ムジカの写真帳

世界はキラキラおもちゃ箱・写真館
写真に俳句や短歌を添えてつづります。

星を吊る

2016-10-31 04:29:52 | 







たかそらに 神はすなごの 星を吊る     夢詩香






*これは、言葉遊びから作った句です。

俳句は文字数が大事ですからね、時々五文字で言葉をつくる練習みたいのをするんです。

たとえば「二文字の名詞」+「助詞」+「二文字の動詞」という感じで五をつくるという遊びをします。

「鳥が飛ぶ」とか「花が咲く」とかは当たり前。でも組み合わせ次第で、おもしろい言葉が作れるもので。例えば「砂を煮る」とか「豆が飛ぶ」とか「玉が散る」とか。

意味は深く考えなくていいです。言葉をつくれば、使い方次第で面白い意味ができてくる。で、そんな遊びをしているうちに、「星を吊る」なんてのができて、そこから作ってみたのが今日の句です。

高い空に、神さまがたくさんの星を吊っている、なんてけっこうおもしろい。

こんな練習をしていると、かなりするする面白い句が詠めたりするようになるんです。こういうのも、子供の頃、漢字練習や単語の書き取りが好きだったことの名残かな。

なんでも、まめにやってると、いいことになりますよ。身についてくる。

基礎練習って大事です。







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ソロモンの

2016-10-30 04:26:58 | 







ソロモンの 衣より青き いぬふぐり      夢詩香







*また春の句です。ぼけてますが、いぬふぐりの写真はこれしかなかったので、使いました。

この句はもちろん、聖書にあるこの言葉からとっています。

野の花を見なさい。働きもせず、紡ぎもしない。しかし、栄華をきわめた時のソロモンでさえ、この花の一つほどにも着飾ってはいなかった。

わたしはこの言葉が好きで。宗教的な意味は別にあるんらしいんだけど、詩的な響きが好きなのです。だからこのブログのタイトルも、最初は「野の花を見なさい」にしようかと思っていました。

ヘクソカズラと同じように、この花の名前も、よく問題視されますね。漢字にすると「犬陰嚢」だし、かわいい花なのにこんな名前はかわいそうだということで。

調べてみると、瑠璃唐草とか天人唐草とか、最近では「ホシノヒトミ」とかいう別名もあるそうです。でもわたしとしてはピンと来ないというか。「星の瞳」なんてちょっと気どり過ぎの感じもするし。

花の名前は難しいですね。でも美しいことには変わりはない。ソロモンがどんな格好をしていたかは知らないけど、絶対にいぬふぐりのほうが美しい。

だっていぬふぐりは、一番自分に似合う服を着ているから。






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とほき灯を

2016-10-29 04:26:25 | 






とほき灯を 星のくらゐに 入れし冬     夢詩香






*昨日は春でしたが、今日は冬の句です。

「星のくらゐ」っていうのは、星座のことです。

子供の頃に住んでいた家からは、遠い山のてっぺんに、いつも小さな灯りが見えていました。山のてっぺんに家があるみたい。何の家なのかは、教えてもらったことがあるんだけど、忘れてしまいました。

子供の頃に、あれを星にして、勝手に星座を作ってしまったことがあるんです。まあそれだけのことなんだけど、なんだか忘れられなくて、句にしてみたのです。

あんな山のてっぺんに、電灯のつく家があって、誰かがそこに住んでいるということが不思議だった。どんな人が住んでいるんだろうって、想像するだけで楽しかった。

あなたの家の灯りを、星にして、星座を作ってみましたよ、なんて手紙を、その人の家に届けるなんてことを想像したこともありました。

子供って、よく妙なことを考えているものなんです。

今思えば、かわいくて、笑いたくなるようなことなんだけど。当時のわたしは結構真剣だったな。

あの山のてっぺんの家には、どんな人が住んでいたんだろう。今ではもう、子供の頃に住んでいた家は壊れてしまって、ありません。実家は隣町に引っ越してしまった。

あの頃住んでいた町に戻ることはもうないだろうな。あの遠い山の灯りは、今もまだあるんだろうか。







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ちひさきが

2016-10-28 04:28:57 | 






ちひさきが つもりつもりて ゆきやなぎ     夢詩香






*また季節に全然あってない句ですが。

これは4月頃の写真ですね。白いゆきやなぎがきれい。でも今はもうそろそろ10月も終わりで、近くの空き地の花もだんだん少なくなってきています。こんな時にこんな句を紹介するのも何だけど。

わたしは小さくて地味なことを積み重ねるのが好きです。そういうのが自分に合ってるというか。

運動神経が鈍いことが影響しているだろうな。わたしは握力が普通よりずっと弱くて、よくものを取り落としたりしていました。毬つきとか縄跳びなんかも、友達よりもできるようになるのが遅かったほうです。

そういう感じのせいか、弱い手でもできる小さいことを、積み重ねていくのが好きでした。例えば、漢字練習帳のマスに漢字を埋めていくなんてのが好きだった。それだから、勉強の方はかなりできて、調子のいい時は一番になれたこともあったんです。

俳句も、小さいものですけどね、たくさんできると、なかなかいいですよ。最初の頃の作品には、とても紹介できないようなものもあるんですけど。積み重ねていくうちに、だんだん上手になってきます。

それで今は、けっこういいのが、するするできるようになったりしてます。漢字練習なんて、嫌いだった人はたくさんいるでしょうけど、そういうのもまじめにやってると、大人になってから結構役立ちますよ。








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しひてはならぬ

2016-10-27 04:27:59 | 






しひの実の しひてはならぬ 道の恋     夢詩香






*しひ(椎)としひ(強ひ)をかけてみました。恋は、「請ひ」もあります。

この近くに、マテバシイか何かの木を、街路樹にした道があります。暗くて、あまり人が通らない道なんですが、近くに空き地があるんで、わたしは花の写真を撮るために、よくそこを通るんです。

そこでその椎の並木を見るたびに思うんです。椎の木がとても苦しそう。ドングリの実のなり方も、枝ぶりなんかも、なんだか見るからに苦しそうで、こんなところにいたくない、山に帰りたいなんてことを、木が全身で訴えているような感じなんです。

なんで椎の木なんかを、街路樹にしたんだろう。ほかに、街路樹に向いてる木はたくさんあるだろうに。もっと、木のことを考えてくれたらいいのに、なんて思う。

その道は、川が近くて、いつも冷たい風が吹いていて、とても寒そう。
どこか、もっといいところに連れていってあげることができたらいいんだけど、何もできなくて、見るたびに苦しい思いをするだけ。

写真も撮ってみたんだけど、どれも苦しそうに写っているので、載せられませんでした。で、ムラサキシキブで代用です。同じ実がなる木だってだけですけど。

恋でも何でも、誰かの嫌がることは、無理強いしてはいけませんよ。そんなことをすると、人生が暗くなる。

誰かが悲しむようなことは、やってはいけないです。







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負けたくは

2016-10-26 04:29:37 | 






負けたくは ない蟷螂の 言ひ訳は     夢詩香






*俳句は17文字の芸術ですから、こんな風に皆まで言わずに、途中でぶっちぎってしまうというのもありですね。
言わないことが、返って言いたいことを強調するなんてこともある。

蟷螂って言ったのは、つまりうちの夫が少しかまきりに似ているからなんですが。やせ形で、負けず嫌いですぐに突っかかって来るところなんかが。

男の人っていうのは要するに、隠し事がいっぱいあるんですよ。隠さなければもたないようなことがいっぱいあるんです。それって、けっこうみんなにばれてたりするんですけどね、ばれてることがわかったら、ちょっとつらいことになるから、みんな何も言わないだけで。

口が達者な人だから、それは巧みにぼやかすんだけど、言いたいことはわかってる。とにかく俺の言うことを聞けってこと。それでないと困るんだってこと。

けんかしたって、何にもならないから、いつもわたしのほうが折れてます。とにかく立ててあげないと、うちのかまきりは相当に困るんです。

でもね、長いこと夫婦をやってると、あの時立ててあげた男が、今結構だらしないことになってたりするんですよ。見えてないふりして、何も言わないけど、結構女房は気付いてたりするんです。

意地を張らずに、もっと柔らかくなった方がいいのにと思うことはある。だけどたぶん、あの人は一生変わらない。

まあそれでも何とかなるのが、愛ってことかな。我慢ができなきゃ、結婚はできません。

かまきりの写真はあるんですけど、あまり上手に撮れなかったので、緑色がいっぱいの写真にしてみました。

虫の写真も難しいですね。








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たはごとを

2016-10-25 04:27:32 | 






たはごとを 言はぬのげしの にらみかな     夢詩香






*地味だけど、ノゲシの花が好きです。ちょっときつい感じがするけど、道端に咲いていると、寄っていって写真を撮りたくなる。

タンポポの花って、明るくてかわいい女の子っていう感じがするけど、ノゲシって、なんだか、ちょっと怖いおじさんていう感じがしませんか。背丈が高いし、ちょっととげとげがあるし、花もかっちりしている。

寄っていったら、なんか怒られそう。馬鹿なことをしてると、きついことを言われそう。でも、なんとなく寄っていきたくなる。

きっとそれは、わたしも、いろいろと馬鹿なことをしているからだろうな。だから、だれかに叱ってもらいたくて、ノゲシに寄っていきたくなるのかもしれない。

まじめに勉強しているつもりでも、人生っていうのは測り知れなくて、難しいことがたくさんある。学校の勉強ができたって、簡単にできないことってたくさんある。ほんと、人生は失敗ばかりです。

そういう自分が情けないから、こんな花が好きになるのかな。見ているだけで、なんとなく、頼りになりそう。いいことを教えてもらえそう。

この写真の花も、なんかきりっとしていて、こっちをにらんでくるみたいです。しっかりしろって言ってくれてるみたい。だけど叱ってくれるだけじゃない。何か大切なことを教えようとしてくれている気がする。

それが何なのか、わかったらいいんだけどな。







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やめたきと

2016-10-24 04:27:55 | その他






やめたきと すめらみことは いひにけり     夢詩香






*わたしには珍しく、時事的な句です。

少し前に、天皇陛下がお気持ちをテレビで発表するなんてことがありましたが。ふーんて思いながら、見ていました。

どういうんだろうな。こういうことにはあまり意見なんて言わないほうがいいんでしょうか。いろいろあるみたいだし。

でも、前の天皇陛下も、最近亡くなったというタイの国王なんかも、死ぬまでやったし、ああいうものは、簡単にやめていいものなんだろうかって、そんな気もします。

わたしは、どんな苦労があっても、自分の子の親をやめる気は絶対にないけど。王様とか天皇とかいうものは、国民の親みたいなものじゃないだろうか。気持ち的に。

象徴なんていうのは、なんだかとってつけた理屈のような気もするんです。

どういうんでしょうね。みんなあまり言わないし。芸能人の不倫の方が大きな話題になるくらいだし。あまり興味ないのかもしれない。

法律の整備なんかも大変みたいだし。わがままで迷惑をかけてるって気がしないでもないですね。そんなこと考えている人、いないわけではないと思う。

どうなんでしょうね。







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さいはひの

2016-10-23 04:29:09 | 






さいはひの 子をさづかりて 蘇鉄の木     夢詩香






*子供が幼稚園児だったころは、毎日幼稚園に送り迎えしていました。幼稚園とか小学校とかには、必ず校庭に蘇鉄の木が植えられていますね。どういういわれがあるのか知らないんだけど、どこの学校にもなんだか必ず蘇鉄があります。

だから蘇鉄の木を見ると、学校を思い出します。

子供が学校に通いだす頃になると、その子の個性がはっきり見えて来て、それがなんだかうれしかった。不思議な感じがしたものでした。確かにこの子はわたしのおなかから生まれてきたんだけど、考え方とか、感じ方とかが、まるでわたしとは違うってことがおもしろかった。

子供のくせに一人前の口をきいてくる時なんか、かわいくてしょうがなかった。

蘇鉄の木を目指して、幼稚園に毎日あの子を迎えに行くことが、幸せだった。

今その子は、反抗して、わたしとあまり口も利かないんだけど、その頃の思い出があるから、どうしても憎く思えない。愛してしまう。どんなにがんばってでも、なんとかしてやりたいと思う。

どうしたらいいかなんて、ほんとはまるでわからないんだけど。子供の心って難しいから。でも、何とかしてみようって思っています。わたしも一応親ですからね。

わたしとあの子は、わたしはあまり似ているように思えないんだけど、人様から見たら、なんだかとても似ているそうです。そうかなって思って、よくあの子を見てみる。そういえば、顔つきなんかはやっぱりわたしに似ているかも。背丈は夫の方に似ているけど。

親子って不思議だな。あの子がわたしに背くのは、自分と似ているからなのかもしれない。







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庭の松

2016-10-22 04:28:24 | 






庭の松 言はぬが花の 涙かな     夢詩香






*うちにも、申し訳程度の小さな庭があって、一応門かぶりの松が生えています。

植木屋さんから買ったんじゃなくて、この家を建てたときに、親戚が持っている山に生えていたのを、移植したらしいです。なんだか、ちょうどいい形をしていたらしくて。

そういう経歴を持つ木だからか、何度か枯れかけたらしいんですけど、その都度持ち直して、今も青々とした姿を見せてくれています。

庭に生えている木というのは、なんだかいつも家族のことを見ている気がしますね。窓からなじみの庭木を見るたびに、じっと見つめられているような気がする。
色んな事があるけど、木はきっとみんな知っているに違いない。

気持ちも何も、見抜かれているような気がする。

物事には、自分が正しくても、はっきりと言わないほうがいいことがあるということを教えてくれたのは、わたしの親です。

世の中には、絶対に、人の言うことがまっすぐに入らない人がいるということを、学んだ。そういう人の前では、黙っていた方がいい。そのほうがいい場合があるんだ。それで状況を何とかするために、影で自分が努力したほうがいい。

それがつらくて泣きたくなるようなこともありますけどね。

写真は、当然松ではなくて、近所の空き地に生えているシオンの花です。毎年その場所に咲いてくれます。松の写真は一応撮ったんだけど、どれもきれいに写らなくて。

なんとなく雰囲気が似てるかなって感じで、代用しました。なんでって聞かれると困るんだけど。








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