鈴木海花の「虫目で歩けば」

自然のディテールの美しさ、面白さを見つける「虫目」で見た、
身近な虫や植物の観察や飼育の記録。

虫もよろこぶ?雛まつり

2012-03-04 15:09:07 | 日記

                          鍋嶋通弘さんにいただいた紙のクロカタゾウムシとオオトラフコガネ!




 きのう3月3日雛まつりの日は、朝から宇佐美朋子さんと末広町へ。
去年の京都のように、今年もムシの日のイベントをやろうといま画策中なので、
その会場の下見に、末広町駅そばの「アーツ千代田3331」へ行きました。
元錬成中学の建物をリノベーションした建物は、変化あるスペースがいろいろあるので、
ここでできたらいいね、と話しながらランチ。
(イベントの詳細、決まったらまたお知らせします)

 つい話しこんで、あ、やば!
急いで午後からは、むしむし探し隊のイベント『むしの切り紙工作教室』の開かれる竹橋へ移動しなければ。
でもその前に、末広町駅前のたい焼きの「達磨」で、あわただしく焼きたてをほおばります。
末広町へきたら、ここはどうしても素通りできない。

カリッとしたまわりのビラビラと、とろ~り甘さ上品な餡のぜっぴんたい焼きで
甘味充填。

 十分時間をみたつもりだったのに、切り紙の会場に着いたときは
開始ぎりぎりでした。
30人以上の参加者で、会場は熱気むんむん。
教えてくださるのは、もちろん鍋嶋通弘さん。

きょうのワークショップでは、なんと2時間足らずの間に
3点の虫の切り紙に挑戦するのだそう。

 テーブルの上には、色紙と型紙が用意されています。

・・・・・考えてみると、ハサミの作業って、あんまり得意じゃないなあ。
でもこの後に及んでは、やってみるしかない。

 1つ目の課題はチョウ。
これがきょうのなかで、いちばんやさしいのだそうだけれど
型紙を見ただけで、その肢の細さにたじたじ。


型紙と色紙を重ねて、半分に折り、
ずれないようにホッチキス。


となりでスイスイ切っている宇佐美さん。

 鍋嶋先生の的確な説明と、はげましにより
なんとか、ここまで切れたー。

うん、まあまあじゃない、と初作品をながめて
ふと隣の宇佐美さんのを見ると
私のより、チョウの腹部の感じがすごく本物の雰囲気を出している。
特に腹の部分が。

これが私の。


これが宇佐美さんの。
さすが虫のイラストとか陶器とか恵方巻きとか、作品をたくさんつくっている宇佐美さん。

だけど、同じように、型紙に従って折ったのに、
この差は、なんなのよ?
比べてみると、微妙な折り位置の違いが
表現にすごく影響するらしいのです。
こういうディテイルの積み重ねが、
だいじなんですね。
と、頭ではわかったんだけど。

 張りつめていた集中力をちょっとゆるめようとすると
「次、カマキリです!」
ええー、もう?
少しハサミ使いに慣れたのか、
なんとかこれも完成。

 今度は、野外で見たカマキリの腹の感じを思い出しながら
山折り、谷折り、山折り、谷折り・・・・・。
気を入れて折り目をいれたのだけれど・・・・うーん、べちょっとした精気のないカマキリ。


 そして15分の休憩後、いよいよきょう最難度のカブトムシにとカミキリに挑戦する時が来た。
カミキリのほうがやさしいらしいのだけれど、
無謀にもカブトムシを選ぶ。

 肢が・・・・むずかしいよ~。
2,5ミリ幅の肢1本1本に、山折り、谷折りの折り目をつけたら、
最後に縦に折り目を通すのだけれど。。。。
できたー!と思ったら、

反対側に折ってしまっていた・・・・・。
やりなおし。

なんとかカブトムシらしき形が見えてきたところで
タイムアップ。





 すると、「鈴木さんですよね」と目の前に鍋嶋さんが。

そして、手に持ったクロカタゾウムシをくださったのです!
前回、前々回このブログに書いたクロカタゾウムシ。
見られるだけでもうれしいのに、いただけるとは!
そして、さらに物販のテーブルでオオトラフハナムグリがあるのを見つけて
即、買い。

 クロカタゾウムシもオオトラフハナムグリも、今年見つけたいと心に願っている虫。

3月中に石垣島に行くので、たぶん会えるかな。


彩色は色を塗っているのではありません。
紙を切って貼り付けているのです、すごい。

 みんなでお疲れさまのお茶をした後は、
きのう大阪から上京している美術家にしてヤスデ飼育家・池内美絵さんに会いに、
二子玉川へ。
去年の『虫愛ずる一日 in 京都』ですっかりお世話になった池内さん。
3月20日から4月14日まで、大阪の『Bookshop and Café CALO』ではじまる展覧会の準備中。
できあがったばかりの素敵なDMをいただきました。


 DMには、CALO店主石川さんの紹介文が載っています。
曰く、
『美しい貼り箱にきっちり収まって、
工芸品のような精緻さと趣味の手仕事の湿り気をあわせもつ、
静かでかわいらしい作品。
でも、見る人に、まわりの世界がくるりと反転するかのような衝撃を与える力を秘めています・・・・』

 そうなんです。
DMの写真に見える小さな小さな首のない人形らしきもの
・・・・・これは実は!!!
池内さんの作品のディテイルのひとつひとつには、とんでもない衝撃の物語が。
お近くの方は、ぜひCALOに足を運んでみてください。

 あれ、池内さんのチョウのアップリケのある首まきもの、かわいい。
イモムシとかゴキちゃんとかのぬいぐるみをつくってくれる池内さんの妹さん作。


はずして見せてもらいました。



 虫を通していろいろな人に会えた一日。
帰ってからお雛さまをしまう前に
クロカタゾウムシとオオトラフハナムグリも参加させてみると・・・
なんだか、虫も喜んでいるみたい。


3月3日は、亡き母の誕生日。
毎年、母にもらったこの小さな伊勢辰の紙の雛人形を飾ることにしています。




姉妹サイト『バニャーニャ物語』も更新しました。
その14は、「迷探偵!バショー」。

 霧深い夜のこと、
バニャーニャで事件発生!
迷探偵バショーが乗り出した・・・・。
 
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