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日中越境EC雑感

2008年に上海でたおばおに店を作るところから始めて、早もうすぐ10年。余りの変化に驚きの連続

テスコのアジアの業績

2009-10-28 | 欧米企業の中国戦略
 日本では余りなじみの無い名前ですが、世界第三位の小売企業、イギリスのテスコに関して業績の報道がありました。

 今年上半期の利益は、アジアの急激な売り上げ増のおかげで前年比で1.3%増なった。でも、日本とアメリカが足を引っ張っている。世界全体での売上は前年比で9.2%も伸びているそうです。

 アジアでは売上が前年比38%増、営業利益が21%も増加したとの事。しかしながら日本は不調で82百万ポンド(1.5億円くらいですか)の損失を出した。また、アメリカでも5億円くらいの損だそうです。
 
 日本とアメリカの市場は縮小しているが中国市場は伸びていると書かれています。中国では今年20店以上新規出店し、合計65店舗になった。今後3-5年も同じペースで行くだろうとの事。http://www.chinaretail.org/shownews.asp?id=1142

 さて、テスコに日本法人があることは知らなかったのですが、ググッテみると、2「英テスコは2003年にシートゥーネットワーク社を買収し、東京およびその近郊の78ヶ所のディスカウント・スーパーマーケットを手に入れました」。

 「2004年8月、英テスコは25ヶ所のFre'cストアを得て、その事業をさらに拡大しました。Fre'cは千葉および埼玉にある近隣型のスーパーマーケット・チェーンで、加工食品と生鮮食品が専門です。2005年10月には、英テスコは練馬区にあるスーパー・タネキン8店舗を取得し、さらに事業を拡大しました。日本国内の従業員数は3,300人で、現在の店舗数は128です。」

 買収してもう6年経過ですね。イギリス人の考え方は知りませんが、これがアメリカ企業だったらたぶん撤退を既に考えているのではないかと思います。
 

ダンキンドーナツ

2009-10-27 | 欧米企業の中国戦略
 ダンキンドーナツが、シンセンに2店舗出店したそうです。今年中に後3店舗出店し、今後10年で150店舗を広東地方に展開する計画との事。

 山西ステリッチレストランという中国企業と合弁で展開しているようですね。この合弁相手は、バスキンロビンス(31アイスクリームでしたっけ?)を上海で6店舗、西安でも6店舗フランチャイズ運営しており、今年中に合計15店舗(後3店舗追加出店ということですね)展開するそうです。

 ダンキンドーナツとは、今後10年間で全中国に480店舗を出店するという契約をしているそうです。ダンキン事態は中国の10店舗に加え、韓国で725店舗、フィリピンで600店舗、インドネシアで260店舗展開しているとのことです。http://www.chinaretail.org/shownews.asp?id=1148

 ダンキンドーナツの日本での事業展開に付いては全く知らないのですけど、日本ではミスタードナッツが強いですよね。でも上海では一度は失敗してようやくまきかえしをしようという段階です。

 日本の外食産業は、海外展開はあまり得意ではないように思えるのですけど、結構な機会ロスをしているのじゃないかなと思います。まぁ、従業員の採用からマネジメント、ロジスティックなど、日本では普通にできる事が海外ではできないため、如何にマニュアル化すると言う、日本人にとって比較的苦手な部分が要求される事も一つの要因だろうとは思いますけど。

カルフール中国撤退?

2009-10-26 | 欧米企業の中国戦略
 個人的には全く知りませんでしたが、カルフール中国法人が撤退するのではないかという噂が中国国内ではあったようです。

 グローバルレベルでのカルフール事態は金融危機の影響で売り上げ不振に陥っており、こんな噂が出ていたようです。唯、先月カルフールのCEOが中国に訪問した時に、中国法人が撤退する事は無く、今後も毎年20-25店舗の出店をしていくというお話が出たそうです。

 この噂が出たのには、ウォルマートと、RTーMartの2社の中国国内おける総店舗数と売上がカルフールを上回った事から出てきたそうです。http://www.chinaretail.org/shownews.asp?id=1155

 中国語の記事に寄れば、カルフールの第三四半期世界売上は前年比で0.7%ダウン。南アメリカを除いて全て前年比割れしているそうです。また、ロシアに出店していたのですが、撤退を決定したそうです。

 中国の外資系小売といえばカルフール、という時代だったのですが、あっというまにウォルマートに抜かれてしまったんですね。時代の速さに驚かされます。

 そしてまた、そうはいっても前年比1%程度の売上減で(9月までの通期だと尾もっと大きいかもしれません)、ロシア撤退など、行動の早さには驚かされます。日本の大手小売業は軒並み前年比10-30%売上減ですよね。

 まぁ、雇用の問題を考えると軽々にはいえませんけど、日本企業の動きの遅さは非常に目に付いてしまいます。

アウディが2級都市に進出

2009-10-15 | 欧米企業の中国戦略
 ラグジュアリーブランドが、中国の2級、3級都市に進出するという記事で、アウディが寧波に進出し、2012年までに販売網を現在の86から100に拡大する意向だそうです。

 今年7月までにアウディの販売量は79千台とBMWやベンツを上回ったようですね。でも、15%成長という目標は未達のようです。http://www.chinadaily.com.cn/bizchina/2009-09/28/content_8747072.htm

 日本企業では日産が小型自動車を武漢とか田舎の方で販売して巻き返しているといいます。既に中国でプレゼンスを得ている企業は、大都市の市場から地方の大都市に拡大して行っているんですね。

コカコ-ラ中国1億5千万円の贈賄で関係者逮捕

2009-09-24 | 欧米企業の中国戦略
 コカコ-ラ中国法人の上海申美饮料食品有限公司が、1億5千万円もの贈賄容疑で会社の元総経理が上海浦東の警察に調査を受けているそうです。相手先は広告会社のようですね。

 マ-ケティング部門が関係しているようですが、年間1千億円も広告やプロモ-ションに使っているそうです。すごいなぁ。。まぁ、コカコーラは、会社はまったく関係なく。この元総経理の独断で行った事だという回答をしているそうです。

 それがそれなら、元総経理が1億円以上も着服したのだろうか?いずれにしろ社内の管理体制の問題というべきか?
http://finance.ynet.com/view.jsp?oid=56086993

 まぁ、まだ関係者が警察の取調べ中ということですが、これだけの単位になると、会社として実は黙認していたんじゃないかとも思います。欧米系企業が現地法人の社長にgんちの人を使うのは、会社としてのリスク管理の一環で、事が起きればそいつのせいにして首にすればよいということかな?

GM中国子会社の成功と日本のエンジニア

2009-09-13 | 欧米企業の中国戦略
 倒産したGMなんですが、中国では業績は好調です。SMCPが、GMが買収した五菱自動車のミニバンが市場をリードしているという報道をしています。

記事より:
 北京の配送員ハンさんは、バイクを買い換えて定価価格のミニバンを購入しましたが、五菱之光というGMの子会社五菱自動車のミニバンを選んだ。

 今年GMは自動車販売売上が中国では前年比43%も増加した。是は、中国政府の補助金と、2万6千元(40万円)という低価格が効している。GMの1リッタークラスのミニバンは、中国で販売されるミニバンの50%を占め発展途上国市場に輸出されている。

 今年GMは80万台のミニバンを販売する見込みであり、これは2003年の6倍にもなるが、今年は上海自動車と五菱自動車の合弁企業の最初のフル生産の年である。

 低価格で多目的型の自動車の生産を目的とした工場は南方の柳州にあるが、GM中国の社長に寄れば、アメリカでは人々は商用目的の自動車を買う人は少な意が、中国では業務と家族目的を兼用した車が売れると語っている。GMはアメリカではミニバンは製造しておらず、アメリカ市場におけるミニバンのシェアは4%にすぎない。

 五菱之光は、安全性や排ガス対策を講じない限りアメリカやヨーロッパでは販売できない。エアバックが装備されている車も一部しかない。ホイールベースは2.5mと本田のオデッセイより50cm短い。オデッセイの燃費が1ガロン当たり17マイルなのに対して、五菱之光は47マイルと3倍もあるとされる。

 五菱の3つの自動車工場は今年90万台を生産し、中国のミニバン市場の48%を占め、競合の四川の重慶長安自動車の2倍にもなる。今年7月までのミニバン市場は100万台と前年比の60%増となり、乗用車市場の伸びの倍にもなる。一方、トラックやバスを含む中国の自動車市場は前年比23%増加し、アメリカを抜き世界一の規模となっている。

 他の競合外資系企業がミニバン市場に入らないのは、市場の量も経済性も小さいために参入できないのだと自動車コンサル会社の方は語る。ミニバンの利益は1台当たり1千元(1.4万円)に過ぎない。GMは五菱自動車の株式は34%鹿保有しておらず、上海自動車が50.1%、そして柳州五菱自動車が残りを保有している。GMとしては、ミニバンからは適切なリターンが在れば良いとしているが、他の株主が持ち株を売却する意向があれば購入する意思はある。

 今月はじめからGMは五菱のミニバンを南米、中東、北アフリカ市場に輸出を開始した。GMは北米自動車市場が40%も減少した事に伴い、他の海外市場での事業機会を探っている。

 GMは五菱以外にも上海自動車との合弁会社でビューイックを販売しており、乗用車市場では現代自動車のエラントラに次第二位につけており、7月までの売り上げは前年比26%増加している。ちなみに3位はフォルクスワーゲンのジェッタ。おかげでGMアジアパシフィックの上半期売上は前年比22%増となり、唯一の成長市場となっている。

 世界の自動車製造業は、中国の小型で低価格の自動車を恐れているが、GMはその先端を選択した。http://www.scmp.com/portal/site/SCMP/menuitem.2af62ecb329d3d7733492d9253a0a0a0/?vgnextoid=73e5c15d33b63210VgnVCM100000360a0a0aRCRD&ss=Companies&s=Business

 自動車業界の中では、中国の自動車メーカーが今後急速に発展する事を懸念しているとも聞きます。ヲーレンバフェットが電気自動車を製造するBYDという企業に投資をしたことも注目されています。まぁ、個人的には知財保護無視の中国の製造業においては、研究開発投資へのインセンティブが働かず、先進国並みの高度な技術を生むことは無理ではないかと思っていますが、確かに開発途上国市場向けの自動車生産をする拠点としては、当面は良い場所かと思います。

 そういう意味で、GMの選択って正しかったという事が現段階ではいえますね。

 ところで、実はこのGMが買収した五菱自動車の工場建設には何人かの日本人が働いていました。人事コンサルを行っていた2004年頃に、その人材紹介部門の親会社が、アメリカの子会社から引き合いを受けた話で、日本のエンジニアを欲しいという依頼を受けました。英語ができるのが私だけという事で、畑違いですがGMより工場建設を請け負っていた企業の上海法人との接触をおこなっていたのです。

 最終的に三菱自動車の京都工場長だった方が採用され、その方が何人かのスタッフ(当時三菱自動車はリコール問題等でたたかれていました)を連れて工場のコアの部分の製造を行われていました。アメリカ企業ですので名目上の責任者はアメリカ人だったようですが、実際には資金を除く全てを取り仕切っておられました。

 その方はもう日本に帰国されていらっしゃいますが、中国で中国一般市場受けの製品を作る拠点を構築し、それを開発途上国市場への輸出に振り向けるという戦略はGMのものですが、現実に製造に関する工場の建設や従業員の教育という分野で日本の大半の製造業のエンジニア達は貴重な財産になると思われます。