ムジカの写真帳

世界はキラキラおもちゃ箱・写真館
写真に俳句や短歌を添えてつづります。

みみなぐさ

2017-05-28 04:20:18 | 





祈りゐて 照る日を浴びる みみなぐさ    夢詩香






*たまには俳句をやりましょう。この記事を発表するのは5月の下旬ですが、書いているのは2月の初旬です。オランダミミナグサが咲き始めたころです。

この花は、かのじょも好きでしたね。冬が穏やかになり始め、日差しが柔らかくなってきたころに咲く、目立たない白い花です。あまり人目を引かないが、近寄ってよくよく見てみれば、大変に愛らしい。きれいな心が見える。あの人はこういうのが好きだった。小さなものに心惹かれて見に行くと、とても美しいものがある。信じられないほどきよい心が、あまりにありきたりなところにある。道端や庭の隅や、明日には刈られてしまいそうな空き地の中に咲いている。

人間はまだ知りはすまい。こんな小さな花の中にある心が、人間を幸せにしてくれと、神に祈っていることを。

そんな心が、絶え間なく人里に咲いてくれているからこそ、人間の暮らしがよくなっていくのだということを。

小さな花だが、神はそのようなきれいな心を見失うことはない。どんな小さな祈りも聞き逃さないほど、神はたくさんの耳を持っていらっしゃる。

千耳という名をさしあげたいほどに。

その耳は、この世のすべての花の祈りを聞き逃さないほどに、幽玄微妙な感覚を持っているのだ。

そのような愛の祈りの声を聞くことができるようになり、あふれるほどの愛に包まれて生きていたことに気付くころには、人間も美しいものになっていることでしょう。

日差しをあびているミミナグサは美しいですね。ミミナグサは「耳菜草」だ。葉っぱがネズミの耳に似ていることから来ているそうです。日本のミミナグサは、写真のオランダミミナグサとは違いますが、どちらもナデシコ科で、道端などに生えるかわいらしい野花です。




神の呼ぶ 声を聞き知る 耳菜草     夢詩香







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