日中越境EC雑感

2008年に上海でたおばおに店を作るところから始めて、早もうすぐ10年。余りの変化に驚きの連続

瀋陽から大連

2006-10-03 | 旅行(中国その他)

 今日は、瀋陽の愛国教育施設「918歴史博物館」を訪れた後、バスで大連に移動しました。

918歴史博物館: 本のような5階建位のビルに、大きく1981年9月18に日本の中国侵略が始まったと書かれ、その建物の1Fには国辱を忘れるなと大きく書かれていました。メインの建物はその奥にあり、地下に色々な写真や日本軍の設備が展示されています。日清戦争以来、日本のアジアへの拡張主義が始まり、ソ連参戦から中国開放まで、様々な写真が展示されています。

 中には、日本では既に中国側の偽造文書と言われる田中上奏文を事実として展示しているとか、南京大虐殺でも使われている写真の展示が有るなど、全てを事実として受け入れる気にはなれませんし、表現が日本が世界で始めて侵略行為を行った国、とかその残虐性をことさら強調する表現には愉快にはなれません。但し、日本の中国侵略時における様々な残虐行為があったこと自体は事実ですし、それが英国がインドやミャンマーで行った行為や、スペインの中南米侵略に比べれば相当におだやかだったはずだ、と言ったところで、侵略された側からすればその受け止め方は全く異なるものになるはずです。

 一日本人とすれば、当歴史博物館に展示されているレベルの東北地域(旧満州)における虐殺行為は、中国がチベットで行った行為に比べればまだましだろうと思います。また、韓国でも感じたのですが、外国を侵略したときの反日活動への殺害行為で1000人単位のものであれば、当時の列強のアジア各地やアフリカを侵略した水準からすれば、随分と少ないという印象を受けます。但し、恐妻曰く「歴史は勝者のもの」という言葉を真摯に受け止めるべきだろうと思います。満州が本来中国の物か否かの議論はありますし、当時の世界情勢を鑑みれば、清朝支配地域から一旦ロシアの支配権に移ったものを、日本が横取りしたような感じだと思います。

 靖国神社に関しても、私たちにとっては国を守る為に若くして死んだ特攻隊のイメージがありますし、両親が戦争中米軍の空襲を受けたり、機銃掃射から逃げた記憶を持つ世代として、個人としてそういう方を敬う意識を拭い去ることはできないのですが、祭られている大半の方は、本人が望んだか否かにかかわらず護国という名目の元、朝鮮、中国侵略の手先になってしまった事は残念ながら否めないと思います。日本人にとって、靖国の存在も、第二次世界大戦の記憶も、主にぼろ負けしたアメリカとの戦争に限られてしまっていることが問題なのだろうと思います。中国側からすれば、重慶や南京の人は東京大空襲や広島の原爆を受けた人と同じ記憶を持っていると思い理解する必要があるのでしょう。

 博物館の中に 日本の侵略行為の証明として、満州開拓団の入植地の地図が展示されていました。ソ連軍進行時の悲惨な話は、「大地の子」等で多くの人がご存知でしょうが、この地図に記載されていたのは本当にソ満国境に近いところに多くの開拓団が入植していたことでした。当時の満州の人口は3千万人程度。今は東北三省をあわせると人口1億1千万人になります。何でそんな奥地に入植させたのか。。対ソ連向けの防衛とかを考えていたのでしょうか?支配地域における旧日本軍の悪事に関して、日本軍の日本人兵士に対する行為を考えると結構納得できますが、当時の政府や監督官庁も、植民地人だけでなく、日本人のことすら虫けらとしか考えていないで色々な政策を採ってきたのじゃないかと思わされます。

 

瀋陽から大連までは、旧南満州鉄道の汽車で移動したかったのですが、高速を使うバスの方が早いのでバスで移動しました。大陸としか言いようの無い広大な風景が展開されました。あーあ、満州で戦争やめとけば、もっと自由に歩けたのだろうに戸思うのは私だけでしょうか(中国妻に怒られるでしょうが)。

大連中山広場: 瀋陽と同じ中山広場と言われるところが、旧日本時代の大連の政治中心地だったようで、市役所やホテル、銀行の建築物がまだ残っています。同じく今の入居者もほぼ同じ業種になっていました。

 宿泊したホテルで日本語雑誌「コンシェルジェ大連」を見つけてみていて驚いたのですが、領事館によると瀋陽は日本人は500人しかいないのに、カラオケは何と10件もある(50人に1件ということですか??)、大連は3000人に対し110件もありました。上海は、領事館登録者は3-4万人で、実質は10万人弱言われると言われています。カラオケとかマッサージ関係にとどまらず、日本料理やが非常に増えて来て、現在は過当競争と言われているのですけど、こんなにカラオケがあって儲かるのですかね?他に遊ぶところが無いのかもしれないのですけど、すげえなぁ。。

 

 

 

コメント (1)
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