日中越境EC雑感

2008年に上海でたおばおに店を作るところから始めて、早もうすぐ10年。余りの変化に驚きの連続

「安売りバブル」で日本経済は沈没する

2010-01-14 | 日本・日系企業
ダイヤモンドの記事なんですけど、日本ではデフレが随分話題になっているんですね。インフレ気味の上海にいると違和感を感じてしまいます。

 この記事の終わりの方に、
・デフレが本格化しつつある現在、わが国企業が生き残る主な方法は2つある。

・1つは、人件費の安い国でも生産が可能な、汎用性の高い製品の国内生産を止めて、生産拠点を海外に展開すること。海外移転した生産拠点で、国際市場で競争力のある商品を生み出す工夫をする。それが首尾よく成功すれば、安価なコストで生産した製品を、世界市場で売ることができるようになる。多くの人口を抱える新興国が、早いペースで成長し続けている状況を見れば、相応の価格帯でクオリティの高い製品に対する需要が国内で伸びて行く余地は、十分にある。

 特に新興国では、東アジア諸国を中心に、中間層の飛躍的拡大が予想される。そうしたセグメンテーションをターゲットとしたプロダクトラインを強化することができれば、相応の売り上げを確保することはできないことではない。そうしたビジネスモデルで上げた収益を国内へ還流することで、国内の所得水準を維持することができる。

・もう1つは、人権費の安い諸国で生産することが難しい、技術集約性の高い商品に特化する方法だ。汎用性の高い商品を作っていては、どうしても激しい価格競争に巻き込まれることが想定される。価格競争を回避するためには、人件費の安い諸国では作ることが難しい新しい製品を考案することが重要となる。その際、新商品が全く新たなハードウェアである必要はない。たとえば、現存する技術や部品の組み合せだけで新しい商品を考えることも可能だ。その一例が、アップルが作り出した携帯音楽プレーヤー「iPod」だろう。iPodは「既存の部品を使った組合せ商品」と言える。それを考案することで、アップル社は莫大な収益を上げることに成功した。

 これからは、そうした潜在能力を精一杯駆使して、激しい国際競争の中で生き残っていくことが求められる。日本企業が「安売りバブル」から脱却するためには、こういった抜本的な「戦略の転換」が必要なのである。
http://diamond.jp/series/keywords/10108/?page=4

 まぁ、その通りですよね。安売り業者の登場で倒産した企業もあるとか色々書かれています。でもこれって、昔のアメリカとおんなじなんですよね。ユニクロも宋ですけど、GAPとかのアメカジとか、ウォルマートみたいなのメガスーパーもアメリカではずっと前からありますよね。日本、NIES、そして中国と、付加価値の低い産業は次々に新たに出現する国に市場は奪われていった。それが日米貿易摩擦になり、今では米中で同じような事やっていますよね。

 だから、大騒ぎしてもしょうがないんです。経済が発展した国家の宿命なんじゃないでしょうか?

 アメリカをみると、著者の書かれる対策について、前者の付加価値の低い産業としては、ナイキの様に生産拠点をコストの安さを求めて世界中ころころ変えていく企業がある。そして、アメリカ市場だけじゃなく先進国から開発途上国まで世界中に商品を販売していく。一方で、後者の代表として、世界から頭脳を集めて軍事、医療、ITという最先端分野を国内に抱えていますよね。この辺はアメリカ国内で開発生産して海外にも販売する。コアは海外生産は中々しないでしょう。

 日本に関しては、前者の企業は今からでもまだまだチャンスはあると思います。要は気概と現在の企業体力じゃないですかね。

 後者は、実は非常に厳しいんじゃないかと思っています。現在の大企業メーカーが該当するでしょうが、アップルのipod程度なら、かってのソニーのウォークマンや任天堂のゲームみたいなのがあまたに浮かび、可能性はありそうな気もします。でも、最先端技術の集約している、軍事、航空宇宙分野への開発投資が規制され、国策としての支援も難しい日本は、これからその技術発展に限界が見えてくるんじゃないかと杞憂しています。

 でも、いずれにしても日本国内の格差社会化はこれから益々進捗していくのだろうと思います。かつ産業と負ける産業がかなり明確になっていくんじゃないでしょうか。そして、負け組みは這い上がるのが、益々容易ではなくなってしまう。国家としての力量と共に、個人としての力も年々求められていくのじゃないでしょうか。

 やぱり社会主義というのは、人間にとっては唯の理想に過ぎないのかもしれませんね。日本は世界で唯一の成功した社会主義国家だと思われてきましたけど。均質化した社会は安定していますが、一方で悪平等をもたらす世界でもありますから。
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