鈴木海花の「虫目で歩けば」

自然のディテールの美しさ、面白さを見つける「虫目」で見た、
身近な虫や植物の観察や飼育の記録。

まだまだつづいていますNational Moth Week

2014-07-22 08:29:27 | 日記

 この夏はなんだか忙しく、7月19日の『National Moth Week 夏のむし塾』の報告が滞っていましたが、

モス・ウィークも28日まで、ということで、蛾の名前調べもあとまわし・・・とりあえず

大盛況で楽しかった夏のむし塾の様子をお伝えします。

 

山梨県北杜市オオムラサキセンターの映像室にて、参加者集合。

さっそく神保宇嗣先生の蛾入門講座からスタートです。

45分ほどの講座でしたが、参加者からは「おもしろかった、わかりやすかった、さらに蛾への興味をかきたてられた」と大好評。神保先生、けっこう早口なんです。でもとても明瞭に聞き取れるし、親しみやすくユーモアたっぷりのお話がみんなを魅了しました。

 休む間もなく、オオムラサキセンターのフィールドへ。

蛾の幼虫を探すときはフンを目印にするとよろしいですね、と神保先生に教えていただく。

 

何か見つかると、みんな順番に写真。

 

3センチほどもある大きなミノガ

 

グミキャンディのようなアカイラガの幼虫。

 

みんな真剣に撮影。

 

 

この日、昼の観察で何と言ってもぶっちぎりの人気を集めたのは・・・

ムラサキシャチホコでしたー!

小学生の参加者が見つけました。

お天気が心配だったけど、曇り空の下、快適なフィールド観察でした。

記念さつえ~い。(森上信夫さん撮影)

まだまだ観たりないという感じだったけど、センターに戻り、

神保先生から世界40カ国くらい参加するこのNational Moth Weekについてのお話。

National Moth Weekは、自分が観た蛾の画像を登録することで、世界中のみんなが蛾のデータを共有できる市民参加型の科学プロジェクトなのです。

むし塾のような催しに参加した人はもちろん、個人でも登録できますので、

ふるって参加してください。

登録はここから。

http://nmwjp.herokuapp.com/

神保先生が用意してくださった大型の蛾類図鑑などを見せていただきました。

 

ここで一旦解散して、それぞれ宿にチェックイン&夕食に。

 そして午後8時。北杜市オオムラサキセンターのウッドデッキをお借りして、

待ちにまった灯火観察がはじまり~

飛んできた、飛んできた。

いきなり大物、ハグルマトモエ

(以下、まだ名前調べをしていないものが大半。乞うご容赦。名前が分かり次第、加筆していきます)

 

 

TG-3で深度合成。

 

アカスジアオリンガ

 

クワコ

 

アカイラガ

花形たちもこの夜は脇役。

 

樹液に集まるものも観に行ってみました。

 

 

 

 この夜は比較的気温が低めでしたが、それでも50種近い蛾を観ることができました。

 ウッドデッキでの観察が終わると、みんなはさらに夜道観察に出かけ、この夜を楽しみきったのでした。

 

 

翌朝。

日野春駅前の宿、志満屋さんでみんなそろって朝食。

このあと、三々五々、帰り道でもまたまた虫目歩き。

楽しい夏の2日間、ご参加くださったみなさま、ほんとうにありがとうございました!

 

 National Moth Weekはまだまだつづいています。

蛾を観たら、ぜひ登録を!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


明日は「昆虫記者」も来るよ

2014-07-18 06:03:59 | 日記

 きのうこのブログのアクセス数や検索ワードを調べたら、ほとんどが「天野和利」。

あ、そうだ昆虫記者こと天野さんが、ラジオに出るって言ってたな。この数字はたぶんその影響。

この春に書籍化された時事通信社jiji.comの人気ナンバーワンコンテンツ。

 書籍化後も、もちろん『昆虫記者のなるほど探訪』はつづいています。

http://www.jiji.com/jc/konchu?p=kinkame0001

そして、明日の山梨北杜市での『National Moth Week 夏のむし塾』にも

昆虫記者・天野さんが取材に来てくれますので、参加のみなさん、取材にご協力、

よろしくお願いします。時事のサイトに掲載されたら、またお知らせします。

 明日は他にも昆虫写真家 佐藤岳彦さんhttp://tefutefulife.blog107.fc2.com/

森上信夫さんhttp://www.amazon.co.jp/%E8%99%AB%E3%81%AE%E5%91%BC%E3%81%B3%E5%90%8D%E4%BA%8B%E5%85%B8-%E6%95%A3%E6%AD%A9%E3%81%A7%E8%A6%8B%E3%81%A4%E3%81%91%E3%82%8B-%E6%A3%AE%E4%B8%8A-%E4%BF%A1%E5%A4%AB/dp/4418134220/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1405638089&sr=8-1&keywords=%E6%A3%AE%E4%B8%8A%E4%BF%A1%E5%A4%AB#reader_4418134220

さきごろ『モスフィリア』を出版された漫画家の氷堂涼二さんhttp://www.amazon.co.jp/gp/product/images/B00JPVNITU/ref=dp_image_z_0?ie=UTF8&n=465392&s=books

も参加してくれます。

にぎやかになりそうですね。

 

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 ところで、今年はアオバセセリとスミナガシを育ててみたいなあと、5月からアワブキの鉢を用意していました。

でも、野外でどちらの幼虫も見つけられず・・・今年はもうダメかな、と思っていたら、

アオバセセリの5齢幼虫をいただきました!

 

アオバセセリはご存知のように、アワブキの葉を、柏餅のように二つに折り曲げて

巣をつくります。

ときどき出てきて、すごいスピードで葉を食べるほかは、じっと巣のなかにいます。

巣をつくるところを見てみたいなあ・・・・と、食事に出ている間に

今までの巣をとっちゃった。

食事が済んで、巣に帰ろうとしたアオバくん(か、ちゃんか、わからん)、

「ない、ない、ない・・・家がない」とパニック状態で、1時間ほどあちこちを歩いて探し回りましたが

やっとあきらめがついたのか、新しい巣をつくりはじめた。

これがいいや、という葉が決まると、まず葉脈の中央で頭を忙しく左右に振って糸を吐き

目印をつけます。

その後、左右を噛んで切り込みをいれます。この間も、何度も葉脈の印を確認して

左右の切り込みの深さが同じになるように(違うとぴったり合いませんよね)していました。

 

下のほうを糸で綴って、一休みしているところ。

こうやってくっつけていく。

 

休み休み、3時間くらいもかかって、こんな巣ができた。

 

新居に引越し完了。やれやれ、おつかれさま

 

巣の下方には、フンを捨てる穴があるので、その下にフン受けを設置。

アオバセセリの巣って、清潔です。

 

ところが3日後、せっかくの新居から出て、同じ大きさくらいの葉っぱ2枚の両側をくっつけて

こんな巣をつくった。

これは通常の巣とは違う。

そろそろ、脱皮?あるいは蛹化?

 

外からでは見えないので、ちょっと葉の一部を切り取ると、ギロっとにらまれた。

やっぱりちぢんでいるから、これはいよいよ蛹化か。

 

目を離した小一時間の間に、あっ、蛹化だ。

糸を切らないように、そっとなかをみると、こんな色に。

 

そして、外出から帰ってみると・・・

ムーミンかと、思った・・・・・・

 

すっかりい白くなって、こんな蛹になった。

でも・・・2枚の葉の間で蛹になっていると、羽化のとき翅が伸ばせないんじゃないかな?

糸を切らないように、片側の葉を取り除いてみよう、と思っている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


生息地でショクダイオオコンニャクを撮影した山口進さんと!

2014-07-17 10:09:50 | 日記

 つい先日、「つくばの国立科学博物館 実験植物園で開花!」のニュースで沸き立った、世界最大の花・世界でもっとも臭い花―ショクダイオオコンニャク。

 この発見が世界一難しい花の開花や、生息地での生態を世界で初めて記録したのが、昆虫写真家、自然ジャーナリストとして多くの撮影、著作活動、またNHK『ダーウィンが来た!』『ワイルドライフ』などの企画撮影などで活躍していらっしゃる山口進さんです。

 

 

 すでに地球を200周ぐらいしたという山口さん、一年のほとんどを海外の虫や植物の探検取材に出かけているが、ご自宅は虫の多い山梨県北杜市。今夏の課題図書に選ばれた『カブトムシ 山にかえる』や『米が育てたオオクワガタ』などの名著がここ北杜市での長年の観察と考察から生まれました。

さいきん指先に乗るような小さなカブトムシを見かけるようになった、なぜだろう・・・カブトムシが小さくなった謎にせまる、今年の課題図書でもある『カブトムシ 山に帰る』(汐文社刊)

 

あこがれのオオクワガタをはぐくんだ里山の環境とは―「クワガタムシやチョウをみて幸せを感じるのはなぜだろう、」「自然の中に生活している虫たちを自然の状態で見ていたい・・・」―自然ジャーナリストとしての山口さんの考察が光る私の愛読書。(岩崎書店刊)

 

「巨大昆虫」―この言葉ほど神秘的で、探検欲、好奇心を刺激するものはない。本で出会った世界の巨大昆虫を全部この目で見たい、そう思いはじめたのは今から30年以上も前のことだった(まえがきより)。ページをめくるたびに実物大の巨大昆虫に、オオっ!(岩崎書店刊)

 

「ダーウィンやウォレスのように世界を探検したい」―チリクワガタ(ダーウィン・ビートル)を求めて

山口さんの長い探検の旅がはじまった。(岩崎書店刊)

 

 現在ご帰国中の山口さんが、なんと7月19日『National Moth Week 夏のむし塾』に参加してくださることになりました!!!ごいっしょに蛾観察・撮影をできるなんて、夢のようです。

当日午後の会の後で、上記山口さんのご著書を販売します。 (サインも!)

82日にはオオムラサキセンターで山口さんの講演会も催されます。

山口進さんのサイトはこちら→ http://susumuyamaguchi.com/profile.html

 

 

 

19日の参加証バッヂも出来上がりましたー。

 

 


『National Moth Week夏のむし塾』下見に行ってきました

2014-07-08 06:40:32 | 日記

 

『National Moth Week 夏のむし塾』のマークができました! デザイン・中山泰)

これを直径5センチの大きな缶バッジにして、参加者証とします。

 

 『夏のむし塾』が近づいてきました。

 先日、今回の企画、指導などをしてくださる国立科学博物館の神保宇嗣先生と、日野春へ下見に行ってきました。

 ただでさえ、虫の多いこの時期、日野春周辺は虫がいっぱい!

 近隣の駅にもちょっと寄ってみると、

こんなだもんね~虫好きにとっては理想の駅!

 

あっ、ルリボシだ!と思って写真撮ろうとしたら・・・即、カミキリ屋さんの手に。

今までみたルリボシのなかでいいちばん大きい。模様もくっきりで、美しい個体だった。

駅舎のなかから虫さがし開始。今回はどうしても虫目が蛾目に。

スジベニコケガ。

 

ゴマフシロウハビロキバガ

 

窓のクモの巣でゆれていたオビベニシロシャク。神保先生によるとけっこう珍しい種らしい。

 

駅前の木にコカブトムシ

 

フトメイガの仲間

 

ヤマトカギバ

 

日野春駅前の樹にはシロホソスジナミシャク

 

カブラヤガ

 

 クロタマゾウムシ!見たかったんだ~

 

日野春駅からオオムラサキセンターへ(徒歩10分くらい)の道でも蛾散策。

看板にヨツボシホソバのメス。

 

マミジロハエトリのメス?

 

18ミリもある肉食の美麗カメムシ、アオクチブトカメムシ。

 

 オオムラサキセンターへ到着して、「むしガールNo.1」オオムラサキセンター唯一の女子職員渥美さんと、むし塾の昼の観察会のフィールドとなる「びばりうむ」と棚田を下見。

オオムラサキはもちろん、今年は蛾もたくさんいるという「びばりうむ」を下見する神保先生。

ぜいたくにもメロンに群がるオオムラサキ

 

もう蛹化間近の「昔はオトメ、今はフトメ~」のムーちゃん。ムチムチ!

 

スジモンキマルハキバガ

 

ヨツスジヒメシンクイがいっぱい。

 

特徴的な模様だからすぐわかると思ったけど、まだ名前がわからない、でも蛾であることは確かな幼虫。

 

クスサンの終齢幼虫もここでは巨大。

気門が色あざやか。

 

 「ムラサキシャチホコなんか、いるといいんだけどなあ・・・・・・あっ、いた!」

クルミの樹で神保先生が2齢くらいの幼虫を見つけた!

右側が顔。

 

「あっ、もっと大きいのもいた!」と渥美さんが見つけたのは4齢くらい。

この2匹は、19日の参加者に見てもらうため、渥美さんがだいじに飼育することに。

 

ピストルミノガの仲間の幼虫。こんなのは神保先生に教えてもらわないと、なんだかわからなくて見過ごしてしまいます。葉上に直立したこの中に幼虫がいるんだそう!

 

ハラビロヘリカメムシ

 

「ねえねえ、この尺取さあ、葉っぱの上で枝のふりしても、擬態になってないよねえ」と

渥美さんと私に思いっきり馬鹿にされたこれは・・・・

本物の小枝が葉に突き刺さっていたのでした・・・・・・

 

青いハエの獲物を抱えているのはアオメアブ?

 

カノコガ

19日は昼の観察会も期待できそうです!

 

 センターで館長の跡部さんと打ち合わせ、当日の詳細を決めました。

 去年、一昨年と、ここで『虫愛づる一日』を開催していただいてきました。今年はNational Moth Weekの活動としてむし塾の主催で、センターは協賛という格好だけれど、結局オオムラサキセンターさんには今回も多大なご協力をいただくことになります。

下記が7月19日のスケジュール詳細です。

『National Moth Week 夏のむし塾』

●2014年7月19日 12時オオムラサキセンター映像室入り口にて受付開始。参加費1500円(参加者証のバッヂもお渡ししますのでどこかに装着してください)

●12時30分より、映像室にて、神保宇嗣(先生による『蛾入門講座』(この講座のみ、当日オオムラサキセンターの入館者も参加できます。参加費300円)

●13時15分 神保先生の指導で昼の観察(棚田一帯、びばりうむ)開始。

●15時~15時15分 休憩

●15時15分~16時30分ごろまで 映像室にて、観察会で観た蛾の名前調べ、および神保先生よりNational Moth Weekの活動についての説明。データ提供のお願いとその方法。

●16時30分ごろ終了(オオムラサキセンターは19時まで開館しています)

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 以上が昼の部です。

このあと、夜の灯火観察にご参加の方は、宿泊先の志満屋さん(およびその周辺の宿)でチェックインし、

18時ごろ志満屋さんにて、みんなで夕食。

19時30分 オオムラサキセンターへ移動(志満屋さんに予約をされた方は行きも帰りも送迎してくださいます)

20時~ 灯火観察会開始

21時30分~22時 終了。志満屋さんの送迎で、それぞれの宿へ。

 自由参加の催しとして先般お知らせしましたが、この夜の部の灯火観察について、下記のように変更いたしますのでご注意ください。

 

神保先生による下見の結果、灯火観察はオオムラサキセンターのウッドデッキで行うことになりました。

 この灯火観察会は定員はありませんオオムラサキセンターの一部施設を使って行うことになったため、また夜間の安全管理のため、事前に申し込みをして登録した方しか参加できません。また参加証を含め参加費を500円とさせていただきます(昼のむし塾の参加費を払われた方は無料)。

 また「灯火観察会」の名称のように、この会では、採集はできません。観察と撮影のみですので

ご了解のうえ、ご参加ください。

*灯火観察会のみご参加希望の方は、siisaa@blue.ocn.ne.jp

  まで、「灯火観察会参加希望」と書き、メールでお名前をお知らせください。(名簿にお名前がない方は入館できませんのでご注意ください)。

 

 あとは・・・お天気ですね。

 「嵐を呼ぶ女×2」(渥美さんと私)と「晴れ男」の神保先生がせめぎあっておりますので

たぶん、蛾観察には最適な湿度の高い曇り日になるのでは・・・と期待していますが・・・。

 交通機関が麻痺するなど、よほどの荒天でない限り、昼も夜も決行します

今回も「嵐を呼ぶ女×2」は、しっかりと雨の日プログラムを用意しました。

(でも、今まで「雨プロ」を使うはめになったことはないので、今回も楽観している)

また、灯火観察は、雨でも蛾は飛んでくるので、雨天決行します。オオムラサキセンターのウッドデッキで行うので、そんなに濡れないでできるでしょう。

 

 あ、あと蚊が多いです。長袖長ズボンで参加してください。

虫除け(塗るタイプ)などの用意も各自お願いします。ただ蚊取り線香だけは、煙があたりに流れて虫が逃げるので使用しないでください

 

 では、参加のみなさま、7月19日、日野春でお会いしましょう!