金属中毒

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プロポーズ小作戦80 

2009-07-02 23:19:26 | コードギアス
プロポーズ小作戦80 
2021/1/28深夜
人魚姫と、同胞の犠牲

愛を得られなかった人魚姫は魔女との契約により海の泡になって消えねばならない。しかし、絶望に浸っていた人魚姫を救おうとするものが現れた。姫の姉妹達。姉妹達が魔女に代価を払い、人魚姫が結んだ契約を破棄する力を得たという。王子を殺しその血を浴びよ。そうすれば契約は無効になり、人魚姫は助かる。
王子の寝室でナイフをかざす人魚姫。


ここで天子は星刻に抱きついた。天子に他意はない。小さい頃からそうだった。幼い天子に他意はない。7匹の子ヤギが狼に追い詰められる場面や、3匹の子豚が食べられる場面で幼い天子は星刻に抱きついた。天子の気持ちは幼い頃と同じ。
いや、違う。すでに天子は愛や恋の駆け引きを知っている。
天子は知っている。小さい頃と同じ事なら星刻に抱きついてもいいと。それが、星刻にとっては違う意味になってしまうとわかっている。それなら星刻はどうするかしら。
私は星刻が好き。星刻も私をすっと守ると言ってくれた。でも違う。私が欲しいのはそれだけではないの。
大宦官達に追い詰められた、3年前の冬(2018年12月)天子は叫んだ。
『私はあなたと外に出たい。あなたといたい』
爆撃の中、天子の声は半分ほどしか伝わらなかった。

半分でも星刻の思いは満たされた。ここで天子様の盾となって死んでいいと、甘美に酔うほどに。その星刻の酔いを一瞬で醒ましたのはゼロ。結果的にうまくいったのだから文句を言うつもりは無いが、それでも星刻はほんの少し不満がある。あの時、あの甘美な思いを抱いて死んでいたらと。なぜなら、これから星刻は計画通りに、天子の傍を離れるのだから。
それが(天子の安全と幸福を守る一番いい方法だ)と考えぬいた結論だから。