モウズイカの裏庭2

秋田在・リタイア老人の花と山歩きの記録です。

7月27日、銀泉台から大雪山・赤岳、小泉岳へ(2)

2022年08月01日 | 北海道の山と湖

(本頁は「7月27日、銀泉台から大雪山・赤岳、小泉岳へ(1)」の続きです。)


駒草平を更に進むと、咲いてる。咲いてる。コマクサが咲いてる。
ただし数日前の荒天のせいか、花が傷んでいた。

駒草平のコマクサ


コマクサ



ここは盗掘で激減したコマクサを保護し、回復させたものと聞く。

コマクサ群生地のすぐ隣に、突然、池塘が現れたのには驚いた。
そこにはワタスゲが群れていた。




後でこの場所は「神の田圃(たんぼ)」と呼ばれていると知る。

ここを過ぎると、再びコマクサやイワブクロの群れるガレ場に変わる。

駒草平にて。右のピークは烏帽子岳(2072m)か。



ところで、めざす赤岳はいったいどれなんだろう。

こちらは東岳(2070m)。




駒草平最後?のコマクサ



道の両側には新手のマット植物が多くなって来た。

チシマツガザクラ (横から)



チシマツガザクラ (上から)



チシマツガザクラは東北では早池峰や八甲田に産すると聞くが、残念ながらまだ見たことは無い。

マット状の葉は苔のように見えるが、これでも一応、樹木(矮性常緑低木)とのこと。
極寒の環境に耐えるための生活型だろうが凄まじいものを感じた。

チシマツガザクラのマット上に白い枯れ枝のようなものがいっぱい生えていた。
こちらはナギナタゴケという地衣植物。

ナギナタゴケ



イワヒゲも樹木(矮性常緑低木)。
既に岩木山や秋田駒ヶ岳の垂直の岩場で見ているが、
大雪山のものは平らな岩の表面に生え、株が大きく、花付きも好かった。

イワヒゲ



色とりどりの草花も咲き出していた。
イワギキョウは多かったが、まだシーズン初めなのか咲いてるものは少なかった。

イワギキョウ



待望のエゾコザクラ。

花の傷みの少ないのがやっと現れて来た。




エゾコザクラ
 

                                          ミヤマキンバイ



赤岳の山頂はどこなのか、依然としてわからないが、かなり近づいていることだけは確かだろう。




淡いブルーのエゾヒメクワガタが多くなって来た。
本州では見られない花だ。

エゾヒメクワガタとチングルマ



エゾヒメクワガタ
 

                                              ハイオトギリ


本州でもよく見かけるチングルマも。

チングルマ(花)



チングルマ(実)



こちらは北海道高山限定種。

チシマクモマグサ



赤岳への上り、ハイマツの隣にリンネソウの群生地があった。

リンネソウ



リンネソウ



リンネソウ



リンネソウ
 
                                          ウラシマツツジとコケモモ


リンネソウは、個人的には、昔、北アルプスの白馬岳や八幡平でちょこっと見て以来、三度目。
久々の出会いだった。

ところで、「リンネ」は「輪廻」ではない。「ソウ」とあるが、草ではなく低木。
ウィキペディアによると、
分類学の基礎を築いたカール・フォン・リンネがこの植物を愛好しており、
この種を記録した際に自らの名前を学名(属名)に付けた。

和名もそれにちなんでいる。
日本では、茎が二股に分かれて花を付けることから「メオトバナ(夫婦花)」と呼ばれていた。
・・・とのこと。

更に登ると・・・

手前、烏帽子岳(2072m)と右奥に黒岳(1984m)。



7月27日、銀泉台から大雪山・赤岳、小泉岳へ(3)」へ続く。


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6 コメント

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思い出 (迷える羊)
2022-08-01 10:35:40
道産子の誇りとして大雪山と十勝岳は登っておかないとねってことで学生時代に登頂しました。
息切れしながら無言で歩きました。ゼイゼイしながら
もお花畑一面に咲くチングルマに感動しました。
汗まみれで歩きコマクサがなびいているのを見て風が
吹いていたのかと感じた瞬間でした。懐かしい思い出
です。
返信する
ありがとうございます (menusan)
2022-08-01 10:42:28
おっしゃるように、コマクサ平はかなり荒らされたようですね。

小生もあの時に群落の中に入りこんでいる数人を見ました。一応入らないように声をかけましたが、いい加減な返事で戻ってくるような気配もありませんでした。
小さなコマクサは踏みつけられているのも数株、道から見えました。
監視員の方もお見かけいたしますが、何分広範囲で目が届かないようです。

高山植物は年によって見事に咲き誇るシーズンと鵜荒表があるようですね。
赤岳の手前ではチョウノスケソウも数株咲いていました。
チョウノスケソウは小蓮華から白馬岳の途中で数株初めて見ましたが、その時以来の出会いでした。

いつも、素敵な山や高山植物のお写真、ありがとうございました。
返信する
迷える羊さんへ。 (モウズイカ)
2022-08-01 13:22:52
コメントありがとうございます。
好い思い出ですね。
私自身は初めての大雪山は1971年7月17,18日でした。
黒岳の石室で {{{゚◇゚;}}}ガクガク震えながら、一睡もできないまま、
北海岳経由で旭岳まで縦走したことを思い出します。
その翌日でしたか、十勝岳は登山口まで行き、
イワブクロの大群生に驚きました。
その時、見た花や風景の印象が強烈で、リタイアしてからも
このように歩き回っております。
返信する
menusanさんへ。 (モウズイカ)
2022-08-01 13:29:29
コメントありがとうございます。
個人的には秋田の某山で年に数回、高山植物パトロールもどきをしております。
ロープをはみ出す登山者を注意することもありますが、
中には逆切れして挑みかかって来る人も居るので
相手をよく見て距離感をもって注意するよう心がけております。
赤岳のシリーズ、まだ少し続きます。
最後までお付き合いいただけましたらさいわいです。
返信する
Unknown (ミルク)
2022-08-01 21:35:43
こんばんは。
きれいなお花の数々 楽しませていただきました。
高山の花で、コマクサが1番好きです(^^♪
写真 いつもきれいですね。
<エゾヒメクワガタ>って,虫かと思ったらかわいいお花@@
ヒグマさんは、いないのですか?
返信する
ミルクさんへ。 (モウズイカ)
2022-08-02 08:21:57
いつもありがとうございます。
ヒグマのことでしたら、前日の投稿
「7月27日、銀泉台から大雪山・赤岳、小泉岳へ(1)」の方に少し触れております。
「クマ鈴を鳴らし、歩き出したら、国立公園パトロールの方から、
「随分と賑やかですね。大雪山のヒグマは登山道には現れませんよ。」と言われる。
「人食い熊の出没する秋田から来ました。」と言ったら笑われ、
「こちらも山菜取りで沢に入る時は注意ですね。」とのアドバイス。」
先日(2022年7月21日)も行きましたが、クマのかわりにエゾシカに遭いました。
シカは多いですね。高山植物に食害が出ないかちょっと心配です。
返信する

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