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日中越境EC雑感

2008年に上海でたおばおに店を作るところから始めて、早もうすぐ10年。余りの変化に驚きの連続

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2016-04-15 | 中国経済関連
中国で考えた2050年の日本と中国 北京烈日 決定版 (文春文庫)
クリエーター情報なし
文藝春秋

伊藤忠元会長というべきか、在中国大使というべきか、丹羽さんの本です。2013年に北京烈日という本を出され、読んでおそらく読後感はブログに書いたのかなとも思うのですが、たまたま関空で見かけ、すっかり内容を忘れていたので、再度読んでみました。

 冒頭に2012年の尖閣問題に関して触れられていますが、内容的には日本の将来に関して色々と厳しいご意見を出されています。
・インフラ整備に無駄な金を使うな。人口減少社会を踏まえ長期的ビジョンを構築し、それに従い整理整頓された開発を行え。
・農業:農協や農水省の課題。。米に注力しろ、大規模農家を増やせ。
・シェールガスによりオイル価格の下落(実際に落ちましたねー)、アメリカ製造業の復活が見込まれる。
・原発は焼却残高を踏まえ暫時削減。
・日本の強さはブルーカラーにあり、ブルーカラーの正社員はしっかり維持し、ホワイトカラーから非正規化すべき。
・国家の力は経済、政治、軍事の総合であり、軍事をおこたってはいけない。

 非常に歯切れがよく、そうだそうだ、と全く同感します。この辺はもっと社会に認知してほしいですね。

 一方中国関連になると、やはり元大使というより伊藤忠元CEOとしての立場からか、時々辛い表現が出てきますがわりとあいまいにはなります。深読みするとかなり厳しいこと言ってるなと思いますけど。

・バブルは崩壊しない。いや、思想になったら世界中が困るから支える。
・農民工の教育がひどいために、ブルーカラーで日本が負けることはありえない。
・一方で中国政府は自分たちの弱点を良く分かっており予算配分等みるべきものがある。

中国の今後に関して、都市化率の推進、国営企業の改革と民営化、金融税制改革、が経済対策としてある。バブルで浮かれているのは一部富裕層に過ぎない、ネットの普及により民意を無視できなくしている。これらにより楽観視できる。

懸念は、中国人の野心や競争心が虚栄心になってしまわないか?

日中関係に関しては、日本の軍事力を強化しないといけないという表現が何度かありますので、やはり尖閣の時に戦争を本気でちらつかされたのだろうと思います。一方で習近平にはかなり色々な期待を持っていたようですね。でも言動が飛び跳ねると世界から嫌われるだろうがそれほどバカじゃないだろうと書いてます。

最終章が今回書き足されたものですが、ふーんと思うのは昨年の株安もアメリカとつるんでいるのではないかという意見。そうなのかな?

まぁ明確には書いていないし立場上かけるわけではないでしょうが。。

結局のところ、
習さんはこわもてな態度を近隣にふりまき、結構警戒されるようになった→おばかさんということか。

虚栄心。。見事に蔓延しちゃってまーす。。もうつける薬がないくらいに

ついでに私見を言うと、不動産価格は超バブルでこんなの持つわけがないというのが、日本のバブル経験者でそれなりに歴史を調べた私見です。でも中国関係の人は都市化だから平気だって意見を吐く人結構いるんですよね。

私の質問です。都市化っつって田舎の農民を町に集めるのはまぁよい。。。でもどうやってくってくの彼ら?食わせるの?日本の昔のお百姓も結構課題有ったろうが中国のは凄いよー。人がいいとか悪いじゃなくて、町に住んでも土方や荷役、ゴミ拾い程度の仕事しかやれないだろう。。でももう中国は経済効率化を図る時代で工場はロボット化を推進しようとしている。そういう人たち町に集めていったい何するんだろう?社会不安を高め、社会保障費負担を増やすだけになるんじゃないだろうか?



アレ??VPNがつかえない。。

2016-04-14 | 中国経済関連
2月に上海に入った時も、AtsrillというVPNサービスが不調で、色々他を探したんですが何日かしたら使えるようになったのでそのまま他ってしまいました。

が。。今回はAstrillは使えない。ヤフーで検索してみるとどうも、お前はすでに死んでいる状態だとか。日系のも結構死んでいるとの事。12VPNとかHMSとかが生きているという記事を見て、トライしたけどだめ。。

在中でもFB使われている方もいるのですが、何をお使いですか?

FBはともかくGmailが使えないとシャレにならずまずい。。

にしても、このVPN規制。。。なんか中国の断末魔のあがきのようにも感じてしまいます。

越境ECで税法改正があった影響はFBみて色々感じていましたが、今日のフィードバックだと

化粧品は今後取り扱う気がしない。。。そんだけ厳しいと言う事でしょう。

日用品や食品は値崩れが激しい。。。。山のように中国国内に在庫があふれている状態。在日を含む日本側がやたらと買い占めるけど、実需をはるかに上回っている。昨年フルグラで起きたことがまた今今フルグラでは起きている。花王のメグリズムも。

何の規制もしなくても今年はやはり昨年以下にしかならなかったのかもしれない。やはり為替が20%位落ちてるし、府警機関が結構出てきているのかなと思います。

越境ECの税制改正は、プレイヤーよりもその付随サービス業への影響が大きいだろう(中小企業向け)と思ってたけど、プレイヤー自体もこりゃーかなりきついのかもしれない。。

で、情報収集したいがネットも使えない。。

現場にいないと見えなくなるけど現場に来るとネットが使えない。


まぁ越境ECだけじゃなく海外送金とかいろいろ問題が起きだしそうで、かなり末期的になっているのかな。。そのわりにゃー現地人見ていると鈍いけどね。

面白いっす。データで読み解く中国の未来

2015-11-17 | 中国経済関連
データで読み解く中国の未来―中国脅威論は本当か
クリエーター情報なし
東洋経済新報社


 先々週上海に戻ったとき、著者の農業大国中国って言う家においてあった古本を読みかけて、とても面白いなと思ったので、日本に戻って帰って読んでみました。

 中国の未来と書いてはありますが、第一章は「中国に競り負ける日本」として全体の1/4近くページを割かれています。ここは日本人意外と気がついていないよね。輸出、貿易という視点で国家同士の関係を比較しているんですが、今じゃぁ中国のプレゼンスは本当にでかい。
 
 この中国経済に関して、著者は中国はバブル崩壊という形にはなら無いけど、日本の90年代以降同様失われた20年になる可能性が大と見ていられますね。

で、中国が何するかって言うと既に山ほどある過剰設備の負担を軽減する為にも、何が何でも輸出に力をいれるだろうと。確かにまぁそうなるでしょうね。日本人と比べるとはるかに動きがすばやく、華僑という存在を通して東南アジアは勿論世界のネットワークも広い。既にそれなりの品質のものを作れるようになており、物真似は直らないけどもっと高度なものの真似を始める。そして農民という賃金の安い第二級国民と、石炭という環境には悪いが安い燃料を使い日本と比べると低コスト=安値で煮たような商品を販売していく。

こりゃー日本企業にとってはつらい状況になるでしょうと。。。

石炭については統計が乗っていて驚きました。中国のPM2.5騒ぎって-5年前に北京のアメリカ大使館が騒いでから問題になっています。今年も今のところ改善の兆しは無い。当初はこれは自動車の増加が原因だろうと思っていました。まぁたしかに自動車の増加も大きな要因でしょうが、この中国のエネルギー源内訳における石炭の年間消費量。。

1995年 5億トン
2000年 7億トン
2005年 12億トン
2010年 14億トン
2012年 20億トン

チャートで見ると、同じ高度成長といっても90-93年は比較的緩やかな伸びなんです。それが2003年から急増。そしてそれは工業部門に集中。まぁ中国は改革解放始まった90年頃から一貫して経済成長を遂げてきたのですが、2003年ころまでは多分アパレルとか余り燃料を使わない業界。2003年以降重化学工業とか工業化が急激に進展したという事なんでしょうね。私が上海に住みだしたのが2004年だから、それ以前の10年より。以降の10年の方がはるかに変化は早いという事だ。。まぁこの間にGDPは3倍になっているんだから燃料の消費が倍から3倍になっているのは当然ですか。

インバウンドや市場狙いの人にとって役に立つのは第三章の格差があるから強い。都市戸籍人口は全人口の27%で4億人弱しかいない。この4億人弱は既にそこそこ豊か。1級都市の都市戸籍を持つ人は約1億人。

農村格差について歴史背景を触れられていますが、今の状態は改善しない。つまり9億人はずーっと貧乏なままだろうと厳しく見ています。一方で、食品消費を見ている限り農民は飢えているわけではない、生活は改善している事から農民革命が起きる素地は無い。教養ある都市戸籍者はこれは特権階級になっているから、なんだかんだ言っても現体制を変えようとすることは無いだろう。

不動産も調整には時間がかかる。

てな感じで、まぁ中国が今までのような急成長を続ける事はなく、何れ高齢化社会になって活力も無くなっていくだろう。短期的には調子に乗って脅威になる時期もあるが、おとなしくなっていくだろう。そして9億人もん農民をかかえていることから、中進国から脱却するのも無理だろうと書かれています。

そうなるだろうな。問題はこの本には、中国を角に恐れる必要は無い。でも日本はこのままじゃやばい。そういう趣旨です。面白かった。









中国人の爆買いってどうなるのかな

2015-09-20 | 中国経済関連
 この前7月に上海に出張した時も、株価は下落していましたが経済停滞という感覚は余りありませんでした。

 今回は、株はさらに下落、8月には人民元も落としたことから何らかの影響があるのでは無いかと思っていたのですが。。

 ある程度の資産をお持ちの方は、人民元を米ドルに変える等の対策をやはりしています。親戚に訪問した時に藻そういう話を受けましたが、私がHSBC上海に預けていた30万元ほどの預金を解約するに当たり、円に変えて戻すのだというと、それはしょうがないね、という反応でしたので、私だけでなくかなりの人が同じように人民元を外貨に換えたり移動していることは確かでしょう。キャピタルフライトというほどのものかどうかは別にして、表、裏でかなりの資金移動が発生しているようです。地下銀行的な機能も人民元の外貨交換が追いついていないような話を取引先から聞きました。

 まぁ為替は落ちる方が当たり前でしょうね。


 出不景気感があるかというと、今今は全くありませんでした。但しそれは消費財を売り買いするプレイヤーのヒアリングです。高級商材については最近動きが悪いという話を耳にしましたが、これは反腐敗運動の影響もあるのでまだはっきりとは見えません。一般消費財系〔日本商品)に関しては、未だに需要が強い。上海市内は当然として、訪問した無錫、そして安徽省の中都市においてもそうなので聊か驚かされました。彼らによると、もっと内陸部からの引き合いもあるということなので、日本商品のポテンシャルユーザーはまだ開拓しきっていない、市場の拡大余地はかなり大きいというのが実感です。

 一方、中国人の爆買いは観光客によるものだけでなく、在日中国人や中国需要にこたえる日本人や在日韓国人ブローカーによるものの方が恐らく金額としては大きく、商品が中国に送られながら実需が伴わなかったということで、在庫が中国国内にあふれている商品も既に幾つか出てきています。カルビーノフルグラ,酵素222などは既に在庫がだぶついて値崩れしています。花王のオムツは特殊要因ですが、VC投資を受けた越境EC企業が大量に購入し、競合つぶしとサイトトラフィック稼ぎで赤字販売を継続していましたが、そろそろ体力がついてこなくなり落ち着き気味の模様です。焼銭ビジネスというのですが体力基盤の有無で方向性は若干見えてきたかなという感じです。

 中国人観光客の爆買いに関しては、日本観光を目当てに人と、日本での仕入が目的の人と、正直どちらが多いのかわかりません。その位仕入目的の人が多く、また観光をかねて仕入をしている人が多い。今日の帰りの春秋の便で上海空港のターミナルから飛行機の登場場所までのバスの中、若い3人の女性が、あんなにかばんもってどうするの?代購(誰かの依頼で商品を購入し、手数料を取る商売)をするんだ物、というような会話をしていました。また取引先からは組織的な運び屋を行う人がかなりいるとも聞いています。9月から中国税関が取り締まりを強化するという報道があり、実際にワークしているようですがコスト見合いでしばらくは続くと思います。

 日本商品に関しては、本当にブームのようで、上海市内でもしばしば保税区がどうのこうの、代購がどうのという会話が飛び交っています。おカフェで僕ら程度のところでもビッグネームから声をかけられており、しばらくはこのままいけるなという感触は持っています。


 中国に関しては、やはり過去の経済成長を支えてきた強烈な不動産バブルの行方が経済、消費市場に大きく影響してくるでしょう。何時その段階に来るか。又、その辺も関係するでしょうがやはり日中の国家関係というのも大きなマイナスファクターだと思います。比較的最近、放射能を理由に東京を含む関東東北8件の食品の輸入が禁止になり、東京本社の食品は工場の場所を証明する書類を出さないと正規輸入ができなくなったそうで、物としては裏口から入るものの、百貨店などの実店舗、大手の総合EC企業のサイトでは販売できなくなった〔大半が平行輸入品のため)といわれました。


 日中関係はまぁどうにも予測できません。不動産はどうなんでしょうね?日本では91年には不動産は完全にアウトでしたが94年ころまでは経済は伸びていたんです。バブル崩壊というのもその辺では関係者は把握していましたが、それ以外の人は知りませんでしたよね?同じ会社の中でも不動産融資部門の実情は他部門には知らされていませんでした。だから中国も2-3年とかのタームで不動産がドンと来る可能性は無いとはいえません。

 まぁねー。。。でも他の市場となると難しいですよね。確実にアジアじゃないんです市場を狙う場合。既におかしくなっていますが、韓国やマレーシア。。それ以外の国も中国依存度が高くてどこもかなりしんどいんですよね。東南アジア当たりのどこかが先にバーストしてその混乱が中国に影響するとかってなるのかな?


中国私論 すごい

2015-09-20 | 中国経済関連
橘玲の中国私論---世界投資見聞録
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ダイヤモンド社

 橘さんという方は、確か海外投資関係のブログだか出お名前は聞いたことがありましたが、過去著書を読んだ事もありませんでした。たまたま今回の中国出張の前に本屋でこの本を見かけて読んだんですけど。。。

 すごい。。。

 最初のほうは鬼城、中国の不動産バブルの結果生まれたゴーストタウンの紹介なんですが、それはまぁたしかにこんな感じよとしかいいようが無いです。

 感心させられたのは、ご本人が中国専門家ではないと言いながらその後に展開される中国社会の分析。実に的を得ていると思うんです。経歴は存じ上げないのですが、多分旅行はされてもお隅になった事は無いようなんですけど。


人が多すぎるから人権意識が発達しなかった。人権思想が発達したのは欧州でペスト流行により人口が激減したから。プラス産業革命で人で不足になったから人権という概念が起きてきた。一方アジアではそういうものは出てこなかった。

関係がベースになっている=やくざ的な社会。その社会で好まれるには。実は共産党はほとんどヤクザと一緒。

官製不動産バブルとそれによる経済成長のからくり、そしてその限界

何で腐敗?

日中関係と日本側のすべき事。

 こういったことを書かれているのですが、新しく学ぶものもあり、その通りと思うことも多い。


 やはり中国専門家って木を見て森を見ずになっているのかな?このレベルで中国の実態を把握している人って中国屋っていわれる人でも非常に少ないんです。客観的に中国社会を理解するにはかなり勉強になります。

 人口のところで、東アジア・東南アジアの人口として中国を省別にして各国の人口を上位から並べたチャートがあります。インドネシアが1位、2位が日本。3位広東省、4位フィリピン、5位山東省、6位河南省、7位ベトナム、8位四川省、9位江蘇省、10位河北省。11位タイ。。。
 これ、GDPとか一人当たりGDPも踏まえてみないといけないんですけど、ネシアはジャカルタだけ。フィリピンベトナムは山東や河南レベルになっているかな?

 相応の所得が期待できる国、韓国48M,台湾が23M,マレーシア28M.

 さて僕らのターゲット、上海だけで19M。華東省合計1.5億人+6千万人の安徽省の一部。。。

 中国には確かに他の国に無いリスクが日本にはある。だけど、製造拠点として出なく、市場としてみるとちょっと中国捨てるのはかなりもったいないのも事実ですね。









知らない事が多かったな。

2015-05-30 | 中国経済関連
本当は日本が大好きな中国人 (朝日新書)
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朝日新聞出版


 中国関連本が続きますが、今度は福島さんの本当は日本が大好きな中国人。

このタイトルも爆買いのせいでしょうねー。なんかトイレが好きだと買って新書もあって本屋で立ち読みしたんですけど。。。

トイレの本に比べるとこの本は非常にまじめに書かれております。中国人を理解する一助にはなるのではないでしょうか?皆が甲だとは思いませんが、このように日本が好きな人はいる。すきかどうかは置いといて、日本人に対する見方は好意的ではある。まぁ私の場合は上海と言う場所しか知らないので都市や地域によっては異なると思いますし、教養度により相当に異なる面もありますが。

 面白いと思ったのは
・中国人が好む日本人は、一見軟弱で華奢でお人よしなのに、時に見せる驚異的な忍耐や努力や諦めない精神の強さを持つからである。

・反日中国人は実は知日派。意外と日本がすきでもあるということ。


 思わず笑った、そして本人たちに言い聞かせたいのが
・人権擁護を高らかに叫ぶ日本の左派知識層は、日本の保守や米国は批判できるが中国批判ができない。憲法九条非難ができなくなるからウイグルやチベットに目を瞑る
 亡命中国人の講演会をするための資金を集めようとすると、日本の左派はただなら来るけど会費1万円ならこない。一方日本の右派はお金を払っても来る。

そして、かっての小泉首相も、安部首相も、政府はあれこれ言っているが、実は政権内部では評価している人が結構いる。


 日本の左派言論の程度の低さは中国人にも見破られているんですね。。


 

頭の良い人は、やっぱりわかりやすく説明されますね。

2015-05-29 | 中国経済関連
巨龍の苦闘 中国、GDP世界一位の幻想 (角川新書)
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KADOKAWA/角川書店


 中国経済の第一人者津上さんの最新作。

 ある程度中国ビジネスに深く携わっている立場としては、別に目新しい情報は特にないのですが、こういう風にすっきると説明していただくと頭が再整理されたような気がします。

 まぁ、中国人観光客の爆買いで、多くの日本人が未だに中国や中国人に嫌悪感を抱きながらも、お金のパワーに魅せられて、又興味を持ち出したところではないでしょうか。個人の知り合いの範囲では、そうはいってもいつ崩壊するだろう?と言う話がよく出てきますが、この本見ると少しは安心されるのではないでしょうか。

 又、現在集団的自衛権であ-だこうだ国会でいっていますが、現在の外交方針の上で名指しができないにしろ、わずか数年前の尖閣での脅威はすっかりわすれちゃったんですかね?そちらに関しても、ある程度の示唆がなされています。

 概ね現在の習政権が久々に強力な政権であり、日本でも揶揄する国内問題に真摯に取り組んでいる事。現在中国で出されている経済指標の矛盾点の指摘と実態の予測。まぁ後者は昨年辺りから実質経済成長率は3%前後が実態ではないか、今後の成長余力もその程度ではないかと指摘されています。

 そして、日本で起きた不動産価格大幅下落による崩壊はないとも。

 今後の経済成長の行方、それに伴う政府のガバナンスの動き、によって中国の外交方針も変化が見られるだろう。とのことでシナリオが幾つか書かれています。まぁその中ではやはり今後も警戒を解けないと言うのが現実的に見受けましたがどうでしょう。

 中国経済関連って、色々無茶振りの本がたくさんありますが、この方のだけは結構客観性があって解りやすくてよいと思います。


とても良かった。こういう若い子がたくさんいれば日本も安心なんだけど

2015-05-27 | 中国経済関連
稼ぐまちが地方を変える―誰も言わなかった10の鉄則 (NHK出版新書 460)
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NHK出版


たまたま地方都市に住んでいるので本屋で見かけて読んだのですが、思っていたより面白かったです。

著者はまだ若いんですね、33歳。

凄いですよ、ここまで日本社会の抱える問題を的確に指摘し、それをどう解決するかまで書いている。

テーマはタイトルどおり、商店街の再活性にからむものなのですが、学生時代に手がけられた早稲田の商店街の話から、その後の熊本その他の色々な場所でのご経験を踏まえて直面した問題、失敗事例も書かれています。

少人数で始めよう。

補助金不要、こんなのもらったら確実に失敗する

やる気があるスタートメンバーは全員に自分のお金を投資させよう

スタートメンバーが空いている時間に自ら動こう

無駄なコストは使わない。無駄なコストを削減することから資金を生み出そう

利鞘の取れる商売をしよう


 これって商店街とかの活性化だけではなく、民間企業経営にもそのまま当てはまりますね。著者の意見として、行政はかませないといけないけど、補助金とかをもらって行政の意向のままに進めると失敗する。そこを民間の柔軟な発想と活力で活性化する、とのことなのですが、最近日本の色々な民間企業見ていると、こんなに活性化している業界や企業は非常に少ないですよね。

 読んでいてそうだそうだと思うこと多し、この若さでここまでできるとは凄いと感心する事ひとしきり。

 日本には若い子は凄いなぁとおもわされる人が増えてきましたね。表に出やすくなったと言う事かもしれないけど。

リバースイノベーション2.0って。。学ぶものも有る。

2015-05-01 | 中国経済関連
リバース・イノベーション2.0 世界を牽引する中国企業の「創造力」
クリエーター情報なし
CCCメディアハウス

 昨年末に田中なみさんから寄贈いただいた本です。実は最初の方を読んで、なんじゃこいつは、と思ってほっぽって居ました。最近知財に関する書籍を別な方から寄贈いただき、その本を読んでから、このリバースイノベーション2.0を読み返して見ました。。  

 この本日本人が読むときは後書きから読むほうが良いでしょう。耳が痛いけどその通りだと思う人も多いでしょうし、著者は中国も日本も愛してくれているなと理解できます。  さて、リバースイノベーションという言葉を聴いたとき、単純にコピー屋の改良か、なにがイノベーションだと思いました。で、最近中国でよくいかける自画自賛本かと思ったのです。まぁ本質はその通りなのですがこの本では幾つか面白い視点があり、日本企業としては学ぶものもあると思いました。

・リバースイノベーションでは、新興国のボリュームゾーンの消費者をターゲットとして、品質や性能は必要最低限にとどめ、とにかく価格の安い製品を開発し、その安価な製品を先進国にも輸出、販売を拡大する。

 -最先端ではなく最適な技術

 -マス市場を背景とした、企業、行政、個人資本家たちの連携

 -オリジナルではない、グローバルリソースからの価値創造

 事例として、GE中国の研究開発拠点で作られた小型移動超音波診断機が大陸内だけでなく先進国に模範倍されるようになったというのが挙げられています。また、日本企業が捨てたVCDという技術を元に中国が実用化してアジア諸国に拡散したとの由。VCDは以前勧告や台湾でも見かけ、今でもベトナムにはありますね。中国発とは知りませんでした。

 

 ファーウェイ、BYD、テンセントなどの中国企業のコア、発展の経緯を書いていますが、概ね中国企業は基礎研究開発力が弱く既存技術やグローバル連携、資金力の活用などを通じ商人的な視点で事業拡大を図っている。一方で、中国では少しでも儲かる分野とおもわれると新規参入者が次々に現れ、過当な価格競争になる為に研究開発に力を入れられないという、現地に居れば良く見かける社会構造なども説明されています。

 

 最後の方に、日中米の気質の違いを書かれているのですが、日本は職人、中国は商人、アメリカは異人としていますね。アメリカが必ずしもこの本に書かれる異人かどうかは疑問に残りますが、日中については非常に的確です。  日本は簡単なものでも究極を追求する職人精神があり勤勉ではあるがえてして独りよがりの過剰品質を生み出し、真の顧客価値に結びついていない。一方、中国は顕在化したニーズを捕まえると手段を問わずいち早く市場に参入する。要は職人は「良いものが売れる」、商人は「売れるものが良い」と考える。アメリカの異人は世の中を驚かせるものが良いと考える。

   日本と中国の現在、及び将来の課題についても、国民の平均年齢、企業幹部の年齢〔日本は高齢化しているのでイノベーションができなくなっている)から、中国のコピー文化によるソフト系の開発レベルが進まない事、詰込教育により創造性を阻害している事などの課題も指摘しています。  結論的には日本の職人気質、中国の商人気質、アメリカの異人?気質をあわせることが必要だって指摘されています。その通りですね。

 

 本書の中でファーウェイがかなり取り上げられています。ファーウェイは中国企業で、もともとはシスコのコピーメーカーに近かったし今でもコピッていると思いますが、中国起業にしては珍しく研究開発費を売上の10%近く投資しているようですね。この企業のCEOが日本に学んでいるという話も紹介されていますが、常に危機感を忘れていない凄い方のようですね。こういう経営者は中国でもどんどん出てきており、皆若い。そういう意味では中国企業の今後の活躍は脅威でもあります。

 

 でもこの本読んで思ったことは、自省をこめて日本に対する指摘はその通り。私も中国の市場は富裕層しか対照にならない、農民向けのサービスなんて金にならないと10年前に考えて、そう発言していました。でも、それは誤りだったのかも。

 ・職人気質もいいけど、マス市場で売れるものを作るという発想が必要ではないか。

 ・日本の商品は途上国では富裕層にしか受け入れられない。これは本当なのか?その努力を怠っていただけじゃないのか。

 

 僕が農民向けの市場なんて考えられないといってから11年。当時の中国のGDPは日本の1/3。上海には確かに富裕層は居たが、日本の給与は彼らから見れば夢のように高かった。今はGDPは日本の3倍。どうレベルの学歴や能力だと中国企業のほうが世代によっては所得も高い。

 尖閣以降中国からと何アジアに出て行った日本企業の多くから、東南アジアは市場としてまだ早いと聞きます。確かにそうかも。でもインドもいずれ中国に近くなるとしたら?アジアの時代が本当に来るか個人的には疑問を持っているけど、もしそういう時代になった時、市場を席巻しているのは日本企業ではなく、中国企業になっているのじゃないだろうか。

 

 日本は世界のごく一部のお宅系の消費者向けの商品しか供給できなくなるんじゃないだろうか。それはそれで一つの生きる道だとは思うが、それで国家の繁栄を維持できるのか。リバースイノベーション2.0というタイトルに関しては、え?とも思いますが、この途上国のマス市場を狙う製品開発。そしてその製品を販売するマーケティング能力。日本に欠けているというよりは、単に馬鹿にしてやっていないという気もするだけに、複雑な気持ちで読ませていただきました。

 

最後に、田中さんありがとうございました。

 

 

 

 

 


がんばれ上海高島屋。めげるな!

2014-07-12 | 中国経済関連

 開業以来苦戦が続くといわれる上海高島屋。確かに立地が悪い。1970年頃に二子玉川店を開店しているので、高級住宅地の単店舗百貨店経営という点で成功事例がある殻のチャレンジかもしれませんが、他の商業施設が無いのと、上海の場合金持ちはかなりいるが、平均収入という点では1970年代の東京と比べるまでも行っていないのか。

 その高島屋の巻き返し策の一つが子供にフォーカス、という事はフリ-ペーパーかなんかで聞いていましたが、昨日、今日と連日いってみるとこんな感じ。今日は土曜日ですが、いつものとおり多くのフロアはガラガラ。4階の子供用品売り場には、上記の写真のように子供が無料で遊べる場が2ヶ所も作られておりそれなりにお客さんたちが遊んでいます。

 テナントが抜けてフリースペースが多いせいか、5階にはラジコンや大人向けぷらもです等の趣味系のショップが入り、そこで船のラジコンを一つ昨日購入。帰ってみたら動かしかたがわかんなくて今日もよった次第です。5階は会いロボットと類似業者が出店していて、例の載っていると自動的に動くカートがあり息子はそれで遊ぶ。

 3階に何故か日系の幼児教室が開かれている。看板は中国語も記載しているが、サンプルとしておいてある教材は日本語のまま。

 4階に文具売り場があるが、同じような商品を3階でも販売している。

 マァ店割とかめちゃくちゃのようにも想いますが、苦労しているのでしょう。

 

 さて、、、これが上記写真の後1時間後の姿。。。

上記右の写真のそばですが、ボールが沢山飛び出ていますね。子供たちが傍若無人にボールを投げあい外にこぼれているという次第。親は誰もそれを止めることも、拾う事もしない。店員があきれてみているがそれだけ。誰かがいづれ片付けるのでしょうけどね。。

 日本じゃ考えらんないんですけどね、是が現実。

 

 いい試みですが、まだ日本発想が抜けていないのですね。

 ちなみにモールなどに行くと結構しょうも無いところでも有料で子供を遊ばせる場所があり、まぁまぁ繁盛しています。いまの家の前のウォルマートはかなりシャビイですがやはり1階にこういうところがありとりあえず日中に行くと客はいる。そういう遊戯施設を無料で使わせるというのはある忌みとてもよいことでしょう。私たちも昨年末まで開いていた小さな店の中に、もっと小さな子供2-3人がままごとできるスペースを作っていました。いや、馬鹿にするわけじゃないけど子供相手の商売だとこういうのは常策です。

 

 で僕らはレゴとかをおいていましたが、途中から店で販売している商品のみに切りまえました。理由は申しませんが。で、毎朝あーいーさんが子供を連れてここでだべっていました。当然あーイーさんはお金が無いのでそこで商売にはならないっすね。土足で上がりやがるし。

 

 高島屋は、最上階のレストラン街と地価1階だけがそれなりにお客さんがいて、他のフロアは基本的に店員さんのほうがお客さんより多いというのが悲しい現実です〔休日でさえ)。日本人をここから除いたらもっと悲惨でしょう、だから日系ふリーペーパーに最近広告を沢山載せています。個人的には全くの無駄金だと想いますけど(だって日本人は、私自身がそうであるようにほっぽっても勝手に集まるもの)。この4階のお客さん、近所にお住まいの子連れが多いのでしょうが、ここで遊んで何か買っていくのかな??

 

 大企業の資金力で色々と試行錯誤をされていくのでしょうし、お気に入りの店が幾つかあるのでチョコチョコ通わせていただきますが、何でこうなっちゃうのかな。がんばってほしい。