モウズイカの裏庭2

秋田在・リタイア老人の花と山歩きの記録です。

「山の日」は乳頭山へ。(2016年8月11日)

2021年08月11日 | 乳頭・千沼ヶ原

(本記事は自ホームページの旧記事をブログ用にリメイクしたものである。)

8月11日、「山の日」は当初、秋田駒か鳥海を予定していた。

いずれも7月に行ったが、天気が悪く、花に関してはみじめな結果だった。
しかしどちらも山の日は大混雑が予想されたので直前で中止。かわりにマイナーなお山、乳頭山に行くことにした。

笊森山鞍部から見た乳頭山


今回の非合法マップ。



登山口は秘湯として名高い乳頭温泉郷のひとつ、孫六温泉。




早朝5時半から登り始めたが、
林の中はまだ薄暗く、いち早く朝日を浴びた秋田駒ヶ岳が樹間越しにちらっと見えた。



しばらくはみごとなブナ林が続く。しかし早朝にたった一人歩くのは心細いものである。
登りの時は腰に着けたクマ鈴が鳴りにくい。7月末の真昼岳同様、奇声大声を発しながらの登山になった。

 
                                                                                                      
一瞬、クマかと思ったブナの木。 


ご覧の通り、ドキッとするような風景にしばし遭遇。

なおこの山域では5月に本物のクマさんに遭遇している(幸いにも、50mくらい手前で発見、既に後ろ姿だった)。

ブナに代わって針葉樹のアオモリトドマツが現れるようになると、稜線(田代平)は間近だ。

樹木は疎らになり、見通しが効く。クマの恐怖からは解放されたものの、
朝日に向かっての登山なので今度は日が眩しくてたまらない。


アオモリトドマツ                             田代平で最初に出会った花はワレモコウ?
 

                                                                                             
田代平から乳頭山を仰ぐ。(´π`;)なんかゴマフアザラシのようなお山。




乳頭山頂はすぐ目の前だ。

この山の南側は切り立った崖になっている。




特に急いだわけでもないが、8時前、山頂に到着。見渡す限り、ヒトは誰も居ない。

しばし360度の展望を愉しむ。



東側に岩手山。




南側、左から遠く和賀山塊、手前に湯森山、秋田駒ヶ岳、
そして右端に田沢湖を望む。



駒ヶ岳の右肩にうっすらと鳥海山も見えた。

 



西側に田沢湖を望む。

 



北西の方角は奥に優美な森吉山、中列右にグレートフラット・大白森、手前は今、登ってきた田代平。




北側に大きく八幡平の山並みが広がる。

中ほどに少し尖って見えるのは茶臼岳、右は大深岳と源太ヶ岳。

 



今回の乳頭山だが、花はあまり期待してなかった。

すぐ近くに花の名山、秋田駒ヶ岳があるが、乳頭山の花について話題になることは極めて少ない。
またこの山は若い頃、秋田駒から複数回、縦走しているが、急ぎ足で通り過ぎたせいか花の記憶はほとんどない。
今回は時間にゆとりがある分、乳頭山の花をしっかりと見ようと思う。

山頂から北東方向、小乳頭をめざして歩くと、すぐに黄色系のお花畑が現れた。
バックの山は笊森山。




ニッコウキスゲと岩手山                                                                                 トウゲブキ

 


ミヤマリンドウ
 



小乳頭から南東方向を望むと、今まで見ることのなかった山岳風景が展開する。

この角度からの乳頭山は尖がった帽子のようだ。岩手側の呼び名、烏帽子岳もむべなるかな。

乳頭山と秋田駒ヶ岳(左) 



再び乳頭山頂に迫り、南面に咲く花を見ながら千沼ヶ原へ向かうことにする。

今の時期、乳頭山の南斜面やそれに続く稜線は「シャジンロード」と呼びたいくらいタクサンシャジン、
じゃないハクサンシャジンが多い。

乳頭山頂をバックにハクサンシャジン。 

 

                                                下の方は花の終わったミヤマキンバイ。



ハクサンシャジンを主体としたお花畑



ウスユキソウ                                 
タテヤマウツボグサ
 
 

秋田駒に咲くウスユキソウの仲間はミヤマウスユキソウ(ヒナウスユキソウ) Leontopodium fauriei だが、
乳頭山ではただのウスユキソウ Leontopodium japonicum
(ミネウスユキソウ Leontopodium japonicum var. shiroumense とする説もある)だ。

ひとつながりの山なのに、咲く花は微妙に違っている。

荷葉岳(1254m)を望む鞍部にはキオンが群生していた。この花も秋田駒ヶ岳では見たことがない。




先達川最上流部の名無しの小湿原 



千沼ヶ原は乳頭山頂から小一時間ほど歩いた先にある。国内でも有数の高層湿原と聞く。




 
                                          
エゾオヤマリンドウ 


乳頭山にはこの後も時期をずらして何回か登り、花は概ね把握できた。

以上。


コメント (3)    この記事についてブログを書く
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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
タクサンシャジンに (ねも)
2021-08-12 23:39:55
モウズイカさん
座布団1枚! こんなダジャレを言うなんて、意外な一面を知りました
乳頭山から千沼ヶ原あたりは、静かできれいで、私も好きです。といっても2回くらいしか訪ねていませんが(><)
ねもさんへ。 (モウズイカ)
2021-08-13 08:25:00
コメントありがとうございます。
実はムカシの花友達にダジャレが止まらない人(先輩)が居て、少し影響が残ってるようです。
ハクサンイチゲやハクサンシャジンが群生しているところに行くと、語感が似ているものですから、
つい「タクサン・・・」と言ってしまいます。
乳頭山から千沼ヶ原あたりは東北の山でも、個人的にも特に好きな場所です。
夏は花が多く、秋の紅葉や伸びやかな風景も最高です。
そのくせ人が少ないのも魅力です。
ただここ数年、登山道の刈払いがされておらず、
通過には難儀しております。
先人が見出した東北でも最高のコースなので何とかならないものかといつも思っております。
ご返信ありがとうございます (ねも)
2021-08-13 09:59:26
モウズイカさん たしかに。
昨夏に歩いたとき、そう感じました。山中で会った地元の方によると、新型コロナウイルスの影響で、そこまで手が回らないのでは?と。
晴れていたので、ちょっとうるさいなぁで済みましたが、ガスってたりすると難儀しそうです(><)
一昨年6月に歩いたときは刈ってあったように覚えていますが……

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