壁際椿事の「あるくみるきく」

東京都内在住の50代男性。宜しくお願いします。

東京点景

2011年03月22日 | 街ネタ

今日は雨のため、自転車でなく、電車で行きます。9時30分、京王線笹塚駅上りホームは、節電のためエスカレーターが停止していました。都営地下鉄の市ヶ谷駅は動いてました。

電車利用のため、幡ケ谷SSの様子は見ることができません。


『大往生』を読んだ

2011年03月22日 | 読書(文芸、フィクションほか)

『大往生』(永六輔著)を読みました。出版年は1994年で、当時、大ベストセラーになりました。

往生とは、あちら側に往って生きること。
成仏とは、仏に成ること。死は無ではないんですね。

(以下、カギカッコ部は引用)
「がんの確率は4人に1人とかいいますけどね。当人にとってみれば、ゼロか100かなんです」
(これは、むしろ生き方の問題ですね)

「八十歳を過ぎたら、なんだか医者の扱いに手抜きが見えてくるんよ。うん、だって死んだって文句を言えない年だからね」
「人間と違って動物は、死んでも気がラクなんですよ。ペットには遺産がありませんから」
(ともに、ユーモア)

「アパートの契約書よんだら、死体は入室できませんって書いてあるんだよ。どういう意味かって思ったら、入居者が病院で死んだときに遺体は(アパートに)帰ってこられないことなんだ。ああいうことはハッキリ全文読んでいたほうがいいよ」

(葬送が簡略化し、遺体を病院から火葬場に「直送」するケースが増えている。葬儀でなく、もはや「処理」だ。以前、山折哲男さんのエッセイで読んだ文の主旨です。なぜ直送なのか。その疑問が今、氷解しました)

「死んでみせる」という表現が、何度も出てきました。「死を演じてみせる」ということです。
「ただ死ぬのは簡単なんだ。新で見せなきゃ意味がない」
「生きている目的は死ぬことですよ。だとすれば、見事に死んでみせようとするためには、今死んでも大丈夫なように生きるしかないんですよ」

大人は、子や孫や配偶者に、「死んでみせる」いとまもなく波にさらわれた。無念だったと思います。