俺の翼に乗らないか?

スターフォックスの一ファンのブログ

「ファルコとの出会い」その6

2008年03月02日 13時31分11秒 | 小説『ファルコとの出会い』

 無線信号の受信を示すランプが幾度か点滅し、点ったままになった。ファルコは無言のまま、回線接続のスイッチを入れた。……こちらからの送信は切断したまま。

「……るか? こちらは、遊撃隊『スターフォックス』。ファルコ・ランバルディ、聞こえるか?」

 耳障りな雑音のあと、青年のものらしき声が耳に入ってきた。
 スターフォックス。遊撃隊。ファルコは素早く頭を働かせた。
 コーネリア軍じゃない。なるほど、やつらはベノムにかかりきりで、俺なんかには手が回らない。すると、コーネリア軍に使われている雇われ兵士か。
 俺の身元も、この機体の情報も割れているな。にもかかわらず、通信を求めてきたってことは……少なくとも、出会い頭に撃墜する腹じゃあ、ねぇな。

「……聞こえているはずだ。コーネリア軍からの要請により、おまえを捕らえる。回線を開いてくれ。おとなしく投降してくれれば、悪いようにはしない」

 悪いようにはしない、だと? よく言うぜ。
 俺を捕らえたら、軍隊に引き渡し……あとはおまえらの与り知るところじゃねえだろうがよ。
 ファルコは桿を握り締めた。機体は急加速し、海面にさざ波の軌跡を描きながら、一直線に低空を滑ってゆく。
 スピーカーから聞こえる声の調子が、すこし張り詰めた。

「……よせ、抵抗すれば立場が悪くなるだけだ。それに、俺たちはおまえを逃がすつもりはない。海面にフロートを出す、着水してくれ」

 うるせぇよ。
 ファルコはそう呟いてから、回線を完全に切断した。もちろんその呟きも、向こうには聞こえていない。


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1 コメント

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ファルコとの出会い その6 (ファルコ・ランバルディ)
2008-07-04 19:49:25
この話のファルコ・ランバルディの、行動が想像出来ます。すごくいい話だったので、お気に入りに入れて在ります。

ファルコ・ランバルディ、かっこいいです!(≧▽≦)
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