鈴木海花の「虫目で歩けば」

自然のディテールの美しさ、面白さを見つける「虫目」で見た、
身近な虫や植物の観察や飼育の記録。

田んぼの水にうつるホタル。その様、いと、をかし。

2013-06-28 09:49:32 | 日記
 拙著『虫目のススメ』の表紙や中ページのイラストを描いてくださった竹上妙さん、宇佐美朋子さんといっしょに、昨夜は小野路へホタルを観に。

 18時過ぎに鶴川の駅で待ち合わせ、竹上さんの妹さんの運転する車で、
小野路にあるホタルが見られる場所へ。

こんな素敵なところ。

久しぶりに雨の落ちてこない一日で、空はまだ十分に明るい。
暗くなるまで虫を探そうと、4人でぶらぶら。

日暮れ時というのは、なんだかものがよく見えなくなる時間で、
こんなに虫がいそうな場所なのに、見つかったのはテントウムシやコガネムシくらい。


 7時半ごろになると、暗くなってきた。
すると、池のあたりから、「ヴォ、ヴォ」というような、いかにも大きな共鳴器官を震わせて鳴くような
ウシガエルのバリトンの声が聴こえてきた。

鳴いているカエルの姿を見ようと、頭から池につっこむ竹上妙。


 その時、向こうの道に、シャカシャカとした足取りでおばさんがひとり登場した。
Tシャツに前掛けをしめているので近所の住人らしい。

「なにしてんの?」と、いきなり大きな声で訊いてきた。
「カエル、探してんです」
「カエルぅ?そんなとこに、いないわよ」とおばさん。
声が大きいので、それまで虫やカエルや鳥の声でのどかだったあたりの雰囲気が一変。

 あんまり関わりたくないなぁ~と、遠ざかるようにぶらぶらしていると、
「あんた、どっから来たの?」
「ん?えーと、わりと近く、むにゃむゃ・・・」と、竹上さん。

「あんたは?」と、次々と身元調べがはじまった。
みんな適当に、はぐらかす。
「ふーん」と、おばさん、おもしろくなさそう。

 でも、すぐに態勢をたてなおすと、
「ホタルねぇ、きょうはねぇ、気温がひくいからどうかしらねぇ」
どうやら、おばさんはごく近くに住んでいて、毎日ここにホタルを観に来ているらしい。
ここのホタルに関しては、誰よりもアタシがよく知ってんのよ……っつうか、ほとんど「アタシのホタル」っていってもいいくらいぃ・・・・・・といったようなことを言いたいらしく、
今年のホタル情報をひとりでしゃべり続ける。
来訪者の身元調べも、遠くから観にくるくらい「アタシのホタル」はすごいのだ、
そんなすごいものをアタシは毎日観れちゃうんだ、クククッ、
ということを納得したいためと見える。

 私たちはなんとなくおばさんを敬遠気味に、ぶらぶらしていると、
「いつもだと、もう光る時間だわよ」といいながら、
道の上のほうへ歩いていってしまった。

よかった!
やっと静かになった。
暗闇のなかから、いろんな生きもののたてる音が聴こえてくる。
しかし、水草がみっしり覆った池を見つめるも、ホタルの光は見えない。

「しょうがないから、あっちに行ってみようか、おばさん、いるけど」と、
私たちも、さらに道を奥に歩く。

 そろそろ8時。しっかり暗くなってきた。

 上の田んぼのふちに立っていた例の仕切りおばさんは、
私たちの姿を見るや元気づいて、「ほら、見てなさい、あのあたりで、もう光るから」

 しばらくすると、おばさんが指す方向とは反対の、道の後ろ側の雑木林のなかで
あ、光った!
ホタルだー。

ちょうど頃あいなのか、おばさんの見ている方でも、光りだした。
「ほらほら、あそこぉ、いま光ったわよぉ。でも一番すごかった日は、100匹くらい見えたのよぉ。
でもそれを観れたのは3人くらいかしらねえ」
そのとき、カップルが一組登場。
街灯の下で1匹捕まえたらしく、掌に載せて鑑賞している。

妙に静かなカップルだ。


 道の奥には、水を張った田んぼが広がっていて、その脇のあぜ道の奥あたりがいちばん数が多い。
「あそこに行ってみようか?」
「うーん、あの道はいちおう禁止の札がたってるから、アノヒトもいるし、ちょっと様子見てからにしようよ」

 すると、仕切りおばさんが、すたすたと、そのいちばんホタルがいる地点に向かって、
あぜ道を歩き出した。
私たちも続く。

けっこう耳元でブーン、と翅音をたてて、上着の裾にもホタルが止まる。
写真を撮っていると、おばさんが「懐中電灯もってあげようか」
と寄ってきたので、「だいじょうぶです」と即、断る。

 きょうは、初めてくる場所だし、真っ暗で足場も悪いだろうからと、コンデジだけで一眼レフはもってきていない。
どっちみち、飛んでいる写真は撮れないだろう、と最初からあきらめている。
せめて虫の姿を撮ろう。
「ホタルの光の軌跡を撮るには、三脚とかもないと・・・・」と言いかけると、
「そのカメラじゃダメよ!」とピシャリ。

 そして仕切りおばさんは、あぜ道からもといた道にもどり、
「あんたたちも、そっから出なさいよー、これから人がどんどん来るんだからぁ、みんなマネするからぁ」
と、笛でも持っていたら「ピーッ!」と吹きそうな勢いで言う。

 私はもういいかな、と思っていたので、道に戻った。
竹上さんと宇佐美さんはまだ、あぜ道の奥にいて、おばさんがなんど叫んでも、聞こえないふりをしている。
 おばさんがあんまりカッカして、何度も叫ぶので、そのうちみんなもしぶしぶ道に戻ってきた。

 夜光るホタル(昼行性のホタルもたくさんいる)っていうのは、虫を観るっていうより、
その環境がつくりだす風情を楽しむもの。
ホタルそのものは、虫のなかでそんなに美しいわけでもなく、
幼虫に至っては淡水の貝類であるカワニナなどをむしゃむしゃ食べるかなりグロテスクな姿。
暗いからこそのホタル人気。

 今夜は蒸し暑くなるかと思いきや、かなり気温が低く、上着を着ていても肌寒い。
Tシャツ姿のおばさんは、「この気温じゃこんなものねー。明日の方がいいかもよ」
と、捨て台詞を残して、帰って行った。

 わーい!やったー
やっと静かになったー。
みんなで、しばし暗い水田の上を見つめる。

 すると、水をたたえた田んぼの上を、1匹、2匹・・・・。
ホタルの光が、驚くほど明るく田んぼの水に反射して・・・・・・その様、いと、をかし。

 そろそろ引き上げることにして、叢にいた1匹を手にのせてみる。


 ここのホタルはゲンジボタルで、このようにオシリの2節が青白く光るのはオスらしい。


 ホタルも堪能したし、すっかり体が冷えてきたので、
「なんか、あったかいもの食べに行こう~」
「おなか、すごくすいちゃったー」

 いい夜でした。
 (おばさん以外は・・・)



 




 


 

 






 


 

虫も、虫友もたっくさん!『虫愛づる一日』

2013-06-21 19:28:00 | 日記
6月15日、オオムラサキセンターで今年初めて羽化したオオムラサキ(オス)
 

 昨年9月に北杜市オオムラサキセンターで初めて開催した『虫愛づる一日』は、
上陸台風に直撃される、という最悪な天候のなか、奇跡的に野外観察の時間はいいお天気、という幸運に恵まれました。

 でも、もう台風の心配はゴメンだよね~、ということで今年は6月に設定。
梅雨ではあるけれど、6月は虫が濃いし、梅雨の晴れ間もあるだろうと、
オオムラサキセンターの若干24歳「虫ガール」―いつも元気いっぱい、仕事は優秀―な渥美友里子さんと、日程を決定したのです。

 ところがなんと開催の前から台風3号発生のニュース。
  ずっと「晴れ女」でやってきた私、いつから雨女になってしまったのか……
きけば渥美さんは生粋の「雨女」だそう。
このコンビで催しを計画すると…雨女×2=台風。


 『虫愛づる一日』は、午前中の野外観察と午後の講演会という、
アウトドア&インドアで一日中、虫を楽しみ尽くしてもらおうというのが、趣旨。
 山梨県内はもちろん、九州、大阪、愛知、静岡、埼玉、千葉、神奈川・・・
と各地から参加者がやってきます。
 その数60名。下は2歳から上は60歳代まで、年齢性別もさまざま。

 虫の好きな人たちにとっては、いかにたくさんの虫を見られるかどうか、が満足感を左右します。
 雨天の場合に備えて渥美さんと知恵をしぼり、「雨の日プログラム」を考え、準備はしたものの……
 やっぱりみんなでフィールドを歩きたいよ~。

 今年は前泊して準備しよう、と前日15日お昼前に日野春駅に到着。



 駅前の道を渡ると、すぐそこが宿泊予定の旅館『志満屋』さん。
ちかっ!
あっ、イベントのポスター!





 オオムラサキセンターへ行くと、なんとこの日、今年1頭目の羽化。



 私の他の前泊組7名といっしょに、雨が落ちてこないうちにさっそく観察会の下見にフィールドへ。


 オオムラサキセンターから歩いて数分の場所に広がる、棚田を含むフィールドは、
 おおっ、すばらしく濃い緑とさわやかな風!


 う~ん、きもちいい。
 明日もこうだといいなあ……。



 フィールドの入口のつり橋の両側に生えているエノキでさっそく、
オオムラサキの終齢幼虫ムーちゃん発見。

 去年9月に見た時にはまだ2センチもない3齢幼虫だったのが、まるまると太って、立派な終齢幼虫に。
 そして次々といろんな虫が見つかった。

ヒメナガメの5齢幼虫?


ヒメシロコブゾウムシ。


この虫、なに???




あっ、ウスタビガの繭。蛹入りの繭を見るのは初めて。


ヨツボシツツハムシの斑紋変異?


ブチヒゲカメムシ。


ん?虫の卵?と思ったら、スミレの種でした。妖精のおやつみたいにかわいい。


初めて見たフノジグモ。名前の由来は「不」の字に見える黒い斑紋。


マイマイガの幼虫があちこちに。


キョトン。


毒がありそうだけれど、触っても大丈夫な人もいるらしい。アレルギーなどがある人は触らないほうが無難。っていうか、言われなくても触らないか。



 お昼は、オオムラサキセンターの石釜で焼くピザ。

これが美味しいんだなあ。
緑色のユニフォームを着ているのが渥美さん。


 その後でまたフィールドへ、こんどは明日のお弁当を食べる場所を見つけに。
日なたでおべんとうもつらいので、あちこち見てまわり、やっとここにしようか、と決め、
センターへもどり、私は翌日の講演などの準備にかかろうと思った時・・・・・・・雨。
さあーっと降り出して、本降りに。
ああ、やっぱり、降るのか……。

 夕方までいろいろ打ち合わせをして、宿に夕食にもどるころにも、一向に雨は降りやむ気配がありません。

 
 すっかり暗くなった8時ごろ、いっしょに宿に泊まっているみんなは、合羽を着て雨の中、灯りに集まるガを観に行くという。
 容赦ない雨の音に、渥美さんと私は宿のロビーで、
いよいよこれは明日雨が降るのを覚悟しなくちゃ、と憂鬱な顔でさらに打ち合わせをする。
なんとか明日きてくれるみんなに、この地域の生きた虫を観てほしい―虫がいてこその『虫愛づる一日』だ。

 すると、渥美さんがいいました。
「わたし、明日の朝、明るくなったらすぐに虫、探しに行きます。
それでできるだけ捕まえておいてせめてみんなに見せたい」。
 そこで、私は出かけようとしている前泊組のみんなに、「お願いがあるんですけど」と。
「あの、もし今夜虫を見つけたら、捕まえておいてほしいんです。明日のために」
みんなの顔がぱっと輝いた。
「まかせてー!」
 みんなはありったけの容器とかビニール袋をもつと、降りしきる夜の雨の中、出発していきました。

 フィールドでおべんとうを食べられない場合は、どうするか、などなど、打ち合わせをつづけていると、1時間半後、なんだか宿の玄関が騒がしい。
 出てみると、虫さがしに行ったみんなが、玄関わきの柱を観ながら、盛り上がっている。
「オオゾウムシですよ~」
えっ、ほんと?こんなところに?「見たことなーい」。


騒ぎを聞きつけて、宿のご主人が出てきたので、「すいません、騒がしくて」というと、
「いえいえ、オオゾウムシいっぱいいますよ。夏になると夜の観察ツアーもやってます。
ぷんぷん匂うほど、樹液を出す樹がいっぱいありますからね。日野春駅の構内にも、虫がいっぱい集まりますよ」と。

 雨の夜はガがいっぱい。









ウスイロトラカミキリ?


アシナガオニゾウムシ。



駅の中にはカエルもね。


 みんなが集めて来てくれた虫の数におどろいた。
雨が降っていても、こんなにいるのか!

採ってきた虫を撮影する前泊組。
これらは渥美さんにセンターへ持ち帰ってもらって、容器に移してもらうことにして、10時半に解散。


 翌朝。
 雨はしっかり降りつづいていた。
 朝食前に、みんなでまた宿のまわりで虫さがし。
 すると、すぐ脇のエノキにナナフシモドキがいっぱい。

 まだ10センチくらいの幼虫だ。

 その先の畑の一画に枯れたレースフラワーがあって、茶色くなった実に、
「あっ、アカスジカメムシだー」。


声を聞きつけて、畑の持ち主がやってきたので「すいません、このカメムシいただいていいでしょうか?」と訊いてみると、
「どうぞ、どうぞ、もう虫だらけでねえ、この辺は」。
大阪から来ているIさんも育ててみたいというので、二人で採集~。



 そして、8時半。
雨が……止んだ!
雲が流れていく。
山梨の美しい山々の姿が、次第に見えてきたーーー。



開場です!


 まずは「びばりうむ」で、オオムラサキの幼虫「ムーちゃん」を観察。









たっぷり眠って、エノキの葉をおなか一杯食べて、5センチ以上に育った終齢幼虫。
次々に蛹化しているという。




 11時。八ヶ岳ジャーナルと地元テレビの取材陣やスタッフを含め、
総勢60人を超える参加者が、午前の観察にしゅっぱーつ!


 木漏れ日の中を行く。


 雨の後のフィールドは緑に輝き、みんなから「きれい!」と声があがる。



 『むし探検広場』園長の川邊透さん、『庭のイモムシケムシ』などで人気の川上洋一さん、そして私の3人が散らばって、みんなと虫を探した。

 梅雨の時期に現れるという、フィールドのまんなかあたりの大きな水たまりには、ゲンゴロウやガムシなどの水生昆虫も。



途中でいったん集合して、見つかった虫を報告。
私はみんなが見つけてくれた大型で超美麗カメムシ―ツノアオカメムシとヒメナガメを紹介(写真撮り忘れた)


この男子小学生に注目。
去年もおかあさんと参加してくれた、ツノゼミが好きというK君。
なんと今年は、カメラが一眼レフにパワーアップ。一眼レフが様になっているところがスゴイ。
K君が見つけたのはアオスジカミキリ。

「いろんな森」というブログもはじめたそうです。





ヤツボシハムシ。


名前がわからなかったこの虫は、ヒゲナガカワトビケラとおしえていただきました。


モンキクロノカスミカメ。


フタスジモンカゲロウ。


ヒオドシチョウ。


ハラビロヘリカメムシ。


ナガカツオゾウムシとおもったら、川邉さんから「どうもアイノカツオゾウムのようです」と教えていただいた。カツオゾウムシにそんなにいろいろ種類がいるとは初めて知った。



まだ名前を調べていないガ。



羽化中の白いガ。


ヤマオニグモ?



モンキチョウ。


コブハサミムシのオス。


クロモンベニキバガ。


交尾するコフキゾウムシ。


肉食のクチブトカメムシの一種の幼虫。


ギンツバメ。


孵化したばかりのカメムシの幼虫。クサギカメムシか?


キイロトラカミキリ。


カメノコハムシ。


羽化したてと思われるきれいなカメノコハムシ。



ミバエの仲間?



カメノコテントウだーーー。
見たい見たいと思いながら、なかなか見つからず、初見。





さわやかな空気のなか、思い思いにフィールドで1時間余り、虫さがし。


 お昼ごろに雨、という予報があったため、朝の時点でランチ交流会はセンターのウッドテラスで、
と決めていたので、センターへ移動。
 60名となると椅子もテーブルも足りないので、テラスにシートを敷いてランチタイム。


ランチは、窯焼きピザと里山弁当だよ~

 センターのスタッフの方に用意していただいたエノキの鉢には、
なんと、オオムラサキに加え、いまみんなで見つけてきたウスタビガ、クスサン、ヤママユの終齢幼虫たちが勢ぞろい。
 またテラス横のスペースの長テーブルには、きのう前泊組のみなさんが集めて来てくれた生き虫たちが入った容器が40個くらい並んで、お弁当を食べ終わった人たちの目を楽しませていた。


ツートンカラーのウスタビガの終齢幼虫。


顔はこんな。7センチくらいある。


ヤママユの幼虫。


水気たっぷりで、グミキャンディのよう。



 1時半からは、映像室に集合して、講演会。

演台の後ろに立つと、かろうじて顔がのぞく私。





 私は『美しく、かわいく虫の写真を撮るには』をテーマに、
Q:「いつも何を撮りたいのか、よくわからない写真になってしまいます」
Q:「飼育の記録を写真に撮ったのですが、ごちゃごちゃしてわかりにくい上に、虫の魅力が引きだせていない写真になってしまいます」
Q:「小さい虫を撮ると、ピントが合わず、ボケてしまいます」
といった質問に答える形でお話をした。

小さな虫を撮るのに最近使っているニコンの実体顕微鏡ファーブルフォトを使って、3ミリのグンバイムシを撮る実演も。

 川邊透さんは、『虫愛づる姫君のための図鑑選案内』という題で、その豊富な図鑑コレクションのなかから100冊の図鑑の特徴をまとめたプリントを用意してくださって、「図鑑の3大用途」「図鑑の3大要素」「昆虫図鑑の3類型」をテーマに、実にユニークな図鑑案内のお話をしてくださった。

 『庭のイモムシケムシ』『道端のイモムシケムシ』の著書のあるサイエンスライター川上洋一さんは、『虫だってモフモフ・プヨプヨ』と題して、ぬいぐるみのように柔らかい毛や、ゼリーと間違いそうな質感の、成虫とはひと味違う、イモムシ・ケムシたちの魅力を紹介してくれました。

講演後は、新著『虫目のススメ』の販売。


この日から、イラストレーター宇佐美朋子さんデザインのオオムラサキてぬぐいも販売開始です。

オオムラサキのオスとメス、そしてエノキの葉のムーちゃんとオオムラサキ一家勢揃いの色鮮やかな絵柄。
夏、野外を歩く時に、首元に巻くのにぴったりですね。
(オオムラサキセンターでの販売だけでなく、宇佐美さんの展覧会などでも販売するそうです)



 講演が終わると、こんどはテラスで「虫友タイム」。
きょう出会った虫友、再会した虫友たちと、虫の話で盛り上がって、親交を深めました。
 特に同じ種類の虫が好きな人との出会いは貴重。憧れのヨナグニサンを、ひとりではなかなか観に行けないので、いっしょに与那国島へ観に行く計画をたてはじめたガ好きの女子ふたりも。


石垣島からやってきて人気を集めたクロカタゾウムシです。
交尾しているから、繁殖するといいね。


 で、気がつくと…雨、一滴も降らなかったじゃん!!!
エノキの鉢を台車に載せて片付けはじめたスタッフのひとりが、
「結果オーライ~」と歌うように言いながら、ニコニコとそばを通り過ぎました。

 
 参加してくださったみなさま、
そして、オオムラサキセンターの跡部園長、
渥美さんはじめスタッフのみなさま、ほんとうにありがとうございました!!!

 最後は日野春駅の階段の踊り場で、エゾスズメがお見送り。

駅の踊り場で、なにやら真剣に見入るふたりの男たちは、




このエゾスズメを撮っていたのです。


  
 これから羽田へ向かうという九州から来てくれたIさんや、川邊透さん、イラストレーターの宇佐美さん、大阪から夜行バスで駆けつけてくれたMさん、美大生Tさんたちといっしょに最後の最後まで虫をさがしながら帰途につきました。

 それにしても、オオムラサキセンターのある地域の虫の豊富さは、すごい!
これも、センターはじめ近隣のみなさんの、地域の自然を守る努力の成果なのではないでしょうか。
 また絶対行きたい!日野春です。





 
 


 

 






『虫愛づる一日』いよいよ今週末

2013-06-14 07:30:25 | 日記

これはつくったばかりの、「カメムシ印」。
アニマルスタンプカワナさんでつくってもらいました。
絵柄は大好きなトホシカメムシ。
 

 さて、北杜市オオムラサキセンター『虫愛づる一日』、あさって16日が近づいてきました。
ほんとにたくさんの参加お申込みをいただき、びっくりするやらうれしいやら。
きのう申込みが50名を超えたそうです。
一家で参加してくださる家族が5家族。
女性が多いですが、男性も。
年齢は今回も、じつにさまざまです。

 前泊の方も7名。
15日、私は10時過ぎに日野春に着く電車で行きます。
駅前の志満屋さんに泊まる方は、朝からチェックインできるそうですので
他にご予定のない方は、荷物などを置いたら、オオムラサキセンターにお出でください(徒歩10から15分くらい)。

 15日午前中、私は翌日の講演などの準備をしますが、生態園や近隣ですぐ虫さがしもできます。
午後1時ごろから、センター近くの棚田のある里山に虫を観に行きます。
 もし時間があれば、おやつの時間に近くのここ和カフェでお茶するのもいいかな。

 15日夜は、もしかするとちょっと雨模様かもしれませんが、湿度の高い夜はガを見るのに最適。
暗くなってから、宿周辺の街灯や自販機の明かりを見てまわるのもいいかなあ。
いずれにしても、それぞれ好きなように、あまりきっちり決めないで柔軟にいきましょう。


 16日はお天気の心配はありますが、なんとか雨は落ちてこないだろう、と楽観しています。
楽しい一日になりますように。
オオムラサキセンターで、お会いしましょう!

 
 


  

 

『虫目のススメ』刷り上がった!

2013-06-12 20:20:51 | 日記
 新著『毎日が楽しくなる―虫目のススメ―虫と、虫をめぐる人の話』、きょう見本ができて送られてきました!



 本が刷り上がって、一か月くらいは、自分では読みません。
だって、すぐに間違いとか見つかったらショックだから……怖くて読めない。

 でも、うれしいな。
何度も手にとっています。

 全国の書店にいきわたるのは6月20日過ぎになるようですが、一番早く店頭に並ぶのは紀伊國屋書店本店、そしていま『あれもカメムシ?これもカメムシ!展』開催中のジュンク堂池袋本店だそうです。
私も自分の本が並ぶ頃、『カメムシ展』に行ってみようと思っているのですが、なんでもカメムシのいろんな匂いが嗅げるんだそう(笑)。 
 『虫目のススメ』には、『原色日本カメムシ図鑑』をめぐる著者たちを取材した記事が載っているので、
そのご縁で、光栄にもこのコーナーに並ぶそうです。

 また6月16日(日)に迫った、北杜市オオムラサキセンターでの『虫愛づる一日』では、一足先に販売いたします。



 ところで、不穏な天気予報にもかかわらず、催しにはたくさんの参加申し込みをいただき、
ほんとうにありがとうございます!
 前泊の方が7人もいる!というので、前日から虫まみれ、の2日間になりそうです。



 申込み受け付けは当初、人数制限を設けることになっていたのですが、オオムラサキセンターさんのご厚意により、より広いスペースをご用意していただけることになりましたので、まだ申込みを受け付けています

 去年は上陸台風に追いかけられながらも、たくさんの参加者のみなさんと、いいお天気のなか、観察会や講演会をすることができました。
 あの直撃台風を経験してしまえば、もう怖いものなんてありませんっ!
 今年は、雨の日プログラムもバッチリですしね~。
 今のところ予報では、当日は曇り。
 ピーカンのもとでの虫目歩きより、曇りのほうがいいかも、と思っています。

 先週末、長池公園で見つけたシキミグンバイ。

 このところ、グンバイムシにはまっています。
オオムラサキセンター周辺でも、グンバイ探ししようと楽しみにしています。

 飼育中のミヤコキンカメムシも3齢に。


 そして、さっき4齢に脱皮しました。


 オオムラサキセンターには、この幼虫たちも連れて行くつもりです~。

 

 

 
 

雨が降ってもだいじょうぶ!『虫愛づる一日』雨プロ

2013-06-05 07:35:08 | 日記


6月16日に開催予定の、山梨県北杜市オオムラサキセンターでの
『虫愛づる一日』。
9月開催の去年は台風に追いかけられ、そして今年は梅雨のさなか。
雨降りだったら、ランチタイムはオオムラサキセンターのすてきなウッドデッキで、
講演会は映像ルームで、と午後のプログラムはインドアなのですが
午前中の生態園と里山観察会の時間にはなんとか雨が落ちてこないことをひたすら願って。



 でも雨が降ってもだいじょうぶ!!!
センターの担当スタッフ―いつも元気いっぱいの虫ガール渥美友里子さん―といっしょに、
雨の日の場合のプログラムを考えました。

 天候にかかわらず、開始時間は10:30です。
『むし探検広場』園長川邊透さん、イモムシケムシの著書のある川上洋一さん、
そして私とみなさんで、午前中は観察の時間です。

よほどひどい雨でないかぎり、生態園「びばりうむ」でまずはオオムラサキやいろんな幼虫たちを観察。
その後、室内にオオムラサキの終齢幼虫「ムーちゃん」をとまらせたエノキの鉢を用意。心ゆくまで、いろんな角度から表情豊かなムーちゃんを撮影できるようにします。

  またニコンの簡易実体顕微鏡ファーブル4台で、小さい虫や虫の細部(口とか眼とか)を観察するコーナーも。
 カメラを接続できるファーブルフォトEXでは、実体顕微鏡で見たものをそのまま撮影できますので、お土産画像を持ち帰りたい方は、ご自分のSDカードをご用意ください。
 私はこのところ、ファーブルでグンバイムシを見て、撮って楽しんでいます。
ファーブルの倍率は20倍なので、グンバイのような3ミリくらいの虫は全身が見えるし、動きも少ないので
好適。


これはアワダチソウグンバイ。四角っぽい体が軍配にそっくり。



もっとも身近にみられるツツジグンバイ。
翅が虹色。
 グンバイは日本にいるだけでも70種以上とか。


 オオムラサキセンターでは生き虫もたくさん飼育されているので、これらの虫たちも室内観察に参加。
またこの日、石垣島からあのかわいくて硬い(車にひかれてもつぶれないほど硬い体)クロカタゾウムシもやってきます!
なかなか見られないゾウムシなので、この機会にぜひじっくり観察してみてください。

 お昼頃まで、こんな感じで観察の時間を過ごしますが、
その間、もし雨が止むようなことがあったら、即、外に出て虫を探します。

 雨の場合、ランチ交流会は、屋根のある半野外のウッドデッキで。
 午後のプログラムは講演会なので晴れでも雨でも変わりません。

 今年は講演会のあとに、より深く虫友と交流していただけたらと、
「虫友タイム」も予定しています。
自分と同じ虫が好きな虫友、見つけよう~。
講師たちに質問などもお気軽にどうぞ。

 あっ、そうだ、イラストレーター宇佐美朋子さんの新作オオムラサキてぬぐいも、
イベントの日から販売開始!
楽しみです~。