虫を探して見上げる緑のなかで、色づきつつある桑の実がきれいです。
今年の「むし塾」の予定について、お知らせします。
7月19日(土)に、当初予定していなかった番外編として、山梨県北杜市オオムラサキセンターで
「夏のむし塾―ナショナル・モス・ウィークに参加」(仮)を開くことになりました。
通常は池袋の明日館で開催している「むし塾」ですが、今回はナショナルな蛾の催しに連携して行う番外編です。
で・・・・・・"National Moth Week"って?
まずはこちらをご覧ください。
7月の19日からの10日間、世界各地の「蛾愛づる人たち」が、いろいろな形で蛾を楽しもう!という
国際的な催しなんです。
今年はじめ、つくばの国立科学博物館で蛾の研究をしていらっしゃる神保 宇嗣さんを、
雑誌『このは』の取材でお訪ねしたとき、帰り際に神保さんが、
「ナショナル・モス・ウィークっていうのがあるんですが、まだ日本からは参加したことがないんですよね・・・・」
えっ!たのしそっ!!!
日本も参加しましょうよ!
と、すぐ乗る私。
昼と夜、蛾の観察をするんだったらどこがいいでしょう?と訊くと、神保さんは
山梨あたりがいいかな、と。
じゃあ、オオムラサキセンターのある北杜市は?
・・・・・・という感じで、計画が進んできました。
以下、神保宇嗣さんからおききしたこの催しの概要です。
●ナショナル・モス・ウィークは国際的な市民参加型科学プロジェクト
●プロジェクトの主催はFriends of East Brunswick Environmental CommissionというアメリカのNPO。2005年に町の小さなイベントとして始まった。2013年には世界41カ国が参加。でも日本では全く知られておらず、今までイベントもなかった。
●蛾の仲間は地球でもっとも多様かつ繁栄しえいる生き物のひとつ。研究者は、蛾の仲間は15万種~50万種ほどいると推定している。このイベントの目的は、蛾の仲間をテーマとして生物多様性に触れること、市民参加型で蛾の情報を写真とともに共有する文化とつくっていくこと。
●2014年のテーマはヤママユガの仲間。
ポイントは観察会で見た蛾の情報(主に写真)を世界規模で集約し、共有すること・・・です。
ナショナル・モス・ウィークへの参加は、個人でも団体でもOKとのこと。
虫のピークシーズンには、虫好きな人たちはみんなインドアより野外に虫を観にいきたいのは当然だから
5月から8月は、「むし塾」は催さない予定でしたが、今回「むし塾番外編―夏のむし塾」として
この催しに参加したいと思います。
現在、神保さん、北杜市オオムラサキセンターと詳細を詰めています。
ただ、開催日は7月19日(土)に決定しています。
午後、オオムラサキセンター生態園(去年、一昨年と『虫愛づる一日』で観察会をしたフィールド)にて
神保宇嗣さんのご指導で、昼蛾、幼虫や繭、などの観察撮影
夜は、希望者だけ自由参加で、灯火観察
というのがおおまかな予定です。
参加申し込みの受付は来月になってからになりますが、
とりあえず、蛾萌えな方々、7月19日は予定を空けておいてくださいネ!
また秋以降の自由学園明日館での「むし塾」の予定は、
9月21日:『イモムシハンドブック 1,2,3』の著者 安田守さん
11月30日は昆虫写真家 新開孝さん
をお迎えして開催することになっています。
まだ先になりますので、こちらも詳細は追ってお知らせします。
お知らせだけではつまらないので・・・この春から飼育しているイボタガの様子、ちょっと見てください。
2齢で採集した2匹のイボタガ幼虫。小さいうちから不穏なオーラを出している。
3齢になると、なんか凄みが出てきた。
4齢。これがお得意のポーズ。前胸背にスカルみたいな怖い模様があるので、それを見せるように、刺激したり、枝にいるときは、顔をうつむけるこんな姿勢が多い。そうすると、こんな模様が。
↓
こわっ。
5齢(終齢)になると、長い黒い突起がなくなる。脱皮直後、殻を食べる。
腹脚に刺青(笑)
食欲はとてつもなく、フンは植物の種のように乾いている。背中がオレンジ色を帯びてきたら、蛹化が近い。
食べるのが止まったら、水をしっかり絞ったミズゴケに乗せてあげると、
蛹化がはじまった!ときどき、びくっと動く。
12時間後には、こんな色に変化。来年春まで、長い眠りにつきました。