この世に絶対の正義なんて在るはずがない
映画『相棒-劇場版Ⅱ』の中のひとつの台詞だ。
キャリアの自己保全が暗躍する世界にあっては多かれ少なかれ有る問題だと思う。
それが医療界の『白い巨塔』であったり、財界の『華麗なる一族』、政界と防衛界と商社の絡んだ『不毛地帯』であったりと山崎豊子サンの長編小説では見事によく書かれている。
頭ひとつ口ひとつで不特定多数の人々から、それらの人物を取り巻く世の中の流れまで大きく左右させてしまうのだから影響は大きい。
表立った人は見えてもその裏の画策は計り知れないところに根付いていて、深いところで関わっていて策略をめぐらせている人物も多いだろう。
実際の社会ではもっとドロドロしたものだろうと推測しきれない。
現に社長の交代で学閥・派閥でゴロリと役員が入れ替わったりする社会や、まともに生きてきたことが全くの悪行と評されたりして非難の的と化してしまうことなども当たり前のようだ。
少なくとも都会住まいで組織の一員だった頃から、片田舎住まいの小さな個人商店となってからは、そういう世界(社会)からは疎開したように思う。
いわゆるやり手・出来る男からは逃避した形かも知れないし、ある意味では脱落者・不適合者なのかも知れないと卑下して自己嫌悪に陥る時もある。
でも、人間らしく生きて行けているような気がするのは本音。
そういった社会でバリバリやっていたかも知れないし、ある種の憧憬を捨て切れていないのもこれまた本音。
まあ、そんな真っ只中に居たら・・・こんな愚かなブログなんてものもやっていないだろう。
映画がエンドロールから明けて席を立つ観客達から、つぶやきの声すら何も聞こえないまま皆さんが黙々と出て行かれたのに、それぞれの人がどんなことを感じていたのかは知る由も無い。
この世と決別のときが来たときに 「あー良かった」と思って閻魔様の前でお裁きを受けたいものだとシミジミ思った。