鈴木海花の「虫目で歩けば」

自然のディテールの美しさ、面白さを見つける「虫目」で見た、
身近な虫や植物の観察や飼育の記録。

『俺はチョウをやるから、お前は毛虫をやれ』

2018-04-28 07:15:28 | 日記

『毛虫のボロ』のパンフレットの後ろに、宮崎駿と養老孟司の「世界は人間だけのものじゃない」という対談があります。

そのなかで養老先生がとっても面白いことをおっしゃっているので、ちょっと長いけれど、以下書き写してみます。

『毛虫ってガとかチョウになると口がストロー状になりますよね。そんな風に成虫が幼虫とは全く違う形状に変化するものを完全変態っていうんです。

どういう仕組かというと、毛虫の中に将来成虫になるひとかたまりの細胞があって、サナギの段階で幼虫の細胞は全部死んで親になる細胞群の栄養分となり、チョウが誕生する。これって寄生虫と同じ原理なんです。ただし現在の寄生虫のように宿主を殺さない。

2種類の別な虫が「俺はチョウをやるから、お前は毛虫をやれ」と上手に折り合ってしまう。

普通生き物は古い旅館と同じで、建て増しを繰り返して変化していく。だから元の状態を完全には壊せないはずなんです。それがあれだけ新しく変わってしまうということは、進化の過程のどこかで遺伝子同士の話し合いがあったんじゃないかと思うんです』


宮崎駿作『毛虫のボロ』

2018-04-27 13:15:12 | 日記

  昨日は三鷹のジブリ美術館へ、宮崎駿監督のショートムービー(15分)を観に。

 

三鷹駅から玉川上水沿いの道をジブリ美術館まで、娘と30分ほどかけて虫を観ながら。

アカガネサルハムシとか、いろいろいる楽しい道。

 

 

着きました。

けっこう並んでいる。

 

ほんもののフィルムが入っているチケットがステキ!

 

 

場内に「ぞわゎ~」と、低いうめき声のようなものがおこったのはこのシーン 笑。だよね~ 

 

 で、映画『毛虫のボロ』はどうだったのよ?といえば、良かったよ!

その分野の頂点にたった制作者が、営業的なこととか考えずに、もうやりたいことを思いっきりやっちゃう、といういろんな意味でのすごい映画。15分たらずのショートムービーですが、気迫がすみずみまで溢れていて濃い。

ただ私は、タモリの音声は邪魔っていうか、名人芸みたいなのはいらなかったのでは、と感じた。いわゆる音楽はなくて、ほぼ全編タモリの声音芸みたいな音があるのだけれど、それがあまりに前に出過ぎで、内容が置き去りになりそうな場面も。
観た人に「ジブリの映画を観た」「タモリの声音芸がすごかった」ってことが内容より残りそうな気がする。


 でも毎日イモムシケムシと暮らしている身としては、どれもこれも「あるある」でした。最後のほうに女の子のスカートにボロがくっついていっちゃうところ、気づいたおかあさんが葉っぱにのせて、それをふたりでマンションから下にひら~って落とすところとか。ふつうはそうだよね。

 

落ちたところがボロの食草のボロギクじゃなくてヒイラギの生垣だったりするのも、ありがちな状況。 

そして、ボロは最後にはなんとか食草にたどりつくことができ、めでたしでした。

 

 

帰りに「ボロ・グッズ」も買って。

このピンバッヂ、帽子につけよう~

帰り道も駅まで1時間くらいかけて、虫をみながら歩きました。

『毛虫のボロ』は8月末まで三鷹の森ジブリ美術館、上映されているようです(要予約)。


「負けん気顔」が好きです

2018-04-26 07:07:18 | 日記

 コナラの葉で見つけたムシクソハムシ。

虫のフンのように小さくて、鳥にも見向きもされないけれど

よく見るとけっこう強気な「負けん気」あふれる顔つきをしています。

はっけよ~い、みたいな。

 なにくそ、みたいな。

真剣に生きてる、みたいな。

でも生きるのはたいへんだ、みたいな

 

 

「フン」が、「虫」に変わる瞬間。

ムシクソハムシは大好きな虫。

観察をつづけて、いろんなシーンを見たいな。

 

あの美しい繭をつくるところを観たい、と

ウスタビガ幼虫を飼育しています。

繭ももちろんだけれど、幼虫も美しいのじゃぁ。


近所散策

2018-04-23 16:43:48 | 日記

 30度から一気に10度も気温が下がった霧雨模様の今朝。

玄関ドアをいつものようにそおっと開けると、

灯りの下にシールみたいにピタッと

キマダラツバメエダシャク

 

床ではハングロアツバが交尾していた。

 

飛びにくそうなクロハネシロヒゲナガ

 

クロヒラタヨコバイ

 

ヨツボシハムシ

 

アオハムシダマシか?

 

花の終わったフジにおとしぶみ4通

 

くっきりとトンボエダシャクの幼虫

 

ナナフシモドキ幼虫もひとまわり大きくなっていました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


雨上りの道で、「フンコロガシ」に会った!

2018-04-18 19:32:10 | 日記

 午前中はけっこう降ったけれど、お昼頃陽が出てきたので

近所を散策。

 

 と、センチコガネが犬のフンを!ころがしている。

あれ、国内にはいわゆるフンコロガシは生息していないんじゃなかったっけ。

でも、ころがしてる。

頭からつっこんでタックルしたりもしてる。

調べてみたら、まれにセンチコガネもフンをころがす、と。

こらこら、どこ行くの?まだ運び終わってないじゃん。

30分くらい観ていましたが、時間かかりそうだったので

1時間後にもどってみると、フンはそのままで、センチコガネはいませんでした。

 

 「ん?」

 

 

念のため、触ってみました 笑

 

 

 

サツキの生垣の奥には、トビサルハムシがいました。

 

ヤマフジのある風景、いいなあ。

 明日は朝から始動しよう!