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プロポーズ小作戦89

2009-07-30 05:15:09 | コードギアス
プロポーズ小作戦89


にらみあいはもう5日も続いている。
その間、インド藩王連合軍は幾度か陣形を変えた。
「誘いだな。だが、付き合ってやる義務はない」
星刻はそう言い切り、白虎部隊には不動を命じる。
侵略皇帝シャルル、悪逆皇帝ルルーシュ、そしてゼロ革命。
永遠かと思えるほど長く続いた戦いの歴史。
この時期、世界は流血に厭いている。

「先に手を出したほうが悪役になる」
それは誰が見てもわかる構図。
だが、にらみあいを続けても解決しない。

暴走したがる現場、統制したがる上層部。どうもこれは人類発生以来の伝統らしい。
ことに指揮系統が1本化していないインド連合軍はしばしば突出しかけた。
現状、それでも戦闘が始まらないのは中華の白虎部隊が完全に統制されているおかげである。
「傭兵上りや、即席兵ばかりをよく訓練しているな」
世界中がこの小さな島々に注目している。ブリタニア軍人にして、ナナリー皇帝の姉婿であるギルフォードも書類を片手でさばきながら報告を聞いた。
その報告に被災した島民をヴァインベルグ卿の冒険仲間が保護しているという内容があった。
今では軍に復帰しているジノだが、つい先日まで世界中を駆け回っていた。そのとき冒険を共にした連中がダイビング目的で島の近くにいたらしい。
(ほう、偶然?にしては出来すぎているが)

中華とインドのトラブルはナナリーの耳にも入っている。
メディアを通じても、公式な報告でもあれこれ聞いている。そしてなによりもかわいい天子から相談があったのだ。天子の相談は公式ではない。
内容は恋する女の子の悩み相談である。
ただし天子の立場と恋の対象の立場が、純粋な恋の悩みを政治的な問題に変えてしまう。
このときの天子の相談は好きな人に手料理を食べてほしいというものだった。