ムジカの写真帳

世界はキラキラおもちゃ箱・写真館
写真に俳句や短歌を添えてつづります。

愛するほかは

2023-01-25 08:11:23 | 短歌




わが背子の かげもひなたも 知りおきて 愛するほかは なきとこそいへ




*今週もいくつか詠めましたが、あまりいいのがありません。相変わらず妨害は続いていて、感性のアンテナが伸びない。言葉が重くて、思うように心が飛びません。その中で、表題の作はまだましなほうですか。

これは、女性ならわかる、夫への思いというところでしょう。

「背子(せこ)」は上代語で、妻から夫に親しみをこめて呼ぶ語です。「夫(つま)」でもよかったのですがね、こちらのほうが温かい感じがして採用しました。

わたしの夫の、いいところも悪いところも知って、そのうえで、愛するほかにすべはないのだと言います。

男というものは、女のいないところで、かなり痛いことをしているものだ。それが時に関係にひびをいれるほどつらいことがある。尻の軽い女なら、すぐにその男をやめて、離れていくだろう。だが中には、それを知っていても、愛するほかはないのだと、あきらめに似た心で決意する女もいる。

悪いところを責めたところで、男が変わるわけがない。かえって女のほうが悪いのだと責めてくるものだ。男というものは、自分が悪いのだとは絶対に考えない。悪くても、理屈をねじまげて、自分が正しいのだと言い張る。

そんな男と、正面から戦うのは、よほどエネルギーの高いものでないとできないことですね。普通の女にはできません。だから男というものがわかっている女性は、こんな男でも自分の夫なのだから、愛していくしかないのだと、あきらめるのです。

自分が我慢すれば、みなが平和な家庭の中で幸せに過ごせる。そういう我慢を通して、女というものは、自分の中に愛の社を建てていくものなのだ。陰で涙をこらえながら、愛で夫に尽くしていく。だれにもわかってもらえない気持ちは、神に向けて、なんとかささえてゆく。

女性ならわかるでしょう。男と一緒に生きていくことは、男の幼稚さに耐えなければいけないことでもあるのだと。

大人として自分がわかっている、成熟した男性などほとんどいませんよ。人間の男というものは、だれしも女を支配したいというエゴが抜け切れていないものなのです。その幼稚なエゴを知りながらも、愛していくことを決意するとき、女性はいい女というものになるのですよ。




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不幸の穴

2023-01-18 08:04:59 | 短歌





えらさうに いひてかへるを くりかへし 不幸の穴に はまりこむ馬鹿




*今週は二首ほど詠めましたか。でもあまりいい出来ではありませんでした。なんだか想像力の空を飛ぶ翼を封じられて、低い地面をかき回しているというような感じですね。過去の作品を微妙に変えたりして作っている。何もできないよりはましだが、苦しいです。早くこのスランプの闇を乗り切りたいものだが、なかなか馬鹿は解放してくれません。

それはともかくとして、表題の作は、今朝方大火が詠んでくれたものです。ネットで世間を見渡していると、偉そうに人を馬鹿にしてものをいう人がたくさんいるのを見かけます。そんなこと言わないほうがいいのにという言葉を、ふんだんに漏らしている。偉そうにいやなことを言うから、反動が自分に返ってきて、自分にいやなことがふりかかるのだということが、わかっていないようだ。

愛のない言葉で、人を馬鹿呼ばわりしてはいけませんよ。馬鹿にすれば馬鹿にされるのが当然のことだ。そうやって際限なく馬鹿にしあって、自分をどんどん不幸の穴に陥れていく。そこにはまり込んで、出るに出られず、人生が暗い方向にばかり落ちていく。

ネット上での発言は特に気を付けたほうがいい。不特定多数の人が見ますから、大きく反動が帰ってくる。

時には個人で背負いきれないような闇が帰ってくる時がある。

言葉は愛で発しなければなりません。人の難をいさめるときは、馬鹿にしてものをいうのではなく、愛に心を高めていうべきです。その人の進歩を願って、反動を覚悟した上で、丁寧な言葉で言うべきだ。

人間、人を馬鹿にするのは、自分がつらいからです。自分の人生が思うように開かないからです。だから人が自分ではないというだけで嫉妬してしまう。そして不幸の穴に引きずり落としたくなって、人を馬鹿にしてしまうのです。そんなことをするから、自分もまた引きずり落とされるのだ。

幸せになりたいなら、人を馬鹿にしてはいけません。人には愛を注ぎなさい。そうすれば、自分にも愛が帰ってきて、人生に明るい光がともるのです。




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砂の風

2023-01-11 08:04:12 | 短歌





砂の風 鳴き渡る空 あふぎつつ ひとりを抱く とこしへの夢




*今週は四首ほど詠めましたか。この頃ではよい方ですね。馬鹿に妨害されつつも、動かない感性をフル稼働してなんとかしている。できあがりはあまり気に入りませんが、今のこの調子の中では、自分をほめてあげてもいいでしょう。がんばっていると。

さて、わたしたちがシジフォシアと名付けた世界は、何もないところです。砂の大地がどこまでも広がり、日月も星もない薄闇の空がそれを覆っている。水もなく、もちろん草木もなく、生き物は何もいない。乾いた風ばかりが吹く、むなしい世界。ファンタジーではないのですよ。そういう世界は本当にあるのです。

繰り返し言っていることですが、今この時代で、愛を愚弄することをやめなかった人間は、人類世界をはじき出され、そこにいくのです。

永遠に帰っては来れない。

そこには地獄のような責め苦はありません。だが地獄よりもつらいところだ。何もない砂と風の世界で、虚無のように何もせず、永遠にぼんやりとしていなければならない。何かをしようにも、そこには何もないのです。小枝の一本でもあれば、絵を描くことくらいできるのですが、それもない。砂は乾いていて、固めようにもすぐに崩れていく。何もできない。愛が何もないのだ。

薄闇の中に広がる、永遠の徒労と疲労の世界。それがシジフォシア。

そこに行きたくないのなら、人間は愛を愚弄することをやめ、悔い改めて神にも傷つけ続けてきた人々にも謝り、正直な自分に戻って、何もかもをやり直さねばなりません。それは時に、痛い破滅を伴う苦しい修行です。人を盗み神を盗み、作り上げてきた偽物の幸福を、全部壊さねばならない。高殿に住む貴人の身分から、一気に貧乏人に落ちるほどの、試練を食わなければならないのです。

馬鹿な人間たちは、自分のことだけ考えて、いつでも他人を虐げてきた。他人の幸福を盗み、自分ばかりよいことにして、この世に苦悩と不幸をまき散らしてきた。そのことの責任を取らなければならない。

この世を地獄に染めてきた責任として、永遠の寒い地獄に落ちるか、それとも悔い改めて、愛に謝罪し、すべての人々に仕えて償っていくと誓うか。

砂の風が鳴き渡る、薄闇の空を見上げながら、永遠に孤独を抱いて生きていく夢の中に、自分を捨ててしまうのか。それとも。

すべては、人間の心にかかっています。






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馬鹿が治らず

2023-01-04 07:13:02 | 短歌





えらそうに ばかりしてたら いつまでも 鼻持ちならぬ 馬鹿が治らず




*あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

さて今週は3首ほど詠めました。といっても表題の作はわたしのではなく、大火のものですが。わたしも詠んでいるのですがね、大火の作の方がパンチがきつい気がして、こっちを取り上げました。

なに、日ごろ偉そうにばかりしている人が身近に一人いるのですが、その人を見ているうちに、こんなのを思いついたというわけです。

いつでも他人のあらばかり見て、文句ばかり言っている人なのですがね、少しでもこっちが逆らう気を見せると、度を失って攻撃してくるので、何も言えないのですよ。とにかく自分の方が偉いんだにしたい人なのです。しかしそのせいで、その人は他人から学ぶことができず、いつまでも低いレベルにとどまって、馬鹿を直すことができない。

知性も教養も、標準より低めの自分に気づくこともできず、いつまでも同じことばかり繰り返している。

偉そうにばかりしてるから、勉強をすることもできなくて、いつまでも馬鹿が治らないんだよ。

表面的にはおとなしく従いながらも、相手は心の中ではこういうことを考えていたりするんですよ。いつも文句ばかり言われて我慢ばかりしてますからね。偉そうな人が一人いると、周囲の人が我慢強くなるというものです。勉強もできる。学んで自分を高くしたいなら、偉そうに人を馬鹿にしてたらいけないんだとね。

ところで、表題の作、こういうヴァージョンもあります。

偉そうに ばかりしてたら いつまでも 馬鹿が治らず 子に嫌われる

周囲の気持ちも考えず、偉そうにばかりしてたら、馬鹿が治らなくて、子供に嫌われてしまいますよ。親としては、子供に嫌われることほどつらいことはない。

少しは人の言うことにも耳を傾けて、自分というものを勉強しないといけません。






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