われをひき 人に頭を下げ 尽くしつつ 心のとげを ぬく人の道
*今週はいくつか詠めました。スランプでがちがちに固められた脳みそが、少し柔らかくなってきたような気がします。今一つ気に入った作品ができないのですがね、それでも何か明るい兆しが見えてきたような感じがしますね。この調子でだんだんと調子がよくなってくるといいのですが。
「頭を下げ」は「ずをさげ」と読みましょう。そんなことわかってると思いますが、一応。
これはいわゆる下僕修行のことを詠ったものです。人は時に、人の下になり、人に尽くしていくことを通して、自分を抑えるということを学ばなければならない。
人間、幼いころはみな、自分が一番だというプライドがありますからね、それを抑えて人に従ってゆくのはつらいことだ。しかし、自分のわがままやプライドを抑える訓練ができていないと、いつでも人を馬鹿にして、自分のことばかり考えて、心のとげを振り回し、偉そうにしている馬鹿な人間になってしまう。
人間、人生を失敗してしまうのは、大事な時に自分を引いて、人に頭を下げることができなかったからということに起因することが多いのです。
ですから、下僕修行ほど大事な修行はありません。頑固で幼児的な自分のプライドを矯めていくためにも、人は精出して人の下僕となり、人に頭を下げていく心の訓練をしていかねばならない。
この修行ができている人は、どんなわがままで下劣な人間にも、それがみんなのためであれば、軽やかに頭を下げることができますよ。プライドというものを、美しい愛のために折ることができる。そういう人が、社会をよくしていくのです。
今、誰かの下僕として働かねばならない人は、これは魂の勉強なのだと思って、励みましょう。偉そうにばかりして他人を苦しめるような人間にならないためにも、自分のプライドを折る訓練をしていくのです。