かあちゃんが 生んでくれたと 思ったら 悪いことなど できるはずない
*これは弟子の作です。今週はわたしは調子が悪く、歌をひとつも詠めなかったので、これを取り上げました。最初は、こう言う感じだったのですがね、
生んでくれた かあちゃんがいると 思ったら 悪いことなんて できないと思う
口から出てきた言葉をそのまま出したような感じですね。これでも悪くないのですが、歌としてきれいに整えたくて、表題のように添削してみました。
作者は、テレビで、特殊詐欺で捕まった男たちの映像を見て、こういうのを思いついたらしいです。
警察にひかれて、うなだれたように歩いていく男たちも、みんなもとは、小さな赤ん坊だったに違いない。自分を生んでくれた母ちゃんがいるにちがいない。生まれたときは、両親の喜びだったことだろう。それなのにどこをどう間違ったのか、警察に捕まるような悪いことをしてしまった。
親の悲しみはどんなものだろう、などと想像したら、自分もつらくなってきた。
苦しみぬいてこの世に生んでくれた、母ちゃんのことを思ったら、悪いことなんてできない。どんなに自分のできが悪くっても、親を苦しめることなどしたくない。
真面目に正直に生きるのが一番だ。
なかなかによろしい。つたない言い回しの中にも、親を思う子供の真心が見える。
特殊詐欺で捕まった男たちの現実に、どういうものがあったかは知りませんが、愛する人を思う真摯な心があれば、悪いことなどできるはずがないと思います。