![]() | 中国で考えた2050年の日本と中国 北京烈日 決定版 (文春文庫) |
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伊藤忠元会長というべきか、在中国大使というべきか、丹羽さんの本です。2013年に北京烈日という本を出され、読んでおそらく読後感はブログに書いたのかなとも思うのですが、たまたま関空で見かけ、すっかり内容を忘れていたので、再度読んでみました。
冒頭に2012年の尖閣問題に関して触れられていますが、内容的には日本の将来に関して色々と厳しいご意見を出されています。
・インフラ整備に無駄な金を使うな。人口減少社会を踏まえ長期的ビジョンを構築し、それに従い整理整頓された開発を行え。
・農業:農協や農水省の課題。。米に注力しろ、大規模農家を増やせ。
・シェールガスによりオイル価格の下落(実際に落ちましたねー)、アメリカ製造業の復活が見込まれる。
・原発は焼却残高を踏まえ暫時削減。
・日本の強さはブルーカラーにあり、ブルーカラーの正社員はしっかり維持し、ホワイトカラーから非正規化すべき。
・国家の力は経済、政治、軍事の総合であり、軍事をおこたってはいけない。
非常に歯切れがよく、そうだそうだ、と全く同感します。この辺はもっと社会に認知してほしいですね。
一方中国関連になると、やはり元大使というより伊藤忠元CEOとしての立場からか、時々辛い表現が出てきますがわりとあいまいにはなります。深読みするとかなり厳しいこと言ってるなと思いますけど。
・バブルは崩壊しない。いや、思想になったら世界中が困るから支える。
・農民工の教育がひどいために、ブルーカラーで日本が負けることはありえない。
・一方で中国政府は自分たちの弱点を良く分かっており予算配分等みるべきものがある。
中国の今後に関して、都市化率の推進、国営企業の改革と民営化、金融税制改革、が経済対策としてある。バブルで浮かれているのは一部富裕層に過ぎない、ネットの普及により民意を無視できなくしている。これらにより楽観視できる。
懸念は、中国人の野心や競争心が虚栄心になってしまわないか?
日中関係に関しては、日本の軍事力を強化しないといけないという表現が何度かありますので、やはり尖閣の時に戦争を本気でちらつかされたのだろうと思います。一方で習近平にはかなり色々な期待を持っていたようですね。でも言動が飛び跳ねると世界から嫌われるだろうがそれほどバカじゃないだろうと書いてます。
最終章が今回書き足されたものですが、ふーんと思うのは昨年の株安もアメリカとつるんでいるのではないかという意見。そうなのかな?
まぁ明確には書いていないし立場上かけるわけではないでしょうが。。
結局のところ、
習さんはこわもてな態度を近隣にふりまき、結構警戒されるようになった→おばかさんということか。
虚栄心。。見事に蔓延しちゃってまーす。。もうつける薬がないくらいに
ついでに私見を言うと、不動産価格は超バブルでこんなの持つわけがないというのが、日本のバブル経験者でそれなりに歴史を調べた私見です。でも中国関係の人は都市化だから平気だって意見を吐く人結構いるんですよね。
私の質問です。都市化っつって田舎の農民を町に集めるのはまぁよい。。。でもどうやってくってくの彼ら?食わせるの?日本の昔のお百姓も結構課題有ったろうが中国のは凄いよー。人がいいとか悪いじゃなくて、町に住んでも土方や荷役、ゴミ拾い程度の仕事しかやれないだろう。。でももう中国は経済効率化を図る時代で工場はロボット化を推進しようとしている。そういう人たち町に集めていったい何するんだろう?社会不安を高め、社会保障費負担を増やすだけになるんじゃないだろうか?