鈴木海花の「虫目で歩けば」

自然のディテールの美しさ、面白さを見つける「虫目」で見た、
身近な虫や植物の観察や飼育の記録。

ナショナル・モス・ウィーク・夏の「むし塾」参加申し込み受付開始

2014-05-28 14:18:26 | 日記

  先にお知らせしました、ナショナル・モス・ウィークに開催する『夏のむし塾』、参加申し込み受付開始です。

 

 世界中のモス・ファンとともに、虫の多い自然豊かな山梨で、蛾まみれの1日を過ごしませんか?

 National Moth Weekは、10年以上前にアメリカの小さな町ではじまった、市民参加型の科学プロジェクトです。去年は41カ国から参加があり、今年はもっと増えそうです~。 National Moth Weekのサイトはコチラ→http://nationalmothweek.org/

 

 

National Moth Week『夏のむし塾』

主催:むし塾

企画:国立科学博物館 動物研究部 神保 宇嗣(じんぼ うつぎ)、『むし塾』主宰 鈴木海花

協賛:北杜市オオムラサキセンター

日時:2014年7月19日(土) 12時30分~16時まで(受付開始12時)

場所:山梨県北杜市オオムラサキセンター

講師・観察会指導:国立科学博物館 動物研究部 神保 宇嗣(じんぼ うつぎ)先生

*神保先生は、先日朝日新聞で紹介されました!http://www.asahi.com/articles/photo/AS20140513000258.html

また文一総合出版『このは』春号と夏号に私がお訪ねしたときの記事が載っています。

定員:25名

参加費:1名/1500円

 

<当日のスケジュール予定>

12時  オオムラサキセンターにて受付開始

12時30分~オオムラサキセンター映像室にて、神保宇嗣先生による『蛾入門』講座

13時30分~15時 神保先生とオオムラサキセンター生態園地域のフィールドで昼蛾、幼虫、繭などの観察会

15時~    映像室にて、観察会で観たり撮ったりした結果のデータ集約(この日のデータはナショナル・モ   

         ス・ウィーク本部に送られ、世界中で共有できるデータになります)

16時終了

「夏のむし塾」はここまでで終了ですが、自由参加で同夜20時より、オオムラサキセンター周辺で灯火観察を行います。(終了時間未定)

 こちらは自由参加(参加費無料)なので定員はありませんが、申し込みの時に、「灯火観察も参加希望」と書き添えてください。またこの灯火観察だけの参加もOKです。

 夜が遅くなると思いますので、宿泊が必要な方は日野春駅前の志満屋さんに各自予約を入れてください。『むし塾』参加の方は、もし志満屋さんが満室でも、近隣の宿に紹介してくれます。また、それぞれの宿から観察場所への往復の送迎もやってくださいます。http://www.j-gate.net/~ozawa-ch/hinoharu/simaya.html

 ご家族での参加も歓迎ですが、基本的に大人の方々を対象にしたプログラムになっています。 

 蛾が好きなんだけど・・・なかなか夜間の灯火観察は体験するのが難しい、という声を女性の虫好きの方からききます。そんな方はこの機会にぜひ!

 なお、雨天の場合のプログラムについては、まだ未定ですが、灯火観察は雨が降っていても大丈夫なので、予定通り行います。昼間の「夏のむし塾」については、天気の予報に基づいて検討し、申し込みをしてくださった方にメールにて連絡いたします。

 

 参加申し込みは、siisaa@blue.ocn.ne.jp

まで、メールでお願いします。「夏のむし塾」参加希望、と明記してください。

また灯火観察(無料)だけに参加したいという方も、上記メールにご連絡ください。

 

*観察会―「自由参加」って?

 虫の観察会について、ちょっと説明。

 観察会はいろいろな形で行われていますが、参加希望者を一般募集するためには、

万一事故が起きたり、怪我や病気などで具合が悪くなった参加者が出た場合に対応できるような、複数のスタッフや救急の体制が整っていないとできません。

上記昼間の「むし塾」での観察会は、北杜市オオムラサキセンターさんのバックアップをいただき、正規の観察会として行います。

 一方、20時からの自由参加の灯火観察は、私(鈴木海花)個人が、「灯火観察ってなかなかできないから、よかったら、ごいっしょに!」という気持ちで行うもので、組織が行うような体制の整った観察会ではありません。ただし夜間のこともあり、だいたいの人数を把握したいと思っていますので、ご理解のうえ、「いっしょに蛾を見たい」という方は連絡ください。

 それでは、参加申し込み、お待ちしております~。 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


「夏のむし塾」ナショナル・モス・ウィークに参加!

2014-05-23 19:23:27 | 日記

 

虫を探して見上げる緑のなかで、色づきつつある桑の実がきれいです。

今年の「むし塾」の予定について、お知らせします。

 

 7月19日(土)に、当初予定していなかった番外編として、山梨県北杜市オオムラサキセンターで

「夏のむし塾―ナショナル・モス・ウィークに参加」(仮)を開くことになりました。

通常は池袋の明日館で開催している「むし塾」ですが、今回はナショナルな蛾の催しに連携して行う番外編です。

 

で・・・・・・"National Moth Week"って?

まずはこちらをご覧ください。

http://nationalmothweek.org/

7月の19日からの10日間、世界各地の「蛾愛づる人たち」が、いろいろな形で蛾を楽しもう!という

国際的な催しなんです。

 

 今年はじめ、つくばの国立科学博物館で蛾の研究をしていらっしゃる神保 宇嗣さんを、

雑誌『このは』の取材でお訪ねしたとき、帰り際に神保さんが、

「ナショナル・モス・ウィークっていうのがあるんですが、まだ日本からは参加したことがないんですよね・・・・」

えっ!たのしそっ!!!

日本も参加しましょうよ!

と、すぐ乗る私。

昼と夜、蛾の観察をするんだったらどこがいいでしょう?と訊くと、神保さんは

山梨あたりがいいかな、と。

じゃあ、オオムラサキセンターのある北杜市は?

・・・・・・という感じで、計画が進んできました。

 

 以下、神保宇嗣さんからおききしたこの催しの概要です。

●ナショナル・モス・ウィークは国際的な市民参加型科学プロジェクト

●プロジェクトの主催はFriends of East Brunswick Environmental CommissionというアメリカのNPO。2005年に町の小さなイベントとして始まった。2013年には世界41カ国が参加。でも日本では全く知られておらず、今までイベントもなかった。

●蛾の仲間は地球でもっとも多様かつ繁栄しえいる生き物のひとつ。研究者は、蛾の仲間は15万種~50万種ほどいると推定している。このイベントの目的は、蛾の仲間をテーマとして生物多様性に触れること、市民参加型で蛾の情報を写真とともに共有する文化とつくっていくこと。

●2014年のテーマはヤママユガの仲間。

 

 ポイントは観察会で見た蛾の情報(主に写真)を世界規模で集約し、共有すること・・・です。

ナショナル・モス・ウィークへの参加は、個人でも団体でもOKとのこと。

虫のピークシーズンには、虫好きな人たちはみんなインドアより野外に虫を観にいきたいのは当然だから

5月から8月は、「むし塾」は催さない予定でしたが、今回「むし塾番外編―夏のむし塾」として

この催しに参加したいと思います。

 現在、神保さん、北杜市オオムラサキセンターと詳細を詰めています。

ただ、開催日は7月19日(土)に決定しています。

 午後、オオムラサキセンター生態園(去年、一昨年と『虫愛づる一日』で観察会をしたフィールド)にて

神保宇嗣さんのご指導で、昼蛾、幼虫や繭、などの観察撮影

夜は、希望者だけ自由参加で、灯火観察

というのがおおまかな予定です。

 参加申し込みの受付は来月になってからになりますが、

とりあえず、蛾萌えな方々、7月19日は予定を空けておいてくださいネ!

 

 また秋以降の自由学園明日館での「むし塾」の予定は、

9月21日:『イモムシハンドブック 1,2,3』の著者 安田守さん

11月30日は昆虫写真家 新開孝さん

をお迎えして開催することになっています。

まだ先になりますので、こちらも詳細は追ってお知らせします。

 

 

 お知らせだけではつまらないので・・・この春から飼育しているイボタガの様子、ちょっと見てください。

 

2齢で採集した2匹のイボタガ幼虫。小さいうちから不穏なオーラを出している。

 

3齢になると、なんか凄みが出てきた。

 

4齢。これがお得意のポーズ。前胸背にスカルみたいな怖い模様があるので、それを見せるように、刺激したり、枝にいるときは、顔をうつむけるこんな姿勢が多い。そうすると、こんな模様が。

                   ↓

こわっ。

 

5齢(終齢)になると、長い黒い突起がなくなる。脱皮直後、殻を食べる。

腹脚に刺青(笑)

 

食欲はとてつもなく、フンは植物の種のように乾いている。背中がオレンジ色を帯びてきたら、蛹化が近い。

 

食べるのが止まったら、水をしっかり絞ったミズゴケに乗せてあげると、

蛹化がはじまった!ときどき、びくっと動く。

 

12時間後には、こんな色に変化。来年春まで、長い眠りにつきました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
 
 

GWあっちこっち

2014-05-08 13:33:11 | 日記

 インフルで出遅れた春を取り戻そうとするかのように、あっちこっちでかけています。

いよいよ関東でも、虫シーズンへ、キックオフ!

ということで連休中に、人気の花虫さん率いる「道端観察会」に参加したり、虫友と都内近郊の緑地で見た虫のいろいろをまとめてみました。

注:この時期イモムシ・ケムシ系が多いので、苦手な方は閲覧注意ネ。

 

 

 フィールドへ行く途中の車のなかで、まゆこちゃん(受験合格、目出度く中学1年生になった。受験勉強のため去年は虫探しをセーブしていたので、今その反動がすごいことに)が

「あ、イモムシだぁ!」と。

走っている車のなかから、道沿いの木にいるイモムシが見えちゃうって!!!視力いくつよぉ。

他には、食草採りで斜面をすべって血だらけになるのもいとわないまゆこちゃんのお母さん、「昆虫記者」こと天野和利さん、昆虫写真家の森上信夫さん、森上さんをして「彼女の虫目には脱帽」といわしめているInoueさん、夫に私、という強力虫目隊が往く。

 

派手な裏地の白い装いに、サングラス顔のヒロバトガリエダシャクの幼虫。

この腹筋力、うらやましい。

尾端の模様も凝ってるよねえ。

 

ヨツモンクロツツハムシ。ツツハムシは四角っぽい体型がかわいくて大好き。

 

モンカゲロウかな?翅の模様も流線型ののけぞりポーズが美しい。

 

マダラホソアシナガバエを捕まえたワカバグモ。

 

サルトリイバラの葉裏に3齢くらいのルリタテハの幼虫。

 

クロハネシロヒゲナガ。翅は黒くてヒゲは白いという意味だろうけど、私はこういう名前には混乱する。

 

幼虫を捕まえたのは、ヒメグモ類の幼体かな?色具合がとてもきれいなクモ。

 

脱皮したばかっりのアヤモクメキリガの幼虫は、グミキャンディみたいに半分透き通っている。

 

今にも羽化しそうなジャコウアゲハの蛹。

 

栗林には羽化したばかりのようなジャコウアゲハの成虫も。

 

肩の力、抜きなよ、といってやりたいジョウカイボン。

 

シラオビキリガの幼虫。ちなみにこの荒れた手のひら(失礼)は私のじゃなくて、森上さんの手。

昆虫写真家は苦労が多いことが、手を見ればわかりますね。

 

 

くっ!8センチもあるタケカレハの幼虫。

頭部にあるこの黒い毛束に毒が。

 

ラッキー~日本最大のサシガメ、オオトビサシガメの産卵シーンに出くわした!

サシガメの卵は細長い瓶のような形をした、工芸品のように面白くて美しいものが多い。

産み終わったお母さんがどいたので、近寄ってみると、妖精のコーラの瓶を横に積んだような卵塊

16卵ある。

まるで接着剤のような液体におおわれて葉にしっかりくっついていた。

 

あら、またアヤモクメキリガだ。これはカラスノエンドウで食事中。

 

オオノコメエダシャクの幼虫。太めの派手好き。

 

キマダラカミキリ。

 

菜の花でナガメ交尾。

 

トビネオオエダシャクの幼虫。

 

チャバネフユエダシャクの幼虫。

 

歩いていたら、通りすがりの初老の夫婦が「何をしているの?」と。

虫を探しているんです、というと、おくさんのほうが、

「あら、虫ならここにもいるわ」と・・・・・・

わっ、きれい!

キャンディカラーのシロジマエダシャクの終齢と思われる幼虫だよ~

通りすがりのおくさん、Good Job !!!

 

 

脱皮直後のヨコヅナサシガメ。

 

すぐ指に乗ってくる怖いもの知らずのナナフシモドキのこども。

 

これは「道端観察会」でSさんが見つけてくれたイボタガの卵です。

 

新緑にひっそりとツリバナ。

 

アリの行列についていったら、アリに擬態しているアオオビハエトリが、

行列のまっただなかに突っ込んでしまったみたいで、パニックに陥っていた。

よく見ると青色の光沢が美しい大好きなハエトリグモ。

 

これもアリの行列にちょっかいを出していたツノトンボの幼虫。

 

ところでキンケノミゾウムシって知ってます?私は知りませんでした。

『むしの顔』の著者でもある伊藤年一さんが見つけて『月刊 むし』で報告されています。

詳しくは→http://s.webry.info/sp/tnntohmusi.at.webry.info/201205/article_7.html

これはクリの葉っぱ。上端にくねくねした跡があります。

キンケノミゾウムシは潜葉性のゾウムシで、繭をつくるために

こんな風に葉の中を這っていって、その先に繭をつくります。

中央の葉脈の近くにある丸い穴は、その繭を切り取って、地面に落ちた跡。

 

驚くのはこのあと。

地面に落ちた繭はぴょんぴょんと、飛び跳ねる!

まだ中に幼虫がいる場合はこんな感じ。

 

繭のまわりが切り取られて、今にも地面に落ちそうなのもある。

 

中にはこんな幼虫がいた。

 

 

ケブカサルハムシ・・・・・・に修正します。何を寝とぼけたのか、はじめはゾウムシ(ゾウムシには見えねえ!)、

次にケブカハムシの仲間、と書いてしまい、ある方のツイッターのつぶやきで

正しい名前が判明。謹んで修正いたします。

 

イチモンジチョウの4齢くらいの幼虫。

 

顔はトゲだらけの「ウニ顔」。

不思議な形態のウラゴマダラシジミの幼虫。

 

3回も見たきれいなガはオオギンスジハマキ。オレンジ色の燐粉地に黒銀色の模様をこってり塗り盛った装いが粋。

 

この日は天野さんが「昆虫記者のなるほど探訪」で森上さんを取り上げる記事の取材日でもあったので

最後に、暗闇のなかでバックライトを使う撮影法を森上さんが実演。

虫友たちのおかげで、最高のGWでした。