無線信号の受信を示すランプが幾度か点滅し、点ったままになった。ファルコは無言のまま、回線接続のスイッチを入れた。……こちらからの送信は切断したまま。
「……るか? こちらは、遊撃隊『スターフォックス』。ファルコ・ランバルディ、聞こえるか?」
耳障りな雑音のあと、青年のものらしき声が耳に入ってきた。
スターフォックス。遊撃隊。ファルコは素早く頭を働かせた。
コーネリア軍じゃない。なるほど、やつらはベノムにかかりきりで、俺なんかには手が回らない。すると、コーネリア軍に使われている雇われ兵士か。
俺の身元も、この機体の情報も割れているな。にもかかわらず、通信を求めてきたってことは……少なくとも、出会い頭に撃墜する腹じゃあ、ねぇな。
「……聞こえているはずだ。コーネリア軍からの要請により、おまえを捕らえる。回線を開いてくれ。おとなしく投降してくれれば、悪いようにはしない」
悪いようにはしない、だと? よく言うぜ。
俺を捕らえたら、軍隊に引き渡し……あとはおまえらの与り知るところじゃねえだろうがよ。
ファルコは桿を握り締めた。機体は急加速し、海面にさざ波の軌跡を描きながら、一直線に低空を滑ってゆく。
スピーカーから聞こえる声の調子が、すこし張り詰めた。
「……よせ、抵抗すれば立場が悪くなるだけだ。それに、俺たちはおまえを逃がすつもりはない。海面にフロートを出す、着水してくれ」
うるせぇよ。
ファルコはそう呟いてから、回線を完全に切断した。もちろんその呟きも、向こうには聞こえていない。
ファルコ・ランバルディ、かっこいいです!(≧▽≦)