日中越境EC雑感

2008年に上海でたおばおに店を作るところから始めて、早もうすぐ10年。余りの変化に驚きの連続

ご当地ラーメンで中国進出

2009-12-11 | 日本・日系企業
日経ビジネスの記事より。丸亀のうどん屋さんが、当ブログでも何度も紹介している上海の久光百貨店に進出し、うまく行っているという記事です。

・上海の高級ブランドショップが立ち並ぶ静安寺地区の久光百貨店に、行列のできる和風ラーメン店を出店した。讃岐うどんの製麺業に安住せず、ラーメンブームなどの追い風を捉えてきた。自社現地生産も視野に入れ、巨大市場中国を麺で攻める。

・「千客麺来」と看板が掲げられた店頭には「札幌」「喜多方」「東京」「和歌山」など、日本で知られた“ご当地ラーメン”の名前が並ぶ。この店の売り物はバラエティー豊かな日本のラーメンを食べられること。麺は太い縮れ麺から細いストレート麺、スープも醤油、味噌、豚骨と、選り取り見取りだ。

・経営しているのは香川県の製麺業者、久保田麺業。同社は讃岐うどんの本場にあって、知られざるラーメンの“名店”でもある。主力商品はお土産用の半生麺。特に国内の人気ラーメン店の味を再現した半生ラーメンが売れ筋。
 
・久光百貨店の親会社は香港そごうを運営する会社で、日本人スタッフが多い。試しに持ち帰りラーメンを輸出し、販売してみたところ好評で、「ぜひデパ地下に店を出さないか」と持ちかけてきてそれにのった。

・ターゲットは中国人の富裕層。その為にとった戦略は2つだ。1つは中国人向けに海鮮丼、エビフライ、ほうれん草のおひたしなどサイドメニューを充実させる一方、ラーメンの味は日本の味を頑なに守った。

・中国で和風ラーメンといえば、熊本の重光産業が展開する「味千ラーメン」が有名だが、中国人が好む味つけや具材に変えている。久保田社長が日本の味にこだわったのは、味千と真っ向から対決しないためでもある。

・2008年7月のオープン当初は味千との味の違いから「これが本当に日本のラーメンなのか」などと否定的な意見がインターネット上の掲示板に多く書き込まれたという。

・酷評されたのは、日本のラーメンに対する誤解からだけではない。日本の味を実現しようと日本から麺やスープをそのまま持ち込んだが、それが逆に仇となった面もある。スープは水に溶かせばいいと思ったが、日本と同じ味が出ない。水は純水処理しているのだが、それでも日本とは成分が異なり、味に影響したのだ。

 また、日本では一般的な110gという麺の量は、中国人からすると物足りない量だった。そこで、日本から輸入するスープだけに頼らず、現地で鶏がらや野菜を炊いてだしを取って味にコクを加えたり、麺の量を140gにすることで、中国人からも次第に支持を得るようになってきた。今では「味千とは別の食べ物」との認識が浸透した。

・オープンから半年近くかかったが、1日に300~500食売れる人気店に成長。1杯30元(約400円)と、一般的なラーメンの3倍の価格だが、昼は満席で行列ができるほどだ。

・開店から半年ほどは麺もスープも日本から持ち込んでいたが、通関などで1カ月近くかかるため、新鮮さを重視して現地の製麺業者に生産を委託。しかし味の決め手になる小麦粉や魚介系のだしは日本のものを使う。

・中国に進出してまだ1年半の久保田製麺だが、既に3店舗まで増えた。今年6月に、上海の隣の江蘇省蘇州市にオープンした久光百貨店に出店。9月には日本人も多く住む上海の虹橋地区に路面店をオープンした。

 矢継ぎ早の投資は、中国経済の勢いを象徴する。「中国は活気がある。今のうちにいろいろ挑戦しないと乗り遅れる」と話す久保田社長。その目は13億人の胃袋を捉えている。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20091208/211327/?P=1

 日本のラーメン屋さんです。行列ができる問いのは本当かな?何度か言ったことがあり、多分一度は食べているんですけど。うどんはまぁまぁ旨かったかな。久光
百貨店の地下に日本食材を多く扱うスーパーと、ラーメン屋さんその他の日本食の店が多いんですけど、一番人気のある店は香港系と思われる広東料理屋で、ここは何時も並んでいます。

 ラーメンだけじゃないのでしょうが、ラーメンが一日300-500食ということは、平均単価400円ではい日商12-20万円。月商360-600万円と言うことになります。利鞘は大きいビジネスだと思いますが、デパ地下の出店費用が結構高額なことを考えると、利益面ではどうなのだろうか。人件費が安いので、これでも十分な利益が出るのかもしれませんね。

 うーん。日本の味に拘る。身近な上海人の意見を聞く限り味千よりも日本人向けのラーメン屋の方が味はよいといわれるんですよね。一方量は日本人向けのままのために少ない。

 上記の記事内記載の通り、麺や水の問題を克服できれば、日本で人気のラーメン屋さんはかなりいけるはずだろうと思います。でも、資本力の関係でなかなか中国に進出はしないんでしょうね。山崎パンも成功していますけど、企業としての評価はともかく、日本のおいしい味の普及と言う点では、パンにしろ、ラーメンにしろもっと中堅の味の良い日本で評価されている企業に上海には来てもらいたいものです。
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2 コメント

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Unknown (生命保険センター)
2009-12-13 00:24:37
良くも悪くも中国という国とは歴史的にずーっと共に
歩いていくことになるんでしょうか。

毎日の中国の様子を見てて↓
http://www.cg1.org/parts/

強く思ってしまいました。。
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その通りだと思います (うし)
2009-12-13 10:50:04
 面白いサイトのご紹介ありがとうございます。
 おっしゃるとおり、どっちがアジア一位か2位かという対抗心は持ち続けるでしょうけど、嫌でもお付き合いは避けられないでしょうね。お隣の国ですから。
 日本の伝統文化は、かなり中国の影響受けていますし、価値観も中国の理想とする教えに影響されていると思います(中国側は、その理想を守っていたら個人が生きぬくことができない環境が続いていたので、僕らの感覚では「何でや!」と思わされること多いですが)。
返信する

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