霧島家日誌

もう何が何だかわからないよろず日誌だ。

マスケット運用の歴史シリーズ5-2 ナポレオンへの道:タギネーの戦い(タギナエの戦い)と軽騎兵

2011年02月27日 18時52分18秒 | 社会、歴史
ごきげんよう諸君、いかがお過ごしかな。なんだか寝起きが最悪な霧島である。一応八時間睡眠ぐらいでおきるのだが、頭が痛かったり気分が変だったりで、とてもではないがそのまま起きる気にはならないのだ。しかしながら、これのお陰でここんとこ十二時間睡眠余裕でしたとかそういう事態が多数発生しており、昼間の行動時間が著しく制約されておる。どうしたものかな…


さて、前回の記事で「この兵種は猟兵という単語のみでくくるべきものではなく、散兵、軽歩兵といった言葉も含めて語られねばならない」と書いたな。実際にその通りで、猟兵というのは欧州発の単語でありアメリカの兵隊に使われる事は無いといっていい。アメリカ独立戦争で活躍した彼らは、一般には散兵と呼ばれる存在だ。強いて言っても軽歩兵。ただ猟師が兵隊になったと言うと非常にイメージしやすい為、敢えて猟兵と呼んでいたのである。

で、だ。これまでのマスケット運用の歴史シリーズで、私は意識して重騎兵とか軽歩兵といった台詞を使ってこなかった。読み返してもらえば判ると思うが、重装騎兵とか書いてある筈だ。重騎兵も重装騎兵も似た様なもんじゃないかと言われるかもしれん。まぁ実際似た様なもんだ。ただ私は、重装○○とか軽装○○というのは装備によって兵隊を類別する言葉だと考えており、同時に、重○○とか軽○○は役割によって兵隊を分類する言葉だと考えているのである。

例えば、重騎兵というのは一般に重装備(つまり重い鎧とかを着けてる)で、敵戦列の綻びに突撃し、突破、蹂躙して勝敗を決める決戦兵種の事である。この場合、分類の上で重要なのは敵戦列に突撃するという役割であり、装備の別ではない。役割上どうしても敵の槍や剣による反撃に晒されやすいから重装備になりやすいだけで、突撃を旨とするなら軽装騎兵でも重騎兵になりうると私は考えておる。

実際、重装備か軽装備かってのも結構相対的なところがあるからな。ビザンツのクリバナリウス(騎手は全身装甲、軍馬も全身装甲)に比べれば大抵の重装騎兵は軽装騎兵だし、ポーランド重装騎兵に比べれば西欧各国の騎兵は軽装騎兵なんて時代もあった。又、七年戦争とかの時代になると重騎兵も鎧をつけなくなるので、果たしてどの辺で重装と軽装を分けるべきなのかというのも難しくなってくるのだ。

この辺の問題もあって、私は今まで徹頭徹尾、重○○とか軽○○という言葉を使ってこなかった。だが一番の理由は、その概念を説明しない限り使うべきでないと考えていたからだし、一番最初にこれを説明すると聞いた方は何が何やら判らず混乱すると思うからだ。だが今こそ、説明する時だ。そういう訳で説明するが、まぁ、なんだ、さっき半分ぐらい説明しちゃったな。

重騎兵は、さっき言った通り一般に重装備で、敵戦列の綻びに突撃し、突破、蹂躙して勝敗を決める決戦兵種の事である。一方重歩兵とは一般に軍隊の主力であり、やはり重装備が主で、密集隊形をとり攻撃力防御力の双方に長けている。ローマのレギオン、ギリシャのファランクス、スイス傭兵の密集槍方陣といったものが代表的だな。一般に重装備な為投射兵器では容易に傷つかないし(だから密集もできる)、密集した重歩兵の圧力は並みの事では跳ね返せない。

ちなみに投射兵器に強いから密集したのか、それとも密集してると投射兵器に弱いから重装備になったのかというのは卵が先か鶏が先かみたいな問題で、私にもわからん。両方の要素がそれぞれちょっとずつ成長し、互いに影響しながら自然と重歩兵の基本スタイルに帰結したのだろう、としか言えん。

この両者には、共通点が色々ある。例えば密集隊形という点。重歩兵が密集するのは勿論だが、実は重騎兵も密集する。各員バラバラに散発的な突撃をするよりも、密集して一点突破を図った方がする衝撃力は遥かに大きい。実際、以前話したフランス近衛騎兵は速歩で突撃する様訓練されていたのである。人間で言えば早歩き、ジョギングぐらいの速度だ。その方が密集隊形で突撃しやすい訳だな。勿論、襲歩(全速力)で突撃する騎兵もいくらでもいたぞ。ポーランド騎兵とかな。

又、主力というのも鍵である。以前の話でもしたが、結局戦争(と言うか会戦)というのは重歩兵の密集陣形をどうやって崩すかという話である。重騎兵が決戦兵種なのも重歩兵という主力部隊を突き崩せるからという理由によるものだ。そういう意味で、重歩兵の密集陣形は揺るがない。又同時に、その重騎兵も、勝負を決めてしまう兵種という意味では主力と呼んでも過言ではない存在であるといえよう。

一方、軽歩兵、軽騎兵はその逆である。軽歩兵は前回説明した猟兵(散兵)みたいな部隊だと思えば良い。軽騎兵は戦争では投射兵器(弓、投槍、拳銃)が主力だ。一応接近戦用の剣とかも装備はしている場合が多いがな。また、 装備の面で言うと、重騎兵は重装備の為に騎兵の最大の特徴である足の速さを殺してしまう場合が多いが軽騎兵にはそれが無い。即ち機動性を身上とする為装備は最低限のもののみであり、機動性を殺しかねない密集隊形も、必要にならなければ取らない。

彼らは偵察や追撃といった機動性を生かした作戦を主任務とする。戦術、戦略機動によって敵の後方に回り込み補給線を破壊する事もあるし、ロイテンの戦いの様な大会戦となれば、迂回機動による包囲だけでなく密集隊形を取って敵を強襲する場合もある。重騎兵との大きな違いはやはり必ずしも密集しない事、投射兵器も使う事、そして機動性に長けている事であろう。


これらの特徴が特長として端的に表れたのが、タギネーの戦い(タギナエの戦い)である。この会戦は、東ローマ帝国と東ゴート王国の間で行われた。AOCではゴートは歩兵文明だが、特に東ゴート王国は騎兵の国である。欧州で騎兵と言えば後年のフランスが有名だが、今でいうハンガリーやポーランドといった東欧の騎兵は当時から強力な騎兵を持つ民族として名を轟かせていた。しかしながら東ゴートの騎兵はそれすら圧倒的に上回る強力な部隊だったのである。

東ゴートの騎兵は全員が重装槍騎兵であり、典型的な重騎兵であった。東ローマ帝国軍の司令官ナルセスは、件の東欧出身の騎兵を多数雇っていた。が、東ゴートの重騎兵に重騎兵で対抗するのは不可能と判断していた。正規騎兵と傭兵騎兵、あわせても3000~4000程度であり、一方の東ゴート王国は午後に到着した援軍もあわせると6000の重騎兵を配していたのである。数の上でも劣勢であった。但し、全軍の数においては三万と一万五千と、逆に圧倒していた。



東ゴート王国軍の配置は単純である。第一陣、前衛として重騎兵のみの部隊を配置。そして後衛に歩兵のみの部隊を配置。ただそれだけだ。一方、高地に陣取った東ローマ帝国軍について注意すべきは全軍に弓を配置したというところである。AOCには弓兵兼歩兵なんていないので表現に困ったんだが、東ローマ正規歩兵も、ロンバルト人傭兵も、ハリ族傭兵も、皆弓を持っていた。又、中央の傭兵部隊前衛の槍を持った部隊は多くが下馬騎兵であり、東ローマの老将ナルセスの苦労が知れる。

東ゴート王国軍の戦術は、その配置と同様単純であった。彼らは重騎兵による突撃の力を信奉しており、前衛の重騎兵のみが綻んでもいない完璧に整った敵戦列に突撃した。普通なら、槍に刺さったり弓で撃たれたりしてすぐに蹴散らされるところである。しかしながらここが東ゴートの恐ろしいところでむしろ数度にわたる攻撃で東ローマの陣は何度も脅かされたのである。しかしそれでも、やはり東ゴート軍の損害は増える一方だった。午前いっぱい突撃を繰り返した東ゴート軍は一旦引き上げ、援軍を待つ。

そして午後に入って援軍の重騎兵2000を加えた東ゴート軍はまたしても重騎兵単独での突撃を敢行する。その重騎兵に向かって、ロンバルト人及びハリ族傭兵の後衛、東ローマ帝国正規兵からの射撃が殺到する。何せ、東ローマ帝国軍は基本的に全ての兵隊が弓を持っている。配置図を見ながら、これの中央に東ゴート騎兵が突撃し、それに十字砲火(というか矢)を浴びせる姿を想像してみれば、どんな状態だったか大体判るだろう。

しかしながら、ゴート騎兵の突撃は止まらない。以前話したクレーシーのイングランドに比べれば、東ローマ帝国軍の対騎兵準備は疎かだった。落とし穴や柵といった障害物が無い訳だからな。このままでは危険と察知したか、東ローマ帝国軍司令のナルセスは、右翼の東欧人騎兵隊を投入する。この絵では東欧人騎兵隊が弓騎兵になっているが、実際には剣も装備していた。彼らは逆襲とばかりに、全力で東ローマ帝国軍中央に突撃をかけているゴート騎兵の横腹へ突撃を開始した。

しかし、ゴートの重騎兵はそれでも崩れない。不死身の軍隊かと思うほどの剽悍さを誇るゴート騎兵は、一度は崩れかかったもののすぐに体制を立て直し今度は東欧人騎兵に向かって突撃を開始した。これにはいかな東欧人騎兵とて成すすべもない。だが、そのまま崩壊する事もなかった。彼ら東欧人騎兵は剣を納めると弓を取り出し、弓騎兵として後退しながらの射撃を開始した。

これが功を奏した。東欧の騎兵は軽騎兵であり、軽装騎兵である。装備が軽い故に機動性は高く、その上射撃兵器も持っている。一方のゴート騎兵は重騎兵であり、文字通りの重装騎兵だ。武器も槍しか持っていない。つまりゴート騎兵は東欧騎兵より遅いのに射程が短いのである。だから、東欧騎兵が逃げ始めたが最後絶対に追いつけないし、東欧騎兵は逃げながら一方的に攻撃を加えることが可能だ。

しかも悪い事に、東ゴート王国軍は前衛(騎兵)と後衛(歩兵)の距離が、今や絶望的なまでに離れていた。そもそも戦列の綻びに投入しなければならない重騎兵を正面突撃に使ったのも愚だが、前衛が騎兵、後衛が歩兵という配置も愚であった。何故なら重装騎兵が遅いと言ってもそれは軽装騎兵に比べれば遅いというだけで歩兵と騎兵なら騎兵のが圧倒的に速い。そして、前に騎兵、後ろに歩兵なんて配置にして騎兵が突撃したら歩兵と騎兵の距離は離れて当たり前なのである。

結果、ゴートの重騎兵は敵中に孤立した。しかも、東欧軽騎兵の巧みな逃走(誘導)と気付けば凹型に進出した東ローマ帝国軍歩兵により、前方と側面は敵歩兵に、後方は敵騎兵に完全に包囲されていた。相変わらず東欧騎兵は逃げ撃ちしかしない。ゴート騎兵は戻って東ローマ帝国軍中央を攻撃するが、相変わらず守りは堅く、しかも四方八方から弓が撃ち込まれる。本来なら東ゴート王国歩兵が騎兵を救援しなければならないのだが物凄い離れてる為不可能であった。

又、東ゴート王国軍司令官にして東ゴート王国の国王である"中世最初の騎士"トティラは、前衛で陣頭指揮を執っていた。ゴート族の歩兵は、ゴート族の騎兵が強い為必要以上に敵の騎兵をも恐れるという傾向があり、これも又、指揮官不在の歩兵隊が積極的な行動をとる妨げとなった。結局、ゴート騎兵は包囲を破れず戦闘力を喪失。そしてついに、虎の子の重騎兵であった東ローマ帝国軍正規騎兵が投入され、流石のゴート騎兵も敗走を開始し、東ゴート王国軍は総崩れとなった。実際に戦えば精強な戦闘員であるゴート歩兵も、肝心要の時に参戦せず、総崩れとなってから追撃してきた敵と戦っては戦闘力を発揮できる筈も無い。


この戦いでは、軽騎兵が非常に役立っている。重騎兵の攻撃をいなす部隊として大きな役割を果たしているのだ。重歩兵や重騎兵といった重部隊は、確かに主力となる重要な部隊だ。しかしその重部隊ばかりに偏重していると、軽部隊を含めた総合力に優れた軍隊に敗北する。これこそ、このタギネーの戦いから得るべき戦訓と言えるであろう。

しかしながら、軽部隊は長らく欧州の軍隊では重視されてこなかった。ただまぁ、軽騎兵の場合は技術的な問題もあった。特に西欧では、基本的には馬を使う生活とは無縁の文化圏が形成されている。なので、特に中世では、騎兵になれる技術、即ち馬に乗れる技術というのは生活に密着していない。こういう技術は、余暇が多かったり戦闘訓練を特別に受ける事になりやすい貴族ぐらいにしか身につかないのである。そして、貴族の騎兵というのはその財力が反映される為、大抵重装騎兵になる。結果、重騎兵が量産されるのである。

長らく、軽騎兵と言えば、東欧とかを出身とする馬に乗った荒くれ傭兵の事だったのだ。しかしながら、時代が下るにつれて状況は変わってくる。近代軽騎兵の発祥はハサー(一般にはユサールとか剽騎兵とか言われるな)だと言われておるが、それはともかくとして、七年戦争の時代ともなると軽騎兵隊も整備される様になった。プロイセンも、大規模な軽騎兵隊を組織している。しかしながら、軽騎兵と口では言いながらその用法は重騎兵的なものが大半であった。

次回は、この辺を踏まえながら、いよいよナポレオンの戦術に入っていきたい。まぁ次回っつっても、その前に最低一回はAOC記事挟むだろうけどな。

マスケット運用の歴史シリーズ5-1 ナポレオンへの道:アメリカ独立戦争と軽歩兵

2011年02月26日 23時42分47秒 | 社会、歴史
ごきげんよう諸君、いかがお過ごしかな。先日から三日三晩風邪薬を飲み続けるという革新的療養によって風邪を克服したかに見えたのだが、なんか今日起きたら頭痛が酷くてナロンエース飲んだ霧島である。結局治ってないのだろうか。腹具合は悪くないんだがな…今年の風邪は長引くってのは毎年言われる事だが、本当に今年は酷い様である。

しかし、ここんとこ国外ニュースはニュージーランドとリビアでもちきりだな。リビア情勢については今度記事にしたいと思っておるが、しかしニュージーランドは酷いな。今回被害に遭った日本人は、会社の命令で行かされてたなんてのは殆どいない。外国語学校とかの、自発的に行ってた連中だ。なので真っ先に思い浮かんだのはよくもまぁ好き好んであんなレイシストの国に行くなであり、被害に遭ったのは一応同胞ながら全く同情が湧いてこなかった。

ただそれ以上に思うのは恥知らずなマスゴミと家族勢と外交官勢である。ねぇどんな気持ち!ねぇどんな気持ち!?についてはもう何も言う事はないし強いて言えば死ねというだけだが、被災地の病院にを取材しようと不法侵入して逮捕されたマスゴミはもっと酷い。「ねぇどんな気持ち」については一応身内同士での話(日本人的な意味で)だが、こっちは世界に恥を晒した訳だからな。腹を切って死ねならぬ切腹も許されぬ打ち首である。

又、被害者家族とそれを支援する外交官も何を考えておるのか全く判らん。被災地にゾロゾロ出向いていくなど正気の沙汰ではない。ただでさえ救助活動の邪魔になるというのに、まだ余震は続いておるのだ。そうでなくとも、見た感じちゃんと建ってる建物でも倒壊一歩手前で踏みとどまってるだけというのは往々にしてあるのであり、暢気に被災地見に行った家族の上に運悪く倒れてしまったらどうするのか。それこそ見殺しにされても文句は言えない愚行と言える。心配なのは判るが、家で正座して救出情報を待っておれというのである。

ま、ニュージーランド救援隊が日本人を見捨てたという情報もあるし、それに圧力を加えるという意味でやってるのであればその外交姿勢もありだとは思うがな。一応生存の可能性が見捨てたという事になってるがレイシストの国の言う事だからどこまで本当か判らんし。まぁ、ただ、現在の日本の外交関係者というと、民主党と外務省という売国奴のダブルパンチだから多分そんな深い事考えてないだろうがな。


さて、今回からはいよいよマスケット運用の歴史完結編である。マスケットの運用を完成させたのは勿論ナポレオンだが、その前にいくつか触れておかねばならない事がある。その一つがアメリカ独立戦争だ。この戦争において英軍は、七年戦争後完成の域に達した横隊戦術を可能とするよく訓練された軍隊を投入した。一方、米軍は殆どが民兵、つまり職業軍人でなく武器を取った民衆であり、横隊戦術など望むべくもなかった。しかしながら、米軍の猟兵は猛威を振るい英軍を大いに苦しめた。

このアメリカ軍の猟兵隊の能力を支えた新兵器こそライフル(施条銃)である。これは、銃身に溝を施す技術だ。絵で見た方が判りやすいのでぐぐったらウィキペディア先生のが一番判りやすかった。これをつけることにより、弾丸が回転する。一般的に、ものが飛ぶ時、回転している方が弾道が安定する。ほら、野球の投手が投げる時、ストレートなんかはちゃんと回転してる。しかし、軌道が不安定に曲がるナックルはボールが回転しないように投げる変化球である。これと同じ原理だ。

これを施した銃の命中率は飛躍的に向上し、特に狙撃に向いた武器となった。兵器ではない。武器である。というのも、銃というものはアルクビューズ発明以来、銃身はつんつるてんであった。滑腔銃だった訳だな。それが、ライフリングの発明によって施条銃になったというである。しかし、実は1500年前後には既にライフリングが発明されていた。

にも関わらず、戦場の主役になるのは早めに見積もってもアメリカ独立戦争の頃、つまり発明から350年も後である。しかもそのアメリカも、独立後はマスケットを主力とする欧州型横隊戦術主体の軍隊を編成している。即ち、本当に主流となるのはもっと後の話なのだ。

これは何故かというのを簡単に言うと、ライフルは構造が複雑でどうしても実戦には向かなかった、といったところだ。例えば、変な溝が入っている為銃口から弾を入れようとしてもなかなかと入ってくれないのである。無論時間をかければ入るのだが、とにかく早く装填して早く撃ちたい戦場には不似合いだったのだな。構造が複雑だから量産も難しい。構造が簡単なマスケットですら、規格化されたものが量産されるのはスペイン継承戦争とかそういう時代を待たねばならない。

むしろ、ライフルは狩猟銃として発達した。特にアメリカが有名だな。基本的に狩猟は一発勝負であり、特に猛獣との対決の場合外したら死亡である。装填の早いマスケットでも、一回外してしまったら次発装填などしている時間は無い。その間に距離を詰められ食い殺されてしまう訳だな。故に、装填に多少時間がかかるとしても命中率のいいライフルが好まれたのである。

そしてこのライフルは、前述の通り米軍猟兵の手によって猛威を振るった。アメリカ独立戦争は近代ゲリラ戦の元祖といわれているが、それを体言しているのが猟兵である。猟兵というのは、その名の通り元々猟師だった連中を徴用して兵士としたもの(定義によっては元猟師以外も入る)で、大抵ライフルを持っている。彼らは欧州の軍隊の様に大人数で横隊を組まず、少人数で物陰に隠れ狙撃するという戦闘スタイルをとる。

新大陸の広大な地形は、この戦術を効果的なものとした。障害物がなければ野戦陣地を構築し、保塁の陰から英将校を狙撃する。当時の欧州型軍隊というのは、依然傭兵が多かった。以前テルシオで説明した外国人傭兵を本国人将校が掌握するという形で軍隊が形成されていたのである。この方法は、傭兵というものの利点生かし欠点を補うものである。

傭兵というの利点は、何よりも金さえあればいくらでも数が増やせる事、そして自国民ではない為死んでも国家の損失にならない事である。勿論、訓練された兵隊は国の財産だ。訓練するのには金も時間もかかるからな。しかし、同じ訓練された軍人でも、自国民に比べればその命の価値は羽毛の様に軽い。傭兵が死んでも人口は減らないのだからな。人口が減るとどう大変かは、今の日本を見ればよく判るだろう。

だがその代わり、傭兵は忠誠心に欠けすぐ脱走する。驚くべき事に、世界最高の規律と練度を誇り斜行陣をはじめとする機械的な高速機動すら可能だったプロイセン軍ですら脱走兵なんぞいくらでもいた。元々金の切れ目が縁の切れ目な関係なんだからな、忠誠心など求める方が間違っておる。又、傭兵というのは戦闘のプロというイメージがどうしても強いが、それは基本的にまやかしである。

将校を失って傭兵単独となってしまうと、右往左往するだけの烏合の衆と成り果てる確立が圧倒的に高い。そりゃ確かに歴戦の傭兵なんてのもいるがつい昨日まで農家の三男坊だったって奴だって多いのだからな。又、歴戦の傭兵だからといって戦術を理解してるとは限らん。ちなみに、そうであるからこそアメリカ猟兵の将校狙撃戦法は有効だった。蛇の頭を潰すのと同じだ。

こういう要素を持っているのが一般的な傭兵だ。だから、一般兵という数が必要でよく死ぬ連中を傭兵で構成すれば、死んでも自国の損失にはならないし、金さえあればいくらでも補充できる訳だ。しかしそれだけだとただの烏合の衆になるし、脱走の可能性も高い。そこで、自国民の士官(将校)によって傭兵と言うか一般兵を掌握、指導するのである。「兵をして敵弾よりも将校の鞭を恐れさせよ」との言葉は、この二つの要素を持っているのだ。

故に、横隊戦術というのは傭兵を扱う場合非常に都合の良い戦術であった。特に脱走関連がそうである。横隊戦術では兵隊が整然と並ぶ事が要求され、脱走なんかしたら一発で判る。しかし、猟兵はそうはいかない。猟兵は少人数で物陰に隠れたりするので逃げようと思えばいくらでも逃げられる。傭兵は猟兵に向いていないのだ。勿論向いていない理由はそれだけではない。例えば、猟兵は少人数行動が原則である関係上多くの場合将校、士官の戦闘指導を受けられないので自己の判断が重要となる。又、武器(猟兵ならライフルとか)の扱いも相当洗練されていないければならん。

この点、アメリカ入植者達は猟兵の適性が非常に高かった。彼らは開拓農民であったとしても、彼らは異民族との戦いに手馴れていた。そういう戦いは往々にして少人数戦であり猟兵の行動原則である少人数行動に合致していた。又、猟師は勿論、農民でも害獣退治の必要性から普段から銃には慣れ親しんでいる(ちなみに、アメリカで銃所持が大らかな理由に「『自分で自分を守る権利』の伝統」がよく言われるが、対盗賊だけでなく対害獣という意味での伝統も大きい)。又、アメリカは英軍にとって敵地だが米軍にとってはホームグラウンド、彼らにとっては庭の様なものだ。この条件は自己の判断での行動というものに非常に強く貢献した。

そして、彼らは傭兵と異なり、独立のために戦っている。負けたが最後、イギリスの属国である事が永久に(とまでは言わんが)決定してしまうのだ。だから必死に戦う。傭兵の場合、雇われた国が勝とうが負けようが金さえ払われていればそれでいい。ここが大きく違う。米軍兵士の目的とアメリカという国の目的は同じなのだ。アメリカの目的は独立、即ち勝利。アメリカ人の目的も独立であり勝利。一方、傭兵の目的は金であり勝利ではない。

さて、この辺を強調したからには、判ってる人はもう判ってるだろう。

そう、猟兵は傭兵主体の軍隊では実現不可能なのだ。


まぁ、ここまで色々はしょって単純化した話をしてきたから、結構無茶な部分も多いがな。実際のところアメリカ独立戦争以前にも猟兵はいたし、事実、傭兵主体の軍隊である英軍は米軍の猟兵に対し自らも猟兵を繰り出している。又、この兵種は猟兵という単語のみでくくるべきものではなく、散兵、軽歩兵といった言葉も含めて語られねばならない。これについては、この後の部分で扱うつもりだったのであえて猟兵で通したという事を断っておかねばなるまいな。

さて、今度は重騎兵、軽騎兵、重歩兵、軽歩兵について述べたいのだが、残念だが時間が無い。あと二十分で日付変わるし。ナロンエース飲んで寝てたのが敗因だな…しょうがないので、続きは明日という事で。

AOC攻略記事その14 文明攻略編9

2011年02月25日 19時45分41秒 | AOC
ごきげんよう諸君、いかがお過ごしかな。アイマス2が酷すぎるのを横目で見ている霧島である。残念ながら私はピュア勢即ちドリームクラブ勢であり、アイマス2が爆死しても痛くも痒くもないのだ。しかしながら、似たようなゲームのプレイヤーとして同情を禁じえないところではあるがな。

ちなみに、アイマス2では枕営業情報が飛び交っているが、そういうイベントがあるのも事実である。しかし、プレイヤーがより遭遇しやすい…と言うか何度も遭遇する事になるのは喧嘩イベントの方だ。ゲームで何人かのアイドルでユニットを組むのだが、最初は相性が悪くて喧嘩ばっかりするとかあるのだな。その喧嘩が、ライバル同士どうこうみたいなのでなく女子高におけるいじめみたいな感じのギスギスした生々しい女の腐った様な(ryという訳で、皆さん爆死しておられる。

あと、リストラ勢は新規登場のジャニーズみたいな連中の踏み台にされてそのままフェードアウトらしいので、まだ買ってない兼リストラ勢がメインだった人は絶対に手を出さぬ事を推奨する。ジャニーズ自体は歌とかも悪くない出来なのだがリストラ勢を踏み台にした事で全て台無しである。

ま、私としてはドリクラゼロで受付さんと会話できるという情報を昨日入手したので出来るだけ早く無印を終わらせてドリクラを買いたいところだな。無印は結構やったのだが、まだ何人か終わってないキャラがいるのである。受付さんは、彼女を攻略できたら二個買いくらいならしていいぐらい惚れ込んでおるからな、早く事務的な会話以外も出来るようになりたいものだ。

あと、えぐれとこあやさんの実況動画でも貼っておこう。続きはニコニコで。


そう言えば、リビアはそろそろ首都トリポリも危ないらしいな。しかし、カダフィも天安門の様に叩き潰すって言った割には地味だな。「リビアを作ったのは私だ、リビアを壊すのも私だ」と意気込んでたのに機銃掃射だけ(地対空ミサイルを無理矢理地上に撃ち込んだとも聞いたが)だし。

天安門とか壊すって言うからには民衆の群れにクラスター爆弾あたり撒いてほしいものである。ほら、あれだ。爆弾の中に(対人用だと)百個ぐらいの小さい子爆弾が詰まってて、爆撃機から投下すると空中でその子爆弾ばらまく奴。



こんなの。カダフィ先生には有言実行という事で是非とも汚い花火をあげて頂きたいものである。あと戦車でお煎餅は絶対にやるべきだな、天安門って言ったんだから。


さて、久しぶりの黒い掴みはこれぐらいにして、今回はAOC文明攻略南米以外の最終回、朝鮮である。


朝鮮

文明ボーナス
・町の人の視界+3
・石を切り出す人の作業速度+20%
・塔が無料(自動)でアップグレード
・砲台の研究が無料、但し化学の研究が必要(化学研究完了と同時に砲台建設可能に)
・塔の射程増加 城主の時代+1、帝王の時代+2

チームボーナス
・投石機の射程+1

ユニークテクノロジー
・新機箭:投石機の射程+1、建物へのダメージボーナス+30

ユニークユニット
・戦車→強化戦車
・亀甲船→重装亀甲船


朝鮮にの歴史について真面目に書く気などさらさら無いので、アンサイクロペディアでも引用しておく。


紀元前 言語を話す不思議な熊と壇君という神様らしき者が獣姦。なぜか子供ができる。後の黒葡萄原人という考古学者も認めるヒトモドキの誕生である。

~10世紀 中国人と日本人に敗北を続ける、何度も滅亡
11世紀 内紛により自滅
12世紀 中国人にコテンパンに敗北する
13世紀 内紛により日本人に叩きのめされる
14世紀 内紛により自滅
11世紀 中国人に徹底的に壊滅させられる
12世紀 内紛により自滅
13世紀 モンゴル人に完膚無きまでに敗北する
14世紀 内紛により自滅
15世紀 内紛により自滅
16世紀 日本人に全土を焼土にされる
17世紀 女真族に負ける、土下座して属国化
18世紀 内紛により自滅
19世紀 ロシア人に内部から乗っ取られ


まぁあと、AOE(AOCではなく、初代エイジオブエンパイア)に朝鮮が入った経緯を2chから。めんどくさいので検証などしておらん。朝鮮にそんな手間かけられるか。AOCのゲーム中の、朝鮮という文明の性能の話ならともかく。


ゲームになるが、マイクロソフトの「AoE(エイジオブエンパイア)」での有名な話。

基本セットには、朝鮮は入って無かったんだそうだ。
そしたら、どこぞの国の連中から、どえらい抗議が来たらしい。
「なんで日本が入ってるのに、ウリナラは入っていないニダ!」

仕方なく、急遽追加セットに当時の史実にほぼ基づいた実力の朝鮮を入れることに。
すると、再抗議。
「売りなら自慢の亀甲船はこんなに弱く無いニダ! 最強ニダ! ついでに日本海では無く東海ニダ!」

結局、マイクロソフトは「史実に基づいて修正しました」というパッチを開発せざるをえなかったそうで(苦藁
ちなみに、パッチを当てた朝鮮軍はマジで最強だとか。
あの国の人間以外が、自粛して使わないくらい強過ぎるんだと。

でまあ、例のネット上でのマナーの悪さといい、その自粛されてる朝鮮軍を使うところといい、ネット世界でもウリナラは嫌われて行くのでありました‥‥‥

以上、旧ハン板とネトゲ板で見た話。



さて、ではゲーム中の話である。

この文明は、ボーナスを見て判るとおり塔&砲台+投石器文明という特殊文明の中でも特に特殊な文明である。ケルトは特殊文明に入れた方がいいかなとか最近思い始めたのだが、あの文明が強いのは攻城兵器、つまり包囲攻撃訓練所で作れるユニット全般(+遠投)だ。しかし朝鮮は投石器だけ強いので、似ている様で全然違うのだ。

まず注目すべきは、その投石器の射程延伸ボーナスである。元々破城投石は強力なユニットだ。防御力をフル強化した槍兵(勿論矛が理想)が壁として必須であり、投石自体のアップグレードコストも結構必要、更に手動操作しないと何をしでかすか判らないとなかなか実用は難しいが、朝鮮投石はちゃんと運用できれば大砲山盛り以外の軍勢を制圧できる。

朝鮮投石が他の文明と違うのは、射程が2長い(チームボーナスで+1、固有技術で+1)というところである。たかが2と思うかもしれないがこれが結構馬鹿にできない。破城投石は元々射程8なので合わせて10になる訳だが、射程10というと小手が研究できない文明の城の最長射程である。朝鮮投石を使った事のない人は城が動きながらぼふっぼふっぼふっと石を投げてくるという状況をイメージしてみると判りやすいかもしれん。

そう考えると、何か強そうな気がしてくる筈だ。実際、朝鮮の槍投石は、敵軍隊が大砲山盛り以外なら制圧できる。歩兵は槍で止めてる間に槍ごとぺたーん、射撃兵はそのままぺたーん。そして驚くべき事に、その超射程のおかげで騎士やハサーすら刺してる間にぺーたんできるのだ。勿論刺せるだけの数と操作が必要な訳だが、そこは頑張って用意しよう。

ただ大砲だけは射程で思い切り負けておる(向こうは12)ので、投石とほぼ同数揃えられてしまうとどうしようもない。しかしながら、生産コストを考えてみよう。こっちは投石一個につき木160金135、向こうは大砲一門につき木225金225。つまり、こっちが投石10個なら木1600金1350だが、それに対抗して向こうが大砲10門揃えたら木2250金2250な訳で、しかも大砲護衛用の兵隊がプラスして必要である。相手がこれだけの資源を軍隊に割けるって事は相当内政に差がついてるって事だ。

そもそも負けが見えてる試合である。

また、大砲は兵隊を殺せないが投石は兵隊を殺せる。なので、よしんば大砲でこちらの投石を全て割っても、それまでにこちらの投石が敵の護衛兵をほとんどブチ殺しておる為、大砲も矛槍の餌食になるだけだ。ハイパーラグ空間であるvooblyだったら大砲が投石でぺったんされる可能性すらあるし。

まぁ実際のところ、大砲山盛りというのはあまり現実味のない話だ。むしろハサーや近衛騎士が大挙して襲ってくる場合の方が多いのである。これは勿論槍で迎撃し、槍が止めている間にぺったんする訳だが、歩兵と違って足が遅いため回り込まれて終了の可能性が高い。しかもvooblyはラグ空間だから「マズイ!」と思った時には手遅れという事が多々ある。しかしながら、ラグってるのは向こうも同じ。軍隊のCPUに頼らず、手動で動かして迎撃するのだ。

一方、投石以外の軍隊に目を向けてみよう。

非常に意外なのは、射撃兵が充実しているところである。まぁAOEシリーズの朝鮮は基本的に捏造歴史でできているのでそんな驚く事でもないかもしれんが、射手育成所で研究できないのはパルティアンだけ。砲撃手も作る事ができる。又、化学つながりでいうと砲台、大砲も作れる。

実は、投石は攻城兵器なのに建物に弱い。建物に弱いと言うと語弊があるか。要するに城とか砲台に弱いのである。射程は向こうの方が上なので、投石でこれらの建物を攻める場合、向こうの攻撃を食らいながら石を投げなければならない。特に砲台は苦手で一撃で投石が割れる攻撃力を誇ってるから手がつけられないのだ。

一応朝鮮投石なら、新機箭を研究しておけば建物に対するボーナスも増え(基本攻撃力75+通常の対建物ボーナス60+新機箭の対建物ボーナス30=基本ダメージ165)射程もかなり延びるので、投石の数を揃えれば頑張れない事はない。しかしそれでも城は堅いし砲台は痛い。なので、大砲という優秀な攻城兵器があるというのは大変心強いのである。尚、対城or砲台に破城槌を使わない様に。ただでさえ改良までしかいかない上、投石器のダメージは敵味方を区別しないから味方の投げた石で破城槌が割れるという事態に陥る。

又、砲台が作れる、と言うか強い(何せ研究コスト0だ)というのも心強い要素である。塔のアップグレード無料ってのは正直TRぐらいでしか意味がないが、こちらは大いに意味がある。自軍を守る核の傘的な使い方(特に朝鮮は投石が主力なので、投石を割ろうと闖入してくる敵を自動迎撃する砲台は心強い)もできるし、投石を軍隊の主力に据える様な状態にない場合大砲+砲撃手+槍+砲台という帝王編成を行う事も可能になるのだ。又、研究が不要であり、建設に必要なのは石なのでどんな兵隊とも必要な資源が被らない(強いて言えば間接的に戦車と被るか)というのも大きい。

さて、今までやたらと槍を肉の壁にしてきた(まぁ実際、槍には馬を刺す以外だと金ユニの代わりに死ぬ簡単なお仕事ぐらいしかやる事ないからな)訳だが、その槍はちゃんと矛槍まで上がる。と言うか、実は戦士育成所も全ての研究が可能だ。ただ高温溶鉱炉(鉄工所の歩騎攻撃力上昇最終)が無い為、近衛剣士にパンチ力が無いのが気になるところではある。

とは言えまぁ、朝鮮の金ユニは基本的に砲撃手と投石の二択になる。両方とも射程兵(器)だから、歩兵に求められる役割は肉壁だ。肉壁に攻撃力など求めてない。問題になるとすれば対馬戦だが、対馬において槍(肉壁にするなら槍だ)の素の攻撃力は全く重要でないから関係ない。そんな訳で大きな問題にはならない訳だ。近衛剣士が有効なハスカール流しやイーグル流しに対しても、朝鮮なら砲撃手量産で対抗できるからな。

問題は、騎兵育成所の皆さんである。斥候系はハサーまでいくのだが、騎士は重騎士まで。そして最大の問題は血統もなければ騎馬用甲冑もないという事である。ちなみに高温溶鉱炉もないので日本とかよりもかなり酷い。前衛ならそもそも使わなければいいだけだが、後衛だとそうはいかない。基本的に即城して騎士を出さなければいけない訳だからな、このゲームの後衛は。

ただ救いなのは、内政ボーナスとして石堀が速くなるボーナスがついているところである。石を掘るのが速いという事は後衛直において対後衛のTRをしかけやすいという事だ。しかも塔が自動でアップグレードするおまけつき。なので、朝鮮ならば積極的に後衛直を仕掛けていってもいいだろう。塔で制圧→城主IN→塔が強化で制圧具合上昇→あれー、内政ボーナスのせいかなー。城建てられるやー(棒→糸冬

逆に前衛になった場合、内政ボーナスが石堀しか無い為速攻は苦手である。特に相手がモンゴル等の速攻文明だと苦しい。ただ、戦士育成所と射手育成所の兵隊は大体作れるから、基本となる領主戦術は使える。槍散、弓R、籠弓だな。内政ボーナスは弱いから軍兵系はナシ、斥候Rも苦手な部類か。

ま、その、なんだ。

TR強いよ。

死ねって言われても知らないけど。

ARMORED CORE NEXUSは何故クソゲーか 後編

2011年02月23日 17時47分36秒 | アニメ、ゲーム、映画等
ごきげんよう諸君。いかがお過ごしかな。昨日の記事を投稿してからなんか気持ち悪くなって続きを書いてた霧島である。どうやら、未完成の記事をそのままほうっておくというのはどうにも私の性分に合わないらしい。まぁ、そういう性格でもなければ八割がた一万字超えの日誌なんか書いてないって事なんだろうがな。

ちなみに、昨日の分を投稿した時点で実は一万一千字ぐらい書いておった。それを書くのにかかった時間が大体五時間。どうも、私が連続して文章を書けるのは四~五時間が限界らしく、それを超えると著しく文章の質が落ちるのである。だから質を保ちたければそこで切り上げて次の日にまわすのが賢明なのだが…うーん、難しいな。諸君は

1:多少中途半端な内容でも毎日(とまでは言わないがコンスタントに)更新される
2:多少更新日時があいても質の高い内容を更新する

どっちがいいんだろうか? 私はこれからは1でいくと言ったが、どうにも又悩み始めた。

あと、なんか今日は面白いニュースが多いので張っておく。ミクシでもつぶやいたがな。


【中東革命】産油世界一のサウジアラビアでもデモ発生し、死者。世界的オイルショック突入か
天 安 門 バ ー ス ト !! しかしブラックアフリカに波及しないな。アフリカ情勢はよく知らないんだが、ホワイトアフリカとブラックアフリカじゃやっぱり明確に違うらしい。

【リビア】傭兵が病院を襲撃、負傷者を殺害中
まぁ傭兵なんて大体こんなもんである。いい意味でプロの傭兵は、今も昔も探さないといないからな。探してみつかる保障もないぐらいの数だ。

【ニュージーランド地震】建物の中に日本人15人の生存者を発見するも救出活動を停止
カダフィが一般市民を戦車でお煎餅にする事を宣言する一方、日本は小沢処分の会議ばっかりやって日本人を見殺しにしていた。しかしニュージーランドはレイシストの国だからな、この公式発表も何処まで本当だか信用できん。



さて、本題にいこう。前回では、熱関係の仕様変更により、回避しようとブーストを吹かせば吹かすほど度つぼにハマるという話をした。結果、回避を捨て去った重量機が強すぎるという状態になった、という事だな。ちなみにここでいう重量機はタンク脚の事である。他の重量脚(例えば重量二脚や重四脚)は装甲の厚い機体とは言え弾速の遅い攻撃なら充分避けられる程度の機動性はあり、又、回避を捨て去ると即スクラップな程度の装甲なのだ。

しかし、タンクはジャンプもブーストもできない(と言うと語弊があるのだが)という、本気で回避を捨て去った仕様である。ブースターは一応ついているが内臓のみで浮くという行為しかできないのだ。この為、タンクで回避しようとする場合浮く→落ちるというそれは回避なのかみたいな動きぐらいしかやる事がない。

しかしその分装甲と積載は非常に優れており、ガチガチに装甲を固めたタンク、通称ガチタン動く要塞と化すほどである。では、そんなタンク一強時代の何が問題なのか?

元々、ACというのはそんなにバランスの良いゲームではない。大抵の対戦格闘ゲームに壊れキャラがいるところから判る通り、バランス調整というのは難しい(アークとかアークとかアークは何を考えてるのかみたいな調整も多いが。後SNKプレイモア)。しかもACの場合大量にあるパーツから機体を組み上げるのだから製作側が予想もしなかった物体が誕生する可能性は極めて高い訳である。だからどうしたって悪バランスゲーが増える訳だ。実際、ネクサスの前作3SLでは軽量(と言うか機動性重視)な機体が強く、重量機は弱かった。しかしながら、今回は重量機が強い事が問題なのではない。

タンクだけが強いのが問題なのだ。

これは非常に大きな問題としてこのゲームにのしかかるのである。例えば、ほとんどの人は知らないで買ってるだろうが、ACシリーズは基本的にすべてハイスピードロボットアクションというジャンルである。ジャンルを知らずとも、このゲームのOPは、ロボットが物凄い勢いで飛び回る内容になっている。


※リンクしか見えないならこっち

これだ。そんなゲームのバランスが、高機動機が強すぎて壊れてるのと重量機が強すぎて壊れてるの、プレイヤーにとってどっちがマシかと言えば圧倒的に前者な訳である。本来回避しながら撃ち合うゲームなのだから、その回避を捨てたタンクはある程度リスクを抱えていて当然なのだ。なのにノーリスクになったのだな。

しかも、今作でタンクが強いのは、タンクの性能が高すぎるからとかそういう理由ではない。ネクサスのタンクが強いのはネクサスという世界ではタンクが正義だからである。だって、ブースト吹かして回避しようとしたら熱仕様でヤバいんだからな。ネクサスという爆熱管理シミュレーションの世界では、回避しないのが正義(いやまぁネクサスのタンクでも最低限の回避はするんだが)であり、そうであるなら当然タンク脚が正義なのである。


そして、この問題はゲームの根幹にまで関わってくる。というのも、タンク脚というのはここのAC3とかここの2008/08/13とかここの下の写真みたいな奴である。そう、半分戦車なのだ。

ロボットものにおいて、戦車や飛行機を(ヤラレメカでなく)真面目に扱う場合、注意しなければならないのは強くしすぎてはならないという事である。何故ならば、巨大二足歩行ロボットというのはどんなに色々設定をくっつけてみたところで実際には使い物にならないのであって、ファンタジーの産物なのである。そこに、現実の産物である戦車が物凄く強いものとして出てくるとどうなるか。

そう。

じゃあ戦車でいいじゃんになってしまうのである。

しかも、ACの場合ロボットこそ地上最強兵器という設定のゲームである。リングオブレッドの甲脚砲やパトレイバーのレイバーとは違う。あいつらは特殊な条件下なら戦車よりも活躍できるという設定で出てきてるのだ。例えば前者は山しかない日本とかぐらいでしか使わないって設定だし、日本の上空は飛行機を飛ばしてはいけないという設定もある。平地で戦車と撃ち合えばロボットは戦車に勝てない、そういう設定にちゃんとなっているのである。

しかしながら、アーマードコアの場合はそうではない。ACの世界においてはAC以外の兵器はゴミクズである。それでもAC以外の兵器(戦車、軍用飛行機、それに下級ACみたいなもんのMT)が存在しているのは、ACばっかだと高価すぎて数が揃えられないとかそっちの問題が主である。本当なら軍隊はACで統一したい、それぐらいACが強い世界なのだ。

そうでないとレイヴンの存在価値までなくなる。あの世界では、ACを使う者の殆ど全てが「レイヴン」と呼ばれる傭兵である。各企業(ACシリーズは初代~2、3、ネクサス~ラストレイヴン、4と全て世界観が違うが国家が崩壊して企業が世界を統治しているとか4以外基本は一緒)の軍隊は、ただの警備部隊かさもなくば虎の子の精鋭部隊である。

企業は、国家とは違い純粋に損得のみで動く。

以前、西欧封建時代の軍隊の話をしたな。封建時代では自国の軍隊を作るのが難しい。そこで、戦争する時は戦争企業家とか傭兵隊長とか呼ばれる連中に金を払って傭兵を雇う。そして戦争が終わったらそいつらを解雇する。これには利点があって、こうすると自国の軍隊を作って維持するより金がかからないのである。企業にとって何より大事なのは損得勘定だから、何か軍事力が必要になった時はレイヴンを使うのだ。

勿論、企業直属の軍隊にはAC乗りもいる。例えばネクサスには、クレスト社直属のアグラーヤというAC乗り(レイヴンはあくまでAC乗りの傭兵の事で、アグラーヤは傭兵ではないのでレイヴンではない)が出てくる。が、虎の子の戦力をすり潰したくないから、余程の事がない限り投入はしない。社運をかけた戦いみたいな時以外はな。

故に、地上最強の兵器であるACを駆るレイヴンは戦場の華となったのだ。だからこそこんなPVだって作られたのだ(これはLRだけど)。そもそもレイヴンが存在しないfAとFF以外のすべての主人公がレイヴンである。こういう世界観は、ACが地上最強の兵器だからこそ成り立つものだ。

だからこそ、LRの「最後のレイヴン」なんてのだって格好がつくのである。歴代のストーリーだって、たった一人のレイヴンが「イレギュラー」と呼ばれるほどの存在になり、歴史を大きく変えてしまうというのばかりだ。2の主人公は一人で世界規模のクーデターを鎮圧するし、初代と3では世界の運行を管理するコンピュータを破壊して人類を自由という地平へ解き放った

それが、戦車でいいじゃんになったら何もかも吹っ飛ぶのだ。

私は、ネクサスで多くのプレイヤーが去っていったのはこれが主原因だと思う。ロボットゲームでロボットを否定して面白い訳がないのだ。ロボットという嘘をついたのだから、その嘘をつき通して貰わないと困るのである。以前も言ったがリアルとリアルっぽいは違うのだ。

リアルを突き詰めればロボットがいらなくなるのは当然であり、結果としてネクサスみたいになってしまう。我々ロボットゲーマーが求めていたのではリアルではない。リアルっぽいファンタジーなのだ。ロボットという夢を見せておいて、その夢からプレイヤーを覚ましてしまっては何の意味も無い。それが目的のゲームなら話は別だが(ガンダムで言えばターンエーとか)。


しかも、このロボットというファンタジーを否定する調整はこれだけではない。例えばブレードの改悪である。ロボットというファンタジーにおいて、剣というのはやはり人気があるものだ。それは、例えばガンダムを見ればよくわかる。種や00といった近作を叩き、0083やイグルーといったえせミリタリーを信奉する連中ほど格闘戦特化というリアルから最もかけ離れた機体を愛しているのが現実だからな。初代のグフとか08のグフ・カスタムとか。

実際、ACシリーズでもブレードは人気の高い武器であった。強力なブレードを主力にする剣豪は一種の戦闘スタイルとして確立されていたほどである。このブレードは、空中で振ると敵に向かってホーミング軌道を描くブレードホーミングという機能がついていた。ぶっちゃけ、これが無いとあたらない。

まぁ当たり前だがな。高速の機体ともなれば通常ブーストで時速450km以上、OBを使えば800km以上出るゲームだ。前後左右上下+旋回だけの単純機動で剣なぞ当たる筈が無いのだ。んでじゃあ、ブレードが滅茶苦茶強かったかと言えばそういう訳でもなく、一回の試合に当たって3、4回であった。だから威力も高かったのである。

しかしながら、ネクサスになって全ては変わった。プロデューサー鍋島のブレードwwww厨2wwwプゲラッチョwwwwwという台詞(を言ったかどうかは知らんが)によりブレードホーミングが無くなったのである。空中でブレードを使うとその場で振るのだ。ステップという急接近手段のあるガンダムvsガンダムですら格闘には誘導があるというのに、ACでこんなもん当たる訳が無い。しかも威力が下がった為もし仮に当たったとしてもあんまり意味がない。

ロボットというファンタジーにおいて、格闘戦闘というのは非常に重要だからな。格闘戦を否定して、よりリアルっぽいを追求するならばそれでも良かったのだが、ネクサスではリアルを追求してしまった為、ロボットそのものの否定に繋がってしまったのである。


又、ゲーム全体に手抜き感が見られるのも大きなクソゲー要素だろう。まぁ一番判りやすいのは、ミッション開始直後、操作が可能になる前どころか計器類もまだ表示されてないのに敵の攻撃が飛んできて大損害という現象だろうがこれは置いておいてだな。

例えば、チューンというのが今回から導入された。プレイヤーはパーツを購入した後、規定のいくつかのパラメータを伸ばせるというシステムである。例えば腕部パーツの場合、重量、冷却性能、実弾防御、EN防御、照準性能のどれか(複数選択可)をチューンできる。重量を弄れば軽くなるといった具合だな。これにより、例えば「あと重量1で重量過多じゃなくなるのに!」という時に、重量をちょこっとだけ弄れば重量過多が解消される、といった具合で機体を組む事が可能になった。

が、だ。

このチューン、金がかかる。まぁそれはいい。しかしやりなおす事すらできないのである。一度チューンしてしまったらそれで終わりなのだ。しかも、このゲームでは(まぁシリーズ全部そうなんだが)パーツは一種類につき一個しか持てない。つまり、チューンしてみてその結果が気に入らなかった場合いったんショップに行って売ってから買いなおさないといけないのである。しかも買いなおしてから又チューンするのにも金がかかる上、チューンしたパーツは中古扱いになるので真面目に機体を組んでると金がいくらあっても足りないという事態に直面する。

こういった、新要素(もしくは仕様変更)が思いつきでやっただけとしか言えないぐらい適当なのである。件の爆熱仕様も、はっきり言って適当である。多くの場合チューンは冷却性能全振りになってしまう辺りにもそれは現れている。ブースターすら、ブースト時発熱に全振り(この項目をチューンするとブーストを吹かした時の発熱が減る)しなきゃならないものがあるご時世だからな。

そしてその「思いつきでやっただけの新要素」の最たるものがシナリオ分岐である。

元々、アーマードコアネクサスの売り文句はアーマードコア、新生その意思が、全てを変えるであった。ネクサスが発売された時期というのは、今まで日陰者に限りなく近かったACシリーズが盛り上がってきて一般ゲーマーにも認知され始めた時期であり、又、アニメ化決定(まぁ製作会社が夜逃げしたというあたりネクサスだな)、初のプラモデル化決定が重なっていた。それに加えてこの売り文句だった訳である。

そしてこの二つの文句の後半こそ、シナリオ分岐システムを象徴する言葉だったと言えよう。では、実際に搭載された分岐システムはどの様なものだったのだろうか。それは一言で表してしまえばその意思が、特に何かを変える訳ではないに尽きると言えよう。

シナリオは、確かに分岐があるにはあると言える。しかしながらそれはシナリオ分岐システムと言えるほどのものではない。だって、考えてもみたまえよ。シナリオ分岐というのは、例えばエンディングが複数あるだとか、選択肢によっては大幅に話が変わってしまうという、言ってみればairとかfateみたいなエロゲみたいなものを言う筈だ。しかしながらこのゲームの分岐は、ミッションに失敗するとやりなおしミッションが出るだとか、敵の撃破数に応じて次のミッションの敵の数が変わるとかそれだけである。

ん、ああ、マルチエンディングか。そう言えばそれに近いものあったな。このゲームは終盤になると、ナービス社が発掘した旧世代兵器というのがキーワードになる。ACシリーズのご多分に漏れず、ネクサスも、かつて高度に発展した文明があってそれが大戦争とかで一回崩壊した後の世界だ。なので、旧世代の兵器には非常に大きな価値があるし、鬼の様に強い。そして仮に暴走でもしたらえらい騒ぎになる。

で、実際に暴走する。特攻兵器と呼ばれる自律機動ミサイル(ガガみたいなもんだな)が特に危険で、軍隊も街も何もなくなるまでひたすら降り注ぐのである。ゲーム終盤、一人勝ち状態になったミラージュ社が悠々と旧世代兵器を回収しようとしてこれの襲撃を受け壊滅。で、ラストミッションの「旧世代兵器起動阻止」というのが出る。んで、これに成功すると画面が暗転。いきなりどこかのビルの屋上に移動する。

で、オペレーターの「間に合わなかった!?」の声と共に降り注ぐ特攻兵器を必死に迎撃してると段々画面が暗くなってスタッフロールになりEND。それから、ラストミッションに失敗すると、例のミラージュ社の部隊が砂漠を行進するムービーが流れてEND。ラストミッションの一個前に失敗すると、エヴァンジェ(主人公のライバルみたいなもん)のACが敵MTとひたすら撃ち合うムービーが流れてEND。












ほら、マルチエンドでしょう?





とまぁ、本来この画像が狙ってたのとは全然違う意味でプレイヤーが様子おかしくなった訳である。しかもまぁ、これ以外にも酷いところがまだまだあるというのがさすがネクソスみたいな感じになっておる。ただ、ある意味一番酷いのは一応ゲームとして遊べるというところであろう。

そもそもバグだらけでゲームにならない、みたいなのを近年ではクソゲーと呼ぶ様だが、そういう意味ではこのゲームはクソゲーではない。勿論バランスは大崩壊だし(正直に言って最悪と叩かれまくったSLより悪い。SLは禁止すればいい凶悪パーツが判りやすくレギュレーションを簡単に作れたが、ネクサスは禁止にすべきか困るものが多い為レギュが統一しにくく、対戦が成り立たない)、クソはクソだがゲームとしてできなくはないのである。

しかも、これはコメント欄にも書いたがACみたいなゲームはACしか存在しない。色んなパーツからロボットを組み上げてアクションゲームをやるというゲームは、ACしかなかったのである(一応Jフェニックスというのがあるにはあるが)。この為、ACファンは他のゲームに流れる訳にもいかず、又、バグだらけのゲームという訳ではないから希望も捨てられずエンドレスワルツを踊る事になったのである。

ARMORED CORE NEXUSは何故クソゲーか 前編

2011年02月22日 21時37分02秒 | アニメ、ゲーム、映画等
[政治] 猪瀬直樹「コミケは祝祭空間だから都条例の対象とならない。変態同人誌を売買しまくってもいいよ」色々言いたい事はあるが、一つだけ言う事にする。祝祭空間だから何でもアリという事は祭の古式に則り公共の場所で乱交パーティーしてもいいという事だな?

とまぁ、ごきげんよう諸君、いかがお過ごしかな。相変わらず風邪の霧島である。世の中には「風邪はうつせば治る」という迷信がある訳だが、うつした本人はうつした瞬間治った上にすぐ旅行に出てしまってテメェこの野郎な感じである。私も風邪だというのに病院の為に横浜に逝く(誤字でない結果になった)事になり、本当に酷い目に遭った。

お陰で、毎日繋いでいたボイスチャットにもここんところ全く繋いでおらん。一日だけちょっと回復した日があったから繋いだが、その翌日の京都に帰る日には一気に悪化し、家に着いたら比喩でなくぶっ倒れた。この間のバイキングの記事など、本当によく投稿できたものだと自分で自分に感心するレベルである。しかしこの間の飛騨高山(古河)といい、最近旅行と言うと酷い目に遭ってる気がする。


さて、この間言った通り、最近ACにまたちょっとハマっておる。先日AC3Pの隠しパーツコンプリートを完了したので、SLPにデータコンバートした。又ランクSを延々取り続ける作業である。剣豪機以外にも、軽めの重二にガチガチの装甲外装をつけてライフルで削りあいを挑むという初代PSシリーズみたいな大変時代遅れの機体を組んだりして楽しんでおる。

まぁそれはいいとしてだ。以前から言っておる通り、アーマード・コアシリーズには暗黒期があった。と言うか最近まで暗黒期だった。それはもう暗黒期阪神みたいな暗黒具合で(ちなみに暗黒期阪神はあまりに暗黒すぎてエイプリルフール企画で阪神優勝会見とかしてた。正直今の横浜はまだましだと思う。広島っていう絶対に浮上しなさそうな球団あるし)、我々ACファンは

新作が出る→買う→今度こそフロムは駄目だと思う→新作が出る→ついつい買う→今度こそフロムは駄目だと思う→新作が出る→買わないつもりだったのについつい→今度こそ(ry

というエンドレスワルツを踊り続けたのである。この酷い状態はネクサス、ナインブレイカー、フォーミュラフロント(PSP)、ラストレイヴン、4と実に五作品に渡って暗黒の時代が続いた。本当に泣ける話である。まぁ4は後期verで対人戦限定なら良ゲーとして復帰できたんだが、それを言うと最新作fAも前期verの対人戦は暗黒の極み(何せ4の後期verで解決してたバグとかが再発してゲームにならなかった。私がfAを手抜き発売と言ってるのはこの辺にも理由がある)だから六作品連続暗黒期という事になってしまう。

そんなAC暗黒期の産みの親こそ現プロデューサー鍋島であり、5も鍋島という事で私は今から不安でいっぱいなのだが(情報はこちら)、取り敢えずスレでも言われている通りアーマードミッションエボルヴ完全版だと思って待つ事にする。私は基本一匹狼だからこの手のシステムには絶対馴染めないとは思うがな。

まぁそれは置いておいて、このAC暗黒期第一作ネクサスこそ、私の第二次AC引退を確定させた作品であった。ちなみに一回目の引退はクソゲーに当たったとかじゃなくてそこまでハマらなかったからやらなくなったというだけであり、一方この第二次引退はハマりきっていた熱を一気に冷ましたという点で全く異なる。

何せ、あの時期は私の周囲四人でACにハマっており、結局一度きりとなったが私の家で対戦会まで開いたのである。にも関わらず、ネクサスが出たせいで一人を除いて全員引退してしまったのである。その残った一人も初代から一作も漏らさずやってた人物でやめるにやめられなかったという事情があったのである。

このネクソスだとかネタサスだとか言われるクソゲーが、いかにしてクソゲーとなったのか。何処がどうクソゲーだったのか。今回はその辺を考えてみたいと思う。ちなみにマスケット運用の歴史だが、AOC記事を挟んで次回の記事でやる予定だ。毎回毎回真面目な記事ばっかりでは読者諸君も疲れるだろうという考えである。


さて、以前から言及している事ではあるものの、まずはアーマード・コアというゲームがどういうゲームか述べる。まず、プレイヤーはACと呼ばれるロボットを組み上げる。例えば頭、胴体、腕、脚といった外装パーツによって機体の大まかな機動性や頑丈さ(重いパーツで組めば遅いが堅い、といった具合)が決まるし、両腕と両肩に装備する武器によって大体の戦闘スタイルが決まる(スナイパーライフル装備なら遠距離からぺちぺちする機体だし、マシンガン装備なら近距離で撃ち合う機体になる)。

ただ、このゲームが上級者向けでかつ難しい(そして面白い)のは、単純にこれらの要因だけでは話が決まらないところにある。例えば、普通、重量機(重いパーツで組んだ機体)は機動性に劣る。しかし、高出力のブースターをつければ重量機なのに結構速いという機体が出来上がるのである。

なら必ず高出力ブースターをつければいいのかというとそうでもなく、重量パーツというのは大抵燃費が悪い上に高出力ブースターは輪をかけて燃費が悪い為最高速度は高いが息切れが早い総合的な機動性には劣るという具合に出来上がる。

又、エネルギー兵器(レーザーライフルとかプラズマキャノン)を使う時に消費するエネルギーは、ブースターを吹かすのに使うエネルギーと共用なので、重量機+高出力ブースター+EN兵器とかやると(重量機にしてはだが)最高速度は高いのにまるで動けないという謎の機体が誕生したりするのである。

これは勿論極端な例で、重量パーツの中でも低燃費なパーツを選んだり高出力なジェネレータを積んだりする事によって、EN兵器の実用が可能な重量機を組み上げる事も可能だ。このゲームのAC(ロボ)組み上げは、こういった色々な要素を吟味しながらやるものなのである。だからこそ初心者お断りになってしまう訳だ。

初心者は、正直言って重量ぐらいしか見ない(見れない)からな。各パーツには重量というものが設定されていて、基本的に重いものほど性能が高い。外装なら重い方が装甲厚いしAP(HPの事)も高い、武器なら重い方が攻撃力も高いし弾数も多い、そんな具合である。そして、脚部には脚部最大積載量という項目がある。これは上半身パーツの重量合計がこの数値になるまで載せられるというものである。

上半身とは、脚部以外のすべてのパーツである。頭とか腕とか、武器とかブースターとかだな。それらの合計が脚部最大積載を超えていると重量過多になり、機動性が大幅に落ち込む(3以降。2AA以前はそもそも出撃すらできない)のだ。だから脚部選びというのがこのゲームでは大変重要になる。

脚部には二脚、逆関節、四脚、タンクの四種類があり、更にそれぞれ軽量、中量、重量の三種類に分かれる。まぁそれは置いといて、二脚は普通の性能。逆間接は燃費が良く、旋回性能やジャンプ力など機動戦関係の性能が良好だが脆く積載量が少ない。四脚は、二脚と逆関節では制限のあるキャノンを(地上でのみだが)撃てる上機動性の高い、高機動高火力の脚部。但し燃費が死ぬほど悪いのが矛盾してる。タンクは機動性が完全に死んでるものの積載量と装甲が圧倒的で、キャノンも制限なしに撃ち放題…といった具合だ。

ほら、この時点でクラクラしてくるだろう?正直、初心者に「各パーツのすべての項目を吟味した上でACを組み上げろ」なんて言うのはモヒカンに「ラオウに勝て」と言う様なものである。今私がやってるのは3SLだが、この作品で設定された項目の種類が一番多い脚部なんか

AP
重量
稼動時消費EN
待機時消費EN
脚部最大積載量
実弾防御
EN防御
冷却性能
移動性能
旋回性能
ブレーキ性能
着地時安定性能
被弾時安定性能
ジャンプ性能
ブースト出力(タンクとフロートのみ)
ブースト時消費EN(同上)

こんなんだからな。できるかボケ。だからまぁ、初心者は重量(とパーツの解説文。「安定した性能を持つクレストの傑作」「放熱効率を重視した長期戦型」とか)を見て組み、上級者はすべての項目を吟味する、そんな二段構えなのだ。そして、初心者のそんな組み方でも対CPU戦ならそこそこ戦える機体を組めるという絶妙のバランス、これが揃う事によってACは傑作シリーズと呼ばれたのである。

で、こうしてガレージで自分の機体を組み上げたら出撃である。このゲームは主に三つの戦闘要素があり、それがミッション、アリーナ、対人戦だ。ミッションとアリーナが一人用だな。

ミッションによって話が進むので、まぁ言ってみればミッションがストーリーモードみたいなもんなんだが、ストーリーに関してはふいんき(何故か変換できない)を楽しんでください以上のものではないのではないかと言われると結構辛いものがある。おおまかな流れ自体は嫌いじゃないものも多いんだがな、私個人は。3とか。

まぁそれは置いておいて、以前も話したかもしれんが、ゲーム性という意味で一番重要なのは赤字になる場合もあるという事である。ミッションでは、勿論雇い主から報酬が支払われる。しかし機体の修理費と弾薬費は自腹が原則(そうでない場合も稀にある)である為、ACをボコボコにされてしまったりすると修理費+弾薬費が報酬額を上回る場合がある訳である。

ここで面白いのは、パーツの値段と弾薬費だ。このゲームでは、安い分明らかに弱いパーツというのもある。しかしながら、修理費というのはダメージの割合以外にACの値段も関係する。簡単に言えば高価なパーツで組んだ機体は修理費が高いのである。なので、ミッションにおいては安かろう悪かろうも充分長所となりうるのである。

又、武器にはそれぞれ一発ごとの弾薬費というものが設定されている。これが高い武器というのは、当然ミッションでは使いにくい。撃てば撃つ程報酬が減るからな。一発ごとが安くても、大量に弾をバラまくマシンガンなどは結果的に高くつく。この様に、ミッションではただ性能が高ければいいってものではないという、AC独特のゲーム感覚を楽しむ事ができるのだ。

一方、アリーナはひたすらACと戦うだけで、弾薬費も修理費もタダなので性能第一だ。家庭用格闘ゲームでいうvsCPUモードというと判りやすいか。対人戦はそのまんま対人戦だな。


さて、まぁこんなもんか。それでは、いよいよ何故ネクサスがクソゲーだったかという本題に移ろうと思う。

一般的に、ネクサスが何故クソゲーかと問われて返ってくる答えは熱管理シミュレーションだからとか爆熱というものである。この熱というのは、初代PSシリーズ(初代、PP、MOA)にはなく2で追加された要素だ。初代シリーズでは、ダメージを与えるには弾を当てて弾の攻撃力-敵の防御力ぶんのダメージを与えるしかなかった(計算式はもっと複雑だが)のだ。しかし2では、熱というもう一つの方法が追加された、という話である。

まず、武器に「弾発熱量」という項目が追加された。これは、敵に命中したらどれぐらい敵の装甲を発熱させるかというものである。そして、弾が当たり続けて温度が上昇、装甲の耐熱温度を超えると「熱暴走」が発生する。熱暴走すると装甲の冷却が終わるまで継続ダメージが入る。この冷却速度は、機体の外装パーツの「冷却性能」、そして2で新たに追加されたパーツの「ラジエータ」の性能に依存する。

つまりだ。初代シリーズでの重量機は、とにかく防御力を上げておけば良かった。例えば軽量機と重量機の戦いを考えると、軽量機は最大積載が低いから強力な武器が積めない。そして重量機は装甲が厚い。よって軽量機の豆鉄砲では重量機を倒すのが難しいという状態だった訳である(言っておくが、判りやすく極端な話してるからな。その辺よろしく)。

しかしながら、熱量の導入により、豆鉄砲でも熱重視武器なら当て続ける事で熱暴走させる事が可能となった。そしてここが重要なのだが熱暴走中のスリップダメージに装甲は関係ない。そう、重量機はただ装甲固めてりゃいいという時代は終わったのである。

勿論、重量機の方が性能のいいラジエータを装備しやすかったりするから、結果的に受けるダメージは重量機の方が小さい場合が多い。軽量機もいい事ばかりではなく、最大積載が厳しいのにラジエータまで載せなければならなくなったから機体の組み上げが余計に厳しくなった。しかし、単純な攻撃力と防御力だけのダメージレースに新しい要素を導入したという功績は非常に大きいと言える。その分組み上げも面白くなったしな。

しかし、ネクサスではこれがとなった。色々仕様が変わったせいである。まず第一に、ネクサスではAPではなくエネルギーゲージが減る様になった。エネルギーゲージというのは、ブーストを吹かしたりエネルギー武器を使う時に消費するゲージなのだが、ACはブーストで接近or離脱しブーストで回り込みブーストで回避するゲームである。つまりブーストが無いAC=的という事だな。これだけなら、まだ良かったのである。しかしもう一つの問題によって、話は一気に深刻化した。

それは、ブーストを吹かすと発熱するという仕様だ。

もう一度言おう。

ブーストを吹かすと発熱する。

しかも、これが又ただの発熱ではない。機体の装甲に溜まる熱はMAXが摂氏999度、パーツにもよるが耐熱温度(これを超えると熱暴走しますよ、という温度)が600~700度なのだが、何も考えず機体を組むとブースト吹かしただけで700度を超える。例えば新しい機体を組んで、よーし行くぞーとミッションを選択し移動の為ブーストを吹かしたら熱暴走してエネルギーゲージが減り始める訳だ。

これの何が問題って、二つある。まず第一に初心者お断りになってしまう事だ。元々そういう感じのあるシリーズだったが、さっきも言ったとおり、過去作では重量とパーツ文だけ見て組んでもそれなりに動く機体を作れた。曲がりなりにも動いたのだ。ところが、ネクサスではまず身動きすら取れないのである。一択とか呼ばれる様な強力な冷却能力を持つラジエータを積んだりするか、さもなくば各パーツの性能を十分に吟味しない限りまるで動けないACになるのである。

そして第二にバランス大崩壊である。元々、前作3SLはそんなにバランスが良くなかった。機動性重視の機体が強すぎたのだ。一方今作では重量機が非常に強い。何故かって? そりゃ君、考えてもみたまえよ(福沢諭吉)。

機動性のある機体は、敵の攻撃を回避する為ブーストを吹かす。その時点で、どんなに冷却を頑張った機体でも結構熱は溜まっているのである。なので、攻撃を食らえば即熱暴走する。ここからが地獄だ。エネルギーゲージがないのでブーストはできない(しにくい)。だがしなければ的になる。だから吹かす。すると更に熱が溜まる。ただでさえ熱暴走でエネルギーゲージ減少中なのに更に減る。すると輪をかけてブーストできなくなる。しかしブーストしないと(ry

とまぁ性質の悪いヤミ金の多重債務者みたいな状態になるのである。この為、このゲームでは回避を捨て去ったタンク最強という事態になった。さっき言った四つの脚部の特徴の内、タンク脚は回避が死んでる代わりに積載と装甲が最強と言ったが、それである。まぁ、当たり前の帰結だ。ヤミ金の債務に悩むなら、最初から金を借りなければいい。これと同じで回避しようとして死ぬなら最初から回避しなければいいのである。




長くなったので今日はここまで。明日は核心に迫る(予定)。

AOC攻略記事その13 文明攻略編8

2011年02月14日 22時53分15秒 | AOC
ごきげんよう諸君…頭痛い…風邪うつされた……寝る……orz


●特殊文明

バイキング

文明ボーナス
・軍船のコスト-20%
・歩兵のHP増加(領主の時代+10%、城主+15%、帝王+20%)
・手押し車と荷車のコスト0(自動研究

チームボーナス
・港のコスト-25%

ユニークユニット
・ベルセルク→エリートベルセルク
・バイキング船→重装バイキング船

ユニークテクノロジー
・ベルセルクギャング:ベルセルクのHP回復速度増加


バイキングというのは、中世初期に西欧全域で海賊として暴れまわった北方ゲルマン人(と言うかノルマン人)である。彼らはスカンジナビア半島のスウェーデン及びノルウェー沿岸部及びデンマークに居住しており、本国では普通の農耕民族であった。沿岸に住んでいたから勿論漁業もしてたがな。彼らは船を使った貿易に秀でた民族であり、中東、東アジアと交流する事によって知識を得、その大変優れた手工業の技術も相俟って非常に強力な文明を作り上げた。

特にその航海術は大変に優れており、何とコロンブスの五百年も前からアメリカ大陸を発見していた。グリーンランドも、元はと言えばバイキングが発見し定住していた島だ。それ以前からの居住者も勿論いたがな。アイスランドに至っては、無人だったこの島にバイキング(とスコットランドとアイルランドのケルト人)が殖民してできた国である。

彼らのバイキング船は底の浅い特徴的な船で(形はぐぐらなくてもゲーム中港から生産すれば判る)、正直荒波に揉まれたら速攻で水入ってきて沈みそうな形をしている。だが、これこそがバイキングが西欧全域を荒らしまわれた秘訣であった。

普通の海賊であれば、荒らせるのは精々フランスやスペイン、イギリスといった国々の沿岸部だけである。しかしながら、史実の彼らはウクライナやルーマニア、ドイツなどの内陸部にまで侵攻しているのである。彼らの船は喫水が浅く細長い。故に櫂(オール)を使えば河川をさかのぼる事が可能であり、場合によっては船を陸揚げして引っ張って移動したのである。彼らの手にかかれば、ロシアのサンクトペテルブルクに上陸してから大陸を縦断しカスピ海に到達する事も可能であった。

これで大きな痛手を蒙ったのは、勿論西欧各国である。当時の西欧は暗黒時代とか言われてもしょうがない時期の中世であり、軍事的にも経済的にも後進国であった。そこに、当時の先進国であるバイキングが殴りかかってきたのだからひとたまりもない。暗黒の西欧は大パニックに陥った。

そんなバイキング達の血筋は、勿論現代にも受け継がれている。バイキングを生み出したノルマン人の居住地であるデンマーク、ノルウェー、スウェーデンは勿論の事だが、例えばイングランド王家はバイキングと深い繋がりがある。いわゆるノルマン・コンクエストという奴で、フランスのノルマンディーを制圧済だったバイキングがイングランドに侵攻してここを制圧、ノルマン王朝を打ち立てたのだ。

このノルマン王朝というのは結構色んなところにあり、ノルマン朝のシチリア王国やキエフ大公国等がこれにあたる。北海帝国もバイキングのものとなった時期がある。しかしながら、欧州の各所を征服、殖民したバイキング達はやがて現地の民族と同化していった為、民族としてのノルマン人、バイキングというのは十五、六世紀には消えていった。しかしながら、欧州の人間は高い確率でバイキングの血を継いでいる、つまりバイキングの子孫であるというのも又事実である。

さて、そんなバイキングだが、やはりこのゲームでも海が強い。特に船製造ボーナスとバイキング船の強さは他人の事を舐めてるとしか思えないレベルである。しかしながら、同時にこのゲームは海戦の人気が大変低い上私の解説もGAを念頭に置いたものだから何の意味も無いのが大変可哀想だ。まぁ、公式解説の文明特性に「海軍」って書いてあるのにフンより海が弱いサラセンよかマシではあるが。本当に海戦最強なんだしな。

では陸上戦はどうかというとだな。私はこの文明を特殊文明に分類したが、特殊文明は何か一芸に秀でておりそれで勝負を決める文明という意味の私の造語だ。バイキングは歩兵文明だが、それを遥かに上回って重要なのは手押し車と荷車が無料という事である。即ち城主最強文明だ。

手押し車と荷車の自動研究というのがどれほど資源採取量に影響を与えるのかというのを口で説明するのは難しいが、相当な差がある。これについて詳しく研究・解説したサイトがあるので紹介しておこう。AoE研である。この文明ボーナスの効果は即城で顕著で、30人で領主に入って33人で城主に入る(手押し車が必要ないので、騎兵育成所と鉄工所作成中に農民を3人か2人作る)と騎兵育成所3個フル回転も可能だ。城主最強文明の所以である。

勿論、手押し車が無料な以上領主戦も非常に強い。それだけ資源回収量が多い訳だからな。ただ、暗黒時代にボーナスが無い為軍兵即など進化速度(≒初弾の着弾時間)が重要になる戦術は使い辛い。まぁつまり歩兵が強いのに歩兵が辛いという訳だが、それでも槍散、弓Rと言った基本戦術が強力なのは大きい。しかしながらやはり荷車も自動研究してくれる城主が本番なので、出来るだけ早く城主に入ってしまいたい。

城主に入ってしまえば、もう好き勝手絶頂バイキング天下である。その資源採取量で鬼の様な数の軍隊を出し、ガンガン攻めていく事が出来る。しかし、さっき言った通りこの文明は特殊文明だ。領主が強め、城主時代が最強。そして帝王が最弱なのである。

文明テクノロジー表を見てみれば判るが、帝王戦お馴染みの砲撃手、矛槍、近衛騎士、砲台、大砲が一つとして作れない。最後まで進化するのは剣士と弓(と散兵)だけで、槍は長槍まで、騎士は重騎士まで。しかも騎馬用甲冑も血統も繁殖も無いという恐ろしさである。普通は繁殖ぐらいあるんだが、それすらない訳だ。

歩兵文明なのに矛槍にもならないというのも酷い話である。歩兵のHP増加ボーナスのお陰で、少人数戦なら普通の矛槍とあまり変わらない戦果をあげられるのだが、多人数戦だと惨敗する。そして帝王戦ってのは大体多人数戦だからあとはわかるな?

とにかく帝王戦で主力にできる金ユニが重石弓しかいないというのが大変辛い。近衛剣士も確かに強いユニットである事に疑いは無いのだが、「軍勝ちできてる状況なら」相手を一気に滅ぼせるというユニットであり、ガチンコ勝負してるところに投入しても射殺されたり馬に押し潰されたりするだけである。であるから、城主までにこちらの優位を確立して、その上で剣士を流して滅ぼすならともかく剣士で帝王ガチンコ勝負しようとしたら死ぬ。

なので、城主までに勝ててないと主力が重石弓一択になってしまい対策されてあの世逝きになる訳である。一応、攻城兵器は破城槌が改良強化までいくしヘビスコも出せるのだがRAMは抜き専用兵器だし、ヘビスコは槍+ヘビスコという編成で騎士から守らねばならない。で、バイキングの槍は長槍。しかも、バイキング長槍が頑張れると言ってもそれは馬鹿正直に騎士が槍に向かってきた場合のみであるからこの編成も正直絶望的である。それなら、改良までしかいかないとは言え投石のがまだ望みはある。

とは言え、城主までに相手を追い詰めていれば話は変わる。さっき言ったとおりHPの上がった剣士で一気に飲み潰せるからな。よって、バイキングは破城槌とかを使った本気城主で城主の内に勝つ城主の内に優位を確立して帝王剣士でトドメを刺す文明であると言える。

尚、ユニークのベルセルクは剣士の上位互換だ。しかもHPが回復するので、もし出せるのなら出しておきたい。しかしながらそんな余裕あるなら(ryというのも事実である為、微妙な存在なのは否めない。城からしか作れないからな。日本の武士と立ち位置が似てはいるのだが、あっちは9秒で一人作れるのにこっちは十六秒かかるというのでどうしても作るのは躊躇してしまう。エリート化に肉1300金550という近衛騎士なみの資源が必要なのも問題だ。まぁ長剣剣士→近衛剣士も肉1050金450な事を考えればそこまで変わらんという意見もあるかもしれんが…一応、長剣から近衛と無印ベルセルクからエリートベルセルクなら研究時間は後者の方が短いので、帝王進化直後までに相当数をそろえられるなら速攻に有効ではあるんだが……うーん。

マスケット運用の歴史シリーズ4-2 ロイテンの戦いと斜行陣 後編

2011年02月12日 01時32分52秒 | 社会、歴史
このロイテンの戦いは、ロスバッハの戦いと同様フリードリヒ大王の指導能力とプロイセン軍の機動力がものを言った会戦であった。敵軍の配置と地形を見て使用戦術を即断した彼の作戦指導は英断として今も称えられており、後年「大王が健在ならば私はドイツに指一本触れられなかった」と述べたナポレオンの絶賛するところでもある。

まぁ、フリードリヒ大王の軍事的天才は置いておくとして、問題はこの軍事強国プロイセンの強さの秘密である。それは勿論機動性であるのだが、その機動性はどこから来ているかと言えば、緻密に計算された移動の手順と将兵に課せられた高度な訓練であった。

まず第一に、プロイセン軍には同調行進が導入されていた。これは前回の記事でも述べた事だが、横隊がいちいち途中で止まらず動き続ける事が可能になったという点は大きな成果である。しかしそれだけに留まらず、この同調行進の導入により閉縮隊形での行進が可能となった。要するに兵の肘と肘が擦れ合う様な縦隊や横隊が組める様になったのである。であればこそ、前回説明した縦隊で戦場突入→右向け右→射撃開始も可能となったのだ。

同調行進導入前の軍隊、つまり七年戦争後半までのプロイセン軍以外の軍隊では、そういう事ができなかった。横隊は行進し始めたら頻繁に立ち止まっていたし、縦隊による行進も開列縦隊によるものだった。これは簡単に言えば、左右の兵士と兵士の間がやたら開いてる縦隊である。勿論歩幅なんか合ってないし、兵と兵の幅は事によっては三メートルもある。だから、戦場に到着してから高速で横隊に組み替えるなんてのは到底不可能なのだ。いやまぁよく訓練された兵士ならできるかもしれんがよく訓練されてればそもそも同調行進が出来るという話である。

そして、この同調行進を基盤とした、機械的で正確かつ緻密な動きこそが、ロイテンの戦いで見せた斜行陣を可能としたのである。

斜行陣は、まぁ簡単に言ってしまえば敵の側面に回りこむ戦術である。しかし、普通に横隊のまま機動して敵の側面に回りこむのは難しい。いくら同調行進の導入でプロイセンの行進速度が速いとは言え、横隊のまま敵側面に回り込むのはちょっと無理がある。相手も回り込ませない様にと邪魔をしてくるしな。そこで、斜行陣では縦隊になって敵の前面を横切って側面へ進出し、そこで横隊へと再展開して側面を取る、という無茶苦茶な荒業を行うのである。

当然、相手の目の前の横切るのだから相手は物凄い勢いで撃ってくる。故に、囮部隊を配置して敵の攻撃を逸らしたり、地形を使ってこちらの行進を隠したりといった搦め手も必要になってくる。特に、本隊の機動中囮となる翼側の部隊はその間耐えねばならず、大変重要だ。この為、耐久力を増すべくプロイセン軍では普段から翼側には重砲隊が重点的に配備されていた。又、騎兵はともかく大砲は歩兵縦隊の動きにそのままではついてこれない為、大砲を馬で牽引し大砲の操作役等全ての砲兵科兵員を乗馬兵とする乗馬砲兵部隊も編成された(戦況図二枚目でそれっぽく再現してみたのがそれ)。

だがそれ以上に注目すべきは、幾何学的とも芸術的とも呼べるその計算されつくした機動である。画像を交えて解説しよう。




まず、敵軍の目の前を縦隊で横切る。ここで注意してほしいのは軍全体は縦隊だが個々の部隊は横隊というところである。



こういう事。



そして、途中で全体が階段状になる様、徐々にずらして進軍していく。尚、軍隊の人数が明らかに減ってるただの気のせいである。



全隊が予定の位置についたら、左向け左(右向け右)で縦隊に変化して横一線に並ぶ。



そして、再展開して縦隊を横隊に組み替えれば、後は相手の側面を撃ち放題、という訳だ。途中で全体を階段状に配置したのは、もし全部隊がまっすぐなまま縦隊に変化しようとすると



こうなってしまう。外側の部隊は長い距離移動せねばならず、内側の部隊はちょっとしか移動しなくていい。内側の部隊が外側の部隊に合わせようとすれば棒立ちのまま待つしかなく(まぁ先頭の兵は撃ってもいいかもだが、縦隊なので火力はたかが知れてる)、勿論その間に物凄い撃たれる訳である。故に、階段状に部隊を配置する必要があるのだ。

ほれ、アレだ。陸上競技場と同じである。○○m走とかで、外側のレーンを走る選手はスタートラインが前に出っ張ってるだろう。あれは、内側の選手はコーナーを回るときちょっとしか走らなくていいから外側は不利だからそうなってるのだ。勿論、陸上競技と同様外側の部隊が前に出すぎてても内側が後ろ過ぎても駄目なので階段状にする時どう部隊を配置するかは数学的計算の上で決定される。

又、縦隊から横隊に変化する場合は、



この縦隊を




この横隊にする場合



こういう風に隊形を変化させる。


斯様に、この斜行陣の旋回運動は緻密な数学的計算の上に成り立っており、同時に訓練されつくした将兵の精密な機動によって達成されるのである。前からもう何度も言っておるし今も言ったが、プロイセンの軍隊は大変厳しい訓練によって鍛え上げられている。又、平時から厳しい規律を課して、そういう意味でも鍛練を積んでいる。だからこそ、こんな変態機動が可能となったのである。

そしてこの斜行陣は、七年戦争のプロイセンに栄光をもたらした。プラハでの戦いでは失敗したものの(銃剣突撃ばっかやってたから)今回のロイテンでは大成功を収めた。ただ、斜行陣は奇襲であり、何度も何度も使える戦術ではない。クレシーの戦いにおけるイングランドのロングボウガン待ち戦術と同じである。最初から相手が斜行陣を使うと判っていればそれに合わせた陣形を組めばそれで乙だからな。

事実、七年戦争の後半にもなるとフリードリヒ大王は斜行陣を使わなくなる。しかしながら、斜行陣を使わずとも斜行陣を可能にした機動力は大変な戦力であった。又、フリードリヒ大王はその機動力にのみ頼らず、砲兵の火力や騎兵の突撃力も重視しており、それらの力で勝利した会戦もある。だが、彼の軍隊の一番の力はその機動力、そしてその機動力を可能にした練度にあったのは間違いない。その練度があるからこそ、迅速な機動や陣形変換以外にもマスケットの高速連射による大火力も得られたのである。


七年戦争のプロイセン軍こそ、まさに横隊戦術の到達点であった。


しかしながら、プロイセン軍に弱点があるとすれば横隊戦術しかできないという点にあったろう。例えば横隊は縦隊に比べればどうしたって機動力が劣る、とかな。その辺については次回に持ち越しとしよう。そして次回以降こそ、いよいよナポレオンの登場する、マスケット戦術の総決算となる…筈である。ナポレオンまでいけば。

マスケット運用の歴史シリーズ4-1 ロイテンの戦いと斜行陣 前編

2011年02月11日 23時22分25秒 | 社会、歴史
ごきげんよう諸君、いかがお過ごしかな。甥の事イライラしっぱなしの霧島である。もうキレちまったよ…久しぶりに状態である。まぁキレた相手はうちの母親だったりするあたり私の彼女への殺意は相変わらずである。

この甥、私の姉の長男なのだが、この春には小六、来年には中学になるというのに性根が卑しい。判りやすいのが食事で、一昨日、姉の家族と私の家族で焼き鳥を食べに行ったんだが、当然焼き鳥の店であるから大皿で出てきたものを皆で分けて食べる。その出てきたものを、一人で占領するかのようにガツガツ食べている、これはぶっちゃけ大の大人でもやってる馬鹿はいるので取り立てて問題ではない。

問題だが。

んでまぁ勿論見境なく食いまくってる訳だが、この際それはいいとしよう。中盤、何だったか忘れたが、とにかく大皿で何かが出てきた。で、甥は何を思ったかまるで自分のお椀を持ってご飯を食べるかの様にして食べ始めたのである。無論そのメニューはご飯ものではないのだが、傍から見てると締めに頼んだ自分のご飯食べてる様にしか見えない様な食べ方であった。

他にも、毎回大皿に一個だけついてくる美味しい野菜があるのだが皿が運ばれた瞬間それを必ず食べるだとか、その食べ方が又大口開けて上から食べ物を持っていくセルフあーんだったりするだとか、もうどうにもならん訳である。それでいて、何かと言うと(甥の名前が○○だとして)「○○は○○はかっこいい」とか歌ってるからもう手がつけられん。

それで流石に怒られるのだが、姉も姉だ。普通、親なら子供を怒るのは子供の為である。変な育ち方してどうにもならん人間になってしまわない様に、心を鬼にして怒るのだ。が、彼女の場合、一昔前は、控えめに見ても自分がイラッとしたから怒ってるという一番やっちゃいけない事をやっておった。最近もその傾向は直っておらず、ちゃんと怒ってる時もあるが、まぁ大体は自分のストレス発散で怒っておる。

そういうのに対して子供ってのは敏感である。ストレス発散で怒ってる親ってのは一通り怒鳴れば大体スッキリするので、その時だけはいはいって受け流しておけばそれでいいのだ。むしろ真面目に付き合ってたら身が持たない。まぁ、怒られる原因を頻繁に作る子供も子供だがそんな風に教育したのは親である。

そんな訳で、見るに見かねた私が代わりに怒ったのだが…なんか家に帰って姉一家が帰ってから何故か私が怒られた。お姉ちゃん気ぃ悪くしてたとか何とか。

知るか。

という訳で、取り敢えず壁蹴って遺憾の意を表明した訳である。


さて、私の人間的評価が更に下がりそうなどうでもいい話はこれぐらいにして本題に移ろう。AOC記事と普通の記事、交互に更新する事にしたから、本来なら今回はAOC記事なのだが…前回の記事はアレで一つの記事とはちょっと言えん完成度なので、今回の記事をもって一つの記事としたい。

で、今回の主題はロイテンの戦いと、ここで使われた横隊機動戦術の頂点、斜行陣である。まずロイテンの戦いについて述べる前に、少し注釈を。

前回の記事では割と無邪気にオーストリアオーストリアと書いたが、当時のドイツ(本来ならドイツとオーストリアは併合したままで然るべき国なので、ここではオーストリアもドイツとする)というのは相当に複雑な構造をしておった。当時、ドイツは(オーストリアも含めて)神聖ローマ帝国だったのだが、神聖ローマ帝国の学者をして帝国でもなければ神聖ですらない奇妙な国と言わせたぐらいだ。

と言うのも、だ。神聖ローマ帝国は一応国という事になっていたのだが、実際のところ、その領土(とされている地域)は300以上の領邦に分割されていた。領邦と言うと日本人には馴染みはないが、要するに地方領主の所領であり、しかもドイツ領邦の場合歴然とした主権を有していたのである。

封建制度は地方分権の究極とよく言うが、ドイツは領邦(地方領主)が主権まで持っており、やがて領邦国家とまで呼ばれる存在に成長していく。この領邦国家には神聖ローマ帝国の中央政府(と言うか皇帝)も簡単には介入できない。下手にやると内政干渉だと言われるレベルなのである。当然、領邦国家ごとに軍隊も持っているし、法律も違えば税制も違うのだ。

私は最近ザクセン公国とかヘッセン=カッセル方伯国とか言ってるが本来は国ではない。ザクセン公国を例に取ると神聖ローマ帝国皇帝に仕えるザクセンという地域を統治するザクセン公爵の領地、これがザクセン公国だ。なので、本当ならザクセン領とでも呼ぶべきなのである。しかしながら、そのザクセン領が主権を持ち、軍隊を持ち、皇帝が無視できない"外交力"を発揮する様になった。為に、ザクセン公領ではなくザクセン公と呼ばれる様になったのだ。

七年戦争当時、欧州各国は絶対王制の時代を迎えていた。中央集権の極み、王の言うがままに国が回るシステムである。フランスとかは普通に国家単位で絶対王制が確立していたのだが、神聖ローマ帝国の場合各領邦国家単位で絶対王制が確立していた。

言ってみれば、当時の神聖ローマ帝国はEUみたいなもんだと言う事ができよう。EUと大きく違うのは、一番上に位置する皇帝がいたところだがその皇帝とて領邦国家の王でもあった。当時の皇帝はハプスブルク家のマリア・テレジアだが、ハプスブルク家も一大領邦国家オーストリアを統べていたのだ。そう、オーストリアとはハプスブルクの領邦国家の事なのである。

なので、オーストリア軍と神聖ローマ帝国軍というのは厳密には違う。オーストリア軍というのは、神聖ローマ帝国皇帝ハプスブルク家の直轄領であるオーストリアの軍隊。神聖ローマ帝国軍は、ザクセン公国などドイツ(神聖ローマ帝国)の領邦国家の軍隊の連合軍である。この領邦国家には、勿論オーストリアも含む。ただまぁこの定義も厳密ではなくて、オーストリアと一言言うだけでハプスブルク家時代の神聖ローマ帝国自体を指してしまう場合もある。なので、ここからはオーストリアの事をハプスブルク君主国もしくは単にハプスブルクと呼ぶ。


七年戦争は、前回話した通りハプスブルクの復讐戦である。前回、この戦争ではプロイセンがほぼ単独でフランス本国軍、ロシア、オーストリア等を相手にする事になったと書いたが、このオーストリアは勿論ハノーヴァーとヘッセン=カッセル以外の全ドイツであり、事実上神聖ローマ帝国が敵に回ったという事である。まぁそのプロイセンも実は神聖ローマ帝国の一員(同君連合のブランデンブルク辺境伯国部分だけだが)だったりするあたりこの国は複雑怪奇である。

閑話休題。西暦一七五六年、フリードリヒ大王率いるプロイセン軍は当初の予定通りザクセンを制圧、七年戦争における大戦略である内線作戦の要衝を得る。翌年、ボヘミアへ侵攻、プラハを包囲する。知っての通りプラハは現在のチェコの首都だが、当時はチェコそのものがハプスブルクの統治下にあったのである(後年ヒトラーがチェコの領有権はドイツにあると主張した理由の一端がこれ)。ちなみにボヘミアとはチェコの西部の地名だ。ここはハプスブルクの喉元であり、プラハを制すればハプスブルクの首都ウィーンへの進撃が可能となる。

しかしこの攻囲戦は神聖ローマ帝国軍の度重なる救援により失敗。二万八千もの損害を出した上フリードリヒ大王の盟友シュヴェリン元帥は戦死、大王自身もあと一歩のところで捕縛される所であった。しかもスウェーデン王国がハプスブルク側に立って参戦、ポンメルンに派兵。更にロシア帝国も参戦し、十万の大軍が進発したのである。まさに、プロイセンは滅亡の淵に立たされた。

しかしこういう戦略的不利を戦術の勝利で引っ繰り返すのがフリードリヒ大王である。彼は反撃の機会を伺った。取り敢えずロシア軍が到着するのは先であり、スウェーデンも積極的に動く様子は無い。ならば西のフランス、南のハプスブルクが問題である。彼は西へ進路を向け、ロスバッハでフランス王国・神聖ローマ帝国連合軍に決戦を挑む。この戦いでは連合軍がプロイセン軍の側面に回り込もうとしたのだが逆にこっちが回りこんで撃破するというプロイセン式変態機動離れ業を演じた。

結果、プロイセンの損害五百前後に対し、連合軍は一万という大損害を出して敗退した。このロスバッハでの勝利により、フリードリヒ大王は西方における当座の安全を確保。間髪を入れず南のシュレージエンへ進撃する。かつてオーストリア継承戦争で手に入れたシュレージエンだが、ロスバッハの戦いとほぼ同時期に神聖ローマ帝国軍の侵攻を受け主要部が陥落しており、ここの帝国軍撃破は急務だったのである。フリードリヒ大王は敗残の元シュレージエン守備隊と合流すると、ロイテンにて決戦を求めた。



巨大な画像なので色々注意。ここから以下の画像は全部クリックで拡大できる。ちなみに、全部の戦況図作るのに八時間かかった。

この戦況図では帝国軍に大砲が配備されていないが、使用ソフトの仕様(人口上限的な意味で)なだけでちゃんと配備されておった。と言うか、大砲をどれぐらい図示するかというのは結構難しい問題で、例えばマスケット歩兵の基本隊形は24人×3列だが4門以上の歩兵砲が配備されるのが普通であり、更に両翼に1門ずつ配置して隣の横隊の共用していた。当然それとは別に砲兵隊の重砲とか臼砲もある訳で、色々煩雑になってしまうから、プロイセン軍の方に表示した大砲もあくまでイメージ的なものに過ぎないから注意してくれ。勿論兵隊の人数もである。

ただ、両軍の全体の人数比だけはちゃんと再現してある。帝国軍はプロイセン軍の二倍いたのだ。帝国軍七万に対しプロイセン軍は僅か三万五千(ちなみに大砲は帝国軍200門以上、プロイセン軍120門)。しかもプロイセン軍の半分は先のシュレージエン防衛戦での敗残兵である。しかしながら、帝国軍も帝国軍で、広大な帝国の各領邦国家から掻き集められた連合軍であり質もまばらであった。その点、プロイセン軍は等質に高度な訓練を重ねた精鋭である。

帝国軍はその大軍を長く配置した。画像では人口上限の関係で一列だが、マスケット兵の横隊は二列に渡って配置され(○○人×2列の横隊という意味ではなく、横隊そのものを二列になる様配置した)右翼には前衛部隊を配置しており、左翼の騎兵隊は精強をもって鳴ったハンガリー人騎兵隊(当時ハンガリーはハプスブルクの統治下にあった)である。

フリードリヒ大王が正面からの力押しでは勝てない事を悟っていたのかどうかは判らないが、敵軍の情勢を見た結果、彼は帝国軍左翼を突く事を決定する。横隊は側面を突けば脆いというのは勿論だが、左翼は陣地構築が甘く脆かったのだ。又、戦場にある丘陵が障害物となりそうであった。



フリードリヒ大王は自軍左翼(帝国軍から見ると右翼)に騎兵と小規模なマスケット歩兵隊を配して囮とし、本隊は警戒隊形で帝国軍左翼への機動を開始する。そしてこの囮部隊の攻撃で戦闘は始まった。彼らは帝国軍右翼の前衛部隊を一蹴し、帝国軍はこれをプロイセン軍本隊と誤認する。プロイセン軍本隊が中央の丘陵が障害物となって見えなかったのである。



プロイセン軍囮部隊を本隊だと誤認した帝国軍は予備隊を右翼に投入する事を決定。指揮官カール・アレクサンダー・フォン・ロートリンゲンとレオポルト・フォン・ダウンも右翼に急行する。その間に物凄い勢いで機動したプロイセン軍本隊は、たったの二時間で帝国軍本隊左翼へと展開したのである。途中、帝国軍も丘の後ろを機動するプロイセン軍の存在に気付いたのだが指揮官が右翼に出払っていた為判断がつきかね、撤退しているものと決めてかかってしまっていたのだった。

プロイセン軍本隊最右翼に配置された突撃隊は、擲弾兵大隊を含む、選び抜かれた精鋭部隊であった。彼らは帝国軍左翼に猛烈な攻撃を敢行する。又、他のプロイセン軍本隊も次々と射撃を開始し、丘に登った40門の重砲も猛然と砲撃を開始した。しかし、丘に登らせてから思ったがちょっと大砲多かったな、この画像。無駄に丘に登る重砲の数だけ忠実にしてみたのが仇になった。



さて、プロイセン軍右翼の突撃隊は激戦の末左翼を突破する。左翼を指揮していたハンガリーのフランツ・ナダスティは、その突破を止めるべく龍騎兵をも指揮下に加えて攻撃を敢行するが、プロイセン軍の予備隊であった騎兵部隊に阻止されてしまう。さらに、自軍右翼にいる敵が囮だとようやく気付いたカールとレオポルトは、帝国軍本隊の横隊を組み直してプロイセン軍本隊に対抗しようとする。

しかし、戦闘中の陣形変換などプロイセン軍ぐらいの猛訓練を積まないと無理であり、その上、既にプロイセンのマスケットと大砲の弾が雨霰と降り注いでいたのである。ロイテンは陥落、帝国軍は右翼の騎兵隊を使い今一度の騎兵突撃で状況を打開しようとしたが果たせず、ロイテンの戦いはプロイセンの大勝利に終わったのだった。

マスケット運用の歴史シリーズ3 軍事強国プロイセンの時代

2011年02月10日 00時16分30秒 | 社会、歴史
ごきげんよう諸君。いかがお過ごしかな。ようやく復活したPCで記事を書いておる霧島である。今回から、AOC記事と普通の記事は交互に書いていく事にした。体調もようやく上向きになりつつあるのだが、気になっているのは足である。先日追ったのは右の脛だが、最近どうも左の膝の調子が悪く、昨日も寝る時痛んでなかなか寝れなかった。多分どこかで捻ったんだと思うんだが…どうしたもんかな。私の部屋は二階だから歩かない訳にもいかんし。

そう言えばAC3Pを買った。既に続編のSLPも購入済だが、現在は達成率100%と全ミッションランクSを目指してやりこみ中である。しかし、3は軽2剣豪機強いな。元々私はMOAで軽2剣豪機使いだったんだが2以降やっておらず、SLで再開。つまり軽2とブレードが死んだ瞬間に再開したので、以降酷い目に遭い続けた訳だ。しかし3は軽2もブレードも普通に強いから楽しくてしょうがない。ブレードオンリーでアリーナ制覇も結構簡単にできた。

と言うか昨日テラに重逆に唐沢って機体で挑んだら不覚にも負けた。回り込んでブレード使う事ばっかり考えてゲームしてたから、中距離での撃ち合いにおけるサイティングも回避もまったくなっておらんな…SLP以降が心配である。

以下3P愛機晒しage



頭部:MHD-RE/008
胴体:CCL-01-NER(クレスト軽OB)
腕部:MAL-33S(3P新規追加ブレード特化軽腕)
脚部:CLL-HUESO(通称骨、一番旋回の高い脚)
推進:CBT-FLEET(最速ブースタ)
管制:VREX-WS-1(一番サイトの広いFCS)
発電:CGP-ROZ
冷却:RIX-CR14
右腕:CWG-MG-500(500マシ)
左腕:MLB-MOONLIGHT
左肩:CRU-A10(初期レーダー)
OP:S-SCR、E/SCR、S/STAB、L/TRN、E-LAP

見ての通り典型的な軽2剣豪機である。頭は、コンピュータ性能が標準じゃないと私は袈裟懸けが当たらんので、その中でも軽めで性能のいい008。胴体は脚部積載の関係で軽OB、腕は剣豪機だから33S、脚は壊れ気味の性能を誇るHUESO。内装は、右腕マシンガンだしWS1をFCSに。ブレード性能もいいしな。ジェネは一択のROZ、冷却はICICLEにするか悩んだがクレスト信者なのでこっち。

武器は右腕に500マシ、左腕は剣豪機御用達の月光剣。で、こういう近接戦特化でレーダー積んでないのはゴミクズなので初期レーダーのA10を。OPには、必須OPの実弾防御UP、E防御UP、安定UP、旋回UPに加えてブレード威力上昇のLAPを装備。でも正直、これスロットに見合わなさすぎるから別のに換えてもいい気がする。

ちなみに、組んでみると判るが月光と腕と頭以外全部クレスト製(OP以外)。当然意図的である。頭をCHD-06-OVE(放熱頭)に、腕をCAL-44-EASにすればオールクレスト機の出来上がりだ。月光は、まぁユニオンがくれたものだしいいだろう。唐沢もクレストがくれるしな、このゲーム。どっちもミラージュ製の伝統武器だというのに…

ちなみに、なんだかんだで見た目が大変気に入らないので、CPU戦では頭をOVEに換装したり、冷却をSA44にして頭をMHD-RE/H10(3P新規追加角頭)にしたりしてる。いいんだよ! どうせ私はOB使いこなせないんだから!


さて、わからん人には全くわからん話はこれぐらいにして、いい加減マスケットの運用の話を次の段階へ導かねばならんな。補足を書いたのが一月十二日だからそろそろ一ヶ月経つしな。

さて、西欧における射撃兵器の歴史及び火縄銃は何故主力兵器となったかで話した陣形は、大体16世紀と17世紀のものである。テルシオは16世紀のスペイン黄金時代を演出した陣形、オラニエ公マウリッツ・ファン・ナッサウのオランダ式大隊はオランダ独立戦争のものでマウリッツが死んだのが1625年。スウェーデン式大隊でドイツ三十年戦争を席巻したスウェーデン王グスタフ二世アドルフがリュッツェンで戦死するのが1632年だ。

グスタフ二世アドルフ死後、戦場を一変させる天才の登場は一世紀待たねばならなかった。スペイン継承戦争の英雄、マールバラ公ジョン・チャーチルとプリンツ・オイゲンの名で知られるオイゲン・フランツ・フォン・ザヴォイエン=カリグナンの行った改革は、戦略的には大変画期的なところがある。が、マスケット兵の運用とか、戦場での兵隊の使い方みたいな戦術的な面にはあまり革命的な点はない。むしろ、戦闘における彼らの軍隊の運用の仕方は、グスタフ二世アドルフ以来漸進的に進化してきた戦闘術の当然の帰結と言うべきものであった。

ここで、これから説明する時代、即ちスペイン継承戦争の後の時代の戦争の基本を見てみよう。まず、スペインのテルシオ登場以来、現れてきた戦術は全て横隊戦術である事を理解してほしい。横隊とはどういうのかというと



これである。ちなみに



こっちが縦隊。

そしてこの時代は、横隊戦術が最高の水準に達した時代である。縦隊はフランスにある程度保存されていたぐらいで、欧州各国の軍隊はほぼ全て横隊戦術のみを取っていた。これには勿論理由がある。この二つの画像を見比べればすぐ判るだろうが発揮できる瞬間火力が全然違うのである。一番前の兵隊のみが射撃を行うと仮定すると、画像の横隊は10人×4列、縦隊は4人×10列。つまり横隊は縦隊の二倍以上の火力があるのだ。

まぁ実際には、三列目ぐらいまでは、前に立っている仲間を避けて敵を狙い撃てる。実際、七年戦争後半では多くの軍隊が縦深三列の横隊で部隊を整備し、一列目は立膝、二列目三列目は立ちで一斉射撃を行っていた。しかし四列目五列目となるとそれも難しくなる。そう考えると、画像の横隊は30人が射撃できるが、縦隊は僅か12人しか射撃でききない。と言うより、縦隊は実に28人もの兵隊が遊んでいる。

三十年戦争以降、銃剣の発明と普及により槍兵は姿を消し、全ての歩兵はマスケット兵となった。そしてマスケット兵の横隊は薄く薄くなっていった。兵隊の数が同じでも、列を減らして横に広げた方が火力が上がるからである。又、以前は槍隊(銃剣普及後のマスケット隊は銃剣を装着すれば槍隊にもなる)の縦深を相当深くしないと重装騎兵の正面突撃には耐え切れなかったのだが、マスケットの性能向上により薄い横隊でも防御可能となったのである。事実、欧州最強を謳われたフランスの近衛騎兵(メゾン・デュ・ロワって奴だ)による騎兵突撃も、スペイン継承戦争中数度に渡って撃退されている。

スペイン継承戦争、ポーランド継承戦争の後。とある天才によって整備されたある国の軍隊は三列縦深の横隊による軍隊を整備し、オーストリア継承戦争とそれに続く七年戦争を戦い抜いた。この軍隊の兵は高度に訓練され、一分間に五回の射撃が可能だった。マスケットがアルクビューズと呼ばれていた時代は訓練しても一分に一、二発だったのだから、銃そのものの技術向上、射撃技術の向上、そして兵の練度の向上は目を見張るものがある。


では、その天才とは誰か。それは即ちプロイセン王フリードリヒ二世である。欧州の王とか高級貴族には欠地王とか禿頭王とか肥満王とか色々あだ名がつけられる場合が多いのだが、彼の場合はただ一言大王と呼ばれている。その偉大さが判るであろう。

その功績は、地図を一見しただけで判る。下の地図はぐぐったら出てきたwiki先生から取ってきた地図だ。しかし地図製作にかけては英字wikiはほんと凄いな。私は流石に地図製作なんかできないからこういうのはどっかから取ってくるしかないから助かる。信憑性は別にしてだが、まぁ製作者は日本人じゃないから大丈夫だろう。



フリードリヒ大王はプロイセン国王でありブランデンブルク辺境伯でもある。つまり同君連合だな。フリードリヒ大王が即位した時、父王フリードリヒ軍人王らの功績で既にブランデンブルク(BRANDENBURG)以外にもマクデブルク(Magdeburg)やポンメルン(Pomerania)を領土にしていたがこれらはブランデンブルクの領土であってプロイセンの領土ではなかった。

彼はオーストリア継承戦争でシュレージエン(Silesia)を獲得、更に第一次ポーランド分割で西プロイセン(地図だとWest PrussiaとErmeland。エルムラント自体はヴァルミア司教領のことで、あの地域には他にもエルビンクとかクルマーラントとかある)を獲得する。これにより、プロイセン王国は領土も人口も二倍になるという大拡張を遂げたのである。

さて、歴史上、少数の兵隊で大多数の軍隊に抗した天才は数多いが、大抵その天才の国は飲み込まれてしまう。大体、少数で多数に対して戦争しようって時点で戦略的に大負けしている訳だからな。戦略の失敗を戦術で挽回するのは非常に難しい。

だがフリードリヒ大王は、戦略の不利を戦術の成功で埋め合わせた男である。

オーストリア継承戦争でオーストリアからシュレージエンをもぎ取ったプロイセンだが、女帝マリア・テレジアは復讐戦を画策。宿敵である軍事大国フランスと結んででもという決意である。オーストリア・ハプスブルクとフランスが同盟したというのは、当時独ソ不可侵条約ぐらい衝撃的な事件でもあったのだが、それは置いておこう。しかもドイツ諸侯は殆どがオーストリアに味方する有様(まぁマリア・テレジア=神聖ローマ帝国皇帝→名目上とは言えドイツの支配者だから当たり前だが)だった。

更にオーストリアはロシア帝国、スウェーデン王国、スペイン王国、サルデーニャ王国とも同盟していた。一方プロイセンに協力したドイツ諸侯はハノーヴァー公国、ヘッセン=カッセル方伯国と僅か二ヶ国、そして同盟できたのはポルトガル王国とイギリスのみだった。

しかも、イギリスはプロイセンが同盟した唯一の大国でありながら軍資金を送るのみで、北米やインドといった植民地でフランスとかスペインの植民地軍と戦争していただけ(その植民地での戦争も初期はやってなかった)。そしてハノーヴァーとヘッセン=カッセルはほぼ役に立たない。結果、プロイセンはほぼ独力でフランス本国軍及びオーストリア、ロシアを相手にしなければならなくなったのである。

なので、両陣営の人口比四百万対八千万という第二次大戦なみの絶望的な戦争になった。この戦争は七年続いたので七年戦争という。この七年戦争でフリードリヒ大王の勝利を支えたのが、卓越した内線作戦と機動戦である。

あああとイギリスからの援助金。あれないと戦争続かなかったし。


さて、以前から何度も言っておる通り、戦争だろうが喧嘩だろうが正面から殴るより側面、もしくは後方から殴った方が効果的だ。これは当時の戦争ではいっそう切実な問題となる。と言うのも、以前から何度も言っている通り、テルシオとかみたいな横隊は機動が大変難しいのだ。なので、先に相手の側面に回りこんでしまえば、一方的な展開に持ち込む事ができる。

しかしながら、横隊というのは機動力が低い。つまり回り込むのが難しい訳だ。これを解決すべく導入されたのが同調行進である。これは、まぁ簡単に言えば横に並ぶ仲間と歩幅を合わせて行進するという移動方法だ。口で言うのは簡単だが、これは高度に訓練された兵隊にしかできない芸当だ。

諸君は体育の授業で行進をやった事があると思うが、難度はあれの比ではない。何せ、マスケット、弾薬帯、背嚢、水筒等の重い装備を身にまとった状態でやらなければいけない上、戦闘中に同調行進をやる場合鉛弾とか巨大な鉛弾(いやまぁ当時の大砲は鉄弾が多かったみたいだが)が降ってくる中で冷静に歩幅と歩調を同調させねばならんのだからな。又、根拠地から戦場といった長距離移動でも歩調の乱れは許されないのである。

ここで、戦闘中の機動ではなく、根拠地から戦場といった長距離の移動に目を当ててみよう。プロイセン軍は同調行進を取り入れたが、それでも遅いものは遅い。なので、いくらプロイセンの軍隊が横隊で整備されていると言ってもいつも横隊で移動している訳ではなかった。これは欧州各国の軍隊も同様である…と言うか、同調行進を取り入れていない軍隊の場合、横隊のまま機動するとある程度動いたら停止して士官が列の乱れたところを点検して回るという手順を踏まねばならんからな。以前述べた通り。

一般的に、移動には三種類ある。戦闘中の移動、戦闘になるかもしれない時の移動、戦闘に絶対にならない状況での移動の三つだ。そして非戦闘中の移動は皆縦隊である。その理由は、まぁ見てみるのが一番早いか。さっきの画像をもう一度見てみよう。





貴方の学校の体育祭のオープニングで、横隊もしくは縦隊での行進をやる事になりました。どちらが楽でしょうか? と、そんなちょっとアレな事を考えながらこの二つの画像を見比べて欲しい。ま、少し考えればすぐ判るだろう。行進は、基本的に、横に並んでいる奴と歩調を合わせなければならない。四人で歩調合わせるのと十人で歩調合わせるのどっちが楽かと問われれば、それはもう答えは一つしかない訳だ。

ただ、ちゃんと歩幅を合わせて整列して歩くのはさっき言った三つの内の真ん中、戦闘になるかもしれない時の移動である。戦闘に絶対ならない状況での移動は、あんまり歩幅が合ってない事もままある。疲れるし。まぁ、プロイセンみたいな完全に統制された軍隊だとそういう事はあまりなかった様だな。状況に合わせて無警戒行進隊形、警戒行進隊形といった形で隊形を変えてはいたようだが。

さて、ではこの行進隊形から戦闘隊形である横隊へとどうやって変えるのか? 一番早いのは↓である。尚、画像のプロイセン軍は四列横隊だが細かい事を気にしてはいけない。画像作ってから気付いたんだもの。まぁそれ言うと、プロイセンの一般的なマスケット兵横隊は3×24列なんだが。尚、全部クリックで拡大できる。







で、射撃開始。これが一番速い訳だ。無論、これの場合相手が騎兵だからいいが、相手がまともなマスケット横隊だったら移動中に物凄い勢いで撃たれるので危険である。なので、充分距離を取った場所でこんな感じの機動を行って展開する、横に90度旋回して横隊に展開するなどいくつかパターンはあるのだが…プロイセン軍の戦闘における強さの秘密は、勿論強力な大砲と有力な騎兵戦力もあったが、何よりもマスケット兵隊の機動性にあった。

プロイセン軍は同調行進を取り入れた上に非常に高度かつ過酷な訓練を兵隊に課し(何せ、兵をして敵よりも指揮官の鞭を恐れさせよとまで教範に書いた軍隊だ)、それこそまるで人形の様に整然と動くとまで言われたイェニチェリなみの高練度の軍隊を作り上げた。これにより、横隊の状態での進撃速度の向上は勿論、戦闘中いきなり縦隊に部隊を組み替えて敵の側面向かって全力で行進、側面に到着したら即横隊へと陣列を変えて射撃し敵を制圧するという離れ業すら可能になったのである。

この戦術は特に斜行陣と呼ばれるものとして世に残っている。そしてこの斜行陣が完璧に決まったのがロイテンの戦いであり、斜行陣とまではいかないにしてもプロイセンの機動性が死命を制したのが、例えばロイテンに先立って行われたロスバッハの戦いであった。 


次回は、ロイテンの戦いを解説しつつ、七年戦争においてプロイセン軍のマスケット兵が運用されたか、そして横隊戦術の問題点を展望したいと思う。思うとは言っても、明日更新する気満々だが。

ん? じゃあ何でロイテンの戦いまで書き上げてから投稿しないのかって?

いや、長々とした文章をたまーに投稿するより、少しずつでもコンスタントに投稿した方がアクセス数稼げる読者の期待に応えられるかなと。正直、更新されてないブログを毎日訪問してる読者諸君に申し訳ない気持ちでいっぱいだし、その一方で私の執筆速度に限界があるのも事実だからな。

sandy bridge使って新しいPCを組みましたとさ

2011年02月08日 22時43分01秒 | 日記
ただ、その死んだ時期が待ち望んだ新型CPUsandy bridgeの発売とほぼ重なっており、私は何とかぎりぎりまで持ってくれたと安心して新型の部品を注文したのである。秋葉で在庫がなかった為通販したら間違って横浜に送ってしまうというアクシデントもあったりしたが、無事二月五日到着。しかし、それを遡る事何日か…

Intel 6シリーズに不具合、Sandy Bridgeマザーは全品販売停止

どういう事なの…


この不具合は、簡単に言うとCDドライブとかHDDが動かなくなるものである。

新型CPUのsandy bridgeは新しい規格のマザーボード(基盤)に載せなければならないのだが、そのマザーボードには当然CDドライブとか電源とかグラフィックボードとか、色々なものを接続する。その中で、CDドライブとHDDを繋ぐポートは同じ規格で出来ており「SATA」というのだがここの回路設計に欠陥があった為、購入当初から段々速度が遅くなり最悪、HDDやCDドライブが見えなくなるという不具合が発生するというのが発覚したのである。

しかも、だ。これがインテル製マザーボードだけなら良かった。しかしだな、マザーボードには、CPU製作会社であるインテルが「新型CPUにはこうこうこういう設計の回路を組み込んでください」というのを配布している部品が必ず組み込まれている。と言うか、その部分が根幹と言っていい。これをチップセットという。

まぁ判ったと思うがチップセットに欠陥があったのである。よって、インテル純正は元よりギガバイト製、アスース製、MSI製、どれもこれもアウトだ。全て販売停止&回収である。

元々、私はパソコンに呪われた女である。諸君も知っての通り、初代自作機のアスロンMP4800+デュアルは起動した瞬間から80度超え今にも離陸しそうなファンを使っても熱暴走したというハイパー熱暴走マシンだった。三代目はMSIマザーボードを買ったらOSがインストール出来ず、会社用のPCを作る為にこれまたMSIマザーボードを買ったらシリコンが焦げてるという呪われぶりだ。

最近も、mumble(ボイスチャットソフト)とAOCを同時起動しているとAOCが強制終了する(判ってると思うが、AOCは10年前のソフト。mumbleが通信対戦の通信の邪魔をして止まるなら理解できるがAOCがフリーズする理由がない)、何の理由もなくデスクトップPCが駄目になる等、どうしようもない事態に何度も直面している。

特にマザーボードは危険であり、私はMSI製品に何度も酷い目に遭わされている為最近はGIGABYTE製品を買う様にしていた。しかしながら一昔前の韓国車みたいに半分壊れて頻繁に落ちた訳で、正直次のマザーボードは何処のものを買うべきか悩んだ。ただ、うちの会社のPCは一台除いて全てGIGABYTEであり、一切不調を起こしていないのに鑑みて、もう一度だけ彼の会社の製品を信じる事にした。

まぁ私のにだけ不具合が出てるのこそ呪いだとも考えられるが。

しかしながら、今回はそんな問題ではなかった。全部地雷だったのである。もうどうしようもない気分だ。ただ、今回欠陥が発見されたのはSATA2ポートだけで、SATA3ポートには発見されていない(どちらも基本は同じなのだが速度が違う。3のが速い)。なので、SATA3ポートのみを使って取り敢えず組んでおいて、回収&交換を待つ事にした。

以下、組み立て写真館。尚デジカメまでもぶっ壊れたので携帯写真である。しかし携帯で撮影した時は結構綺麗に撮れたと思ったんだが、PCに移すとすごい汚いな。ちなみに一部クリックで拡大。




まずは噂のマザーボード。GIGABYTEのP67A-UD5である。



箱を開けたところ。



取り敢えずPCケースに固定だけしてみたところ。しっかし汚い画像だな。ちなみに電源は続投組のCORSAIR CMPSU-1000HXJP



さて、CPUだな。CORE i7 2600K。



で、これをマザーボードにハメます。



そしてCPUクーラー。以前、某V10を買ったという話をしたが、これを続投させるか迷ってな。これやっぱり電圧食うし、取り敢えずリテールのCPUクーラーを使って、駄目だったら又CPUクーラーを買おうという風に決めた。どうせ某離陸ファンを使わなきゃいけないほど熱くはないだろうという考えである。



では次にこちら。メモリだな。続投組のCORSAIR TWIN3X2048-1333C9だ。本来は2GBの三枚組みで三枚使うんだが、このマザーボードは二枚or四枚挿ししかできないので二枚挿し4GBという仕様になった。



挿してみた状態。



で、次はグラフィックボード。先代は組み立て時GAINWARD HD4580だったのだが、昨年の暮れに切り替えていた。今回はそれを続投させる事にしたのだな。SAPPHIRE Vapor-X HD5870 1GBである。尚、この画像は回転させなきゃならんと思うんだが、画像加工すると更に画質が酷い事になりそうだからやめておいた。



こちらが中身。



グラフィックボードを挿し、大体の配線を終えた状態。HDDも見えるな。ちなみにHDDは日立の2TBSATA3、HDS722020ALA330だ。二つ買った。



こちらは完全に配線を終え、他のPCIEカードも挿した状態。新たに挿したちっこいのは、blackmagic design intensity pro。いわゆるソフトウェアキャプチャーボードの代表格だ。続投組である。



で、OS入れて色々プログラム入れて、結果、現在は順調に動いておる。




以前も書いたが、人間もPCも元気が一番である。

AOC攻略記事その12 文明攻略編7

2011年02月02日 15時52分46秒 | AOC
ここのところ、リアルに寝込み続けている。いや、本当に。おかげで体力を使うゲーム(AOCとか)も全然やっておらぬし、記事だって書ける状態になかった。ようやく復調の兆しが見えてきたので、取り敢えず書きかけだった中国の攻略完成させてんではっつけて終わる。

中国

文明ボーナス
・スタート時の農民の数+3
・スタート時の木-50、肉-200
・テクノロジーの研究コスト削減(領主-10%、城主-15%、帝王-20%)
・町の中心による最大人口+5
・爆破工作船のHP+50%

チームボーナス
・畑の生産量+45

ユニークユニット
・連弩兵→改良型連弩兵

ユニークテクノロジー
・砲弾術:連度兵の攻撃力+2、スコーピオンの攻撃力+4

中国は、私は万能(器用貧乏)文明だと信じて疑わぬのだが、仲間内に聞いたら射撃文明だと言われたのでこっちに入れた。じゃあ何故射撃文明じゃないと考えるかって別に射撃が強い訳ではないからである。一応文明特性には弓って書いてあるんだが弓のボーナスは一切なしでユニークの連弩兵も弓のそっくりさん程度の性能である。

と言うのも、この連弩兵と言うのは石弓シリーズよりも射程が1短い代わりに攻撃能力が高いという触れ込みなのだが…重石弓は基本攻撃力が6、改良連弩は基本攻撃力8。双方鉄工所と化学で攻撃力+5な訳だが、連弩は更に砲弾術で攻撃力を2上げられる。そして連弩は特殊な能力として攻撃力3の矢を4本追加発射する。つまり、全部当たれば基本攻撃力だけを見ても+12である。

これは強い。

いや、間違えた。

強いといいなという願望。

まぁ、ぶっちゃけ弱いのだ。まず命中率が悪い。どうやら弓懸どころか弾道学も適用されないらしく大抵二本しか当たらない。しかも、この矢は多段攻撃扱いである。つまり、相手の弓防御が0なら、攻撃力3の矢が二本当たった場合ダメージは6だ。しかし、相手が間接防御2以上だと矢一本ダメージ1なので矢二本でダメージ2。攻撃力6の矢一本なら相手の間接防御が2あっても4のダメージが入るのだがな。

そして、これが一番致命的なのだが、この追加発射の矢は攻撃力が上がらないのである。つまり鉄工所上げようが砲弾術しようがずっと3。Zはっきり言って、連弩が量産される頃には相手も鉄工所で防御力を挙げている。つまり、事実上あらゆる敵に対するダメージボーナス+2でしかない。

しかもこの子、攻撃速度が大変遅い。一度攻撃してから二回目の攻撃が出るまでの時間が非常に遅く、三秒かかる(石弓は二秒)。一応弓懸はかかるのだが、それでもここまで遅いと辛い。どれぐらい辛いかと言うと、ユニークテク付フル強化改良連弩とフル強化重石弓を戦わせると連弩が勝つのだが3、4匹連弩が残るって程度の勝ち方なのだ。

一応、利点としては…重石弓は生産コストが木25金45、改良連弩は木40金35なので金が節約できる、程度か。生産速度自体は13秒と早い為、城からしか作れないのも言うほど気にはならない。まぁ、小屋を前の方に建てて前線を押し上げていく、というのは難しいが。中国は砲台も作らねばならんからな。

さて、ではユニークユニット以外を見てみようか。さっきも言った通り弓文明と文明一覧に書いてありながら弓にボーナスはない。一応、弓懸はあるし重石弓まで上がるが、それだけだったらプラスして砲撃手作れる日本のが強い訳である。一方戦士育成所はイーグル以外全兵種作れて鉄工所も全部上がる。歩兵文明じゃねぇのかてめぇらはよ。又、騎兵育成所は血統、繁殖共にあるものの騎士が重騎士まで、斥候は騎兵まで。らくださんだけは重装まで上がる。

包囲攻撃訓練所は改良強化破城槌とヘビースコーピオンが出る。投石は改良型投石器まで。むしろ問題は包囲攻撃技術がない事か。これは多分、砲弾術でヘビスコが強くなりすぎるのを恐れての事だろうがただでさえ大砲出ないんだぞこっちは。なので改良強化破城槌を出せても、抜く速度自体はちょっと遅い。又、城を壊す時は包囲攻撃技術なし遠投しかないので投げあいとかになると辛い。

…とまぁ器用貧乏の鑑みたいな文明である。

日本やチュートンの様な本物の万能文明と違い、帝王戦で頼れるものが無いのがとにかく辛い。万能文明は相手の編成に合わせてこちらの編成を変えるのが基本とは言え、日本なら例えば槍+砲撃手+投擲術遠投とか、チュートンならフル強化(除繁殖)近衛騎士単とかある程度の帝王編成を出せる。しかし中国は槍スコーピオン以外帝王編成らしい帝王編成が無いのである。

唯一の救いは砲台なんだが、これにしたって人力起重機が無いから建てるの大変だし。

しかしながら、それでも中国は一部で根強い人気がある。まず第一に、最初から農民が三人多く、最大人口も五人多い。まぁその分肉と木が少ない訳だが、このボーナスのお陰で上手くいけば他の文明より20~30秒早く進化できるのである。ただこのボーナスも良し悪しでな。

始まった瞬間機織→初期羊を六人の農民で食べる→最初に生産した農民で家を二軒→後は機織がもう既に終わってる以外いつも通り、これで進化できるのだがもし初期羊がいなかったらというのは大変大きな問題だ。私の愛用するグリーンアラビアキャンサーならまず95%ぐらいの確率でいるが、グリーンアラビアだとその確率が下がり、普通のアラビアなんかいない可能性が結構高い。

仮に初期羊がいたとしてだな。普通の文明なら最初は3人の農民で食べ始め、1人1人増えていってようやく6人とか7人で羊を食べるのに対し、中国はいきなり6人で食べる。つまり肉の回収が速い代わりに羊の消費も早いので、急いで残りの羊を見つけないと食べつくしてしまって暇農民になるという危険性をもはらんでいるのである。

そういう場合は皆でいちごを食べるのだが、普段先に伐採所を建てている人の場合思いっきり進化リズムが狂ってしまう。お陰で一般的には大変嫌われているボーナスである。こういうゲームで運要素が強いのは辛い。まぁこのボーナスのお陰でLNじゃ最強なんだがな…まぁ、ともあれ、上手くいけば領主INが敵より20~30秒早い、というのは鬼の様に強いボーナスである事は確かだ。

言うまでもなく、このボーナスにより中国は速攻が強い。しかも、さっき言った器用貧乏がここでは有利に働く。槍散は勿論、弓が進化するから弓Rもできるし、血統があるから斥候Rも大丈夫。進化が早いから軍兵即もOKと、基本的に領主戦術は何を選んでも大丈夫なのである。

その上、畑の生産量増加というチームボーナスにより、資源量もかなりの優位を保てる。これは引き具とかと同じ効果で、畑がそれだけ長持ちする様になるというものだ。その+45という数値は、引き具が+75、馬鍬が+125な事を考えれば結構な数字だという事が判るだろう。又、このボーナスはチームボーナスというのが味噌で味方が全員資源量的なアドバンテージを取れるというので味方には大変喜ばれる。

更に、この文明はテクノロジー研究が安くなるボーナスがついている。所詮は領主で-10%、帝王になっても20%と侮るなかれ。鉄工所強化やら内政技術やらが積もり積もって早く押せる様になるのである。塵も積もればの道理だな。

まぁここまで書くと大体判っただろうが、中国は領主(戦術によっては暗黒)からのラッシュで主導権を奪い、その後は畑ボーナスやテクノロジーボーナスといった後々まで効いてくる内政ボーナスによってその優位を拡大し勝負を決める純速攻型文明だという事である。

何せぬくっても出てくるのは重石弓のそっくりさんとかなので、帝王までぬくりきるのは得策ではない。遅くとも城主序盤には攻勢に出る必要がある。又、時間制限制ゲームならポイント勝ちした上で矛槍+砲弾術ヘビスコでガチガチに守りを堅めてニヤニヤするのが有効だが、vooblyでは征服が基本(と言うか征服にしないと害人が抜ける)なので意味がない。敵を滅ぼさないといけないのである。

ただでさえスコーピオンは進軍の遅さがネックで攻めには向かないのに、進軍中はどうしたって陣形が崩れる。陣形が崩れたところに近衛騎士なんかが強襲してくると片っ端から割られて終わりである。できれば裏小屋かって勢いで包囲攻撃訓練所を寄せたい。もしくは天の川を描くか。

一方、後衛を引いた場合だがこれはこれで結構頑張れる。血統があるから城主での騎士の出し合いで負ける事は無い(除フン)。相手がお馬さんワッショイ文明ならばこちらにはらくださんがあり、ちゃんと重装ぶもーになるので相手がフランクとかならむしろこっちを主力に作っておくと後々便利だ。血統あるし鉄工所も全部上がるからな。