鈴木海花の「虫目で歩けば」

自然のディテールの美しさ、面白さを見つける「虫目」で見た、
身近な虫や植物の観察や飼育の記録。

ヤママユガ降臨

2018-08-30 08:28:28 | 日記

 今朝は門燈にヤママユガが飛来しました。

ここに住み始めて1年弱。

ついにヤママユガが来てくれて感無量。

翅を広げると15,5センチ。大きい!

 

 

 

 でも実は、庭に置いたケージのなかには、一昨日羽化したばかりの

無交尾のメスがいる・・・・・・。

でも、オスが来たのは門燈のほう。

フェロモンより灯りの方が魅力的だったのかー今夜は門燈を消しておこうと思います。

ファーブルのように、フェロモンの力を信じて。

 


たてつづけに羽化

2018-08-28 17:32:41 | 日記

 卵から育てた繭をいれた鉢にネットをかけて、ヤママユガなどを飼育しています。

いつもはウッドデッキに置いているけれど、昨日は荒天だったので

玄関に避難。

 すると、ヤママユガ、アケビコノハ、アカタテハがたてつづけに羽化。

翅を広げて13センチくらいある。

 

メスでした。

 

アケビコノハの眼って、大きいよね~

 

下着の模様もちらっと。

 

アカタテハ

 

 アケビコノハは飛んでいきましたが、ヤママユガはもう一晩泊まっていってもらうことに。

 未交尾のメスなので、ケージにいれたまま、玄関の外で夜を迎えれば・・・ドキドキ。

 

 

 

 

 


草むしりでいろいろ

2018-08-23 16:10:14 | 日記

 涼しい朝には家の周りでちょっと草むしり。

 

 と、

アカスジシロコケガ。黒い点が2つだからメス。

 

 

アケビコノハの若齢幼虫。まだこんな小さいのがいるんだな。

 

 

門燈にはアゲハモドキ。

 

 

カラスウリの新芽にはトホシテントウ。

 

 

ホオズキカメムシ

 

 

シロコブゾウムシ

 

オジロアシナガゾウムシ

 

 

クロコノマチョウの幼虫

 

 

初めて見たツマグロスケバ

 

 やっぱ草むしり、やめとこ。

 

 

 

 

 

 

 

 


精霊トンボと豆腐ランチ

2018-08-19 06:02:17 | 日記

 おととい15日は、家のまわりで精霊トンボ(ウスバキトンボ)が群れ飛んだ。

祖父母、父、母、叔父、従妹・・・亡くなったみんなが飛んでいるみたい。

ウスバキトンボは産卵前に、山地や草地をこうして飛ぶらしいけれど

なんとも風情のあるトンボだなあ。

 

神様の気まぐれなプレゼントみたいな風の気持ちいい昨日、

ハイイロチョッキリの産卵痕のあるクヌギのドングリを探したいと、里山へ。

あ、そうだツノトンボの卵なんかもないかなあ・・・。

7月29日の朝、我が家の玄関に来たツノトンボ。

今頃は、卵や幼虫が見つかるのではないか。

 

 農家の畑や家々が並ぶ道から、一歩林道へ入ると、あった、あった。

道に切り落とされたばかりのクヌギやコナラの枝付きドングリが。

それにしても、この切り口の切断っぷりには驚く。

どの枝も切り口はそっくり。

ハイイロチョッキリは大好きな虫なので、持ち帰って飼育してみることにする。

 

ブルーベリー農園に、ホソオチョウが飛んでいる。

(農園のなかなので、入っていくのがためらわれ、写真はないが)

初夏にこの近くでホソオチョウの幼虫を観ているので、このあたりで繁殖しているようだ。

 

 きょうは夕方から用があるのでそろそろ引き返そうか、と思っていたら

携帯にメール。

Iさんからだ。

「ツノトンボの卵見つけました!これから都内に行くので、お渡しできるのは月曜日になるので、

それまで孵化しないといいなあ」と。

私がツノトンボをもう一度飼育したいので卵か幼虫が欲しいなあ、と言っていたのを覚えていてくれたのだ。

渡すまで孵化しないでね、とツノトンボの卵を持ち歩いてくれているI さんが目にうかぶ。

うれしいなあ。

 

 初めてツノトンボの幼虫を見つけたときのあの驚きがよみがえる。

「これは・・・いったい何?」

 

アリの行列で狩りをするアオオビハエトリを観ていたときのこと。

ハエトリグモと同じように、アリを狙っているかと思われる見たこともない生き物が。

かなり前のことなので、全く知識もなく、ただただ?????。

調べてみてツノトンボの幼虫の姿だったとわかり、ああ、採集してくればよかったと後悔。

もう一度出会いたいものだ、と願っていたところ、一昨年卵を見つけて、孵化にはこぎつけたものの

都会暮らしの身には、肉食の幼虫にいいサイズのエサの供給がおいつかず・・・・・・飼いきれなかった。

 で、住む環境がすっかり変わった今、もう一度チャレンジしてみたい、と思っていた。

 ツノトンボの飼育は難しいらしい。

3齢まで育った幼虫はそのまま越冬するらしいが

羽化はどんな風におこるのだろう?

知りたい!

自分の目で見たい!

 

 帰り道、道に迷ってしまった。

県道を目指してとりあえず前に進む。

すると道の駅みたいな建物が。

野菜と卵をしこたま買い込んで、重いけど心ははずむ。

成熟したばかりのニワトリが初めて産んだ卵―初たまご25個入りとアローカナの青い卵もゲット。

卵好きの私にはたまりません。

 

 すぐとなりにある豆腐専門店で、豆乳ソフトクリーム。

風がとおる。

なんだか、行き当たりばったりの旅行気分。

風がとおる。

オカラドーナツや揚げ出し豆腐と豆腐ハンバーグも買ってきてここでランチしよう。

 明日はツノトンボの孵化に備えて、近所の小昆虫さがしをしておこう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


新開孝さんと「しわざ」さがし 2日目

2018-08-08 16:42:46 | 日記

 

 昆虫写真家 新開孝さんとの散策2日目。

この日は狭山丘陵にある里山公園へ。

昨日とひきつづき絵本作家のIさん、そしてレンジャーのKさんと私の夫も参加。

相変わらずの炎暑。

 しかしどうしても今日中にクリアしたい大事なミッションがある。

「いつでも撮れるから、そのうちちゃんと撮ろう」と思っている被写体って、あるもの。

そして、それがどうしても必要になる時がきて、ちょっと焦る。

新開さんにとってそのひとつが、母グモと卵、あるいは子グモがいる「カバキコマチグモの産室」だという。

時期的に今がちょうどいいらしい。

 

 公園に着くと駐車場でKさんが「2週間くらい前に、このオニグルミでスタッフがムラサキシャチホコの幼虫を

何匹か観ているんですよね」と。

「ええっーーー!!!」

今年1匹だけ見つけたムラサキシャチホコの幼虫が寄生が出てしまって、もう悔しいこと、悔しいこと。

Iさんと私は、まだ可能性あるかも、と探し続けていたのですが・・・・・・2週間前かあ。

何齢くらいだったのかにもよるけれど、もう蛹のステージにいっちゃってるかなあ。

この時期幼虫の成長は早い。

オニグルミの樹でオオミズアオの幼虫を見つけた新開さん。

まだこんな小さいのがいるんだ。

 

 「よっし!探そう」と勢い込んで探すも、ムラサキシャチホコの幼虫はみつからなかった・・・・・・。

  気を取り直して、本日のミッションに向かう。

 

 この暑さ、里山公園には私たちのほかに訪れる人もいない。

田んぼのヘリのススキを丹念に見ていくが、うーん・・・・・・「チマキ」はない。

 可能性のある個所をほぼ観終わって、最後のススキポイントへ。

あったー!!!

2つ。

 

カバキコマチグモは国内に生息するクモのなかでは最強の毒をもっているといわれている。

私の虫友も、好奇心から葉を巻いた「チマキ」を開けて、あっという間に噛まれ、

激痛と、手がグローブ状になっただけでなく、それから数か月間、だるさ、悪心、微熱など、体調が悪かった、

という。これを聞いて以来、私は「チマキ」には触らないようにしている。

 でもね、産室のなかの様子を撮影するには―開けるしかない。

 

まずはスケールを添えて外景を撮る。

 

こわい。

 

そして―

みんなが固唾をのんで見つめるなか、

新開さんがいちばん外側の葉をめくった。

すると、糸をはりめぐらした膜状のものが現れた。

そして、さらにこれを破ると―

出た―――!

おっきいーーー!

こわいーーー!

もうハラハラ、ドキドキしっぱなし

幸いにも、母グモは糸の膜の修復に忙しく、すぐ目の前の指を噛むことはなかった。

巣の奥には子グモがいっぱい

 

2つ見つかったもうひとつのほうも開けてみる。

カバキコマチグモは、母グモが子グモにその体を最初の食事として与える。

こちらの巣には、体液を吸い尽くされた母グモの体の残骸だけが残されていた。

 

炎天下でのスリル満点の撮影が終わり、ほっと。

里山の民家を模した休憩所の畳の上でお弁当&ごろり。

 

 メイン・ミッションをクリアしたので、ゆっくり休憩したあとは、のんびりと散策。

サブ・ミッションのエビイロカメムシも見つかった。

 

どっしりとしたクワカミキリ。

 

コスズメ幼虫。

 

樹液にはカナブンやクワガタやヨツボシケシキスイなどが

 

頭や体を樹皮の隙間につっこんで、一心不乱に樹液を吸っている。

 

ところで2日間新開さんと散策をして気が付いたのは、

ときどき見せる、こんな一見ぼーっとタイム。

 

でも、ハエトリグモ並みに虫目が8つぐらいありそうな「虫のしわざ探偵団団長」ですから、

きっと五感はフル活動して、まわりの環境を総合的に把握しているのでしょう。

 

 この日の最後を華々しく飾ってくれたのは、

新開さんが見つけたヤママユガの新成虫!

 

 

 

 

 

暮れなずむころ、窓の外をタマムシやトンボが飛ぶ「蜻蛉亭」で夕食。

ああ、 なんてぜいたくな2日間。

この夏のビッグイベントが終わり、私は今、ちょっとぼーっとしています。