壁際椿事の「あるくみるきく」

東京都内在住の50代男性。宜しくお願いします。

沐浴の「沐」の意味

2012年07月09日 | しらべる

『選択の科学』を読んでいます。著者はインド出身のアメリカ人女性学者。ガンジス川で「沐浴」という単語が出てきました。

沐浴。よく聞く語ですが、いまいち意味を知らない。「水浴び」という意味? 浴の意味は分かっても、沐が分からない。そこで漢和辞典を調べました。

沐=(1)髪を洗う、(2)恵みを受ける。こんな意味があるそうです。何となく理解できました。

辞典のすぐ近くに、「泳」も載っていました。

泳=(1)およぐ、(2)世渡りをする。へ~、(2)の意味は初めて知りました。

マクドナルドの社長は、原田泳幸さんです。名前に「泳」って字を使うのは珍しいな、と不思議に思ってたんです。いま、やっと謎が解けました。「上手く世渡りし、幸せになって欲しい」という願いが込められてるんでしょうね。

喫煙暦30年超の大先輩が、禁煙に挑戦し始めました。その前に、同書を読んでるんですが、きっとその影響だと思う。そう、タバコを吸うも吸わないも、自分の選択の結果である。「自分の主人は自分。ニコチンに脳を乗っ取られない」ということでしょう。

『選択の科学』はいよいよ佳境。なかなか面白いです。



『円高の正体』(安達誠司著)

2012年07月09日 | よむ

『円高の正体』(安達誠司著)を読みました。円高は、なぜ起こるか。なぜ悪いかを述べた本。前半は、あまりに基本的な内容でした。

後半、目を見開かれたのは、円高は給与に影響する、ということです。円高はモノの価格が安くなり、家計にとって良いことだ、という論に対し、じつは所得を下げており、家計にとっても悪いことだ、というのです。

給与は下方硬直性を持っていますから、確かに会社員は、正社員一人ひとりについて見ると給与は横ばいを維持していても、非正規労働者の増加などを通じ、労働者全体の所得は減っているというのです。個人事業主も、従来より予算が下がっても、「これしか出せないんです」と泣かれると、受けざるを得ない。泣きたいのはこっちです。このように、確かに日本人全体の所得は減っています。

このように、円高によって、日本の富がどんどん縮小していってる、と著者は言います。

著者は、円高を緩和するには、日銀がもっと緩和策を取るべきだ、と主張します。

(1)デフレである→(2)日銀が緩和策を取り、マネタリーベースを増大させる→(3)市中銀行にお金がだぶつく→(4)市中銀行は株式取引や為替取引を活発化させる→(5)デフレから脱却する→(6)市中銀行は企業への貸し出しを拡大する→(7)本格的に景気回復する。こんなメカニズムが働いているのだそうです(若干略しています)。

驚きました。まず(4)なの?(6)が先でないの? と。銀行のホンネが見え隠れ、いやハッキリ見えます。

(以下引用)デフレから脱却した後で、銀行の企業への貸出が増加するのはなぜでしょうか?
銀行にとって株式取引や為替取引は、もし読みが甘くて失敗したとしても、すぐに資金を引き上げることで、損失を最小限に食い止められる類の投資です。しかし、企業への貸出は、一度行なってしまうと、もしそれが不良債権化してしまえば、その資金を簡単に引き上げることができないというリスクを負うことになりかねない類の投資なのです。(引用終わり)

10数年前の金融恐慌の際、「貸し渋り」と騒がれました。当時、勤めていた中小企業も非常に苦労したものです。銀行だって、生きて行くために必死だったんでしょうが、そのため、いくつもの中小企業の血液の流れを止めてたんですからね。なかなか難しいもんです。