瞑想と精神世界

瞑想や精神世界を中心とする覚書

エゴと努力

2006年01月27日 | 読書日誌
◆『存在することのシンプルな感覚』より
ウィルバーを読むたびに、もっともっとウィルバーを読みたいと思う。とくにこの本は、ウィルバーのエッセンスを集めているので、なおさらそう感じる。ウィルバーをそのまま受け入れる必要はないにしても、「精神世界の旅」にとって、これほどすぐれた全体地図はないだろうと感じる。この見取り図をしっかりと押さえたうえで個々にあたれば、自分がいまどこで何を見ているのか、全体的な視野からの位置づけがしやすい。

「もしあなたが、この『自己』ないし『スピリット』を理解できないと感じられたら、その理解できないということに落ち着かれるとよい。それが『スピリット』なのである。」33(『ワン・テイスト』)

「エゴというのは単なる事象ではなく、微妙な『努力』(何らかの目的を達成するための目標)なのであり、努力して切り捨てることはできない。それでは、あなたは一つの努力のかわりに二つの努力をもつことになってしまう。エゴそれ自体が神性の完全な顕現なのであって、それは切り捨てようとするかわりに、ただ自由のなかに安らいでいることがエゴに対処する一番良い方法である。」36(『ワン・テイスト』)

一日に一度は読み直して自分に確認したい言葉である。分かっていてもすぐに忘れてしまうからである。なるほどと思ったすぐあとに、また努力してしまう。エゴに発する思考に気づいて、それを止めようとする。

思考に気づけばいいのだ。しかし、次の瞬間にまた思考。そうしたらまた気づく。止めようとする必要はない。ただ気づく。また思考。気づく。思考。気づく。その繰り返しだ。止めようとするのではない、ただ気づけばよい。

あるいは思考を止めることのできない自分がいる。そう分かったら、思考を止めることができないことに落ち着く。思考を止めることのできない自分に気づく。それを嘆いている自分に気づく。思考を止めようとしている自分に気づく。‥‥