根幹を破壊する武器)、腕グレ四脚(ガチ杉)、ブレード装備機(例え非MBヴァーチュ非追加Bでも普通にラグワープする)、過剰な速度特化機(ソブレロとか、高出力QB吹かすだけで普通にワープする)、安定性能足りてない機体で反動武器撃つ(ロックが外れない程度の安定は確保しないと結構ラグる)、延々浮き続けて着地しない、一方向延々QBし続ける(どちらもラグ誘発行動)等がある。

又、過剰な鬼ごっこも推奨しない。例えばBIGBOXみたいな異様に広いMAPでの対戦で、APが勝ってるからとネクストを利用したかくれんぼ一発も撃たずに勝つとか、パラボラMAPで延々パラボラに隠れ続けるとかな。まぁ後者は割と私の個人的な感情も入ってるかもしれんが…地形戦と言えば聞こえはいいが、絶対に壊れない物体に隠れ続けるとか相手の寿命がストレスでマッハである。基本引き有利なゲームなのに有利ってレベルじゃなくなるし、大体ハイスピードメカアクションって銘打ってるゲームでかくれんぼとかしたい奴もそうおらんだろうしな。

なお、安定性能足りてない機体で~についてだが、本来なら無反動射撃しないと多少なりともラグる。ただ、無反動射撃じゃなきゃ使っちゃ駄目、という事にすると重量二脚すらキャノンが撃てなくなるので、これはもうフロムに文句を言うしかない。と言うか、霧島家非推奨のものって基本的にプレイヤーよりフロムが悪いんだけどな。

まぁ、そんな訳で、霧島家ではミサイル交差戦を推奨していない。今回紹介するFCSの中にはミサイル交差戦向けのもあるが、あくまで解説するだけで推奨はしていない事に注意。



063AN05


ここからは中距離万能型。OMNIAを無視する場合、これとオーギル、ユディトが万能型に分類される。万能型の特徴と言えば勿論、そこそこのロック速度とミサイルロック速度を持ち、ロック距離は長すぎず短すぎず、ダブルトリガーを主力にしても問題ない並列処理、レーダー更新間隔もそこそこ、というところである。が、この063AN05はロック速度を犠牲にしてミサイル重視に尖らせた性能である。

まぁ低ロック速度の万能型という意味ではOMNIAを中距離用に発展させたタイプとも言えるがな。ともかく、このFCS最大の特長はノーチューンなら黄色石01をも上回るミサイルロック速度(フルチューンだと逆転する)である。これだけ速ければ、チューンと組み合わせ次第で交差戦でもミサイルをガンガン使っていける。敵を見失いやすい交差戦ではレーダー性能も重要な鍵となるが、その点これは未チューン30、フルチューン15と最速クラスの性能を持ち、抜かりは無い。

又並列処理性能が後述の近距離型と肩を並べる高さで、ダブルトリガーを主力にしてもグングン食らいついていく。しかしながら、問題はロック速度の遅さである。いくら並列処理性能が高くても、ここまでロック速度が遅いと武器選択に難儀する。遠距離型FCSならこれでも滅茶苦茶速いから素直に喜べたのだが、中距離射撃戦や近距離戦で使うとなると、リロード時間の遅い武器しか使えないというのは大きな欠点となる。

具体的には、ロック速度フルチューンで250、許容できるリロード時間は25まで。つまりライフルまでしか使えないという事だ。狙撃企業BFFの製品で、063ANは前衛機と言っても狙撃機の前衛だから中距離戦用ですよーという設定には見事に沿っているのだが、せめて063アサルトライフルぐらいは扱える様にしてやって欲しかった。嘘みたいだろ、063AN用に開発されたんだぜ、この銃。

まぁともかく、この高い並列処理性能を生かさないのも勿体無いし、同様に高いミサイル性能を生かさないのも勿体無い。ミサイル交差撃ちと中距離射撃戦を相手によって使い分ける機体に積むも良し、近距離に寄られてもミサイルで応戦できる機体にしてしまうも良し。その一方でレーダー性能とミサイル性能を生かし、ミサイル交差撃ちに特化した機体に積むのもいいだろう。ダブルライフル+引き抑止散布ミサイルなんて組み合わせのWライフル機にも相性が良い。


FS-JUDITH


本来の順番で言えばオーギルが先なのだが、説明のしやすさからこっちが先。063と比べるとやはりロック速度の大幅な向上が最大の特長でフルチューンで500。これを許容できるリロード時間に直すと12で、全ての突撃銃が使用できる事になる。流石にマシンガンを使うには不足だが、中距離万能型としては充分な性能を備えていると言えるだろう。

又、他の性能も万能型と呼ぶにふさわしいレベルで充実している。ロック速度の遅いミサイルでも何とか使えるミサイルロック速度、063AN05や近距離用には劣るが実用レベルの性能を持つ並列処理性能、中距離用と考えれば充分な性能のレーダー更新速度。しかも省エネだ。まさに万能の名に相応しい性能である。中距離射撃戦機にこのFCSを積んだ場合、FCSにアセンを拘束されない。そういう意味でも素晴らしいFCSだという事ができるだろう。

又、中距離射撃戦機でなく、ミサイル交差戦機に積む道もある。ミサイル交差戦用FCSとしてはもう一つ063AN05があるが、ミサイルロック性能とレーダー性能ではこちらが劣る。こちらはその代わりロック速度が高く、クロストリガーでミサイルと併用する武器の幅が広い。交差戦特化なら063、交差戦を主体にしてるがとまではいかないならこちらか。

更に、重量機や狙撃機に積む目もある。047頭と組み合わせればロック距離は1121、狙撃戦をやるにも充分なロック距離を見込める。そうまでしてこのFCSを積むメリットは、勿論ミサイルが使える事、ロック速度が速いので死角に入ってくる軽量機に強い事、そこそこのレーダー性能というのもあるが、最大はMARVEなど連射武器を近接防御火器に出来るというところに尽きるだろう。遠距離型FCSだと近接防御火器は単発系のみなので、これは結構大きかったりする。


FS-HOGIRE


バランス大好きローゼンタール先生のFCSは、ご多分に漏れずバランス感覚に優れている。が、当然の事ながら企業標準機に合わせて設計されており、オーギルにしろランセルにしろブレード装備を前提に作ってあるのでブレード装備のシングルトリガー機向けの中距離万能型に仕上がっている。

しかしオンライン対戦では、ブレードは装備しているだけで蹴られる物体なので、救いはないんですか状態。実際ユディトと比べると、ロック速度に劣りミサイルロックは同等、並列処理性能も敗北、レーダー更新間隔は大敗北。勝っているのはロック距離だけという有様で、どうにもこうにも使い勝手が悪い。

ならロック距離が生かせる機体で…と言いたいところだが、カメラ性能最悪頭部とユディトの組み合わせでもロック距離は688までしか縮まらず、中距離万能型なら割と戦えてしまうロック距離である。しかもカメラ性能最悪頭部ってアリーヤの事だし、アリーヤ頭は近距離戦機に積むものだからな…どうしようもない。

うーん、クロストリガー主体で近接防御火器にアサルトライフル使いたくて、頭のカメラ性能がどーしても足りない狙撃機寄り引き機に積んでみる?


FS-LAHIRE


ここからは近距離戦用FCSだ。こちらは、レイレナードの技術陣を吸収したオーメルが何故かアクアビット製品の後継機を開発という珍品。まぁアリーヤ系機体の為のFCSを作ろうとしたらインブルー風になりますよねーってとこか。前身であり、本物の近距離戦用FCSであるインブルーと比べると中距離万能型と近距離戦専用の中間という性能である事がわかる。

ロック速度と並列処理性能を増加させつつも、最低限のミサイルロック性能を残しロック距離も中距離型のユディトに僅かだが劣るという程度。更に比較的消費ENも低い。このロック速度、並列処理性能、低消費という三つが揃っているのがライールの強みと言える。近距離での高速機動戦をやるには不足だが、レーダー更新間隔もユディトよりは速い。

ただ、増加したとは言え、所詮は万能型との中間。そこまでロック速度が速い訳ではない。フルチューンで600、許容できるリロードは10まで。マシンガンもパルスも使えない。まぁロックバグの事を考えれば速いに越した事はないし、武器選択によってはロック速度チューンを抑制する事も可能。

万能型との中間という特性上、グリント脚とかアリーヤ脚に多い近距離寄りの中距離で戦う機体や、ラトナ脚に多い近中距離で戦う機体に向いている。頭部選択が比較的自由にやれて、尚且つロック速度と並列処理、低消費が確立されており、中距離万能型のユディトよりレーダー性能も高いによって採用されやすいのだ。

但し、同様に中間という特性上、張り付きするにはロック速度が足りず(武装選択的な意味で)、ミサイル交差戦するにはミサイルロック速度が足りず、近距離高速機動戦にはレーダー更新も不足気味である事は覚えておこう。フルチューンで更新間隔30は決して遅くはないのだが、高速機動戦はシビアなのだ。

って言うか、更新間隔に優れているとか書いたオーメル社員出て来い。フロム社員でもいいぞ。


INBLUE


エクハザールをすっ飛ばし、本物の近距離戦用FCSであるこいつを先に。アクアビット香水FCS三人衆の一人にして、最も愛好者が多いFCS。その秘密は鬼のレーダー更新間隔、そして何より驚異のロック速度。ロック速度NO2のライールですらフルチューン600だったのに、こいつは未チューン600フルチューン1000という最早ヤケクソ気味な数値に達している。

しかし実は、ヤケクソでも何でもない。何せロック速度1000でも完璧に扱えるマシンガンは存在しないのだ。インブルーで許容できるリロード時間は6が限界だが、VANDAのリロード時間は2、XMG-A030(アスピナマシンガン)は3、残りが4。取り敢えずロックバグを放置したフロム社員は腹を切って死ぬべきである。

せめてインブルーのロック速度だけはマシンガンを扱えるレベルまで引き上げるか、インブルーでなら扱える様にマシンガンのリロード時間を遅くしたらどうか。それはまぁともかくとして、コイツを使ってもマシンガンはロックバグに巻き込まれるのだ。マシンガンを使うなら必ずインブルーを搭載し、ロック速度をフルチューンする事。更に必ず左手に装備させる。

一方、先程ちょろっと触れた通り圧倒的なレーダー更新間隔も魅力だ。ここまで来ると近距離戦でも戦術や腕前によってはレーダーのチューンが要らないぐらいで、高確率でロック速度とレーダー更新間隔をフルチューンしなければならないFCSの中ではかなり異色と言える。ロック速度も未チューンで600あるから、武装選択によってはチューンしなくていいしな。そうするとFRSメモリにかなりの余裕が出来る。

一方、弱点も明確だ。まずミサイルロック速度がお話にならないレベル。まぁこれは、近距離高速機動戦でミサイル使うのは大抵ミサイル交差戦機だしそういうFCSじゃないから構わない。通常ミサイルなら使える訳だしな。むしろ問題は異様に短いロック距離。650しかなく、カメラ性能が悪い頭と組み合わせると恐怖の500台に突入する。こうなると、相手が引いてちょっとでも距離を離されただけでロックが外れてしまう。

一度張り付いたら絶対に離さない自信があれば別だが、こっちも向こうも人間なので逃げられてしまう事だってあるし、張り付き機以外は戦術的に距離を取る必要がある場合も結構多い。それが近距離機であってもな。なので、ある程度いいカメラを持った頭を選ぶ必要が出てくる。武器の選択の幅が最高に広い分、頭部選択の幅が狭いのだ。ホロフェネスでいいんじゃねって話なんだけどな。最速だし。

又、レーダー範囲が狭いのも問題。ここまで狭いと逃げに回られた時見失う可能性が高いのだ。ただでさえロック距離が短くなりがちなので、パラボラとかでひたすら地形に隠れて逃げまくられると何処にいるんだか全くわからなくなってしまったりもする。又、チーム戦でこのFCSを積み、レーダーを積まないと周囲の戦況が全然わからないという事態にもなりかねない、というか大抵なる。

便利で強力なFCSだが、その辺を考えながら装備したい。尚、047頭でロック距離は923まで伸びる。重量機や狙撃機に積む場合、流石に狙撃戦をメインにするのは辛いしレーダー距離の問題もあるが、鬼火力のマシンガンを近接防御火器に使えるのは魅力的、というところだろう。


EKHAZAR-FCS


先程飛ばしたアルゼブラ初の独自FCS。近距離型と言うと、ん?と思うかもしれない部品でもある。というのもロック距離が860と中距離万能型なみにあるのだ。しかしながら、それでもこのFCSの真価は近距離戦にある。と言うのも、その最大の特長は異様に高い並列処理性能だ。そう、このFCSは、高い並列処理で両手の重火器を無理矢理ブチ当てる為のものなのだ。

ロック速度こそ近距離型としては低いが、フルチューンで230。武器選択の幅が狭いというだけで、近距離戦をやる際に問題になる数値ではない。インブルーほどでないにしてもミサイルが死んでいる事、一方でフルチューンすれば23になる更新間隔と合わせ、近距離高速機動戦でダブルトリガーの重火器を振り回し無理矢理当てていくスタイルが最も適していると言える。近距離型としてはライールと同様、ロック距離がそこそこあるので頭部選択の幅も広い。

又、049狙撃砲+軽狙撃銃で中距離射撃戦、近づかれそうになったら散バズでこっちくんなしたいがあいてる背にはレーダーを載せたい時など、カメラ性能次第ではこの頭が役に立つ。低消費ENで機体に負荷をかけないのも魅力だ。


BLUEXS


ブレオン部屋で使え。以上。



★FCS総評

狙撃機・重量機向け:

YELLOWSTONE01
・ミサイル性能が高い
・レーダー更新が速い
・ロックの遅いミサイルを使う狙撃機、重量機向け

YELLOWSTONE03
・ミサイル性能が高い
・↑を使いたいが頭のカメラ性能の関係でロック距離が足りない?ならコチラ

047AN05
・ロック距離とレーダー距離以外死亡
・↑よりはレーダー更新間隔はマシ
・クロストリガー専門、ミサイル不要で黄色石01ではロック距離の足りない機体向け
・広いレーダー範囲により、チーム戦、バトルロイヤル戦向け

061AN05
・↑に同じくチーム戦、バトルロイヤル向け
・地形戦とかの関係で、長い熱源ロック距離を実現したい人向け
・長距離レーダー&長距離ロックは欲しいけどミサイルも使いたい人向け

LAURA
・黄色石01からミサイルとレーダーを取り上げ、代わりにロック速度パワーアップ
・鬼の低消費
・近距離戦で敵を見失いやすい重量機向け。但しミサイル性能を求めない事が条件
・徹底的に消費ENを減らしたい狙撃機、重量機向け

=====ここまで純遠距離型、頭部カメラ性能をあまり気にせず狙撃戦可能=====
=====ここから頭部カメラを気にすれば狙撃戦も可能な連中===========

OMNIA
・負荷を増やしてロック距離を短くした代わりに高性能化したLAURA
・遠距離型にしてはロック速度高めでミサイル使えてレーダー良好な夢のFCS
・但しロック距離が短くなってるので頭部選択の幅が狭い、という次第
・並列もそれなりにあるので、ダブルトリガーもそこそここなせる

FS-JUDITH
・近接防御火器として突撃銃まで使用可能
・ミサイル性能も高い
・↓と比べるとレーダー機能、並列処理にやや難あり
・047頭と組み合わせれば最大射程1121。狙撃戦にも充分

FS-LAHIRE
・こちらも突撃銃まで使用可能
・ミサイル性能は最低限
・↑よりはレーダー良好、並列処理も高い
・047頭で最大射程1065。充分な長さだが武器次第では狙撃戦がちょっと辛いか?

INBLUE
・近接防御火器にマシンガンを採用可能。やったね!
・レーダー距離は死んでるが、更新間隔は素晴らしい
・047頭で最大射程923。狙撃戦をやるには辛いのが問題

EKHAZAR-FCS
・両背に狙撃武器、両手に近接防御火器とかその逆とかができる
・それだけ
・本当にそれだけ
・いいんだよ、グリーンだよ!
・しかし意外とこれが最適という機体も結構存在する。検討は忘れずに
・ロック速度遅いので武器はそれなりの奴で



中距離射撃戦機体向け:

063AN05
・高い並列処理性能とミサイル性能が魅力
・ロック速度は遅めだがライフルまでなら運用可能
・ライフル+狙撃銃みたいな装備向け
・もしくは、同じライフルを両手に持つみたいな装備向け
・レーダー更新間隔は中距離向けの中で群を抜く優秀ぶり

FS-JUDITH
・特に万能なFCS
・高いロック速度。万能型で唯一突撃銃を運用可能
・063には劣るがミサイルロック、並列処理、更新間隔もそこそこ
・加えて省エネ。取り敢えずで装備しても使える優等生
・但しロック速度や省エネを求めない場合、063の劣化になる可能性がある。注意

FS-LAHIRE
・中距離万能型と近距離型のあいの子
・↑よりロック速度と並列処理、更新間隔上昇
・代わりに消費EN、ロック距離が僅かに低下
・ミサイルロックは暴落。一応最低限の性能はある
・063ではロック速度が、JUDITHでは並列処理や更新間隔が足りない人向け

EKHAZAR-FCS
・異様に高い並列処理性能が最大の強み
・ミサイルは使えない
・ロック速度も速くないから武装選択の幅も狭い
・ライフル以下の連射速度しかない武器のみ使う機体で、なおかつミサイル使わないなら


近中距離機動戦向け:

FS-LAHIRE
・中距離万能型と近距離型のあいの子
・低消費EN、ロック速度、並列処理と三本柱が揃う
・張り付き等には不足気味の更新間隔も近中距離戦なら目立ちにくい
・近距離向けで唯一ミサイル性能がそこそこある

INBLUE
・近距離高速機動戦特化
・未チューンでフルチューンLAHIREと同等のロック速度
・↑+フルチューンLAHIRE以上の更新間隔でFRSメモリに優しい
・並列処理もLAHIREより高い
・但しロック距離が不足気味で頭部選択が狭まり、レーダー距離も不安

EKHAZAR-FCS
・ダブルトリガーで重火器を振り回しブチ当てる為のFCS
・張り付きはきついがこの距離での戦闘ならロック速度はこれで充分
・更新間隔も、張り付きにも耐えられる速度
・カノープスとか手の重火器で敵を殲滅したい人に


張り付き機向け:

INBLUE
・究極の張り付き向けFCS
・張り付き用武器の代名詞、マシンガンを扱える唯一のFCS
・更新間隔も、張り付きでも実用レベルの速度
・問題はやはりロック距離とレーダー距離が不安な事

FS-LAHIRE
・頭部選択の関係で↑が使えない場合、武装にロック速度が足りるなら次善策として
・更新間隔に不安が残る。フルチューンでも張り付きは辛い
・並列処理はほぼ変わらない


ミサイル交差戦機向け:

063AN05
・ミサイルロック速度とレーダー更新間隔に優れる
・クロストリガーでやる場合ロック速度の関係で手に持つ武器が制限されるのが問題
・そうでなくとも、頻繁に敵が視界から消える交差戦では速度が不足気味
・純粋に交差戦でミサイルを正確に運用する事に特化するならこっち

FS-JUDITH
・ロック速度と並列処理に優れる
・武器の選択がかなり自由。交差戦以外の選択を持った機体にも積みやすい
・その一方更新間隔とミサイルロック速度に劣り、ミサイル交差戦性能自体は低い
・交差戦でのミサイル関係以外の、汎用性を重視するならこっち

ARMORED CORE for ANSWER アセン解説記事その8 距離別戦闘概説、ロックバグ検証結果、FCS2

2011年07月17日 16時18分40秒 | アーマード・コア
ごきげんよう諸君、いかがお過ごしかな。京都に戻ってきた霧島である。暑い。本当に暑い。他人の事舐めてんのかってぐらい暑い。まぁ今日は祇園祭だし、祇園祭と言えば一年で一番暑い時期だから当たり前なんだが暑い。横浜も暑かったが本当、比較にならんぐらいの暑さだ。横浜は風が吹いたり日陰に入ればまだ結構涼しい(と言うとアレだが)だが、京都は風が吹こうが日陰に入ろうが暑い。

百葉箱の中で測定してる機械には表れない暑さである。

そう言えば昨日、ガンスリ祭を寝過ごした。一昨日、病院が凄い長い時間かかった(待合室で計三時間待った)上にそのまま友人と会うなどした為、疲れ果てて昨日はかなり体調が悪かったのである。その為布団に包まってなんとか体力を回復させていたのだが、それが仇となって寝てしまったのだ。

しかし、最近ガンスリ祭サボりすぎな気がする。主催としてあるまじき怠慢だ。もう、主催はトッポさんかバロスさんに譲った方がいいんだろうか…



さて、本日からACfA機体構築解説記事、連載再開である。催促もされてたしな。又、普通の記事を一回やったらACfA記事、ACfA記事をやったら普通の記事、という感じで更新していく予定である。

では、まず、既にある程度説明はしたのだがもう一度、単語の意味をはっきりさせる為距離別の戦闘についてもう一度記しておく。戦術概説・機体構築理論編1で書いたのと同じなので覚えてる人は読み飛ばしてよい。

遠距離狙撃戦:
600~900で行う狙撃戦。ここまで遠いと、狙撃武器でも049ANSR(軽狙撃銃)とかは全然当たらない。061ABSR(重狙撃銃)ぐらいの弾速が必要で、主力はこれに加えてレールキャノン、レールガン。ミサイルは061ANCM(BFF製分裂ミサイル)ぐらいしか当たらない。

中距離射撃戦:
400~600で行う射撃戦。ライフルからレーザーライフル、殆どのミサイルといった多種多様な武器が活躍する。又、狙撃武器としては弾速が遅く有効射程の短い049ANSR(軽狙撃銃)や049ANSC(軽狙撃砲)はこれぐらいの距離の方がむしろ活躍する。

近中距離戦:
250~400ぐらいで行われる戦闘。主にラトナ脚が得意とする、「一歩引いた距離での攻め」、もしくはそれの迎撃戦。グリント脚やアリーヤ脚でもアセン次第で可能。突撃銃、ハイレーザー系、グレネード、チェイン、プラズマ系とこちらも多様な武器が活躍する距離。この距離を維持しての戦闘では、ミサイルは発射直後に撃墜されて自爆ダメージを貰う事が多い。

張り付き:
主に250以下で文字通り敵に張り付き、高火力武器をひたすら叩き込む戦法。軽2、というかライール脚が9割を占める。マシンガンとショットガン、スラッグが主。ライール脚に腕武器マシンガン、左背スラッグ右背ミサイルはver1.4における厨の雛型。

ミサイル交差戦:
文字通り自分と敵が交差する瞬間、ミサイルを叩き込む戦法。やはり軽2が多く、マッセルシェルや散布ミサイルが使われる。本当に交差間際に使うと自爆で酷い目に遭うが、コジマミサイルや大型ミサイルもそういった使い方で当てられる。又、交差間際にクロストリガーで単発の高火力武器、例えばバズーカを叩き込む事も多い。

軽量2脚とかにホイーリング系(WHEELING01か03)を載せて垂れ流しながらQB連打で接近し、近距離から威力の高いミサイルを撃ったり、とかそういう軽量ミサイラーはどんなに下手糞でも一定の戦果をあげられるので自分の腕に絶望してる人はいいかも。ステージにパラボラを選び、障害物に隠れながらやると嫌らしさアップ。相手の寿命もストレスでマッハ。まぁそんなの対戦したら私は対戦後just kiddingとしか言わないがな。


次に、ロックバグについてである。私は以前からロックバグがどういう仕様なのかについて疑問を持っており、それについて先日検証したのでその結果だ。まず確認しておくべきは、ロックバグというのは射撃武器を発射するとロックが外れるというバグである、という事である。当然、外れた後は又ロックしなければならないので、偏差射撃が可能になるまでにはFCSのロック速度に準じた時間がかかる。

ここで出てくる疑問が、ロックが外れるという現象は左右同時に外れているのか、左右別々なのかという事である。例えば、右手に051ANNR(BFF重ライフル)、左手にR100R(ローゼンタール重ライフル)、FCSにロック速度フルチューンのユディトを選んだとする。するとFCSのロック速度は500、ロックが外れてから再度ロックを完了するまでにかかる時間はリロード時間単位で12。051とR100Rのリロード時間(武器の発射間隔)はそれぞれ35と30だ。

すると、両方を同時に発射した場合、それぞれの一発目は当然同時に発射される。しかしそのまま両方のトリガーを引きっぱなしにして発射した二発目は、それぞれリロード時間単位で5の時間差をおいて発射される。もしロックバグによるロック解除が左右の武器に同時に発生している場合、二発目の051ANNRはノーロック撃ちの筈である。

ロックが外れてからリロード時間単位で5しか時間が経ってないのに撃っちゃってるから、再ロックに12かかるFCSではノーロック撃ちになる筈なのだ。一方、左右別々にロックが外れているのであれば、二発目の051ANNRも偏差射撃になる筈である。一発目の051ANNR発射からリロード時間単位で35の時間が経ってるからな、再ロックの時間は充分足りる。

そこでプレイヤーマッチで協力者を募り、ヴァイズさんの協力を得て、検証を行った。ここに場を借りて、感謝の言葉を述べたい。ありがとうございます。

検証方法は次の通りである。まず、腕が063、それ以外の外装はソブレロ、FCSはロック速度をチューンして200にした063AN05、両手にR100Rのみの機体を組む。さっきも言ったがR100Rのリロード時間は30で、ロック速度200のFCSが再ロックにかける時間は30ピッタリ。なので、左右同時に外れていようが左右別々に外れていようが、片手のR100Rをトリガー引きっぱなしで連射するだけなら全て偏差射撃になる。

この機体で、標的機に向かって射撃を行う。一つは同時射撃、初弾を同時に発射し、以降トリガー引きっぱなしで左右のR100Rを同時に発射し続ける。もう一つは時間差射撃、右の銃の初弾を発射した後一呼吸置いてから左の初弾を発射、そのままトリガー引きっぱなし。もしロックバグで左右の武器のロックが同時に外れているのなら、時間差射撃は左のR100Rの弾が延々とノーロック撃ちになる筈である。ロック速度がR100R一丁ギリギリの分しかないんだからな。

標的機を操るヴァイズさんには距離400に立って貰い、実験開始と同時に右に通常ブースト、距離450になったら左に切り返し、又450になったら切り返し、と繰り返して貰う。同時射撃と時間差射撃はマガジン一個撃ち切るまでを1セットとし、それぞれ3セットずつ行う。こういう形で実験を行った。では結果である。


目標機のアセンブル
頭:オーギル
胴:ラトナ
腕:ラトナ
脚:ライール
横B:シェダル
ブーストチューンなし、PAチューンなし
MAXAP:32680

同時発射テスト
1:10833
2:8224
3:8107

時間差射撃テスト
1:4675
2:5590
3:3958

同時発射のつもりがミスって時間差発射になった奴:3537

※テスト結果の数値は目標機体の残AP


まぁ結論から言うと、左右どちらも偏差射撃になっている。時間差射撃の方がダメージが大きいのは、連続被弾によるPA減衰の関係だろうという結論になった。まぁそれはともかくとして、この実験の結果、ロックバグにおけるロック外れは左右の武器によって別々に発生しているという事が判明した。なので、例えばロック速度600のFCSであれば、リロード時間10以上の武器なら両手にどう持っても大丈夫、という事である。

但し、これは仮説段階で未確認なのだが、どうもこのゲームのロックオンというのは右側の武器が基準になっているらしい。右側の武器のリロード時間が短すぎたり反動が大きすぎたりしてロックカーソルがブレると、左側の武器に影響するばかりか右側の武器そのものにも影響する。なのでそういう武器は左側に装備すべきである。

何が言いたいかって、要するにマシンガンは左手に持てという事である。そうでなくても、リロード時間が短くて反動が大きくて近接適性が低い、という武器はできるだけ左側に持っておいた方がいい。



●FCS

さて、FCSの各部品解説である。FCSは全般に遠距離型、中距離万能型、高速機動戦型の三つに分かれると私は思っておる。これに沿って解説していこう。なお、ミサイルロック速度についてだが、たとえミサイル性能最低のインブルーでも通常ミサイルぐらいなら何とか扱える。それを踏まえて読んで欲しい。後、できればFCS性能一覧表を開きながら見てほしい。尚、FCSの各パラメータの意味に関してはFCS1を参照。


YELLOWSTONE01


GA傘下MSACの、ミサイルの性能を最大限に引き出す事を目的としたミサイル重視型兼遠距離狙撃型。ロック距離1000超え、ミサイルロック速度No3という事で、遠距離砲撃型から近距離で交差撃ちするミサイルまであらゆるミサイルを扱える。レーダー距離も1100と長く、更新間隔も近距離型に匹敵する(戦い方によっては無チューンでも使えるぐらい速い)速度だ。

しかしながら、ロック速度が滅茶苦茶遅いのが問題。フルチューンで176しかなく、許容できるリロード時間は35まで。つまりライフルすら扱えない。実弾の手武器で言うと、扱えるのはスナイパーライフル、ショットガン(除軽ショ)、バズーカ、グレネード。EN武器はパルス以外なら扱える。まぁ純遠距離FCSでは二番目にロック速度速いんだけど。

又、近距離で交差撃ちを行う場合右も左もミサイルならいいが、右手銃+左背ミサイルなどの組み合わせの場合微妙にロック速度が足りない。武器のリロード時間にロックバグが追い付かないとかでなく、頻繁にロックしたり外れたりを繰り返す場合は170程度のロック速度では足りないのである。もしそういう戦い方をしたいなら063FCSを使うべきだ。あちらはロック速度もそこそこある。

このFCSは、やはり遠距離型でありながらミサイルの性能も発揮できる点が大きい。ミサイルも扱う遠距離戦機で、近接防御火器を単発系orEN兵器で固めるとかなら検討に値する。尚、並列処理性能700はダブルトリガーがギリギリ実用できるかできないかの瀬戸際。基本的には考えない方がいい。もしダブルトリガーするなら、両手ともに近接適性が高くて重量も軽いものを選び腕の性能も重視しないと狙点移動速度がgdgdでどうにもならない。

幸いレーダー性能は高いので、近距離でも敵を見失う恐れは少ない。さっきもちょろっと言ったが、交差戦さえ想定しないならレーダーは無チューンでも戦える。そしてこのFCSは交差戦には向かない。まぁ、レーダー更新間隔は短いに越した事はないんだけどな。


YELLOWSTONE03


イエローストーン01の方向性を更に先鋭化させた、ミサイル特化FCS。ロック速度が5(フルチューン10)落ちた代わりにロック距離が100増え、ミサイルロック速度も圧倒的No1の地位を得た。しかしながら、イエローストーン01の自慢だったレーダー更新間隔は大幅に劣化している。ロック速度フルチューンで許容できるリロード速度は37まで。基本的に、扱える武器はイエローストーン01と変わらない。

あまり語る事は多くない。01と比べると、よりミサイルと遠距離狙撃戦に特化してるなぁというのが印象。しかし正直、それ以上にレーダー更新間隔の暴落ぶりが酷過ぎるというのが目につく。フルチューンすれば近接防御火器を使った迎撃戦なら十分こなせるが、01はノーチューンでもそれができた訳である。そして、No1になったミサイルロック速度と更新間隔以外、そう劇的に変わった数値というのは無い。

このFCSを選ぶのは、余程ロックの遅いミサイルを遠距離からボラボラするのに特化したい時…と言おうと思ったが、よく考えたら遠距離から撃つんだったらそんなにミサロック速度いらん。ので、このFCSは、ミサイルも使うし遠距離戦もする機体なのだがイエローストーン01では微妙にロック距離とレーダー距離が足りない、もしくは同様の機体だが近距離でミサイルを使った戦闘を行うつもりであり、故に01ではミサイルロック速度が足りない、という時に使うものだろう。

そうでないなら、ロック距離は100の差であり、ミサイルロック速度も十分実用的な速度だ、01でいい。こっちはレーダーをチューンしないと話にならないが、向こうはしなくてもなんとかなるというのも魅力である。ならばこのFCSを使う事などそう無いではないか、と思うかもしれんが、さもありなん。

遠距離戦をする機体と言うと、狙撃機と重量機である。前者は遠距離戦主体だから当然、後者は全距離対応の武装を備え、あらゆる距離で撃ち合えなければいけないからこれも当然である。そしてこの二者はできる限りAPと装甲を高めたいという点でも共通している。狙撃機は引き機でもあるから開幕から引ける様APを高めたいし、軟らかい&AP低い重量機なんて動く的だからやはり堅くしてAPを上げたい。

となると、防御力やAPの高い頭をも装備したくなる。例えば047頭をSS頭に挿げ替えれば、APが1300ぐらい増える。この1300の差は大きいから、是非とも積みたい訳である。しかしながら、SS頭はカメラ性能が469しかない。つまりロック距離が短くなってしまうので、FCS選択の幅が狭まってしまう。

ここで、遠距離武装をレールキャノン+重狙撃銃という形にしていたとする。こいつらは有効射程(命中が望める距離)が一番長い部類で、大体900ぐらいまでなら当たる。とは言えロック距離が900ギリギリだと、ちょっとでも離れすぎただけでロックが外れてしまうので、最大有効射程+200ぐらいは欲しい。で、SS頭を使いたい。ではイエローストーン01とどっちがいいか?

以前の公式に当てはめてみよう。1070×(469÷500)=1003.66=黄色石01の場合の最大射程。1175×(469÷500)=1102.15=黄色石03の場合の最大射程。SS頭ってのは割と適当だったんだが見事ピッタリだな。故に、長距離狙撃戦を重視するなら03を選ぶべきだという話になる訳である。無論、01でもできない事はないし、無チューンでも戦えるあのレーダー更新間隔は魅力。どこを重視するかで変わるだろう。


047AN05


BFFの遠距離狙撃型FCSの雛型。遠距離狙撃型は一般に長いロック距離とレーダー距離を持ちそれ以外死亡という性能である。つまりロック速度、ミサイルロック速度、並列処理性能、レーダー更新間隔全て死亡という事なのだが、雛型だけあってまさにその通りな性能。ロック速度がイエローストーン03に比べ更に10程度下がっておりミサイルロック速度が比べ物にならない低さだが、ロック距離とレーダー距離で大きく引き離した。

ロック速度フルチューンで許容できるリロード速度は40まで。イエローストーン01と比べるとフルチューンロック速度は23下がるが、扱える武器の種類は変わらないというところはチェックしておこう。この23は、扱える武器ではなく純粋なロック速度の差だ。

これは、軽量機の高速機動戦に巻き込まれると困る(敵が視界から消えやすく、その度に再ロックまで時間がかかる)という事なので、接近戦に事にもその分弱い。まぁどんぐりの背比べと言えばそうだが。又、並列処理も完全に死んでいるので、ダブルトリガーも諦めた方がいい。

正直言って、殆どの機体において、ここまでのロック距離は必要ない。よっぽどアリーヤ頭で狙撃戦しようとか考えない限りはな。イエローストーン03で充分である。ただ、03に比べてレーダー更新間隔がある程度改善されている。ので、クロストリガーの専門のミサイルを使わない重量機で、イエローストーン01ではロック距離が足りない場合はタイマンでも出番がある。

しかしこのFCSは、むしろこのレーダー性能を考えるとバトルロイヤルやチームマッチで有用な部品である。まぁバトルロイヤルは私はやらないからアレだが、チームマッチだと広範囲レーダーを持っている事は非常に重要だ。何処で敵と味方が何機と何機で戦っているか、例えば東で味方1機対敵2機、西で味方2機対敵2機が行われてるとして、レーダー範囲が狭いとどっちかの戦闘しか見えない、甚だしくは両方見えない事にもなりかねないのである。

東に加勢して味方を助けるか西に加勢して一気に敵の数を減らすかはその時次第だが、レーダー範囲が狭いとそういった戦術判断がそもそもできないのである。又、特に狙撃機などは機動力が低く、乱戦に巻き込まれて複数の敵機に追いかけられると大抵は即死する。タンクですらよってたかって即死させられる事があるのがチーム戦だからな。

そもそも狙撃機は狙撃する為に作ってあるのであって、味方の後ろから延々と狙撃で援護する事こそ本義であり味方の役に立つ道である。故に、ロックしている敵を追いかけてる内に気付いたら乱戦の中にいた、とか、必死に狙撃してたら気付かない内に他の敵が近づいてきてた、なんてのはマズいのだ。そういう事が無い様に、範囲の広いレーダーを持っておくのは大切なのである。

その点、このFCSは長いロック距離と長い長距離レーダーを両立しており、大変有用なFCSだと言う事ができる訳だな。最後になったが、遠距離FCSでは消費ENが低い方でもあるので、そこも加味して検討しよう。


061AN05


重狙撃用四脚専用に開発されただけあって、ロック距離とレーダー距離が最早ヤケクソとかそういう勢いに達した狙撃特化FCS。全FCS中ロック速度最下位だが、047と比べると誤差程度しか下がっていない。むしろミサイルロック速度が実用レベルになっており、流石に散布ミサイルみたいなおっそいのは無理だが、組み合わせと戦術次第では充分ミサイルも使える機体を組める。

だが最大の特徴はやはり圧倒的なレーダー距離とロック距離。これだけレーダー距離があれば、チーム戦でも困る事は殆どない。又、正直ここまでのロック距離は必要ないとよく言われるが、逆にカメラ性能の高い047頭を組み合わせると熱源ロック664が確保できるのだ。これだけあれば、地形に隠れて接近する敵を完全に捕捉する事が出来、又、地形戦に対処するにも仕掛けるにしてもかなり有利になる。

なので、逆に特化してしまってロック距離を異様に伸ばすのも一つの手である。勿論、レーダー重視とかそっちでこれを選ぶのも全然アリだ。ただレーダー更新間隔は残念なので注意する事。尚、ロック速度フルチューンで150、許容できるリロード時間は40まで。


LAURA


変態アクアビットの香水FCS三人衆その2。本来ならもっと後に紹介すべきFCSだが、どうみても性能が遠距離型なのでここで説明する。

基本的には、イエローストーン01からミサイル性能とレーダー更新間隔を取り上げ、代わりにロック速度をパワーアップさせた性能になっている。未チューンで146、フルチューンで260という速度は遠距離型FCSとしては圧倒的であり、敵が視界から消えやすい重量機には福音となりうるFCSと言える。

又、どいつもこいつも物凄いENを消費する遠距離FCSカテゴリにあって、鬼の低消費。256しかない。遠距離FCS中低消費NO2の047AN05でも500、ワーストの黄色石03は810である事を考えれば、いかに消費ENが少ないかよく判るだろう。狙撃機はレールキャノンだのレールガンだのと燃費の悪い武器を積まなければならない機会が多いので、これも福音となりえると言える。

但し忘れてはならないのは、「ミサイル適性を排除」と書いてある通りミサイルロック速度が死んでいる事、そしてレーダー更新間隔の死にっぷりが半端ではない事。他の遠距離型FCSは何だかんだと言ってもフルチューンすれば30台前半まで更新間隔を短縮できるが、こいつはフルチューンでも43。この差は決して小さくなく、近距離で死角に入り込んでうろちょろする軽量機への対処は確実に遅れる事になる。

そういった欠点を飲めるかどうかが、このFCSを選ぶかどうかにかかってくる。尚、ロック速度フルチューンで許容できるリロード時間は24まで。又、並列処理性能もここまで来るとダブルトリガーは諦めた方がいいのでクロストリガーにしたい。レーダー更新間隔が死んでるのに背レーダーを積みにくいというのもこのFCSを装備しにくい理由のひとつである。

あとどうでもいいが、射撃特化なのになんだこのブレードロックの長さは。


OMNIA


LAURAと同じく、順番違い。こちらは本来中距離万能型なのだが、万能型として中距離射撃機とかに使うと器用貧乏にしかならないが遠距離型として使うと優秀なFCSに化けるのでここに位置してもらった。性能としては、EN消費激増とロック距離短縮の代わりに性能を底上げしたLAURA。

ロック距離が980になってしまっているので、一定以上のカメラ性能がある頭と組み合わせないと、特に狙撃機には使えない。しかしそれを補って余りある高性能が魅力で、遠距離型最速を誇るLAURAと同等のロック速度(僅かだがこっちのが速い)、遠距離型としては充分なミサイルロック速度、実用的なレーダー更新間隔と全ての性能が高い次元でまとまっている。

又、中距離万能型ではなく遠距離型として見た場合唯一実用レベルの並列処理能力を持つFCSであり、ダブルトリガーで戦う事も可能。他の遠距離型FCSはクロストリガーでないとまともに戦えなかったので、アセンの幅が広がる。重くて近接適性の低いのを両手に持って無条件にブンブン振り回せるほど高い並列処理でもないが、遠距離型ではできなかった事が出来る様になるのは大きい。

EN消費と頭部選択の不自由さを飲めるなら、是非とも検討してほしいトーラスの逸品だ。ロック速度フルチューンで272、許容できるリロード時間は23まで。

尚、最初も言ったが中距離万能型として見ると器用貧乏、と言うか063AN05の劣化である。ロック速度はどっこいだがミサイルでボロ負け、並列処理も負け、レーダー更新間隔も負け。ロック距離は勝ってるが中距離万能型としては063の数値があれば充分なので意味なし。よってレーダー距離ぐらいしか勝ってるところが無い。それすら100しか変わらないし。うーん、どうしてもカメラ性能劣悪な頭しか選べなくてかつ狙撃銃みたいな武器積んでる中距離射撃戦機に使ってみる?

AC4世界の歴史6 アナトリア粛清

2011年07月13日 22時45分35秒 | アーマード・コア
ごきげんよう諸君、いかがお過ごしかな。今日は時間がないので、AC4ストーリー解説最後の一回を貼り付けただけで終わりである。



前回のアスピナの考察を経て、ようやくアナトリア粛清に戻ってこれる。まずもう一度、アナトリア粛清が発生した流れを見てみよう。

1:リンクス戦争が終結
2:フィオナ(4主人公のオペレータ)が主人公に休息を求め、エミールが了承する
3:突如としてプロトタイプ・ネクストに乗ったジョシュアがアナトリアを強襲。
4:迎撃が間に合わず、アナトリアは破壊、汚染される
5:迎撃に出た主人公がジョシュアを撃破
6:No06セロが現れ、主人公はこれも撃破する(難易度ハードのみ)
7:二人は汚染されたアナトリアを後にし、アナトリアは滅亡する。

考察開始時に言った通り、誰が何の目的でどうやってアナトリアを滅ぼしたかが今回解き明かしたいところである。この内、動機については資料集にて明言されているし、作中でも示唆されているし、よしんばヒントとかがなかったとしても考えてみればすぐに判る。まぁ考えてみれば判るからと言ってAC4ストーリーモードは全く擁護できないが、それは置いといて。

「かろうじて生き残った企業は、ライフラインと秩序の回復に尽力しながら、コントロール下にないアナトリアの傭兵に恐怖し、今度はそれを排除しようとしたのだ」(61p)

まぁ、何だ。エミールの頭が悪すぎたのである。アナトリアの傭兵は非オーメル陣営の依頼も受けた事のある、金さえ用意すれば誰の味方でもする傭兵。しかもその傭兵が、単独で最精鋭ネクスト部隊から巨大兵器、六大企業まで撃破できる。そうなれば、オーメル陣営にとって当面の敵であるレイレナード陣営が潰れたら、その時一番怖いのはアナトリアの傭兵ってぐらい簡単に理解できる事である。

アナトリアはオーメル陣営に貢献したし、アクアビットの報復攻撃を受けるなど明らかにオーメル陣営として扱われていた。しかし、オーメル陣営に忠誠を誓った家臣ではなかった。むしろ、さっきも言ったとおり非オーメル陣営の依頼を受けたりする信用ならない存在だったのだ。極端な話、そこらの武装勢力が金を用意して「○○社のコロニーを襲って壊滅させてくれ」って言ったら本当にやりかねないのである。

故に、レイレナード陣営壊滅後、不要どころか危険分子となったアナトリアの粛清は当然の流れであった。故に「生き残り企業の総意」という発想も出てくるのである。この場合、まぁ何処か主導した企業があったのかもしれんが、全ての企業がアナトリアを危険分子と考えていた訳である。だから排除しましょうそうしましょうという至極判りやすい流れな訳である。よって、考えるべきは何故オーメルが実行したかのみである。

又、アナトリア粛清についてはもう一つ仮説がある。「オーメルの策謀」だ。何故オーメルの策謀という可能性があるかと言えば、勿論、粛清を実行したのがオーメルだから(アスピナもだがこの当時既にオーメルの手先)だが、私はそれを戦力評価という形で説明したい。どちらにしても、↑で言った何故オーメルが実行したか、についても戦力評価で説明するので、取り敢えず、リンクス戦争終戦時の各企業の戦力評価から。


ローゼンタール=オーメル所属リンクス
生存確実
・No06:セロ
・非オリ:ジョシュア・オブライエン
生死不明
・No13:パルメット
ハード準拠戦死済
・No04:レオハルト
・非オリ:ミド・アウリエル
※レオハルトはfAでアーキテクトとして名が残る
※生死不明は「戦力として残ってるか不明」なのでミヒャエルは除外


GAグループ所属リンクス
生存確実
・非オリ:ローディー
・非オリ:エンリケ・エルカーノ
生死不明
・No24:ワカ
ハード準拠戦死済
・No10:メノ・ルー


イクバールグループ所属リンクス
生存確実
・No17:K.K
生死不明
・No26:ナジェーダ・ドロワ
・非オリ:シブ・アニル・アンバニ
ハード準拠戦死済
・No02:サーダナ
・No25:ボリスビッチ
※fAにてサーダナは既に死んでいる事が示唆されている


インテリオルグループ所属リンクス
生存確実
・No16:霞スミカ
・No18:スティレット
・非オリ:エイ=プール
・非オリ:ヤン
生死不明
・非オリ:セーラ・アンジェリック・スメラギ
ハード準拠戦死済
・No09:サー・マウロスク
・No14:シェリング


基本的には、生存確実と生死不明を戦力として数える事にする。まずは、「企業の総意」で粛清が行われた場合、何故実行部隊がオーメルだったのかについて考えてみたい。取り敢えずざっと見渡してみると、インテリオルが圧倒的な戦力を持っており、早期に戦争から離脱したのがいかに賢かったかというのがよく判る状況である。故におめーがやれよとも思える状況である。

とは言え、インテリオルが元はと言えばレイレナード陣営というのは変わる訳ではない。故に上三企業の輪に入っていくのは難しく、又、この場合入っていく必要もない。何故なら、アナトリアの傭兵は現行最強クラスのネクストであり実行を担当する企業は貧乏籤でもあるのである。又、一見しただけだと確かにインテリオルは圧倒的な戦力を持っているが、よく見ると問題がある。

と言うのもこの時点でのインテリオルは、一企業としてはネクストの数が豊富というだけなのだ。相手は、難易度ハードであればNo01を含むレイレナード陣営最精鋭ネクスト部隊を一人で撃破した化物であり、インテリオルの最上位ナンバーオリジナルの霞スミカですら、例の最精鋭ネクスト部隊で下から二番目のナンバーだったアンシール(No15)より低ランクなのだ。

故に、数で押せば押しつぶせるかもしれないがそれ以上にインテリオルが受ける被害は半端ではないであろう事ぐらい容易に想像がつく。そしてこのアナトリア粛清は、あくまでオーメル陣営内部のものであり内部粛清とみる事もできる。

一応、GAE粛清以来アナトリアはずっとオーメル陣営一本で来てた訳だからな。だから、「あ、うちんとこは部外者なんで、まぁ中立って事で」と逃げておく事が可能なのである。それでアナトリアの傭兵とオーメル陣営の精鋭ネクストが潰しあってくれればインテリオルにとりこれほど嬉しい事はない。よって、企業の総意で粛清が行われたとして、インテリオルが粛清を実行しないのは不自然ではないと言うか、実行したら逆に不自然と言えるのである。

となると、オーメル陣営から戦力を出してアナトリア粛清を行う事になる。そのオーメル陣営を眺める前に、インテリオルについて語った時、アナトリア粛清を実行する事のデメリットを語った。では、アナトリア粛清の実行者になる事によるメリットはあるのだろうか? 結論からいうと、ある。それは、オーメル陣営勝利の原動力になったアナトリアの傭兵をも倒す実力が我が企業にはあるんだぞ、と強さをアッピルする事により、リンクス戦争後の企業間の政治的主導権を握りやすくなる、というものである。

勿論、アナトリアの傭兵を倒すまでにこちらの戦力もズタボロにされてしまったら共倒れという事になってしまい、何の意味もない。故に、実行役は美味しい役目であると同時に貧乏籤でもある訳であり、だからこそ共倒れになる可能性の高いインテリオルは実行役になるメリットが無いのだ。まぁそれはともかくとして、リンクス戦争はアナトリアの傭兵とジョシュアによって勝てたと言っていい戦争だ。その内の片方はオーメルの掌中にあり、もう片方を誰が倒すかによって戦後国際(?)政治の流れは大きく変わるのである。

さて、ではここでざっとオーメル陣営のリンクス戦争直後の戦力を見てみよう。取り敢えず酷い事になってるイクバール、オーメル陣営では一番戦力を残したローゼンタール=オーメル、ローディーが覚醒済でもローゼンタール=オーメルには見劣りするGA、という図式が見えてくる。

まぁイクバールは問題外として、問題はGAとローゼンタール=オーメルである。と言うかローディーだ。彼は4の設定でこそ粗製リンクズ扱いされていたが、フロムお得意の適当難易度調整によりCPU機体としては異様に強かった為ファンの間で「先生」と祭り上げられ、気を良くしたフロムが続編のfAで「かつて粗製と称された男は、低いAMS適性を経験で補い今やGA最高クラスのネクスト戦力となった」とかやってNo4にまで上り詰めるのである。

しかし問題は、ローディーがいつNo4相当の実力を手に入れたかである。リンクス戦争中にそこまでになった可能性も勿論あるが、同時に、終戦後、ゆっくりとランクを上げていった可能性もある。これについては資料が無い為完全に謎であり、両方の可能性を考えながら考察を続ける必要がある。

ローディーが粗製のままであったら、話は簡単である。GAは粗製三人衆生き残り二人と、No24。イクバールはNo17、No26、実力不明非オリジナルの三人。一方、ローゼンタール=オーメルはNo06のセロにジョシュア、更にNo13。そして良く見るとこの三人全員がオーメル所属である。どの企業が実行役をやるべきかは一目瞭然だ。と言うか、やれる企業がオーメルしかない

そしてこれは、仮にローディーが覚醒していたとしても変わらない。オーメルが単独でアナトリア粛清を実行できるというのは、アナトリアの傭兵と同等かそれ以上のリンクスを擁している(ジョシュア)からであり、それに加えて最上位クラスのオリジナル(セロ)で駄目押しができるからである。更に言えば、レイレナードから接収したプロトタイプ・ネクストにジョシュアを乗せる事で、ジョシュアは片道出撃になるが確実な勝利を期待できるのだ。

一方GAは、ローディーが覚醒していたとしてもそのローディーがfAでNo1に設定されてるとかそういう訳ではない。ただの最高クラスのネクストというだけでは、アナトリアの傭兵の対抗馬としては弱いのだ。何せ、相手はNo01を含むレイレナード最精鋭ネクスト部隊を撃滅しているのである。よしんば、覚醒ローディーがアナトリアの傭兵やジョシュアと同レベルだったとして、駄目押しの後詰に出せるネクストがいない。粗製三人衆筆頭やNo24ではいかにも頼りないのだ。

故に、「企業の総意」によってアナトリア粛清が行われる場合、オーメルが実行役となったのは自然な流れであったろうし、これを見事全うする事でリンクス戦争後の国際政治の舞台で優位に立とうと、むしろ積極的に引き受けたと考えるべきだ。オーメルが、本当は引き受けたくなかった(戦力すり減らす事になるし)が無理矢理引き受けさせられた、という事はあるまい。何故なら、オーメルだけが、唯一確実な勝利を期待できる企業だったのだ。当然ながら当時オーメル陣営で一番戦力の充実した企業こそがオーメルだった訳である。

アナトリア粛清実行役の担当を嫌がるオーメルに無理矢理やらせるとしたら、オーメル以上の武力で押さえつける必要がある。そんな企業は存在しないという事である。ならばオーメルが自主的に引き受けたと考えるべきであり、先程言ったメリット、戦争後の政治的主導権を握れる事を視野に入れていたと考えるのが自然だ。

尚、ここまで読んできた読者は、こう考える事もあろう。「オーメルがアナトリアの傭兵に勝てる算段を立てたなら、他の企業も勝ち馬乗りを狙ってネクストの一機ぐらい派遣してくるのでは」と。オーメルが勝ちを確信してアナトリア粛清に名乗りをあげ、そのまま成功した場合、当然オーメルは戦後政治の主導権を握る訳である。GAもイクバールもはたまたインテリオルも、自分らでやろうとするとリスクがリターンに見合わないが、オーメルが成功を確約してくれるなら勝ち馬に乗りたいのが正直なところだろう。

では何故、オーメル以外の部隊がアナトリアに攻めてこなかったのか。まぁこれも簡単な話で、そんな虫のいい話をオーメルが許さなかったというところだろう。先程確認した通り、インテリオルを除けば、オーメルはこの時点で一番強い企業だ。故にオーメル陣営の他の企業に有無を言わさぬ事は可能であるし、インテリオルはなんだかんだで部外者だから、自分の意思を強引に通したかったらオーメル陣営全てを相手取る覚悟が必要だからな。


「企業の総意」によってアナトリア粛清が行われた場合の考察はこんなところだろう。一方、「オーメルの策謀」はどう解釈すべきか考えてみよう。まず第一に考えるべきは、当時の企業の力関係である。結論から言えば、リンクス戦争終戦当時は、オーメルが天下を取ったといってもあながち誇張ではない状況であった。

まず、リンクス戦争を生き残った勢力を大きく二つに分けると、オーメル陣営とインテリオルに分かれる。さっき言った通り、インテリオルは曲がりなりにも元レイレナード陣営であり、リンクス戦争には中立だったので参戦していない。故にリンクス戦争終戦直後のこの時期、独特な存在だった考えるべきだろう。戦力も充実している。

では、オーメル陣営とインテリオルはどちらが強いか。一概には言えないが、インテリオルが勝つとは思えない。先程も言った通り、この時点でのインテリオルは、一企業としてはネクストの数が豊富というだけであり、例えばオーメルとガチンコでやりあうとすると相手は規格外の戦闘力を持つジョシュアとNo一桁最後の生き残りセロ、更にはインテリオル最強の霞スミカ以上のナンバーを持つパルメット。オーメルの数的不利は明らかだが、どう転ぶか判らない勝負ではある。

オーメル単独とのガチンコでこれだから、とてもではないがインテリオルがオーメル陣営全体に対して優勢だったとは言えないのである。では、オーメル陣営内ではどうか。これも先程分析した時出てきた結論、アナトリア粛清を実行できる戦力があるのはオーメルだけという一点だけを見ても、オーメル陣営内でオーメルが最も戦力を充実させているという事がわかる。

勿論、オーメルは基本的に小さい企業である。いやデカいけど、GAとかに比べれば小さい。故に通常戦力の数や兵站、軍需生産工場の数などでは当然劣る。しかしながらそういう時の為のローゼンタールである。資料集にはfA時代のオーメルグループ(オーメル、ローゼンタール、旧イクバール現アルゼブラが所属)の軍事についてのインタビューが載っているが、そこにはこんなんがある。

――スタイルというと? オーメルグループの軍を考えると、まずローゼンタールのノーマルとアルゼブラのアームズフォートのイメージがあり、オーメル自体の戦力はネクスト以外ぱっと思い浮かびません。
ネイサン:適材適所ですよ。GAと違い、我々の本分はテクノロジーです。グループとしてのバランスが取れていれば、オーメルが最強の軍を持つ必要はないでしょう?


これはfAの時のオーメルグループなので完全にあてはまる訳ではないとは思うが、同時に、リンクス戦争後グループのトップに立ったオーメルが急激に小さくなるというのは考えにくいので、当時からこういう関係だったと考えられる。私がこの二社をしてローゼンタール=オーメルと呼ぶ所以である。

まぁ、通常戦力とかに関してはリンクス戦争でボロボロになっていた様ではあるがな。ただ、これは恐らくどの企業も同じだろう。元々オーメル陣営は生活圏とか中枢機構をボコボコにやられたのであり、それでも何とか生き残ったという状態なのである。

エミールもChapter6の回想で「最悪の戦争は終わり、汚染された世界が残った。企業は、崩壊した秩序の回復に追われ、戦争をする余裕など、ないように思えた」と述べておる。こうなると、デカい企業ほどダメージは大きい。しかしそう考えると、ローゼンタールに通常戦力とかを任せている分オーメルの被害はまだ軽微だったと考える事もできるのであり、オーメル有利の傍証となる。

そして傍証ならまだある。それは例えばコジマ技術だ。戦前はコジマ技術の基幹技術をアクアビット、レイレナード、オーメルが独占していたという話をしたと思うが、前者二社が滅んでオーメルが残った、つまりオーメルがコジマ基幹技術を独占という形になったのである。しかもオーメルは、第二次世界大戦後アメリカがドイツの科学者を吸収したのと同様、崩壊したレイレナードの技術者を積極的に取り入れている。当然、技術力にも磨きがかかっておる。

更に、オーメルもうひとつの得意分野、金融分野もオーメルの独壇場となった。ローゼンタールをオーメルが金で操っているところから判るとおり、オーメルは金融に強い。元々BFFとローゼンタール=オーメルの対立には民族主義的なものに加え、オーメルと同様に金融に強いBFFの間にあった利害の対立もあったのである。しかし、BFFが崩壊した今、金融市場におけるオーメルの勢力拡大を止め得る者はいないのだ。

斯様に、当時のオーメルはまさに無敵であった。それを踏まえた上で、アナトリアが各企業の目にどう映っていたか、考えてみよう。リンクス戦争後、オーメルとの同盟を継続してオーメルグループの一員となったイクバールは置いておくとして、ローゼンタール=オーメル、GA、インテリオルはいずれも自分が一番になりたいと考えているのは疑う余地がない。そこまででなくとも、他の企業の後塵を拝したり、支配されたりするのはたまらない筈である。

しかしながらリンクス戦争終戦直後のこの時期、各企業はオーメルに頭が上がらない状態だったのは間違いない。そんなGAやインテリオルの目に、アナトリアの傭兵はどう映ったか。かつてのオーメル陣営の切り札にして、金さえ積めば誰の味方でもする傭兵である彼は巻き返しの切り札として映るという可能性もある訳である。これを皆が皆危険因子とみなして排除しようとした場合が「企業の総意」だな。

では逆にオーメルにしてみればアナトリアの傭兵は何か。それは当然、唯一世界で意のままにならない存在である。アスピナは既にオーメルの掌中にあり、GAやインテリオルは力と外交で押さえつける事が可能だ。しかしながら、レイレナード陣営を壊滅させうる力を持ったアナトリアの傭兵だけがオーメルから自由であり、それだけにオーメルに牙を剥く可能性を持っていたのである。

リンクス戦争で天下を取ったオーメルだが、その天下は割と薄氷のものである。時間が経てば他企業も戦力を回復させるのは必定。アクアビットの技術陣はインテリオル系に流れたし、レイレナードの技術者の全てをオーメルが吸収できた訳でもない。結果、様々な企業にコジマ基幹技術が流出した事になり、時間が経てば流出技術の解析が終わったりトーラスが出来たりして今まで通り技術独占とはいかなくなるのは間違いない。

それに金融にしたって、BFFは中央集権だったから蛇の頭を潰されたのであって、身体は残っている。いつか蘇ってくるのは確実だ。実際、戦後GAはBFF残党を支援し、BFFを復興させている。そしてBFFは管理経済戦争での恨みがある以上、復興後はこれまで以上に激しくオーメルと敵対するだろう。

又、現在インテリオルを押さえつけられる要因になっているオーメル陣営という同盟関係も、レイレナード陣営という敵がいなくなった以上遠からず霧消する筈である。こう考えると、オーメルにはあまり時間がない。ただ、一時的にせよオーメルが天下を取ったこの時期は、オーメルが雄飛する為の貴重な機会である。故に、アナトリアの傭兵に邪魔される訳にはいかないのだ。

まぁ、「オーメルの策謀」の場合のアナトリア粛清というのはこんなところだろう。又、「一部の企業は粛清に賛成で一部の企業は反対」という折衷型であった可能性もある。それでもま、大体今まで述べてきた感じであろうと考えている。そして、fAの時代に繋がっていくのだ。


レイレナード残党は地下に潜り、ORCA旅団としてかつての理想の実現を目指す。

アクアビットとGAEの残党は合流してインテリオルに保護され、トーラスを設立。

インテリオルはトーラスによってコジマ技術力を高め、単独でグループを構成。

BFFはGAの支援で復興。GAはBFFを配下につけ、世界最大のGAグループを作る。

オーメルはネクスト戦力を失ったものの政治力を発揮、企業間政治の主導権を握る。

イクバールはアルゼブラと名を変え、オーメルとの同盟を継続。

アナトリアの傭兵は第二の故郷を去り、非企業勢力の聖地ラインアークの英雄になる。


そして全てはforAnswerへと繋がるのである。


最後に、ツイッターでの私のツイートを廃品利用しよう。DQNは言う事が結構ころころ変わったのだが(まぁ変わるからこそDQNなんだが)、私がここまで色々と記事を書く発端になった発言だけは私が引用しており、残っておった。

オーメルはアナトリアと友好がないので攻撃しても自然ですが、GAは散々役立てて手の平返しましたからね。少なくとも勝戦陣営のトップとして止め得る立場だったのにアナトリアの攻撃に異は唱えなかった。でfAではBRFと建前の良い優良企業アピール。うさんくさいなと。

突っ込みどころ満載である。例えばGAはオーメル陣営(GA陣営)のトップかと言えば、オーメル陣営で一番デカい企業ってだけでそこまで重要な存在ではなかった、というのは既に述べた通りである。大体、GA陣営なんて言葉は4作中には出てこない。設定資料集とかに出てくる言葉である。作中では全部「オーメル陣営」だ。

あと、「オーメルはアナトリアとの友好がない」というのも酷いな。既に見てきた通り、リンクス戦争でアナトリアの傭兵が救ったのはGAという企業ではなくオーメル陣営全体であり、GAもオーメルもはたまたイクバールも、等しく彼に救われたのだ。だから、アナトリア粛清で裏切ったと言うならGAもオーメルもイクバールも裏切ったのであり、同様に糾弾されねばならん。

GAは基本的に、最初アナトリアを支援して傭兵業を開業できる様にしたというのと、お得意様(下請けと元請けの関係)というだけである。それを言うならローゼンタール=オーメルだって、傭兵業開始当初からネクスト戦のシミュレーションデータの収集をアナトリアに依頼していたり(シミュレータ)、BFF攻撃ではアナトリアの傭兵を存分に使ったりと関係は深い。

まぁそれは置いておこう。かのDQNが出してきた意見について、私が論点をまとめたものが残っており、彼は特に「そんな事は言ってない」とか言わなかったので概ね正しくまとめられていたのだと思う。ので、まずそれを紹介しよう。

まず彼が言うには「GAはアナトリアの傭兵から大きな貢献を受けた上でアナトリアの攻撃を看過しました」。何故看過したと言えるかと言うと「GAにはやめようと言うことも出来たのです。身体を張って止めることと諫言するのでは意味も背景も異なります」(身体を張ってまでアナトリア粛清を止めずとも、諫言すれば良い)。にも関わらずアナトリア粛清に文句も言わなかった。ならば「理由に関係なくGAは理論上アナトリア攻撃を支援したサイドになります」こんなところである。

では私の反論。まず、当時オーメルが事実上天下を取っていた事を思い出す必要がある。以前説明した通り、リンクス戦争が終わった頃のオーメルは、トーラス勃興と新しい世代のリンクスが育つまでの僅かな期間とは言え敵なしの最強勢力だった。既にコジマ技術独占企業となっており、各社の戦力がズタボロな中切り札セロとジョシュア・オブライエンを抱えていたのだからな。

次に、「身体を張って止めることと諫言するのでは意味も背景も異なります」を見てみよう。諫言って元々、それで気分を害した主君に遠ざけられたり、酷いと手討ちにされたりするのを覚悟しながらやるもんなんですが、それは置いておいて。

これは、強いて言うなら平和な国の理屈だ。GAは時代遅れの巨人で且つリンクス戦争でズタボロになったとは言えいまだ五大企業の一員。仮にアナトリア粛清がオーメル主導だったとして、粛清しようとしているオーメルにGAが「それはいかん」と言ったらどうなる? 「ちょっと痛い目見てみるか?」とオーメルに言われる可能性は考えられないだろうか?

ましてや「企業の総意」だった場合、生き残り企業の総意としてアナトリアを排除しようとする他四大企業の目の前で、かつての六大企業筆頭が「それはやめるべきだ」とか言ったらどうなるだろうか。名誉毀損とかでない限り何を言っても逮捕されない現代日本とは根本的に違うのである。

それともこのDQNは、GAが「俺はやめた方がいいって言ったからね」ってんで出した反対意見をすぐ引っ込めて、後は知らん振りを決め込むだけで満足なのだろうか。そうではあるまい。ならば、この状況において「諫言する」というのは「身体を張って止める」のとイコールではなくともニアリーイコールである。

実際のところ、この時GAがアナトリア粛清に賛成に回ったか反対に回ったか、それは不明である。何故ならその辺の事が一切発表されていないからだ。ただ確かな事は、GAの意思がどうであれ、GAが反対に回る事は不可能だったという事である。

この時のGAとオーメルのパワーバランス(オーメルが粛清発案ではなくとも実行部隊はオーメル、そして当時のオーメルに無理矢理いう事を聞かせられる企業はないのでオーメルは最低限賛同者と見られる)考えれば、もし万が一GAが身体を張ってオーメルを止めようとしたらどうなるか、判るでだろう。本社や生活圏を残らず破壊される事はなくとも、多くの社員、コロニーの住人が路頭に迷い、死ぬだろう。

それでも止めろとは、私には言えん。GAが出来る事と言えば、実行部隊は出さないとかその程度の消極的な非協力ぐらいだ。それもしないだろうけどな、オーメルを刺激する。実行部隊がオーメルだけだったのは、むしろ前述の通りの政治的配慮からだろう。

無論、オーメルとて自分が無敵なのは短い一定期間のみでやがて他の企業が復活してくるだろう事ぐらい判っているだろう。だから迂闊に無茶な事はしないだろうが、前述の通り、オーメルが雄飛するチャンスでもあるのがこの時期だ。だから、逆に言えば、他の企業も藪を突付いて蛇を出す訳にもいかないのです。何か変な事をしてオーメルを刺激するのは、GAとしては避けたい筈です。

無論これらは全てGAが反対したかったと仮定した話で、最初から賛成だったという話かもしれない。しかしながら、それについては謎としか言えないのである。最後に、「理由に関係なくGAは理論上アナトリア攻撃を支援したサイドになります。だから不信なのです」と述べているが、私には理解できない考え方である。

確かにGAは、最初からアナトリア粛清に賛成でも、心の底で反対と思いながら賛成に回らざるを得なかったとしても、攻撃したサイドだ。しかしながら、アナトリアは、自らが傭兵業をやって生き残る為に、マグリブの希望を潰し、各地の反体制テロリストを潰し、GAEを潰し、BFFを潰し、レイレナードを潰したのである。そして、GAも又、生き残ろうとしているのだ。よっぽど明確であくどい証拠が出てこない限り、この件に関してGAを責めるつもりも、賞賛するつもりも無い。

やはりむしろ、エミールの頭が悪すぎるのが問題だったのではないかと思う。アナトリアの傭兵はあくまで傭兵であって作戦の最終的な責任は企業にあるとは言え、アナトリアは余りにアレな作戦にばかり関わってしまっている。GAの内部粛清を引き受け、BFF本社を破壊し…自業自得と言うかエミール業アナトリア得である。もうちょっとまともな奴がアナトリアの指導者なら、話はまた変わったかもしれん。


以上で、AC4ストーリー解説は終わりである。読者諸兄、お疲れ様でした。




その1:国家解体戦争とネクスト
その2:六大企業とアナトリア
その3:管理経済戦争
その4:リンクス戦争
その5:アスピナの興亡
その6:アナトリア粛清

AC4世界の歴史5 アスピナの興亡

2011年07月10日 23時01分41秒 | アーマード・コア
ごきげんよう諸君、いかがお過ごしかな。家族会議で大変無駄な時間を過ごした霧島である。ほんとこの家いたくない。私の精神衛生上よろしくない事甚だしい上、こっちには出かける先が無いから外にも出ない、所詮仮住まいだと思ってるから掃除もしない、買物不便だからコンビニ以外全部通販とこの家にいるメリットが全くない。どうせ会社のバイトしても大した金にならん(月一万)だから働く気も起きんしな。

しかしま、久しぶりに社長がマジギレしてたな。俺は地獄を見てきたがそれを他人のせいにはしなかったとかどーとかこーとか。知らんがな。まぁ社長が子供の頃親にいじめられたのは大変だったとして、本当に大変だったのは社会人になってからだ。家を出て会社員になり、結婚して子供と三人で幸せに暮らしていたところ、実家から会社を継いで欲しいと要請が。で、説得されて会社を継ぎ地獄を見た訳である。

おめーが自分で選んだんだろうが。これがまだ、例えば「普通に評判のいい会社に入ってみたら超絶ブラックだった!」とかならまだ話はわかる。又、「ブラック企業でもいいから何処かに就職しない事には生きていけん!」という状況だったならそれもわかる。

しかし、彼は子供の頃から(当時の)現社長たる親や会社の風土をよく知っており、又、会社員として普通の生活を送っていたので生活にも困っていなかった。言ってみれば、自分から地獄に突っ込んだ訳である。勝手に地獄見とりゃええがな。後、彼は一人で突っ込んだのではなく嫁と子供を道連れ(社長の親からいじめられたり仕事手伝わされたりそれはもう色々と大変だったらしい)にした訳である。それで自分は地獄を見てきたとか啖呵切れるんだから大変良いご身分と言わざるを得ない。

まぁ、辛い辛くないというのは本人の主観次第というのが私の持論なので、彼にとっては自分で見てきた地獄の方が辛いんだろう。例えどんなに自業自得でも辛いんだろう。降って湧いた病気で、一度損傷したら二度と再生しない脳細胞(末梢神経なら再結合するが)が傷ついて、二度と常人並みの暮らしはできませんとか言われるよりも辛いのだろう。中長期目標が同じ時間に起きて同じ時間に寝る事と医者に言われる私より大変だったんだろう。

きっと。

多分。

辛いんだろう。

うん。

ま、常識的に考えれば、「あの時実家に戻ると決断しなければ」というのは社長の人生そのものを否定する行為なので本能が拒むんだろうな。どちらかと言えば被害者な子供や嫁(私は殆ど感知しない年頃だった)があれだけ擁護してるのもそうなんだろう。本人達も地獄を見てきた、と言うか見させられてきた訳だし。しかしそこを理性で乗り越えなければならんとも思うんだが、まぁ他人の人生である。私にゃ関係ない。

しかし私は何でこんな家にいるんだろうな。私は、普通に考えれば比較的裕福な家の生まれだし、両親ともにクズ野郎という訳ではないから不幸な方ではない筈である。しかしながら、横浜の我が家という天国が大変近くにありながら、精神衛生上滅茶苦茶悪い京都の家にずっといるので物凄い勢いで不幸感が増幅されるのだ。天国が見えなければそう辛くないんだが。

ちなみに社長をネタにはしているが、ネタにしやすかったというだけで一番イラッときたのはうちの姉である。アレが感情的になると話進まなくなるから困る。気が強い女は嫌いではないが他人の話を聞かんヒステリー女は大っ嫌いだ。


さて、そんな無駄な時間を過ごしていた為、キャプチャ関連の記事を最後まで書けなかった。だまして悪いがAC4解説記事を載せる事にする。ほんと舐めた話である。クズが…空気にもなれんか。



では本題。

リンクス戦争終結後、AC4最後のどんでん返しであり同時に初見にはイミフなイベントである事件が発生する。アナトリア粛清である。国家解体戦争以前からリンクス戦争までの流れを長々と解説したのも、そうしなければこの粛清事件を説明できないからである。元はと言えばDQNと私の論争が発端なんだからな。

まずは、アナトリア粛清で起こった事実だけを言おう。

1:リンクス戦争が終結
2:フィオナ(4主人公のオペレータ)が主人公に休息を求め、エミールが了承する
3:突如としてプロトタイプ・ネクストに乗ったジョシュアがアナトリアを強襲。
4:迎撃が間に合わず、アナトリアは破壊、汚染される
5:迎撃に出た主人公がジョシュアを撃破
6:No06セロが現れ、主人公はこれも撃破する(難易度ハードのみ)
7:二人は汚染されたアナトリアを後にし、アナトリアは滅亡する。

尚、アナトリア滅亡に関しては、粛清でそのまま滅んだのか、それともしばらくしてから滅んだのかは不明。資料集には「アナトリアの傭兵が出撃するも、間に合わず大半を破壊され、重度のコジマ汚染を受けてしまうアナトリア」「アナトリアは滅び」としか書いてないからな。しかしまぁ、アナトリアがいつ滅んだのかなどはどうでもいい。問題は、誰が何の目的でどうやってアナトリアを滅ぼしたかという事である。

一般的に、このアナトリア粛清は「オーメルの策謀」「企業の総意をオーメルらが実行」のどちらかだと言われている。少なくとも私が調べた限りでは、ファンの間ではそういう認識だった様だ。そして設定資料集でも、「背後にいたのは、アスピナと関係の深いオーメルだろうか? ただし、一社の独断ではなく、戦争の勝者であるGA陣営の総意が働いたと見ることもできる」(61p)と述べられており、多分どっちかだろうという事になっている。

取り敢えず実行犯にアスピナのジョシュア・オブライエン、オーメルのセロがいる(後者はハード限定だが)ので、アスピナ、オーメルが関わっているのは間違いない。特にセロは企業専属のリンクスであり、「オーメルの切り札」(4作中セロ説明文)であるから、独断での行動と考えるのは流石に無理があるだろう。

ここでまず、アスピナの立ち位置について検証しておきたい。fA時代のアスピナについての記述は多いのだが、4時代のアスピナについての記述が少ない…と言うか、いつ頃からそうだったのかという記述が無いので、当時のアスピナについてが非常にわかりにくいのである。尚、年代についてだが、資料集によれば国家解体戦争終結から16~19年後頃。fAゲームOPだと国家解体戦争から数十年と言ってるが、一十年だと思えば辻褄が合わない訳でもない。年表が凄く見づらいので、無理矢理な見方をすれば20年後にも見えるし。リンクス戦争は国家解体戦争から4~6年後頃。

まずfA時代のアスピナについて、資料集では「アスピナ機関は、厳密にはオーメルグループではなく独立した研究機関だが、その運営資金のほとんどはオーメルによって提供されており、実質的にオーメルの研究機関として扱われている」(27p)と書かれている。もしこれが4時代でも同様であれば、実行犯は実質オーメル単独という事になる。問題は、いつからオーメルとここまで深くつながっていたか、な訳だ。

これについては、明確に述べられたものはない。よって、作中と資料集から丁寧に読み解いていくしかない。アナトリア粛清の実行が実質オーメル単独によるものなのか、それともオーメルとアスピナの初めてじゃない共同作業によるものなのか、どちらか次第で話は大きく変わってきてしまうからな、ここは深く考えておかなければならない。

まず、元々アスピナはネクスト制御技術AMSの先端研究機関である。ARMORED CORE @ wikiやRAVENWOODなどでは、アナトリアのAMS技術がアスピナに持ち去られたと述べられているが、少なくとも設定資料集では「AMS技術はアスピナ機関で、IRS/FRS技術はアナトリア研究所によって研究、開発された」(79p)と記述されており、これは間違いないと思われる。

そして、続きで「アスピナ機関とアナトリア研究所は、どちらも経済基盤を技術情報取引に依拠しており、AMS/FRS/IRS技術も商品として販売されている」(同)と述べられている。国家解体戦争後もアナトリアが研究所の技術研究で繁栄していた事とあわせて考えるなら、アスピナも相当繁栄していた筈、言い換えればわざわざ傭兵をやる必要がないほど儲けていた筈である。

特にアスピナは、アナトリアの研究者が亡命した事により、ネクスト制御技術の最先端を一手に担う一大研究機関に成長している。傭兵をやらなければならない経済的理由は微塵も無い。確かに、「AMS技術も販売しました。これは機関に利益をもたらしましたが、一度普及するともう売れません」(50p)とも述べられている。だから売る技術がなくて困窮していたとみる事もできなくはない。

が、アナトリア研究所の研究員が技術を持ってきたのである。そして、少なくともアナトリアは、技術盗難までは繁栄していた。ならば、アスピナは充分それでやっていける筈である。だから、アスピナが傭兵をやり始めた件については別の理由を模索しなければならない。

アスピナは、fAでも傭兵を続けている。これについてfA作中のロード画面解説では、

「リンクス戦争では、テスト個体、ジョシュア・オブライエンを実戦投入、高い戦果を上げた。以来アスピナは、テスト個体を正規リンクスとして登録し、機会があれば実戦投入する方針を採っている。これは、主に実戦データ収集の意味合いが強い。

と述べられており、リンクス戦争以後の傭兵業はデータ収集がメインとされている。但し、ジョシュアの投入がデータ収集の為だったかどうかは定かでないのである。確かに、「データ収集の意味~」が「以来アスピナは~」にかかっているのは間違いない。しかし、「リンクス戦争では~」にまでかかっているかどうかは、この文章を読む限りでは判らない。

他の理由でジョシュアを投入する事になり、その結果データ収集が捗って傭兵業を継続したかもしれないのだ。色々調べてみたが、残念な事にアスピナが傭兵業を始めた具体的な理由を記述した作中の台詞や資料集の文章は無かった。故に理由については一旦放り出し、むしろそこで注目すべきは、アスピナが傭兵業を始めた時の記述を注目したい。「コロニー・アスピナがオーメルの秘密裏の支援を受けて、世界で2番目のネクストを駆る傭兵を所有した事だ」(58p)。

ここから判る事は二つ。第一に、この当時からアスピナはオーメルと一定以上の関係にあった事。第二に、アスピナの傭兵業はオーメルの意を受けているという事である。又、fA時代のオーメルについて、「アスピナ機関の存在と、レイレナードの技術者を取り込んだことで、ネクスト製造技術の面でもオーメルは急成長している」(27p)というのもある。技術者を取り込んだというのは、レイレナード崩壊後、オーメルはレイレナードの技術者を積極的に受け入れた(のか拉致ったのかは知らんが)のである。

まぁ正直判りにくい文章だが、「以前からあるアスピナという研究機関の存在と、新規参入した旧レイレナードの技術者の相乗効果で大躍進した」と読むべき文章であろう。もし「アスピナ機関と旧レイレナードの技術者を吸収して大躍進した」と読むのであれば、引用文の「アスピナ機関の存在と」の「存在」の部分が邪魔になるからな。ここから、当時からして既に、アスピナは事実上オーメルの(と言うかローゼンタール=オーメルの)研究機関だった、と結論付けたくもなる。

しかしそれはそれで早計だ。

と言うのも、このアスピナのジョシュア・オブライエン、レイレナード陣営の依頼も受けているのである。ハード限定ではあるものの、彼は管理経済戦争開戦後もレイレナード陣営に回っている。ジョシュアがレイレナード陣営に参加しなくなるのはリンクス戦争開戦後の話で、それまでに敵の刺客としてアナトリアの傭兵に襲い掛かった事は一度や二度ではない。

正確に言うと、ミッションで出てくるジョシュアは、難易度によって陣営がころころ変わる。アマジーグ撃破戦(マグリブ解放戦線と戦ってた頃のアレ)で出てくる時は、ノーマルだと味方(GA側)、ハードだと敵(マグリブ≒BFF、イクバール側)といった具合だ。管理経済戦争開戦後はインテリオルのNo14シェリングと戦う時、ノーマルだと登場せずハードだとインテリオル側で参戦。逆にBFFのNo05メアリー・シェリーと戦う時はノーマルだとオーメル陣営で参戦、ハードだと登場しない。

こうしてみると、金さえ積まれれば誰の依頼でも受けるという実に傭兵らしいスタイルで傭兵業をやっているアスピナとジョシュアの姿が見えてくる。しかしながらその一方で、アスピナはリンクス戦争でオーメル陣営反撃の要となる。エミールも、CHAPTER5の回想で「最初期の奇襲により壊滅的な打撃を被り、一方的な防戦に追い込まれた、オーメル陣営の切り札となったのがアスピナの傭兵、ジュシュア=オブライエンと、あの男だった」と述べている。

又、リンクス戦争後はアナトリア粛清を実行し、fA時代には完全に、オーメルの一研究機関に収まってしまっている。特にアナトリア粛清は不可解で、ジョシュアはプロトタイプ・ネクストに乗って出撃している。これはその名の通り試作型ネクストで、「リンクスの限界を超えた精神負荷と、汚染制御不能高出力コジマ機構」(61p)を備えているとされる。

実際、これで出撃したジョシュアは、アナトリアの傭兵に勝ったとしても吐血ボイスの後「私もすぐ逝く…責めはそこで聞こう」と言ってくる。故にこの出撃は、まぁ神風とまでは言わんが甲標的ぐらいの片道出撃だったのである。アスピナは、自らの最大の戦力を失う事を承知でジョシュアを送り出した事になる。

尚、このプロトタイプ・ネクストはレイレナードが所有していたものである事が資料集に述べられている(61p)。又、fAで登場するジュリアス・エメリーはアスピナ機関出身であり、ジョシュアの再来と呼ばれた逸材だが、何とリンクス戦争末期にレイレナードに合流している。アナトリアとアスピナがオーメル陣営の戦力基盤になっていた時期に、まるで内部分裂である。

このアスピナの動向は、どう説明すべきなのであろうか。

まず第一に判っている事は、アスピナは管理経済戦争以前からオーメルと一定以上の関係があった事である。これはアスピナが傭兵業を始める時オーメルが支援していた事から判る。又、「アスピナ機関の存在と、レイレナードの技術者を取り込んだことで、ネクスト製造技術の面でもオーメルは急成長している」の一文からも、リンクス戦争以前からオーメルとアスピナがある程度の関係にあった(オーメルの為の研究をアスピナがしたりしてた)のは間違いないと読み取れる。

にも関わらず、アスピナが非オーメル陣営からの依頼も受けているのは当時のアスピナがある程度独自性を持っていた、言い換えれば、確かにアスピナはオーメルの強い影響下にあったが決して傀儡政権でも衛星国家でもなかったという事であろう。と言うかそれ以外に解釈の仕様が無い。いくら私がMMRが大好きでユダヤ陰謀論にも一定の浪漫を感じる人間だと言っても、流石に、配下に命じて自陣営を攻撃させるというのはちょっと理解しがたい。

4主人公が邪魔で消そうとしていたならノーマルで援軍に来る道理が無いし、何よりリンクスの質がおいて大きく劣るオーメル陣営が自らのネクスト戦力を磨り潰すのは大変な愚策である。まぁGAはそれっぽい事やってるけど内部分裂とか内部粛清とかやってるアホでもあるからな、あいつら。政治力に優れたオーメルでそれは考え難い。

故に、傭兵業開業からリンクス戦争開幕までのアスピナはオーメルと関係は深いが、ちゃんと独立した勢力と見るべきだろう。傭兵業開業以前から独立性が強かったかどうかは判らない(判断材料がない)ので置いておくが、開業~リンクス戦争開幕までは独立勢力と見るべきだ。で、そのアスピナがリンクス戦争ではオーメル陣営についた。その中で、ジュリアス・エメリーが離脱するという事態が発生した。これをどう解釈するかである。

後者のジュリアス離脱については、二種類の解釈が可能である。第一は、アスピナの内部分裂による離脱。要するにオーメル陣営につくのを良しとしないグループによるものである。この場合、恐らくジュリアス自身もオーメル陣営を嫌っていたろう。一方、第二の見方として生き残り戦略がある。これは、オーメル陣営とレイレナード陣営、どちらにも戦力を提供してどっちが戦争に勝っても戦後アスピナが生き残れる様にするというものだ。

歴史上、こういう例は結構ある。有名なのは関ヶ原の戦いで、真田昌幸と信繁(幸村)は西軍(石田方)に、真田信之は東軍(徳川方)についている。結果、信之は元々持っていた領地に加えて昌幸の領地を獲得、真田家は見事に生き残り、松代藩は明治まで存続したのだ。アスピナも同じ事を考えていたとしても不思議は無い。

ただ、この解釈には無理がある。というのも、もしそういう戦略でいくのならもっと早い段階で両陣営に戦力を提供する必要があるのである。リンクス戦争末期というと、アスピナはもう既にオーメル陣営の一員として立場を明確にしている時期とみて間違いない。

何せ末期だからな、アナトリアの傭兵がエーレンベルク折ったり、アンジェと一騎討ちしたり、最精鋭ネクスト部隊と交戦したり、便器の蓋を閉じる作業レイレナード本社を襲撃したりしてる頃だ。ジョシュアもソルディオス壊したり頑張ってる。こんな時期にもなってレイレナード陣営にジュリアスを渡すというのは、どちらかというと裏切りに属する話である。真田と言うより小早川である。

大体だな、リンクス戦争の流れは、まず最初期にはレイレナード陣営が非常に優勢。それがアナトリアの傭兵とジョシュアのお陰で時間が経つにつれて段々とトントンになっていき、最終的にレイレナード陣営最精鋭ネクスト部隊の壊滅で勝負が決する、という流れである。故に、生き残りの為にレイレナード陣営にも戦力を送る、というのであればレイレナードが開幕の奇襲攻撃をやった直後でなければ意味が無い。

しかし実際には、ジュリアス・エメリーがレイレナードに合流したのはリンクス戦争末期である。ならば、政治的配慮という可能性は極端に薄くなる。又、政治的配慮でレイレナードに合流したのなら戦後アスピナに帰還、あるいはオーメルに吸収されても良い筈である。しかし彼女は、むしろレイレナードの亡霊であるORCA旅団に合流した。

ならば、このジュリアス離脱は内部分裂とみるのが自然である。ならば、何故内部分裂が起こったのか。そもそも内部分裂という事自体私の憶測に過ぎぬから確たる証拠はないのだが、考察を続ける上で次の台詞が役に立った。

「守るべきものの為には全てを捨てる…ジョシュアと貴方、似ているのかもしれない」

これはソルディオス撃破ミッションSOLDIOSの、ミッション成功後のフィオナ(オペレーター、主人公の恋人)の台詞である。このミッションではジョシュアのホワイト・グリントと協働でソルディオスを破壊するのだが、そのジョシュアと主人公が似ているというのである。

主人公の場合、「守るべきもの」はフィオナ、ひいてはアナトリア。「全てを捨てる」というのは、リンクスやって戦うという事である。前にも言ったとおりリンクスやってると精神負荷はかかるわコジマ汚染はされるわ(リンクスは暗闇の中だと緑に光るという設定もある)で身体はガタガタになるからな。

ジョシュアの場合も、いくらAMS適性が高いとは言え最初期のAMS被験体。同じ時期からネクスト開発に携わっていたと思われるNo07テペス=Vの解説文が「最初期リンクスの生き残り(中略)深刻なコジマ汚染が噂されており、恐らく先は短い」とか書かれてるし、やはりネクストに乗り続けるのは危険だろう。だから「全てを捨てる」ってのは判る。

ならば「守るべきもの」とは何か?公式HP(資料集と矛盾する内容もあるのであんまり引用したくないんだが)のキャラ設定には、ジョシュアは「小さな故郷を守るために戦い続けている」と書いてある。まぁこれが無かったとしても、ジョシュアの恋人とか出てこない以上それしか理由はあるまい。要するにアスピナを守る為に戦っている訳である。

しかしだ。ジョシュアがアスピナを守る為に戦っているという事は、逆に言えばジョシュアが戦わないとアスピナが滅ぶという事である。まぁ滅びはしないかもしれないが、酷い事になるのだろう。そうでなければ「守るために戦い続けている」なんて出ない筈だし、「守るべきもののためには全てを捨てる」という事にもならない筈である。

ここで、さっき放り出したアスピナが傭兵業を始めた理由で考察したものが役立つ。あの時、アスピナが傭兵業を始めた理由として経済的理由はありえず、fA時代にはデータ収集の為に傭兵をやっているという事を述べた。ジョシュアがデータとらなきゃアスピナ滅ぶって事はあるまい。

ここで、今まで明らかになっている事実を並べてみよう。

1:アスピナは古くからオーメルと深い関係にある
2:傭兵業を始める時、オーメルの秘密裏の支援があった
3:管理経済戦争まではどちらの陣営の依頼も受けていた
4:リンクス戦争ではオーメル陣営一本に絞り、主戦力となった
5:リンクス戦争末期、内部分裂があった
6:アナトリア粛清を実行し、ジョシュアを捨て駒にした

やはり、3と4の間に大きな隔たりがあるのは否定できない。1、2の頃はわからないが、少なくとも3の頃のアスピナは独立性が強かった。しかし4になるといきなりオーメル陣営べったりになる。そして6ではジョシュアを見殺しにしてしまうのである。アスピナ最高のリンクスであるジョシュアを、アスピナ自身が暗殺したかったとは思えない以上何者かにプロトタイプ・ネクストでの出撃を強制されたとみるのが自然である。

そう考えると、5の内部分裂の原因、4でオーメル陣営一本槍になった原因も見えてくる。要するに、3の頃の独立性が4になって失われた、噛み砕いて言えばオーメル陣営のどれかの企業に、無理矢理オーメル陣営に参加させられたのではなかろうか。ジョシュアの片道出撃もその流れで無理矢理やらされたもの、という次第だ。そうでもなければ「守るべきもののために全てを捨てる」なんて話にならないし。

そして、「オーメル陣営のどれかの企業」はずばりオーメルだろう。fA時代にオーメルグループの事実上の一員としてアスピナが名を連ねているところからして、オーメル以外の選択肢が無い。そしてだからこそ、オーメルの犬に成り下がる事を良しとしない者による内部分裂が起こったのではなかろうか。

尚、オーメル陣営の切り札となったジョシュアを擁するアスピナをオーメルが力でねじ伏せられるかという点については、可能だと考える。なんとなればだな、ネクスト一機送り込めばそれでいいのである。何もジョシュアを倒す必要は無い。ネクストがコジマ粒子撒き散らしながら戦闘するだけで市街は壊滅するからである。

コジマ粒子は「広範かつ長期にわたり生体活動に悪影響をもたらす重度の環境汚染源」であり、しかもネクストはコジマバリアを張るとえらい勢いでコジマ粒子を垂れ流す。と言うのも、コジマバリアはコジマ粒子をバリア状に整えたものなのだが、そのコジマ粒子はネクストのジェネレータから機体外に放出される。で、ネクストの整波装置がコジマバリアにできるコジマ粒子の量は限りがある。つまり、整波装置の機能上限を超えたコジマ粒子は周囲にだだ漏れなのである。

その上OBを使えばプラズマ化したコジマ粒子が機体外に放出され続けるし、QBしてもごく微量ながらコジマ粒子が放出される。こんな物体、市街に放り込まれたらジョシュアが撃破してくれたとしても大惨事である。ましてやジョシュアは、アスピナ市街での戦闘ともなれば汚染を避ける為コジマバリア封印状態で戦闘、なんて事もありえる。

まぁ、アスピナとしては「ネクスト送り込んでやろうか」とか言われたら屈するしかなかっただろう。本当に送り込む必要はない。送り込んでやろうかと脅せばそれでいいのだ。アスピナの研究員ならコジマに触れてる可能性もあるからちょっとぐらい汚染されても平気かもしれんが、アスピナの一般市民はそうはいくまい。コジマ汚染された地域に住めなんてのは今の福島に住めって事であり、そんな事ができるのはアクアビットとトーラスの社員だけである。

リンクス戦争中に何やってるんだという向きもあろうが、無理矢理にでもアスピナを引き込まなければ到底勝てないのはオーメルとて判っていた筈である。まぁそういう訳で、少なくとも傭兵業開業から管理経済戦争まではかなりの独立性を維持していたアスピナは、リンクス戦争開幕と共にオーメルによってその独立を奪われた、と私はみておる。

間も悪かった。管理経済戦争中ならまだ、そんな事言うならあっちの企業に行っちゃうぞ、こっちの陣営に行っちゃうぞ、と色々な企業、陣営の間を立ち回る事もできた筈である。しかしながら、この時期はリンクス戦争。どの企業も生き残りに必死であり、オーメル陣営はオーメルの行動を黙認するだろうし、レイレナード陣営はアスピナに手を出す余裕などない。

そもそもBFFが壊滅してインテリオルが離脱している以上、レイレナード陣営の戦力と言うと各地で散発的に活動するしかないBFF残党と防衛用ノーマル、あとは全部ネクストな訳で、仮にレイレナード陣営がアスピナの救援要請に応じてくれたとして、オーメルとレイレナード陣営のアスピナ争奪戦になったら確実にネクスト戦になる訳で結局アスピナは滅ぶんじゃねーのかという話になるし。

あと、今まで説明してきた「アスピナの独立性をオーメルが奪って内部分裂」説以外のシナリオも色々と考えた。が、ジュリアスがリンクス戦争末期に離脱する理由が見当たらなかった。ジュリアスの離脱時期がアナトリア粛清の後であれば、ジョシュアを捨て駒にされた事で内部分裂があったと見れる。しかしアナトリア粛清はリンクス戦争終結後であって末期ではない為、こういう風に考えない限り内部分裂が発生する理由が無いのである。生き残りの為の政治的配慮という可能性は、随分前に排除してしまったしな。




その1:国家解体戦争とネクスト
その2:六大企業とアナトリア
その3:管理経済戦争
その4:リンクス戦争
その5:アスピナの興亡
その6:アナトリア粛清

AC4世界の歴史4 リンクス戦争

2011年07月09日 20時17分56秒 | アーマード・コア
ごきげんよう諸君、いかがお過ごしかな。そういえば先日いい事があった霧島である。と言うのも、私がいつもどおりACfAで「AC4物語解説記事連載中霧島家で検索」というセコい部屋名の宣伝タイマン部屋を作って対戦していたのだが、対戦後メールが来た。珍しいなと思って開いたら、何と、私の攻略記事を見てACfAを始めた人だったのである。

あまりの驚きに大変挙動不審な返信メールを送り、フレンド登録を希望したがそれから音信は途絶えてしまった。それでも、あの記事が無駄になってなかったどころかプレイヤー層を広げられたというのは大変な喜びである。ACV発売まであと僅か、需要は少ないだろうがあの記事の続きも今書いておるから、このシリーズが終わったら連載再開である。待っている諸君は気長に待ってくれたまえ。何、すぐだ。

いや、最近ようやくACfAのver1.4におけるパーツバランスというものがおぼろげながら理解できてきてな。相変わらず腕前はそこそこあっても中量機特化だけしか使えないし、二段はできないし、厨アセン嫌いだし、パラボラに隠れるのも嫌いだし、ランクマッチ嫌いだしとお前ACに向いてないんじゃないかというプレイヤーだが、使いにくい使いにくいと言われているパーツの扱いも徐々に判ってきたりしてきた。

それでもうすぐACV発売というのだから、世は無常である。まぁどうせ発売直後はクソゲーだろうけど。



さて、続きである。前回は、ローゼンタール=オーメルがアナトリアの傭兵を使ってBFF本社艦クィーンズランスを撃沈し、レイレナード陣営を窮地に追い込んだところまで説明したな。

はっきり言おう。クィーンズランス撃破を立案し、実行を許可したローゼンタール=オーメルの連中は目先の利益に飛びついて大事を見失った愚か者と言われても仕方がない。確かに、BFF本社を襲撃すれば蛇の頭が潰れてBFFが、ひいてはレイレナード陣営の軍事インフラも崩壊する。しかしこの行動によってレイレナード陣営がオーメル陣営の本社や生活圏を襲撃するという状況が発生する。

なんとなればだな、管理経済戦争というのは、核保有国同士が通常戦力で戦争してたようなもんである。通常戦力ってのは要するに戦車とか飛行機とか兵士とかだな。お互い戦争してるから核は撃ちたい、でも撃ったら相手も確実に撃ってくる、そうなったらお互いの国が焦土と化す、だから撃たない。そういう状況だったのだ。逆に言えば、どっちかが一発でも核を撃ったら終わりである。FallOutの世界になるまで核が撃ち合われるだけだ。

管理経済戦争も同じである。ローゼンタール=オーメルがBFF本社を襲撃した以上、レイレナード陣営はいつまた本社を狙われるか判らない。生活圏を狙われる可能性もある。しかも、レイレナード陣営はBFFの崩壊により管理経済戦争を続ける限り勝ち目が無い。

孫子曰、「囲師必闕」「窮寇勿迫」「帰師勿遏」。それぞれ、包囲戦をやる時はどこか包囲に穴を作っておけ、窮地に追い込まれた敵に下手な手出しをするな、国へ帰る敵を攻撃するのはやめろ、というところである。これは要するに、人間追い詰めると何仕出かすか判らんという事だ。

一番最初の話で言えば、包囲する時完全に囲ってしまうと逃げ場が無いならここで一華咲かせて死んでやると奮戦してくる可能性があり、場合によっては突破されてしまう。むしろ包囲に穴をあけて逃げ場を作っておけば、そこから逃げようと我先に逃げ出し軍は崩壊する。二番目の話も追い詰められた軍は予想もできない力を発揮するから更に追い詰めるのは無用、という事だ。

孫子が九変で述べた戦争で戒めるべき原則を、ローゼンタール=オーメルは破ったのである。当然、手痛いしっぺ返しがやってくる。それこそが世界史上最悪の戦争としてAC4世界に残るであろう、リンクス戦争である。ORCA騒乱のがヤバイだろという人もいるかもだが、ルート次第だしあっちはテロだしな、一応。

BFF崩壊により軍事インフラを失い、戦争継続の方針に同調しないインテリオルの離脱を受けたレイレナード陣営は、レイレナードとアクアビット、そして各地のBFF残党を残して壊滅した。つまりほぼレイレナードグループ単独でオーメル陣営3グループに立ち向かう事態になったのである。事ここに至れば、レイレナード陣営が取るべき方針は一つしかない。即ち、ネクストによる生活圏、本社等重要施設への全面攻勢である。

元々、ネクストは攻めに使う兵器である。確かに地上最強の兵器である以上施設防衛とかにも強いが、ネクストが戦闘を行うとどう頑張ってもコジマ的な意味で汚染されるし、世界に40未満しかないから同時に防衛できる施設の数は多くはない。

そもそも、敵主力部隊の真っ只中に放り込んでも、ネクストがいなければほぼ100%敵を殲滅して帰ってこれるだけの能力を持ち、戦闘レベルでも戦術レベルでも、そして戦略レベルでも機動力の高い(輸送機一機あれば世界の果てまで運べる)兵器を拠点に縛り付けておくなど宝の持ち腐れに等しい。敵の戦線を突破し後方に浸透して重要拠点を叩く事こそネクストの本義であると言える。要するに戦車と同じだ。

レイレナード陣営は、この時点でもネクスト戦力でオーメル陣営を圧倒していた。幸い、BFFのネクストも殆どが無傷で残っているし、民族主義的な理由で戦争していたから残党となっても協力してくれる。彼らはその圧倒的なネクスト戦力で、オーメル陣営中枢への大規模奇襲を敢行したのである。この攻撃は巨大蹂躙兵器をも投入して行われ、巨大コロニーすらあっけなく壊滅し、コジマ汚染は無秩序に拡大したとエミールが述べている。

リンクス戦争こそ、ローゼンタール=オーメルのクィーンズランス攻撃が招いた破局であった。レイレナード陣営は、既に核のボタンを押された側なのである。いつ、アナトリアの傭兵がレイレナードやアクアビットの本社を襲撃するか判らない。ローゼンタール=オーメルは、どちらかが死に絶えるか無条件降伏するまで続く無制限戦争の道を踏み出したのだ。故に、レイレナード陣営のネクスト戦力による死に物狂いの反撃は必然的な結論であった。

生活圏を襲撃し、占領するのではなく蹂躙し破壊するという行為すら、レイレナード陣営の生き残りへの必死なあがきと解する事が可能である。勿論、元から敵を人とも思ってない連中だった可能性もあるが、彼らはネクスト以外だと防衛用のノーマルとBFF残党ぐらいしかいない訳で占領なんか無理である。ならばどちらにせよ破壊するしかないという訳だな。事ここに至り、管理経済戦争では優勢に事を運んでいたオーメル陣営は一気に苦境へと立たされた。

ネクストはネクストでしか倒せない。これはリンクス戦争終結後AFが台頭するまでは真理に近い戦場の原則であり、その上、さっきも言ったとおりオーメル陣営とレイレナード陣営では、そのネクストの配備状況(と言うか保有リンクスの質と量)に酷い差があった。どれぐらい差があったかって小早川裏切り後の西軍と東軍ぐらいの差である。ここで、リンクス戦争開幕当時の両陣営のリンクス保有状況についてみてみよう。まずはオーメル陣営から。

尚、難易度ハードでミッションをやると死んでるリンクスはそう書いてある。また、前にも言った通りNo26までは国家解体戦争の戦果順であり、それ以降は登録順だ。判りやすく、今回はオリジナル(国家か痛い戦争参戦リンクス)のみナンバーを記している。ナンバリングされてる奴は番号が若い程強く、ナンバリングされていない奴は人による、という事である。

ローゼンタール=オーメル所属リンクス
・No04:レオハルト
・No06:セロ
・No13:パルメット
・非オリ:ミド・アウリエル
※ミヒャエル・Fは既に乗機大破、生死不明に

GAグループ所属リンクス
・No10:メノ・ルー(ハード準拠戦死済)
・No24:ワカ
・非オリ:エンリケ・エルカーノ
・非オリ:ローディー
※ユナイト・モスは戦死済、ミセス・テレジアはGAE所属

イクバールグループ所属リンクス
・No02:サーダナ(ハード準拠戦死済)
・No17:K.K
・No25:ボリスビッチ(ハード準拠戦死済)
・No26:ナジェーダ・ドロワ
・非オリ:シブ・アニル・アンバニ

こうして見ると ローゼン>イクバール>GA というネクスト戦力が浮き彫りになってくる。ローゼンタール=オーメルが頭一つ抜けてるのはもう言うまでもなく、GAは…酷いな。エンリケは粗製三人衆筆頭だが、説明文がそこまで酷くないので戦力に数えておこう。ただ、覚醒前ローディーは通常戦力相手でも怪しいのにネクストとネクストがぶつかり合うリンクス戦争じゃとても使えない。

まぁローディーはいつ覚醒するかが問題だが、基本的には、使える戦力はメノ、ワカ、エンリケの三人だろう。これは苦しい。一方、イクバールはオリジナル中位ランクのK.K、低ランクオリジナルのナジェーダ、ボリスビッチ、非オリジナルのシブと粒は揃ってないもののGAよりは質、量ともに高めで、何よりGAのメノの立ち位置にNo2サーダナが来るのが高評価。

ハード準拠だとサーダナが死んでしまうものの、GAもメノが死んでワカ、エンリケ二人でGA(+有澤)を支える悲惨な状況になるので結局イクバール優位は変わらない。変わるとすれば、ハード準拠かつローディーがこの時点で覚醒している事だが、覚醒していればオーメル陣営の切り札の一人として登場してもいい筈なので微妙である。

まぁ何にしても、全体的にリンクスの質が高いとは言えないのがオーメル陣営である。では一方のレイレナード陣営はというと

レイレナードグループ所属リンクス
・No01:ベルリオーズ
・No03:アンジェ
・No07:テペス=V
・No11:オービエ
・No12:ザンニ
・No21:P.ダム
・非オリ:真改

BFFグループ残党所属リンクス
・No08:王小龍
・No15:アンシール
・No19:フランシスカ・ウォルコット
・No20:ユージン・ウォルコット
・非オリ:イアッコス
※メアリー・シェリーは戦死済

格が違うんだよ、格が。フハハハハハハ(No09サー・マウロスクさん談)

まぁ、勝てないなこれは。上位陣にはまだNo02サーダナ、No04レオハルト、No06セロあたりで対抗できなくもない(まぁハード準拠だとサーダナ死んでるし、セロはオーメルが出し惜しみしてる可能性があるのでどうにもならんかもしれん。頑張れレオハルト)が、中~下位の層の厚さが圧倒的だ。しかも非オリジナルの真改ですら

即戦力として期待された以上のパフォーマンスを発揮しており、今やレイレナードの要の一人と目されている(4作中真改解説)

とか書かれてる始末であり、レイレナード陣営のリンクスで戦力として怪しいと言えば理論派で戦闘経験に乏しいと言われるイアッコスぐらい。絶望しか見えない悲惨な状況である。何せ管理経済戦争とは違うのだ。アレは制限戦争なのに総力戦という戦争で、軍事インフラや通常戦力の数が重要だった。今回は違う。ネクストを生活圏、本社、敵ネクストにぶつける超のつく短期決戦だ。

故にネクストとネクストの戦いで勝負が決まるし、基本的にはネクストを操るリンクスの質と量で勝負が決まる。故にリンクス戦争というネクストを最大限に利用した戦争をやる限り、オーメル陣営に勝ち目は無いと言っていい状態である。レイレナード陣営を窮鼠と化させ自陣営を逆に追い込んだという意味でも、クィーンズランス撃破は愚策であった。後先考えず突っ走った結果がこれである。


このどうしようもなくなったオーメル陣営の、反撃の切り札となったのが二人の傭兵である。一人は4主人公、即ちアナトリアの傭兵。もう一人は、アスピナの傭兵ジョシュア・オブライエンである。アスピナは以前ちょろっと話したが、AMS研究の最先端を行くコロニーで、アナトリアの技術を持ち逃げした連中の亡命先でもある。そこがアナトリアの直後に傭兵業を始め、全企業見渡しても最初期のAMS被献体であるジョシュアをリンクスとしたのだ。

彼は逸材であった。4主人公は、作中においてハード準拠だと17人ものリンクスを撃破しているが、その彼に匹敵する存在こそがアスピナの白い閃光、ジョシュア・オブライエンであった。この二人こそがネクスト戦力に劣るオーメル陣営の希望であり、彼らが傭兵であった事が本人達の不幸であった。「この戦争における2人は、まさに圧倒的だった。時に、味方である私でさえ、不安と恐怖を抱くほどに」(4作中エミール回想CHAPTER5)

事実、リンクス戦争開幕後のアナトリアの傭兵の働きは凄まじい。BFF残党が籠もるコジマエネルギー施設スフィアの陥落は象徴的だろう。ここはBFF自慢の精鋭ノーマル部隊「サイレントアバランチ」が防衛しており、ブリーフィングでも過去、多くの企業がこの施設の奪取を目論見ましたが、すべて、サイレント・アバランチによって退けられていますと述べられており、強力な部隊であった事が判る。

アナトリアの傭兵はこの施設を強襲し、サイレント・アバランチを撃破。更に難易度ハードの場合、同施設を防衛していたNo19フランシスカ、No20ユージンまで撃破するのである。その後もレイレナードの衛星軌道掃射砲エーレンベルクを強襲し破壊、巨大兵器ソルディオスをジョシュアと共に撃破、No03アンジェを一騎討ちで撃破、と最早レイレナード=アクアビットの悪夢と呼べる存在になる。

そして決戦が始まる。ミッション、MARCHE AU SUPPLICE。レイレナード陣営の最精鋭ネクスト部隊(No01ベルリオーズ、No11ザンニ、No15アンシール、No21P.ダム)と交戦しているオーメル陣営ネクスト部隊の救援に向かったアナトリアの傭兵は、これを撃破。レイレナード陣営のネクストはここに崩壊する。尚この戦闘は、難易度ノーマルでは生き残りのNo04レオハルト及びNo30ミド・アウリエルと協働して行われ、ハードだと4vs1で戦う。

その後、レイレナード本社をアナトリアの傭兵が、アクアビット本社をジョシュア・オブライエンが破壊。リンクス戦争は両社の崩壊によって決着した。各地で積極的に活動していたBFF残党もこの頃には駆逐されていると思われ(CHAPTER6後半はBFF残党関連ミッションが無い)、二人の傭兵の働きがオーメル陣営に勝利をもたらしたと言っても間違いではない。




その1:国家解体戦争とネクスト
その2:六大企業とアナトリア
その3:管理経済戦争
その4:リンクス戦争
その5:アスピナの興亡
その6:アナトリア粛清

AC4世界の歴史3 管理経済戦争

2011年07月07日 16時21分45秒 | アーマード・コア
ごきげんよう諸君、いかがお過ごしかな。ここんとこ歯の食いしばりすぎの霧島である。一般的に、世の人はストレスがあると爪を噛むとされておる。私の場合は爪ではなく指を噛んでいたのだが、最近何故か指を噛まなくなった。その代わり、ふと気付けば歯を食いしばる様になったのである。ならいいじゃないかと思うかもしれんが、さもありなん。

人間が意識して歯を食いしばると大した力は出ない。しかし、例えば寝ている時の歯軋りなど無意識のそれは優にトンクラスの力が出るのである。故に、歯軋りのし過ぎで歯が割れてしまう人、歯が磨り減って神経がむき出しになってしまう人というのもいる。私は今のところそこまでいっていないのだが、代わりに頭と顎が痛いのと顎が疲れるという状態になっている。

痛いのは判るが疲れるって何だと思う向きもあろう。まぁ要するに、歯を食いしばると顎に負担がかかる訳だが、休みなく歯を食いしばり続ける事で疲労が溜まっているのである。聞いて驚け、何とお陰でピザを食べるのも一苦労なのだ。顎が疲れてて。なかなか食べられないのである。それに加えて頭痛もするのだから辛くて辛くてしょうがない。良い対処法を知っている人がいたら是非教えて欲しい。

では、AC4ストーリー解説続きである。


さて、4の主人公がアナトリアの傭兵として活動を開始したのは、こういう情勢であった。そんな中彼はGAの、特にアフリカ関連の依頼を多く受けた。さっきBFFが化石燃料を巡ってGAと対立していたと言ったが、BFFは当時ホワイトアフリカで積極的に活動していた反体制勢力マグリブ解放戦線を支援。GAの化石燃料資源基地を襲わせていた。BFFに限らず、当時、敵対企業の活動妨害の為、様々な企業が積極的に反体制テロリストを支援していた。

と言うのも、4開始時の頃は、支配企業の間にも暗黙の諒解があったのだ。仮に敵対していたとしても企業が企業を直接攻撃してはならないというのがそれである。この為、そういうのに関係なく攻撃してくれるテロリスト達にノーマルACやMT、潜水艦、果てはネクストまで与えている。マグリブ解放戦線は二機のネクストを所有しており他の武装勢力とは一線を画す存在だったが、そのネクストは裏活動で他企業から盗んだのを与えたものと述べられている(58p)。

裏活動で他企業からネクストを盗む。盗んだのを解析すれば、他企業の技術が得られる。更にそれを武装勢力に渡せば戦闘データも取れる、という見事な三段論法戦法である(同p)。自社製ネクスト渡せよとも思うが、自社所属リンクスに他企業ネクストを使わせたくはないだろうし(万が一それでリンクス喪失したら泣く)、武装勢力に渡した自社製ネクストから技術情報が他企業に流れたらそれこそ泣けるからな、やらんだろう。

ちなみに、この当時マグリブ解放戦線の基地でテクノクラートのネクスト、バガモール(ボリスビッチ)が確認できる(CITADEL OF SANDSTORMの難易度ハード)ので、BFFだけでなくイクバールグループもマグリブ解放戦線を支援していた様だ。GAと仲悪いからな、イクバール。

さて、そんな訳でホワイトアフリカは激戦区だったのだが、ここにアナトリアの傭兵は投入される。そして、英雄とまで呼ばれた反体制リンクス、「砂漠の狼」アマジーグ(乗機バルバロイ)を撃破した事で4主人公の名声は一気に高まった。そして同時に、オーメル陣営とレイレナード陣営の対立を軸にした六大企業の動きがキナ臭くなってくる。と言うか、GAの動きが怪しくなってくる。

アナトリアの傭兵は、お得意様のGAの欧州法人、GAEの依頼を受けてGAEハイダ工廠の防衛任務に出撃する。そこでアナトリアの傭兵が見たのは、ハイダ工廠を襲撃する高度に組織化された、練度の高いGA製ノーマル部隊であった。GAもテロリストにノーマルを供給する事はある。しかしGAからノーマルを受領したテロリストが、GAEを襲うだろうか。しかも、襲撃部隊はテロリストとは思えないほどよく訓練され、組織されていたのである。

そして破局はやってきた。GA本社からGAE粛清の依頼が舞い込んだのである。GA本社はレイレナード陣営とオーメル陣営を比較検討した結果、オーメル陣営に与する事にしたのだ。しかしながら、GAEは当時アクアビットと協同でソルディオス計画を進めていたのもあり、アクアビットとの提携解消を拒絶。GA本社からの離脱を宣言する。

又、GAE粛清ミッション(INTERNAL PURGE)終了後、以前アナトリアの傭兵が守り、今回は破壊したハイダ工廠がGAの異端と呼ばれた集団であるとフィオナは述べている。損得、利益、企業の争い、そんなものは関係なく、ただ自分達の研究がいとおしいというただそれだけ。噛み砕いて言えば変態技術者集団である。

さて、事ここに至り、GA本社はGAEの粛清を決意する。そうして送り込まれたのが、アナトリアの傭兵だったのだ。ちなみにこのミッションの開始前、アクアビットとかGAEのネクスト出てくるかもしれないから気をつけろと言われるのだが、難易度ハードだと粛清完了後何故かGAのオリジナル、メノ・ルーが敵増援で出現という謎の事態が発生する。

一般的には、粛清の事実を知るアナトリアの傭兵を消して証拠隠滅しようとしたとされているがじゃあメノに粛清させろよという話であり、一人用がクソゲーな4でも屈指の迷場面である。フロム脳な人々は何とか理由をつけようと頑張っているのだが、冷静に考えて得意先(下請け)を一個潰すより自分で粛清した方が圧倒的にいいのでどうにもならん。

まぁフロムが細かい事まで考えられないのはいつもの事なので放っておくとして、この粛清で思わぬ事態が発生した。GAEと提携していたアクアビットが、盟友GAEへの攻撃はアクアビットへの直接攻撃と判断するの声明を発表、ここに企業間の直接戦闘を辞さぬ管理経済戦争が開幕するのである。

ただ、そうは言っても、この時点ではまだ「管理経済戦争」と名付けられているところから判る通り企業はまだ理性を失っていない。言い換えれば、この時点ではまだ制限戦争であった。戦場となったのは前線の軍事基地とか資源基地とかであって、生活圏とか本社とかを狙ってはいない。もしそんな事をしたら、無制限に戦争が拡大してどちらかを完全に殺し尽くすまで戦争が終わらないとかそういう事態に発展しかねない。

忘れてはならないのは、あくまで当時世界を支配していたのは企業だという事である。企業というのは金儲けの為に存在しているのであって、民族の発展とかそういうのが目的ではない。まぁこれは私見だがな。しかし根拠が無い訳でもない。と言うのも、管理経済戦争という名の制限戦争は、ローゼンタール=オーメルがBFF本社を破壊するという暴挙に出たが故に終焉を迎えるからだ。そしてローゼンタール=オーメルをして、そこまでの挙に走らせたものこそ民族主義から来る対立だったのである(59p)。


さて、話を一気に進めすぎたな。ここでちょっと話を戻そう。GA本社は、オーメル陣営とレイレナード陣営、どちらを選ぶかというところでオーメル陣営を選んだ。その理由は作中でも設定資料集でも明らかにされていないが、これはちょっと考えれば簡単に判る事である。

1企業グループの総戦力を1とした場合、今まではGAが中立だったのでローゼンタール+イクバールvsレイレナード+BFF+インテリオルで戦力比は2:3だった訳だ。GAはどちらを選ぶべきか。ローゼンタールに与すれば戦力比は3:3、レイレナードに与すれば2:4。勝てる確率は後者の方が高い。しかしGAが優遇されるのは間違いなく前者である。

レイレナード陣営は元から有利だった訳で、最初から有利な奴に味方するより不利な奴に味方した方が、陣営内での立場はより強固となる。別の言い方をすれば、レイレナード陣営は元々勝ちが見えてるから、そこに今更参加したって勝ち馬に乗ろうとしてる様にしか見えない。一方オーメル陣営は現在不利なので、そこに参加すれば優遇される、そういう話である。勿論、これは全て勝てばの話だが。

さて、ここで考えておかねばならないのは、果たしてGAはオーメル陣営においてどの程度の地位にいたのか、という事である。今のところは無視しても良い問題なのだが、アナトリア粛清事件(私命名。だってちゃんとした呼び名ないんだもん)の主犯とかを考える上で重要になるし、何より例のDQNのせいで深く考察してしまったので載せないと勿体無いのだ。

人によっては、この当時の戦争はGA陣営vsレイレナード陣営の戦争だと捉えており、GAが盟主だったと考えている。これは、複数の理由が考えられる。4でオーメルが表舞台に出てこない(本当に出てこない。普通の人はオーメルがどういう企業か理解する前にゲームが終わるレベル)事、その割にGAがよく話に出る企業であり、アナトリアを最初に支援した企業でもある事。

又、設定資料集では「GA陣営」と書かれている事が関係していると思われる。しかし、4作中のエミールの回想では一貫してGA陣営ではなくオーメル陣営と語られているのである。むしろレイレナード陣営についても「非オーメル陣営」と述べているぐらいで、オーメルの存在が極めて大きい事を示唆している。果たしてGAは、あの戦争当時どういう立場だったのであろうか。

まず確認しておかねばならないのは、管理経済戦争においてネクストは殆ど活躍していないという点である。と言うのも、この時期のネクストは殆どが重要拠点の護衛を行っていたのである。故に、管理経済戦争はノーマルを含む通常戦力の数と質、そしてそれら戦闘部隊を世界中に展開させる為の兵站が重要となる。

兵站と言うと聞きなれない言葉だが、後方支援とか補給・整備とか言うと判りやすいだろう。軍隊の兵站能力は、広い視点で見れば軍需工場の兵器生産能力や人的資源、それらを支える国力に支えられている。故に、世界最大の企業体であるGAはこういうのが大得意だ。又、この時期はレイレナード陣営も前線にあまりネクストを出してこない(あまり、であって全く出してこない訳じゃないが)ので、GAのネクスト戦力がどんなに腐っててもあまり問題にならない。

ここで、判りやすく比較する為に反対陣営のBFFを連れてこよう。BFFはネクスト戦力にも優れていたが、世界的な軍事インフラを持つ企業であった。レイレナード陣営の中核を成すレイレナードは新興企業であり、防衛用のノーマルを除けば、あとはネクストオンリー(52p)という大変アレな軍事組織しか持っていなかった。

故に、管理経済戦争におけるレイレナード陣営はBFFにおんぶに抱っこだったのである。尚、レイレナード陣営にはインテリオルもいるが、後に述べる通り早期に戦争から撤退した上、撤退するまではBFFと共に陣営を支えたみたいな記述が一つとて無いので、恐らくそこまで頼りになっていなかったと思われる。まぁ元が欧州圏三社の寄り合い所帯だしな、インテリオルは。

まとめると、レイレナード陣営にBFFが不可欠だった理由は
1:レイレナード=アクアビットはネクスト偏重で軍事インフラが貧弱
2:なので同陣営の他企業に頼る必要がある
3:しかしながらインテリオルは頼りにならない
4:よってBFFしか頼る相手がいない
という理由によるものである。「補給や輸送など、軍事インフラの多くをBFFに依存していたレイレナード」(60p)

一方、オーメル(GA)陣営のGAはどうか。

こちらは、GA以外にも西アジアと欧州の雄ローゼンタール=オーメル、南アジアの王者イクバールがいる。レイレナード陣営にはBFFしか管理経済戦争を戦える企業がおらず、一方オーメル陣営はどいつもこいつも強力。これなら、管理経済戦争をやる限りオーメル=GA陣営が負ける要素はない。まずこれがひとつ。

もうひとつは、レイレナード陣営はBFFに依存していたからBFFがいなくなると死ぬるが、オーメル陣営はGAがいなくてもアジア圏軍事経済ブロック作れるから重要度が違うということである。言い換えれば、GAがオーメル陣営のに属すというのは、オーメル陣営が勝つ為の十分条件であっても必要十分条件ではない。

無論GAが仲間になればオーメル陣営が勝てる確率は飛躍的に上がる。しかしいないからと言って勝てないとは限らない。一方、レイレナード陣営にとってのBFFはいないと死んじゃうツモ。そうやってBFFとGAを比較してみれば、管理経済戦争の時点で既に、GAが盟主となれるほどの存在感を示せる企業でない事は自ずと判るという訳である。まぁとは言え、GAが中立に回るならともかく敵に回るとオーメル陣営が相当きつい事になるのに変わりはないので、銀英伝で言えば強いフェザーンぐらいの立ち位置と見るのが妥当であろう。

又、一方で、オーメル陣営の主導権はオーメルが握っていたという資料もある。以前各企業グループについて説明した時、イクバールはGAと仲が悪いと言ったな。GAがオーメル陣営に入るには、これをどうにかせねばならない。この問題については、オーメルの仲介によりGAが大幅に譲歩する形で一時的な和解が成立していた。この展開について、資料集では「この和解は、GA陣営の政治的な主導権が、オーメルを背後に隠すローゼンタールにあることを示唆するものと言えるだろう」(59p)。

割といい感じに悪文なのでローゼンタールが偉いんだかオーメルが偉いんだか判り難いが、要するにGA陣営(私やエミールの言うオーメル陣営)なんて名前になってるけどその後ろにはローゼンタールが隠れてて、更にその後ろにはオーメルが隠れてるから黒幕はオーメルだよ、と言いたい様子である。

「オーメルを背後に隠すローゼンタール」の部分をオーメルよりローゼンタールが偉いと解釈した場合、傀儡政権が黒幕より偉いとなってそもそもの設定が崩壊するし、それを飲み込んでそのまま読み解いてしまうと「GA陣営の主導権はローゼンタール=オーメルが握ってるけど傀儡は黒幕より偉いからGAのが偉いんだ!」という果てしなく意味の判らん文章になるしな。

まぁ、そんな訳で、管理経済戦争当時からして既にオーメル陣営はオーメル陣営だったのであり、GA陣営だったとはとても言えぬ。この戦争の引き金を引いたのはGA(もっと言えばGAに雇われたアナトリアの傭兵)だが、この戦争は本質的にはオーメルとレイレナード=アクアビットの争いなのである。


さて、話を戻そう。管理経済戦争開幕に伴い、アナトリアの傭兵にはオーメル陣営からの依頼しか来なくなる。意図的にレイレナード陣営からの依頼を蹴っていたのか、GAE粛清の実行犯(何せGAEはレイレナード陣営の盟主の盟友アクアビットの提携先)というレッテルからレイレナード陣営としても依頼を出せなかったのか、詳細は不明だ。

しかしアナトリアの傭兵がオーメル陣営の尖兵として各所で激戦を繰り広げたという一点だけは事実である。そしてこの戦争を通して、アナトリアの傭兵はオリジナルに匹敵するネクスト戦力(4作中エミール回想chapter4)として認知される様になっていくのである。

彼は対BFF戦線、対インテリオル戦線に積極的に投入される。この時期の作戦に対レイレナード=アクアビット戦のものが無い(一つあるにはあるが、研究所への潜入任務だし)のは、いかにこの戦争でレイレナードの出る幕が無かったかを表しているとも言えよう。インテリオル自慢の飛行要塞フェルミを撃破し、返す刀で同グループの発電施設メガリスを破壊。GAのドルニエ採掘基地を占拠していたリンクス、シェリング(インテリオルのアルドラ社所属)を撃破している。難易度ハードではこれに加え、サー・マウロスク(インテリオルのレオーネメカニカ所属)も撃破している。

慌てたのはインテリオルである。最新鋭兵器の飛行要塞フェルミをやられ、発電施設を壊され、リンクスを一人(ハード準拠二人)消されたのである。しかもやられた二人はオリジナルである。どんなに低ランクでも、オリジナルには国家解体戦争で国家軍を壊滅させた実績がある。増してやサーはNo09、シェリングもNo14。その上正規部隊も二箇所でアナトリアの傭兵にやられている。

そしてこれ以降、インテリオル関連のミッションはなくなる。又、管理経済戦争が終わってリンクス戦争に移行する際、インテリオルはレイレナード=アクアビットの行動に同調せず、レイレナード陣営を離脱して中立を宣言したと資料集にはある(60p)。後の行動から考えて、オリジナル二人(難易度ノーマル準拠だと一人)を失った時点で殆ど中立みたいな状態になっていた可能性も高い。

一方、BFF戦線は熾烈である。当然と言えば当然だがな、結局はBFF本社が破壊されたんだから。設定資料集59pにもある通り、BFFとローゼンタール=オーメルの争いはコジマ技術がどうこうとかだけでなくただあいつが嫌いだからという感情的な理由が非常に大きい。故に、コジマ技術を巡って対立したり損得の為に動いたりした結果始まった管理経済戦争においてこの二社の対立だけが異色だったのである。

さて、BFFはレイレナード陣営の屋台骨を支える世界的軍事企業だったが、同時に極端な中央集権構造で知られていた。それ故に本社を襲撃して潰されるとそれだけで崩壊する危険性があり(まぁ本社が吹っ飛んで崩壊しない企業ってどんなんだという話はあるが)、BFFは本社を特定の場所に固定していなかった。

というのも、BFFはクィーンズランスと呼ばれる特別艦に本社機能を集約しており、これが動く本社なのだ。そのクィーンズランスを、更にBFFの大艦隊が護衛する。元々BFFは海軍力に最も優れた企業だからな、本社を守る方法として、本社を洋上に浮かべて六大企業一の海軍力で護衛するというのは非常に優れたやり方である。

しかしながら、そんなクィーンズランス艦隊にも唯一弱点があった。ネクストが来るとどうにもならないのである。輸送機に頼らずともネクストのOBは超音速で巡航可能だからいくらでも追跡できるし、この兵器は空陸海全てで使用可能(水中は無理だが)。いくらBFFの大海軍が束になったところで、地上最強の兵器であるネクストには嬲り殺しにされるのが関の山である。

そして破局はやってきた(二度目)。ローゼンタール=オーメルからアナトリアの傭兵に依頼が入る。内容はBFF本社艦クィーンズランスの撃破。正直言ってエミールのアホタレは何を考えてこんな依頼を受けたのかと問わざるを得ない依頼である。先程も言ったとおり、管理経済戦争は「管理」の名のとおり、生活圏や本社といった重要施設を攻撃しないという暗黙の了解の下行われていた一種の制限戦争である。

このクィーンズランス攻撃はそれを否定し、更にはBFFという企業を崩壊させレイレナード陣営の死命を制する作戦であった。そしてアナトリアの傭兵は、本社艦隊に護衛のネクストがいなかった事もあり、危なげもなくクィーンズランスを沈める。こうしてレイレナード陣営は世界的な兵站組織を一挙に失い、管理経済戦争(通常戦力による総力戦)を継続する限りどう頑張っても勝ち目のない状況に追い込まれた。




その1:国家解体戦争とネクスト
その2:六大企業とアナトリア
その3:管理経済戦争
その4:リンクス戦争
その5:アスピナの興亡
その6:アナトリア粛清

AC4世界の歴史2 六大企業とアナトリア

2011年07月05日 18時39分26秒 | アーマード・コア
ごきげんよう諸君、いかがお過ごしかな。今日は色々あってどたばたしていた霧島である。昨日あんな記事を上げたせいか、今度はPS3でDQNに粘着されてるから困ったものである。まぁ、真性な上私が理を説いてやるのも簡単な事で粘着されており、つい先程「何言ってんだ新参wwwww」とファビョったメールが届いたからもう大丈夫だろう。後は適当に煽るだけだ。

さて、今日はAC4ストーリー解説記事第二弾である。本当は、AC4ストーリー解説記事と普通の記事を交互に書く予定だった。しかし、前回が前説ばっかりで殆ど本編に触れてない事、又、ノートPCが壊れてどたばたしていて記事が書けなかった為、今日もストーリー解説記事である。つうか、この一年でどんだけ壊れてんだうちの電子機器は。信頼と実績の霧島家の呪いである。


さて、4の主人公はアナトリア所属のリンクスである。元々彼は、国家解体戦争以前、伝説と呼ばれたレイヴンであった。レイヴンというのは、従来型ACつまりネクスト登場以前のACを駆る傭兵である。この従来機は、ネクスト登場以後はノーマルと呼ばれており、ネクスト(と言うかその使い手のリンクス)の絶対数が少ない為国家解体戦争以後も主力兵器として使い続けられている。無論これはネクストのいない場所でのみの話であり、基本的に時代遅れ扱いされてるのは変わらない。

で、アナトリアはネクスト開発元の一つな訳で、言ってみれば企業側勝利の立役者である。事実、国家解体戦争後もアナトリアはその高い技術力で大いに反映していた。他の地域は「健全な経済主体たる企業(笑)による、限りある資源の再分配」というお題目でコロニーに押し込まれて酷い目に遭ってた時代である。しかしその繁栄も長く続かない。

アナトリア研究所、IRS&FRS技術研究の第一人者イェルネフェルト教授が亡くなったのである。その上元々教授を快く思っていなかった弟子達が、IRSとFRSの先進技術を持ってアスピナ研究所へ亡命してしまう。アナトリアは産業とかは無く、ただひたすら技術立国ニッポンだったのでたちまち困窮してしまうのである。まぁ現実世界のトルコは鉱物資源が豊富だったり軽工業の輸出大国だったりするんだけどな。

で、アナトリアの若き指導者エミールは考えた。元々IRSやFRS技術の開発には実機のネクストが必要なので、アナトリアにはネクストがあった。そして、例の伝説的なレイヴン。彼は詳細は不明ながら国家解体戦争で野垂れ死にしかかったところをイェルネフェルト教授の娘、ルナマリア・ホークフィオナに拾われており、アナトリアに住んでいた。そして彼には低いながらもAMS適正があった。

よろしい、ならば傭兵だ。

こうして伝説と呼ばれたレイヴンはアナトリアの傭兵に鞍替えし、AC4というオフがクソゲーもいいとこなゲームが始まるのである。まぁとは言え、傭兵をやるとは言っても反体制勢力に加担する訳にはいかない。速攻で潰される。しかし体制側である六大企業は国家解体戦争にネクストで勝った連中。しかもリンクスの数はあれから更に増えてる訳で、今更ネクストで傭兵やりますよ~とか言っても反応するとは思えない。そこでアナトリアが目をつけたのは時代遅れの巨人ことGAであった。

GAは、アメリカのGA本社が欧州法人のGAE、完全子会社のクーガー、MSAC、更に日本企業の有澤重工を従えた六大企業グループの一つである。環太平洋経済圏を掌中に収めた(まぁそうは言ってもレイレナード本社が北米にあったりするから全部が全部GAのもんじゃないみたいだが)世界最大の企業体である。

しかしながら特にコジマ技術では立ち遅れが顕著で、グループ企業ネクストにブースターを提供するクーガーはひたすら産廃を作り続ける大変アレな企業だし、GA製ジェネレータはコジマ出力が驚くほど低く、GAネクストのコジマバリアはなんじゃこりゃというぐらい薄くすぐ剥げるという有様である。

実際、国家解体戦争にGAグループから参戦したリンクスは僅か三人。一般にオリジナルと呼ばれる、26人の国家解体戦争参戦リンクスは戦果別に格付けされているのだが、GA本社からはNo.10のメノ・ルー、GAEからNo.22のミセス・テレジア、有澤重工からNo.24のワカ。割と絶望的なネクスト戦力である。戦後、GAもこれはヤバイってんでネクスト戦力の増強に努めたが、その結果がエンリケ・エルカーノ、ユナイト・モス、ローディーの三好三人衆粗製三人衆なので話ならない。

どれぐらい話にならないかと言うと…

4作中のNo35ユナイト・モス説明文
GAの焦りを象徴する、粗製リンクス。武器型腕部の使用を前提としても、そのAMS適性は十分でなくネクストとしてはほぼ最低レベルの戦力となる
同じく4作中のNo36ローディー説明文
ユナイト・モスと同様の、粗製リンクス。装甲と火力のみに頼った雑な戦闘スタイルでは小隊規模のノーマルの相手がせいぜいだろう

どういうこっちゃねん。ノーマルの小隊が何機編成なのか判らないが、ロボものの基本として判らない事は現実の軍事に準じるというのがあり、それを考えると小隊はノーマルAC3~5機である。つまりこのローディーは、あれだけの気持ち悪い性能の超兵器を使ってノーマル3~5機程度を相手にするのが限界という事だ。いくらGAのコジマ技術がアレでも腐ってもネクストなんだからな、まさしく粗製である。

尚、国家解体戦争に参加していないリンクス、つまり非オリジナルリンクスのナンバーは登録順なので、ユナイトがローディーより弱い可能性もある訳である。何せ最低レベルの戦力だからな。エンリケ・エルカーノだけはそこまで酷い事書かれてないから、まぁ戦力にはなりそうだ。一応粗製とも書いてないし。

まぁ、GAはそんな状況だった。このGAの窮状に目をつけたアナトリア指導者のエミールは急接近。アナトリアのネクストイイッすよイイッすよとその有用性を吹き込む。GAは藁にもすがる思いで、と言うかローディーとか使ってる時点で既に藁にすがってるので、アナトリアを支援、晴れて4主人公は元レイヴンのニートからアナトリアの傭兵へとジョブチェンジを果たしたであった。


さて、傭兵業を開業したアナトリアだが、暫くはGAからの依頼ばかりが舞い込む。これはまぁ当然と言えば当然である。そもそも傭兵業開業当初のアナトリアは貧乏国。そのネクストを操るリンクスは元レイヴン、つまり時代遅れのノーマルAC乗りである。それでもAMS適正が高ければまだ企業からの評価も違ったろうが、残念ながら設定資料集には最低限のAMS適性と思いっきり書いてある(59p)ので、事実上粗製三人衆に次いでGAがすがった四本目の藁こそがアナトリアの傭兵であったと言える。

事実、4作中のエミールの回想(あのゲームではチャプター移動の際、初老まで歳をとったエミールがぼそぼそと中途半端に回想する)でも

企業の力の象徴たるネクスト。その開発に降り遅れたGAは、時代遅れの巨人であり、だからこそ、彼らは我々を受け入れた。ネクストを駆る傭兵は、低俗な、政治的駆け引きから生まれたのだ。古い戦士。政治的な利用価値しかない、非力なネクスト。この時はまだ、誰もがそう思っていた。…私を含めて。(CHAPTER1 Destination Unknown開始時。句読点追加はRAVENWOOD準拠)

と述べられている。そう、ネクスト傭兵業によってアナトリアの財政を復活させようと目論んだエミールとて、アナトリアのネクストが強力だとは思っていなかったのである。わざわざネクストを雇うなら、ちゃんとしたネクストを雇いたいのが心情だ。…とは言っても、ネクストで傭兵やってるのは当時アナトリアと、直後に傭兵業を始めた例のアスピナだけだったけど。

又、GA以外の企業はネクスト戦力に困ってなかったというのも大きな理由だろう。ダントツの戦力を誇るレイレナード、No2のサーダナを筆頭に中~下位オリジナルを揃えたイクバール、上位から下位まで幅の広いBFF、中位オリジナルの数が多いインテリオル、上位オリジナルを抱え非オリジナルの増産にも熱心なローゼンタール=オーメルと、どの企業もネクスト戦力は豊富である。粗製三人衆とか作って憤死してたのはGAだけであり、だからこそGAはアナトリアの傭兵業開業を支援したしやたらと依頼を出したのである。

開業を支援したとは言え、アナトリアの傭兵はあくまで傭兵であってGA社のネクストではない。確かに初期はGAの依頼が多いし、やがて来る戦争ではGAと同じ陣営に所属する事になる。しかし、GAだけでなく別の企業からの依頼も受けている。又、アナトリアの傭兵が持っている一番最初のシミュレータのデータはGA粗製三人衆のものだが、これはローゼンタールから送られてきたものである。GAの支援で傭兵業を開業しながら、シミュレータの訓練ではローゼンタールのデータで、そのGAのリンクスと戦っているのだ。

又、アナトリアの傭兵が初期に受けた依頼では、特にCHAPTER2のDESCENT OPERATIONは重要。これはインテリオルの依頼でテロリストからメガリスを奪還する仕事なのだが、このインテリオルは後にGAと敵対する企業である。正確には、GAが味方するオーメル陣営、それと敵対するレイレナード陣営にインテリオルがいるのだ。さて、そろそろ企業の名前とか何が何だかわからんという人も多くなってきているだろうから、各企業の説明、更に当時の情勢について解説しておこう。


当時、世界を支配していたのは六大企業グループと呼ばれる連中である。まずは、GA、レイレナード、ローゼンタール(オーメル)から見ていこう。



いつもどおり、クリックで拡大できる。既に述べた通り、GAはコジマ技術分野において遅れを取る事甚だしい時代遅れの巨人だ。そのGAグループは、GAアメリカ(GA本社)とその欧州法人であるGAE(GAヨーロッパ)を中心に構成されている。他にも有澤重工、図には無いがMSACとクーガーというGA本社の子会社があるが、話に全く絡んでこない(子会社二人組に至っては所属リンクスすら持ってない)ので、この場ではGA本社とGAEで構成されると思っても良い。

一方、残り二つのグループはレイレナードグループとローゼンタールグループ。そう、独自にコジマ技術開発に成功した企業でありコジマ技術の主導権を巡って互いに争っている連中である。以前説明した通り、レイレナードとアクアビットは提携を通り越して盟友と呼べる関係にあり、強固な協力体制を構築している。一方ローゼンタールは政治力に優れたユダヤ企業オーメルの傀儡であり、ローゼンタールグループも実際にはオーメルグループと呼ぶべき存在である。

というか、続編のfAだとオーメルグループになってる。設定資料集でも、そのオーメルグループについて「もともとローゼンタールの資金&政治的バックボーンには、オーメルの根幹を成す巨大資本グループの影響が大きく、ローゼンタールは傀儡のトップだった」(26p)と述べられており、現在の(下克上後の)ローゼンタール社に至っては「もとはオーメルによってトップに据えられていたが、現在は力関係通りの位置に戻っている」(13p)と身も蓋も無い。

ちなみに、オーメルがユダヤ企業であると作中、資料集で断言された事はいまだに一度もない。ただ、
・オーメルという言葉自体がユダヤ人の習慣の名称
・設定資料集のパーツの設定画にイスラエル製とか書いてある
・西アジアで六大企業を作れる地力があるところと言えば…ねぇ?
・ユディトだとかホロフェルネスだとか旧約聖書のそれもユダヤ人関連のが名前の元ネタの場合がある
という感じで多数傍証があるので、まぁそういう事だろうと考えて間違いあるまい。自分は前に立たず、金融資本とかを使って大国(ローゼンタール)を操って世界を獲る、というやり方もユダヤ陰謀論っぽい感じである。

ユダヤ人は怒っていい。

まぁ取り敢えず、これからはローゼンタール=オーメルという呼び方も増えるだろう。これは私の造語だが、そう呼んだ方が判りやすいのでこうする。例えばローゼンタールグループの全体方針の決定は、ローゼンタールの決定と言うよりローゼンタール=オーメルの決定と呼んだ方が適切だ。所詮傀儡だからな、ローゼンタール。レイレナードとアクアビットは盟友関係だから、レイレナード=アクアビットというのも適切な場合が多い。

さて、GAはコジマ技術において遅れをとっていた。そして、レイレナード=アクアビットとローゼンタール=オーメルはそれぞれコジマ技術の先進企業である。そこで、GAはGA本社がオーメルと、GAEがアクアビットと提携するという形で二つの先進コジマ技術グループと提携するのである。この提携は、六大企業のパワーバランスに大きい影響を及ぼす事になる。

と言うのも、だな。国家解体戦争によってネクストが主戦力となった。何せネクストはネクスト以外で倒せないと言ってもいい兵器だからな。そしてネクストはコジマ技術の塊である。そして、コジマ技術の基幹技術を持っているのはかの三企業だけだったのである。即ちレイレナード、アクアビット、オーメルの三社だ。

前に、レイレナードのジェネレータ関係で述べたな。ネクスト用ジェネレータの開発元はレイレナードであり、基幹技術もレイレナードが持っている。レイレナードが基幹パーツを売らなければ他の企業は製造も開発も、修理すらできない。こんな状況であるから、コジマ技術の基幹技術が無い企業は、三企業の内どれかに金魚の糞しなければならないのである。とは言ってもレイレナードとアクアビットは盟友関係にあるので、実質、オーメル陣営と非オーメル陣営という形で、六大企業の勢力図は二極化していったのである。

ここで、残り三社も加えた図を見てみよう。



BFFは、欧州圏第二の規模を誇る一大金融企業である。化石燃料資源(石油とかだな)分野でGAと対立しており、4序盤のマグリブ解放戦線を支援していた。まぁこれについては後で話そう。オーメル、非オーメル陣営という意味では、民族主義的背景から、ローゼンタールグループと仲が悪いと説明されている。

まぁそうは言っても、BFFが元々欧州のどの辺の国の企業なのか不明(王小龍が所属してたり、女王とか女帝とか言ってたり、上海で活動してる姿が見られたりするのでイギリス説が有力ではある。特に皇帝と呼ばれるのは、現代だと日本の天皇とイングランド王のみだ)だし、そもそも仲が悪い相手はローゼンタール(欧州系)なのかオーメル(ユダヤ系)なのか不明なので、どういう民族主義的対立なのかはよくわかっておらん。

ただまぁ、ローゼンタールが国籍不明気味(ドイツ語でもフランス語でもローゼンタールと読めるし、所属リンクスはいろんな系統の名前)なので、民族的に対立するとしたらオーメル相手だろう。…そうは言っても欧州のほぼあらゆる国がユダヤ人とは仲悪いんだけどな、歴史的には。ちなみにユダヤ差別が一番酷かったのは、意外にもドイツではなくロシアだったりする。しかしロシアはテクノクラートになってるし、テクノクラートの所属するイクバールグループはオーメルと仲がいいしで、この辺は設定が適当よくわかっていない部分である。

が、まぁともあれ、BFFはローゼンタール=オーメルと仲が悪く、自然とレイレナード=アクアビットに接近する事になる。実際、管理経済戦争では、BFFは非オーメル陣営、即ちレイレナード陣営の主力企業として働く事になる。尚、ローゼンタールグループとの対立という意味では、どちらも金融に強い企業という事で、オーメルとの金融分野での対立も取り沙汰されている。

一方、インテリオルは正式にはインテリオル・ユニオンという欧州圏の企業集合組織で、レオーネメカニカ、メリエス、アルドラ(アルブレヒト・ドライス)三社の寄り合い所帯である。ちなみに、私はこの一連の記事ではあくまでインテリオルとしか扱わないのでレオーネとかメリエスとかの名前は忘れて良い。まぁ実際判りにくいという意見がフロム社内でもあったのか、続編fAではレオーネとメリエスが合併してインテリオルって企業になっちゃった訳だが。

そんなインテリオルは、ネクスト開発初期からレイレナードと提携していた。4時代のインテリオル系ネクストが、ジェネレータとかにやたらとレイレナード製品を使っているのはこの為である。リンクス戦争後、アクアビット残党をインテリオルが保護したのもこの当時からの関係と無関係ではあるまい。まぁともあれ、インテリオルは当然レイレナード陣営であった。

最後のイクバールグループは、南アジア経済圏を支配するイクバール社と、斜陽企業テクノクラートによって成る。まぁテクノクラートは設定資料集で「完全に競争力が不足しています」(34p)と断言されてる企業だから、事実上イクバールによって成り立っているグループと言っていい。テクノクラートはネクストのパーツだとロケット市場を独占しているが、どうも独占していると言うより誰も参入してこないだけらしく、ロケット分野をもっとがんばれば再浮上できるかなという問いに対し「この際旧式の兵器に見切りをつけて、新しいものを作ることです」(同)とか言われてる。プーチン大激怒である。

さてそのイクバールだが、南アジアという言葉から判る通り、インドとか中東あたりのイスラム教圏中心の地域を支配している。故に、GA(アメリカ)、レイレナード(北米)、ローゼンタール=オーメル(欧州&ユダヤ)、BFF(欧州)、インテリオル(欧州)という全ての企業と仲が悪い事は確定的に明らかなのだが、何故かオーメルと非常に仲がいい企業として設定されている。正直有澤(日本)のとりなしでGAと仲がいいとかの方がまだ納得できるのだが、何故かユダヤ教企業とイスラム教企業の仲がいい。

欧州情勢は複雑怪奇。

ちなみに、4時代、イクバール製パーツはイスラム教用語を冠していた。例えば重散弾銃はIBLIS(イスラムの石打刑)。しかし、イスラム教徒の抗議だか何だかで箱版では名前変更になり、fAではついにパーツの名前どころか企業の名前まで変更となった。又、GAのオリジナルメノ・ルーは戦う聖女という事で聖母マリアをエンブレムにしていたが、キリスト教徒の抗議で海外版ではエンブレム変更になった。空想の世界にまで宗教を持ち込む奴はうどんで首吊りながら臍噛んで死ね。ゴミクズが。

ま、そんな訳で、4開始当初の六大企業の関係を「オーメル陣営」か「レイレナード陣営」かに注目して表すとこういう風になる。



こうして見ると、GAの立場の微妙さが判るな。ローゼンタール=オーメル+イクバールvsレイレナード+BFF+インテリオル。GAはこのどちらとも提携しており、仮にどちらかと手を切り反対側の陣営につこうとするならその影響は計り知れない。いくら時代遅れの巨人でも、粗製三人衆(笑)でも、やはり世界最大の企業グループ(らしい)というのは大きい。




その1:国家解体戦争とネクスト
その2:六大企業とアナトリア
その3:管理経済戦争
その4:リンクス戦争
その5:アスピナの興亡
その6:アナトリア粛清

AC4世界の歴史1 国家解体戦争とネクスト

2011年07月04日 21時25分53秒 | アーマード・コア
ごきげんよう諸君、いかがお過ごしかな。相当のご無沙汰となる霧島である。こんな更新停止もいいとこなブログに毎日毎日500前後のヒットがあるなんてもう感謝感激欣喜雀躍であり同時に申し訳なさでいっぱいでジャンピング土下座を通り越してジャンピング首吊りである。

停止している間、色々あったといえば色々あったし、何も無かったと言えば何も無かった。以前から言ってる通り私は躁鬱気味なのだが、これは以前髄膜炎という脳の病気になった事によって脳が損傷した事による後遺症ではないか、というのが最近かかってる医者(と言うかカウンセラー)の見解である。つまり絶対に治らんという事だ。精神性の鬱病は治るが、脳が物理的に壊れてるんだから治る訳がない。

で、ここ半年ぐらいはこの日誌の更新間隔を見ても判るとおり、1,2ヶ月単位で浮き沈みしている。調子のいいのが1、2ヶ月続いたかと思うと食事すら億劫になり睡眠と呼吸しかしなくなる様な状態になるのが1、2ヶ月続くという感じである。最初はそれで更新しなくなったのだが、その後前頭葉を絶え間なく襲う激痛に苛まれ完全にアウツ。

結局、トレドミン(抗鬱薬)の副作用だという事になり、クスリをやめたのである。さて、ただでさえクスリありでも死んでたところでクスリをやめたらどうなるか。そんなもん一目瞭然、ここの惨状がよく表している。で、最近新しい薬を飲む様になり、それもあってか回復してきたので更新再開と相成ったのだな。


さて、再開一発目の記事はAC4ネタである。最近AC関係の知り合いも増えたし…まぁ、なんだ。この間からはじめたツイッターでDQNに粘着されたのだ。最後にはもっと人と関わった方が、貴方のためになると思います」という大変香ばしい発言を残して逃げた。それで、DQNの残念な発言を晒しつつ楽しく記事を書こうとして、記事を順調に書き、そろそろDQNの発言を引用しようかというところでそいつのツイッターを見たらその時の発言が丸ごと削除されておった。



まぁそういう訳で私も怒り心頭なのだが、まぁDQNはDQNなのでしょうがない。むしろ、一週間以上かけて書いてきたこの記事をこれで終わらせるのはもったいないのでちゃんと書く事にする。尚、一週間以上かけた、というところから判るとおり相当長いので何度かに分けての掲載になるぞ。


では本題。

ACプレイヤー界隈では、fAにおいてどの企業の仲介人が仕事しているか、言い換えればどの企業が信頼できてどの企業が信頼できないかという話題で会話が行われる場合がある。元々、ACというのは主人公が傭兵になり、企業(ACは伝統的に国家が崩壊して企業が世界を支配してる世界観)の依頼を受けるというゲームである。勿論企業ごとに色というものがあり、ミッションの内容には差異がある。

が、fAでは(と言うか4系では)企業の数が劇的に増えた事もあり、それぞれの企業の性格からミッション内容、果てはミッションのブリーフィング内容まで顕著に違う。3系とかでもそれぞれの企業の性格は違ったが、ここまで明確ではなかったのだな。そのせいか話題に上りやすいというところだろう。

で、fAにおいて、以前説明した通り企業は大きく分けてみっつのグループに分かれている。GAグループ(GA、有澤、BFF。プラス、GA子会社のMSACとクーガー)、オーメルグループ(オーメル、アルゼブラ、ローゼンタール、テクノクラート)、インテリオルグループ(インテリオル、アルドラ、トーラス)である。まぁ、一般人はGAとオーメルとインテリオルって三つの勢力があるんだなぐらいで良い。実際プレイしても、一週目二週目はそれぐらいの認識で終わる。

で、私はこの話題において常々オーメルの評価が不当に高くGAの評価が不当に低いと思っておったのである。AC部品製造業者としてでなく、ミッション依頼人としての評価だな。最初は、GAの方が評価されておりオーメルは人気がなかった。GAの依頼仲介人がダンディなおっちゃんだったからというのもあるが、それ以上にオーメルの仲介人がウザいのである。

最初の依頼からして既に「そちらの実力次第ですが、まぁ、ネクストがてこずる相手でもありません」とか言い始め、二回目は「依頼主は協力機との協働をご希望です。最終的にはそちらの判断ですが、あまり無理はしない方がいいのでは?」と、嫌味全開な上いちいち最後に(笑)がつく喋り方なので、プレイヤーの殺意全開なのである。

しかし発売から暫く経つと、この人気が逆転し始めた。オーメル仲介人に罵られるのが快感に変わってきたGAと比べ、オーメルの方がちゃんと仕事をこなすというのである。その根拠は特に明示されておらず、とにかくオーメルのが仕事すると言われている。

そぉーかぁー?

とまぁ、私は思っている訳である。んで、ツイッターでそんな感じの事を呟いたら、見知らぬ人が反応してきてGAは頼りにならんよーと言われたのである。これが例のDQNだ。そしてそのまま話はもつれこみ、気付けばfAの前作4の話になっていた。

どうやらこの男、親か彼女をGAに殺されたらしくひどくGAを憎んでいるので、意味不明な4ストーリー論を展開していたのだな。で、ただでさえ意味不明だったのが論争が続くなか支離滅裂になり、最後はもっと人と関わった方が、そちらにとっても悪い話ではないと思いますが?(笑)と言って逃げたのである。

私もこの日誌で何度か4のストーリーについては言及しているが、ちゃんと解説した事はなかった。又、あのゲームをプレイした人の中でも、ストーリーをちゃんと理解しているのは10%にも満たないのは確定的に明らかなので、ここでしっかり解説しておこうという事である。ちなみにプレイヤーが理解できてないのは100%フロムのせいであってプレイヤーのせいではないとここに断言する。

尚、さっきfAについて語っていた時インテリオルが完全に蚊帳の外だったが、アレは前にも言ったとおり、「当社のAF、スティグロと協働してください」→ミッション開始→オペレータ「スティグロ…お前を狙っているな」とか、「VOB(スペースシャトルの大気圏離脱用ブースターみたいな、外付大型ブースタ)を使用して速やかにターゲットを破壊する流れとなります」→ミッション開始→VOBが火を噴く(チャレンジャー号的な意味で)といった素晴らしい企業なので、一番信用できないと言うか、ある意味一番仕事してる企業なので基本的に欄外なのである。

後、確認しておかなければならない事として、難易度ノーマルとハード両方考察対象とするという事がある。と言うのも、例えばさっき言ったインテリオルの仕事への精力的な姿勢は難易度ハードのものである。そして、AC4系においてはノーマルが正史とかハードが正史とか名言されていない。両方が考察対象なのはこのせいである。


さて、4の世界とはどんな世界か。簡単に表すと




こういう世界である。

しかしこれでは判る人にしか判らないので、真面目に説明しようと思う。実用燃料電池や、水素吸蔵合金(その名の通り水素を含んだ合金。ダブルオーのフラッグはこれで動いてるので燃料タンクが必要ない)が開発された程度には未来で、人類が宇宙に進出していない程度には現代に近い時代。そこは、人口爆発による食料&エネルギー問題と深刻な南北問題、それを原因とした大規模テロ&暴動が頻発するまさに世紀末な世界であった。

世界各国は、遊撃戦性能に優れた兵器を開発配備してテロや暴動に対抗しようとする。この新型兵器の初期型がMTであり、やがてそれは人型兵器ACの開発に繋がる。まぁ初期のMTも人型らしいけど。このACの誕生には、レイレナード社の実用燃料電池とアルドラ社のアクチュエータ技術が一役買っているらしい(byA NEW OREDER OF NEXT)。しかし、それでもテロや暴動は止まらない。統治能力に低下を来たした国家に愛想を尽かし始めた企業、特に六大企業は軍産複合体から国家を締め出すという暴挙に出る。

軍産複合体って軍(官僚)と産業(企業)の複合体だから、要するに企業と国家の癒着の筈なのだが何を間違えたか軍だけ残して他を切り離したのである。しかしながら、最早国家にはこれをどうにかする力など残っていなかった。そして勃発したのが予言戦争国家解体戦争である。もう国家に世界を統治する力なし、俺達が何とかする!とばかりに企業が国家へ喧嘩を売ったのだ。

この戦争において企業の勝利を不動のものとしたのが、新型ACネクストである。これについては今まで色々説明したが、ニコニコ大百科の記述が判り易かったので引用する。曰く、

・コジマ粒子をバリア状の装甲にする「プライマルアーマー」 = 重量据え置きで砲弾の直撃に耐えうる強度
・大量のエネルギーを利用した超推力を生む「クイックブースト」 = 戦闘機すら比にならない全方向への小回りと瞬発力
・コジマ粒子により高速巡航する「オーバードブースト」 = 1000km/hの長距離巡航によって輸送機不要

これのどれが欠けても「アーマードコア・ネクスト」足りえない。これがどういった結果を及ぼすかと言うと、通常戦力がネクストを相手する場合
・ネクスト側の火力はどれも致命傷
・通常戦力側の火力は「プライマルアーマー」で無力化される
・更に「クイックブースト」回避され、火力を当てる事自体が困難
・「オーバードブースト」の存在で逃げることも追うこともネクスト側に有利


…という事である。注釈すると、コジマバリアことPA(プライマルアーマー)は国家解体戦争中核爆発から機体を守った(特殊条件下だった、そもそもコジマバリア自体が爆発に強いという話だったとは言え、PAしょぼけりゃ対実弾装甲もぺらぺらのインテリオル製ネクストが核爆発に対し中破で済んだ)。又、OB(オーバードブースト)は機体によってもっと速くなる、どれぐらいかと言うと事によっては2000km/h超える。ちなみに音速は成層圏下部あたりで1100km/hである。

ちなみにネクストを倒す方法は、コジマバリアを減衰させて高火力武器を叩き込むか、高速+大重量の装甲貫通タイプの弾(要は徹甲弾)を食らわせるかの二択である。前者は、連続して被弾するとPAが減衰するという特性を生かしたものだがただでさえあたらねーのに連続して当たるかよという話であり、後者はバリアなのでそれを貫通してしまおうという話だが、要は戦車砲とか大砲で撃たなきゃいけないものなので800km/hとかで前後左右にクネクネする奴に当たるかという話である。

こんな気持ち悪い兵器超兵器を投入されては、いかな国家軍とてひとたまりもなかった。結果、たった26機のネクストによって各国軍は壊滅してしまう。そして、企業支配体制が確立されるのである。そしてこのネクストを開発したのが六大企業グループ、つまりGA、インテリオル(三社の寄り合い所帯)、BFF、ローゼンタール(オーメルというユダヤ企業の操り人形)、レイレナード(+アクアビット)、イクバール(現アルゼブラ)である。又、機体制御にはアスピナ研究所とアナトリア研究所が関わっている。

この中で特に重要なのがレイレナードとアクアビット、そしてオーメルである。この三社はコジマ技術の独自開発に成功した数少ない企業で、コジマ技術がないとネクストは作れないという事で大変重要なのである。もしコジマ技術がなければ、PAも張れなきゃOBも噴かせない。…というか動力としてコジマ系ジェネレータを載せないとそもそも動きすらしないから話にならん。




コジマの光。真ん中で光っているのが神々しいコジマの輝きである。コジマ技術とは、その名の通りコジマ粒子を利用した技術だ。コジマ粒子は緑に輝く大変有害な粒子(一説には重金属粒子)だが、軍事用途には幅広く使える。レールガンの様に撃ち出せばコジマキャノンになるし、整波装置で形成すればコジマバリアに、少量の粒子を混ぜてブースト噴かせばQB(クイックブースト)になる。つまり有害なミノフスキー粒子である。レーダーは阻害しないけど。

さて、この三社の中で一番最初にコジマ技術を開発したのがアクアビットである。レイレナードとアクアビットは非常に古い時期から密接な提携関係にあり、この二社がコジマ技術では最も古いと言える。一方オーメルは、レイレナード、アクアビットとは全く関係なく、後から独自開発に成功している。そしてこの三社は、他の企業にコジマ技術を流し、協力してコジマ兵器の開発に勤しんだ。例えばユダ公オーメルは下僕操り人形のローゼンタールにネクストフレームや武器の大半を開発させているし、レイレナード=アクアビットはネクスト開発において最初期からインテリオルと協力している。

但し、巧妙なのは、コジマ技術を使ったパーツを渡しても、コジマ技術は渡さないという姿勢である。例えば…設定資料集A NEW(ryによれば、ネクスト用ジェネレータの大元の開発元はレイレナードらしい。レイレナードは積極的にネクスト用ジェネレータ(当然コジマ系ジェネレータ)の基幹部品を売り、コジマが普及して他企業でもジェネレータが作られた。しかし、その基幹部品は高度にブラックボックス化しており、他企業では解析できない。(73p)

つまり、レイレナードが部品を売らないと他の企業はジェネレータが作れないのである。

こんな事をやっているところから判る通り、レイレナード=アクアビットとオーメルのコジマ技術の主導権争いは大変熾烈であった。と言うか、この争いこそが4の管理経済戦争とリンクス戦争の原因になるのである。まぁ原因は他にも色々あるが、これが最も大きいものの一つと言える。

まぁ、それは置いておいて。このネクスト開発においてもう一つ重要だったのは、企業に属さぬアスピナ研究所とアナトリア研究所だった。まぁ属さぬ、と言ってもアスピナは設定資料集だとオーメルグループに入れられてるぐらいオーメルと関わりが深いのだがな。この二つの研究所はそれぞれ、アスピナがAMS、アナトリアがIRS及びFRSというネクスト制御技術を開発していた。これらを判りやすく言えば、AMSが随意筋の制御技術、他二つが非随意筋の制御技術というところである。

AMS適正という言葉が4fA問わず作中に出てくるが、これはネクスト制御に使うAMSが一般人には扱えないところから出てきた言葉である。AMS適正が高ければ、それだけネクストを自在に扱える。まぁ、AMS適正が高ければ強いとは限らないし、逆に低ければ弱いとは限らんのだがな。実際4主人公は低いらしい。勿論、fAのジュリアスの様に強くて適正も高いのもいる。まぁ、流石にAMS適正がゼロだとそもそも動きすらしないので強い弱い以前の話だが。

ちなみに、国家解体戦争で26機しかネクストが投入されなかったのは、秘密兵器だったのもあるが、それ以上にリンクスの数を確保できなかったからである。リンクスというのはネクスト乗りの総称だ。国家解体戦争以降リンクスの数は増加傾向にあるが、国家解体戦争で26人、それから約五年の管理経済戦争で38人、更に約10年後のORCA旅団騒乱(今命名)で43人なので、やはり数に限界があるらしい。まぁ常に戦争で減る可能性が付きまとうし、管理経済戦争の後のリンクス戦争で一桁ぐらいまで減ったせいもあるんだろうが。

後まぁ、リンクスの数が減ると言うと、リンクスの寿命は短いというのがある。ただでさえ有害なミノフスキー粒子コジマ粒子技術の塊であるネクストは使ってるだけでどんどん身体が汚染されていくし、AMS適正が高い奴はともかく低い奴は、ネクストを使ってる内に頭が変になる。4に出てくるアマジーグは、AMS適正が低いのに延々とネクストを乗り回し続けた結果頭がおかしくなっており、「運命を受け入れろ」とか「消えろ、消えろ、消えろ」とか硬派がウリ(笑)のACシリーズのキャラとは思えない発言を多数しておる。



取り敢えず一万字制限があるので今日はここまで。


その1:国家解体戦争とネクスト
その2:六大企業とアナトリア
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