霧島家日誌

もう何が何だかわからないよろず日誌だ。

2ch軍板vs某日本最高学府

1009年06月15日 01時23分13秒 | 社会、歴史
793 :名無し三等兵:2009/06/11(木) 14:46:31 ID:b0X0/4sS
軍事関係を(例えば両京幹線を東海道にするかで軍隊がモメた、とかで)
論文に使いたい時って、どんな本を使えばいいんでしょう。
うちにも軍事関係の本は腐るほどあるんですが、
学者サマの世界でも権威がある本って
『お墨付き』貰える本というと予想がつかなくて。
お墨付き貰えなければ学者サマの世界では通じませんし…

史学雑誌とか読んでみてもトンチンカンな軍事史論文ばっかりだし…(´・ω・`)


794 :名無し三等兵:2009/06/11(木) 14:49:18 ID:???
>>793
権威というなら国や県、あるいは防衛省のような公的機関が発行しているものが一番強い。
まずそこで探すべし。


797 :名無し三等兵:2009/06/11(木) 16:17:28 ID:???
>793
防衛大の紀要とか軍事史学会の「軍事史学」
ttp://www.mhsj.org/index.html

の関連論文を探してみてはいかが。

論文検索であればこちらも使える(玉石混交だが)。
ttp://ci.nii.ac.jp/


私も軍事史関係を研究対象にしているしがない院生だが、どのような本を
使うのが適当なのかは、それこそ指導教官の先生に直接聞いてみるのが
一番近道な気がする。




798 :793:2009/06/11(木) 17:36:25 ID:???
>794
ありがとうございます。やっぱり防衛省が出してる本になりますよね…
ただ、ちょっとでも戦争を肯定的に捉えたりといった
日本の歴史の禁忌に触れるとアレルギー起こすんですよね。
例えそれが防衛省の戦史研究年報でも、
学者サマにしてみれば軍人なんて社会の屑だし。
まぁ田母神のアレは私もどうかとは思うんですが。
要約だけだと割と普通に見えるけど…

ま、大きい図書館とかで良さそうなのを探してみます。
ありがとうございました。


799 :793:2009/06/11(木) 17:50:38 ID:???
>797
レス打ってる間にはさまってしまったらしい、連投失礼orz
情報ありがとうございます。

そしてもう一言だけお願いできないでしょうか。
一応幕末から日露戦争あたりまでの日本の陸軍と海軍の関係を
中心に勉強しようと思っているのですが、その辺の
オススメの本ではなくて、「これは読んじゃいけない」って本とか、
軍事史作者っておりますでしょうか。
本に辿り着いたはいいけど電波ゆんゆんな本読んでたら本末転倒だと思いまして。


800 :名無し三等兵:2009/06/11(木) 17:54:48 ID:???
坂の下の雲


801 :名無し三等兵:2009/06/11(木) 17:57:37 ID:???
なぜ下ww


802 :名無し三等兵:2009/06/11(木) 18:11:44 ID:???
>>799
小林よしのり


803 :名無し三等兵:2009/06/11(木) 18:57:37 ID:???
電波ゆんゆんにもそれなりの価値はあるぞ。
要は自分の中でどう消化できるかだ。

100の玉の中にも1の石は混じるし
100の石の中にも1の玉は混じる

その精神が必要だ


804 :名無し三等兵:2009/06/11(木) 18:57:50 ID:???
>>798
>ちょっとでも戦争を肯定的に捉えたりといった
>日本の歴史の禁忌に触れるとアレルギー起こすんですよね。
>例えそれが防衛省の戦史研究年報でも、
>学者サマにしてみれば軍人なんて社会の屑だし。

貴殿の見解も結構偏見が強いと思うな。
俺が通ってる大学の日本史研究室でも軍事に偏った研究はいい顔されないが、
それは右左のイデオロギーのせいじゃなくて、そういう研究が大抵の場合
マニアックな事例の検証に終始して、政治や経済、社会などにほとんど
目を向けていないからだよ。
(って昔俺が院生の先輩に言われた台詞ほぼそのまんまなんだけどね…)

史学雑誌に載ってる論文に納得がいかんのなら、きちんと史料を使って
それを批判すればいい。それが実証史学というものだ。それをしないで
先達を揶揄するようなことばかり言ってても意味がないだろう?


805 :名無し三等兵:2009/06/11(木) 19:03:34 ID:???
804の切実っぷりに惚れた


806 :804:2009/06/11(木) 19:23:33 ID:???
(続き)
付け加えるなら、現在の『軍事史学』は研究者に相手にされないどころか、
政治史・外交史の大家から気鋭の若手まで、気合いの入った論文が
多数掲載されてるクオリティーの高い学会誌だ。
(そりゃアレな論文も結構あるが、それは軍事史に限った問題じゃないし)
嘘だと思うなら70年代のバックナンバーと最新号を比較してみるといい。
(言っちゃ悪いが)レベルの異常な向上ぶりに愕然とするから。

多分貴方が抱いてるだろう固定観念と違って、日本の歴史学では
特定のイデオロギーに基づかない研究をすると圧力がかかったり、
「軍事」について語ることそれ自体を忌避するような風潮は、
かなり昔にメインストリームから滑り落ちている。


807 :名無し三等兵:2009/06/11(木) 19:40:10 ID:???
(続き)
で、偉そうに説教ばかりしても意味がないから>>799の質問に答えると、
「まともな論文の『作法』を守っていない著者、プロフィールが歴史学と
何の関係もない癖に歴史観について語りたがる著者には気をつけろ、
というよりそういうのは論外」
という事に尽きる。何か本を読んでみてほんの少しでも胡散臭さを感じたら、
その著者の名前を国会図書館のデータ検索なりCiNiiなりに放り込んで、
著者がいままでどういう研究をしてきたのか調べること。
もし学会誌に著者の本の書評が載ってたら、それを読んでみること。
もしまともな研究なら(というか普通はまともな本しか載らないんだが)
著者の研究の論点や分析視角、先行研究との違い、問題点などが
解説されているはずだ。


814 :797:2009/06/11(木) 20:24:06 ID:???
>798-799
言いたい事は全て>804氏に述べて頂いた感があります。

>ちょっとでも戦争を肯定的に捉えたりといった
>日本の歴史の禁忌に触れるとアレルギー起こすんですよね。
>例えそれが防衛省の戦史研究年報でも、
>学者サマにしてみれば軍人なんて社会の屑だし。

私の所属する研究室でも、このようなステロタイプのような軍事忌避
の見解を持つ様な研究者は幸いにしていらっしゃいません。


研究論文について
まずは、史学研究の掲載論文や「回顧と展望」、「軍事史学」「歴史学研
究」などの歴史雑誌を40年分ほど読んでみて、関連論文をリストに纏め
る作業をおすすめします。それぞれの時代の流行や問題となったテー
マ、研究されていないところなどが見えてきます。

大学生だった頃は資料カードとノートを使用していましたが、最近は表計
算ソフトを使う事でだいぶ作業が楽になりました。

自分と考えの違う論文も多数見かける事になるでしょうが、その違和感
が何処にあるのかを考えながら読むことで、組むべき点もみえてくる事
があります。論文や資料はなるべく広い範囲で目を通す事が大事です。
一見、無駄の積み重ねに思えるかもしれませんが、その作業の過程で
見極める眼力が就いて行きます。時間はかかりますが、結果的には近
道ではないかと思います。(偉そうなことを言って申し訳ありません。)


815 :793:2009/06/11(木) 20:32:34 ID:???
>804
これはこれは…細かい解説ありがとうございます。
どうやら私の読んだりしてる歴史研究雑誌が
バイアスかかってるんであって、
ちゃんとした軍事史学界はまともだったと…
確かに言われてみれば東大系とか
日教組系の歴史雑誌読んで眉を顰めてました。
…あと、うちの史学科は教授が全員揃ってこの方面音痴で…orz

元がただの軍オタで、いわば亜流異端から軍事史に入ってきた人なんで、
王道の事が全然判ってなかった様ですね。
軍事史学会の刊行物、早速読んでみようと思います。

…あああと、歴史雑誌批判で言い訳すると、
史学雑誌の論文が逝ってたってのは嘘が書いてあるってんじゃなくて、
例えばロンドン軍縮会議のだと、何で軍縮会議って話になってたのか、
何で対米七割が重要だったのか、仮想敵とかそういう政策はどうなってたのか、
そういったものが完全に欠落した論文だったからこらあかんと思ったって話です。

色々教えて頂いて、本当にありがとうございました。
またお聞きする事もあろうかとは思いますが、
その前に自分で研究に精を出そうと思います。


817 :793:2009/06/11(木) 20:38:42 ID:???
また書いてる間にナイトレーベンにはさまったああああああorz

>814
とすると、私の環境もあるんですかね…
史学概論みたいな感じの、史学科学生東西日の別に関わらず
必ず取らなきゃならない授業があるんですが、
その授業の担当教授(西洋史)が、
授業初日に悪魔の飽食を持ってきて
「これは日本人ならば読まなければならない本です」
とか言い始めるナイスガイなので(´・ω・`)

ここで、沢山の方にこんなにも良くして頂いて、
本当、お礼の申し上げようがないぐらいです。
またここに書き込む時には、研究者の端くれの端っこの欠片ぐらい
にはなる様努力したいと思います。

本当に、本当にありがとうございました。


818 :804:2009/06/11(木) 21:06:46 ID:???
>>815
蛇足だけど、今となっては東大系だからといって軍事を忌避してることはないと思う。
現東大教官の加藤陽子氏なんか政軍関係や徴兵制度の研究をバリバリやってるし、
もう片方の鈴木淳氏だって旧軍将官の日記を翻刻しちゃうくらいだしな。
しかも思想的に左翼であっても比較的きちんとした軍事史の本を書ける
(時事問題に触れるとなんだかなぁ…だが)山田朗氏みたいな人もいるし。

そういう風潮から考えると>>793 は大変だと思うが、頑張って下さい。


819 :797:2009/06/11(木) 21:27:29 ID:???
>815
先行研究や史料を読んで感じる違和感というものは、研究をする上で大事
なポイントの1つです。

>史学雑誌の論文が逝ってたってのは嘘が書いてあるってんじゃなくて、
>例えばロンドン軍縮会議のだと、何で軍縮会議って話になってたのか、
>何で対米七割が重要だったのか、仮想敵とかそういう政策はどうなってたのか、
>そういったものが完全に欠落した論文だったからこらあかんと思ったって話です。

たとえば、ロンドン条約を語る上で、軍事的な視角が欠如している事
がこの論文にどのような問題を生じさせているのか。

これを提示して、軍事的視角からの分析がどのようなメリットを生じさせ
るのかを提示する。

違和感を言語化して第三者が見ても納得できるように提示する事が出
来ればそれは先行研究批判と自分がとる手法が持つメリットを示す事
に繋がります。

あとは「軍事史」という枠に捕らわれず、手広く論文を読んでいってデー
タベース化していく事が大事です。その中で、論文を読む眼力がついて
行きます。

>818氏のご指摘の通り、近年ではどの系統の研究者でも軍事を取り扱
ったテーマを研究されている方は多いです。その人物の思想と歴史学的
手法はイコールではありません。史料の解釈や分析手法がきちんとして
いるか否か、これが判断のポイントです。


820 :名無し三等兵:2009/06/11(木) 21:42:50 ID:???
本来の>>793の問いに戻ると、研究世界以外の文献を使う場合は
(1)著者がアカデミズム内の人間であるなしに関わらず、その文献が学術的な手続きを踏んでいるか
 →参考文献リストはあるか、リストは一次史料や妥当な二次文献にあたっているか、
  (逆にいえば、左右問わず怪しげな本が文献リストに加わっていないか)、
  脚注はあるか、等々
 →『軍事史学』の投稿者で大学教員や院生じゃなく「会員」名義で載っている場合は
  著者が専業研究者じゃないこともあるけど、こういう手続きを踏んでるケースといえる

(2)上記の条件を満たさなくても、アカデミズムの世界で引用されている本か否か
 →その本引用して論じても叩かれないかもとわかる一番イージーな手段。

の二種はあると思う。戦後史が自分は関心対象だけど、戦前に比してろくな一次史料がない分野なので
学術的な条件を満たしているかといえば結構微妙な本、つまり(2)のケースの本も
積極的に引用されてたりする。 そして引用された本はねずみ算式に引用される。

それと軍事史が難しいのは、>>804の言うようにマニアックで他の文脈を無視したものになりがちという部分と、
「実用性」「教訓性」を求める部分が実務家(要は軍人)にあって、彼らもまた研究に加わるから、
史学っぽくなさが加わるというか、ゆえに色物視されやすいってところもあると思う。 マイケル・ハワードの受け売りだけど。


821 :名無し整備兵:2009/06/11(木) 23:24:42 ID:???
>>804
>マニアックな事例の検証に終始して、政治や経済、社会などにほとんど目を向けていないとの批判

 デルブリュックの頃から、ずっと言われ続けてますねぇ・・・


822 :名無し三等兵:2009/06/11(木) 23:52:33 ID:???
ヒュー・トマスの「スペイン市民戦争」すら、
日本の著名学者に、マニアックな軍事研究に終始してしまってて駄目という批評をされてたな


823 :名無し三等兵:2009/06/12(金) 00:01:19 ID:???
一昔前の日本には、政治運動(ぶっちゃけ革命のこと)に結びつかない学術研究や芸術は、無駄だという考え方がはびこっておってのう…


824 :804:2009/06/12(金) 00:18:24 ID:???
>>823
とはいえそういう風潮が過ぎ去ってから結構な時間が立つのに、未だに
自分の主張が世間から受け入れられない理由を、「頭が固い左翼の抵抗」へと
転嫁してしまう人(誰とは言いませんが)もいるわけでして。

さすがにアカデミズムの第一線に立ちながらそういう事を口にする人はほとんど
いませんが、ネット界隈を見れば、そういったステレオタイプなイメージを
振りかざしてる人は少なくなかったり。
これは自戒を込めて言うことですが、そろそろ軍事趣味者は過度な
被害者意識を捨ててはいいのでは、と。
(ここまで来ると何かスレ違いっぽいですが)


825 :名無し三等兵:2009/06/12(金) 00:21:06 ID:???
>>824
風潮は過ぎ去ってなんかいないよ

その時代に学生であって感化された世代が
今アカデミズムやジャーナリズムの重鎮だったりするわけだからね


826 :名無し三等兵:2009/06/12(金) 00:34:47 ID:???
マニアックな軍事研究だっていいじゃない

>政治や経済、社会などにほとんど目を向けていない
っていうことはジョミニみたいなのが駄目なの?
それならあらゆるものを無視して理論的にはこうなるって自己満足に浸っている経済学なんてどうするんだよ


827 :名無し三等兵:2009/06/12(金) 00:47:46 ID:???
>>826
あくまで歴史学としての話だろうと。
歴史学としてやるんなら、そっちにまで目がいかないと駄目だ、ってこと。
戦争のやり方にしろ、この様な事例からこうしよう、ってのは
歴史学に分類しちゃマズイと思うよ。

この際英語でもいいんで誰か、対費用効果から見たWW1における海上封鎖、
とか書いてないもんかなぁ。


829 :名無し整備兵:2009/06/12(金) 01:08:20 ID:???
>>826

 >>820でも言われてますが、ジョミニのような「実用性」「教訓性」を求めるものは、歴史学としての研究には
不必要だったり、場合によっては不適切だったりすることもあります。戦史研究者には歴史学者ばかりでなく、
むしろ学問的アプローチにはそぐわない研究態度をとる(そしてそれは、職務上求められていることでもある)
軍人等も含まれるため、複雑となるのでしょう。


830 :名無し三等兵:2009/06/12(金) 03:42:47 ID:???
>>827
>対費用効果から見たWW1における海上封鎖

あーそれこのあいだamazonクロールしているとき見かけた気がする。
amazon.comのカートに1万$ほど入れっぱなしなので、すぐ出せないが・・・


834 :名無し三等兵:2009/06/12(金) 08:55:31 ID:???
>>825
実際>>817がとんでもない地雷踏んでるしな…ご愁傷様です


835 :名無し三等兵:2009/06/12(金) 09:01:43 ID:???
西洋史の教員が日本史絡みの本でしかも件の本を薦める自体、
実に現在の大学事情を表しているな。

てゆか、修士の口頭試験をサボって温泉行った教員(日本史学専攻)どうにか汁!
ニコニコしながら土産もらっても困る!


836 :名無し三等兵:2009/06/12(金) 09:45:46 ID:???
>土産もらっても困る!
古書なら有り難く頂くね!
古書市とばったり、買いまくったからお裾分け。。。


837 :名無し三等兵:2009/06/12(金) 12:09:52 ID:???
っていうか悪魔の飽食はフィクション小説だろう


838 :俄将軍:2009/06/12(金) 13:07:06 ID:???
「ホロコースト」を揶揄するスレッドは、此処、ということになるのか、などと、嘯いてみたり。