ごきげんよう諸君、いかがお過ごしかな。HDDの整理してたら恋する妹は(略)のimgが出てきて懐かしさのあまりちょろっとやってしまった霧島である。次男が出てきた瞬間セッカッコー食らったジャギ様みたいな挙動をしてしまった。まったく、CAGEの破壊力は侮れん。
そう言えば、最近そこここから経営とかがヤバいって話を耳にするな。主に民主党政権が補正予算止めたせいだが、予算、そのまんま宙ぶらりんらしいな。例年ならもう通ってる、と言うか、今年度も既に補正予算に基づく入札とか金の引渡しは終了済みというところも多い。このままだと冬にかけて、本気で中小が潰れまくるかもしれん。
と言うか、だな。うちはいわゆる伝統産業という奴である。伝統産業というのは人間の死に方で言えば寿命とか自然死であり、テルミドール風にいうと定款の内に、緩慢に壊死するものである。あんまり景気には作用されないのだ。景気が良かろうが悪かろうが仕事は減っていくのである。
ところがうちの業界も相当ヤバくて、取引先じゃ首きってるとこもあるらしい。
ほんとにどうなるもんだか…
さて、そんな話をしておってもしょうがないから別の話題である。この間の続きでaocネタをもうちょっと引っ張ってみようと思う。いくつか思い出したネタもあるからな。
あのゲームに出てくるユニット、実はそれぞれ元ネタがあったりする。まぁ名前は確かに適当だ。騎士なんか、騎士→重騎士→近衛騎士、剣士も長剣剣士→重剣士→近衛剣士と、重と近衛さえつけりゃいいと勘違いしてるからな。
が、ユニットそれぞれにはちゃんと元ネタがある。例えばこのハサーだが…
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/35/ad/1c288c797987d630659140a3fa924b14.png)
こいつは見ての通り騎兵ユニットで、斥候→騎兵→ハサーと進化するお馬さんの最終形態である。これの元ネタだが、何を隠そうポーランド騎兵だ。コレ↓。ポーランド騎兵がかっこよく描かれた映画のダイジェストも見つけたから貼っておこう。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/13/5d/d2762a001d15cb7077ee00bb72b6c97b.png)
Husaria / Winged Hussar
日本で騎兵と言えば武田軍だが、それと同じように欧州で騎兵と言えばポーランド騎兵である。まぁ、日本で欧州の騎兵というとやはりフランスが有名である。シャルルマーニュの騎士とはこの日誌で何度も言っておるが、実際フランスは騎兵が大好きである。逆にドイツなんかはあんまり騎兵は有名でないな。むしろ歩兵が有名だ。
これは何でかっていうと、まぁ、その、なんだ。ドイツは貧乏だからでありフランスは金持ちだからである。騎兵ってのはとにかく金がかかる。何せ馬が必要だ。歩兵なら本人の食料と剣と槍、あとは甲冑があればそれでいい。が、騎兵は馬がないといけない。
では馬には何が必要だろうか。馬の食料、ってのがまぁ一般的な答えだろうが、それだけではない。ああ見えて、馬というのは非常に繊細な生き物だ。デリケートなのである。どれぐらいデリケートかと言うと、何も考えず船に並べて日本海を渡ったらわたりきるまでに半分ぐらい死ぬぐらいデリケートだ。死因はストレス。
寝てる間に床擦れを起こすと真面目に死ぬからベッド代わりの乾いた草あたりが必要になるし、馬の甲冑だって必要だ。更に言えば、騎兵は馬が死んだからといって兵隊が死んだとは限らない為、予備の馬も必要である。モンゴルの騎兵は常に4、5頭の馬を予備として揃えていたらしい。こうなると騎兵本人だけでは管理しきれないから、世話役を雇う必要も出てくる。
斯様に、騎兵は金がかかるのだ。ドイツは貧乏であるから、なかなか難しいのだな。ドイツ騎士団とかあったり、ドイツ人は自分らをドイツ騎士団の末裔だと思ったりしておるが、まぁ、なんだ、騎士だからと言って馬に乗ってるとは限らないということである。aocのコンピュータ君主の一人、マクシミリアン一世は馬から降りた騎士として有名な男だ。
あとドイツで騎兵が流行らなかったのにはもう一つ。ドイツでは軍隊ってものがあんまり発達しなかったところにも理由があるのである。先程言った通り、騎兵には金がかかる。んで騎兵が十人とか二十人なら、兵隊一人一人が自分の家から馬を持ってきて、んでそれぞれが馬の世話役とかを個人で雇うって形式でも問題ない。しかし、これが百人とか千人とかになってしまうと、そんなやり方では通らなくなるってのはまぁ説明せんでもわかるだろう。
しかしドイツでは、国の軍隊ってのが発展しなかった。別の言い方でいうと、組織管理ってものが発達しなかった。だから、農民に槍持たせた兵隊百人の中に騎士が混じってることはあっても、組織的な騎兵ってものが生まれ得なかったのだ。それでもどうにかやっていけた原因は色々あるが、その一つには、ドイツが比較的平和な地域だったってものがある。
ポーランドはその辺が違う。ポーランドは中欧もしくは東欧に属する国だが、中世から近世にかけて、この地域は何度も何度も戦争があった。それも、以前話したようなフェーデみたいななぁなぁの戦争ではなく、生きるか死ぬか、滅びるか滅ぼすかのガチの戦争である。
中世の欧州で怖いものと言えば狼、黒死病、サラセン。サラセンって言ってピクッと反応した奴は、まぁ半分ぐらいは馬上からアイスラッガーするユニットを思い浮かべたろうが、サラセンってのは中東の人間を指す言葉だと思えばいい。その最たる例がトルコだ。
今でこそトルコは微妙な地方国家だが、一時は掛け値なしの世界最強国家であった。火薬帝国オスマン・トルコの時代である。トルコがもっと西にあったとしたら、フランスもスペインもトルコ領になった可能性すらあるのである。ドイツが比較的平和だったのは、ポーランドとかハンガリーとかオーストリアが必死になってトルコと戦争してくれたお陰であって、もしこれらの国家がなかったら、まぁ即死であったろう。
かのドラキュラ伯爵、まぁアーカードとかワラキアの夜とかあの辺だが、彼もトルコと戦った英雄である。負けたけど。まぁハンガリーの裏切りとかもあるんだが、ともあれ、ルーマニアとかハンガリーとかでは、残念ながらトルコを止めることはできなかった。じゃあ誰が止めたって、ポーランドであり、その立役者こそポーランド騎兵、ハサーなのである。
軍オタの中ではもう使い古されたネタだが、第二次大戦最初期、ポーランド戦でドイツの機甲師団(戦車部隊)にポーランド騎兵が突っ込んだという話がある。阿呆ですね~馬鹿ですね~って訳だが、実際にそういう戦闘があったかどうかは、実は判らん。記録がないのだ。
しかし、ドイツ兵がポーランド騎兵を物凄い怖がったというのは確実な話であるらしい。第一線で戦争する重突撃騎兵はとっくの昔で時代遅れになっておった訳だが、それでも、世に名高いポーランド騎兵は怖かったのである。
ちなみに、騎兵が完全に時代遅れになったという訳ではない。全軍が自動車化されておらん当時では、偵察大隊とかに騎兵を割り当てる場合も少なからずあったのだ。第二次大戦でも何もかもが自動車になってたのはアメリカぐらいなもんで、ドイツの大砲は半分以上馬が引っ張ってたというのはあんまり知られておらん事実である。
まぁ、ポーランド騎兵ってのは、向こうではそれぐらい名のあるものなのだ。そうは言ってもAOCじゃハサー=肉の壁だったりする訳だがな。まぁ肉の壁ならまだいいか。もう一つの用法は街に侵入して農民を虐殺する兵隊だからな。つうか、騎士とか、進化すると重騎士だとか近衛騎士だとか言って名前がカッコ良くて絵も強そうなんだが、実際には
農民→剥き身剥き身とか言いながら虐殺
弱い敵→喜んで戦う
強い敵→全力で逃げる
という最低最悪の兵隊である。だから嫌いなんだアレ。
さて、次だ。さっきAOCのユニットの名前は適当だと言ったが、実を言うと、名前にも元ネタはある。一部な。
例えば散兵だ。コレ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3d/6f/536529a38fdc81243dbcab83ffb39b09.png)
この槍投げ兵、元ネタはかのアレクサンドロス大王の盾持ち兵って奴である。んまぁ散兵の本家ペルシャ軍にもああいう装備の連中はいたんだが、知名度的に考えてもマケドニア軍のものがモチーフと考えるべきであろう。
しかし、マケドニアの盾持ち槍投げ兵が元ネタとは言っても、槍投げ兵=散兵という訳ではない。散兵ってのは剣士とか槍兵みたいに装備の名前が基準ではないのだ。じゃあ何が基準かというと~…
うーむ。
そうだな。
私は時代劇が好きだが、中でも銭形平次と旗本退屈男、必殺仕事人が大好きである。んで必殺の劇場版を見た時に友人に言われたことなのだが…暗殺一筋な必殺仕事人でも、映画となればやはり大立ち回りを演じることになる。その時見てたのは4だったが、最後、ラスボス奥田右京亮が武士団に斬りかかるシーンがある。んでこいつが鬼のように強く、武士を片っ端から切り倒してしまう。
で、言われた。
「こいつら何で逃げないの?」
正直に言おう。その発想はなかった。しかし正しい発想でもある。実際、どう頑張っても勝てる見込みのないほど強い相手が暴れておるのである。思わず逃げ出したくなっても仕方ない。
んじゃあこいつらは何で逃げないって、そういう商売やってるからである。当時の武士は軍人兼警察だ。つまり兵隊さんとかおまわりさんだな。キチガイが刃物振り回してたらとめるのが警官である。まぁだから逃げないよう訓練されてるしもし、逃げたら家名断絶とかきつーい社会的制裁が下る訳だな。
しかし、兵隊ってのはいつの時代もそういう職業軍人のみで構成されてるとは限らない。むしろ、そこらの農民徴収して武器持たせて戦争行かせるって方が多い。すると当然、全員できることなら逃げたい訳だ。また、普通、2人は1人より強いし、100人は10人より強い。だから、兵隊は一般的に密集した方が強い。
そういう理由で出てくるのが、戦列とか陣形だ。戦列戦争。ファランクスとかテルシオとかレギオン!レギオーン!レギオーン!とか。まぁ、早い話が、●を兵隊一人として
|← 20人 →|_
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●↑
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●5人
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●↓
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●_
↓敵のいる方向
↑こんな感じで兵隊が規則正しく並ぶ状態を作るのだ。整然とならんで、んで敵の方に槍なり剣なりを構えて、一歩一歩前進していってんでもみくちゃになりながら戦争するのである。これには色々意味があるのだが、そこらの農民連れてきて戦争する場合の意味は二つ。一つはこうやれば素人でも強い、もう一つは脱走防止である。
↑にあげた図だと、20x5だから横隊1個あたり100人になるな。考えてもみてくれ。100人もいるのだ、1人2人ぐらいがこっそり逃げてもバレないであろう。しかしこうして陣形を組んでしまうと、誰が脱走しようとしてるってのは一目でわかる。こうなると、逃げたくても逃げられない。
勿論、100人が100人とも、全員同時に逃げ始めればいくらでも逃げられるだろう。しかし脱走第一号になるには勇気がいる。学校でこんなクソ授業やってられるかと思っても、文句を言う最初の一人にはなかなかなれないのと同じだ。また、こういう陣形の後方には拳銃とかサーベル持った偉い人が控えてるのが常である。兵隊が逃げようとしたら即射殺する人だ。
こうなれば、脱走はかなり抑えられる。また、それ以外にも意味があってな。職業軍人なら槍でも剣でも馬でも扱いを充分に心得ているが、流石に農民はそうもいかん。しかし、↑の陣形で、一人一人が槍を持ってると想像してくれ。槍を前に突き出して全員で歩くだけで強い。槍を構えてあるくだけでも、100人が陣形を組んでれば充分戦力になるのだ。
そんな訳で、陣形を組むというのはどこの国でも定番戦術になる。日本もそうだな。ではこういう戦争のやり方に弱点とか欠点はないのかというと、決してそうではない。ではどこが悪いかと言えば、まぁ柔軟性がないという一言に尽きるな。
例えば、実際に戦場で戦争する時はともかく、行軍中もこんな陣形をとって歩く訳にはいかん。やっぱり二列とか三列に並んでてくてく歩くのが普通である。だから戦場についてから戦闘陣形に変えるのだが、逆に言えば、陣形が組み終わるまではただの農民の群れである。ちゃんと訓練された職業軍人ならいいが、そこらの農民だからな。一人一人ではまるで役に立たん。
また、押せ押せの状況になって逃げる敵を追撃するとかになると、当然、陣形は乱れる。ただの農民の群れになる訳だ。これが、敵が逃げてたのは実は罠でした~って感じで待ち伏せされたりすると終了だな。
斯様に、元がただの農民である以上陣形が崩れれば糸冬了になってしまうのである。この弱点を突くのが散兵だ。諸君は、武田の投石衆を知っておるかな。その名の通り石投げ部隊なのだが、精鋭部隊だ。エリート石投げ兵である。野球ボールぐらいの石を50mぐらい投げられたそうだ。鎧は最低限に抑え、機動性を重視した軽装兵である。
散兵ってのはそんな感じの兵隊だ。弓や弩といった、重く機動の邪魔になる武器は持たず、また同じく邪魔になる重い鎧も排除した軽装兵だ。武器は投石や投槍といった軽い射程兵器。アレクサンドロス大王の部隊は盾と投槍を装備しておった。
で、散兵は何をやるのか。
嫌がらせと逃げるのである。
例えば、戦場に到着してから戦闘陣形を組みなおす途中の敵を攻撃して嫌がらせする。あるいは、陣形組んで陣取ってる敵をちょこっとだけ攻撃(嫌がらせor挑発)して逃げる。逃げるって言っても脱走するのではなく、敵が迫れば距離をとって攻撃、敵が退がったら追って攻撃、敵が迫れば距離をとって~といった、スーパー嫌がらせ戦法だ。また、戦闘時は陣形を組まず、必ず散って戦う。
何がしたくてこんなことをやるかって、敵の陣形を崩したいからだ。陣形構築中の敵を攻撃すれば、それだけ陣形の完成が遅くなる。ことによっては、向こうが陣形を組み終わる前にこっちの本隊の陣形が完成する。後は本隊で押しつぶせばいい。もし敵が陣形を組むことより散兵を攻撃することより選んだたしても、心配には及ばん。散兵は逃げる為に軽装なのである。逃げればいい。
もし追撃してきたら、それこそチャンスである。こっちの本隊が陣形を組み終わってなくても、追撃に必死で陣形もクソもないぐちゃぐちゃの状態で突っ込んでくる連中を倒すには充分だ。
また、陣形を組み終わった敵への攻撃も重要である。さっき言った通り、いかに陣形を組んでると言ってもあくまで農民の群れ。一人一人バラバラに分かれて散発的に攻撃してくる連中を、無視する訳にはいかんが一人一人順番に潰していくわけにもいかん。もしそうしようとすれば散兵は逃げてしまうからな。で、痺れを切らして本気で攻撃してきたら陣形は乱れる。後は本隊が料理すればいい。
かように、ひたすら嫌がらせするのが散兵だ。脱走の可能性は極めて高いからそこらの農民連れてきてやらせる訳にはいかんが、少人数でいい為精鋭部隊として育てればいい。素人ゆえにある程度決まった行動しかできないという弱点をつく部隊なのだ。
ゲーム中は全然違うユニットだが。
斯様に、マイクロソフトはマイクロソフトなりに色々調べてゲームを作っておるのである。その情熱をOSに注いでほしいものだな。ゲイツ箱にも。普及してるのがHDDなしとかDVDしか読めないとか未来がなさすぎるだろう、あれ。
コメ返信 長い間放置して申し訳ない。いろいろと余裕がなかった…HPも更新してないし…
ベトナム戦争
>バロス氏
果てしなく興味深い話題、詳細キボンヌ
>ジャスミン氏
エイリアンもターミネーターもSAWも何もかも…orz まぁ2までが名作なら続編が出続けてくれるようですが
aocの技術
>ジャスミン氏
ソレ モウ ダイブンマエ ニ カイチャッタ
>ごてぃ氏
自分がされたら嫌なことを延々一時間以上やるゲームなので精神衛生上よろしくありません。へたくそ同士でワイワイやるならいいけど、ガチでやろうとすると進化方法とか丸暗記しないといけないから敷居は高いし、いちいち寒い立ち回りしないといけないし…だがそれがいいな人はオススメ。
そう言えば、最近そこここから経営とかがヤバいって話を耳にするな。主に民主党政権が補正予算止めたせいだが、予算、そのまんま宙ぶらりんらしいな。例年ならもう通ってる、と言うか、今年度も既に補正予算に基づく入札とか金の引渡しは終了済みというところも多い。このままだと冬にかけて、本気で中小が潰れまくるかもしれん。
と言うか、だな。うちはいわゆる伝統産業という奴である。伝統産業というのは人間の死に方で言えば寿命とか自然死であり、テルミドール風にいうと定款の内に、緩慢に壊死するものである。あんまり景気には作用されないのだ。景気が良かろうが悪かろうが仕事は減っていくのである。
ところがうちの業界も相当ヤバくて、取引先じゃ首きってるとこもあるらしい。
ほんとにどうなるもんだか…
さて、そんな話をしておってもしょうがないから別の話題である。この間の続きでaocネタをもうちょっと引っ張ってみようと思う。いくつか思い出したネタもあるからな。
あのゲームに出てくるユニット、実はそれぞれ元ネタがあったりする。まぁ名前は確かに適当だ。騎士なんか、騎士→重騎士→近衛騎士、剣士も長剣剣士→重剣士→近衛剣士と、重と近衛さえつけりゃいいと勘違いしてるからな。
が、ユニットそれぞれにはちゃんと元ネタがある。例えばこのハサーだが…
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/35/ad/1c288c797987d630659140a3fa924b14.png)
こいつは見ての通り騎兵ユニットで、斥候→騎兵→ハサーと進化するお馬さんの最終形態である。これの元ネタだが、何を隠そうポーランド騎兵だ。コレ↓。ポーランド騎兵がかっこよく描かれた映画のダイジェストも見つけたから貼っておこう。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/13/5d/d2762a001d15cb7077ee00bb72b6c97b.png)
Husaria / Winged Hussar
日本で騎兵と言えば武田軍だが、それと同じように欧州で騎兵と言えばポーランド騎兵である。まぁ、日本で欧州の騎兵というとやはりフランスが有名である。シャルルマーニュの騎士とはこの日誌で何度も言っておるが、実際フランスは騎兵が大好きである。逆にドイツなんかはあんまり騎兵は有名でないな。むしろ歩兵が有名だ。
これは何でかっていうと、まぁ、その、なんだ。ドイツは貧乏だからでありフランスは金持ちだからである。騎兵ってのはとにかく金がかかる。何せ馬が必要だ。歩兵なら本人の食料と剣と槍、あとは甲冑があればそれでいい。が、騎兵は馬がないといけない。
では馬には何が必要だろうか。馬の食料、ってのがまぁ一般的な答えだろうが、それだけではない。ああ見えて、馬というのは非常に繊細な生き物だ。デリケートなのである。どれぐらいデリケートかと言うと、何も考えず船に並べて日本海を渡ったらわたりきるまでに半分ぐらい死ぬぐらいデリケートだ。死因はストレス。
寝てる間に床擦れを起こすと真面目に死ぬからベッド代わりの乾いた草あたりが必要になるし、馬の甲冑だって必要だ。更に言えば、騎兵は馬が死んだからといって兵隊が死んだとは限らない為、予備の馬も必要である。モンゴルの騎兵は常に4、5頭の馬を予備として揃えていたらしい。こうなると騎兵本人だけでは管理しきれないから、世話役を雇う必要も出てくる。
斯様に、騎兵は金がかかるのだ。ドイツは貧乏であるから、なかなか難しいのだな。ドイツ騎士団とかあったり、ドイツ人は自分らをドイツ騎士団の末裔だと思ったりしておるが、まぁ、なんだ、騎士だからと言って馬に乗ってるとは限らないということである。aocのコンピュータ君主の一人、マクシミリアン一世は馬から降りた騎士として有名な男だ。
あとドイツで騎兵が流行らなかったのにはもう一つ。ドイツでは軍隊ってものがあんまり発達しなかったところにも理由があるのである。先程言った通り、騎兵には金がかかる。んで騎兵が十人とか二十人なら、兵隊一人一人が自分の家から馬を持ってきて、んでそれぞれが馬の世話役とかを個人で雇うって形式でも問題ない。しかし、これが百人とか千人とかになってしまうと、そんなやり方では通らなくなるってのはまぁ説明せんでもわかるだろう。
しかしドイツでは、国の軍隊ってのが発展しなかった。別の言い方でいうと、組織管理ってものが発達しなかった。だから、農民に槍持たせた兵隊百人の中に騎士が混じってることはあっても、組織的な騎兵ってものが生まれ得なかったのだ。それでもどうにかやっていけた原因は色々あるが、その一つには、ドイツが比較的平和な地域だったってものがある。
ポーランドはその辺が違う。ポーランドは中欧もしくは東欧に属する国だが、中世から近世にかけて、この地域は何度も何度も戦争があった。それも、以前話したようなフェーデみたいななぁなぁの戦争ではなく、生きるか死ぬか、滅びるか滅ぼすかのガチの戦争である。
中世の欧州で怖いものと言えば狼、黒死病、サラセン。サラセンって言ってピクッと反応した奴は、まぁ半分ぐらいは馬上からアイスラッガーするユニットを思い浮かべたろうが、サラセンってのは中東の人間を指す言葉だと思えばいい。その最たる例がトルコだ。
今でこそトルコは微妙な地方国家だが、一時は掛け値なしの世界最強国家であった。火薬帝国オスマン・トルコの時代である。トルコがもっと西にあったとしたら、フランスもスペインもトルコ領になった可能性すらあるのである。ドイツが比較的平和だったのは、ポーランドとかハンガリーとかオーストリアが必死になってトルコと戦争してくれたお陰であって、もしこれらの国家がなかったら、まぁ即死であったろう。
かのドラキュラ伯爵、まぁアーカードとかワラキアの夜とかあの辺だが、彼もトルコと戦った英雄である。負けたけど。まぁハンガリーの裏切りとかもあるんだが、ともあれ、ルーマニアとかハンガリーとかでは、残念ながらトルコを止めることはできなかった。じゃあ誰が止めたって、ポーランドであり、その立役者こそポーランド騎兵、ハサーなのである。
軍オタの中ではもう使い古されたネタだが、第二次大戦最初期、ポーランド戦でドイツの機甲師団(戦車部隊)にポーランド騎兵が突っ込んだという話がある。阿呆ですね~馬鹿ですね~って訳だが、実際にそういう戦闘があったかどうかは、実は判らん。記録がないのだ。
しかし、ドイツ兵がポーランド騎兵を物凄い怖がったというのは確実な話であるらしい。第一線で戦争する重突撃騎兵はとっくの昔で時代遅れになっておった訳だが、それでも、世に名高いポーランド騎兵は怖かったのである。
ちなみに、騎兵が完全に時代遅れになったという訳ではない。全軍が自動車化されておらん当時では、偵察大隊とかに騎兵を割り当てる場合も少なからずあったのだ。第二次大戦でも何もかもが自動車になってたのはアメリカぐらいなもんで、ドイツの大砲は半分以上馬が引っ張ってたというのはあんまり知られておらん事実である。
まぁ、ポーランド騎兵ってのは、向こうではそれぐらい名のあるものなのだ。そうは言ってもAOCじゃハサー=肉の壁だったりする訳だがな。まぁ肉の壁ならまだいいか。もう一つの用法は街に侵入して農民を虐殺する兵隊だからな。つうか、騎士とか、進化すると重騎士だとか近衛騎士だとか言って名前がカッコ良くて絵も強そうなんだが、実際には
農民→剥き身剥き身とか言いながら虐殺
弱い敵→喜んで戦う
強い敵→全力で逃げる
という最低最悪の兵隊である。だから嫌いなんだアレ。
さて、次だ。さっきAOCのユニットの名前は適当だと言ったが、実を言うと、名前にも元ネタはある。一部な。
例えば散兵だ。コレ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3d/6f/536529a38fdc81243dbcab83ffb39b09.png)
この槍投げ兵、元ネタはかのアレクサンドロス大王の盾持ち兵って奴である。んまぁ散兵の本家ペルシャ軍にもああいう装備の連中はいたんだが、知名度的に考えてもマケドニア軍のものがモチーフと考えるべきであろう。
しかし、マケドニアの盾持ち槍投げ兵が元ネタとは言っても、槍投げ兵=散兵という訳ではない。散兵ってのは剣士とか槍兵みたいに装備の名前が基準ではないのだ。じゃあ何が基準かというと~…
うーむ。
そうだな。
私は時代劇が好きだが、中でも銭形平次と旗本退屈男、必殺仕事人が大好きである。んで必殺の劇場版を見た時に友人に言われたことなのだが…暗殺一筋な必殺仕事人でも、映画となればやはり大立ち回りを演じることになる。その時見てたのは4だったが、最後、ラスボス奥田右京亮が武士団に斬りかかるシーンがある。んでこいつが鬼のように強く、武士を片っ端から切り倒してしまう。
で、言われた。
「こいつら何で逃げないの?」
正直に言おう。その発想はなかった。しかし正しい発想でもある。実際、どう頑張っても勝てる見込みのないほど強い相手が暴れておるのである。思わず逃げ出したくなっても仕方ない。
んじゃあこいつらは何で逃げないって、そういう商売やってるからである。当時の武士は軍人兼警察だ。つまり兵隊さんとかおまわりさんだな。キチガイが刃物振り回してたらとめるのが警官である。まぁだから逃げないよう訓練されてるしもし、逃げたら家名断絶とかきつーい社会的制裁が下る訳だな。
しかし、兵隊ってのはいつの時代もそういう職業軍人のみで構成されてるとは限らない。むしろ、そこらの農民徴収して武器持たせて戦争行かせるって方が多い。すると当然、全員できることなら逃げたい訳だ。また、普通、2人は1人より強いし、100人は10人より強い。だから、兵隊は一般的に密集した方が強い。
そういう理由で出てくるのが、戦列とか陣形だ。戦列戦争。ファランクスとかテルシオとかレギオン!レギオーン!レギオーン!とか。まぁ、早い話が、●を兵隊一人として
|← 20人 →|_
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●↑
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●5人
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●↓
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●_
↓敵のいる方向
↑こんな感じで兵隊が規則正しく並ぶ状態を作るのだ。整然とならんで、んで敵の方に槍なり剣なりを構えて、一歩一歩前進していってんでもみくちゃになりながら戦争するのである。これには色々意味があるのだが、そこらの農民連れてきて戦争する場合の意味は二つ。一つはこうやれば素人でも強い、もう一つは脱走防止である。
↑にあげた図だと、20x5だから横隊1個あたり100人になるな。考えてもみてくれ。100人もいるのだ、1人2人ぐらいがこっそり逃げてもバレないであろう。しかしこうして陣形を組んでしまうと、誰が脱走しようとしてるってのは一目でわかる。こうなると、逃げたくても逃げられない。
勿論、100人が100人とも、全員同時に逃げ始めればいくらでも逃げられるだろう。しかし脱走第一号になるには勇気がいる。学校でこんなクソ授業やってられるかと思っても、文句を言う最初の一人にはなかなかなれないのと同じだ。また、こういう陣形の後方には拳銃とかサーベル持った偉い人が控えてるのが常である。兵隊が逃げようとしたら即射殺する人だ。
こうなれば、脱走はかなり抑えられる。また、それ以外にも意味があってな。職業軍人なら槍でも剣でも馬でも扱いを充分に心得ているが、流石に農民はそうもいかん。しかし、↑の陣形で、一人一人が槍を持ってると想像してくれ。槍を前に突き出して全員で歩くだけで強い。槍を構えてあるくだけでも、100人が陣形を組んでれば充分戦力になるのだ。
そんな訳で、陣形を組むというのはどこの国でも定番戦術になる。日本もそうだな。ではこういう戦争のやり方に弱点とか欠点はないのかというと、決してそうではない。ではどこが悪いかと言えば、まぁ柔軟性がないという一言に尽きるな。
例えば、実際に戦場で戦争する時はともかく、行軍中もこんな陣形をとって歩く訳にはいかん。やっぱり二列とか三列に並んでてくてく歩くのが普通である。だから戦場についてから戦闘陣形に変えるのだが、逆に言えば、陣形が組み終わるまではただの農民の群れである。ちゃんと訓練された職業軍人ならいいが、そこらの農民だからな。一人一人ではまるで役に立たん。
また、押せ押せの状況になって逃げる敵を追撃するとかになると、当然、陣形は乱れる。ただの農民の群れになる訳だ。これが、敵が逃げてたのは実は罠でした~って感じで待ち伏せされたりすると終了だな。
斯様に、元がただの農民である以上陣形が崩れれば糸冬了になってしまうのである。この弱点を突くのが散兵だ。諸君は、武田の投石衆を知っておるかな。その名の通り石投げ部隊なのだが、精鋭部隊だ。エリート石投げ兵である。野球ボールぐらいの石を50mぐらい投げられたそうだ。鎧は最低限に抑え、機動性を重視した軽装兵である。
散兵ってのはそんな感じの兵隊だ。弓や弩といった、重く機動の邪魔になる武器は持たず、また同じく邪魔になる重い鎧も排除した軽装兵だ。武器は投石や投槍といった軽い射程兵器。アレクサンドロス大王の部隊は盾と投槍を装備しておった。
で、散兵は何をやるのか。
嫌がらせと逃げるのである。
例えば、戦場に到着してから戦闘陣形を組みなおす途中の敵を攻撃して嫌がらせする。あるいは、陣形組んで陣取ってる敵をちょこっとだけ攻撃(嫌がらせor挑発)して逃げる。逃げるって言っても脱走するのではなく、敵が迫れば距離をとって攻撃、敵が退がったら追って攻撃、敵が迫れば距離をとって~といった、スーパー嫌がらせ戦法だ。また、戦闘時は陣形を組まず、必ず散って戦う。
何がしたくてこんなことをやるかって、敵の陣形を崩したいからだ。陣形構築中の敵を攻撃すれば、それだけ陣形の完成が遅くなる。ことによっては、向こうが陣形を組み終わる前にこっちの本隊の陣形が完成する。後は本隊で押しつぶせばいい。もし敵が陣形を組むことより散兵を攻撃することより選んだたしても、心配には及ばん。散兵は逃げる為に軽装なのである。逃げればいい。
もし追撃してきたら、それこそチャンスである。こっちの本隊が陣形を組み終わってなくても、追撃に必死で陣形もクソもないぐちゃぐちゃの状態で突っ込んでくる連中を倒すには充分だ。
また、陣形を組み終わった敵への攻撃も重要である。さっき言った通り、いかに陣形を組んでると言ってもあくまで農民の群れ。一人一人バラバラに分かれて散発的に攻撃してくる連中を、無視する訳にはいかんが一人一人順番に潰していくわけにもいかん。もしそうしようとすれば散兵は逃げてしまうからな。で、痺れを切らして本気で攻撃してきたら陣形は乱れる。後は本隊が料理すればいい。
かように、ひたすら嫌がらせするのが散兵だ。脱走の可能性は極めて高いからそこらの農民連れてきてやらせる訳にはいかんが、少人数でいい為精鋭部隊として育てればいい。素人ゆえにある程度決まった行動しかできないという弱点をつく部隊なのだ。
ゲーム中は全然違うユニットだが。
斯様に、マイクロソフトはマイクロソフトなりに色々調べてゲームを作っておるのである。その情熱をOSに注いでほしいものだな。ゲイツ箱にも。普及してるのがHDDなしとかDVDしか読めないとか未来がなさすぎるだろう、あれ。
コメ返信 長い間放置して申し訳ない。いろいろと余裕がなかった…HPも更新してないし…
ベトナム戦争
>バロス氏
果てしなく興味深い話題、詳細キボンヌ
>ジャスミン氏
エイリアンもターミネーターもSAWも何もかも…orz まぁ2までが名作なら続編が出続けてくれるようですが
aocの技術
>ジャスミン氏
ソレ モウ ダイブンマエ ニ カイチャッタ
>ごてぃ氏
自分がされたら嫌なことを延々一時間以上やるゲームなので精神衛生上よろしくありません。へたくそ同士でワイワイやるならいいけど、ガチでやろうとすると進化方法とか丸暗記しないといけないから敷居は高いし、いちいち寒い立ち回りしないといけないし…だがそれがいいな人はオススメ。