鈴木海花の「虫目で歩けば」

自然のディテールの美しさ、面白さを見つける「虫目」で見た、
身近な虫や植物の観察や飼育の記録。

7月に「虫目歩き講座」

2010-05-29 10:20:32 | 日記

 女子目線の虫の本って、いったいどのくらいの人が楽しんでくれるんだろう?と一抹の不安を抱えながら3月に出版した『虫目で歩けば』ですが、雑誌やテレビの書評で取り上げていただいたり、ラジオでの対談(6月25日10:30より文化放送『浜美枝のいつかあなたと』)に呼んでいただいたり、思いがけない反応に、虫やそれをめぐる自然に興味を持つ人は、ずいぶんいるんだな、と感じています。

 そして7月には朝日カルチャーセンター新宿教室で3回の講座を開くことになりました。  

  

 講座の内容は、

1回目:『虫目とは?』2010年7月3日(土)13:00~15:30

     *虫目とは?

     *虫目のたのしみとは?

     *虫目になる法

     *虫観察がより楽しくなる基礎知識

     *都内でたのしめる虫目スポット紹介

     *虫目歩きの七つ道具

     *虫をめぐりさまざまな楽しみについて(虫グッズ集めなど)

     

2回目:「いっしょに虫目体験」 7月10日(土)13:00~15:00(雨天の場合11日)

    *前回のレクチャーをもとに、目黒自然教育園を虫目で歩く体験。

    

3回目:「見つけた虫を記録、発信する法」7月17日(土)13:00~14:30

    *写真、スケッチな、エッセイなど自分にあった記録法を見つけよう

    *「ほぼ日手帳」をつかった著者の虫目記録法を紹介

    *虫の観察を、わかりやすく面白いブログとして発信するいくつかのコツ

    *虫の写真の撮り方いろいろ(虫写真にもスタイリングを!)

    *最終回には受講生のみなさんが見つけた虫も紹介してください。

*毎回講座終了後、講師といっしょに「蟲愛づるお茶会」も。

 虫話に花を咲かせましょう!

 

講座申し込みは、朝日カルチャーセンターHP、http://www.asahiculture-shinjuku.com/LES/detail.asp?CNO=77660&userflg=0

 

・・・と、こんな予定でいます。

  2回目の講座は野外で、目黒自然教育園で虫目観察し、そのあととなりの庭園美術館のカフェでお茶会(自由参加)しようと。この回はブサオ犬で人気のブログ『メレンゲが腐るほど恋したい』http://d.hatena.ne.jp/mereco/20090807/p1のメレ山メレ子さんも参加してくださる予定です。  

 毎回講座に集まった方だけに配る、限定版の小さくてかわいい虫冊子をつくろう、とか教室には本にも載せた虫グッズを飾って実際に手にとってもらえるようにしよう、とか・・・・いろいろ楽しみに準備しています。

 そして何よりも私が楽しみなのが、身近な虫の観察をひそかに楽しんでいる人たちと出会えたら、ということ。虫好きのちょっとした友だちがいたら・・・・・・という孤独な虫好きさんたちが、「私だけじゃないんだ!」と同じような虫観察をしている他人と出会うチャンスになれば、と思っています。

私もそんな人たちに会いたいです!


ツマグロヒョウモンが北進したワケ

2010-05-23 12:40:16 | 日記

 今年3月24日に、東横線沿線の駅前にある寄植えのコンテナのパンジーを食い尽くそうとしていたツマグロヒョウモンの幼虫を採集して飼育してみました。  

 最初に駅のコンテナで幼虫を見つけたときは、これがツマグロヒョウモンの幼虫だなんて、まったく知らず。目をそむけたくなるほど黒と赤の体がドクドクしいし、トゲトゲしている。

花びらも葉っぱももりもり食べて、こっくりした緑色のフンをする・・・うっ。

 気になるので家に帰って調べてみたら、なんと私の好きなチョウであるツマグロヒョウモンの幼虫であることがわかったので、翌日はまず食草のパンジーを買い集めて準備。翌々日にまた駅へ行って、人目をさけながら6匹採集してきました。  

 6匹のうちすでに5齢と思われるものと2齢くらいのをドームで、他の4匹をベランダのパンジーの鉢で育てることにしてみました。 しかしなぜかベランダの4匹はあれよあれよという間に次々に鉢の外に落下して死亡。

 いっぽう室内飼育の2匹は、パンジーをもりもり食べてすくすくと育ち、やがて5齢のほうが前蛹に。

 見ているだけであぶなっかしい前蛹。

 

 アゲハチョウは、枝に両手をまわすように糸をかけ、さらにオシリの先を枝に固定するので、とても安定感のあるサナギなのですが、ツマグロヒョウモンはこんな風に、オシリの1点で枝にぶら下がっているだけなので、落下するものが多いとか。

そしてぶじ、楽しみにしていた銀色の突起のあるサナギになりました!

 この銀色、というか鏡のように周囲を映し出すピカピカの突起は、自衛のためについているのだと思われますが、じっさい写真を撮ろうと近づくと、こちらの動きが突起の鏡に映りこんでチラチラなにかが動いているように見える。

 なるほどぉ!と自衛の効果を実感しました。動けない蛹ですが、もし敵が近づいても、これなら敵自身の姿が突起に映って、なにか動くものがあるようにみえるのでしょう。  

 チョウのなかには、ゴマダラチョウのように、全身ぴかぴか金色のサナギをつくるものもいますが、ツマグロヒョウモンは、コストの関係から10個の突起を銀色にするという選択をしたのかな。

 そもそも毒がないのに毒をもっているように見せかける擬態というのも、毒をつくるためのコストを削減するためと思われ、ツマグロはいろいろな部分で節約の工夫をしているように思います。

 

 そして、1週間後に羽化。 <ヒョウモン>という名前のとおり、ヒョウ柄の翅ですね。

 ツマグロヒョウモンはオスとメスでは翅の模様が違うので、翅を開くのを待って、この日は外出しないことにしたのですが・・・・・・ちょっと目を離したすきに飛んでいってしまいました。  

 アゲハチョウは羽化後、翅が乾いて飛べるまで3時間くらいかかりますが、ツマグロヒョウモンはアゲハより小さくて翅の面積も狭いせいか、2時間くらいで飛べるようになるようです。  

 もう1匹のほうは、蛹になるまでさらに10日ほど。

 ところで、前蛹になった段階で、蛹になれるような枝をパンジーの鉢にたてたのですが1匹目はちょっと茶色っぽい枝、2匹目は黒い枝でした。それぞれの蛹はそれぞれの枝の色と同じ。これは偶然?

黒い枝には黒っぽいサナギが。

 

 飼育をはじめたころ、『琉球の蝶 ツマグロヒョウモンの北進と擬態の謎にせまる』(伊藤嘉昭著 東海大学出版会)という、一冊まるごとツマグロヒョウモンについての本を見つけました。  

 この本によると、ツマグロヒョウモンは戦前には熱帯、亜熱帯性のチョウであったのが、次第に北進し、今では関東地方でもけっこう普通に見られるチョウになったという。

 そう、ほんとうに毎年すがたを見ます。しかもけっこうひんぱんに。 わたしがこのチョウを好きになったのは、ある夏の夕方、西日のなかで気持ちよさそうに庭で休んでいるかのような姿をみてから。飛ぶときもゆっくり、ひらひら飛ぶので写真が撮りやすいという印象もあった。  

 本を読んでわかったのですが、この「ゆっくり飛ぶ」というのには、じつは理由があったのです。  

 ツマグロヒョウモンは毒をもたないチョウですが、沖縄の毒蝶カバマダラに擬態している。それで幼虫もいかにも毒あり気、な色形なんですね。

 メスとオスではちょっと翅の色、模様が違いますが、特にメスは、この毒蝶に擬態した前翅を天敵(主に鳥類)に

「よっく、みてね。わたしってカバマダラだから不味いし、食べるとおなかをこわすわよ」

とみせびらかすように、ゆっくりと飛ぶのだそうです。 

 しかし、この擬態―毒もないのにあるように見せかける擬態をベーツ型擬態(私はウソツキ擬態と呼んでいる)といいます―が成り立つためには、ほんとうに毒をもつ元々の「モデル」となるチョウがいることが必要なのですが・・・・・・ここにナゾが。 

 ツマグロヒョウモンは生息域を広げて北進したのですが、かんじんのカバマダラは関東地方にはいません。ということは関東地方の鳥は、カバマダラを食べてその毒でおなかをこわしたり、吐き気を催した経験がないので、カバマダラを食べるのは剣呑である、ということを学習していないはずです。

 なので、せっかくのツマグロヒョウモンの擬態も役に立たないと思われるのですが、じっさいにはツマグロヒョウモンはぐんぐん北進して数を増やしている。このナゾについて本書では、いろいろな説が紹介されていて、

 著者が有力とみる説は、もともとツマグロヒョウモンは味のまずいチョウなので、毒があるないというよりも、その地域で食べた鳥が敬遠するようになった、というもの。でも鳥にとってツマグロヒョウモンが美味しいか不味いかを人間が証明するのは・・・・かなりむずかしそう。  

 北進の理由についてはいくつか考えられ、まずは温暖化。特に冬期の気温の上昇。そして2つ目がなんと、人間が春先に庭や街頭のコンテナに植える大量のパンジーなんだそうです。

 ツマグロヒョウモンの食草はタチツボスミレですが、小さなことにはこだわらないタチらしく、同じスミレならなんでもいいわ、とばかりにパンジーもヴィオラも食べる。人間の園芸行為によって、ツマグロヒョウモンは北進するための寄主植物を豊富に得る結果になったというのです。(東京で見た印象では、そのパンジー率の高さはあきれるほど)

 虫だけでなく、植物、動物にも北進して生息域を広げているものの話はよく耳にするけれど、沖縄でしか見られなかったチョウが東京でも見られるようになったのを、単純に喜んでいいのかどうか。

 いろんなことの関係を知ったり、考えたりしたツマグロヒョウモンの飼育なのでした。      


卯の花におう

2010-05-18 09:50:41 | 日記

 週末に八王子の知り合いの家を訪ねました。

古くて大きな、縁側のある家。

縁側って、世界に類をみない日本建築のすばらしいアイディアだと思う。

ベランダともバルコニーとも違う、室内と外(人と自然)を濃密につなぐ場所。

豆のサヤをむいたり、

梅酒用に梅を選別したり、

ちょっとした針仕事をしたり、

緑をながめながらお茶したり、

干し柿をつるしたり、

折り紙したり、

月をながめたり、

花火をしたり、

思い出にふけったり・・・・

もういろんなことがここでできちゃう。  

でも今では多くの日本人が

「縁側」を失ってしまった・・・・・・。

 

 この日も室内よりも縁側で、とお願いして、足をぶらぶらさせながら、美味しいお茶とお菓子をいただきました。  

 ふと庭の向こうの生垣に目をやると、

そのあたりには白い花が今を盛りと咲いていて、

なにやらほのかな香りがするような気がする。

「あれは何の花?」ときくと、「卯の花」と。

 平岩弓枝の『御宿かわせみ』シリーズに、『卯の花かおる』という一篇があります。親の仇討ちをする青年が、仇を前にしたとき、あたりに満ちる卯の花の香りに、仇討ちを思いとどまる、という話。

「仇も、仇を討とうとするものも、同じ卯の花の匂いのなかにいた・・・・」という、シリーズのなかでも心に残る名篇です。 

 それで・・・卯の花のにおいって?とずっと気になっていたのです。仇討ちを思いとどまらせてしまうほどの、いい匂いって、いちどかいでみたいものだ、と。  

 ああ、これが卯の花の匂いか・・・金木犀とか沈丁花とかのはっきりした芳香とはちがう、あたりの空気に溶け込むようなごくかすかな香り。とうっとりしていると、アオスジアゲハが蜜を吸いに飛んできました。

 早く飛ぶのでなかなかクリアな写真が撮りにくいチョウですが、きょうは夢中になって蜜を吸っているところが、白い花がレフ版効果を生んで顔までちゃんと撮れました。

 卯の花の和名は「ウツギ」。ウツギはアオスジアゲハの食草です。  

 あ、花の奥にハナムグリがいる。

 すると、もう1匹のハナムグリが、いい娘みっけー、という感じでびゅーんと飛んできて・・・・・・

 

「きゃー、いきなり何するのよぉ!」

 

やっぱりいきなり、っていうのはね、いくらハナムグリでも。

 まずは、卯の花の蜜のお茶を飲みつつ

語らいなどすることからはじめることにしたようです。

 でも「ハナムグリ」って、きれいな名前。

ハナムグリさん、なんて呼ばれてみたい。

人間じゃこの名前はムリでしょうか。    

 

 家の裏にはちょっとした雑木林があるというので、帰りに寄ってみました。

葉っぱの裏にぶら下がっている丸いかわいいものは、クモの卵だとおもう。  

 

 コナラの枝には小さな虫の落とし文。

なぜか枝から切り離されていません。

一枚の葉っぱを使って、タマゴをこんなにきれいにきっちり包装するなんて驚きです。ぜひこんどは作業中のオトシブミを見てみたいものです。

  あ、ウスキホシテントウ!

図鑑では見たことがありますが、

実物に出会ったのははじめて。

4ミリくらいの小さなテントウムシですが、

ドットの散らばりかたも色のバランスも、とてもステキです。

よく見てみるとほんとうに種類が多くて、

テントウムシ観察はなかなか奥が深いです。

 

 こんどはすぐ近くのヤマグワの葉に、

1センチくらいの大きさのヒメツノカメムシを見つけました。

お肌つやつやぴちぴちの、若さはちきれそうなメス。

 最初、写真を撮ったときには気がつかなかったのですが、

彼女のおなかの下には、ミントグリーンのきれいなタマゴが!!!

 そこへ、悪もの(?)のアリが、

背後から近づき、タマゴを狙っている。

 

ツノヒメの若いお母さんは、すぐに臨戦態勢にはいると、

アリを撃退しようと果敢に戦います。

 

 あ、アリがずうずうしく、体に上ってきた!

おかあさん、危ない!

タマゴをおなかの下にかばいながら、それでもなんとかアリを撃退。

母卵ともにぶじで、よかった、よかった~

すぐそばで見ている私の鼻には感じられなかったのですが、

たぶんヒメツノのおかあさんは、カメムシの最強武器である

臭いにおいも出してアリを撃退したのではないでしょうか?

 

 ヒメツノの孵化と変態は見たことがないので、

ヤマグワの枝と共に採集することにしました。

家の近くの原っぱのふちにも、ヤマグワがあるのを覚えていたので、

なんとか食草を確保できそうだから。

 

  このおかあさん、家にきてから、片時もタマゴの上を離れません。

飲まず、食わず、動かず。

本能による行動とはいえ、見ていると心うたれるけなげさです。

でもごくたまに、体を横に傾けています。

同じ姿勢をつづけて肩がこったのか、

あるいは睡眠中?

そういえば、虫の睡眠ってどうなっているんでしょうか?!

これから孵化と変態がどんな風に進むのか楽しみです。

 

 卯の花を見たきょう、

『うーのはなーの におうかきねに

 ほぉととぎーす はやもきなきて

 しーのびぃねもぉらぁすー  なつーーぅはきーぬー』

 という童謡も思い出しました。


矢川でがっくり

2010-05-14 20:47:52 | 日記

 南武線の矢川駅から15分くらい歩いたところにある矢川緑地へ、ときどき行きます。

  ここは矢川保全地域の一部で、緑地内を流れる小さな矢川の流れや湿地、雑木林と野原など、さして広くはないものの多様な植物があるので、今までもたくさんの虫を見つけることができた場所です。  

 新緑が萌え出てきた今ごろは、小さな川に緑が映りこんで、えもいわれぬ美しさにしばし心とろけた・・・・・・

 のもつかのま。歩きはじめてすぐ、なにかいやな予感。去年からどんどん増えていたはずのクサギが見当たらない。

 クサギは、臭い木という意味からきた和名らしいのですが、葉っぱは不思議な形容しがたい匂いが確かにするものの、花はすばらしい香り。嗅ぐたびにタヒチのティアレ畑を思い出します。この緑地にはかなりたくさんのクサギがあって、訪れるたびに楽しんでいたのですが、すっかり切り詰められて・・・・・・これじゃあしばらくは葉っぱも出ないよ(涙涙涙)。

 がっくりきながら、さらに湿地のなかにもうけられたボードウォークにさしかかると・・・・

 うわっ。 ちょっと木が腐りかけて注意深く歩かなければならない部分もあったボードウォークがすっかり新しく作り変えられています。それはいいのですが・・・・・・同時にボードウォークの両側に生えていたさまざまな草類の茂みが、すっかり刈り取られている。

 もう6年間くらい前からここに来ていますが、こんなことははじめて。緑地保全にはりきる草刈ボランティアの数が増えたのだろうか?ああ、いままでここで見つけたあの虫、この虫・・・・一気に消失。

がっくり。にぎりしめた右手に無念さが・・・・・・。

  しばしボウゼンとしましたが、「また草は生えるさ」と気を取りなおして、雑木林のほうへ。 

 枝が低くて葉が見やすいお気に入りのコナラのところへ。もうオトシブミがいるかな?と地面をみたのですが、まだ卵の入った虫の「落とし文」は見当たらず、新芽に首をつっこんでいるひょうきん顔のゾウムシがいました。

 

 

 『虫目で歩けば』を出してから、ときどき読んだ人が感想を寄せてくれるのですが、「本に出ている●●がぜひみたいんです」というのが多いなかで、いちばん人気が、キイロテントウ。

でもなかなか見つからなくて、といわれる。 キイロテントウは3ミリくらいしかない小さな体なので、きっと最初は目に入らないのだとおもう。 そのキイロテントウが30匹くらい群れているノバラの木がありました。ウドンコ病などの菌類に侵されているノバラなのかな。

 ちょっと葉に斑点などが浮かんでいるのが見えるでしょうか? こういう木を見たら、キイロテントウがいる可能性あります。

 

  おっ、イタドリハムシ。

今年はじめて見つけてからは、何度も見ています。きっと目がなれて「イタドリハムシ目」が私の目のなかにできたのでしょう。

 

 飛んだ。

ハムシの飛翔姿って、どこかマヌケ。「やっと飛べたぁー」って感じなところがかわいい。  

 アリマキがわんさかいるバラの木には、ナミテントウがいっぱいです。

 タマゴの上で交尾しているって、どういうことか?

 ナミテントウの斑紋のバラエティ豊かなことはびっくりさせられますが、こんな風にまったく違うテントウムシに見えるオスメスが交尾しているのをみると、多彩な斑紋の理由が納得できるというものです。

 

 そして・・・・これは?

 葉の上でじっとしている5ミリ足らずの小さな虫。赤い小楯板があるので、カメムシ?と思ったのですが、

横からみた体の形は、他の虫のように思えます。 調べてみたら、ムネアカアワフキというアワフキの一種らしい。

 

 それから、これもなに?

4ミリくらいの大きさですが、お尻のところに大理石みたいな模様がある。

 調べてみるとクロヒラタヨコバイというヨコバイの仲間でした。セミみたいな顔しています。

 虫って、小さいけど、ちゃんとできているなあ、と思わせるアワフキとヨコバイでした。  

 原っぱのほうに行くと、ツマキチョウが。

前翅の先が夏みかん色をしているから、オス。

 もうそろそろ帰ろうか。と出口に向かったところに、カサの高さが10センチくらいもある大きなアミガサダケが。しかも、あそこにも、ここにも、あっちにもー!

 アミガサダケは春に見かけるキノコですが、数えてみると50個以上。こんな大群生に出会ったのははじめて。

 キノコってやっぱり、あたりを独特の雰囲気にしてしまう。なんだか胞子の毒気(アミガサダケに毒はないけど)にあてられたような、不思議なこころもちで帰路についたのでした。


葉山のいちにち

2010-05-10 18:59:07 | 日記

  5月3日は、葉山へ。

 「オーシャンファミリー海洋自然体験センター」 http://oceanfamily.jp/

“カヤック体験&里山歩き&地元の海山の幸を食べる”

 という盛りだくさんなプログラムに参加。

といっても・・・・・・私はカヤックはパスしてお昼のエコランチから合流という横着な参加者でしたが。

 かつて三宅島で50年間、研究生活をおくったいまは亡きアメリカ人海洋学者ジャック・T・モイヤー博士。オーシャンファミリーは、三宅島噴火後、博士の右腕として三宅島で生物研究をしていた海野義明さんが生まれ故郷の葉山で展開しているセンターです。

 カヤック組が帰ってくるまでの間に付近を歩くとなんと、民家の生垣にオオキンカメムシの姿!

3,5センチもある立派な成虫。

おなかも派手だね~

 以前、群生しているところを見るために、千葉の沖ノ島まで出かけていったことがありましたが、海野さんによると、この南方のカメムシは、ここ数年、葉山の海岸付近でよく見かけるようになったそう。

 飛翔力の強い大型のカメムシなので最初は力まかせに迷って飛んできて、冬を越せるものが出てきて、やがてここ葉山にも定着しようとしているのかもしれません。

 葉山は御用邸があるせいか、あまり開発さされていないので、湘南のなかではいちばん自然が豊かに残る大好きな場所です。また隣接する三浦地域は三浦大根のように、個性ある美味しい野菜がとれる。  

 葉山というと海、ですが、実は山の自然も豊かな土地。 ランチ後、13人の参加者といっしょに、海野さんにいろいろ教えてもらいながら山道を歩きました。

こんなふうに。イタドリ、ヤブニッケイ、ノダフジ。名前を覚えながらの山道歩きは限りなくたのしい。

 団体行動なので、いつものように虫目というわけにはいきませんが、おデブでぽちゃっとしたオオキイロマルノミや

 

 シロヘリカメムシ

 

 午後の光を反射して、ぴかっと金色に輝くジンガサハムシが、

 見つかりました。  

 

 摘んできた野草は、さっそく海野さんがてんぷらに。

 正座しててんぷら揚げる海野さん。人柄が出ています。

  いっぽう、葉山に住む野菜ソムリエの鈴木悦子さんが地元野菜にこだわってつくった数々のメニューがテーブルに並んで、もうれつにいい匂いを放っています。

 釜揚げシラスのカナッペの香ばしいかおり、みずみずしい三浦春キャベツのサラダ、生ひじきに、これも地元でとれたタコの炊き込みご飯、アジの炭火焼にサザエのつぼ焼き、というまさに海山のごちそう満載。

サザエー~

 昼食を食べてから3時間くらいしかたっていないの

に、みんなの食欲すごい・・・・・・。

 おなかいっぱいになった後は、腹ごなしに葉山の海岸へ夕日を見に。

 気持ちよく晴れた一日が、富士山のシルエットで終わりました。