鈴木海花の「虫目で歩けば」

自然のディテールの美しさ、面白さを見つける「虫目」で見た、
身近な虫や植物の観察や飼育の記録。

「むし塾」のマーク、できたよ

2014-02-25 22:49:38 | 日記


 昨日、一昨日と、2晩つづけて虫の夢をみました。
年に2,3回は、どこか知らない場所で、すんごく珍しい、見たこともない(実在はしないような)虫がたくさんいて大興奮、という夢は見ていたけれど、こんなにつづけてみるのは初めて。
昨日のは、家中にある飼育容器のなかで、次々に何十匹も卵から繭から、虫が羽化する夢だった。
いきなり卵から成虫が出てくるわけないけど・・・そこは夢だから。
 この時期、「虫恋しい」気持ちもピークに達しているとみえる。
 春まで、あと少し!



で・・・4月20日、自由学園明日館で開催予定の「むし塾」。
 教室の入り口に掛ける看板のマークができましたー。

 「虫が、なんかこう学んでいるようなさ、寺子屋みたいな感じがいいかな、塾だから・・・」
と、いつものように勝手な希望を言いつつ夫(中山泰)に頼んだら、こんなのをつくってくれましたー。
ちょっと窮屈そうに座っているオトシブミ、体色がシックでいいね~
みんなに付けてもらうネームプレートにも、このマークを入れよう。

 まだ開催まで2ヶ月近くあるのに、すでに参加申し込みが30名を超えました。
あと数名は席に空きがあります。
詳細は下記ご参照ください。


 「むし塾」一回目の講師は、野村昌史さん(『観察する目が変わる―昆虫学入門』の著者)。

フィールドに出るのが大好きな昆虫学者 野村昌史先生。


 日時:2014年4月20日(日) 13:00開講 15:00終了
                (12:00より教室の準備をします。お手伝いいただける方は12:00から入場できます)
 場所:自由学園明日館 大教室(定員35名)

 講師:千葉大学 大学院 園芸学研究科 生物生産環境学領域(応用昆虫学)准教授、農学博士
    野村昌史さん
参加費:1500円(3名以上の家族参加の方は割引きあり)
    *野村先生のご著書、宇佐美朋子さん、渡辺真由さん、竹上妙さんなどによる虫グッズの販売もあります)




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<「むし塾」って?>

 「むし塾」は、毎回(年内に何回開けるかまだわかりませんが)、昆虫学を専門に研究されている方々をお招きし、虫を観察・採集する上で、ぜひ知っておきたいことを教えていただいたり、疑問に思っていたことについて気軽に質問したり、また講師と参加者が楽しく虫の話や知識情報交換をできる、という、そんな場を目指しています。

 私がまさにそうなのですが、何年か観察を続けていると、実際に目にした虫はけっこう多いものの、なんだか知識や経験がバラバラに散らばっていて、脈絡がないため虫の名前や生態調べで苦労したり、間違ってしまったり、基本用語を正しく理解していなかったり……ということがありませんか?

 「むし塾」では、一般愛好家にもわかりやすい言葉や表現で、昆虫観察・採集の裾野を広げて虫の魅力を一人でも多くの人に知ってもらいたい、という思いをおもちの先生たちをお招きしたいと思っています。野村先生にそんな気持ちをお話したところ、ご快諾いただくことができました(やったーっ!)
 当日のお話の内容が決まりましたら、またお知らせします。



<こんな教室で>

 開催場所の明日館(みょうにちかん)は(JR池袋駅西口 メトロポリタン口より徒歩5分、目白駅より徒歩7分)、帝国ホテルを設計したフランク・ロイド・ライトの設計による自由学園創設時の校舎で、現在は国の重要文化財として公開もされている建物です。
 自由学園は、ともに日本の先駆的ジャーナリストであった羽仁吉一・もと子夫妻により1921年に創設。
その教育理念に共感したライトが校舎の設計を快諾したといわれています。
軒高を低く抑えて水平面を強調した立面と、幾何学的な建具の美しい装飾など、「プレーリーハウス 草原様式」と呼ばれるライトの作風がいかんなく発揮されている、シンプルで力強く、美しい建物です。(月曜休館、土日は月一回程度公開)

 明日館にはいくつかの教室や会議室があり、そのどれもがステキなのですが、「むし塾」が開かれる土日曜日は、結婚式などが行われることが多く、時間によってはほとんど空きがありません。


木製の机椅子が素敵な教室。


このお部屋もいいな~。でもここは朝の時間しか空いていない……


幾何学的なデザインの窓にカーテンが揺れる。



 かつて使われていた木製の椅子机のレプリカのある教室がいいなあ・・・など迷いましたが、第一回目はとりあえず、この「タリアセン」と呼ばれる大教室を使わせていただくことにしました。

机は自由に並べ変えていいそうなので、もう少しみんなの顔が見えるような並べ方にしようかな。

 今後、開講時間などについての参加者のご意見をききつつ、他の教室をお借りするなど柔軟に考えていきたいです。



<参加申し込みについて>

 参加申し込みは下記アドレスまでメールでお願いします。
siisaa@blue.ocn.ne.jp
(むし塾参加申し込み、お名前、連絡先メール、電話番号など)


 今回は第一回目ということもあり、準備の時間を多めにとっていますので、すでにご連絡いただいた方以外でも、手伝いますよ!という方は、どうぞ早めにおいでください。いっしょにやりましょう~!

 またほんとうは、時間内にお茶の時間を設けたかったのですが、どうしても参加費が高くなってしまうため、今回はあきらめました。なので、すみませんが、各自飲み物などご用意ください。
そのかわり、15:00以降もお時間のある方たちといっしょに、場所を移してお茶の場所を設けたいと思っています。こちらもお気軽にご参加ください。


 
 
 
 

 




 

本日発売開始だよ~天野和利さんの『昆虫記者のなるほど探訪』

2014-02-21 18:18:41 | 日記

時事通信社刊 『昆虫記者のなるほど探訪』は175ページ 1800円+税 

 昨夜はジュンク堂池袋本店にて、虫友である天野和利さんの初虫本出版を記念して、トークセッションを行いました。
 定員40名の「満員御礼」。ご参加ありがとうございました!

開場前に、時事通信社の撮影スタッフに動画を撮影されている天野さん。うまくすればヤフートップの映像トピックに載ることもあるそうだけど、オリンピックとかち合ってるしなあ・・・でも一応撮っとこう。



拍手に迎えられて、天野さん登場。



 で、トークをはじめたんだけど・・・・・

椅子に座ったとたん・・・なんだ、これ!?ま、まぶしー
どうもスクリーンに映写するためのプロジェクターからの強烈な光が、ちょうど私の顔に当たっているらしく・・・・・・でも、トークが始まったばかりで、とにかく話をすすめようと、位置をずらす余裕もなく目をしばたたきながら話はじめた。
 あとで、「海花さん、顔がライトに直撃されて、まだらになってましたよ」といわれ、えー、早く教えてよー。

 撮ってもらった写真の中にはこんな・・・・・・

顔にハンミョウがべったり映ってる。なぜか後ろの濃い影も表情もホラー風。

 まあ、自分では自分の顔は見えないので、まぶしさと戦いながらトークを続けました。




「いつも時事ドットコムの昆虫記者を読んでいる人?」ときくと、こんなに手が挙がった。天野さん、うれしそう。


「無料で読めるサイトと、書籍の違いは?」
「有料の書籍を買って楽しんでもらうのにどんな工夫が?」
などなど、私から質問。

 その後、画像を見ながら、本のサワリを紹介。
この本は4章で構成されている。

①「ハズレなし、お手軽昆虫名所めぐり」ー場所情報も充実の関東のスポット紹介。

    
②「昆虫記者と素敵な熱虫人」:養老孟さん、鳩山邦夫さんといった超大物虫好きと、メレ山メレ子さん、新井まゆこちゃん、それに私などの、取材記事。
 養老さんや鳩山さんの取材アポは、天野さんが自分で電話して、翌日すぐにOKをいただいたそう。一般公開されていない養老先生の箱根の標本館内部はとにかくゾウムシの標本だらけ、鳩山さんは広大なお屋敷のなかにお孫さんのための蝶飼育室を持っている、話を引き出すための渾身の下見、などなど天野さんのトークはいつものように、ストップをかけないと止まらない。

③「さらにディープな昆虫の世界」:時事ドットコム掲載時にダントツのアクセス数を誇った毒虫の話や、蛾を愛ずる川上多岐理さんの話。

「この本はね、なんと後ろにいくほど盛り上がって面白くなる構成になってるんですよぉー!ハハハっ」(でも、それって、ふつうじゃね?)と昆虫記者が胸を張る最終章④は「海外虫旅行で家庭崩壊の危機」:たしかに昆虫記者の連載コンテンツのなかでも抜群に面白いのがこの海外編。虫に興味のない奥様と息子さんと行く家族旅行のために、いかに綿密に作戦を立て、観光旅行と見せかけて虫を見る日程を巧みに組みこむか、その血のにじむような苦労を披露。

 
 そして最後に、昆虫記者流フィールドグッズを紹介。
ペッタンコになるプラスチックの吸い口のついた水入れや、
マレーシアに行ったときオランアスリの蝶採取人がみんな持っていたという黄色い紙(蝶が寄ってくる)、コンパクトにたためて柄の長さ調節ができて安価なお手製の網や蝶の飼育に欠かせない洗濯ネットなどなどを紹介。


 さて、聞いているみなさんは、よしっ、買わなくちゃ、という気になってくれたでしょうか?

 「エピローグ」によると、この本は奥様と息子さんに捧げられている。
そうだ、奥様や息子さんは、昆虫記者が本になるときいて何て言ったのか、訊くの忘れちゃった。今度訊いてみよう。

 


 最後に、私が先週行ってきたばかりの葛巻を紹介しつつ、特別ラベルのワインをみんなでちょびっとずつ試飲していただきました。


 ところで、このトーク会場のスクリーンの両脇の絵にお気づきでしょうか?
そう、正面左の3点が宇佐美朋子さんの布地に描かれたヨナグニサン、右の3点は竹上妙さんの新作『バッタ』を含む木版画。
いつもは名画が掛かっているこのスペースも虫の絵で、という私のワガママに、お二人が3点ずつ、数時間の展示のために重い額を背負ってきて展示してくれたのです。

重いのをありがとう!竹上妙さん(左)、宇佐美朋子さん(中央)。

宇佐美さんの作品。

竹上さんのポストカード。
ふたりの虫アイテムは、ジュンク堂7Fの昆虫本棚付近で販売しています。


あ、それかわいい!まだ試作だという宇佐美さんのハムシバッグ。

 会場の出口の机には、発売前の新著が山積み。
天野さんがうれしそうに、さっそく買ってくださった方にサイン。

 みなさんに帰りの挨拶をしていると、時事通信社のお二人の方から名刺をいただいた。
その名刺には・・・・・・まさかの驚愕の肩書きが!!!
 こんな虫ばっかりに夢中な天野さんみたいなジャーナリストは、もしかすると会社のなかで相棒もいない「特命係状態」なんじゃないか、と私は危惧していたのですが、とんでもなかった。
特命係どころか、昆虫記者は時事通信社さんの「期待の星」だったのです。
みなさん、改めて、天野和利の『昆虫記者のなるほど探訪』、よろしくお願いしますっ!



 会の後、近くの椿屋珈琲店で、お疲れ様会。
昆虫写真家の森上信夫さんはじめ11人、ケーキやお茶で、またまた虫の話で盛り上がり、
4月になったら、森上さんの案内で、小野路へみんなで観察に行くことが決定。
「あ、そういえば箱根の養老昆虫館のすぐそばに、うちのね、家があるんです。今誰も住んでないんだけど。夏にあそこで合宿したらどうかな」と竹上さんが言い出して、みんなの心は春から夏への楽しみな計画でいっぱいになったのでした。

 ところで、この会には兵庫から伊丹昆虫館の長島聖大さん、大阪からは虫ともだちの石田さんがはるばる来てくれました。
長島さんのお土産は、できたての『いたこんニュース』。表紙は現在開催中の『カメムシだらけに、したろか~』展のポスター。



 そして、石田さんからもらったのは・・・・・・
家の近所で見つけて累代飼育3代目というウスタビガのたまごだよ~

枝についているのはみたことがあるけれど、触ってみると、こんなに硬くしっかりできているんだ!
うー、楽しみ。

 寒い夜だったけれど、体も心も暑いくらいホカホカで帰路につきました。



 
 
 

 



















 

2月20日池袋ジュンク堂本店トークセッション=天野和利×鈴木海花もうすぐ!

2014-02-18 13:28:23 | 日記


 雪で難儀されている各地のみなさまに、お見舞い申し上げます。
 ここ数年、『虫愛づる一日』イベントでお世話になっている山梨県北杜市の「オオムラサキセンター」。15日、16日は積雪のため、やむなく休館されたそうです。
 でも館長の跡部さんは、休館日にも「雪かきお助け隊」として、睡眠時間を削ってがんばっていらっしゃる。


 ニュースで報道されているものの、他地域の人はイマイチ実感がわかず、こんな状況のなかでも旅行者が来て、びっくり、という場面もあるようです。 いったん旅行の計画をたててしまうと、かなりの悪天候でもそれを中止することは、なかなかできにくいもの。
 20日のトークに大阪から来てくださる虫ともだちのIさんからも「大阪はいつもより降ったものの、もうほとんど消えました。東京に行くのに、どんな準備がいるでしょう?」と連絡がありました。この時期に旅行を計画している方は、現地に問い合わせてから行くほうがいいですね。

 
 ジュンク堂での催しの夜も・・・雪予報。
 でも、天野さんも私も、準備万端でお待ちしています。
  そんななか、お越しいただく参加者の方々に、ほんのちょっぴりですが、カメムシのご縁で行ってきたばかりの、岩手県葛巻町特産のワインを味わっていただきたいと思っています。


墨絵のような、岩手県岩手郡葛巻町の冬の風景。


 これは今回葛巻を訪ねた記念に、石川忠さん、長島聖大さん(トークにも来て下さいます)、大久保清樹さんと私に、江刈小学校から贈られた特別のワインです。
 銘柄は「ほたる」。そしてラベルには江刈小学校のみんなと写した写真が!



 このビンは一生の宝物。でも中身は虫好きのみなさんといっしょに味わいたい。どうぞ、お楽しみに!そして、足元に気をつけてお越しください。

 葛巻訪問の記事は、このトークが済んでから、順にブログに載せていく予定です。(3日間分、長くなりそう)こちらも、どうぞお楽しみに。

2014年2月20日(木)午後7時半開始。『昆虫記者のなるほど探訪』出版記念トークセッション
申し込みは電話:03-5956-6111ジュンク堂池袋受付まで。






吹雪のなかJ-waveの「虫ちゃん」がやって来た

2014-02-09 09:07:13 | 日記

 きのうの昼過ぎ、降りしきる雪のなか、来週オンエアされる番組の収録に
J-waveの構成作家 長沼さんが我が家まで来てくれました。
 最寄駅にはタクシーが一台もなかったそうで、歩いて到着したときは
バッグのなかまで雪まみれ。

 女性の虫好きが増えている、というテーマで話をすることになりました。
ところで、取材の申し込みの連絡があったとき、どうしてこの話題を取り上げることになったのか訊くと、
「虫ガールという言葉をきくようになったことと、あと・・・私、昔からニックネームが<虫ちゃん>で、仕事場でもそう呼ばれているんです、なんか顔とか動きとかが虫に似ているらしくて・・・」
会うの、楽しみ!



 で、「虫ちゃん」はこんな人でした!

 そんなニックネームでかわいそう、といわれることもあるけれど、本人はけっこう気に入っていて、そう呼ばれることを全然気にしていないそうです。
 「虫顔」かどうか・・・言われれば、そんな気もする?(笑)
この仕事を始めて10年あまり、というとってもバイタリティにあふれた楽しい方でした。

 1時間ほど収録しましたが、編集して放送で流れるのはそのうちの20分くらい。
今までに、チェコの本や前著『虫目で歩けば』を出版したときに、ラジオで話をしたことがあるのですが、
物書きの私からすると、話したことがそのまま露出されるラジオはとっても難しい!
しかも、特定の虫好きの人たちだけでなく、不特定多数のリスナーに向けて、虫の話をするのは
なかなかたいへん。
 雑誌でも本でも講演でも、画像を使って虫の魅力を伝えることがほとんどなので
ラジオという媒体で、話言葉だけでどう虫の魅力を伝えればいいのか・・・・・・
 あまり上手にできたとは思えませんが、もしこの時間、よくラジオを聴くよ、というかたは
2月10日(月)~2月14日(金)の夜8時からの『JAM the World』(私の話は9時25分~9時30分の間、毎日3分くらいずつ)、聴いてみてください。

J-WAVE(81.3MHz) 『JAM The World』(20時~21時50分)
公式HP:http://www.j-wave.co.jp/original/jamtheworld/2月10日(月)~2月14 日(金) 
『JAM The World』内ワンコーナー『CASEFILE』(21時25分~30分ごろ予定)
radikoだと、パソコンやi-Phoneなどでも聴取可能。http://radiko.jp/


 今週水曜日から、いよいよ岩手県葛巻町にある江刈小学校へ、行ってきます!
東京の雪どころじゃなくて、寒いときはマイナス16度になるという葛巻。
またご報告します。

 そして、2月20日の池袋ジュンク堂本店でのトークセッション『昆虫記者のなるほど探訪』出版記念トーク 天野和利×鈴木海花』も近づいてきました。
参加申し込みは、ジュンク堂1F受付へ電話で。03-5956-6111

お茶付1000円。夜7時半開始。

 トークセッションというと、けっこう気楽なおしゃべりという感じですが、でも打ち合わせをいい加減にすると、往々にしてつまらない。生で見られればそれだけで来た人は大満足、という有名人やタレントでもない私たちですから、なんとか冬の夜、足を運んでくれた方々に楽しくてためになる時間を、と、この間打ち合わせをしました。
 昆虫記者こと天野さんは大はりきりで、虫観察を便利にするマル秘グッズとか、身近なものを利用した虫飼育グッズとか、実物を持参して、みなさんに見てもらったり、観察の秘訣をいろいろ公開するそうです。
 寒い夜だけれど、みなさんぜひ!おいでください。