鈴木海花の「虫目で歩けば」

自然のディテールの美しさ、面白さを見つける「虫目」で見た、
身近な虫や植物の観察や飼育の記録。

「選り抜きの昆虫関連書、私たちが選びました!」

2015-06-20 15:58:28 | 日記

 

 

7月11日から8月10日まで行われるジュンク堂池袋店7Fでの大昆虫展。

きょうから少しずつ、昆虫展にご協力いただいた方々、展示出品してくださる作家のみなさんの

ご紹介をしていこうと思います。

 

さて、なんといっても本屋さんでの催しですから、フェアのメインは昆虫本。

なかなか手に入りにくい、あるいは普段棚の間に埋もれてしまいがちな良書にスポットライトがあたります。

選んだのは4人の選者。それぞれユニークな視点で選びました。

 

一人目は、九州大学総合研究博物館教授、丸山宗利(まるやま むねとし)さん

 今、昆虫本の世界で、いちばん熱い人、といえばこの方です。

光文社新書から発刊されている『昆虫はすごい!』はなんと10万部のベストセラーという快挙。さらにこの7月には幻冬舎から『きらめく甲虫』が出版され、7月22日にはジュンク堂池袋店で発売記念トークイベントが行われます。

 

 


二人目は、渾身の力作『調べてみよう 名前のひみつ 昆虫図鑑』(汐文社刊)と、仰天の『虫とツーショット』で昆虫写真エンターテインメントの分野を切り開くべくその挑戦が注目される昆虫写真家 森上信夫(もりうえのぶお)さん。大昆虫展と並行して7Fの壁面でこれら2冊の新刊書発売記念の写真展を開催します。

 7月28日にはジュンク堂池袋店で『直球と変化球—森上信夫2冊の新刊を語る』と題したトークセッションを私と行います。

 

三人目は、「ナナフシガール」こと新井麻

まゆこ)さん。2歳のときから虫好きで、ナナフシを求めて世界各地へ。自然関係の作文コンクールでの受賞は数知れず。その文才で「昆虫文学少女」とも呼ばれています。子どもたちの来店も多い夏休み、今回は選者に加わってもらいました。「虫と本が好き歴10年以上」という麻由

子ちゃんなら

 

ではのセレクトは、大人にとっても新鮮!

 

四人目は私 鈴木海花です。

 

 そして、先にお知らせしましたように『ナショナル・モス・ウィーク』の台では、蛾関連書のフェア。こちらは国立科学博物館 蛾の一人者としておなじみの神保宇嗣さんの選書です。

 今回選書をするにあたって、たくさんの昆虫関連本に改めて目を通しましたが、

感じたことは、いい本がたくさん絶版になっていたり、手に入らなくなっている、ということでした。

普段は書店の棚で目にすることがないような、でも「この本はいつまでたっても輝きを失っていない」という、ちょっと入手が難しいような本も選びました。

 ぜひ会期中にご来店いただき、このフェアならでは手にすることができる、という本に出会っていただけたら、と思います。

 

 


この夏の計画いろいろお知らせ

2015-06-19 16:01:26 | 日記

 この夏は、いくつか催しを計画しているので、下記概要をお知らせします。

 

●7月11日~8月10日

 ジュンク堂書店池袋本店7F理工フロアにて

『鈴木海花プロデュース 大昆虫展2015』

 

大テーブルでは、4人の選者による昆虫関連書ブックフェア

 丸山宗利さん、森上信夫さん、新井麻由子さん、と私のセレクトによる選り抜きの虫本60冊余が並びます。

 さらに、ながふちなほみ、とちみやび、竹上妙、新井ユキ、瀬戸山千佳、森上信夫、井上恵子、中山泰(敬称略)などによる、虫グッズの展示&販売もあります。(各作家については追って紹介します)

また、先般このブログでもご紹介した、岩手県葛巻町のカメムシ調査から生まれたアカスジキンカメムシ飼育記録アルバム(小野國彦作)を展示いたします。40ページにおよぶ、美しい飼育記録写真を手に取ってご覧いただけます。

 

 

小テーブルでは『ナショナル・モス・ウィーク2015 世界中でHappy Mothing!』  と題して、

蛾の魅力と、ナショナル・モス・ウィークへの参加を呼び掛ける展示、国立科学博物館 神保宇嗣さんセレクトによる蛾書フェア、『モスフィリア』の著者 氷堂涼二さんはじめ、森田珠生さん、大熊千晶さん、宇佐美朋子さんなどによる、モス・グッズの販売をします。

 

(注:mothingとは・・・ 蛾の観察を楽しむという意味の造語 世界共通語です 笑)

  

●7月18日(土)

 ナショナル・モス・ウィーク2015キックオフイベント「夏のむし塾」

去年北杜市オオムラサキセンターで行った「夏のむし塾」、今年は東京都高尾駅近くの

森林総合研究所 多摩森林科学園にて、行います。

神保宇嗣さんによる『蛾入門講座』 &昼蛾観察会

12:45~受付

13:00~14:00:講演

14:00~15:30 園内で蛾の観察会

定員:35名

参加費:1500円

参加申し込み:mushijuku@yahoo.co.jp までメールで(夏のむし塾参加希望、氏名、連絡先明記してください)

 

7月28日 ジュンク堂池袋本店4Fカフェにて、昆虫写真家 森上信夫さんとトークセッション

 『直球と変化球 森上信夫 2冊の新刊を語る』

詳しくはこちらをご覧ください。

http://www.junkudo.co.jp/mj/store/event_detail.php?fair_id=8947

 

また7月22日には、昆虫関連書ブックフェアの選者でもある丸山宗利さんの『きらめく甲虫』刊行記念トークもあります。よろしかったら2週続けてどうぞ!http://www.junkudo.co.jp/mj/store/event_detail.php?fair_id=9089

 

 *大昆虫展に出品する作家、販売品などの紹介は追っていたします。

 

 

 


ツノゼミみたい!タケウチトゲアワフキ

2015-06-17 06:56:00 | 日記

毎年5月ごろ、虫のシーズン開始となると、いっしょにフィールドを歩くメンバーがいます。

昆虫写真家森上信夫さん、時事通信社の昆虫記者、「必殺虫目人」井上恵子さん、「ナナフシガール」新井痲由子ちゃんとお母さんのユキさん、それに夫と私。

今年は森上さんの案内でタケウチトゲアワフキの羽化を、埼玉のほうに見に行こうということになりました。

タケウチトゲアワフキは7ミリぐらいの大きさで、発生は局所的なので、あまり知られていないけれど、昆虫写真家 海野和男をして、『まるで南米のツノゼミだ。アワフキとツノゼミが近縁であることが良くわかるような体型だ。おまけに歩き方などもツノゼミそっくり』といわしめる魅力的な虫。

 アワフキというと、幼虫が泡のなかを住処とする虫だが、タケウチトゲアワフキはシナノキ・オオバボダイジュ・ヘラノキを寄主とする特徴的な形態をもつアワフキムシ。トゲアワフキの仲間は,泡の代わりに,筒状の巣を作り,その中に住んでいる。

 この日はぜひ羽化を見たい、ということだったが、前日の高気温で羽化はほとんど済んでしまっているようだった。

成虫がたくさんいました。

 

7ミリと小さい体に、大きな黒い瞳。

 

もう交尾しているものもたくさん。

なんとV字交尾!

虫目なみんなと探したけれど、ついに羽化シーンには出会えず。

見たい方は、昨年羽化シーンを観察した「必殺虫目人」のブログ↓でどうぞ。 

 http://soyo29.blog46.fc2.com/blog-entry-654.html

 

 でも目的の虫がたっぷり見られて、みんないい気分。今シーズンもたくさん虫が見られるように記念撮影しようよ、ということになりました。


アケビコノハの幼虫、だいすき!

2015-06-16 06:37:25 | 日記

 去年の秋から、ずっと見たいと思っていたアケビコノハの幼虫。

関東では年2化だから、よーし、1化目を見つけるぞー、とフィールドでアケビを見れば葉をひっくり返していたのだが、5月1日になんと、自宅から数分のところにある、小さなアパートの生垣に!

 5月ごろのアケビの葉裏には、ウンカのような小さい虫がたくさん発生する。お目当てのアケビコノハはダメでも、ウンカだけでもちゃんと撮影しておこうか、と思ったその時、ふと目をあげると、

「いた!」。

 アケビの花にそっくりの、紫色を帯びた3センチほどの、チャーミングな幼虫の、目玉模様がこっちを見てる。

 そして翌日。

もっといないかなあ、と見上げると、「いた!」

緑色と、薄茶タイプの4センチくらいのが!なんと2匹。

黒っぽいのより、こちらの色のほうが、アケビの葉のなかで見つかりにくいように思う。

 

こんなに色の違いが。

 

食草をさしたビンのふちに、尾脚で体を固定して葉を食べているようすがなんともかわいいのだ。

 

10日ほどしたある日。

あれっ?

緑色の1匹の体がなんだか白っぽくなって、おまけに葉の上に寝っころがってる・・・

蛹化が近いかな?

 

やっぱり。

数枚の葉を糸でつないで、そのなかにかくれている。

数日で蛹になった。

 

10日ほど遅れて、黒いのも蛹化の気配。

宙にうかした尾脚がこれまたかわいい!

 

3つの蛹、きょうあたり、そろそろ羽化が見られるかもしれない。

2化目は、ぜひ卵から観察してみたいなぁ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


ブータンシボリアゲハとツーショット

2015-06-15 07:50:45 | 日記

 

 先日、カイガラムシ研究の第一人者 河合省三先生から、「農大で、タイのマングローブ調査に行ってきたメンバーが内輪の報告会をするから、来ない?ほら、あのブータンシボリアゲハの調査に行った山口さんと青木さんも来ますよ」とお誘いいただき、それなら、と以前買ったブータンシボリアゲハのビーズのブローチをつけていくことに。

 

 このブローチはそのリアルな表現で絶大な人気をもつ「こざいく堂」さんの作。

 マングローブの調査報告のあと、なんと出てきた―!

(撮影:河合省三先生)

 

 

(撮影・河合省三先生)

 

しかしこのビーズのブローチは素晴らしい出来栄えですね!

と山口さん青木さんからお褒めいただき、

「本物と一緒に並べて撮ったらいいですよ」といわれ、

そんな、恐れ多い・・・・と思ったけれど、光栄なツーショット。

(撮影:河合省三先生)

ビーズのほうが煌びやかだけれど、上翅の微妙なふくらみのある形、尾状突起の形などなど

非常に正確にできているといっていただいた。

山口さん(左)と青木さん、その後も世界各地でチョウの調査を続けられている。

 

 

 

 

 

 

 

 

http://www.asahi-net.or.jp/~EY4Y-TKNM/bsjn/bhutan.htm