亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

「シルバーに連動する」のか?

2006年03月04日 16時15分43秒 | 金市場
金を裏付けとするETF(上場投信)が注目を集める一方で、いま海外市場ではバークレイズ・キャピタルが申請中の“銀を裏付けとするETF”の認可が近いのではという見通しの下、シルバーの値動きが非常にいい。もともと値が軽いことで知られており、一般個人は一線を画しておいたほうがいい商品なのだけど、値動きの良さが逆に投資家を引きつけるという状況になっている。シルバーは貴金属というよりも今や工業用素材という側面が強いため、この商品の登場で過剰な投資マネーが流れ込み、市場の撹乱要因になる可能性があるとして、実需家の間から反対の声が上がっており、すんなり認可とはいかないのではという見方もある。ただし、足元の市場では、SEC(米証券取引委員会)は認可するとの前提で買いが先行しており、まさに「噂で買って事実(材料発表)で売る」という古典的な投資手法が価格を押し上げている格好だ。銀価格は、金などに比べると安く(言うまでもないか・・・)上がったとはいえ1オンス10ドルを超えたというので、大騒ぎになっているというのが現状。ちなみに過去最高値は1980年の(なんと)48ドルというもの。

ただ、この動きが無視できないのは、足元では材料性の乏しい金に代わって銀が市場を引っ張ってはいるものの、昨年までは金価格に連動する形で銀は動いていたという事実。逆に金が銀価格に連れ高ということもあるわけで、実際に先週はUBS(UBSインベストメント・バンク)がそれを根拠に金価格の見通しを1ヵ月580ドル、3ヵ月600ドルに上方修正している。もちろん目先の銀相場の上昇継続を読んでのことだけど。

(注)3月2日のGoldETFでNY連銀とBOE(イングランド銀行)両方の監督下にあるとしたのは、ETF(streetTRACKS)ではなく保管業務にあたっているHSBCのことなので誤解のなきようお願いします。

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