瞑想と精神世界

瞑想や精神世界を中心とする覚書

また不可触民のこと

2006年01月19日 | 読書日誌
あいかわらず不可触民関係の本を読み続けてきた。今日、山際素男の『不可触民の道』を読み終わった。→精神世界の本を読む

ますます深く心に食い込んでくるものがある。もともとインド的な精神世界に引かれることと、世界史的な視点からのカースト制度への関心もあった。しかし、たて続けに4冊も読んでしまったのは、それだけの関心からではない。

インド思想史などを読んでいたのでは、絶対に分からない、これほどに圧倒的な差別の現実を今まで知らなかったという驚き。これほどに情報が発信され受信される世界においても、抑圧される人々が発信の手段すら満足にもたなければ、2億の人々の驚くべき現実がかんたんに遮蔽されてしまうという事実への驚き。ひとつの制度の中で甘い生活を許されてしまった人間は、他者をどんなに苦しめようと、その生活を守っていこうとするのが現実なのだということの、大規模なレベルでの確認。

今後私は、不可触民の視点を意識せずにインドの精神世界に接することはできないだろう。
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