霧島家日誌

もう何が何だかわからないよろず日誌だ。

模型製作の手引き02 前回の補足&素組み(ゲート処理)

2014年11月28日 21時32分37秒 | 模型
ごきげんよう諸君、いかがお過ごしかな。最近は割りと満ち足りた生活を送っている霧島である。国民総幸福量が高いのである。やはり人間、幸福な生活を送れているかどうかというのは大事なのではないだろうか。

なお、金欠の模様。

ああ…日曜になったら、エスコンの話するだけで一万貰えるボロい仕事しにバンナム本社に行くんだ…嬉々としてエスコンの話して、それで金貰うんだ…

なお、模型を飾る棚買うと赤字になる模様。




●お勧めキット紹介

前回、キットの選定のところで色々と述べた訳だが、「具体的にコレ、ってお勧めのキットがあれば書けばいいんじゃないか」という意見があったので、いくつか紹介しておこうと思う。

なお、当たり前だがこのキット紹介は2014年下旬現在のものであり、年月が過ぎればお勧めキットも変わる。特に数年もすれば、ここにあげているものも過去のものになる可能性が高い。



HGAC 1/144 XXXG-01W ウイングガンダム

参考レビュー


個人的には一押しのキット。オールガンダムプロジェクト一作目だけあって気合が入っており、肘関節グッバイ以外はポロリもほぼない。プロポーション良好・可動範囲良好・色分け良好・作りやすさ良好と、三拍子ならぬ四拍子揃った良キットである。

ウイングガンダム自体小型のガンダムということもあり、パーツ数もそう多くなく、作りやすい上に工数も少ないというのはポイントが高い。その上ヒロイックで受け入れやすい形をしてるのがいいところだ。

また、本キットは兄弟が多い。原型機であるウイングガンダムゼロ、ビルドファイターズのベストバウトとまでいわれる戦いを魅せたフェニーチェ、その改良機フェニーチェ・リナーシタと、色々あるのだ。フェニーチェ・リナーシタも本編での戦闘こそフェニーチェより地味だったが、キットは「ガンプラの到達点のひとつ」とまで言われる出色の出来である。

それぞれ見てみて、気に入ったのを購入してみてもいいのではないだろうか。




HGAW 1/144 GX-9900 ガンダムX

参考レビューA
参考レビューB


こちらも、私としては結構なオススメキット。オールガンダムプロジェクトが正式に始まる以前のキットだが、出来はウイングガンダムと比べても遜色ない…というか、割と最近までウイングガンダム以降のキットだと思ってた。

背中のサテライトキャノン&リフレクターがやはり最大の特徴で、リフレクターにはホログラムシールが付属。これは塗装でもそうそう表現できない独特の美しさを持っており、サテライトキャノン展開時は素組みでもかなり映える。

やはり、塗装しなくても見栄えがいいというのは、最初に選ぶキットとしては魅力的だ。また、肘関節含めポロリはほぼないのも魅力的で、がしがし動かしてポーズつけても問題ない。小型機故の工数の少なさも評価できる。

ファミリーとして、改修機のガンダムXディバイダー、ビルドファイターズのガンダムX魔王がある。どちらも本キットを芯にしており、完成度は高い。特に魔王は見た目のカッコ良さだけなら圧倒的なので、見た目で選ぶならお勧めできる。また、後半主役機のガンダムダブルエックスもオールガンダムでキット化されている。




HGUC 1/144 MSN-06S シナンジュ チタニウムフィニッシュ

参考レビュー


ガンダムばっかりではアレだから、敵役メカも…ついでに素組みでも見栄えがする奴を…という訳で、こいつを選択。少々古めのキット(と言ってもガンダムXとほぼ同時期なのでさほど古すぎはしない)だが、腰部エネルギーパイプ以外はポロリもなく、プロポーション・可動範囲ともに良好。

シナンジュは、↑の二機と違って大型機である。具体的にはウイングガンダムが16.3m、ガンダムXが17.1mに対し、本機は22.6m。よって、箱からしてこれらガンダムよりも明らかにデカい。当然工数も増える訳だが、実際のところ、そこまで露骨に手間がかかる訳ではない。どちらかと言えば組みやすい方に属する。

本キットの最大の特徴は、赤部と白部にチタン粒子を使ったメッキ処理がされている事。塗装済み完成品ならぬ、塗装済み組み立てキットである。組み立てただけで、塗装した作品のような完成度が得られる。

と言うか、この塗装は極めて特殊であり、バンダイの工場以外で再現するのは不可能である。その上黒部はグロスインジェクションと呼ばれる光沢質樹脂でできており、本キットは『塗装しなくてもいい』というよりは『塗装しないのが正解』のキットと言える。

本キット以外にもメッキ処理されたキットというのはあるが、作りやすさと完成時の見栄えを両立しているという点において、本キットに追随するものはないと思われる。デストロイユニコーンは手間かかるし、メッキサザビーとかはここまで綺麗な塗装じゃないしな。現状、最もゲート処理跡が目立ちにくいメッキキットでもある。

まぁ、とにかく組むだけですごくかっこいいという意味で、本キットはお勧めのひとつである。

欠点としては、高価(5000円とかする)な事、ナイフで削ったりしてる時にうっかり塗装を削ってしまうとリカバリー不可(バンダイの工場でしか出せない色で塗装されてる)な事。あと、シールを塗るのにかなり神経質にならないといけないのも欠点と言える。胸とか袖の装飾が全部シールなので、結構大変なのだ。

まぁ、欠点を補って余りあるほどに、メッキの綺麗さは素晴らしいのだがな。パーツ通販は利用することになるだろうが…特にシールは、ミスった時用の予備を含めて購入しておいた方がいいかもしれん。




HG 1/144 ベアッガイIII

(ベアッガイIIIの)参考レビュー
(キットの)参考レビュー


そうそう、紹介するならこいつを忘れてはいけない。ガンダム界のアイドル、アッガイを改造して更に愛らしくしたという、ビルドファイターズのマスコット、ベアッガイIIIである。こう書いてベアッガイさんと読む。

改造なしで普通に組んでも愛らしく、また可愛い。その一方で、硬派にアレンジしたり、ダンガンロンパのアレ風にしたりと改造派にも人気が高いという、かなりの良キットである。まぁ、私からは多くは語らない。ぜひ、参考レビューを見てほしい。主にキットじゃない方。




●買うお店

本連載記事において、商品のリンク先は基本、全てamazonである。これは偏に商品画像+リンクをワンボタン作成してくれるamazonアフィが便利だからというだけであって、別にamazonで買うのが最善だと言っている訳ではない。勿論amazonも有力候補ではあるがな。

amazonの問題は、あまりメジャーでない工具や塗料はamazon本体が取り扱っておらず、amazonに出品してる業者からの購入になる点である。前回記事におけるマスキングテープがそうだ。そういう業者から買うと無闇に高い送料がかかるため、そこがよくない。

その為、他の選択肢としてヨドバシのネット通販、及び通販サイトのホビーサーチを挙げておく。私はこの三店舗(?)と、家の近くにある家の近くにあるヨドバシ実店舗で用を済ませておる。

それぞれ利点と欠点がある訳だが、まず、安さは【amazon=ヨドバシ>ホビーサーチ】と覚えておこう。amazonとヨドバシの値段は大体トントンぐらいで、amazonの方が安い、ヨドバシの方が安い、というのは商品によって変わる。ただ、ヨドバシのポイント還元と送料無料を計算に入れておくようにしよう。まぁ、amazonもprimeもしくはstudentに入ってれば大抵は送料無料だが。

一方、模型用具の品揃えは【ホビーサーチ>ヨドバシ>amazon】である。キットや、ニッパーなど代表的な工具はamazonでも普通に揃う。だが塗料や専門的な工具となると、なかったり、出店業者から発送になってしまう。そういうのはヨドバシで買うといい。

ホビーサーチは、模型に関するものなら大体揃うと思ってよい。専門的、というのを超越してマニアックな模型用具やら塗料は、ヨドバシにもない場合が多い。そういうのが欲しい場合は頼ることになる。近所の模型屋やら家電量販店でも売ってないからな、そういうのは。生産停止品以外はここで揃う筈だ。

まぁ、amazonヨドバシはやっぱり二強であるから、この両者で調べて駄目な場合はホビーサーチみたいな模型通販専門サイトで買う、という形になるだろう。なお、こういう言い方をしたからには当然、ホビーサーチ以外にもマニアックな模型用具を揃えた通販サイトはある。が、あそこほど商品情報が詳細なサイトを、私は他に知らんのでな。amazonヨドバシに次ぐ第三の選択肢としては、私はホビーサーチを推しておく。




●ようやく本題




前置きが長くなってしまったが…今回は、つい先日発売になった、HGUCのクロスボーン・ガンダムX1を素組みしてみようと思う。一番新しいキットだし、そんなに好きじゃないMSだから適当に作っても惜しくないし。X2出せってアンケート出す為だけに買ったのに、何でアンケート葉書入ってないんですかね…




●プラスチックの白化


さて、素組みというのはゲート処理という作業しかやらずに組み立て、それで完成にすることをいう。たまにゲート処理すらやらない人もいるが、流石にそれは見栄えが悪いので、最低限やっておきたい。

しかし、ゲート処理をやらないとどう不恰好になるのか? わかりやすい例として、私のなまくらニッパーで何も考えずパーツを切り離し、組み立てたモノを写真にしたのでご覧に入れよう



これはアカン。

ところどころ白くなってしまっているな。ゲート処理という作業をやらずにパーツを切り離すと、こういう風になってしまうのである。これはプラスチックの宿命であって、プラモデルの素材をプラスチック以外にしなければ解決できない。

どうでもいいが、プラモデルの素材をプラスチック以外にした場合それはプラモデルと呼んでいいのかという哲学的命題が発生するな。個人的には、将来何らかの新素材が採用されるようになった場合「○○スケール××キット」の部分だけ変わってプラモという言葉自体は変わってなさそうな気がする。

閑話休題。今度はプラ棒をニッパーで切断してみたので、その切断面を見てもらいたい。



やはり、白くなってしまっている。これは、クレージングとかクラックとか呼ばれる現象である。

この現象は、白い物体が発生するものではない。白く見える部分には、光の波長程度の小さな亀裂が大量に発生しており、これが光の反射で白く見えてしまうのである。

こういう、特殊な仕方で光を反射するが故に見える色を構造色という。蝶の羽根とか、いわゆる玉虫色なんかはこれにあたる。あれらは身体そのものに綺麗な色がついているのではなく、プリズムのように光を反射させて綺麗な色に見せているのだな。

何でこんなことになってしまうかと言うとだな。プラスチック、特にスチロール樹脂は固く、可塑性に乏しい。ここでの『固い』とは頑丈という意味ではなく、曲がりにくいという意味だ。プラスチックはあんまりにも固すぎて、力がかかると細かい亀裂が大量に入り、最後には割れてしまう。

この時発生する亀裂こそ、見た目には白く見える部分だ。まぁ話が難しければ、プラスチックは無理な力がかかると白くなると覚えておけばよい。しかし、先程の画像は両方とも、ニッパーでプラスチックを『切断』しただけである。ペンチで思い切り潰したりした訳ではない。

実は、だな。ニッパーでプラスチックを切断するという行為は、刀で人を斬るのとは全然違う。どちらかと言えば、二本の棒で力強く挟み込んだら、棒が細かったのもあって千切れたと表現すべき行為なのだ。

故に、ニッパーでパーツを切り離そうとすると周囲に負荷がかかり、亀裂が入る。つまり、白くなる。

逆に言えば、ニッパーの切れ味が良ければ良いほど、切るプラスチックが薄ければ薄いほど、白化現象は起こりにくい。プラスチックに無理な力のかかる余地が少ないからな。切れ味が良いニッパーを使うと作業効率が上がるのは、この辺に理由がある。




●実際の工作


ではいよいよ、実際の工作を始めよう。今回使用する工具はニッパーとデザインナイフのみ。シールも、目のみしか貼らない。なお例外として、目のシールを貼る時のみ、ピンセットと綿棒を使用する。まぁ手でやってもいいんだが、救急箱から引っ張り出せばいいしな、この二つは。



まずは説明書に従って胴体から作る。ゲート処理の説明もここでやってしまうぞ。

前からランナーとかゲートとか特に説明せず言っているが、各パーツが繋がっている『ワク』、その全体をランナーという。そして、黒丸で囲ったように、パーツとランナーを繋げてる部分を特にゲートと呼ぶ。今切ろうとしているパーツは、上右下の三箇所にゲートが繋がっておるな。

まずは、このゲートを切って、パーツをランナーから切り離す。この時、画像のようにゲートをパーツ側に少し残すのがポイントである。パーツぎりぎりをニッパーで切ると、プラスチックの白化がパーツ本体にまで派手に伝染してしまい、やすりとか使わない限り取り返しがつかなくなるからな。ニッパーの切れ味が悪いとパーツが抉れる事すらあるから気をつけたい。



ニッパーで切り離しただけの状態。このように、パーツにゲートが残るようにするのだ。あんまり巨大な塊をくっつける必要はないがな。





そしたら、画像のように、デザインナイフで残ったゲートを切り落とすのである。この時、全部一気に切り飛ばそうとすると結局パーツが白化してしまう。無理に力を入れれば特にな。あまり力を入れず、少しずつスライスするのがコツである。



ゲート処理完了。このように、デザインナイフでちまちま切るだけで、ぱっと見ではわからない程度には綺麗になる。元々白いパーツだから多少ミスって白化しても気にならないというのは精神的に楽だな。

ちなみに、このパーツも、光の当て方とかを変えて注意深く見れば「あーここゲート跡だな」とわかる。だがそういうことしてもわからないレベルに仕上げるには紙やすりが必要になる。むしろ、デザインナイフでそこまで仕上げようとするとパーツを抉ってしまったりとか悲劇が起こるので、ほどほどでやめておいた方がよい



今度は色付パーツのゲート処理をやってみよう。このパーツは、胸のコックピットカバーである。



この通り、色付パーツのゲート跡は白化のせいで非常に目立つ。丁寧に処理しよう。



先程のパーツの処理を終え、胴体にパーツにくっつけたところ。ゲート跡がほぼわからなくなっておるな。デザインナイフでの処理はこれぐらいで十分である。これ以上は、紙やすりで仕上げる領域だ。



今度は頭の製作に入る。クロスボーンガンダムはガンダムの中でも特に小さい時代(14m級が標準)の機体であり、その頭ともなればパーツは相当に小さい。こういう小さいパーツは切れ味のよいニッパーで切り離し、デザインナイフでの作業量を減らす。このサイズになってくると、手でつまんでの作業は割と困難だからな。作業の量を最初から減らしておくのだ。



続いて、目にシールを貼る。シールは使わない方針だったが、目だけはシールを貼らないと見栄えが悪いのでな。

本キットは、フェイスカバーのクローズ状態とオープン状態両方のパーツがついており、好きな方を選んで組み立てる方式になっている。オープン状態はかっこ悪いので今回はクローズ状態を選択し、シールを貼る。

こういう小さいパーツの作業を行う時は、何らかの方法でパーツを机に固定して実行するのが望ましい。一般的には、両面テープなどで机に貼り付けて固定する。シールを貼るだけとか、マーカーでちょいちょいと塗るだけとかなら、画像のようにランナーにくっつけたまま作業してしまってもよいだろう。

ただ、これはあくまでずぼらなやり方であって、間違ってもやすりがけとかそういう作業をランナーにつけたままやらないように。まぁやすりがけの紹介は次回以降だが、パーツが吹っ飛んでいったり、ゲートが千切れてしまったりする。

後、シールは画像のようにシールを使って貼る方がよい。勿論、デカールと違ってシールは手で貼っても構わない…のだが、やりやすさが全然違うのでな。特に目のシールみたいな細かい奴は、手でやるとフェイスパーツを叩き割りたくなる事がよくある。



ピンセットでシールを軽く貼りつけた後は、綿棒で優しく押してしっかり固着させる。この工程も指でやって構わないが、間違ってもピンセットで押さないこと。シールがデコボコになったり、最悪シールが破れる。




頭ができたので、胴体と合体。この時点で胸像としては見れる形になっており、俄然やる気が湧いてくるというものである。

ところでこの頭、本来なら刺さりそうなぐらい尖っている筈のツノの先っぽが、丸く、太くなっている。これはHG1/144シリーズが対象年齢五歳以上だからであり、安全性の問題からこうなっておる。当然だが、ツノは鋭く尖っていた方がカッコいい。次回以降の簡単フィニッシュで、少々弄る予定である。

一方、腕間接が刺さる筈の部分を見てもらいたい。黒いのがハマっているだろう。これはポリキャップと呼ばれるものである。名前の通りポリエチレン製のキャップで、ガンプラの間接部に多用される。



これな。触ってみればわかるのだが、ポリエチレンは多少柔軟性があり、間接部に使ってもヘタりにくい。その割に保持力が高い為、四肢を中心にがしがし動かす必要のあるガンプラの間接部にはよく採用される。

逆に、動かす必要のある部分が少ない艦船模型とかにはほぼ存在しない、という事だな。

ただこのポリキャップ、ポリエチレン製だけあって見た目がプラスチックとは結構違う。また、塗装しても色がまるでのらない上、すぐ剥がれてしまう。この為、最近のガンプラではポリキャップで関節を作った上でカバーをつけて隠したり、ポリキャップなしで間接を作ったりする。





腕。見ての通り、肘間接部はポリキャップレスで二重間接構造。そこに装甲カバーをかぶせる形になっている。一方、肩間接は上腕の棒を肩アーマーのポリキャップに挿入するようになっている。肩アーマーだけ装着した上半身が後ろに見えるな。手首間接もポリキャップである。

ちなみにこのポリキャップレス肘関節、最近は構造上の問題で間接グッバイ多発キットが多かったのだが、本キットでは対策されている。



実際に肩アーマーへ腕を挿し、上半身を完成させた状態。サマになってきたな。



今度は脚部である。スネ部を後ろから撮影。左にあるのは足だ。

最近のキットでも、脚部はこのように最中構造である事が多い。まぁ昔は腕も最中構造だった事を考えれば全然違うのだが、それはさておき、このまま挟むとくっきりと合わせ目ができてしまいそうである。



パチンとな。この通り、合わせ目ができてしまった。ただ、真ん中は装甲の突起部分にあわせているのでそれほど目立たない。最近のキットは、こうやって装甲の分割線とかに合わせ目をあわせることで、目立たないように細工している場合が多い。

ところで、よく見ると微妙にプラが抉れてしまっておるな。デザインナイフでのゲート処理に失敗した、わかりやすい例である。やりすぎには注意、だな。



今度はスネを前から。後ろより露骨な合わせ目になっており、もしこのまま完成なら合わせ目が目立ってしまう。が、ちゃんと考慮されておって





この様に、スネ前面は別パーツになっておる。合わせ目も装甲の分割線にバッチリ合っており、まず気にならない。

大きく分けて、スネ後部右、スネ後部左、スネ前部の3パーツ構成になっている訳だな。

昔ならスネ右とスネ左だけで構成されており、前からも後ろからも合わせ目がクッキリ見えてしまっていた訳だが、この辺、最近はどんどん進歩しておる。



モモ部はこんな感じである。右側はモモ以外を組み上げた脚部、左側はモモ含めて組み上げた脚部だな。膝も関節も二重間接になっていること、及びモモの装甲分割線と合わせ目が合っていることがわかる。





で、脚部を前部組み立てて、胴体腰部に取り付けて全身が完成。撮影ブースでなく作業机で撮ったからまぁ映りは悪いが、大体こんな感じになる、と思って貰えればそれでよい。

なお、腰部の作成は特に語ることもないのでスルーした模様。シザー・アンカーもついてないしな、今回は。最後に背部X字型スラスターユニットを作成して、完成である。こちらも特に語ることはないので作成過程はカット。





で、完成である。

どうだろうか。

ニッパーとデザインナイフだけでも、普通に見れる形に仕上がるということが、判って貰えると思う。勿論、ガンプラでなければこうはいかない場合が多い。コトブキヤV.I.なんかは(根気さえあれば)大丈夫らしいが、艦船模型なんかは、こうはいかん。

ガンプラは、

・設計が良い為色分けがしっかりされており、色を塗らなくても綺麗に仕上がる。
・工場の精度が良く、製造工程上の欠陥(パーティングライン等)が目立つ事は少ない。
・同様に工場の精度が良く、改造しないと部品同士が上手くハマらないという事もない。
・その割りに組みやすい。

といった長所があり、それ故に模型入門として最適であるし、ニッパーとデザインナイフだけでも綺麗に仕上がるのである。勿論ガンプラでも初代三部作のTV放映時のキットなんかは大分アレだが、今は技術が進歩したからな。

逆に言うと、艦船模型や飛行機模型は、モノによっては工場の精度が悪かったり、設計が悪かったりする。故に、塗装必須だったり、歪んだパーツを削って修正したりしなければならない。よって、一度も模型を作った事のない人が手を出すと頭がおかしくなって死ぬ。

そんな訳で、艦これでお船を作ってみようとか思った人や、ガンダムに興味がないけど模型に興味があるという諸君も是非、まずはガンプラを作ってみてほしい。これほど入門に向いたキット群はないぞ。

まぁ、ガンプラの長所でもあり欠点でもあるのはガンダムであることの一点に尽きるだろうな。ガンダムは好きな人は好きでも、興味ない人は興味ないし…まぁ、今はビルドファイターズトライやGのレコンギスタも放送しておるから、そちらから入ってみてもいいだろう。

幸い、ビルドファイターズトライは前作ほど面白くないにしても良作ではあるようだし、Gのレコンギスタは序盤が酷すぎた代わりに5話ぐらいからは面白くなるらしいし。私は見てないが。

では、最後にビーム・ザンバーを持たせたアクションポーズシーンをいくつか貼ってお別れである。





































そうそう、ポーズにセンスねぇなと思った奴はネクサス仕様軽量二脚で駐車場に来るように。

模型製作の手引き01 素組みに必要な工具とキットの選定

2014年11月23日 08時57分03秒 | 模型
ごきげんよう諸君、いかがお過ごしかな。ニコニコのブログで書いてたオラザク製作記の連載がいつもどおり富樫状態になっておった霧島である。まぁ寛大な心で許してほしい。

というのは、製作中、事情があって京都に帰省しなければならなくなってな…それも一ヵ月半の長期間。いくら何でも、作ってる途中のザクを新幹線で持っていく訳にもいかんかったから、作れなかったのだ。

で、一ヵ月半も触ってないと作る気力がどこかへ行ってしまうという訳で…最近は製作依頼されてたプラモを作ってたりしてた。〆鯖鯖男という人に「素組みでイイから」と頼まれてた奴が結構あったのだ。


さて、ニコニコのブログでやっておった、ザクを使っての「初めてのガンプラ改造」だが、流石に無茶振りが過ぎた。いきなり全面改造+全塗装は、解説記事として作るにはハードルが高すぎる。とは言え、最近プラモ製作が趣味として復活したのは事実だし、えりち似のクッソ可愛い部長に萌えるアニメビルドファイターズトライがちょうどよく始まってるし、やはりプラモ作りネタをやりたい。

そこで、オーソドックスに段階を踏む形にしようと思う。読者諸君を、最初はガンプラの素組みから始まって、最終的には艦船模型や全面改造ガンプラも作れる立派なモデラーへ華麗にステッポアップさせる、そんな模型製作手引きを連載するのである。

まぁぶっちゃけ、私も初心者の枠を脱せられるかどうか微妙なラインであり、どちらかと言うとそれ故の備忘録的な記事になるのだが、そこはご愛嬌という事で。


ま、そんな訳で、まずは素組み&簡単フィニッシュ製作法からいこうと思う。まぁ簡単フィニッシュと言っても、かつてホビージャパンで紹介され一般に普及したものとは違い、私のオリジナル的な部分がかなり入っておるがな。


で。実際にやり方を紹介する前に、工具を揃えねばならない。というのはだな、プラモの箱をあけると、各パーツがランナーに繋がれておるのだ。



プラモというのは、このランナーからパーツを切り出し、そのパーツを組み合わせて作るのだ。この作業をすっ飛ばすのは不可能、というか、それは塗装済み完成品フィギュアという物体である。であれば、ハサミ的な何かであるとか、カッター的な何かであるとか、そういう工具が必要になってくる訳だ。



●最低限必要なモノ
※全て画像クリックで商品ページに飛ぶ。アフィ厨と言われようが、ワンボタンで画像と商品紹介ページへのリンクを作ってくれるamazonのこれは便利なのだ。よって許してほしい。





プラスチックを切るのに使う、ニッパーである。ガンプラの取扱説明書にも、パーツの切り離しにはニッパーを使ってくださいと書いてある。切り離すだけならわざわざこんなもん買わんでも、最悪手でねじりきったりすればいいと思うかもしれんが、まぁ、その、やめとけ

模型製作という趣味は、高い専用品を使わず安い代替品でなんとか安くあげていくのが基本だが、こと刃物(と塗料)に関してはその限りではない。ちゃんとした刃物を使うかどうかは作業効率に直結する。よって、ちゃんとしたニッパーを買うことをお勧めする。

ここに挙げたのはタミヤの薄刃ニッパーで、おそらくもっとも一般的なプラモデル用ニッパーである。とりあえずこれか、姉妹品の精密ニッパーを買っておけばまず問題はないだろう。

ニッパーについて考えておかねばならないのは、包丁と違って砥げないということである。構造的にはハサミと似たようなもんだからな。ゆえに、切れ味は落ちいてく一方であり、買った時の切れ味は二度と戻ってこない

よって、使い分けなどを考えるべきである。私はプラモ製作用にみっつ持っており、それぞれ精密作業用(買ったばかりの切れ味抜群のもの)、普段使い用(買ってからしばらく使い倒したもの)、太いプラを切断したり細い真鍮線を切断したりする奴(なまくら)、と使い分けている。

私の模型製作の師匠であるコラセ氏にいたっては、こういった使い分けの他、切る場所の使い分けもしている。出来るだけ同じ場所で切らない――即ち、先っぽの刃で切ったら次は根元で切る、といった具合に使っているそうだ。こうすることで負荷が分散し、切れ味の劣化が遅くなるのである。

まぁ、最初は薄刃ニッパーひとつで十分であろう。切れ味が悪くなってきたらふたつめを購入し、使い分けを始めればよい。ある程度消耗品だと割り切ることも重要だがな。





デザインナイフ…要するに切れ味のよいカッターである。色んなメーカーから色んなタイプが出ておるが、上に挙げたタミヤのモデラーズナイフがオーソドックスであろう。どれにしても、刃を簡単に交換可能で、その刃が薄くよく切れる、というのが共通した特徴である。

こういった切れ味鋭い小型ナイフは、模型製作のあらゆる場面で必要不可欠である。それこそ素組みから塗装、全面改造まで、ありとあらゆる状況で使うことになる。間違っても、使い古しのカッターを使わないように。私の小学生の時みたいに

何でって、全然切れなくて発狂するのが落ちだからである。腐っても合成樹脂、プラスチックだからな。

また、刃は積極的に交換することをお勧めする。↑のは標準で替刃が30枚ついているが、そこから分かるとおり、デザインナイフの刃は消耗品である。人によって寿命や交換時期は異なるが、私の場合、最低限プラモ一個作ったら次作る時は新しいのに交換する。また、長期間使用しなかった場合も交換する。錆びてしまうからな。

ぶっちゃけ、切れ味の悪いデザインナイフなんざ100均のカッターと50歩50歩なので、どんどん交換してしまっていい。替刃もそんなに高いもんじゃないしな。ただし、鋭利な刃物である分取扱にはある程度の注意を。実際私も、プラモ一個完成させるまでに平均5回ぐらい手を切っておる。






誰も正式な商品名を言わないが、とりあえずコロコロと言えば通じるアレ。これは最早工具と呼んでも差し支えないほどに活躍するアイテムで、絶対に用意しておくべきアイテムである。

では何に使うかって、プラスチックの小さな屑が散乱した机の掃除…は当然としてだな。最近はガンプラも精密化してきて、非常に小さいパーツが混じる事も増えた。それこそ爪楊枝より小さいのがな。これを問題なく処理できた時はいいのだが、こういうの、力の入れすぎとかで何処かに飛んでいく場合があるのである。

そういう時、手当たり次第にコロコロを使うのである。すると、目当てのパーツが付着していた…こういう風に使うのだな。パーツを紛失してしまうと、クッソ面倒な部品通販をする羽目になるので、コロコロは必需品である。

ちなみに部品通販がどれぐらい面倒かって、通販がめんどくさいという理由でもう一個プラモを買っちゃうぐらいである。諸君もそういう目に遭わないように、コロコロでパーツ紛失を抑止しよう。


以上三点の工具があれば、最低限ガンプラを完成させることはできる。これらだけで作る事を、『素組み』とか『パチ組み』とかいう。



●あった方がいいモノ




特に事務系の職場によくあるモノだから、模型に関わった事がなくても見たことのある人は多いだろう。例えばカッターで紙を切る時、机の上で普通にやると机が傷ついてしまう。そういう時敷いておけば、机を保護してくれる…そういうモノが、カッティングマットとかカッティングシートとか呼ばれるアイテムだ。

勿論なくてもなんとかはなる訳だが、机に当たればデザインナイフの刃は容赦なく磨耗するし、机だって傷つく。それに、下の素材によって切りやすさは全然変わってくる。

…まぁ、そうは言っても、本当に素組みするだけなら必要はないと思う。部分塗装、簡単フィニッシュ、全面塗装、部分改造、全面改造…と、模型に手を加える度合いが増えるほど重要性が増してくるタイプの道具だからな、これは。

例えば改造。改造の定番として、純正パーツを精密改造パーツへ交換するというのがある。そういうパーツは非常に小さいから、両面テープやらで机に貼り付けて作業する場合がある。カッティングマットには方眼や目盛りがついている場合も多いから、それでパーツの大きさを測ることもできる。

塗装の際にも活躍する。部分塗装ならともかく、ある程度以上の範囲を塗装するとなると、どうしてもマスキングという作業が必要になってくる。これは『塗りたくない場所にテープとかを張り、色がつかないようにする』という作業だ。その為にマスキング用のテープを適当な大きさに切るのだが、その作業効率は、カッティングマットがあるとないとでは雲泥の差となる。

まぁ、読者の八割は頭の上に?マークが浮いてるだろうが、最初はなくてもいいだろう。それか、100均で売ってる奴か。ただ、模型製作を趣味にするなら、タミヤとかが出してるちゃんとした奴を是非購入してほしい。作業効率が変わってくるぞ。

それと、実際に買うとして、サイズの問題がある。模型を趣味とする人にも二種類いて、カッティングマットを『作業スペース』として捉える人と『切断作業に使う工具』と捉える人がいる。

作業スペースと考える場合、作業机の大きさに合わせて大きいのを買えばいい。A2とかA3とか。私はA3だな。逆に工具と捉える場合は、小さめのを買って、デザインナイフとかを使う時のみ引っ張りだす、という形になる。これはその人しだいだろうな。↑には、私も使ってるA3を挙げておいた。






先ほどちょろっと触れた、マスキングに使うテープである。ひとつの部品に『塗りたくない場所』と『塗りたい場所』どちらも存在する場合、こいつを塗りたくない場所に貼る。すると、塗料のはみ出しとか考えず、気楽に塗ることが出来る訳だ。

そんなんなら、塗装しない限りいらないじゃないかと思うだろうが、さもありなん。これは『粘着力の弱い』『やわらかいテープ』という側面があるので、結構色々使えるのである。

例えばピンセット。細かいパーツをつまむのに重宝するので、模型製作でも結構使う。が、金属であるから、プラスチックを強く持てば傷がついてしまう事もある。プラモ向けメタルパーツはアルミが多いから、こちらもピンセットに力を入れすぎると傷がいく。そこで、ピンセットの先端にこいつを貼れば保護できる訳だ。

そういう使い方にとどまらず、パーツの仮止めなど、テープとして使う場面は意外とある。セロハンテープなどは粘着力が強く、特に塗装済みパーツに貼ると剥がす時塗料も一緒にべりっといってしまうが、マスキングテープならそれはない。

意外と重宝するので、一個買っておいて損はない。安いしな。10mmと6mmを挙げておいたが、一応、これより太いのも細いのもある。が、その辺は塗装に手を出さない限り使いづらいだろうから挙げていない。





マスキングテープと同じぐらい活躍するのがコレである。小さいパーツをコレに押し付けておけば紛失しないし、作業する場合も下手に手で持つよりテープで固定したままやった方がいい場合は多い。

マスキングテープと同様パーツの仮止めにも力を発揮するし、塗装の際にも便利だ。割り箸とかに小物をくっつけて、その上で塗装したりするのだな。安いし、こちらも買っておいて損はない。ただ買うなら、はがす事を前提にした弱粘着力タイプを購入するように。






いわゆるひとつのピンセット。これもいわゆる『なくてもいいがあると便利』タイプの工具である。こいつが力を発揮するのはシール・デカールといった類のものを貼る時、および細かいパーツを扱う時である。

シールについては、ぶっちゃけ手で剥がして手で貼ってもよい。というか、諸君も普段の生活ではシールを手で貼ってるだろう。しかし、シールを指で触ると容赦なく人脂がつく。それによって粘着力が下がってしまうのだ。だから、できればピンセットを使うのが望ましい。プラスチックってモノ自体、くっつきにくい素材だしな。

一方、デカールというのは高級シールみたいなもので、こちらを貼るならピンセットはマストと言える。最近のMGなんかは水転写デカールが標準でついてたりするので、そういうのを買って作る場合は用意しておいた方がいい。わざわざ買わずとも、デカール貼り程度の用途なら救急箱内にある奴でも事足りる

で、最後に細かい部品の扱いだが…ぶっちゃけてしまうと、バンダイのプラモデル!(迫真)で使うことは少ない。艦船模型や航空機模型では必須になるのだが、ガンプラは細かいパーツが少ないのだ。ピンセットでないと扱えないような奴は、な。

艦船とかはな…もう…想像したまえよ。お船は1/700が基本だが、いくら大和型戦艦の主砲が直径46cmだと言っても、1/700にすれば0.7mm以下である。砲塔部分含めても、1/144ガンダムのコブシよりちっちゃいのだ。ましてや1/700の7.7mm機銃がどれだけ小さいか…手だけで艦船模型作ろうとしたら、まず発狂する

まぁ、ガンプラを作る上では、大規模な改造に着手しない限りほぼシール・デカール貼り専用ツールである。必要に迫られたら救急箱から取り出せばよいだろう。




以上、必須工具とあった方がいい工具の紹介であった。

さて、では実際のプラモ製作、素組みに入る訳だが…その前に、やっておかねばならない事がある。当たり前だが、プラモ製作と言うからにはプラモデルを購入しなければならない。なのだが、これの選択が意外と難しいのである。

というのは、私には諸君の好きなMSがわからないのであって、人によってはそもそもガンダムに興味がない場合すらある。模型製作の入口として取り敢えずガンプラを選択し、艦船模型や航空機模型にステップアップしていこう、という人だな。本来、出来不出来に関わらずその人の好きなMSを買って作るのがいいのだが、それではアドバイスにもならん。

なので、敢えてお勧めするとしたら、というのを考えてみた。

・最近出たキット(AGE以降、できればHGAWウィング以降)であること
・1/144のHGシリーズであること

この二点を抑えておけば、おそらく問題ない。


まず一点目、『最近出たキットであること』について。

他の模型と違い、ガンプラは年単位で技術革新が起きる世界である。ここが他の模型とは決定的に違うのだ。例えば艦船模型や航空機模型では、昭和に出たキットが最新版という話もザラである。例えば島風(大日本帝国海軍)は1972年、つまり昭和47年に出たタミヤ版1/700キットが唯一にして最新版だ。

1972年て、私生まれてないぞ。ちなみに艦これキット版島風の中身もこのタミヤ版で、キャラクタープレートなどが追加されているだけである。なお、最近の艦これ特需によってピットロードから新作がようやく出るらしい。2014年12月31日発売なんだそうな。

逆にいうと、艦これ特需がなければ昭和47年版が原点にして頂点状態だった訳で、いかに艦船模型がヤバい世界かわかる。結局これは、新作を出しても利益が見込めない(
どころか赤字覚悟)になってしまう業界だからなのだ。

その点、ガンダムは余程のことがない限りどんな新作キットでも売れる。まぁAGEとか大コケしたのもあるがアレはアニメからしてコケてたしな。だからまぁ、模型とは思えないぐらいの短いサイクルで新作が出るし、新技術がどんどん開発され、惜しみなく注がれていく。

他のスケールモデルキットなら、10年前のキットと今のキットでは大して差がないというのもザラだ。だが、ガンプラは新作開発のサイクルが早い上、多少金をかけて新技術を開発しても元が取れる為、10年でもまるで別物のキットが出来上がるのである。

よって、最近出たものの方が断然よい。ビルドファイターズ・Gのレコンギスタを除けば一番最近放映されたガンダムアニメはAGEなのだが、特にAGEのプラモは技術革新が著しかった。AGE以降、具体的には2011年冬以降に出たプラモはその技術革新の恩恵に浴しており、最低限これ以降に出たものを選ぶとよい。

また、2013年9月、オールガンダムプロジェクトというのが始まった。『すべてのガンダムを現代の技術でキット化しよう』という計画である。この企画については賛否両論があるものの、これが始まって以降のキットは作りやすさにも重点を置いたものが多い。少なくとも私はそういう印象を持っている。

なので、オールガンダムプロジェクト第一弾である、HGAWウィングガンダム以降のMSを選ぶのは賢い選択だろうと思う。


二点目、1/144HGというのは、割と私の主観も入っている。

ガンダムのプラモデルは、サイズとグレードによっていくつかに分けられる。一般的なのは1/60PG、1/100MG、1/144HGだ。PGは高い上にパーツ数が多いから論外として、入門に向いているのはMGとHGである。

ただ、私は敢えてHGを推したい。MGはサイズが大きい分値段が高い。のみならずパーツ数が多く、それ故、素組みでも結構手間がかかる。値段が高く大きい分、素組みでも見栄えが良い…そう考えれば入門向きな面はある為、勿論こちらを選んでもいいのだが…やっぱり値段と手間がな。特に手間の多さは、新人を途中で挫折させかねん。

HGは値段が安く(だいたい1000円前後)、言うほど手間がかからない。特にオールガンダム以降の奴は、だいたい、半日~一日で一機を素組みできる。勿論キットによって個体差はあるがな。特にユニコーン系列のデストロイモードはちょっとしたMG並の手間がかかるし。

まぁそれでも、やはり私はHGを推したい。安く手間がかからないのは魅力だ。機体の種類もMGより豊富だしな。ただ、HGと書いてあるのに一万とか二万とかする箱がでっかい奴、あれはやめておけ。アレは、本来キット化されないような大型機を敢えてやってみました系の奴であり、飾る場所を用意するだけで一苦労だ。


取り敢えず、バンダイのサイト(こことかここ)を参考に探すといい。あと、最近は色んなサイトでレビューをやってくれてる。そこを参考にするのもいいだろう。私はガンプラの山を崩せをよく参考にしている。




さて、前置きが長くなってしまったな。次回は、素組みをやっていこうと思う。もしかすると、そのまま簡単フィニッシュに行くかもしれんが。

移転ではないが

2013年08月12日 22時35分06秒 | これら以外の何か
ニコニコのブロマガってサービスで記事書くのを再開してみた。

霧島家@ニコニコブロマガ

今後、更新はこちらでいくと思われる。
あ、後動画の

フラン・小悪魔と学ぶ『ワラキア公爵ドラキュラ』シリーズもどうぞよろしく。

ロマサガ2プレイ日記

2012年02月28日 13時19分33秒 | アニメ、ゲーム、映画等

…山の手四天王の伝説…

数多くの悪しき私鉄を倒し
世界を救い、その後
山の手方面へ消えた……

新宿、恵比寿、五反田、上野
新大久保、池袋、品川

いつの日か、彼らは戻ってきて
再び世界を救うのだという




清十郎「…なんですかこれ」
薫「何って、七英雄。ロマサガ2。」

「いやいや、七英雄の元ネタが山手線の駅名なのは知ってますけど、
 色々おかしいでしょこれ。大体七人なのに何で四天王なんですか」
「フ、俗人め。世の中には四天王なのに五人いるというのが実在するんだぞ。
 ゲーム世界で四天王なのに七人いる、なんぞそれに比べれば些細な事よ」
「いや、それぐらい知ってますよ。龍造寺四天王でしょ。使い古されてますよそのネタ」
「ちなみに最上四天王は六人いる
「それも知ってますよ。って言うか最上四天王に至っては、
 谷柏直家とか山家国頼も入れたらもう下手すると十人いく四天王じゃないですか」
「だから七英雄が四天王でもいいんだよ」
いや、そのりくつはおかしい





「で、ロマサガ2ですか」
「うむ。先日鯖さんから俺の屍を越えてゆけを借りたんだが、
 システムが似通ってるせいか猛烈にやりたくなってしまってな。
 完全に俺屍を放り出してロマサガ2をやってる」
「鯖さんに怒られませんかそれ」
「大丈夫だ、交換で貸したジオンの系譜を奴はやってない
「何でまた」
「セーブせずにずっとやってて、ゲームクリア直前に
 ギレン総帥が戦死して三、四日分のデータが飛んだらしい」
「ああ、なるほど」





「まずは名前決定ですか」
「うむ。ブリジット、ベアトリクスと私がよく使う西洋女名は
 以前のプレイで使っちゃったから、今回は実在の女王から拝借した」
「ヴァーサ朝スウェーデン王国最後の王、"バロックの女王"クリスティーナですね」
「うむ。賛否両論ある人物だが、泥沼の三十年戦争を終わらせ、
 又、あの時代にカトリックとプロテスタントの融和を説いた先見性は尊敬に値する。
 自分の信念の為にあっさり王位を捨てたのもなかなかできん事だ」
「その時譲位した相手が、スウェーデン最盛期を作ったカール十世雪王ですもんね。
 ってあれ、このゲームって人助けのフリして各地を制圧するゲームですよね。
 クリスティーナはそういうの嫌うタイプじゃ…」
「うるせー、ウチのクリスティーナ帝はバリバリの古ゴート主義者なんだよ」
「わぁい、世界史オタ以外誰も得しないネタだ」


「さて、女のみ4000年クリアはさっき終わったから、
 今度は『いきなり最終皇帝クリア』で行こうと思う」
「じゃあ、ジェラールの代になったら即最終皇帝出すんですか」
「いや、前回は4000年の為に冥術取らなかったから、今回は取りたいんだ。
 だから一応ジェラールの代はやる。コムルーン溶岩固めまではな」
「うん、未プレイの人には何が何だか判らない会話だ



===ここまでのあらすじ===





今は昔、バレンヌ帝国は首都アバロンぐらいしか支配してない小国に成り下がっていた。
時の皇帝西武新宿線(上)は統一の志を立て、戦いを繰り広げた。
彼には二人の息子がいた。
雄々しき東武線(左)と優しきJR(右)である。

皇帝西武はJRを連れ、いつもの様にモンスター討伐に向かう。
しかし帝都アバロンに帰還すると、留守役を務める東武線が討ち取られていた。
山の手四天王が一人、新宿が帝都アバロンを攻撃してきたのだ。
西武は古代人の生き残り、オアイーブから情報を得る。

・新宿は必殺技、ソウルスティールを使う。あいてはしぬ。
・「伝承法」を使えば、その人の記憶、知識、技術等を他人に受け継がせられる

ならば、西武線自身がソウルスティールを食らって見せてその技を見切り、
残された唯一の息子、JRに「見切り」を託すしかない。
新宿の本拠地に攻め込み、命を落とす西武。









そしてソウルスティールの見切りは、西武の魂は、JRに伝承された…



===ここまでがあらすじ===


「…なんですかこれ」
「あらすじ」
「いや、何というかこう、判りやすそうで凄く判りにくいんですが」
「レオンの元ネタが西武で、ヴィクトールは東武、ジェラールがJRってのは
 私も最近知ったからなぁ。言われて見ればジェラールとかモロだな」
「いや、そういう問題じゃないです。
 って言うか、東武はともかく西武は何でレオンになるんですか」
大正義西武ライオンズじゃないの」
「なんか納得してしまった」

「しかし東武…ヴィクトールってゲーム始まってすぐ新宿に殺されちゃうんですよね。
 カッコいいし、使ってみたかったんですが」
「以前、東武線には新宿駅が無いからって説を聞いたな」
「は?」
「最初の敵は新宿だろう。JRと西武には新宿駅がある。東武には無い。
 故に、西武新宿駅からJR新宿駅には乗り換えられても、東武には乗り換えられない。
 だから東武は死んだのさ」
「ごめんなさい意味が判りません。
 って言うか、ここではリントの言葉で話せ





「さて、レオン前皇帝も崩御した事だし、一人加入させるか」
「いつも通り宮廷魔術師男入れるんですね」
可愛いからな
「…」
RPGは萌えだよ兄貴
「誰が兄貴か。って言うか、レオンの事西武って呼ぶのやめたんですか」
「流石にあのネタをこれ以上引っ張るのは苦しい
 …と言うのもあるが、正直書いてる自分でも判り辛い
「最初からやらなきゃいいのに…」








「街を襲撃するゴブリンどもを駆逐したら、ちょっとだけレベル上げして新宿討伐だ」
「しかしまぁ、見事に人型の原型を留めてませんねこの人」
「下半身はな。不死・亡霊系と融合しまくったらしいし、新宿は」
「そう言えば、ロードオブヴァーミリオンって
 カードゲームでカード化されてるんですよね、七英雄って」
「ああ、されてるぞ。これだ」





「…こいつはひでぇ…」
「余りの酷さにスピードワゴンになりきれない清十郎であった」
「ギャグ漫画日和のパロで、朝目新聞にこういうのありましたけど…公式だったとは…」
「絵は凄くカッコいいのにな」
「しかも『職業:会社員』で『夢:ロックブーケを思い通りに』とか」
「今は滅んだν速でいう『お前ら』に近いものを感じるな」
「何言ってるんですか、ν速にはハーバードとか出てる超エリートしかいませんよ」
「普通にそういうレスが返ってきそうで困る。
 そう言えば、小林智美が新宿の絵を描き下ろしてたぞ」
「小林智美って、ロマサガシリーズのキャラデザの人ですよね」
「そうそう。んで、その人が描いたのがこれ」





…どちら様ですか?
「小林智美本人によれば

ゲーム上ビジュアルはモンスターですが。
私もやっぱりモンスター。貴族っぽく。
薬草毒草をあしらってー。
ヴェネツィアのカーニヴァル風にデザインしました。


「だそうだ」
ここではリントの言葉で話せ。主に前半」
「まぁまぁ。携帯版公式に上がってるボクオーンも美男子だし、
 死神と融合して化物になる前はこんな感じだったのかもしれんぞ?」
「あれ、でも右手に持ってるのクジンシーの剣っぽいし、
 左手の方にある女の顔と骸骨って、クジンシー第二形態のアレじゃないですか?」



※参考画像


「…」
「…」
「えーと。えー…」
「「どちら様ですか?」」


「まぁ、とか何とか言いつつ取り敢えずクジンシー撃破完了だ」
「何度か倒してはリセットしてましたけど何してたんですか?」
「いや、七英雄戦って処理が特殊らしくてな。
 普段閃かない技を閃いたりするらしいんだ。
 具体的には、クジンシー第一形態相手に『でたらめ矢』撃ちまくってると
 結構な確率で『バラージシュート』を覚えるらしい。
 それを試してた。覚えなかったけど」

「…え、バラージシュートって弓系最強クラスの技じゃ…」
「最強クラスと言うか、同じ技消費のイヅナが剣Lvで計算するから
 実質最強の弓技だな。
 武器固有技連中を除けば、だが」
「それをこんな序盤に覚えられるんで?」
「だから試したかったんだ。
 ぶっちゃけ、弓とか中盤以降は産廃だから
「馬鹿にすんな! 弓馬鹿にすんな! あと小剣も!!」
「3でも雑魚だったからな、弓と小剣…スクウェアは弓と小剣に恨みでもあるのか…」
「タクティクスオウガは弓ゲーだったじゃないですか」
「ありゃクエストって会社の開発だ。まぁ主導した人はFFTとかFF12の人だが」





「さて、一年経ってパジャマ皇帝だったJR君も立派になった。いよいよ南方進出だ」
「この時点では、選択肢は二つなんですよね。
 帝都アバロンがあるのが北バレンヌ地方。
 その南にあるヴィクトール運河に建設された運河要塞を攻略して、
 南バレンヌを掌握するっていうのが一般的な攻略ルート。
 もう一つは、南バレンヌの更に南、
 ルドン地方の宝石鉱山のモンスターを掃討して、ルドンを征圧するか」

「説明台詞ありがとう。
 今回はルドン地方に進出する事にする。
 理由は…まぁ未プレイの人には判らんだろうから詳しくは書かんが、
 今回のプレイは『最終皇帝』というのでほぼ全部のシナリオを攻略するプレイ。
 ただ、『最終皇帝』だけだと取れない、使いたい術があるから、
 その術を取るイベントのフラグを立てる為にジェラールを使ってる。
 で、イベントフラグを立てるにはルドン方面に進出しないといけないのだ」





「そんな訳でやって来ましたニーベルの街」
「近くにある『龍の穴』の格闘家が守ってる。
 故に「龍の穴の格闘家は無敵よ!」とか言われるんだが、
 実際のところ、格闘はスライム系の敵に無効。
 で、街の近くにできたモンスターの巣にスライム系が大量にいて、
 格闘家の手に負えない状態になってる、と、まぁこんな状態だな」
「で、やるんですか?」
「そりゃやるだろ」





「まずは、龍の穴の格闘家に何の相談もせずモンスターの巣に突入してボスを退治」
「しかしこのゼラチナスマター、
 正直最も多くの皇帝の血を吸ったモンスターの様な気がします」
「まぁ、七英雄の一人倒して意気揚々のプレイヤーがモンスターの巣に殴り込んだら、
 普通の進め方だと確実に一撃でPTの半分以上を殺してくる
 ぐらい強いスライムが出てくる鬼畜具合だからな…
「子供の頃、初プレイ時ここで挫折しかかってましたよね」
「面白い様に皇帝死んでましたからな」
「普通にやってると、電撃一発で五人PT中三人が死にますからね…
 正直ラスボスよりこっちのが衝撃でしたね」

「ちなみにこいつ、実は中ボスだったりする」
「しかも巣のボスよりこいつの方が強いってどういう事なんでしょうね」
「しかし…」
「ん? どうしました?」
「いや、こいつの名前、『ゼラチナス・マター』じゃないか。
 ゼラチナのマターっていう事は今でこそ判るんだが、
 昔はそんなん判らんから、『ゼラチナ・スマター』だと思ってたんだ。
 子供心にスマターとh」
それ以上いけない





「さて、ゼラチナの素股を倒したから格闘家ところに出向くぞ」
そのネタ引っ張るんじゃねーよカス
「すいませんすいません踏まないでください清十郎さんほんと勘弁してください」





「完全にヤクザですね」
全く完全にパーフェクトリィヤクザだな」
「面子とか言い出す奴にロクな人間はいないという好例ですね」
「後筋を通せって言ってくる奴にもロクな人間はいないな」
「それ応援指導部の事ですか」
退部しようとしたら監禁されるからな。
 私は常々体育会を犯罪者予備軍だと公言してるが、
 あいつらに関しては正真正銘の犯罪者じゃないか」

「あれ、でもあれって監禁じゃなくて軟禁じゃないかって話があったような」
「日本の場合は部屋に閉じ込めたりしなくても、場所移動の自由を奪えば監禁罪になるぞ。
 極端な話、被害者を囲んで動きを封じても、監禁罪は成立する」
「ヘェーヘェーヘェー」
「まぁ、刑法には『不法に人を逮捕し、又は監禁』としか書いてないがな。
 後、羽交い絞めにして一瞬動きを封じたとかならそれは暴行罪扱いの筈だ」
「…アレ?」
「どうした」
「被害者を囲んで動きを封じても監禁罪って事は、
 秋葉で職質拒否するオタクを囲んでた警官は」
それ以上いけない





「んでまぁ、なんだかんだ言ってる間に勝ちましたと」
「ひたすらライトボールを連打する作業だったな。
 じゃあ、早速ニーベルの街に戻るか」
「好きですねぇ。顔がにやけてますよ」
「お前もニヤニヤ笑ってるだろ」











ハハハ、こやつめ!
「ハハハ!」



取り敢えずここで一旦終わり。
続くかどうかは反響次第という事でひとつ。

デモンズソウル レビュー続き

2011年11月10日 12時07分00秒 | アニメ、ゲーム、映画等
ごきげんよう諸君、いかがお過ごしかな。生まれて初めてバイトというものに採用された霧島である。まぁバイトと言ってもSOHOだがな。それ関連をやってたのと、駄ー糞ことダークソウルをやってたのと、あと体調崩して死にそうになってたので更新が遅くなった。



こんな事やってた。

まぁ挨拶もそこそこに続きである。


・対人戦

前回も言ったが対人戦はクソである。大体、モンハン以下のアクション性しかないこのゲームで対人戦をやろうというそれ自体が正気の沙汰ではないのだが、ここから更に二重の意味で追い討ち。

まず第一に、バランスがクソである事。特にハメ、もしくはハメに近い技が存在する事である。対人戦以外ほぼゴミのAC4、fAがラグバグ悪バランスでどうしようもなかった事を鑑みるまでもなく、フロムソフトウェアという会社はバランスを取ろうという意識が希薄、もしくはその能力が著しく欠如しておる。たぶん後者であろう。後プログラミングもたぶん後者である。

まぁその為、どうしようもない話がいくらでも存在する。有名なところでは刀ハメ(押し出し→左刀弱攻撃→押し出し→左刀弱攻撃→エンドレスでハメられる)があるが、他にもどうしようもなく強い武器はいくらでもある。竿状武器や直剣は、特に何も考えず弱攻撃を連打してるだけでも連続攻撃から抜けられない。

又、ハメ技でなくともひどい話はいくらでもある。例えば殆どバグ利用に近いものでスレスタ(すれ違う瞬間に攻撃すると、致命の一撃という大打撃技になる技術)がある。又、回復剤(通称、草)を使用するモーションが非常に短いゲームなので、ちょっと離れた位置で回復すると、相手がよっぽど熟練者でない限り回復を許してしまう。結果、草食ってりゃ死なねーんだろになりやすい。

他にも色々ある。このゲームの対人戦はプレイヤーAの世界にプレイヤーBが侵入するという形で行われるのだが、プレイヤーBは、やろうと思えばAの世界のNPCを殺したりも出来る。このゲームのNPCは死ぬと復活しない(クリアして二周目に突入すれば復活するが)からマジで取り返しがつかない。

んで、問題はこれだけではない。第二の問題として、マッチングがある。普通、ゲームの対人戦というのはお互いの同意の上で行われるものである。しかしながら、このゲームの対人戦は「対戦したいと思った人が黒い瞳の石を使う」「マッチング抽選が行われ、同じマップに接続しているプレイヤーの世界に侵入する」「ファイッ!」という具合で行われる。

簡潔に判りやすく言おう。

諸君が、北斗でもギルティでも何でもいいから格ゲーの家庭用版をPS3でやっているとする。その家庭用版のアーケードモードを一人でやっていると乱入されるのである。このゲームに対戦拒否機能はなく、あるのは対戦拒否魔法みたいなものだけだ。んでこのゲーム、魔法はスロットを消費して装備するのだが、知力を限界まで上げても6スロット。脳筋キャラだと1とか0という事もある。で、対戦拒否魔法は装備するのに2スロット必要だ。

恐らくこの仕様を考えたフロム社員は馬鹿である。いや、馬鹿を通り越してもはや畜生だ。こんなんだからACVのベータテストだって待っちんぐオンラインだったんだ…というのはさておき。ならばオフラインで、つまりPS3をネットに繋がずプレイすればいいじゃないかと思うかもしれんが、これも又問題があってな。

ぶっちゃけ、オンラインじゃないと面白くないと言うかオフラインだと笑えないクソゲ一歩手前というのが私の感想である。オンラインだとメッセージ機能とか血痕機能というのがあって、前者はヒントとかをその場に残して他のプレイヤーに見れる様にする機能であり、後者は他人の死に様が見れる機能なのだが、これが普通に面白い。

いや、ほんとに。嘘じゃないぞ。これは冗談抜きで、フロムが久々に考え出した良システムだと思っておる。これがあるかないかで、デモンズソウルの評価は大きく変わると言っていいぐらいだ。ある時はメッセージのヒントに助けられ、ある時はボス戦中メッセージ読んだら「ヒントなんか読んでる場合か?」と書いてある。ある時は他人の死に様でその先にある罠を知り、ある時は死に様を眺めていたら自分も同じ死に方をさせられる。これがデモンズの醍醐味と言っても過言ではない。

それを何もかもブチ壊しにするのが対人戦である。何せ断りもなく入ってくる。それでも対人戦がちゃんとしたゲームとして成り立っていればまだ良かったのだが、ハメ技はあるわ悪バランスだわNPC殺したりと最悪な真似は出来るわ、どうしようもないのだ。しかも侵入された方は勝ってもメリットが無く(しいて言えばソウル傾向が変わる)、負ければ肉体を失い最大HPが半分になる。一方侵入した方は勝てば肉体を得、最大HPが増える。

そういうシステムであるが故に、私は黒ファントムに侵入(侵入してきた奴は黒ファントムと表される。逆に、プレイヤーが召喚してお手伝いしてもらう人の事を青ファントムという)される度に死ねよクソカスがと呟いておる訳である。逃げる手段も無いしな。侵入されると、相手を倒すか自分が死ぬまで楔の神殿(冒険の拠点となる場所。要するにアリアハン)には戻れなくなる。

故に、MMORPGのPKに近いとも言えぬ。ゲームにもよるが、MMORPGでも大体ある程度の逃げる手段は用意されてるからな。少なくとも街へは物理的に入れねーから!ざまぁwwwwwwwwwというシステムではない。

それ故に、対人戦もどんどん殺伐としたものになる。例えば、黒ファントムに侵入された方は、青ファントムを呼ぶ事が可能である。そこで青ファントムを呼び、多対一でボコる。酷いものになると、二人がかりで頭突きハメ(ノーダメージだが完全にハマる)を繰り出し、残る一人が吸魂(NPCに当てると即死技、プレイヤーキャラに当てるとレベルダウン)を繰り出し続けて黒ファントムのレベルを1にして楽しむ

又、黒ファントムは「黒ファントムに侵入されました」と言われてから実体化するまでに少々間があり、かつ、どこに出現するか固定である為、黒ファントムが出現した瞬間に後ろに回りこんで致命の一撃or大威力の大魔法。その一方で黒ファントムも悪質化し、NPCを殺したり、ハメ技を平気で使ったり、バグを普通に使ったりし始める。一応、赤という同意の上で対戦が出来るものもあるのだが、まぁ殆ど使われない。

結論から言うとフロム死ねもしくは黒死ねという事である。正直、吸魂ハメでレベル1にされても何とも思わないぐらい、黒ファントムが嫌いだな、私は。とにかく対人がとんでもないクソゲーなので、本当に気をつけてほしい。一応、侵入されたらすぐ回線を抜くという対策もあるが、セーブデータ破損の可能性があるのでこれもオススメできない。


・上り下り関連

私は対人戦関連が一番理クソだと思っているが、一般的に一番クソだと思われてるのは恐らくこちらであろう。

ちょっと話は変わるが、私は、世の中には笑えるクソゲーと笑えないクソゲーがあると思っている。また、世の中には、たけしの挑戦状とかシャドウゲイトみたいなクソゲーを楽しんでやれる人種がいる。私はこういう人種をクソゲーマーと呼んでおるが、クソゲーマー好みのゲームというのは笑えるクソゲーであると思っている。

では逆に、笑えないクソゲーとは何か。それはたとえばアーマードコアネクサスであり、ナインブレイカーである。前者は以前記事にしたが後者も大概で、ゲーム内容がほぼすべてトレーニングという大変舐めた仕様になっており、しかも「これやったところで本当にAC上手くなれるのか?」と疑わざるを得ないトレーニングが揃っている。

こういうゲームは、いかなゲテモノ食いのクソゲーマーでもあまり好まない。何故ならただひたすらつまらないだけだからである。シャドウゲイトなら、梯子を降りたら梯子の先がなくて落ちて死ぬ、となって「何でだよ!wwww」となって笑える可能性が割と残されているが、ナインブレイカーなどはただひたすら苦行をこなすだけであり、信者達がさながら亡者の様になりながらプレイするしかないのである。

で、だ。

このゲームの対人戦も、こういった「笑えないクソゲー」要素なのだが、上り下り関連もなかなかどうして笑えない。このゲーム、墜落死する事が非常に多い。特に嵐の祭祀場は切り立った崖を歩くシーンが多く、そこに敵が出てくる事が多い。これがまず問題で、例えば敵を攻撃したとして攻撃の踏み込みで敵と一緒に落ちるとか大変よくあるのである。

考えて踏み込め馬鹿。ゲームの基本中の基本すらできておらあたり流石クソゲーメーカーフロムである。百歩譲って、攻撃手段が豊富で、足場が悪ければその場から動かない攻撃を出す、そういう事ができるゲームならいいかもしれん。しかしながら前回の記事で言った通り、このゲームは攻撃パターンが甚だしく貧弱であり、いい感じにどうしようもない。

まぁ、そもそもその場から動かないで攻撃できる武器っての自体がほぼ無いしな。一応槍がこれにあたるが、嵐の祭祀場で出てくる敵は大概槍が効かないのでどうしようもない。腐れ谷だと有効なんだが。あとは魔法と弓ぐらいか。

さて、まだまだ上り下りではいろいろある。例えばストーンファング2のショートカットコース。このゲームは落下して進まなければならない場所というのが結構あり、ここもそれのひとつなのだが、例えば正しい場所から落ちても死ぬ場合がある。特にゴール付近への着地は酷く、私はここで40回は死んだし、未だに100%確実に着地するというのはできない。

途中まではちゃんと落ちてるのに、着地した瞬間ツルッと滑って奈落の底へ落ちるのである。こういうのが、死んでも直前からやり直せるゲームとかならまぁまだよかった。しかしデモンズソウルはそうではない。一度死ねばスタート地点からやり直しだし、経験値とお金を兼ねる数値を全て失う。前回死んだところまで行けば回収できるが、そこに到達する前にもう一回死ぬと完全に消滅する。

また、生身で死ぬと最大HPが半分になってしまう。このゲーム、主人公は「生身」と「ソウル体」の状態があり、生身で死ぬとソウル体になって最大HPが半分になる。ソウル体から生身に戻るには、

1:ボスを倒す(当然大変)
2:儚い夢の石を使う(一周につき最大でも一桁しか手に入らない)
3:青ファントムとして協力プレイ完遂(ホストが死ねば全てパー、そもそも人がいない)
4:黒ファントムとして対人戦をやり、勝つ(死ね)

と条件が大変厳しく、死に覚えゲーでありつつも軽々しく死ねないゲームなのだ。にも関わらず正しい道順で落ちたのに死ぬという大変理不尽な事態がよく発生するので、発狂してしまう訳である。この理不尽落下は割といろんなステージで起こるが、特にストーンファング2は、私はデモンズ最悪のステージと認定し、ボスは一度としてまともに倒した事が無い。全部ハメで倒した。

さて、ここまでは全て、上り下りの「下り」である。では上りの話もしようか。

このゲーム、段差が存在するにも関わらずジャンプが無い。だが一応乗り越えられる様になっており、説明書を読むと「乗り越えられる段差なら左スティックを倒し続ければOK」という感じで書いてある。これはつまりどういう事かと言えばフロムのスタッフが「ここは乗り越えられる段差だぜ!」と思ったところ以外乗り越えられないのである。

実例を挙げよう。塔のラトリア2の沼地は、沼の上に組まれた足場の上を渡っていく場所である。その足場は進んでいく内にだんだん高くなっていくのだが、最初の足場はかなり低く、大体キャラの胸から顔ぐらいの高さしかない。しかし、その段差すら上れないのである。



足場に手を伸ばせばよじ登れるのは間違いないのに、上れないのだ。何故なら、それはフロムスタッフが認めた段差ではないからである。故に、ラトリア2の沼地で足場から落ちたら、二つか三つぐらいしかない階段を探して沼地を延々歩き回るハメになる。

こういう場所はいくつもあるが、中でも酷い体験をさせてもらったのは嵐の祭祀場1で、私はここで、天井の崩れた部屋の屋上を歩いておった。で、天井が崩れているのに気付かず穴の目の前まで来て、「あ、やべ」となって立ち止まったが間に合わず、ちょっと落ちてしまった。



地形を口で説明すると難しいので画像を撮ってきた。こんな感じで天井が崩れてたのだ。私は屋上を歩いていたのだが、誤って木片のところに落ち落ちてしまった。



こんな感じに落ちたのだな。落ちたといってもそう大した高さではなく、あぶなかったー、などと言いながら私は屋上に戻ろうとした。もう判ってると思うが、この程度の段差すら乗り越えられなかったのである。下には強い敵が待ち構えてるしどうにか屋上に復帰したかったのだが、どんだけ走ろうが、ローリングしようが(ローリングでちょっと浮くので超えられないかと思ったが、見た目では越えてるのに駄目だった)全く越えられない。結局、下に降りるハメに陥ってしまったのだ。


・ステータス画面がイミフ

主に武器ステータスが意味不である。一応説明書に書いてある事は書いてあるのだが、いかんせんフロム語で書かれており日本人には意味不明だ。SCEは優秀な船頭としてフロムというクソゲーメーカーを操り見事デモンズソウルを作り上げたが、そのSCEとて限界はあったという事だな。



敢えて言おう。

イミフであると。

アイコンを効果的に使った、全体的にスッキリしたレイアウトではある。あるのだが、いかんせんそのアイコンがマリファナ吸いながら考えたとしか思えないレベルであり、それぞれのアイコンやら数字やらが意味するところが、全然まったくこれっぽっちも判らん。真面目にどうしようもなく完璧に判らん。

説明書に助けを求めてもフロム語で書かれているからイミフであり、攻略本に救いを求めると説明書よりシステム解説のページ数が少ないという悲惨さである。wiki以外に頼るところがないどうしようもなさだ。

んでは、この武器ステータス画面は何を表しているのか、みてみよう。

まず、左上の「上質のミルド・ハンマー+5」というのが武器の名前であり、その下にある四つのアイコンが攻撃属性である。属性と言っても火属性とか水属性とかそういうのではなく、「斬撃」とか「刺突」とかそういう属性だな。ブロードソードや刀といった切れ味で勝負する武器は斬撃属性で、布切れをまとっただけみたいな連中には有効な一方金属鎧でガチガチに固めた様なのにはあまり効かず、そういうのにはむしろ槍の様な刺突属性武器が向く…といった感じだ。

んで、このアイコンなんだが、左から「標準」「打撃」「斬撃」「刺突」を表している。この武器は「打撃」が光っているので、打撃属性武器だと判る。取り敢えず、この時点でマリファナ吸いながら考えたのは確定的に明らかと言わざるを得ないクソアイコンであり、理解出来る様で全く理解出来ない。

打撃は百歩譲って何かをぶち壊す様子と理解出来るとして、斬撃と刺突がアイコンを横にしただけであり、もっと言えば、標準と斬撃の違いが謎だ。斬撃は恐らく刀とかを振り下ろして「斬る」様子を表したいのだろうが、標準もこれ斬ってるよなという話であり、いよいよ何を考えてこのアイコンをデザインしたのか訳が判らん。

さて、次の「物理攻撃」「魔法攻撃」「炎攻撃」は、まぁ日本語で書いてあるのでまだ理解は出来る。武器によっては物理攻撃以外に魔法攻撃力が設定されていて、物理防御は堅いが魔法防御が甘い敵をそういう武器で殴り倒したり出来る訳である。又、武器によっては殴ると炎の追加効果で相手にダメージを与えるものもあり、その場合は「炎攻撃」のところに炎の攻撃力が表示される。

問題はその下の付加パラメータである。これ、「166+182」となっているのの「+182」に関連している。実はこのゲーム、筋力を上げても攻撃力が上がるとは限らない。普通、RPGでは体力(VIT)筋力(STR)技量(DEX)…とステータスがあって、体力を上げるとHPが上がり、筋力を上げると攻撃力が上がる。

しかしこのゲームでは、筋力を上げても攻撃力が上がるとは限らない。ではどうやると攻撃力が上がるかと言えば、その武器によって違う。もっと言えば、この付加パラメータ次第である。

ちょっと話がずれる様だが、アイコンが何を示しているのかをまず言おう。左から、筋力、技量、魔力、信仰である。既述の攻撃属性アイコンは何とか弁護出来なくもなかったが、こっちは擁護の仕様がない。信仰とか、この変な門みたいな奴だぞ。警視庁はフロム本社を麻薬法違反の容疑で家宅捜査すべきである。

で、だ。この武器の場合、筋力C、技量Cという事になる。つまり、筋力と技量を上げれば攻撃力が上がるのである。ちなみにこの「C」というのは「A」とか「E」とかの場合がある。その違いは…そうだな。筋力Aの武器と筋力Eの武器を同じキャラが持った場合、筋力A武器の方が、より攻撃力が上がる。そういうシステムになっている。

なので、筋力E信仰Aみたいなのになりやすい祝福武器を主力に据える場合、筋力捨てて信仰に特化したキャラを育成する…と、まぁそういうゲームシステムなのだ。この辺の解説は説明書にも一応書いてあるのだが、いかんせんフロム語であり、

プレイヤーキャラクターのパラメータに応じて、攻撃修正がつくことがあり、攻撃力の右に攻撃修正の合計値がプラス表示されます。

とか書いてある。このシステムを知った上で読めばまぁ理解は出来るが、それでは取扱説明書にならん訳である。この文章に限って言えば、「攻撃修正」って単語のせいで意味不明になってるだけなんだがな…

プレイヤーキャラクターのパラメータに応じて、攻撃力増加が行われる事があり、攻撃力の右に攻撃力増加値の合計値がプラス表示されます

とか書いておけば、まぁ大体の人は理解できたろうに。ちなみに、私にデモンズを勧めてくれたKORASE氏はデモンズもダークソウルもやっておる。んで、ダークソウルもこの攻撃修正システムは健在であり、信仰特化の祝福武器も存在する。まぁ神聖武器って名前に変わってるが、信仰を上げれば攻撃力が上がるという仕様は変わらん。

しかし、彼は説明書を読んでいるにもかかわらずこのシステムを理解しておらず、筋力ばっかり上げてるのに神聖武器を使ってた。これは彼の責任ではなく、間違いなく説明不足も甚だしいフロムの責任である。フロムの担当者は全国の「攻略見ないでクリアする」を目標にしたゲーマーに対し腹を切って詫びるべきであると言えよう。



・まとめ

全体的には笑えるクソゲーとして、クソゲーマー向きのゲームになっている。しかしながら既に述べたとおり笑えない部分も多数存在する為、買うならそれを十分考えてから買うべきであろう。






キチガイがうるさいのでちょっと追記。
http://ff11monkmania.cocolog-nifty.com/blog/2010/01/post-2a65.htmlから引用。



侵入先での固有敵(NPC)の殺害について

まず正直に言います。理由はどうであれやってしまったことがあります(汗)言い訳はおいておいてその方には謝罪のメッセージ送りましたが、やってはいけません><;

特に気をつけないといけないのが原生デーモンかなと思います。

嵐2など道にいて通れなくて邪魔なときがありますが、そういう時は通るのを諦めましょうw

鉱石は弁償可能ですが、デモンズソウルは捨てられないので弁償できませんので。

後NPCって書いてるのは、例えば嵐2などでわざとパッチがいる付近へ逃げて、ホストの攻撃に巻き込んでパッチを敵対させるみたいなことはやらないほうがよいでしょう。

ホストが逃げて自分で巻き込んだっていうのまでは責任は持てませんが、黒側で侵入するなら気を使ったほうがよいかなと思います。

今まで僕がやられたほうの行為ですが、嵐1で抜け道から逃げられて拡散の尖兵を倒され、ソウル拾うか見てたら黒が襲ってこなかったのでお手伝い黒かなと思って拾おうとしたら、拾うアクションで動けない所へミルドで連打されるということがありました。

そういうことは絶対しないほうがいいと思います(笑)



まぁ、正直読み返してみてかなーり誤解を招く書き方したなーとは思っておる。
取り敢えず黒ファンは死ね(迫真)

デモンズソウル レビューとか

2011年10月24日 20時52分07秒 | アニメ、ゲーム、映画等
ごきげんよう諸君、いかがお過ごしかな。最近更新をサボりっぱなしの霧島である。この三ヶ月ほど、仲間内のマンブル(PCを使った多人数電話)に全然出席しておらなんだので、ここんところ精力的に出席しておった。ただ、何せ私は脳障害者であるから誰かと一緒に遊んだりするだけでも脳が大変疲れるという残念な状態になっており、マンブルに出席した次の日は大抵頭痛い頭痛いと言いながら寝込む。

なので最近出席してなかった訳だが、あまりにも出席しないのもマズイと思い、ここのところほぼ毎日出席しておったのである。まぁ、当然の帰結として更新なんかとてもではないができなかった訳だがな。

しかし出席しておったとは言え、ずっと話ばかりしている訳ではない。大体みんな、何かしら自分の好きな事をやりながら話をしておる。まぁ部室みたいなもんである。私も同様であり、大体ゲームをしながら話をしておる。じゃあ何をしてたかというと、悪魔の魂だ。



要するにデモンズソウルである。諸君も名前ぐらいは聞いた事があるだろう。他人と違う事やる俺カッコイイな2chねらーに大人気のゲームであり、難易度の高い心折設計の死に覚えマゾゲーでありながら、プレイヤーを引き込む名作として知られておる。先日、続編のダークソウルも発売され、フロムソフトウェア第二の看板ソフトとして成長していくかどうかも注目されるシリーズと言える。


さて。私がフロムのゲームを矢鱈と褒めちぎっているという事は裏があるのは確定的に明らかなのであり、要するに別にそこまですごいゲームでもないんじゃねぇ?という評価を下しておるという事である。確かにここんところずっとやっておるが、実際のところ何でやってるかってトロフィーコンプリートの為であり、そうでなかったら、一周やって終わりである。

まぁ何が駄目かはおいおい語るとしてだな、取り敢えず難易度だが、ぶっちゃけそこまで難しくない。このゲーム、アクションではなくあくまでアクションRPGであり、装備とレベルをちゃんと整えれば、ゴリ押しで進める場面は多い。っちゅうか、このゲーム、アクション性はかなり低い。ぶっちゃけモンハン未満である。アマゾンのレビューに

アクションRPGと銘打つからには肝心のアクション部分が肝になるが、
デモンズソウルは間違いなく最高レベルの 完成度を誇っているといっていいだろう。
強敵と対峙した時の、ジリジリと間合いを読み合う焼け付くような緊張感は、
今までのゲームでは経験したことがないほどのもの。


とか書いてあるが、まぁぶっちゃけこいつがゲームあんまりやった事ないだけである。武器は豊富にある(剣だけでも短剣、直剣、大剣、特大剣、曲剣、刀、刺突剣と色々)が、攻撃の種類が僅か二種類という時点で何をかを言わんやである。弱攻撃と強攻撃の二種類な。

まぁ両手持ちか片手持ちかで変わったり、ダッシュ攻撃とかもあったりするが基本は二種類だ。と言うのも、実用性に乏しいモーションとかがとても多いのだな。たとえば私の愛用する竿状武器は、両手持ち弱攻撃以外ほとんど使いどころがない。精々、敵の懐にローリングで潜り込んだ時ローリング攻撃を出して機先を制するのと、雑魚に囲まれた時両手持ち強攻撃で薙ぎ払うだけだ。

しかも、前者は元々ハルバード自体が射程の長さを生かす武器なので飛び込むという選択肢がほぼありえず、後者は雑魚に囲まれた時点で死亡フラグビンビンというゲームバランスなので、結局、ひたすら両手持ち弱攻撃を当てる作業である。

もっと言えば、大概どんな敵でも対処手段が一緒である。敵が来たら、まずはロックオンボタン押してロックオン。で、左スティックをぐるぐる回す感じで操作して(左スティックで移動)近づいたり離れたりを繰り返す。すると、それに釣られた敵が攻撃を出してくるので、攻撃モーションが見えたら左スティックを後ろに倒して後退。後は空振りしたのを確認して反撃を入れれば終了。

一応、槍持ちや、飛び込み攻撃ばっかりやってくる奴(剣奴隷兵士とか)、やたら判定のデカい横薙ぎ使ってくる奴(大腐敗人とか)といったのには一工夫必要になる。例えばローリングで避けたりな。が、あくまで基本はスティックをぐるぐる回して確反取るだけの簡単なお仕事であり、人型の場合ボスですらこれで勝てる。ガル様とか完全に作業だ。

実際のところ、アクション性はモンハン未満である。ローリングの無敵時間だって異様に長いしな。と言うか、難易度自体ソロオンリーのモンハンより簡単だ。まぁ私はMHP3しかちゃんとやった事ないが、少なくともMHP3は上級クエストに一人で挑むと結構難しいからな。私自身、クエスト失敗こそ数は少ないが、なかなか歯応えがある。

無論あのゲームもオートガードガンランスとか使えばかなり難易度は下がるが、それでも防御力低い装備だと一度転がされたが最後死ぬまで起き攻めされたり50分奮闘した結果ボスの体力を削りきれずタイムアップになって心が折れたりするからな。

私の中で、難易度は「デビルメイクライ3=忍者外伝Σ2>(超えられない壁)>ソロオンリーモンハン=デビルメイクライ4>デモンズソウル」といった感じである。難易度を選べる奴は、基本的に最高難易度準拠だ。以前は悪魔は泣くかもしれない4とデモンズソウルは同じぐらいかと思っていたが、先日ちょろっとやったら、思ったより難しかったので格上げした。私が4をやったのは3をガチでやってた時期だったし、実際よりもかなり簡単に感じたらしい。

まぁそんな訳で、デモンズソウルで心が折れてしまうプレイヤーは根本的にアクションに向いてないか、それともちゃんと情報を仕入れてないかのどちらかである。このゲームは「アクションRPG」であって「アクション」ではない。よって、RPG的な要素、例えばこいつには魔法攻撃が効くとか、こいつは物理防御が異様に高いとか、そういう情報をちゃんと知っているか知っていないかで話がまったく変わってくる。

こういう事を言うと、自分でそういうのを発見するのが面白い云々言って来るお馬鹿が涌いてくる事が予想される。実際、デモンズソウルwikiの腐れ谷2の「有志作成のマップ」とやらには、説明に

「宝のちず」的なもので、意図的に”内容が完全にわからない”ように作ってある。
ゲームの楽しみは自分で悩む部分にもあると思うので、あくまで参考程度に。


とか書いてあるからな。じゃあ攻略wikiなんか作るんじゃねーよノータリン。

大体、これを作ったのはフロムソフトウェアである。SCEと組んでるが、基本的にはフロムだ。フロムと言えば、説明書に驚くほど何も書いておらず攻略wikiを読まないとマトモに操作する事すらできないゲームを作るという残念な企業である。そんな企業のゲーム、ある程度情報を入れないでプレイする事自体が間違っておると言わざるを得ない。

まぁデモンズを私に勧めた友人は「是非攻略見ないで最後までプレイしてほしい」と言っていたが、取り敢えずトロフィーコンプした私の感想としてはむしろ攻略見ないと見事にクソゲーであった。この辺の線引きは人によるが、取り敢えずシステム面の説明だけは説明書じゃまるで足りないので、攻略見ない事を信条にしている人でもシステムまわりの解説だけはネットとかで情報を集めるべきである。なに、本来あるべき姿の説明書を読むのだと思えばいい。


さて、話の脱線具合がひどくなり過ぎたので方向を修正する。このゲーム、そこまで言うほど難易度高いゲームではない、というはさっき言ったな。しかしながら、私はこのゲームで何度も死んでおる。心が折れる要素は皆無だったが、普通に何度も何度も死んでいる。

と言うのも、このゲーム、以前私は「ディアブロ風モンハン」と言ったが、これは間違いであった。「シャドウゲイト風モンハン」というのが正しい。シャドウゲイトと言えばアレである。これである。是非ともリンク先のレビューを読んで頂きたいが、読むのめんでぇという多くの読者諸兄の為に要約すると

・すぐ死ぬ、攻略本無いと無理、無駄に長いの三要素を欲しいままにするキングオブクソゲ
・未クリアで売っても惜しくないとまで言われた伝説のクソゲ
・最初の扉を開ける→本が置いてある読む→ゲームオーバー
・もちもの→つるぎ→つかう→セルフ→私は剣の刃を左胸に突いた→ゲームオーバー
・梯子を降りる→はっ、はしごが無い!!→思わず足を踏み外してしまった→ゲー(ry
・松明がなくなる→真っ暗だ!→足を滑らせて頭をぶつけて死ぬ

という、大変素晴らしいゲームである。

ディアブロは、確かにひたすらダンジョンに潜って装備を集めてニヤニヤするだけのゲームであったし、デモンズソウルもぶっちゃけてしまえばそういう事をするだけのゲームである。何せストーリーは皆無に等しいし、キャラも薄い奴ばっかりだし、音楽は殆ど鳴らないし、対人戦の仕様が、対人が好きという奴の存在を信じる事が困難なほど糞、という感じで、武器防具を集めるぐらいしかやる事がない。

しかし、よく考えてみれば、モンハンもひたすらモンスターを狩って装備を集めるだけのゲームと言えばそうである。そういう本質的な部分ではモンハンもディアブロも一緒であり、むしろ、様々な死に様を楽しむゲーム、という観点、もしくは理不尽ゲーという観点からシャドウゲイト風モンハンと評すべきであるという結論に達した。

特に、この理不尽ゲーという要素が重要である。一般に、このゲームは「死に覚えゲー」であるとされる。何度も何度も死にながら、いかにすれば死なない様になるかというのを考え、覚えてクリアするゲーム、という事だ。しかしながら、同じ死に覚えゲーにも二種類ある。

たとえば悪魔は泣くかもしれないことデビルメイクライ。まごう事無き死に覚えゲーである。特に最高難易度は何度も何度も死ぬ。特に最高難易度初体験プレイヤーにとってはミッション2が鬼門で、死にまくりながら覚える事になる。しかしながら、ここで覚えるのは、敵の配置(敵の出てくる順序)だけでなく、それぞれの敵の攻撃モーションとかわし方、有効な攻撃方法、敵に囲まれない様に立ち回る方法、といったもの達である。

一方、デモンズソウルで覚えるのは、ぶっちゃけ道順と敵の配置だけと言っても過言ではない。デビルメイクライは、たとえ敵の配置を覚えていても、回避をミスれば死ぬし敵に囲まれたら死ぬ。もっと言えば、敵の実力にねじ伏せられて死ぬ事がある。

しかしデモンズの死因は、その多くが墜落死と、扉を抜ける→影に隠れてた敵に殴られて死ぬ、という方向性の事故死であり、敵の実力にねじ伏せられる事はほぼ皆無である。梯子を降りたら、降りた先に敵が溜まっててボコられて死んだとか、足元が悪い場所で転落するとか、本当にそんなんぐらいしか死因が無いゲームなのだ。ボスのわからん殺しは置いておいてな。

そう。デビルメイクライは、敵の攻撃パターンとかを覚えていても実力負けしていればボコられる。しかし、デモンズソウルは敵の配置以外の難易度は低いので、実力差でボコられてゲームオーバーになる事はほぼ無いのだ。仮にプレイヤーのゲームセンスが壊滅的だったとしても、ちゃんとした対策装備と十分な数の回復剤を積んでいけば大概何とかなる。

例えば、梯子を降りた先でボコられるなら、前もって火炎瓶を投げたり、梯子を降りる前に完全な防護(被ダメージ70%カット魔法)を使えばいい。それでも重傷を負ってしまったら、回復アイテムで体力を満タンに戻す。転落死しやすい場所は覚えておいて慎重に歩けばいい。それだけだ。まぁ、何度も死んでると段々投げやりになってきて余計死ぬという事もあるが、それはまた別の話である。

まぁ、ともあれ、デビルメイクライの様なゲームにおける死に覚えとデモンズソウルにおける死に覚えは、字面が一緒でも本質はまったく異なるものである。デビルメイクライは単純に「難易度が高い」と言えるが、ぶっちゃけてしまえば、デモンズのそれは理不尽なだけであり、「梯子を降りたら大量の敵がいてボコられた」というのは、「梯子を降りたらはっ、はしごが(ryと似た様なものだ。

そして、このゲーム、そういう理不尽な死に方を要求してくる場所が大量に存在する。と言うか、そういうマップしか無いと言っても過言ではない。故に、私はこのゲームを「シャドウゲイト風モンハン」と評するのである。

じゃあ面白かったんかどうなんか、と問われるとまぁ面白かったが、何せシャドウゲイトなので、一般に薦められるゲームでは決してない。普通に階段を登っていたら謎の鉄球が転がってきて轢かれ、普通に長城を歩いてたら突如龍が現れてブレスで焼き殺され、普通に順路通り進んでたらその先が毒の沼で強制的に毒にされたりする。

逆に、そういうのに無駄にワクワクできる人にはオススメできるゲームと言える。ただ、そういう人であってもコントローラ投げかねない要素がいくつかあるので、要点を挙げて注意しておく。


・起き攻め

対人があるゲームとして致命的であり、オフでも結構アレなのが起き攻めである。このゲーム、アクションRPGである以上敵の攻撃でダウンする事は往々にしてある。んで、普通、ダウンしてから起き上がるまでは大概無敵である。当然だな、この間プレイヤーは操作できん訳だから、ダウン中も食らい判定が存在したままだった場合、いったん転ばせたら後は打ち下ろし技を出し続ける作業である。

ところが、だ。ちゃんと解析した訳ではないから断言はできぬのだが、起き上がって無敵がなくなってから操作が可能になるまでタイムラグがある様である。更に、このゲームにおける回避動作であるローリングには無敵時間が付加されているのだが、どうも出がかりに無敵が無い(ローリングを開始してしばらくしてから無敵になる)様子である。

又、ローリング以外の防御手段として、盾(剣でもできたりするが)で防御する、というのがある。しかし、敵の攻撃には「盾崩し能力」が設定されており、これが高い攻撃を防御すると、よっぽどの盾を持っていない限りガードが割れてダメージを受ける。

この三つが合わさるとどうなるか。

そう。

転ばされる→起き上がりに、ローリングで回避不能なタイミングで、かつガード崩し能力の高い攻撃を合わせられる→成す術なく食らう→再びダウン→起き上がりに同じ攻撃を重ねられる→食らう→ダウン→終わりが無いのが終わり。それがゴールドエk(ry

という風な事態になってしまう場合があるのである。これは、特に腐れ谷の大腐敗人(棍棒持ったデカい奴)と、腐れ谷3のボス、公式でイカ頭と呼ばれる騎士ガル・ヴィンランドがよくやってくる。特に二周目以降になると、敵の攻撃力が一周目の約二倍になってしまう為、大型の敵やボスの攻撃は二発三発食らっただけでも大概死ぬ。よって、より凶悪となる。

こういった起き攻めでハマって死ぬ可能性のある敵と戦う場合は、必ず魔法「完全な防護」をかけておこう。奇跡「一度きりの復活」は、2、3秒寿命が延びただけになる事が稀によくあるのであまりオススメしない。一周目なら一度きりの復活の方が有効だったりするけど。本当は起き攻めで食らい確定の攻撃などなく、最適のタイミングで回避行動を取れば全部かわせるのかもしれんが、非常にシビアなのは間違いない。マンイーターの突進起き攻めとか。


・メリケンに媚びたゲーム作り

本作は、フロムソフトウェアが初期に作っていたRPG、キングスフィールドシリーズの最新作という方向で製作された。デモンズの開発が始まった契機自体が、SCEの人に「キングスの新作ってもう作らないんすか?」って言われたフロムの人が「じゃあ一緒に作りましょう」と言ったからであるとされておるからな。で、キングス自体、メリケン向けのゲームであった。

故に、本作がメリケン向けのゲームであるのは当然である。しかしながら、これどう見てもメリケンに媚びてんだろと言わざるを得ないところが結構多い。例えばPS3にデモンズソウルのディスクを突っ込んで、NEWGAMEを選択する。するとキャラメイク画面に行く訳だが、ここでいきなりフォールアウト3とかでよく見る顔が出てくる。

要するに、デフォルトの顔が思いっきりメリケンポリゴンなのである。明らかにどっかで見たことのある、メリケン好みの顔だ。名前も英語のみである。こういうメリケンに媚びた作りは私は大っ嫌いだが、まぁデモンズは日本市場は捨ててメリケン市場で売ろうとしてるのが明らか(日本市場は捨てたとしてもフロム信者が一定数買うしな)だから、仕方ないと言えば仕方ないし正しいと言えば正しいのだが。

まぁ販売戦略はさておき、他にもある。キングスや近縁作のシャドウタワーはホラー風RPGでグロかった。本作もダークファンタジーと言ってる通りグロいのだが、これがまぁメリケンのゲームでよく見る感じである。確かにキングスもホラーだったしグロかったが、むしろ見事なまでに洋ゲーなのだ。物理演算にハヴォックを採用しているのが、これに拍車をかけておる。

ハヴォックというのは、海外では非常に有名かつ一般的なエンターテイメント向け物理演算エンジンだ。まぁ要するにだな、どんなゲームを作るにしても、基本的には我々の住む世界と同じ物理法則を持つ世界を構築する訳である。例えば、仮に今諸君が腹パンされて吹っ飛んだとして、その場合、身体はくの字に曲がって吹っ飛ぶ筈である。しかし3Dの世界では、ちゃんとプログラミングしてやらないと直立不動のまま吹っ飛ぶという事が往々にして起こる。

故にそういう事にならない様、ちゃんとした計算、即ちプログラミングが必要になる。そしてここからが一番の問題だが、ぶっちゃけゲーム一本作るたびに一からプログラムし直すのは面倒である。そこで、ハヴォックという会社が、自らの会社名を冠した、そういう一連の計算をやってくれる基幹プログラムを発売した。これがハヴォックである。

ハヴォックはその優秀さを買われて洋ゲーでは盛んに使用されており、デッドスペース、オブリビオン、アサシンクリード、スタークラフト、バトルフィールド、バイオショックと有名どころはほぼ使っていると言ってもいいぐらいだ。そしてそれをデモンズは使っている。故にすげぇ洋ゲーっぽい動きをするのである。特に死体の動きがモロにハヴォック。

まぁ、またしても脱線してしまったが、3Dモデリング、及び挙動がモロに洋ゲーのソレだと言いたいのである。明らかに和ゲーの系譜ではなく、又、フロムの昔からの3Dモデル&挙動の系譜でもない。正直、何も知らずに「このゲームは洋ゲーだよ」と言われて渡されたら、気付かないぐらいである。

そして、洋ゲーは大概共通した要素を持ってる。大体メリケンで売れるゲームの要素というのは決まっており、

1:銃のある世界、もしくは剣と魔法の世界が舞台
2:銃でバラバラにしたりされたりする
3:FPSorTPS操作
4:自由度(笑)
5:キャラメイク自由度(笑)もしくは非現実的ムキムキマッチョ主人公
6:敵がとにかくキモくてグロい。それをバラバラにできると尚GOOD
7:ストーリーはあっさり、もしくは皆無

大体この辺をいくつか拾っておかないと売れない。特に上四つは重要だ。例えば某稲船はメリケンに媚びてゲームを作ったが、売れなかった。現代が舞台なのに銃がメインじゃなかったからである。メリケンは、剣と魔法の世界以外が舞台のゲームでは、とにかく銃を撃つゲームでないと絶対に納得しないのだ。

逆に、剣と魔法の世界の場合、なんちゃって中世ファンタジーである必要がある。故に、プレートアーマーとかがガンガン出てきてるのに火縄銃がなくても気にしないし、草原を旅したりするのではなく、暗いじめじめしたダンジョンにひたすら潜るタイプである必要がある。更に言えばグロめの敵がいると良く、(本来なら定番の)異種族はエルフが居れば十分で、ドワーフやホビット、フェアリーあたりは必要なく、出すならばむしろ爬虫類人間とかそういうグロいのの方が望ましい。

デモンズソウルは、基本的に↑で挙げた要素をすべて拾っている。拾っていないのは3ぐらいだ。

まぁそんな訳で、メリケンのゲームは肌に合わん、という人は注意する必要がある。




いつもどおり一万字超えなので、続く様だ。

バイオ4に出てくる銃の解説 ぱーとつー

2011年10月12日 15時13分43秒 | アニメ、ゲーム、映画等
ゾンビ犬に密着してサブマシンガンとか下方攻撃し続けるとちょっと罪悪感を感じる(挨拶)。まぁそんな訳でごきげんよう諸君、いかがお過ごしかな。前回の挨拶では書かなかったが、ここのところ第一次産業に従事している霧島である。何をしてるかって、怪物狩猟人携行版参だ。



要するにこれである。MHP3。MONSTER HUNTER PORTABLE 3rd。私は、モンハンはwindows版(フロンティア)を一週間ほどやっていただけでほぼ新規勢である。当時一週間でやめたのは、基本ソロしかしない人だったので「それモンハンやる意味ねーよ」と言われたからだ。しかしながら、デモンズを先日ちょろっとやった(前回横浜に行った時我が家に遊びに来た鯖さんがデモンズやろうぜーって言って来たんでそれで買った)ところこれディアブロ風モンハンじゃねーかという結論に至り、モンハンがやりたくなって買ったのだ。

いやまぁしかし、神ゲーだ。総統閣下はキングダムアンダーファイア:サークルオブドゥームのレビューにおいてダンジョン(中略)にひたすら潜り続け、日々アイテムを発掘しては、装備したり眺めたりしてニヤニヤするという、Diablo以来の暗い愉悦を完璧に引き継いでおると述べたが、本作も狩猟採集という第一次産業にひたすら従事して装備を作り、後はただただディアブロ以来の暗い愉悦を感じるという大変ストイックなゲームである。

総統閣下がこの金言を書いた記事は南朝鮮製ゲームのレビューなのだが、そのゲームについて閣下は「韓国ゲーだ、と拒否反応を示す向きもあるだろうが、Diabloを愛してやまない韓国ならではの、良ゲー」と述べている。同様に、私もモンハンをディアブロを愛してやまない日本ならではの良ゲーと呼ばせてもらおう。まぁゲームとしての系譜は大分違う気がするけど。

それはともかくとして、本当によくできておる。デモンズソウルは、まぁ作った企業が作った企業なので、楽しく遊ばせるつもりがこれっぽっちもないと言うか、ゲームを起動して一時間と経たずによくこのゲームを買ってくれたな、ありがとう。では死ねというSCEとフロムの殺意が感じられるゲームであり、これはこれでいいのだが、まぁマゾ向けである。私はちゃんとしたゲームの方が好きだからな。

後、一般にモンハンは作業ゲー、倒しなれた敵を倒し続けるだけの簡単なお仕事と考えられがちだが、まぁ確かに多人数戦だと動物虐待アクションになるもののソロオンリーだと普通に難しい。ぶっちゃけダンテは死ななければならないデビルメイクライ4より難しい。流石にDMC3や忍者外伝Σ2よりは簡単だし一応抜け道もあるが、普通にやる分には正直DMC4のが簡単であった。

実際、昨日三時間かけて四回同じクエストに失敗したところである。ドリンククエストのアグナコアトル三連続狩猟。どうやら今の私の装備(太刀の凍刃)ではちょっと無理らしいので後回しにする事にした。


まぁともあれ、前回の続きである。


●ハンドガン(マチルダ):HKVP70


カプコンバイオスタッフが、バイオハザードというゲームを心の底から愛してるというのがよく判るハンドガン。そう、この拳銃はバイオ2でレオンが初登場した時彼が持っていた思い出深い銃、HK社のVP70である。二周目に入ると同時、バイオ2時の彼の衣装(ラクーン市警=RPD制服)と当時の拳銃を持ってくる三上の心意気に乾杯。

ちなみに、THE ANOTHER ORDERでエイダが最初から持ってるショットガン、レミントンM870もバイオ2でレオンが使っていたショットガンであり、よくわかっていると言わざるを得ない。クリア後のスタッフロールはバイオ2の衣装でのレオンとエイダのムービーシーンだからな…バイオ2は完成直前まで行ったけど納得いかなくて一から作り直したといういわくつきのゲームだから、バイオスタッフも思い入れがあるのだろう。

さて、そんなVP70だが、特徴は三点射が出来るところにある。いわゆる3バースト射撃という奴だな。射撃ボタンを上手く使えばマシンピストルの様に扱う事もできる。その利点はハンドガンの威力でマシンピストルの様な連射が出来るというところにある。マシンピストルは限定仕様に改造しても所詮威力1.8だが、こちらは威力フル改造で2.5になる。

この威力で連射できるのだから、これは非常に大きい優位性であるという事ができるだろう。しかしその一方で、使用するのはハンドガンの弾であり、一回拾うと最低でも25発、多いと100発のマシンピストル弾とは違い、一回に10発20発程度しか拾えない。故に、すぐ弾がなくなる。又、威力1.9の弾を貫通させられるパニッシャーことファイヴセヴン、威力6.5の弾を撃ち出すモーゼルレッドナインという強力な対抗馬がいる事も問題である。

特にモーゼルレッドナインが問題で、マチルダことVP70の三点バーストを全部当てたとして威力は2.5×3で7.5。一方、モーゼルは一発で6.5。三倍の弾を消費して威力は1違いな訳である。無論、VP70はマシンピストルに近い武器であり、弾幕を張って相手を寄せ付けない様にしたり、短時間に集中して弾を撃ち込む、といった用途の銃だ。だから単純に比較はできないのだが、現実は非情である。

まぁしかし、こんな性能にされたのも仕方ないと言えば仕方ない。と言うのも、実銃のVP70はHKの失敗作として大変有名なのである。独ヘックラー&コッホ、通称HKと言えばドイツの老舗大手銃器メーカーであり、世界最高の短機関銃と称されるMP5、MGS1でスネークも使った拳銃Mk23SOCOM、冷戦期の傑作突撃銃G3、セミオート式にも関わらず高い命中率を誇る狙撃銃PSG1(フルメタのヘタレ金髪狙撃師が使ってる奴、MGS1及び2でも登場)など、数多の名銃を世に送り出している。

が、やたらと革新的な機構を搭載しようとする傾向がある為どうしてこんなになるまで(ryな銃もよく作るのがこの会社である。例えば、G3の後継として作ってたG11はSFによく登場するケースレス弾というのを使って開発していたが、50発で五万円という高額弾丸の上、連射してると銃内部の熱に反応して火薬が自然発火し暴発する事があるというトンデモ銃に成り果てた。

まぁ弾が高かったのは数を作ってないからという説もあるが、それにしたって一発五千円は高い。ちなみにここの社訓は「妥協しない」であるが、こんなもん作ってるのを見るとたまには妥協すべきではないかと言わざるを得ない。まぁ、妥協しないからこそ狙撃銃に向かない自動小銃で狙撃銃作ったり、水中拳銃作ったり出来たんだが。

さて、そんな変態HKの代表的失敗作がVP70である。元々VP70は、兵器開発・購入資金に乏しい国への輸出を意図して開発された拳銃だ。その為「高くなるし構造も複雑になるが性能は上がる」という機構は使わず、むしろ「安く済むし構造も簡単だが性能は残念」な機構を組み込んでいる。VP70が独特な不細工であるのも、自動拳銃の一般機構であるショートリコイルを使っていないからだ。

ショートリコイルについて説明すると長くなるからしないが、高くつくからってんでこれをやらないで、安く済むストレートブローバックという機構にしている。ところが、拳銃でこれをやると反動で銃がブッ壊れる(特にVP70が使う9mmルガー弾は拳銃弾の中では強力な方である)ので、普通に採用する訳にはいかない。

結果、遊底(銃の上の部分、ガチャッと引いたりできるところ。スライド)を重くし、又、発射時に銃身からガス圧が逃げる仕組みにする必要があった。お陰でデカくて重い上に威力が低いと酷い事になっている。デカくて重いのは当然で、の反動を抑える為に本体を重くしたんだから重すぎな銃になるのは必然だし、ストレートブローバック機構の関係上デカくならざるを得ないし。

全長20cmで、弾18発フル装填で重量約1.1kg。ちょっとこれはどうよという数字である。まぁモーゼルは全長30cmの20発フル装填で1.28kgとこっちよりデカくて重いが、小銃の動作機構採用でありそもそも1896年発売である。1970年発売だぞ、VP70。

又、威力が下がるのも当たり前で、銃ってのはそもそも火薬のガス圧で弾頭を吹っ飛ばす武器なんだから、そのガス圧が逃げたら威力が下がって当然である。

コルトM1911A1の様な大型自動拳銃はメリケンに人気があるものの、アレはデカい分威力があるから人気なのであって、デカい・重い・低威力と三拍子揃ったVP70に隙は無かった。しかもダブルアクション(正確にはグロックと同系統の変則ストライカー式)で引き金が重く、結果命中率もよろしくないもはや売れる要素が無い勢いである。

更に言えば、本銃が採用するストレートブローバックというのは、反動が短時間に一気に来るタイプである。それでも重くしたりガス圧逃がしたりしたお陰で普通に撃つなら問題ないのだが、この銃、目玉機能として専用銃床を装備する事でバースト射撃が可能になる。ゲームと同様な。しかもコイツの連射機能は、連射速度が滅茶苦茶速い。そう、とても扱えたもんじゃない反動なのである。

別に射手が吹っ飛ばされるとかそういう話ではなく、発射の反動で銃口が暴れるのを押さえつけられないのだ。反動がデカ過ぎてな。お陰で、イングラムの様に可能な限りの短時間で可及的速やかに多数の弾丸をプレゼントするという方向で扱う事しかできない。

一応安い拳銃として完成したのだが、こんなんではとてもではないが売れない。米軍の次期主力拳銃競争に提出した時(M1911やめてベレッタM92Fになった時の)、五分の一の確率で給弾不良を起こしたという伝説まである。一応、使った弾が粗悪品だったらしいが、戦場では粗悪品を撃たねばならん事もあるからな。

つうか、何を考えてこんなもん提出したんだHKは。普通にUSPとか出しとけばいいだろうに。

ちなみに、散々な本銃ではあるが、実は名作と名高いグロックのさきがけとなった銃でもある。グロック独特の撃発機構(銃の弾というのは尻を叩くと火薬が燃えて弾が吹っ飛ぶが、その叩くシステムの事)である変則ストライカーはVP70の改良型と言えるものである。又、グロック最大の特徴であるポリマーフレーム、つまり合成樹脂や合成繊維を使った成型も、実はVP70が既にやっていた事であった。

と言うか、VP70こそ世界初のポリマーフレーム銃である(一体成型でなく骨組みの一部に取り入れただけでも良ければHKP9Sのが先だが)。この銃がなければグロックの成功はなかったかもしれない訳であり、そうであれば↑のスプリングフィールドXDも、FNファイヴセヴンも又なかったであろう。であれば、実は銃の歴史において意外と重要な銃であるとも言えるかもしれぬ。

失敗作だが。

ちなみに、そのグロックは合成樹脂の経年劣化により、初期生産型は色々と危ない状態になっているらしい。VP70も同じ合成樹脂仕様拳銃な訳で…レオンがVP70から今のハンドガンに変えたのはその辺なんだろうか。部品交換すればいいとは言え、生産終わってるしこれ。


●ショットガン:ウィンチェスターM1300


西部開拓時代からある老舗、ウィンチェスター社の作った堅実な散弾銃。特に何の変哲もない、本当に普通の銃だが、銃というものが火薬を使う武器である以上信頼性が高く頑丈で且つ安いという本銃は世間の要求に応えるものであり、ベストセラーとなっておる。

その設計はかなり古く、かのジョン・ブローニング設計したM1893が元であった。これはレバーアクション式といって、ターミネーター2でシュワちゃんが使ってた散弾銃と同じ装填形式のものだったんだが、レバーアクションと散弾は合わないという事でM1300と同じポンプクションに変更。これがかの有名なウィンチェスターM1897である。

この銃は三発以上の装弾数を持つ散弾銃の先駆けとされる。それ以前もあるにはあったがいうほど実用的でなく、又、水平二連もしくは上下二連(ダンテが使ってるこういうの)の連射速度の速さには敵わず、主流とはなっていなかった。しかしながら、M1897は5発という大容量とラピッドファイア(引き金引いたままガシャコンガシャコンとやると連続で弾が出る)により、一躍ベストセラー散弾銃となったのである。

軍や警察も本銃を採用し、米西戦争でも大活躍。そしてついにあの第一次世界大戦が始まる。この戦争では、塹壕内での接近戦闘が数多く発生した。その接近戦において、一回の射撃で数個~数百個の鉛球をプレゼントする散弾銃は非常に有効であり、銃剣を装着可能に改修されたM1897はドイツ印の挽肉を製造するマシーンとして大活躍した。

それでついた異名がトレンチガン。即ち塹壕銃であり、塹壕戦を象徴する武器であった。ちなみに、M1897があまりにアレだったので、ドイツは残虐兵器であるとしてハーグ条約違反だと提訴している。まぁ大量の小さい鉛をばら撒かれる訳だからな、食らったら最後、手の施し様はないわ苦しみ抜いて死ぬわ死体は汚いわで散弾銃使いは捕虜にせず殺しても良いとまで言われておった。

実際、欧州では散弾銃を対人用に使う事は、昔から今まで非常に少ない。先進諸国間での戦争に限って言えば戦争に初めて散弾銃を持ち込んだのはメリケンであり、そのメリケンは西部開拓時代から人に向けて散弾銃を撃っておった。この辺が、欧州諸国人が「欧米」とひとくくりにされると全力で嫌な顔をする理由である。ちなみにドイツが提訴した話は、その当のドイツが条約違反武器の毒ガスが大好きだった為散弾銃の使用継続が認められる事になった。

そんなM1897だが、元がレバーアクション銃である為、ポンプアクション銃としては不自然なところがいくつかあった。例えば、普通なら内臓されてる撃鉄が露出してたりな。なので、それらを改善したM12が開発される。そして、更にそれを改良したものが本銃M1300(M1200というのもあるけど)である。

さて、M1300というよりM1897の説明になったが、塹壕戦の英雄に魅力で劣るのはしょうがない。んでゲーム内の性能はと言うと、まぁ普通のショットガンである。実銃に忠実といったところか。弾が拡散して飛び、威力もそこそこある。なので、大量のガナードが群がってきて普通の銃では対処できない時、チェーンソーシリーズや寄生体ガナードに接近されてしまい、一旦吹き飛ばして距離を取りたい時等に重宝する。

ただ、散弾銃はどれもこれも遠距離射撃になると威力が落ちる。具体的には、ガナードを撃って吹っ飛んだら本来の威力、よろけただけだったら威力が落ちておる。この威力減衰がM1300はかなり激しく、改造次第ではモーゼル以下の威力になるのでしっかり引き付けて撃つ必要がある。まぁ、引き付け過ぎると今度は敵がばらけて一発では全ての敵を撃てず、ガシャコンとやってる間に殴られるがその辺は腕前でカバーするしかない。

尚、限定仕様が本気でクズ性能であり、全く使えない。ショットガン(セミオート)が完全上位互換なのもあり、見た目とかにこだわりがなければ、かの銃が売りに出た時点で買い換えるべきであろう、ちなみにバイオ4ではシステム上必須な為下部にレーザー照準機がついているが、これについてバイオ4公式の武器商人は何故かレーザーサイトがついてるぜ!と語っている。パッケージ裏の煽り文句が大統領の娘を救い出せ!?だっただけはあるな。


●ライオットガン:ベネリM3スーパー90


銃作りと歴史だけは一流の国イタリアはベネリ社の傑作散弾銃。同国フランキ社のスパス12と共に、現代の軍用散弾銃の名作として並び称されておる。まぁ、そのベネリもフランキも今はベレッタに吸収合併されてるが、それはさておき。このM3とスパス12は、どちらもセミオート機構を持つ散弾銃としておる。

つまりだな、ポンプアクション式はバイオ4でやっていても判るとおり、一発撃って目の前の敵を挽肉にしてもガシャコンとやってる間に別に敵が出てきてこっちが挽肉にされる事が多々ある。ポンプアクション式は銃自体がブッ壊れない限り弾詰まりが起きないという信頼性の高い機構だが、連射速度が遅いという欠点がある訳である。しかしながらセミオートにすると、今度は弾詰まりの問題が出てくる。

いわゆるジャムという奴だが、セミオート及びフルオートの銃は拳銃に限らず「発射→遊底後退→排莢→次弾装填→遊底前進」という手順を踏むのだが、まぁ判らん人が見てもやたら複雑な手順を踏んでるというところだけは判る通り複雑な機構である。複雑な機構であるが故に、反動のデカい弾を使うとどっかで作動不良が起こり、次の弾が装填されない事がある。

こうなるとどうあっても挽肉にされるしかない訳であり、ガシャコンとやってる間に挽肉にされるリスクを支払ってでもポンプアクションでいい、というので、一般的には、散弾銃はポンプアクション式である。しかしながらセミオートの連射速度はやはり魅力であり、どうにか実用的セミオート散弾銃を作ろうというのは以前から銃業界の課題の一つであった。

それを実現した銃の一つが、このベネリM3なのである。本銃は「ライオットガン」の名のとおり公的機関向けに開発されており、装弾数が多く、且つ軽量である。本体重量は大体3.5kgで、これは同様の機構を持つスパス12よりも1kg、↑のM1300より1.5kg軽い。又、セミオート機構は故障が予想される事からポンプアクション式との切り替えも可能である。バイオ4で出てくる本銃がポンプアクションオンリーなのはこの機構があるからだろう。と言うか、セミオート機構を排除した独自仕様なのかもしれん。

そして、本銃が傑作と呼ばれる理由、それは散弾銃なのに射撃精度が高い事である。散弾をある程度集中させられる、と言った方が近いか。散弾銃の名の通り、バラバラに散る弾を撃つのが散弾銃ではあるものの、特に警察の特殊部隊が人質をとった立てこもり犯のところへ突入する際、弾が散りすぎるのも問題なのである。人質に当たるから。

なので、理想としては散りすぎず、集中しすぎずが求められる訳だが、以前からある散弾銃でも散り過ぎない様にするのは可能であった。まぁ正確に言うとちょっと違うんだが、散弾銃というのは大抵、銃身の内径が一定でない。具体的には、根元の部分と銃口の近辺を比べると、銃口の方が大概狭い。これを絞りとかチョークとかいい、強く絞ってあるとしばらく散弾の塊が飛んでからばらけるのである。

しかしながら、散弾を集中させるとなると非常に困難な問題である。それをイタリアの職人達は解決し、見事精密射撃可能な散弾銃という変態銃の座を勝ち取っておる。バイオ4でも、本銃は遠距離射撃での威力減衰がM1300に比べ抑えられているのが一応の利点になっている。

傑作銃として名高い本銃は、世界各国の軍隊や警察の特殊部隊に採用されておる。海上自衛隊でも採用しておる様だ。ただ、M3はM3でもM3スーパー90ではなくM3Tという銃床が折りたたみ式になっているものの様だがな。

さて、そんなベネリM3だが、ゲーム中では残念な事に素晴らしくどうしようもない性能である。改造していけば最終的にM1300より高性能な銃になるのだが、一周目は改造限界というものがあり、チャプター○では△段階まで改造可能、チャプター×では□段階まで改造可能、という風に制限が設けられている。

これが明らかなM3いじめ設定であり、一周目だと大抵の場合M1300より弱いのである。そしてゲームも終盤に入ると、今度は上位互換のショットガン(セミオート)が登場し、M1300共々存在意義を完全に失ってしまう。結果、ブラックテイル以上に可哀想な銃としてライオットガンはバイオ4の歴史に残る事となってしまったのである。

ちなみにベネリM3、バイオスタッフに気に入られているのか、シリーズ常連だったりする。初登場は3のソウドオフモデルだが、リメイクバイオのジルシナリオでも登場。最新作5でもショットガン(セミオート)と共に連続出場を果たしている。今回不遇だったのは、多分何度も何度も出てるからたまには自重性能しないと他の銃器ファンから何か言われるかもしれないというカプコン三上の深謀遠慮かもしれん。



サクッと一回で終わらせるつもりのネタだったのに全然終わらないんだがこれ。どうしよう。

バイオ4に出てくる銃の解説 ぱーとわん

2011年10月10日 21時06分46秒 | アニメ、ゲーム、映画等
ごきげんよう諸君、いかがお過ごしかな。バイオハザード・リバイバルセレクションの両方をコンプリートした霧島である。あのソフトはバイオ4とコードベロニカがHDリマスターされて入っておるのだが、取り敢えず4の最高難易度+外伝二種をクリア、ベロニカの本編Sランク+バトルモード全キャラSランクを達成した。

ベロニカはとても辛かった。何で辛かったかってクソゲーだからである。私はガンサバイバー2、4とGAIDEN以外全てのバイオシリーズを買っておるしやっておるバイオ儲(攻略本だって必ず買うし、アーカイブスだって買ってる)だが、それ故に断言する。ありゃクソゲーだ。

しかもゲーム形式が旧作バイオ型で、Sランク条件がノーセーブ五時間以内クリア。んで、当然ながら一撃死技を使ってくる奴が沢山いる上、最近旧作バイオやってなかった。お陰でバンダースナッチに頭を潰され、ハンター改に首狩りされ、ノスフェラトゥに崖から落とされと何度も一撃死させられて本当に泣けた。その上クソゲーと来たもんだ、心が折れる一歩手前まで行ったが、何とかSランクを達成した。

一方4は、やはり慣れないと難しいステージも多いが、何度もクリアしたゲームだし、何より第一次大戦以前の銃への愛でごはん何杯でもいけるので楽しんでやれた。モーゼル、M1903、コルトガバメント、S&WのM3、どれもこれも素晴らしい。G36みたいな銃も好きだが、やはり私は古い銃が好きだ。拳銃も中折れリボルバーが一番好きだし。


是非次作のバイオでは、武器はこんな感じでお願いしたい。

ハンドガン1:FNハイパワー
ハンドガン2:モーゼルC96(レッド9仕様)
ハンドガン3:ワルサーP38
ハンドガン4:SACMM1935A
ハンドガン5:エンフィールドNo2Mk1
ライフル1:三八式歩兵銃
ライフル2:マウザーKar98k
ライフル(セミオート)1:M1ガーランド
ライフル(セミオート)2:ドラグノフ
マシンピストル1:エルマベルケMP40(シュマイザー)
マシンピストル2:エンフィールドステンMk1
マグナム1:スタームルガースーパーレッドホーク(454カスール仕様)
マグナム2:タウルスレイジングブル(454カスール仕様)
ハンドキャノン:パイファーツェリスカ

まぁ要するに第二次大戦以前の銃基本でやりたいという事である。エンフィールドNo2Mk1はアレ38S&W弾じゃねーかと思うかもしれんが、バイオ4のパニッシャー(ファイヴセブン)だって本来なら5.7mmx28SS190である。まぁ流石に混ざりすぎてるとマズイからこれだけにしたが、弾気にしなくていいなら出したい拳銃はもっとある。又、ライフル系の弾丸規格を統一するのは全力で諦めた。

バイオ4がいけないのだ。ハンドガンにモーゼル(言わずもがな、第一次大戦以前から広く使われたドイツの拳銃)、ライフルにスプリングフィールドM1903(第一次大戦時の米軍制式歩兵銃)、マグナムはS&WのM3(1870年開発)とコルトM1911A1(いわゆるガバメント。1911年採用)。ほぼ全種類の武器を第一次大戦以前の銃で固められるのである。

ちなみにショットガンはウィンチェスターM1300だが、こいつの原型はM12、更にその原型がM1897で、こいつは第一次大戦の塹壕戦で猛威を振るった銃なので脳内補完が可能なら色々違うゲームになる事請け合いである。

そんな素敵なゲーム、バイオ4に登場する銃について、今回は解説していきたいと思う。尚、このゲームでは、武器商人に話す事で「威力」「装弾数」「連射速度」「装填速度」を改造する事が可能で、全ての項目を限界まで改造すると「特別仕様」にする事が出来る。


●ハンドガン



レオンの初期装備であり、マーセナリーズではウェスカーも持っているハンドガン。ゲームオリジナル銃(体験版ではKP94だったが)なので、実銃は存在しない。設定的には、2冒頭で死んだ後シンなみの勢いで後付設定が追加されたロバート・ケンドさんによるカスタムハンドガンらしい。HKのUSPを基本にガバメントのパーツを組み込み、銃把はメダリオンが入っている。よく見るとケンド銃砲店の刻印もあり、レオンはディジェネレーションでも本銃を愛用しておった。

さて、初期装備だけあって未改造状態では最も貧弱で、パニッシャーの様に貫通する訳でもなく、レッド9の様に威力が高い訳でもなく、ブラックテイルの様に万能な訳でもない。しかし、特別仕様に改造するとクリティカル率五倍というなかなか面白い性能になる。これは、ガナード(今回のゾンビみたいなもん)の頭を撃つと低確率で威力が五倍になるというものだが、普段は十二分の一の確率だ。これが十二分の五になる訳で、プレイヤーの腕次第でかなりの戦力となるだろう。

ただまぁクリティカル率五倍と言っても、それでも50%いかないし、運が悪ければ全然クリティカルが出ない。逆に言えば、運が良ければ物凄い勢いでガナードの頭が吹っ飛ぶ訳で、強い弱いと言うよりは「楽しい」武器と言えるかもしれんな。私はあんまり使わない。


●ハンドガン(パニッシャー):FNファイヴセヴン



青コインを10枚壊すと貰え、15枚壊すと威力が一段階改造された状態で貰える拳銃。単発の威力はハンドガン中最低(マシンピストルよりかは高い)が、弾が敵を貫通するという特徴がある。通常だと二体まで、特別仕様に改造すると五体まで風穴を開けられる。特別仕様にせずとも、ガナードが大量に涌いた時は適当に連射する事で簡易マシンガンとして敵の足止めが可能だし、盾持ちガナードに対しても盾を貫通してダメージを与えられる。

一発一発の威力は低いが、上手く貫通を使って多数の敵に当てる事で、他のハンドガンに負けない威力を発揮する事が出来ると言える。フル改造でも威力は2.2だが、二体に同時に当てれば事実上4.4、三体なら事実上6.6な訳だからな。ただ、二体ならともかく三体、四体ともなるとそうそう同時に当てられる状況は存在しないし、貫通でダメージを当てられる様位置取りしてる間に近付かれてどうしようもなくなったりもする。

なので、扱いの難しい、使い手を選ぶ銃だとも言えるだろう。単発の威力が最低だから積極的に頭を撃ったり、足を撃ってジャーマンスープレックスかましたりしたいが、そうすると大抵貫通ダメージは狙えなくなるし。又、多数の敵に貫通ダメージを狙える状況というのはショットガンとかで吹っ飛ばした方がいい状況である場合も多く、判断が難しい。

まぁ、玄人好みの銃だな。

さて、その正体は、以前P90の話をした時触れたベルギーFN社のファイヴセヴンである。この拳銃は、兄弟武器である短機関銃(サブマシンガン≒マシンピストル)のP90、及び専用弾丸5.7mmSS190弾と共に開発された。と言うか、むしろ、P90とファイヴセブンは、それぞれSS190弾を撃つ為の短機関銃、拳銃である。

一般的に、現代の拳銃は9mmルガー弾、もしくは.45ACP弾を使用する。短機関銃は「拳銃弾を使う機関銃」というのが一般的な定義であるから、やはり一般的に使用するのは9mmルガーと.45ACPである。まぁ.45ACPはアメリカで流行してるだけとも言うが、それは置いといて、この二種の弾は、歴史的に見れば比較的殺傷能力の高い拳銃弾である。

9mmルガー弾などは貧弱、もしくは器用貧乏の代名詞、.45ACPは大口径銃が大好きなメリケン弾丸の代名詞、というイメージがあるが、.38SP弾(ニューナンブとかの弾、第一次大戦以前はよく使われた弾)とかに比べれば9mmルガーとて殺傷能力は充分高い。大体、.45ACP弾からしてクスリキメて突撃してくる奴でも充分殺せる弾として開発された経緯があるのだ。しかしながら、これら二種の弾丸でも、防弾チョッキとか着た奴に対する殺傷力はあまり期待できない。

まぁ、.45ACP弾を9発食らった後綺麗な服に着替えて自分で車運転して帰宅した殺人犯とか、厚手のジャンパーで9mmルガー弾を防ぐ銀行強盗とか、アメリカにはそういう実例があるからな。まぁ後者は、薄手の服を着た連中用に特化した特別仕様弾を厚手の服着た相手に撃ってたからだが。

ま、ともかく。現代は防弾装備が普及してきており、拳銃や短機関銃の威力不足が従来指摘されておった。これを一挙に打破する存在としてベルギーの老舗FN社が送り出したのがSS190弾であり、又、SS190弾を使用するP90とファイヴセヴンである。まぁP90は以前話した通りPDWという全く流行らなかった新しいカテゴリを創出するという銃でもあったが、ファイヴセヴンはSS190を使う拳銃、というのが基本だ。

何せ、SS190を使うファイヴセヴンとP90は、FN社の宣伝によればクラス3の防弾装備を貫通できるという。クラス3というと、.44マグナムどころか7.62mmNATO弾を防げる(バイオ4で言えばマグナムもライフルも貫通できない)レベルのものであるから、それを貫通できる強力な拳銃、となれば銃オタならずともワクワクしてしまう逸品である。SS190が小さいので、装弾数も20と多い(ロングバレルを使えば30)。

銃そのものは人間工学に基づいた丸っこい可愛らしい形で、初期型は用心鉄(トリガーガード、引き金をすっぽり包んでる部分)が何故かピーナツ型でこれも又可愛い。現在生産されてるモデルは普通の直線型用心鉄で、バイオ4に登場したのもこれだ。全体を合成樹脂(強化プラスチック、ナイロン素材等)で覆っており、この柔らかさが又可愛さに拍車をかけている。

尚、その貫通性能のヤバさからか当初は軍、警察等にしか販売せずという方針だったが、P90と同様まったくもって売れなかった。この為か、2004年からは貫通力を落としたSS192弾(現在は更に貫通力を落としたSS196SR弾)を使用する民間仕様を販売しており、こちらはよく売れているという。

ちなみに、SS190系の弾の貫通力、と言うか威力に関しては疑問も呈されておる。と言うのも、この弾、弾頭が滅茶苦茶小さい。何せ拳銃弾の癖に5.7mmだからな、子犬が殺せる程度の能力と言われる.22LRに毛が生えた程度の大きさである。なので、敵さんの身体にプレゼントされる弾丸の重量は非常に軽く、速度×質量=運動量という公式を考えると…という事だ。

もっと判りやすく言えば、高速で飛んでくるドッジボールより多少遅く飛んでくる砲丸投げの砲丸の方が危ないという事である。実際のところ、SS190弾を使用する銃が戦争で大々的に使われた実績というのはまだない(何せどうしようもなく売れてない)ので、よくわからんのである。警察にもあんまり採用されないし。こういうのは結局のところ、生きた人間に撃ってみない事には判らん訳だからな。

ところで、バイオ4に出てくる「ハンドガンの弾」は9mmルガー弾である。「調べる」やると9mmの拳銃弾って出てくるし、レッド9やブラックテイルは9mmルガー弾モデルだからな。しかし、ファイヴセヴンに9mmルガー弾モデルは無い。と言うか、5.7mmSS190を撃てるからファイヴセヴンなのであって、SS190を撃てないファイヴセヴンに存在意義は無い訳である。敵を貫通するというのはSS190弾の再現なんだろうが…うーん。


●ハンドガン(レッド9):モーゼルミリタリー・レッドナイン



私の愛銃。

ブルームハンドル。

モーゼルミリタリー。

モーゼル万歳!モーゼル万歳!モーゼル万歳!

まぁ、という訳で、モーゼルである。Mauser社の作った軍用大型拳銃で、この社名は普通「マウザー」と読む。実際、MG34やらHScやらは「マウザーMG34」「マウザーHSc」といった形で呼ばれておる。まぁMG34は共同開発だから、より正確には「マウザー・ラインメタルMG34」だが。しかしベロニカのルガーP08といい今回のモーゼルといい、バイオスタッフに濃いミリオタがいるのは確定的に明らか。つうかベロニカ、可動状態のティーガーが出てくるとか吹いたぞ。

話が逸れたが、このマウザー、本銃について述べる時だけはモーゼルと読む。これは、まぁ昔そういう風に日本で紹介されたからで大した話ではないのだが、このせいか、本銃はあたかも「モーゼル」という名前の銃であるかの様に扱われている。それも仕方のない話で、一般的にこの銃は「モーゼルC96」と呼ばれるが、これ、正式名称でも何でもない。

と言うのも、この銃、軍用大型拳銃でありながら一度として正式に採用された事が無いのである。C96というのも、最初の民間向けモデルがそう呼ばれていただけだ。しかもその上色んなモデルがある。最初のC96、9mmルガー弾仕様(バイオ4はこれ、通称レッドナイン)、ロシア向け輸出モデル(通称ボロ・モーゼル)弾倉方式を導入したもの(通称M1931)、更にそれを改良したもの(通称M1932)…しかも、M1931をM712、M1932をM713と呼ぶ事もあって更にややこしい。

なので、この銃を何と呼ぶべきかよく判らんというのが実際のところで、故に「モーゼル」と呼ぶのが一番手っ取り早いのである。マウザー社がちゃんとした名前をつけてくれれば良かったのだが、あの会社、正式な形式名をこの銃につけなかったのだな。

そんなモーゼルだが、特徴はやはり美しい独特の形と拳銃の皮を被った歩兵銃という独自のコンセプトである。まず、装弾は引き金より前にある固定弾倉にクリップを使って押し込む。こういう方式にしたのは、当時は脱着式の弾倉方式(いわゆる普通のマガジン方式)の信頼性がまだ低かったという説から普通のマガジン方式の特許料を払いたくなかったという説まで色々ある。

ただ、当時の脱着式弾倉の信頼性が低かったのは確からしい。戦闘中、気付いたらマガジンが落ちてたとか稀によくある話だったらしいからな。他の作動機構にも、まだまだ信頼性の低かった自動拳銃よりも成熟の域にあった歩兵銃の技術を取り入れて作られており信頼性の高い銃であった。

更に、銃床が標準で装備可能な仕様になっていた。ストックな。これをつける事で即席の小銃として運用する事が可能となる。無論、普通の小銃に比べれば威力も低いし射程も短いが、持ち運びに便利で軽量、取り回しもいい本銃は、まぁ流石にポケットには入んが尻ポケットからはみ出る歩兵銃として大変重宝がられた。

第一次大戦時には、9mmルガー弾を使えるモデルが開発、軍に納入される。これがバイオ4に出てくるレッドナインだ。銃把に赤く9の刻印がある。又、第二次大戦前の1932年には脱着式弾倉、全自動射撃(要は引き金引きっぱなしで弾が延々出るフルオート射撃)、20発入りロングマガジンの三機能を追加したシュネルフォイヤー(M1932=M713)が発売。全自動射撃、銃床、拳銃と三種の神器が揃った結果、モーゼルは尻ポケットからはみ出る機関銃にもなった。降下猟兵等が使っている。

さて、そんなモーゼル・レッドナインだが、バイオ4では攻撃力の高い銃、そして尻ポケットからはみ出る歩兵銃としてデザインされている。未改造状態でも攻撃力はブラックテイルと並んでトップタイ。まぁこの状態だと向こうのが連射速度速いから劣化ブラックテイルなんだが、改造していくとどんどん威力に差がついていき、最終的にブラックテイルが劣化レッド9になるレベルの格差社会を形成する。

特に特別仕様に改造すると、そこらのショットガンより高い威力になる。流石にフル改造ショットガン系には負けるが、例えば4段改造ショットガンより高い威力を誇るし、同じく4段改造のライオットガンとの威力差は0.1。ハンドガンとしては異様な高さであり、対雑魚ガナード戦は勿論、対強敵戦、対ボス戦でも使っていける逸品になる。

更に別売りの銃床を装備すれば、手ブレがかなり抑えられて遠距離射撃も可能になる。正に尻ポケットからはみ出る歩兵銃である。残念ながら、ライフル系の「ヘッドショットしたら威力10倍」的な補正は受けられないが、ハンドガンの弾で遠距離射撃が可能というのは魅力的だ。近距離戦でも、手ブレのせいで肝心の一撃を外してしまう事がなくなるのは心強く、積極的に足や頭を狙っていける(そして蹴ったりベリィしたりできる)。

一方欠点もある。しかしそれは性能ではない。正直、銃としての性能は文句のつけ様が無い。問題はサイズで、このゲームではアタッシュケースに武器から回復アイテムから弾から全部詰める訳だが、モーゼルは妙にデカいのである。まぁそれも当然で、歩兵銃の技術を使った大型拳銃だからな、これは。他のハンドガン連中はどちらかと言えば小型拳銃に属するので、仕方ないところだ。

ただ、モーゼル本体はそこまでデカくない(他のハンドガンが2x3、レッド9は2x4)のだが、更に銃床まで買うとちょっとマズイデカさになる。レッド9自体が2x4なのに、銃床が1x3なので合計11マス。他のハンドガンが2x3で6マスなのを考えるとおよそ二倍であり、ついでに言うとスコープなしのライフルより場所を取る。

この為、アタッシュケースを圧迫するという他の銃とは全く別の欠点がある訳である。そこを気にせずいけるなら良いが、そうでないなら少なくとも銃床を買うのはよく考えてから、もしくは一番大きいアタッシュケースを買ってからにするべきであろう。


●ハンドガン(ブラックテイル):スプリングフィールドXD



二周目限定のマチルダを除けば、ショップへの追加が一番遅いハンドガン。遅いだけあって、未改造状態ではあらゆる面でハンドガン最強を誇る。まぁ強いて言えば、パニッシャーの様に貫通弾を撃てない、というだけである。威力はレッド9と同値、装弾数も多く装填、連射速度も速い。しかしながら、改造するとハンドガン中最もどうしようもない銃へと転落する。

特に特別仕様が問題で、効果は威力上昇なのだが…4.5までしか上がらないのである。一方、威力重視ハンドガンのモーゼルは6.5。一応、装弾数が13発多く連射速度も0.13秒速く、装填速度も二倍なのだがだからどうした感は否めない。

正直、装弾数はモーゼルの22で充分であり35も必要なく、連射速度も重要と思えるほど差を感じず(そもそもハンドガンは連射速度にまかせて撒き散らす武器ではない)、装填速度も重要と言えるほどの差ではない。つうか、装填速度が問題になる立ち回りをしてしまってる時点でアウトである。

結果として、登場時レッド9の上位互換だったブラックテイルは、哀れレッド9の下位互換へと身を落としてしまうのである。しかも改造費用が地味に高い。総改造費用はハンドガン中一位だ。いいところが本気で見つからない。強いて言うならば、ハンドガンを殆ど未改造のままにして、他の武器をガンガン改造していきたい、という人が使うぐらいか。とは言え、ちゃんと宝集めていくと三挺特別仕様にしても尚金余るんだけどな、このゲーム。

では、そんな可哀想なこの銃の元は何かと言うと、それはスプリングフィールドXD。日本人ゲーマーにとってはまさに誰得とでも言うしかないぐらい無名の銃だが、メリケンには大人気の拳銃である。

これは元々クロアチアのHSプロダクト社が作ったHS2000という銃である。クロアチア本国でも軍や警察に採用されている銃だ。HSプロダクトは、一大銃市場であるアメリカの民間市場に売り込んで儲けようと頑張っていたのだが、いかんせん無名のクロアチア企業なので上手くいかない。そこで、元スプリングフィールド造兵廠であり現在も一流ブランドであるスプリングフィールド社が販売権を買い取り、スプリングフィールドXDの名で売っているのだ。

まぁ要するに、朝鮮のサムチョンやら台湾の東元電機やらの製品を日本の東芝とかのブランドはっつけて売ってるのと同じだ。もっと言えばOEM品である。

で、現在、非常に売れておる。何も知らない人が見ると、パニッシャーことファイヴセヴンとの違いがよく判らない外見をしているところから判るとおり、合成樹脂を多用したいわゆるポリマーフレーム銃だ。こういった銃の元祖は、一般的にはグロック17と言われておる。これはコードベロニカでクリスが使っていた銃であり、又、私も以前は度々述べた銃だが、グロックの特徴はやはり合成樹脂の多用である。

基本となる骨組み、引き金と周辺の機構等々へ大々的に強化プラスチックが使われており、又、金属製部品でもその上から強化プラスチックでコーティングをしてある。例えば弾倉は金属製で作った上で、合成樹脂で包んでいる。これらのお陰で非常に軽量であり、作りやすい為価格も安い。しかしながら、プラスチックはプラスチックな上にデザインがデザインなのでオモチャっぽいという理由でまるで売れなかった悲劇の銃である。

まぁ当たり前だがな、何せプラスチックだ。しかも、反動吸収の為柔らかい素材を使っており、日本のエアガンのグロックよりヤワい。その上、意外に思うかもしれんが、大抵の銃は日本のエアガンより仕上げが雑である。塗装がはみ出てたりとか普通にする。これは、日本と違ってメリケンにとっての銃というものは日用品であり、感覚としては掃除機とかに近いのであって、決して趣味の品ではない。故に美しい表面仕上げとかに命をかけた日本のエアガンより適当に作られておる。

よって、グロックは非常にオモチャっぽく、全然売れなかった。しかし、金を払って映画に登場させる等の地道な販売戦略が功を奏し、やがて超人気銃へと成長する。スプリングフィールドXDは、このグロックの系譜に属する銃である。まぁ何と言うか、無論銃自体の性能も良いのだが、やはりグロックに似ているというのはセールス上非常に有利なのだ。メリケンはミーハーだからな。比べると、グロックはオモチャっぽく、ファイヴセヴンは可愛く、XDは不細工な形だ。



長くなったので続きはまた今度。

【ACLRP】フォロワーの昔の愛機を再現して戦ってみた

2011年09月27日 01時38分31秒 | アーマード・コア
動画作ってみた。

ザ・インタビューズで、ツイッターのフォロワーに昔の愛機の構成を質問し、返ってきた答えを元に機体を再現して戦ってみたもの。作品はアーマードコ・コア ラストレイヴンポータブル。知らん人には面白くないかもしれんし、知ってる人も面白くないかもしれん。その逆もあるかもしれん。






もしくは

http://www.nicovideo.jp/watch/sm15723212

あなたの異名・仇名・二つ名を診断してみったー 歴史編

2011年09月25日 21時44分11秒 | これら以外の何か
というのを作ってみた。

http://shindanmaker.com/157100←コチラ。


是非遊んでみてほしい。



私が喜ぶから。

BIOSHOCK一番のキチガイと三流ライターの妄言の考察

2011年09月21日 18時16分35秒 | アニメ、ゲーム、映画等
ごきげんよう諸君、いかがお過ごしかな。つい先程バイオ4の難易度ノーマル一周目をクリアした霧島である。先日バイオハザード リバイバルセレクションが出たわけだが、バイオ儲の私としては買わざるを得ないという訳で、この間買ってきたのである。ベロニカなんてクソゲー移植する暇があったらリメイクバイオとバイオ0をHDリマスターして移植して欲しいのだが、残念ながらこの神ゲー二作は任天堂が一部権利を持っている為絶対に許早苗状態ともっぱらの噂である。

私はてめーをゆるさねーぞ、任天堂。

まぁ、そんな訳で買ってきて取り敢えず難易度ノーマルで一周した訳である。ツイッターでも言ったが、結論としては

1:モーゼルは至高
2:ウッドストックは正義
3:中折れ式リボルバーは神様
4:ショットガンはトレンチガンのが良かった
5:アシュリーは可愛い

というところである。あと、クラウザーはボス戦での強さに問題があると思う。ムービーナイフファイトだと滅茶苦茶強いのに。三、四回死んだぞ、あそこ。まぁベロニカはともかくとして4は神ゲーであるから、4をやった事が無いという人、及びバイオ儲の同志は購入をオススメする。元がゲームキューブのゲームだから、リマスターのお陰でかなり綺麗になっておる。

後、友人に質問する為にザ・インタビューとやらに登録した。これ。何か聞きたい事がある人は聞いてみるといいのではないだろうか(チラッ まぁ変な質問と言うか煽りには反応しないだろうけど。煽りで思い出したが、この間変更した注意書きに「短文のつまらん煽りコメは消す」と書いてたもののよく考えたら長くてもつまらなかったら消してたので、ザ・インタビュー追加と一緒に修正しておいた。

尚、コメントでも言ったが、最近フン族関係の更新をしておらんが別に更新する気がなくなった訳ではない。関連の書籍を入手して、今ちょっと読んでるところである。↓こんな本。



画像は「図説ローマ帝国衰亡史」と「フン族:謎の古代帝国の興亡史」だが、他にも色々借りてきておる。まぁ分厚い本ばっかりなので読むのにちょっと時間がかかりそうだから、その辺は勘弁してもらいたいところである。仮にも脳障害者なものでな、私も。あんまり脳に負担をかける事を続けるとすぐ駄目になってしまうのである。

あ~…あと、それから、気付いてる人もいるだろうが、実は先日アフィ厨になった。実は↑の画像リンクもアフィである。この間やっぱやめるって言っといて結局やるんかい、と言われそうだが、今回アフィ厨になったのは儲ける為ではない。ぶっちゃけて言うと、商品画像を用意するのがめんどくさいからである。

と言うのも、私は読んだ本の紹介とかやったゲームのレビューとかをよくやる。そういう時、文字+その商品へのリンク、というだけならまぁ簡単なのだが、やっぱり画像+リンクで紹介したいものも多い。しかしその場合、まずamazonのサイトを開いて画像を自分のPCに落として、ブログの画像フォルダに上げて、その上で「<img src=””…えーと、ブログの画像フォルダ開いてアドレスコピーして、んでimgsrcを囲って<a href=””、んで、えーとamazonの商品アドレスコピって~」とやる必要がある。

ぶっちゃけめんどくせぇのである。しかしamazonのアフィに登録すると、商品ページを開いて「このページへのリンクを作成する」をクリックすれば、それだけで画像付リンクのコードを作成してくれるのだ。私はそれをブログの文章にコピペすれば良く、非常に便利だ。まぁつまり、画像付リンクジェネレータとしてアフィを使っておる訳である。

そんな訳で、私の紹介した商品は今のところ一つも売れてないが、売れなくて当たり前なものしか紹介してないからな。しょうがない。↑の本だって高くてしょうがない上に読んで喜ぶ人殆どいない様な本だし。


さて、そんな事はさておき本題である。

先日、先鋭的近過去世紀末キチガイ都市ラプチャーを闊歩するゲームのレビューを書いていて思ったのだが、あのゲーム、様々なキチガイが出てくるのは既に述べた通りである。雑魚もキチガイだしボスもキチガイだ。しかしながら、一番のキチガイは実は主人公なのではないだろうかと思うのである。

ゲームを始めると、まず大西洋上で主人公の乗る飛行機が墜落する。んで、どうにかこうにか主人公だけが生存し、近くに見えた灯台(何だか何なんだかよく判らん、大西洋のド真ん中に立つ塔。これがラプチャーへの侵入口なんだが、こんなもん作ったら一発でアメリカやソ連にバレると思う。ラプチャーの存在を米ソから隠す為だけにラプチャー内で死刑を導入したって設定なのに)へ泳いでいく事になる。

んで、飛行機が墜落し、泳ぐところからゲームスタートである。画面は一人称視点になっており、主人公のジャックさんは見えない。Lスティックを使って海を泳ぎ、塔に流れ着く訳である。んで、塔の中に入り、潜水球に乗ってラプチャーに侵入する。この間、ジャックは終始無言である。何も言わず黙々と塔まで泳ぎ、塔の中を突き進み、潜水球に乗る訳だ。

軽く異常者である。

一応、飛行機墜落で溺れかけた感じでぜぇぜぇと喘いだりはするが、ただそれだけだ。と言うか、ジャックさん、飛行機に乗ってる時「お前には可能性がある、私が親父とお袋に言われた言葉だ。正にそれが、その通りだったのさ」と呟く以外一切喋らない。ちなみにこの時も一人称視点で、この直後飛行機が墜落し、泳ぐ事になる。

んでしかも、例の超能力(プラスミド)を使える様になる注射器を見つけると誰に言われた訳でもなく注射する。アトラスという人が「君を助ける」とか言いながら無線で話しかけて「恐縮だが、私の家族を助けて欲しい」と頼んでくると一も二もなく承知(ジャックは何も言わないがストーリーの流れからして承知したっぽい)する。

又、ラプチャーを作った男ライアンが「お前は誰だ?CIAか?KGBか?」みたいな感じで聞いてくる時も、ジャックは特に何も言わない。まぁ言ってもライアンの性格からして聞く耳持たないのは確定的に明らかだが、ライアン配下のキチガイ達が目前のガラス戸を割ってジャックを殺そうとしている状況で、彼は誤解を解こうともしないのである。

結局アトラスが部屋のロックを解除してくれて事なきを得るのだが、このジャックの行動は異常と言わざるを得ない。発売から相当経ってるゲーム(そもそも2がもう出てる)な上にストーリーも大した事のないゲームだからネタバレしてしまうと、ジャックがこういう行動に出るのは、元々ジャックがアトラスの為に製造された人造人間だからである。

ジャックには、「恐縮だが~~してくれないか」と言うとどんな事でも従ってしまう暗示がかけられており、だからこそアトラスが恐縮だがライアンを殺してくれないか歴史に残る恐縮な名言を発した時にも素直に従ったのである。又、超能力注射器を何の躊躇いもなくぶっ挿したり、普通に超能力を使って戦えるのもラプチャー製暗殺向け人造人間だからである。

しかしながら人間なので自由意志がちゃんとあり、「恐縮だが~~してくれないか」と言われない限りその指示に無条件で従ってしまう事はない。又、ラプチャーに居た頃の記憶は消し去られており、普通の人間としての記憶が埋め込まれている(だから冒頭で親父とお袋に言われた言葉を思い出してた)。まぁ大体こういう設定である。

その暗殺者をラプチャーに送り込む方法が飛行機事故でその事故でジャックが死んだらどうすんだとか、ラプチャー内部で「恐縮だが、ライアンを殺してくれないか」って言えば済むじゃねーか(アトラスの目的はライアンの暗殺、家族は実際にはいない)とか、まぁ色々矛盾だらけの設定だが、その辺は一応置いておくとしよう。メリケンに細かい仕事が出来るとは私も思っておらん。

問題は、ジャックには自由意志があるという事である。後半、ジャックとライアンが直接対峙するイベントがある。最初はジャックを米ソの回し者だと思ってたラプチャーの主ライアンもこの頃になると「あ、こいつアトラスの刺客だな」となっており、「よく考えてみろよ、おめーの記憶本当かよ」「恐縮だが、座れ!立て!回れ!走れ!」とやってくれて、ついにジャックは自分が操り人形だった事に気付く、という流れのイベントがある。

つまり、ジャックもこういう形で指摘されれば、今まで自分が不自然な行動を取っていたという事に気付ける程度の知能と自由意志を持っておるのである。しかし思い返して欲しい。確かに、ジャックはアトラスに「恐縮だが、家族を助けて欲しい」と言われ、それに従った。しかし、飛行機事故に遭っても無言で泳ぎ、黙々と塔の中を歩いてラプチャーに侵入したのは「恐縮だが~」とは別である。

更に言えば、例の超能力が使える様になる注射器を発見してブスッとやったのは自発的である。アトラスが「恐縮だが、その注射器を自分に挿してくれ」と言ったのではない。自分で勝手に注射したのである。つまりこれらの異常行動はアトラスの暗示によるものではなくジャック自身の意思、性格によるものと考えるべきである。

一応、シナリオライターがインタビューで後から(これが又三流ライターなんだ)「躊躇なくプラスミド注射器を使ったのは、あらかじめ教え込まれてるから」と語っているが、矛盾である。何故なら、ジャックには曲りなりにも自由意志があるのだ。だからこそ「恐縮だが、座れ!立て!回れ!走れ!」とやられて、自分の意思とは別に、からだがかってにという状態になり、そこで自分が操られていたと気付く訳だ。ならば、何で俺あんな注射いきなりしたんだろうと考えない筈が無い。

注射というだけでヤバそうなのに、その注射器に入ってるのは謎の赤い液体である。健康に良いとか書いてある錠剤が机の上にあって何気なく飲んだら、実はそれが超能力獲得用アイテムだった、というのではない。明らかに健康に悪そうな赤い液体を自ら注射しているのだ。明らかに挙動不審であり、流石にこんな事を躊躇無くやったら自分でも変だと思うはずなのだ。

これはどういう事であろうか。

そう。

ジャックこそBIOSHOCK一番のキチガイだったのである。

世紀末近過去キチガイ都市ラプチャーに生まれた彼は生まれながらにラプチャー色に染まっており、明らかにヤバそうな注射をしたりしても全く気にしないし、乗ってる飛行機が落ちても「これでわしゃ3度目だぞ。人生で3回も飛行機で墜落するなんてそんなヤツあるかなぁ」「2度とテメーとはいっしょに乗らねえ」程度にしか思わないし、大西洋に謎の塔があっても「せっかくだから俺はこの赤い(ryというノリで入っていってしまうのである。

ジャックを生み出したアトラス自身、恐縮だが、ライアンを殺してくれないかという名言を生み出したある意味最も極まったキチガイの一人であり、ジャックの親とも言えるライアン(ジャックはライアンの遺伝子を元に作られた)もライアンで世紀末キチガイ都市を作り出した男である。ジャックは、この二人のキチガイの血を受け継いだスーパーエリートキチガイであり、BIOSHOCK世界で一番のキチガイに育つのは必然だったのではないだろうか。


最後に、例の三流ライターのインタビュー記事をちょっと解説して終わりたい。インタビュー自体を載せてもいいのだが、それを判りやすく要約したサイトがあった(ここ)のでそこから引用する。

このトリックの真相が明かされるシーン、即ちJackがRyanと遭遇するシーンだが、ここでの演出が非常に重要となっており、かなり試行錯誤した結果こういう風にされたそうだ。ここでのポイントは、このシーンが第三者視点のムービーではなくプレイヤー視点で行われる事と、Ryanを殴り殺す行為がプレイヤーには行えないという点である。

つまりゴルフクラブを渡されたプレイヤーに対して「Ryanを殴り殺せ」という命令が出て、それをプレイヤー自身が行うのではなく、全てはプレイヤーの意思に関わらず勝手に行われてしまうように演出されている。Ken Levineはこのシーンを”プレイヤーに対する最大の侮辱”と称しているが(ゲームの最も基本的な行為である”自分で操作する”という作業を奪ってしまうから)、このシーンの持つ意味とその狙いとは、かなり表現が難しいのだが以下のように解釈出来るだろう。

Ken Levine(引用者注、例の三流ライター)が仕掛けたどんでん返しとは、ゲーム内のキャラクタであるJackだけではなく、プレイヤー自身もマインド・コントロールの状態にあったという事をここで思い知らせるという点にあった。

Ryanの命令に抵抗出来ずにただその通りに彼を殴り殺すしかないこのシーンの意味とは、

「貴方は自分の意思でこのゲームをここまでクリアして来たつもりだろうが、実はそうではない。これまで”何々をしてくれ”という命令に沿って貴方が進めて来た行為とは、今目の前で起きているRyanを殴り殺す行為(プレイヤーの意思とは関係なく行われる)と同じで、貴方の自由意志で行われた物ではない。単にゲームにマインド・コントロールされていただけであり、貴方はここまでゲームをクリアして来たのではなく、クリアさせられて来たのだ。」

というのをハッキリと示す事にある。最後に来て「貴方の今までやっていた事はこれと同じだ」と、完全にプレイヤーの操作を奪うという形で示し、操られていたのだという事実を鼻先に突き付けているのである。

Ken Levineは「それ以後の"Would you kindly"(引用者注、「恐縮だが~~してくれないか」)の呪縛から逃れた所からが、プレイヤーの(ゲーム的に言えばJackの)意思によって進められる真のゲームのスタートになる」としている。


多分、このケン・レビンは真性のバカである。「貴方は自分の意思でこのゲームを~~」とあるが、ぶっちゃけ、ゲームってそういうもんである。と言うか、そうしないとゲームとして成立しない。自由度が高いと言われるオブリビオンやらGTAやらだって、結局、レベルを上げたきゃ敵を倒したりしなきゃならんし、話を進めたかったら既定のクエストをやらねばならんのである。

実際、「それ以後の~真のゲームのスタートになる」と言っているが、実際どういう展開になるかって、指示を出すキャラがアトラスからテネンバウムって奴に変わるだけであり、相変わらず話は一本道だ。オブリビオンやGTAの様な、見せ掛けの自由度すらありはせん。一応マルチエンディングになってる(EDが二つある)が、それにしたって上の命令で作ったものでライターは入れたくなかったそうであるからより頭の悪さが際立つ結果になっておる。

私は、見せ掛けの自由度を否定するものではない。じゃなきゃロマサガとか嫌いだ。ただ何にせよ、流石にここまで来ると中学二年生からやり直せとしか言い様が無い訳である。取り敢えず製作会社はさっさとこのライターをクビにして、虚淵玄でも雇うべきではないだろうか。

BIOSHOCK レビュー

2011年09月17日 12時22分44秒 | アニメ、ゲーム、映画等
ごきげんよう諸君、いかがお過ごしかな。空気を読む技術はいかに大事かを痛感している霧島である。と言っても、別に私が何かやらかした訳ではない。AOC記事やAC記事への2ch住民による凸を見るまでもなく、新規読者層が大量流入しており、私の最近の記事の書き方からして色々誤解している人が多い。

この日誌は、万人向けの、判りやすくて楽しいブログなどではない。

総統閣下の言を借りれば、どんな人間も湧き上がる妄想の泉を持っておる。その泉から湧き出た私の妄想を物凄い勢いでドボドボ流し込んだのがこの日誌であり、言ってみれば私の脳汁を人間に解読できる様日本語で言語化したものである。SIRENなんかやると、倒す必要のない場所にいる屍人(ゾンビみたいなもん)も見つけ出して殴り殺し断末魔を聞いてニヤニヤしてる私の妄想であるから、それが良性のものな訳がない。

そういう意味で、私のサイトはアングラ的な方向を持っている部分がある訳であり、又、それ故に、私の敬愛する東方千年帝国協会の総統閣下とレイホウ大司狂睨下のサイトを元ネタとしているのである。まぁ、この二人は前から元ネタとして紹介しておるのだが、これは「何か都合の悪い事あったらウチのせいにすんだろクソが」と捉える事もできる訳であり、お陰でこの日誌が続くかぎり、昔の様にレイホウ大司狂睨下のサイトに書き込む事も、ツイッターで総統閣下をフォローする事も自粛する毎日が続く事になり辛いのだがそろそろ脱線が酷いので話を戻す。

要するに、本来このサイトはより黒く、より暗く、より反社会的でなければならぬのである。私の妄想がそういう性質である以上はな。普通、そういうのは隠したりしてやるものだが、そこを敢えてフルオープンにするところに可笑しみがあると考えているのであり、だからこそ割と痛い子なキャラを敢えて芸風として貫いているのである。

しかしながら、最近は新規読者層が多数流入しており(最近更新頻度が酷いから離れてってるけど)、又、一般向けの記事や攻略記事が多い為、空気を読めぬ連中が涌くという嘆かわしい状況になっておる。あ、2chの連中は又別な。部屋のダニとか、日本にとっての在日とかそういうのだから、アレは。問題はそもそも本文を全部読んでない連中とか、「デザイン糞」とか行ってくる空気の読めない連中だ。

たわけめが。

アングラサイトは見難くて当然である。

で、となれば、たまには黒い記事を書かねばなるまい、というところである。そこに丁度良く、最近やってたBIOSHOCKのレビュー記事構想案があったので、これに飛びついた次第だ。


ところで、この生物衝撃プレイ中、今の私はFPSをプレイできないと判明し、落胆した。髄膜炎の後遺症で脳が傷付いて脳障害者になったり、脳って基本細胞が再生しないから片端人生確定したり、そのせいで普通に就職して生きていくのは不可能と判明したりしても特に悲観せず、マイペースにやってきた(実際、むしろ障碍者手帳欲しいな~とか思ってる)のだが…

3D酔いという言葉を知っているだろうか。これは、3Dゲーをやってると乗物酔いに近い症状が起きるものである。乗物酔いは、三半規管が異常をきたしたのが原因だ。我々は、歩く時、走る時、皆「これぐらいの速度で動く」「次はちょっと速度を下げよう」「次は右に曲がろう」「ここで止まろう」という風に考えている。そして歩く時や走る時は、これが正確に可能である。というか出来ない場合、事によると障害者手帳モノだ。しかしながら、例えば友人が運転してる自動車はどうか。

「これからこれぐらい加速しよう」「こういう曲がり方をしよう」「どれぐらい減速しよう」。これらを考え実行するのは友人であって自分ではない。なので、予想とは全然違う事態が発生する訳である。真っ直ぐ進むと思ってたら曲がったり、加速すると思ってたら減速したりする訳だ。そうこうする内に、「次はこうなる筈だ」と構えてい三半規管が参ってしまう…まぁ、噛み砕いて言えばこんなところだ。詳しく知りたければぐぐると良い。

んで、3D酔いも似た様な理由で起こる。特にFPSは、キャラが前後左右に歩きながら視点も前後左右へフリーダムに動く上、視野が広いので非常に酔いやすい。私は比較的3D酔いに強い方で、FPSをやっていた時期も(短いが)あり、酔った事はなかった。正確に言えば、初プレイ時酔うのだが二度目以降は酔わないというタイプだった。

だが。

しかし。

BIOSHOCKで酔いまくったのである。どうやら、空間認識能力が著しく劣化してしまった様だ。考えてみれば、私の脳は事務処理能力とかに関係する様な部分、例えば反射神経なんかに関係するところが傷付いている訳で、空間把握能力も下がって当然である。やれるゲームの種類が減ってしまった訳だな。

ぶっちゃけ、一生私は片端のままと判明した時より今回の方が余程ショックだった。


まぁそんなどうでもいい事は置いといてBIOSHOCK(一応ホラーFPSらしい)である。

私は、一般的にFPS・TPSが好きではない。と言うか洋ゲーもあんまり好きではない。では何故このゲームに手を出したかと言えば、キチガイぶりが大変ヤバいからである。何せオープニングからしてヤバい。市長の演説と共に舞台となる街が映し出されるところまでは普通なのだが…街中で、いきなり主人公が幼女を襲うシーンが始まるのである。

空気供給管らしきパイプの中に逃げようとした幼女の足を掴んで引きずり出し、レンチを取り出す。そして慣れた様子でレンチを手で弄びながら「ウフフ」と言わんばかりに怯える幼女を舐める様に眺めるという大変犯罪的な雰囲気である。まぁその後、護衛のビッグダディ(さっきのリンクで出るパッケージに描いてある潜水服)と戦闘に入る訳だが、そこでも謎の青い液体を注射して超能力を使うという視覚に訴えかけるキチガイぶりである。

そんなゲームだから、世界観(と言うか舞台)もマトモではない。

世界は天才にとって狭すぎる、そう考える男がいた。芸術家の表現は世間の「良識」に潰され、科学者の発明も社会の「倫理」に束縛される。そして更には冷戦が開幕する。世界に絶望した天才ライアンは自らが認めた者達を引き連れ、大西洋の海底に、海底都市ラプチャーを建設。1946年の事である。

お前は一体何を言ってるんだという話だが、とにかく1946年に建設が開始されたと説明書には書いてある。まぁこの辺はSFという事で、そういう前提でやれ、というところであろう。んで、この海底都市ラプチャーで旧第三帝国の科学者によってADAMと呼ばれる物質が発見される。これを使えば遺伝子操作し放題、指パッチンで火を起こせるし観念動力だって使える、という物質だ。

これによってラプチャーの住民達の力は飛躍的に高まったが、問題が起きた。ADAMで遺伝子操作するとみんなしてキチガイになってしまう事が明らかになったのである。判った時には殆ど手遅れで、しかもフォンテインという男がラプチャー内で一大勢力を作り上げてライアンに反旗を翻し、ラプチャーは内戦状態に突入してしまう。そんな、キチガイとキチガイが血で血を洗う闘争を繰り広げる先鋭的世紀末近過去キチガイ都市ラプチャー。ここが本作の舞台である。

何せキチガイだらけであるから、ボスもキチガイ、雑魚もキチガイである。それに加えて舞台が海底都市というピンポイントで私を狙ったかの様な舞台設定。私はSF好きだが、中でも海中都市とか海底基地とかそういうのが一番好きだからな。沈没船とかも。キチガイワンダーランド+海底都市となれば買うしかない、という訳で購入に踏み切ったのだ。


本作の魅力は、やはり魅惑的なキチガイ達にあると言えよう。ローカライズ(洋物のゲームとかを、台詞を翻訳したりして日本国内向けに手直ししたりする事)を担当したのが、ローカライズの老舗スパイクであり、原作のキチガイぶりをこれでもかというぐらい的確に再現している。このゲームでは各所に配置されている雑魚(当然ADAM投与のしすぎでキチガイになっておる)がかなり頻繁に喋るのだが、それも全部日本語訳されており、しかも声優がかなり豪華なのだ。

なので、キチガイ達がいるエリアでは物凄い勢いでヤバげな声が聞こえてくるのである。このゲームのキチガイ達は一人で喋り捲る習慣があるので、「俺は十戒を全部守ってる!全部守ってるんだ!!(迫真)」とか言ってると思えば「深い海の底でも神はすべてお見通しだ…全てお見通しだ…」と絶望しており、と思うと「か~みは~お~れを~あ~いし~てる~♪」と歌い始め、挙句「この格好はアナタの為です!アナタの気に入る様に!」とか言い出すという大変念の入ったキチガイぶりである。

だが、正直に言うと、私はこのゲームをやって酷くガッカリした。と言うのも、ぶっちゃけて言うとSIRENの劣化だったからである。無論、これはFPSでSIRENはバイオ系アクションなのでゲーム性の話ではない。ルック&フィールやストーリーの話だ。

ルック&フィールは、一般的にはGUIについて語られる事が多いが、ゲームでこの単語を使う場合は少々異なる。ルックは「見た目」、フィールは「感じ」、つまり見た目&感じというこの単語は、読んで字のごとくゲーム画面から流れてくる雰囲気を表す単語である。画面に映ったキャラや背景、流れてくるBGM、キャラの声や台詞、効果音といったところだな。これらの要素によって、プレイヤーが感じる「ゲームの雰囲気」、即ち「ルック&フィール」が決まる訳である。

例えば初代orリメイクのバイオハザードなら、舞台はおどろおどろしく古い謎の洋館、敵としてぁーぁー言いながらうろつくゾンビが多数出てくる。BGMは恐怖を煽り立てるもので、銃を撃てば発射音と共に血飛沫が舞い、ゾンビに噛まれれば自キャラの悲鳴と共に血がモリモリ出る…バイオハザードではそういうのを総合して「恐怖」という「雰囲気」、つまりルック&フィールを演出しているのである。

んで、だ。

ぶっちゃけ、この程度のキチガイぶりならSIRENが五年前に通った道なのである。バイオショックと違ってSIRENの屍人はそこまで五月蝿くないが、その分視界ジャックしたりするとうっへっへっへ大変ヤバめな笑い声をあげてたりするし、何より日常生活をいびつな形で続けているというのがヤバい。

SIRENの屍人は、まぁ判りやすく言えばゾンビなのだが、正確に言えば神になりかかってる人間である。まぁこの辺は説明すると長くなるので省略するが、SIRENの舞台に存在する「赤い水」を一定量取り込むと屍人と呼ばれるゾンビの様な存在になる。んで、屍人になって間もない頃は人間的な感情や記憶をある程度残している。

なので、農作業や左官の仕事を続けようとしたりするんだが、あくまで「ある程度」残ってるだけなので、大変ヤバい。農作業ぐらいならまだいいが、前田母は謎の笑い声をあげながら包丁でまな板を叩きまくる(本人は料理してるつもり)し、元警官の屍人は攻撃してくる前に「諒解、射殺します」とか言ってたり(無論射殺を指示されたのは妄想である)、カツ丼か何か食べてるつもりでどんぶりに入った謎の赤いゼリーを食ってたりするのである。

唯一の生存者(と言うか帰還者)となる春海は特に屍人に気に入られており、小学校の校長先生は「春海ちゃんの匂いがするよぉ~」とか言いながら追ってくるし、生前友人だった前田娘は「は~るみちゃんが~ほ~しい♪」と歌いながら襲い掛かってくる。極めつけは、異変が起こってからずっと春海を守ってくれて、春海の為に自爆して死んだ(で、屍人化した)先生が屍人化後現れて「もう一人で何処にも行っちゃ駄目YO」とか言いながら襲ってくるのは大変ヤバい光景であった。

こういう、SIRENのキチガイ達に比べればバイオショックのキチガイ達はどうにもこうにもパンチ力が足りないのである。一億総キチガイ状態なのにも関わらず流通が死んでおらず、普通に買い物もできる(自動販売機からだが)し、戦闘になると「こいつの首をフォンテインに届けろ!受領書を忘れるな!」とか「神の前に屈服するのだ!お前の時の運は尽きた!」とか割と普通の事も言ってくる。無論キチガイじみた事も言うが、普通の事も結構言う。

これでは、キチガイ度においてSIRENに決定的な差をつけられているのは確定的に明らかであり、後発のゲームなのだからもっと先鋭的なキチガイを登場させるべきであったと言わざるを得ない。このゲームの出てくるキチガイのツートップと言えばやはり美容整形外科医のスタインマン先生と芸術家のコーエン先生だが、どちらも純粋に道を求め続けたが故に人の道を誤ったという程度であり、そこまで酷くはない。

無論、愉快ではあるがな。コーエン先生など、自分が爆殺した人間の写真を主人公に撮らせた上その写真の出来を大変気に入り、私と共に作品を作ってくれとか言い出すからな。自分を裏切った三人の弟子を倒し、その写真を撮り、コーエン自作の額縁に飾ってくれと言うのだ。これを遂行すると、私の最高傑作だと大喜びした上、トニック(主人公の能力を強化するスキルみたいなもん)をくれ、しかも主人公の敵のところへ連れて行ってくれるのである。

私個人はこういうキャラが大好きだが、ホラーで求められてるのはそういうキャラじゃねーから。

ギャグキャラやないかいこれ。

一方の美容整形外科医スタインマン先生は、普通に美しい顔を作っていたんだが美しさを求めすぎて色々おかしくなってしまった、という感じである。つまりどういう事かと言えば、最初普通の絵描いてたピカソが芸術を追い求めすぎたあまりお馴染みの意味不明な絵描く様になったという感じである。

又、ストーリーもSIRENと比べるまでもなくお粗末である。まぁ洋ゲー、しかもFPSにストーリーを求める事自体無理があるのであり、「フーン」でさらっと流すのが正解であろう。と言うか、このゲームのストーリーが魅力的とか言ってる連中は鳥山のシナリオで涙を流せる程度の脳味噌の筈なので是非ともFF13を最後までやるべきである。

矛盾も多いし、インタビュー見るとライターも三流と残念の極みと言わざるを得ない。ただまぁその分世界観はよく構築できており、60年代アメリカの雰囲気をよく再現しており(ラプチャー建設は1946年だが本編は60年代)、海底都市としての景観も大変綺麗でよろしい。ただ、まぁ何と言うか、海底都市という単語と60年代アメリカという単語が見事にマッチしないのはまだ「そういう前提でやれ」でいいとしても、ラプチャー各所が浸水しまくってるのは流石にマズイだろうと言わざるを得ない。

どっかのバルブから漏れてるんだろうなーというのならまだ話は判るが、ガラス張りの海底回廊でも、ガラスの割れ目?から浸水してるからな。水圧って言葉知ってるかという話である。「ネクサスは何故クソゲーか」でも言ったが、ゲームでも何でも、嘘を一度ついたなら最後までつき通す事が重要であり、こんなんでは世界観に疑問を持たれ、折角の海底都市が陳腐化してしまう。

まぁ、細かいところに気が回らないあたりがメリケンらしいと言えばメリケンらしいゲームとも言えるな。


尚、ゲーム部分は結構よくできておる。基本的にはFPSだが弾がそう多くなく、又敵が非常に堅い(ヘッドショットしても大抵一撃では死なない)事もあり、細けぇ事はいいから頭撃ちゃいいんだよでは辛い場合が多い。むしろ、ADAMを使った遺伝子改造で得られる超能力も組み合わせて戦うべきである。後、セキュリティシステムをハッキングして味方につけたりな。

なので、FPSがあまり好きでないプレイヤーにも割と勧められる一品ではある。FPSと言うよりは、FPSの移動&射撃システムを採用したアクションRPGといった趣のゲームだ。難易度が上がってくると、銃を撃つより敵の死体をテレキネシスで投げ飛ばす事のが多くなるこのゲームは、FPSである必要はあったのかと問わざるを得ない。まぁFPSじゃないとメリケンは買わないので、洋ゲーアクションである以上必然なのかもしれんが。

色々文句を言ったが、まぁ悪くないゲームではあると思うのでやってみて損はないとは思う。ストーリーとかの問題も、メリケンのゲームにゲーム性とグラフィック以外を求める奴もおるまいと考えればまぁ全然許容できる。ただ、このゲーム物凄く酔う(FPSの中でも非常に酔い易いとされておる)のでそこにだけは注意して欲しい。

霧島家読書案内

2011年09月12日 22時35分16秒 | 雑学
ごきげんよう諸君、いかがお過ごしかな。ここ何日か調子を崩していた霧島である。相変わらず左下の奥歯が痛くて食いしばってしまうのと、それによって引き起こされる頭痛、又、使えねぇ精神科医によるストレスあたりが原因であると思われる。本日、12、3時間ぐらい寝た(さっき起きた)お陰か大分回復した。

そう言えば、なんか読みにくい苗字の大臣が辞任したそうである。「福島行ってきたけど死の街だったよー」とか言って、マスゴミから野党から総出で叩かれて。まぁ、彼を擁護する人の気持ちも判る。そんなどうでもいい言葉狩りやってる暇あったら復興の為にどうすべきか考えろよって事だろう。それはそれで一理あるからな。

ただまぁ個人的には、自民党なりみんなの党なりが「福島行ってきたけど死の街だった、民主党と東電の野郎滅茶苦茶しやがって」って言うのならともかく、下手人である民主党が死の街発言はちょっとまずかったんじゃねぇのと思っておる。お前がやったんだろうよ、という話だな。だからと言って辞任するまで叩くのはどうか、もっと建設的な事をしろというのはその通りだが、現状で建設的な事というと解散総選挙以外思い当たらないのが当霧島家の公式見解である。


さて今日は、本当は今やってる「BIOSHOCK」のレビューでも書こうと思っていたのだが…りっかさん(2の18乗氏)が片道二時間の電車通学をしており、以前は暇だというのでゲームをしていたらしい。が、日経新聞電子版を親が申し込んでくれたから今度はそれを読もう、という訳だ。

良くない。実に良くない。

はっきり言って、日本の新聞なんてものはろくでもない代物であり、読むんなら最低限数社の新聞を読み、更に各記事の裏を取るべくgoogleで検索をかけたり関連の本を読んだりすべきである。程度にもよるが下手に知識ついてるよりは無知な方がよっぽどマシと考える当霧島家では、新聞の購読自体を推奨せぬのである。

無知は偏見なしで学ぶ事ができるが、下手にものを知ってると偏見が出来るからな。ニュースを得る為に新聞読むんだったら、ロイター通信やら共同通信読んでた方が余程良いというのが私の持論である。ホームページ持ってるから無料で読めるしな、あのあたりの会社は。基本的に新聞各社の報道って通信社から引っ張ってきてるのが多いし。

で、日経新聞を読めるという事は字を読めるという事であり、つまり本を読めるという事である。世の中には私の日誌すら見ただけで眠くなるというナイスガイ(レディ)が沢山存在しており、そこまで行かずとも、ネット上でなら沢山の字を読めるしエロゲも出来るが本は読めない、という人も多い。泉こなたとか。

しかし、彼は本を読めるのである。ならば、この世には読むべき本がいくらでもあるのは自明であり、それを勧めるのが私の義務ではないかと考えたのである。私は自分の事はクズだと思っておるしどうしようもない人間であると思っておるが、だからこそ他人をもっと良い道に導きたいとも考えるのである。まぁお節介という事だな。

そこで、今回は読書紹介などしてみたいと思う。私の蔵書から、出来るだけ一般人向けの本を紹介する。


●鉄腕ゲッツ行状記

ゲッツ・フォン ベルリヒンゲン(Goetzens von Berlichingen)著、藤川芳朗訳 白水社

以前から何度か触れている、"鉄腕"ゴットフリート・フォン・ベルリヒンゲン、通称"鉄腕ゲッツ"の回顧録。彼は宗教改革とかドイツ農民戦争とか、中世が終わる間際の時代に生きたドイツ騎士であった。実際、"中世最後の騎士"こと皇帝マクシミリアン一世の二十歳年下なので、昔ながらの騎士の最後の世代に属する。日本風に言えば幕末の最後の士風を残した世代とか、室町武士の最後の士風を残した世代、とかそんな感じ。

彼が鉄腕と呼ばれる所以は、文字通り義手をつけた戦士だったからである。バイエルン継承戦争で右腕を失った彼は、普通ならそこで戦争をやめてしまうところでなのに鋼鉄の義手を作成、それをつけて晩年(享年82歳)まで戦い続けた。この義手が又精巧に出来ておりボタン操作で物を握ったり開き手にしたり出来た。

ちなみに、この義手中に大砲が仕込まれたりはしていない。又、三浦氏によれば元鷹の団の某ガッツ氏と鉄腕ゲッツに関連は無いそうである。否、無いそうでゲソ。

さて、ゲーテの戯曲「ゲッツ・フォン・ベルリヒンゲン」では、ドイツ農民戦争で農民側に立ち自由の為に戦ったドイツの英雄として描かれており、実際、ドイツではそういう姿が一般に知られておる。そんな鉄腕ゲッツ自身による回顧録がコレな訳だが…以下ネタバレ。

フェーデについては以前述べた。ここで。そして鉄腕ゲッツこそ、フェーデを使って金品強奪、誘拐&身代金獲得を繰り返した稀代のナイスガイだったのである。又戦争好きであり、大義名分もクソも無いアレな戦争にも出かけていっては暴れまわっておった。しかも常勝不敗ではなく、むしろ失敗したりする事もあるし投獄される事もある。

だがへこたれず脱獄し、彼は懲りずに暴れまわり続けた。ドイツ農民戦争後は抑留生活を送り、「もう二度とフェーデしません」と誓約書を書かされ、これでようやく終わりかと思えばカール五世に従ってトルコ戦争に従事すると彼の不屈(広い意味で)の精神は誓約書程度ではどうにもできなかった。

そんな"盗賊騎士"、鉄腕ゲッツの回顧録の訳出版である。読む場合は、先にゲーテの「ゲッツ・フォン・ベルリヒンゲン」を読むと、より「ちょwwwwwwwwwwwwwwお前wwwwwwwwwwww何やっとんwwwwwwwwwwwwwwww」となって楽しめると思われるが、現在市販されている本でゲーテのこの戯曲を読めるのは潮出版社の「ゲーテ全集」だけの模様であり、こちらを私は読んでおらんので訳がつまらん可能性もなくはない。注意されたい。


●傭兵の二千年史

菊池良生著 講談社現代新書

菊池良生はなかなか面白い本を出してはおるが、欠点もあるので難しいところではある。その中で、個人的にオススメなのがコチラ。傭兵の二千年史とは言っておるが、実質中近世傭兵史でありタイトルは出版社が売れやすい様勝手につけたと推測される。まぁ出版業界では大変よくある話である。

著者は現在明治大学の教授。早稲田大学院出でドイツ・オーストリア史が専門。特に関心があるものとして本人が挙げてるものが、ハプスブルク家はまぁともかくとして傭兵、近代郵便制度、警察制度割とフリーダムであり、大変好感が持てる教授である。この辺は実際非常に重要でそれぞれ関連があるのだが、日本の学界はそういうのを軽視しがちだからな。

本書は、そんなフリーダムな中の人の感性に合わせてフリーダムな書かれ方をしておる。学者が書いた文章というのは、大抵学術的な小難しい書き方になるのだが、この本は平易に、判りやすい書き方をしておるのだな。まぁ、自分で書いたと思われる「主な著書・論文」が新書で埋め尽くされてるぐらいだから、流石といったところである。

全体としては、中世において傭兵がどう台頭してきたかを特にスイス傭兵団を使って解説し、又、傭兵の生態についてドイツ人傭兵(いわゆるランツクネヒト)を使って解説。又、中世~近世にかけて、中世の封建主義国家から絶対王制とか近代国家が生まれていく陰には、実は傭兵がいたんですよ~という内容である。

まぁその辺は本を読めというところだが、そういう難しい話を抜きにしても、独自の視点、と言うか知らん人にとっては目新しい視点で解説されている内容が盛りだくさんなので読んでて楽しい筈である。傭兵隊長を戦争企業家として紹介してたり、ランツクネヒトは自由をモットーとし労働組合を持ってた事、騎士だって主君に仕えてばっかりじゃなく傭兵として戦争をやって稼いでいた事、色々目から鱗な話が書かれておる。

尚、ランツクネヒトについてはラインハルト・バウマンのドイツ傭兵の文化史が詳しいが、ちょっと専門書感が強くなりすぎるかもしれないな、こちらは。


●中世ヨーロッパの城の生活

ジョゼフ・ギース(Joseph Gies)、フランシス・ギース(Frances Gies)共著、栗原泉訳 講談社学術文庫

まんま、その名の通りの内容を持つ本である。イギリス西部、ウェールズ(例のロングボウ隊発祥の地)で11~17世紀まで実用されていたチェプストー城を例に、中世の城ではどういう生活を送っていたのかという事を紹介している。城の構造だけでなく、そこで暮らす人々の生活内容なんかも含めて、という事だ。

我々の世代の日本人にしてみれば、西洋式の城というのはドラクエとかFFに出てくるアレであり、ダンジョンマップとか街マップの一種という認識である。では、その城というのは実際にはどういう構造で、そこではどういう生活が行われていたのか、という観点で見ると歴史好きならずともなかなか面白い。

もう一歩踏み込んで言うなら、この本の一番いいところはこれ一冊で中世の城を舞台にした小説が書けるぐらい緻密で、何もかもを網羅している事である。まぁ歴史小説とかだとキツいが、ライトノベルのファンタジー小説とか、TRPGの資料としては充分と言える。

城の構造、城の奥方、城はどう切り盛りされていたか(例えばコックはどれぐらい居て、どんなものを城下町か購入していたか)、城で過ごす一日とはどんなものか、城主達の狩猟(中世貴族にとって狩猟は重要な食料確保手段であり暇つぶしだった)、城下町と言うか城下の農村はどんなんだったか、城で過ごす一年は四季ごとにどう違うか。そういった、中世の城設定資料集的な内容を見事に網羅しているのだな。

同じ作者が書いた類似の本として「中世ヨーロッパの農村の生活」及び「中世ヨーロッパの都市の生活」
がある。又、より中世社会全般について詳しく、と言うなら「中世の森の中で」(河出文庫、堀米傭三編)がオススメである。尚、この本は例にとった城がウェールズの城で作者がイギリスの歴史家というところから判るとおりイギリス及びフランスの一部の話が中心で、ドイツとかの話はしていないので注意。


●急降下爆撃

ハンス・ウルリッヒ・ルーデル(Hans Ulrich Rudel)著、高木真太郎訳 学研M文庫

1941年、独ソは核の炎に包まれたついに戦火を交える事となった。その戦場に「悪魔」と呼ばれた男が二人居た。一人はエーリヒ・アルフレート・ハルトマン。終身撃墜数352機の撃墜王。そしてもう一人。ヨシフ・スターリンに「ドイツ人民最大の敵」と言わしめた男。アドルフ・ヒトラーから全軍で唯一宝剣金柏葉ダイヤモンド付騎士鉄十字章を手渡された男。

出撃回数2530回に及び、被撃墜回数も32回。戦車519輌を破壊、各種車輌800輌以上、100mm口径以上の大火砲100門以上、装甲列車4両を撃破、戦艦1隻、巡洋艦1隻、駆逐艦1隻、上陸用舟艇70隻以上を撃沈、航空機9機を撃墜。ソ連からかけられた懸賞金は現在の価値で約五億円。

男の名はハンス・ウルリヒ・ルーデル。ドイツが生んだ空飛ぶ悪魔である。

取り敢えずアンサイクロでも見ると良い。この本は、空の魔王ルーデル自らが書いた回顧録である。ただ、重訳(原文はドイツ語なのだが、これは英訳版のを更に日本語に直したもの)な上、日本語に訳したのが昭和27年。この本はその復刻版で、何一つ変わっていない模様である。なので、日本語でおkと言わざるを得ない文章でいっぱいだったりする。それでも、ルーデル閣下の猛威に触れられるという意味で、貴重な一冊と言える。


●科挙の話

村上哲見著 講談社学術文庫

科挙と言って何かわからん奴は義務教育さえ終わってれば流石にいない筈だが、要するに中華王朝で歴史的に行われてきた公務員試験である。これに合格する事によって、高級官僚への道が開かれていったのだ。

以前から何度か言っておるが、中世ヨーロッパというのは大変な田舎である。そして意外に思うかもしれんが、中華王朝は、長い間世界でも指折りの先進国であった。西欧で中央集権による絶対王制や官僚制が確立するのは17世紀あたりだが、中国は千年ぐらい早い。600年ぐらいにはもう、国家公務員試験たる科挙があったのである。

じゃあ、その国家公務員試験はどんな風に行われていたのか。試験運営の話だけでなく、受験する学生達がどんな風に勉強を頑張ったのか。試験に受かった奴はどんな人生を送ったのか。…まぁ、科挙の本というと大体こんな事が書いてある。ただ、この本のいいところはそういった表の話だけでなく裏の話も書いている事だ。

例えば学生がどんな勉強をしたかという点で言えば、当時の有力官僚に挨拶に行って取り入るだとか、そういう話である。他にも、受かった奴だけではなく落ちた奴の話も多い。唐を滅ぼした連中はその多くが科挙に落ちた連中であり、首都陥落時には積年の恨みとばかりに高級官僚を虐殺したりという話が載っておる。

尚、本書は絶版である。なので、今から買うなら科挙―中国の試験地獄 (中公文庫BIBLIO)をオススメしておく。こちらの方が読み物としての面白さ自体は上かもしれんな。


●文明としての江戸システム

鬼頭宏著 講談社学術文庫

江戸時代と言えば、長らく暗黒時代…とまでは言わぬものの、割と暗い時代と考えられ、描かれておった。武士がデカい顔をし、悪代官が農民を搾取し、町人や農民は飢えをしのぎながらどうにかこうにか生きようとする。それが開国、文明開化、近代化で一気に良くなった、そう考えられがちだ。

しかし最近、江戸時代の研究が進むにつれこういう考え方は改められつつある。江戸時代は時代が下るにつれて武士が貧乏になるだとか、市場経済と貨幣経済が世界的にみても非常に高いレベルで発展していただとか(経済学では有名な話だが、先物取引を世界で最初にやったのは大岡越前である)、そういう風にな。

この本はそういった最近の研究の集大成…とまでは言わんが、日本の歴史シリーズの江戸時代編という事で、江戸時代の社会構造を網羅した内容の本になっている。まぁ第一章を筆頭に学者にありがちな大変つまらん文章が多数見られるのは頂けないが、それを充分補うに足る情報量である。↑の「中世ヨーロッパの城の生活」を「中世ヨーロッパの城設定資料集」とするなら、この本は「江戸時代設定資料集」といった感じだな。

実際、内容はかなり細かく、例えば人口問題における結婚という話だけでも平均初婚年齢の地域差まで扱っている。更に平均結婚継続年数について述べられ、離婚の仕方、三行半(離縁状。離婚届みたいなもん。ちょっと違うが)には何が書いてあるか、と、かなり詳細である。こういうのに無駄にワクワクする人は購入を考えても良かろう。

但し、さっきも言ったが学者特有の大変つまらん文体が主なので、その辺は気をつけたい。


●武士の家計簿

磯田道史著 新潮新書

この本を読んだ事のない人でも、題名は知っているのではないだろうか。映画になったからである。一時期CMもやっておったしな。しかし、この本は小説ではない。もう一度言う。この本は小説ではない。ついでに漫画とかでもない。まぁ、世の中にはシャドウランの様にTRPGをゲーム化したらFPSになったという事例もあるので、こういう研究書が映画化するのもナシではないだろう。

江戸時代は、前にも言った通り時代が下れば下るほど武士が貧乏になる時代である。加賀藩猪山家も又、貧乏であった。猪山家は財政官僚であった為、他の武士の家と比べて詳細かつ完璧な家計簿が残っており、それを元に江戸後期から幕末、明治、大正までこの家がどの様な経済状態にあったかを調べた本である。

最初は多重債務で首が回らなくなってると言うか年収の二倍の借金っていう状態からスタート。家財道具から商売道具(財政官僚なのに数学の本まで売ってる)したり、その一方で「じゃあ何処をどうやってこれだけの借金が出来たのか」を検証したり。そういうのを通して、武士(士族)が実際にはどういう風に生きてたのかを調べたものと言える。

尚、研究者の書いた本でありながら文章は平易であり、なかなか読みやすいものになっておる。なので、普通の人でも読んで結構楽しめるのではないだろうか。


●天皇家の財布

森暢平著 新潮新書

天皇家と言えば、やはり愛子様がどうだとか、秋篠宮殿下がどうなさったとか、天皇陛下が何をなさったとか、まぁそういうのがニュースで流れる程度にしか、一般には認識されておらぬ。しかしながら、皇室の皆様もやはり人間であるからには金が無いと食料すら用意できん訳であり、生きていけない。じゃあ皇室はどういう風な財政状況にあるのか、という本がこれだ。

本来「天皇家」という単語が誤用である事は確定的に明らかだが(つうかゴールデンバウム朝とかだったら不敬罪で逮捕されるんじゃなかろうか)、この本の場合、「皇室」を一個の「家」として財政状況を観察する事により、面白い本に仕上がっている。その好例が、本書に出てくる天皇家の財テクというシュールな単語である。

皇室は、著者によれば個人事業主に近い財務処理を行っているのだという。個人事業主の場合、これは会社(店)の金なのか、家族の金なのかというのを明確に区別しなければならん。例えば、家族が居間で使うテレビを会社の金で購入していたりすると税務署がお怒りになられ、場合によっては、実名で報道される事態になってしまう訳である。

皇室も、鉛筆一本買うにしても公費なのか私費なのか、という区別を行わなければならない…そういう話が色々載っているのがこの本である。又、皇室資産とかについても述べられており、「戦前、皇室は多数のダービー馬を輩出した」という一節など、現代に生きる我々にしてみればシュールすぎて吹くレベルである。

世界最古にして世界で最も偉い王室(天皇陛下は現在世界で唯一の皇帝であり、又、教皇的な宗教権威者でもある)の日本皇室。その皇室の生生しい一面を見られる、新聞記者が書いたにしてはなかなかの良著と言える。

ACfA機体構築記事改訂のお知らせ4

2011年09月06日 19時38分22秒 | アーマード・コア
ごきげんよう諸君、いかがお過ごしかな。こんな感じで、二日三日に一回更新するのが健康にいいかなぁとか思ってる霧島である。この間のDWR-PGの記事を二連続で書いた後見事に調子を崩してな。やはり無理は身体に良くない様である。

昨日は久々の歯医者であった。昔の日誌を読んでた人なら知ってるだろうが、私は死ぬほど虫歯が多い人間である。と言うのも、昔呑んでたノリトレンという薬があるのだが、これ、唾液の分泌を阻害する。基本的に虫歯菌というものは唾液で殺すものであり、唾液が出ないという事はどれだけ真面目に歯磨きしようが口内は虫歯菌ワンダーランドという事であり、虫歯が大増殖したのである。

その癖私は歯が頑丈なので、どの虫歯も殆ど進行しなかった。虫歯にはC0~C4の各段階があり、C0、C1は自覚症状がなく歯磨きとか次第で治る虫歯。C2が冷たいものを飲むと沁み、C3は暖かいものを飲むと沁み、C4は常時ズキズキして夜も眠れない。私の場合、虫歯は出来るのだが歯が頑丈なせいでC1ぐらいの虫歯が大量に存在する状態になっておったのである。

しかし、足折って入院したり、薬の副作用と脳障害の相乗効果で精神的に末期だったりした為、歯医者になかなか行けていなかったのだ。最近ようやく歯医者に又行く事が出来る様になり(月一回ぐらいだが)、昨日歯医者に行ってきたのである。で、前からヤバそうと思われてた虫歯(左下の一番奥)の治療を行ってきた。

結論から言うとC4になってた。どうやら私の歯の頑丈ぶりは尋常ではないらしく、普通の歯医者なら抜くしかない状態だったんだが、歯医者がそう言うまで全く自覚症状がなかった。で、結果として神経が露出する一歩手前まで削ってきた訳である。麻酔を五回以上は足した長丁場治療であった。昨日は痛くて寝れなかったぞ。


さて、今日の更新はACfAの講座改訂続きである。と言っても、更新停止前に書いてた奴の流用が殆どだけどな。アドレスはこちら。

DWR-PG設定方法 後編

2011年09月03日 20時53分21秒 | 雑学
ごきげんよう諸君。いかがお過ごしかな。最近、我が敬愛する総統閣下の寺好きブログ、東方千年帝国協会を読み直している霧島である。昔に比べて私もある程度知識を増しておるので、読んでた当時は判らなかったネタも判って嬉しい限りだ。その一つに東方ネタがあり、「好きなキャラはゆかりん」と書いてあって同志よと深い感銘を受けた のは記憶に新しい。

まぁ、私の一位はルーミアor萃香で、三位が諏訪子、四位~六位を聖白蓮、八雲紫、紅美鈴が争ってる状態だが。この間ツイッターで、一位から三位について話したら「全部ロリェ」って言われ、四位から六位のキャラはロリじゃないから恥ずかしくないもんって言ったら「ストライクゾーン広杉」と言われた。まぁ私は幼女からBBAまで、キャラさえ良ければオールウェルカムだからな。

男キャラはショタかロマンスグレーだから結構狭いけど。

さて、私のキャラ嗜好という限りなくどーでもいい掴みでこの今日の記事に入る訳だが、まぁ総統閣下も「ブログは世界中に向けて発信する自己満足」と仰っておられたから別に良かろう。今回は、前回予想外に長くなってしまって前後編に分かれてしまったDWR-PG設定方法の続きである。尚、BUFFARO社の無線LANルータの設定方法というのは大体共通なので、牛の無線LANの導入の参考にはなるかもしれん。

かもしれん。

かもしれん。



●家でルータorアクセスポイントとして使う

前回の続きである。前回はこれを前提に、無線LANで一台目のPCとDWR-PGを接続したな。で、



こうなっておる筈だが、前回はLANケーブルを何処にも繋がなかったな。今回は、このLANケーブルを「壁からニョキっと生えてる生の回線」か「自宅のルータ」に接続する。「ハブ」でも良い。まぁ判りやすく図にすると



この三つの内どれかの様な配線にすれば良いのである。尚、判っているとは思うが、一番右の黒い「光回線とか」っての、回線によってはそこからルータに繋ぐ前に回線終端装置というのに繋がっている場合がある。その場合は、回線終端装置からルータ、もしくはDWR-PGに繋ぐ事。間違っても回線終端装置から回線を引っこ抜かない事。えらいことになるぞ。

ちなみに配線図その1はDWR-PGをルータとして使う場合、その2とその3はアクセスポイント(無線LAN蛸足マシーン)として使う場合だな。又、その3のDWR-PGからPCに繋がる線はLANケーブルではなく無線LANなので、実際には配線しなくても問題ない。

配線が終わったら、PCの前に戻ろう。ここで一つ言っておかなければならないのは、DWR-PGには自動設定機能みたいなのがついているらしく、差しただけでインターネットに接続できる場合がある事である。本来ならこの後解説する設定を行わないとインターネットに繋がらないのだが、ネット回線から送られてきた情報をDWR-PGが勝手に解析して勝手に設定し、勝手にネットに繋いでしまうのである。

なので、配線が終わってPCの前に戻ったらMSNメッセンジャーがオンラインになってても慌てない心構えが必要である。尚、何もしなくてもネットに繋がるならもうこれで終わりでいいじゃんと思うかもしれんが、二台目以降の接続やFOMA回線を使った接続にはどっちにしろ設定画面を開く必要があるので、取り敢えず設定画面を開くところまでは読んで実行して欲しい。

さて、スタートのプログラムからBUFFARO→エアステーションユーティリティ→エアステーション設定ツールでエアステーション設定ツールを起動。もしくは、インストール時に大抵デスクトップへショートカットが作られるのでそっちをダブルクリックして起動。尚、これから設定が終わるまでは、前回言った通り他のネットワーク接続機器は切っておく事。

又、ここから先はどうも、擬似ネットワーク接続機器生成ソフトの種類によっては、ソフトを終了させておいても邪魔される様である。具体的にはhamachiとかhamachiとかhamachiとか。なので、win7orVistaならスタート→コンピュータ右クリック→管理→左のデバイスマネージャ、winXPならスタート→コンピュータ右クリック→管理で出てくるデバイスマネージャを起動。「ネットワークアダプタ」とかそんな感じのカテゴリがある筈なのでクリックして展開し、怪しそうな奴を右クリックして無効



私の環境だと、Hamachi Network InterfaceとVirtualBox Host-Only Ethernet Adapterを無効にしないと繋がらなかった。ツールを起動して、次へを押したら「二つ以上の機器が起動しています」とか言われたら、無用なネットワークアダプタ群を無効にしていくと良い。まぁ判っているとは思うがついうっかり無線LANアダプタを無効にしない様に。どれが無線LANのアダプタか判らん場合は、何だ、ぐぐるか手当たり次第で。後、無線LANの設定が終わったらもう一度右クリック→有効をやっておくのも忘れないで欲しい。その機器orソフトが使えなくなる。

さて、検索が終わるとこういう画面になる。



政治的配慮により肝心の部分を見せていないが…今回、私の家の周辺ではBUFFARO製品を使っている人がいなかったらしく、我が家のDWR-PGしか見つからなかった。しかし、隣の家の人がBUFFAROの無線LANルータを使っていたり、甚だしくは、隣の家の人がDWR-PGを使っている場合複数の無線親機が発見されたと報告される。

そこで必要になるのが、前回確認した「SSID」だ。SSIDは、DWR-PG一個一個固有の名前みたいなもんである。なので、複数見つかった場合、本体裏面に書いてあったSSIDと照らし合わせて自分の機器がどれかを確認すると良い。どれが自分のか判ったり、一つしか見つからなかったりしたらそれを選択して次へ。で、設定画面を開く。

すると、「わいやれすあくせすぽいんと えあすてーしょん」とか書いてある簡素なページがIE(とかスレイプニルとか火狐とか)で表示される。右上に「ログイン」というのがあるのでクリック。ユーザー名とパスワードの表示を求められるが、購入直後はパスワードが設定されておらんので、ユーザー名を「root」、パスワードを空欄にしてOK。そうすると、無事設定画面へ到達できる。

尚、途中、「IPアドレスの設定が必要です」と言われた場合は「このパソコンのIPアドレスを設定する」をクリックする事。

で、設定画面の左側に「インターネット接続を行う(有線LAN)」というのがあるのでそれをクリック。すると回線を判別するので、「DHCPサーバーが見つかりました」と言われた場合は「DHCPサーバーからIPアドレスを自動取得する」をクリック。後は勝手にインターネットに接続する設定を自動でやってくれる。一方、「プロバイダー情報の設定」という画面が出てきた場合は、プロバイダーから送られてきた資料を見ながらIDだのパスワードだのを入力。次へをクリックすれば、やっぱりインターネットに繋がる。

以上でルータorアクセスポイントとしてインターネットに繋ぐ場合の設定は終了である。尚、↑の配線図でいうとその1はルータとして使っているが、その2とその3はアクセスポイントとして使っている。しかしDWR-PGのデフォルトの設定だと、どういう配線をしてもルータ機能はONのままである。

まぁルータが二つあっても別にそんな言うほどの不都合は無いのだが、場合によってはループと呼ばれる現象が発生し、ネット回線が使い物にならなくなる場合がある。なので、ルータ機能を切っておいた方が良いと言えば良い。設定も簡単だ。ルータ機能を切った後の設定が死ぬほど面倒なのでそういう意味ではあんまり推奨しない。

一応、切り方だけ紹介しておこう。設定画面(さっき「インターネット接続を行う」をクリックした画面)に戻り、上の方に「TOP」「Internet/LAN」「無線設定」といった感じで並んでるタブの内「Internet/LAN」をクリック。

すると画面が切り替わるので、今度は「Internet(3G/HSPA)」「Internet(無線LAN)」といった感じに並んでるタブの内「Internet(有線LAN)」をクリック。そしたら「接続ポート」というのがあってそこがルーターモードになっているので、ブリッジモードに変えるだけである。ブリッジモードに変えたら「設定」をクリックするのを忘れずに。


●二台目以降のPCをDWR-PGに接続する

さて、無事インターネットに繋がった事だし、二台目以降のPCを繋いでいこう。まずは前回同様、バッファローの「ダウンロード」からソフトウェアを落とす。…え? 何? ネットに繋げてないのにどうやって落とすんだって? 今この日誌見てるって事はネットに繋ぐPC自体はあるんだろう、それで落としてUSBメモリに入れるなりすればいいではないか。応用をきかさんか。

で、二台目予定のPCに落とした奴をインストール。そうしたら、一台目のPCでDWR-PGの設定画面を開いておこう。設定画面を開けたら、二台目予定のPCで同様登録を開始するぞ。win7の場合、スタート→プログラム→BUFFALO→エアステーションユーティリティ→クライアントマネージャVを押すと右下になんか小さい窓が出るので、そこの接続先の作成をクリック。適当に画面を進め、「無線接続先の作成」とか出て「自動セキュリティー設定」「手動設定」のどちらかを選ぶ場面に来たら今回は手動設定を選ぶ。

次は「セキュリティー情報を手動で入力して接続」。しばらく自動で検索し、検索が終わると見つかった無線親機一覧が出てくる。「SSID」で自分のDWR-PGを確認して選択し次へ。そうしたら設定画面が出るので、ここまで来たら一台目のPCの前へ戻ろう。「セキュリティーキーまたはパスフレーズ」を入力すれば後は完了である。じゃあこのセキュリティーキーなるものは何処にあるのかと言うと、DWR-PGの設定画面だ。

という訳で一台目のPCの前に行き、設定画面の上のタブ「無線設定」をクリック。すると、「WPS用無線セキュリティー設定」というのがあり、そこに「SSID」とか「暗号鍵」とかある筈である。この「暗号鍵」が「セキュリティーキーまたはパスフレーズ」にあたる。これを入力すればめでたく二台目以降も接続完了だ。

一方、XPはスタート→すべてのプログラム→BUFFARO→エアステーション→クライアントマネージャ3。そうしたらツールが起動するので「検索」。検索が終わると見つかった無線親機一覧が出るので、SSIDを参照して自分のDWR-PGを選択。後は↑と同様、一台目のPCの暗号鍵を入力すれば接続完了である。


●無線LAN機能が無いPCに繋ぎたい

無線LAN子機を買うのが一番である。amazonに行けば色々売っている。最近発売されたものであれば何でもいいと思うが、一応ルータorアクセスポイントのメーカーと同じのを買うと不具合が起きにくいとは言われているな。又、私はUSB式のを使っておるしそれが一般的だが、前回言った通り小さければ小さいほど耐久性は低いのでハードな使用には適さない。とは言え、でかいUSBは突き出して邪魔、とどうにも難しいところである。

例えばBUFFARO WLI-UC-GNMなんかは見ての通り滅茶苦茶小さい分耐久性は低いが色々と便利である。ノートPCに差したまま移動するのもやりやすい。その一方で簡単に発熱してしまう、という訳だ。私はデカいのと小さいのの間を取ってBUFFARO WLI-UC-G301Nを使っておる。パラダイス・ロストでも、巨乳や貧乳よりほどほどが良いと主人公が言っておったからな。


●家でルータorアクセスポイントとして使う(無線編)

今まで、有線LANを使用してのルータorアクセスポイント使用方法を説明してきた。しかし、実はコイツ、無線LANを使用してのルータorアクセスポイント使用も可能である。何を言ってるんだお前はと思うだろうから、又ぞろ配線図をば。



こういうの。何の意味があるんだこれと思うかもしれんが、まず第一に、大抵の無線LANルータ(アクセスポイント)は登録できるPCの数に上限がある。DWR-PGも、同時に六台までしか接続できない。なので、まぁ蛸足としての使用法が可能である。又、無線LANルータからPCがあまりにも離れている場合DWR-PGを中継局として使用する事により、電波を安定させる事が可能である。

やり方は、有線LANの場合と殆ど同じだ。配線(と言っても殆どやる事はないが)して一台目のPCをDWR-PGと接続。そうしたら一台目のPCで設定画面を開き、「インターネットに接続する(無線LAN)」をクリック。「家庭の親機に無線接続」を選ぶと無線親機を検索するので、自分の家の無線ルータをSSIDを使って判別し選択。後は暗号化キーを入れればOKである。暗号化キーは、↑で説明した暗号鍵みたいなもので、諸君の家のルータの説明書を読めば判別方法は書いてある筈である。


●家の外で無線LANルータとして使う(ドコモ携帯回線)

では、いよいよこの機械の本領、家の外でインターネットのやり方である。…とは言ってもここまでで設定の殆どは終了しており、後やる事と言えば設定画面をちょこちょこ弄るだけである。

ドコモの携帯回線を使ってネットに接続したい場合、まずは一度携帯とDWR-PGの電源を落とす必要がある。携帯からFOMAカードを取り出し、DWR-PGに差さねばならんでな。携帯のFOMAカードの差す場所は諸君の携帯の説明書を参照してくれ。DWR-PGの方は、電池カバーを外すと差すところが見える筈だ。そこに差し込み、電源を入れる。

そうしたらPCから設定画面にアクセスし、「インターネットに接続(3G/HSPA)」をクリックする。そしたら設定画面が出るので、「Internet接続に3G/HSPAを使用する」にチェックを入れる。そして、「接続方式」で、ドコモなり何なりFOMAカードを貰ったとこから指定された方式を入力する。わかんねぇ、という人はドコモショップなりサポートセンターに電話すると良い。

設定し終わったら、次へ→接続テスト。テストに成功したら万々歳だ。尚、接続方式わかんないけど電話するのめんどくさいから手当たり次第にやったれ、とやると、不正使用と判断されて最悪FOMAカードがロックされる。なので、ちゃんとサポートに電話すること。


●家の外で無線LANルータとして使う(その他フレッツスポットとか)

世の中には、フレッツスポットとか、Mzoneとか、そういう公共空間に無線LANを飛ばすというサービスが存在する。DWR-PGは、そういった公共無線LANサービスにも接続可能である。可能なのは「フリースポット」「フレッツスポット」「Mzone」「Mopera U」「ホットスポット」だ。やり方は簡単で、サービス提供地域に入ったらPCとDWR-PGを起動。

で、設定画面から「インターネットに接続する(無線LAN)」で、接続したいサービスを選択(フリースポットなら「FREESPOT」)。後はユーザー名なりパスワードなりを入れれば通信できる。



こんなところか。随分でかい記事になったな…疲れた。