(本頁は「春の男鹿二山、まずは寒風山。」の続きです。)
5月4日は寒風山の後に男鹿三山のひとつ、毛無山に行ってみた。
いつもなら平日早朝に行くことが多く、五社堂駐車場はがら空き(多くは一番乗り)だが、
今日は寒風山に寄った後なので到着は9時過ぎと遅れた。
そしたら駐車場は珍しく満杯だった。
そこでは以前見たことのある方が来訪者にしきりとお願いをしていた。五社堂の宮司さんだった。
参拝者の駐車の迷惑になるので、登山者や山菜取りが目的の方は今後、ここに駐車しないで下さいとのこと。
五社堂駐車場に関するお知らせ
本駐車場を利用するようになって約三十年目にして初の申し出に少々面食らったが、
聞いてみるとご尤もな話なので、その指示に従うことにする。
約200m手前にある県有の空き地に移動して駐車。
そこから五社堂駐車場までテクテク歩き出したら、道端でオドリコソウを見かけた。
オドリコソウの群生
オドリコソウ
シャク(セリ科)
実はこの花、今日、毛無山に来たら是非見たいと思っていた花のひとつ。
いつもなら勝楽寺の裏を藪漕ぎしてしょぼい株を見て我慢していたが、
この道端には延々としかもびっしりと咲いていた。こんな大きな群生を見たのは初めてだ。
駐車場変更に快く応じたご褒美なのかなと勝手に解釈。
今回の毛無山の花はオドリコソウの大群生でスタートしたが、次に見た花も同じシソ科のラショウモンカズラ。
こちらは五社堂石段の登り口でドッキリするほどでかい青紫花を突き出していた(途中の林の中にも多い)。
ラショウモンカズラ
中腹まで登ると、今度は同じシソ科のニシキゴロモが咲いていた。
こちらはキランソウの仲間でちっこいのでつい見過ごしてしまいそうだが、
花の色は白、青紫、ピンク、それぞれの中間・・・と多彩だった。
ニシキゴロモ(白)
ニシキゴロモ(青紫)
ニシキゴロモ(ピンク)
シラネアオイは登山道沿いではもう終わりかけていた。
新鮮なものはないかと藪を漕いでみたら、まだ少し残っていた。
シラネアオイの小群生
しかも今日もまた白花に出会った。近くに古くなった白花も有る。
この山は思った以上に白の密度が高いのかも。
シラネアオイの小群生の近くにあったブナの木は変な格好をしていた。若い頃、ろくでもない奴に絡みつかれたのか。
ルイヨウボタンは緑花。
イカリソウは黄花。
キバナイカリソウ
チゴユリ
ナツトウダイ
藪漕ぎの際の強敵、モミジイチゴがちょうど開花中だった。今回も前回も藪漕ぎの際、この木の棘で流血した。
樹木の花をいくつか。
ヤマツツジ
フッキソウ。これでも一応、低木。
オオカメノキ
ムラサキヤシオ
ブナ林帯ではときどきガスに包まれた。
下山時はパラパラ雨が落ちてきたが、濡れるまでには至らなかった。
山頂部付近で多く咲いていた花は、ミヤマスミレとミヤマカタバミ。
ミヤマスミレ
ミヤマカタバミ
男鹿三山は植物の種類が豊富で、この山域にしかない固有種や希少植物がいっぱい有る。
そのひとつ、オオサクラソウがもしかしたら咲いてるかなと思ったら、まだ蕾だった。
生育地で出会った植物保護パトロールの先輩によると、四月暖かかったので急速に生長したものの、
連休中は寒の戻りで開花が足踏みしているとのこと。
オオサクラソウ蕾
オクエゾサイシン。すぐ近くでトウゴクサイシンも咲いていた。
今の時期、毛無山ではホソバノアマナをあちこちで見かける。
この花はユリ科、チシマアマナの仲間、花は地味で存在感も希薄だが、秋田では毛無山でしか見たことが無い。
ホソバノアマナ
男鹿毛無山は植物の種類が多い。
まだ他にも有ったが、いつもより長くなってしまったので、今日はここまでとしよう。
以上。
この山は不思議と植物の種類の多い山で固有種や希少植物も結構あります。
ただし登山道を歩くだけでは見れないので、
藪が濃くなる前の春だけは林の中を自由に(ただし保護エリアには立ち入りませんが)歩いて花探ししております。
そのとき必ず引っかかるのがこのイチゴの棘なんです。
高山のベニバナイチゴの実はときどき口に入れますがけっこうジャリジャリしますね。
モミジイチゴはこちらでも多く見られますが、
実をジャムにして食べたことが記憶にあります。
確かにトゲは厄介ですね。